JP6190552B1 - 耐クリープ性に優れた耐熱球状黒鉛鋳鉄 - Google Patents

耐クリープ性に優れた耐熱球状黒鉛鋳鉄 Download PDF

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Abstract

【課題】チェッカー受金物部材等に使用できるFCD400合金の高温耐クリープ強度を向上させる。【解決手段】質量%で、C:3.0%〜4.3%、Si:1.5〜3.5%、Mn:1.0%以下、Mg、ミッシュメタル、Ce、Caのいずれか1種以上からなる黒鉛球状化剤:0.010〜0.15%、P:0.20%以下、S:0.050%以下、Ni:0.50〜1.5%、Cu:0.20〜1.0%、Mo:0.50〜1.5%、を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる耐クリープ性に優れた耐熱球状黒鉛鋳鉄。【選択図】図1

Description

本発明は、耐クリープ性に優れた耐熱球状黒鉛鋳鉄に関する。
製銑のための高炉用熱風炉の蓄熱室に備えられたチェッカー煉瓦を支持するチェッカー受金物部材には、高強度、高靱性に加えて、耐熱性が求められている。
図2(A)、(B)に、熱風炉における蓄熱室の構造概念図と、蓄熱室内の蓄熱と熱風供給の過程を示した。前記蓄熱室は、蓄熱室中に設けられたチェッカー煉瓦1に蓄熱室の上部から予め蓄熱室とは別の燃焼室で生成させた、高温のチェッカー煉瓦加熱ガス3を吹き込んでチェッカー煉瓦1に熱を蓄熱しておき(図2(A)、蓄熱過程)、必要に応じて、加熱したい温度の低い、蓄熱室により加熱される空気6を蓄熱室に導入し、蓄熱されたチェッカー煉瓦1の熱により蓄熱室により加熱される空気6を加熱することで、この蓄熱室により加熱される空気6を熱風5として高炉に供給する(図2(B)、熱風供給過程)。
この蓄熱過程時(図2(A))に、チェッカー煉瓦加熱ガス3は、加熱を終えて熱を失い、ガスが通るように構成されたチェッカー受金物部材2を通して、下部から外部へと高温の排ガス4として排気される。
チェッカー受金物部材2を通して蓄熱過程において排気される排ガス4は、蓄熱部材のチェッカー煉瓦1に熱を移動させて熱を失ってはいても、150〜400℃程度の高温であるので、チェッカー受金物部材2には耐熱性が要求される。
このようなチェッカー受金物部材として、従来、FCやFCDなどの鋳鉄が採用されている。中でも、FCD(球状黒鉛鋳鉄)は、ダクタイル鋳鉄あるいはノジュラ鋳鉄とも呼ばれ、母相鉄中に、鋳鉄中の炭素分が黒鉛として球形に析出している組織を呈している。このような球状黒鉛鋳鉄組織とするには、鋳鉄成分として、一般的にMgを加え、Fe−Si合金で接種を行う。あるいは、さらにCe、Caを適量添加することで実現できる。黒鉛が球形に析出する球状黒鉛組織となることにより、黒鉛と母相との界面の応力集中が緩和され、亀裂が進行しにくくなる。そのため、析出している黒鉛が片状である片状黒鉛鋳鉄に比べて、高強度、高靱性(高延性)、高耐摩耗性能を付与することができる。さらに、鋳造用であるので、形状設計を比較的自由に行うことができる。自由に形状設計できるため、自動車部品や建材等にも利用することが容易となる。
しかしながら、近年、高炉や熱風炉の熱効率を向上させるため、熱風炉から供給される熱風5の温度をさらに上昇させることが求められている。
熱風5の温度を上昇させるには、蓄熱室の温度を上昇させる必要があり、その手段の1つとして、排ガス温度の上昇がある。
ところが、チェッカー煉瓦加熱ガス3の温度を上げると、チェッカー煉瓦の加熱を終えた排ガス4の温度が従来の耐熱温度である350〜400℃よりも上昇する。そのため、高温の排ガス4にさらされながらチェッカー煉瓦1の重量を支えなければならないチェッカー受金物部材2は、熱と重みで座屈してしまう。すなわち、チェッカー受金物部材2の耐熱強度が向上し、排ガス4の温度を上げることができれば、蓄熱熱量も増え、熱風5の温度も上昇させることができる。
排ガス温度を上げるための技術として、特許文献1には、蓄熱格子耐火煉瓦を支持するための支持組立品を、フェライト系マトリックスおよびグラファイト粒子の分散物を含んでなり、前記グラファイト粒子の形状が実質的に芋虫状または団塊状である鋳鉄組織である鋳鉄とすることで、排気温度が600℃さらには700℃を超えられる旨記載されている。また、成分的には、鋳鉄材料は、炭素2.0〜3.8%、ケイ素1.8〜5.0%、マンガン0.1〜1.0%、リン0.1%以下、硫黄0.1%以下、所望によりモリブデン1.25%以下、不可避不純物および残部鉄、である旨記載されている。
特表2008−528808号公報
FCD(球状黒鉛鋳鉄)は、基地組織がフェライトであり、グラファイト粒子の形状が球状である団塊状であるから、特許文献1に記載されている発明は、実質的にFCDと、これにMoを添加した合金鋳鉄である。このFCDは、球状黒鉛鋳鉄であるから、高強度、高靱性ではあり、ある程度の耐熱性を有しているが、高炉に吹き込む熱風をさらに高温とし、高炉に装入する加熱用のコークスを減少させるためには、蓄熱室の温度を向上させることが求められるため、さらなる耐熱性が求められる。特に、現状の大規模な実機レベルの、高温で約2000トンfの高重量が負荷されるチェッカー受金物部材おいて、例えば排ガス温度を400℃から500℃に100℃向上させることで、高炉1基あたり年間コークス使用量を数万トン減少させ、年間数億円のコスト削減が期待できる。
チェッカー受金物部材は、従来よりも高温で、2000トンfもの高荷重が負荷されることから、高温で必要な耐用強度を設定する必要がある。一般的に、高温で用いられる材料の許容応力は「ASME Code」(アメリカ機械学会基準)で規定されている設計応力、すなわち、「高温引張強度の1/4」と「10−5%/時のクリープ速度が発生する応力」(「%/時」は、一時間あたりの変形割合)のうちの小さい方の値によって決定される。
図1の破線にFCDにおける「高温引張強度の1/4」、「10−5%/時のクリープ速度が発生する応力」と温度との関係を示す。また、図1の実線は、本発明の目標とする高強度化特性である。一般的に従来材質であるFCDは、温度が上昇するに従い、400℃近辺で、「高温引張強度の1/4」と、「10−5%/時のクリープ速度が発生する応力」が逆転し、「10−5%/時のクリープ速度が発生する応力」の方が小さくなる。このように、400℃を超えるような高温下で材料を使用する場合は、当該温度での単純な引張強度だけでは材料を使用できるか評価することができず、高温でのクリープ強度が高い必要がある。そのため、チェッカー受金物部材として使用する際は、クリープ強度が律速となり、さらに設計応力や設計条件によって最大許容温度が決定される。すなわち、破線に示した従来技術を実線のような特性に改善できれば、10−5%/時のクリープ速度が発生する応力が向上し、チェッカー受金物部材の最大許容温度を向上させることができる。
特許文献1には、排気温度が600℃さらには700℃を超えられる旨記載されているものの、高温クリープ特性については言及されておらず、また、実態的な高温での強度も開示されていない。
上記課題を解決するための、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)質量%で
C :3.0%〜4.3%、
Si:1.5%以上、3.0%未満
Mn:0.4%以下、
Mg、ミッシュメタル、Ce、Caのいずれか1種以上からなる黒鉛球状化剤:0.010〜0.15%、
P :0.20%以下、
S :0.050%以下、
Ni:0.50〜1.5%、
Cu:0.20%以上、0.8%未満
Mo:0.50〜1.5%、
を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする耐クリープ性に優れた耐熱球状黒鉛鋳鉄。
(2)(1)に記載の耐熱球状黒鉛鋳鉄からなることを特徴とする熱風炉の蓄熱煉瓦支持部材。
(3)(1)に記載の耐熱球状黒鉛鋳鉄からなることを特徴とする熱風炉のチェッカー受金物部材。
本発明により、球状黒鉛鋳鉄のクリープ強度及び高温引張強度を向上させることができ、熱風炉の蓄熱煉瓦支持部材、チェッカー受金物部材等の耐熱構造材として好適に使用することにより、熱風炉、高炉操業等の熱効率を向上させ、資源やコストを低減させることができる。
高温における、FCDの使用温度と、引張強度及びクリープ強度の関係、および本発明の目標特性を説明する概念図。 (a)熱風炉の蓄熱室の構造と、蓄熱室における蓄熱過程を示す模式図。 (b)熱風炉の蓄熱室の構造と、蓄熱室における熱風供給過程を示す模式図。
本発明者は、FCDに使用される成分組成をベースに、高温クリープ強度の向上を図るため、種々の添加元素を検討した。その結果、所定量のMo、Cu、Niを、併用して添加することにより、球状黒鉛鋳鉄の高温クリープ強度と引張強度が向上することを見出した。以下、各成分の限定理由について説明する。成分に関する%表記は、すべて質量%である。
C:3.0〜4.3%
元々鋳鉄は、鋳造性を良好にするための炭素を1.7〜4.5質量%程度含むが、本発明においては、球状黒鉛および炭化物(パーライト組織に含まれるセメンタイト等)を十分に生成させるために、範囲を3.0〜4.3%と規定した。3.0%未満では、球状黒鉛鋳鉄は片状黒鉛鋳鉄よりも湯流れが悪いため、鋳造性が悪化して湯流れ不良等に伴う鋳造欠陥や引け巣の発生、球状黒鉛や炭化物生成不良となり、強度が不足する。4.3%を超えると、共晶組成を超えることから初晶黒鉛(過共晶黒鉛)が生成しやすくなる。初晶黒鉛が生成すると、鋳鉄の靱性が低下し、伸びが悪化するので好ましくない。また、4.3%を超えると、ドロスや偏析が発生して鋳造欠陥となり、黒鉛が十分に球状化、分散せず、鋳鉄の靱性が低下し、伸びが悪化する。より好ましい下限範囲は、3.5%以上、さらに好ましい下限範囲は3.7%以上である。一方、より好ましい上限範囲は、4.0%以下、さらに好ましい下限範囲は3.9%以下である。
Si:1.5〜3.5%
Siは、黒鉛の晶出を容易とし、また、後述するMg添加の効果と相まって、黒鉛を球状化するため、さらには鋳造性を良好にするために添加する。1.5%未満では、上記の効果が十分でなく、十分な黒鉛が晶出しないため、強度が不足する。一方、3.5%を超えると、晶出した黒鉛量が多くなりすぎ、球状化しない片状晶出物が生成する。黒鉛が片状で晶出すると、黒鉛との界面に応力が集中して強度と靱性、伸びを悪化させる。より好ましい下限範囲は、2.0%以上、さらに好ましい下限範囲は2.5%以上である。一方、より好ましい上限範囲は、3.0%以下、さらに好ましい下限範囲は2.7%以下である。
Mn:1.0%以下
Mnは、通常の鉄鋼製錬において、脱酸や靱性の確保のために微量添加されるものである。1.0%を超えると、硬く脆いマンガン炭化物が生成しやすくなり、強度と靱性、伸びが悪化する。より好ましい上限範囲は、0.6%、さらに好ましい上限範囲は0.4%以下である。一方、下限については、必ずしも限定する必要はないが、必要以上にMnを低減することはコストを押し上げるため、また、脱酸や靱性の確保を行う必要上、0.1%以上が好ましく、0.2%以上がさらに好ましい。
Mg、ミッシュメタル、Ce、Caのいずれか1種以上からなる黒鉛球状化剤:0.010〜0.15%
Mg、ミッシュメタル、Ce、Caのいずれか1種以上からなる黒鉛球状化剤は、晶出する黒鉛を球状化させるために添加する。0.010%未満では黒鉛を十分に球状化できず、片状黒鉛が生成する。一方、0.15%を超えると、硬く脆い炭化物が生成し、靱性、伸びが悪化する。より好適な黒鉛球状化剤は、Mg単独添加であるか、Mgに、CeおよびCaを併用したものである。
P:0.20%以下
P(リン)は鋳鉄中に不可避に含まれる元素であるが、0.20%を超えると、鋳造性が悪化して鋳造欠陥を生じやすくなり、靱性と伸びが悪化するため、含有を制限する。より好ましい範囲は0.10%以下である。
S:0.050%以下
S(硫黄)もPと同様に鋳鉄中に不可避に含まれる元素であるが、0.05%を超えると、黒鉛の球状化を阻害するため、含有を制限する。より好ましい範囲は0.02%以下である。
Ni:0.50〜1.5%
Niは、Mo、Cuとともに添加することにより、高温での引張強度が向上する。0.50%未満では、強度向上の効果が十分でなく、1.5%を超えると、靱性、伸びが低下し、また、鋳造欠陥が発生しやすくなる。より好ましい下限範囲は、0.8%以上、さらに好ましい下限範囲は1.0%以上である。一方、より好ましい上限範囲は、1.3%以下、さらに好ましい上限範囲は1.1%以下である。
Cu:0.20〜1.0%
Cuは、Ni、Moとともに添加することにより、高温でのクリープ強度が向上する。0.20%未満では、クリープ強度向上の効果が十分でなく、1.0%を超えると、靱性、伸びが低下し、また、Cuに富んだ相が発生しやすくなり、強度も低下する。より好ましい下限範囲は、0.4%以上、さらに好ましい下限範囲は0.5%以上である。一方、より好ましい上限範囲は、0.8%以下、さらに好ましい上限範囲は0.6%以下である。
Mo:0.50〜1.5%
Moは、Ni、Cuとともに添加することにより、高温でのクリープ強度が向上する。0.50%未満では、クリープ強度向上の効果が十分でなく、1.5%を超えると、硬い炭化物からなる金属間化合物相が生成し、靱性、伸びが低下し、強度も低下する。より好ましい下限範囲は、0.6%以上、さらに好ましい下限範囲は0.8%以上である。一方、より好ましい上限範囲は、1.2%以下、さらに好ましい上限範囲は1.0%以下である。
上記以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。ここでいう、不可避的不純物とは、通常の鋳鉄を製造する製造工程において不可避に含有される程度の種類と量の元素を含む、ということであり、現状の技術で可能である限界まで各明記されない不純物元素を低減させたという趣旨の記載ではない。言い換えると、不可避的不純物とは、特定の目的をもって、意図的に添加させた元素ではなく含まれる元素をいう。たとえば、高価なV等の改質元素を添加させることは、特に構造材のような大きな製品においては、コストを著しく増大させるので、本発明の対象外である。不純物の目安としては、FCDの規格に許容される程度の種類と量の元素を含むことは許容される。
本発明の球状黒鉛鋳鉄は、上記のように成分組成を決定したことにより発明の効果を奏するものであり、製造するには、通常の方法で溶解し、成分調整を行い、鋳造し、そのまま鋳放しすることなどで製造できる。鋳放しで製造された球状黒鉛鋳鉄の組織は、球状黒鉛部を除き、フェライト組織が面積率で30〜70%、残部パーライト組織である。
クリープ試験結果
クリープ試験は、JIS Z 2271の規定に従い、鋳鉄を溶製して鋳造し、鋳放しにより鋳塊を製造し、切り出して作製した引張試験片を用いて行った。なお、試験片の成分を分析した結果は、表1に示す成分範囲であった。
Figure 0006190552
クリープ試験は、400℃、450℃、500℃、550℃で行った。また、試験時間は、遷移域や加速域の時間を含む合計時間として、300から1200時間を目標に行い、各温度で、様々な負荷応力において、定常クリープ中の時間に対する伸びを測定し、最小クリープ速度を算出した。そして、各温度での最小クリープ速度と、対応する負荷応力との関係式を外挿により求め、その関係式より10−5%/時となった際の負荷応力(同一温度で一定荷重において、一時間で10−5%の変形を生じた際の応力)を個別に算出し、クリープ強度として評価した。実施例1〜3から負荷応力と最小クリープ速度の関係式を求めると、負荷応力=220.65×(最小クリープ速度)0.2922であり、実施例4〜6では、負荷応力=99.175×(最小クリープ速度)0.2987であった。比較例も同様に関係式を求め、クリープ強度を算出した。結果を表2に示した。
Figure 0006190552
材質がFCDある比較例1〜12は、Ni、Cu、Moがいずれも添加されていないので、クリープ強度が低い。さらに、FCDにNiを添加した比較例13〜15も、クリープ強度に関して向上が見られるものの、十分ではない。
一方、本発明である実施例1〜6は、最小クリープ速度が十分に遅く、高温でも荷重に耐えることが確認できた。また、本発明である実施例1〜3は、比較例5〜8と同等の温度で、クリープ強度が7.6kgf/mmと、十倍以上の強度に向上した。さらに、実施例4〜6に示したように、550℃においても、十分なクリープ強度を維持することができた。また、酸化スケールの発生も少なく、高温耐酸化性も優れていることが確認できた。
高温引張試験結果
JIS G 0567に規定される高温引張試験により鋳片の引張強度と伸びを測定した。試験温度は300、350、400、450、500、550、600℃で各2本ずつ行った。結果を表3に示した。
Figure 0006190552
表3に示したように、実施例1−1〜7−2は300〜600℃での高温引張試験のいずれにおいても、同じ温度での比較例1−1〜14−2のそれぞれを上回った。
また、表2、表3において、450、500、550℃の温度において、高温で用いられる材料の許容応力に関する「ASME Code」に照らすと、「高温引張強度の1/4」と「10−5%/時のクリープ速度が発生する応力」のうちの小さい方は、「10−5%/時のクリープ速度が発生する応力」であることが確認され、このような温度で使用するには、「10−5%/時のクリープ速度が発生する応力」が高くなければならないことが確認できた。
本発明は、高温強度、高温での耐クリープ強度に優れ、耐熱性に優れるから、エンジン、ボイラー、加熱炉等、高温で荷重が負荷され続けるさまざまな高温材料に適用することができる。
1…チェッカー煉瓦、2…チェッカー受金物部材、3…チェッカー煉瓦加熱ガス、4…排ガス、5…熱風、6…蓄熱室により加熱される空気

Claims (3)

  1. 質量%で
    C :3.0%〜4.3%、
    Si:1.5%以上、3.0%未満
    Mn:0.4%以下、
    Mg、ミッシュメタル、Ce、Caのいずれか1種以上からなる黒鉛球状化剤:0.010〜0.15%、
    P :0.20%以下、
    S :0.050%以下、
    Ni:0.50〜1.5%、
    Cu:0.20%以上、0.8%未満
    Mo:0.50〜1.5%、
    を含有し、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする耐クリープ性に優れた耐熱球状黒鉛鋳鉄。
  2. 請求項1に記載の耐熱球状黒鉛鋳鉄からなることを特徴とする熱風炉の蓄熱煉瓦支持部材。
  3. 請求項1に記載の耐熱球状黒鉛鋳鉄からなることを特徴とする熱風炉のチェッカー受金物部材。
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