JP5232620B2 - 球状黒鉛鋳鉄 - Google Patents

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Description

本発明は、高い高温強度と耐酸化性を有する球状黒鉛鋳鉄を提供する。
球状黒鉛鋳鉄は、高温強度と耐酸化性に優れ、乗用車や産業機械のディーゼル用ターボチャージャのタービンハウジング及びエキゾーストマニホールドなどに使用される。近年の環境規制に伴う燃費向上のため、エンジンの排気ガス温度が上昇する傾向にある。タービンハウジングやエキゾーストマニホールドは、排気ガスにより繰り返し高温に晒されるなど、急激な温度変化を受ける条件で使用されるため、高い高温強度と耐酸化性が要求される。
従来のタービンハウジング用材料として高SiMo球状黒鉛鋳鉄(ダクタイル鋳鉄)が使用おり、使用限界温度は800℃以下とされている。しかし、近年は、使用温度が800℃を超えるタービンハウジングへの要求が高まってきている。
高SiMo球状黒鉛鋳鉄に替わる高い高温強度及び耐酸化性を有するタービンハウジング用材料として、二レジスト鋳鉄やステンレス鋳鋼がある。しかし、これらの材料は、原材料に多量のNi及びCrを含むので、原材料コストが高いことが問題である。
そこで、球状黒鉛鋳鉄を合金設計により改良し、耐熱性などの高温性能の改良が行われている。例えば、特許文献1には、高SiMo鋳鉄にVを添加したフェライト系球状黒鉛鋳鉄が開示されている。
特許第3936849号公報
しかし、特許文献1の球状黒鉛鋳鉄は、800℃を超える温度での高温強度を向上させることはできるものの、耐酸化性は不十分であった。
本発明は、従来の高SiMo球状黒鉛鋳鉄よりも高温強度及び耐酸化性が向上し、延性に優れる球状黒鉛鋳鉄を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の球状黒鉛鋳鉄は、質量比で炭素:2.0〜4.0%、シリコン:3.5〜5.0%、マンガン:1.0%以下、クロム:0.1〜1.0%、モリブデン:0.2〜2.0%、バナジウム:0.1〜1.0%、マグネシウム:0.02〜0.1%を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物から構成される。
本発明の球状黒鉛鋳鉄は、モリブデン含有量が最適化されているため、高い高温強度を有するとともに、優れた延性を有する。また、本発明の球状黒鉛鋳鉄は、クロムを含有し、クロム含有量が最適化されているため、耐酸化性及び遠征に優れる。これにより、800℃以上の温度領域でも使用することが可能である。また、二レジスト鋳鉄やステンレス鋳鋼に比べ低価格で製造できる。
また、上記の球状黒鉛鋳鉄において、質量比でタングステン:0.1〜1.0%を更に含有することが好ましい。あるいは、ニオブ:0.02〜0.30%を更に含有することが好ましい。あるいは、タングステン:0.1〜1.0%及びニオブ:0.02〜0.30%を更に含有することが好ましい。
このように、タングステン、またはニオブ、またはタングステン及びニオブの両方の含有量が最適化されることにより、高温強度を更に向上させることができる。
以下に、各成分の含有量の限定理由を説明する。
炭素(C):鋳鉄においてはCとSiは極めて重要な成分である。C含有量が2.0質量%以下では炭化物を生成しやすく、4.0質量%以上では黒鉛の偏析(カーボンドロス)を引き起こし、強度及び靭性が低下する。そのため、C含有量を2.0〜4.0質量%とする。また、鋳鉄の鋳造性を表す指標として、炭素当量CE=C%+0.31Si%がある。一般的な球状黒鉛鋳鉄のCE値は4.3〜4.5である。4.3以下では欠陥が生じやすくなり、4.5以上ではカーボンドロスを引き起こす。本発明では、後述するようにSi含有量を高く設定するため、好ましくはC含有量を2.7〜3.2質量%の範囲とする。
シリコン(Si):Siは、Cの黒鉛化及び基地のフェライト化の効果がある。一般的な球状黒鉛鋳鉄のSi含有量は2.5質量%程度である。本発明では、Si含有量を3.5質量%以上とする。また、Si含有量が多くなると鋳鉄の靭性が低下するため、上限を5.0質量%とする。耐酸化性を更に向上させるためには4.3%以上の添加が好まししいが、Si含有量が多くなると鋳鉄の延性が低下し、CE値が大きくなり鋳造性が低下するため、好ましくは上限を4.7質量%とする。
マンガン(Mn):Mnは、材料の不可避的不純物であるSをMnSの形で固定し無害化するために必要な元素である。しかし、基地のパーライト組織形成元素であるため、Mn含有量の上限を1.0質量%とした。
モリブデン(Mo):Moは基地中に固溶することで、高温における引張強さ及び耐力を向上させる元素である。本発明では、Moを0.2質量%以上添加する。また、耐熱性を更に向上させるために、0.4質量%以上の添加が特に好ましい。Mo含有量が多くなると、MoとCが結合して炭化物が生成し、硬さが上昇して延性が低下する。そこで、Mo含有量の上限を2.0質量%とした。切削性を損なわないために、好ましくは上限を1.0質量%とする。
バナジウム(V):Vは基地中に微細な炭化物として析出することで、高温における引張強さ・耐力を向上させる元素である。本発明では、Vを0.1質量%以上添加する。V含有量が多くなると鋳鉄の延性を損なうため、上限を1.0質量%とする。また、Vは炭化物生成傾向が強いため、Cの球状化を妨げる元素である。そのため好ましくは上限を0.4質量%とする。
クロム(Cr):Crは高温における耐酸化性を向上させる元素である。本発明では、Crを0.1質量%以上添加する。耐酸化性を更に向上させるために、0.2質量%以上の添加が特に好ましい。Cr含有量が多くなると鋳鉄の延性を損なうため、上限を1.0質量%とする。また、Crは炭化物生成傾向が強く、Cの球状化を妨げる元素であること、及び、基地中の炭化物サイズが粗大になることにより、好ましくは上限を0.4質量%とする。
マグネシウム(Mg):Mgは、黒鉛の球状化処理を目的として0.02質量%以上添加する。しかし、Mgの含有量が多くなると、炭化物の発生やドロス(酸化物の巻きこみ)欠陥が発生するため、上限を0.1質量%とする。
タングステン(W):Wは、Moと同様に、基地中に固溶することで、高温における引張強さ及び耐力を向上させる元素である。本発明では、Wを0.1質量%以上添加する。更なる耐熱性向上のためには、0.2質量%以上の添加が好ましい。Wも炭化物生成傾向が強く、Cの球状化を妨げる元素であるため、上限を1.0質量%、好ましくは0.4質量%とする。
ニオブ(Nb):Nbは、基地中に微細な炭化物として析出することで、高温における引張強さ及び耐力を向上させる元素である。本発明では、Nbを0.02質量%以上添加する。Nb含有量が多くなると、鋳鉄の延性を損なうとともに、Nbは炭化物生成傾向が強くCの球状化を妨げる元素であること、及び、基地中の炭化物サイズが粗大になることにより、上限を0.30質量%とする。強度向上効果が顕著に現れ、延性の低下を防止し、Cの球状化率が高まる好ましい添加範囲は、0.04〜0.20質量%、より好ましい範囲は0.05〜0.10質量%である。
上記球状黒鉛鋳鉄において、黒鉛の球状化率が90%以上であることが好ましい。黒鉛の球状化率を90%で高温での引張強度や耐力を向上させることができる。
上記の球状黒鉛鋳鉄を用いて製造されたタービンハウジング、エキゾーストマニホールド、及びタービンハウジング一体型エキゾーストマニホールドは、高温強度と耐酸化性に優れ、800℃以上の温度領域でも使用可能となる。
本発明によれば、上記組成とすることで、高温強度と耐酸化性に優れるとともに、優れた延性を有する球状黒鉛鋳鉄を、低コストで製造できる。
本発明の球状黒鉛鋳鉄を用いて作製されたタービンハウジング、エキゾーストマニホールド、及びタービンハウジング一体型エキゾーストマニホールドは、800℃以上の高温であっても十分使用に耐え得るものとなる。
本発明の球状黒鉛鋳鉄を、実施例により具体的に説明する。
〔実施例1〕
表1に、試料番号1〜13のフェライト系球状黒鉛鋳鉄供試材の成分組成を示す。
Figure 0005232620
表1の成分組成となるように原料を調合して溶融した後、JIS G 5502に準じたY型B号の形状に鋳込み、試験番号1〜13の各供試材を作製した。その後、各供試材を、915℃3時間の条件で熱処理を施し、フェライト化させた。
JIS G 5502に記載の方法により、試料番号1〜13の供試材の球状化率を測定した。試料番号1〜11及び13の供試材の球状化率は、それぞれ90%以上であった。試料番号12の供試材の球状化率は、50%であった。
試料番号1〜13のフェライト系球状黒鉛鋳鉄の供試材について、800℃における0.2%耐力、耐酸化性、及び室温における破断伸びを測定した。
耐酸化性は、酸化減量で評価した。
電気炉内に供試材を入れ、大気雰囲気中にて、800℃で100時間保持した。その後、18%NaOH+3%KMnO溶液中にて供試材を煮沸した後、10%クエン酸アンモニウム溶液中で煮沸し、供試材表面の酸化物を除去した。加熱前及び酸化物除去後の供試材の質量を測定し、式(1)により酸化減量を算出した。
= (W−W)/A ・・・(1)
ここで、Wは酸化減量(mg/cm)、Wは試験後の質量(mg)、Wは試験前の質量(mg)、Aは試験前の供試材の表面積(cm)である。
図1に、試料番号1の球状黒鉛鋳鉄供試材を基準とした場合の、各供試材の0.2%耐力比を示す。同図において、縦軸は0.2%耐力比である。図2に、試料番号1の球状黒鉛鋳鉄供試材を基準とした場合の、各供試材の酸化減量比を示す。同図において、縦軸は酸化減量比である。図3に、Mo含有量と供試材の破断伸び比(試料番号1の供試材を基準)との関係を示す。同図において、横軸はMo含有量、縦軸は破断伸び比である。図4に、Cr含有量と供試材の破断伸び比(試料番号1の供試材を基準)との関係を示す。同図において、横軸はCr含有量、縦軸は破断伸び比である。
Mo含有量を変えた試料番号1〜6の供試材では、図1に示すように、Mo含有量の増加に伴い、0.2%耐力が向上した。図2に示すように、酸化減量は、Mo含有量に依らずほぼ一定となった。
しかし、図3に示すように、Mo含有量が増加するほど、破断伸び(延性)が低下した。
すなわち、Mo含有量を0.2〜2.0質量%とすることにより、高い高温強度と優れた延性とを両立させた球状黒鉛鋳鉄とすることができた。
Cr含有量を変えた試料番号1及び7〜11の供試材では、図2に示すように、Crを含有させることで酸化減量を減少させることができ、Cr含有量が増加するほど、酸化減量を低下させる(耐酸化性を向上させる)ことができた。しかし、図4に示すように、Cr含有量が増加するほど、破断伸び(延性)が低下した。
すなわち、Cr含有量を0.1〜1質量%とすることにより、優れた耐酸化性と優れた延性とを両立させた球状黒鉛鋳鉄とすることができた。
C含有量が少ない試料番号12の供試材は、炭化物が形成され、炭素の球状化が妨げられたため、0.2%耐力が大幅に低下した。Si含有量が少ない試料番号13の供試材は、耐酸化性に劣っていた。
〔実施例2〕
表2に、試料番号1,14〜18のフェライト系球状黒鉛鋳鉄供試材の成分組成を示す。
Figure 0005232620
実施例1と同様の方法により、試料番号14〜18の供試材を作製し、フェライト化させた。JIS G 5502に記載の方法により、球状化率を測定したところ、いずれの供試材も球状化率が90%以上であることを確認した。
試料番号14〜18の供試材について、800℃における0.2%耐力及び酸化減量を測定した。図5に、試料番号1の球状黒鉛鋳鉄供試材を基準とした場合の、各供試材の0.2%耐力比を示す。同図において、縦軸は0.2%耐力比である。図6に、試料番号1の球状黒鉛鋳鉄供試材を基準とした場合の、各供試材の酸化減量比を示す。同図において、縦軸は酸化減量比である。図7に、W含有量と供試材の破断伸び比(試料番号1の供試材を基準)との関係を示す。同図において、横軸はW含有量、縦軸は破断伸び比である。
試験番号1,14,15,17の結果から、W含有量が増加するほど、Wがフェライト基地に固溶して基地を強化することによって、0.2%耐力が向上することが確認された。しかし、試験番号16,18の結果から、多量のWを含有させても、高温強度の顕著な向上は認められなかった。なお、図6に示すように、酸化減量は、W含有量には依存せず、いずれの供試材も高い耐酸化性を有していた。また、図7に示すように、W含有量が増加するほど、破断伸び(延性)が低下した。
以上の結果から、W含有量を0.1〜1質量%とすることにより、高温強度を更に向上させることができた。
〔実施例3〕
表3に、試料番号1及び19〜22のフェライト系球状黒鉛鋳鉄供試材の成分組成を示す。
Figure 0005232620
実施例1と同様の方法により、試料番号19〜22の成分組成の供試材を作製した。1200℃、1時間の均質化熱処理を実施した後、915℃、3時間の条件で熱処理を施し、フェライト化させた。JIS G 5502に記載の方法により、球状化率を測定したところ、各供試材の球状化率が90%以上であることを確認した。その後、800℃における0.2%耐力及び酸化減量を測定した。
図8に、試料番号1の球状黒鉛鋳鉄供試材を基準とした場合の、各供試材の0.2%耐力比を示す。同図において、縦軸は0.2%耐力比である。図9に、試料番号1の球状黒鉛鋳鉄供試材を基準とした場合の、各供試材の酸化減量比を示す。同図において、縦軸は酸化減量比である。
試験番号19,20の結果から、Nb含有量が増加するほど、Nbがフェライト基地に固溶して基地を強化するために、0.2%耐力が向上することが確認された。しかし、試験番号21,22の結果から、Nb含有量が更に増加すると、逆に0.2%耐力が低下する傾向があった。特に試料番号22は、Nbを含有しない試料番号1よりも0.2%耐力が低かった。なお、図9に示すように、酸化減量は、Nb含有量に依らずほぼ一定となった。
すなわち、Nb含有量を0.02〜0.3質量%とすることにより、高温強度を更に向上させることができた。
〔実施例4〕
表4に、試料番号1及び23〜26のフェライト系球状黒鉛鋳鉄供試材の成分組成を示す。
Figure 0005232620
実施例1と同様の方法により、試料番号23〜26の成分組成の供試材を作製した。その後、実施例3と同様の均質化熱処理を実施した後、フェライト化させた。JIS G 5502に記載の方法により、球状化率を測定したところ、各供試材の球状化率が90%以上であることを確認した。その後、800℃における0.2%耐力及び酸化減量を測定した。
図10に、試料番号1の球状黒鉛鋳鉄供試材を基準とした場合の各供試材の0.2%耐力比を示す。同図において、縦軸は0.2%耐力比である。図11に、試料番号1の球状黒鉛鋳鉄供試材を基準とした場合の各供試材の酸化減量比を示す。同図において、縦軸は酸化減量比である。
試料番号1,23,24の結果から、Nb含有量が増加するほど、0.2%耐力が向上した。特に、試料番号24は、Nb及びWのいずれか一方を添加した供試材よりも、高い0.2%耐力を示した。Nb含有量を更に増加させた試料番号25及び26の供試材では、逆に0.2%耐力が低下した。試料番号26の供試材では、Nb及びWを添加しない試料番号1の供試材に比べて、0.2%耐力が低下した。なお、図11に示すように、酸化減量は、Nb含有量に依らずほぼ一定となった。
このように、W及びNbの両方を含有させることにより、高温強度を向上させることができた。
〔実施例5〕
試料番号1,15,20,24の成分組成に対して、それぞれMg含有量を減少させ、試料番号31〜34の供試材とした。表5に各供試材の成分組成を示す。
Figure 0005232620
実施例3と同様にして、表5に示す各成分組成の供試材を作製し、均質化熱処理を実施した後、フェライト化させた。JIS G 5502に記載の方法により、各供試材の球状化率を測定した。各供試材の800℃における引張強度を測定した。
図12に、試料番号1の供試材を基準とした場合の各供試材の引張強度比を示す。同図において、縦軸は引張強度比である。Mg含有量を減少させると、球状化率が低下した。これに伴い、800℃における引張強度も低下した。
このように、球状化率を90%以上とすることにより、高温強度を向上させることができた。
試料番号1の供試材を基準とした場合の、試料番号1〜13の供試材の0.2%耐力比を表したグラフある。 試料番号1の供試材を基準とした場合の、試料番号1〜13の供試材の酸化減量比を表したグラフある。 Mo含有量と供試材の破断伸び比(試料番号1の供試材を基準)との関係を示すグラフである。 Cr含有量と供試材の破断伸び比(試料番号1の供試材を基準)との関係を示すグラフである。 試料番号1の供試材を基準とした場合の、試料番号1、14〜18の供試材の0.2%耐力比を表したグラフある。 試料番号1の供試材を基準とした場合の、試料番号1、14〜18の供試材の酸化減量比を表したグラフある。 W含有量と供試材の破断伸び比(試料番号1の供試材を基準)との関係を示すグラフである。 試料番号1の供試材を基準とした場合の、試料番号1、19〜22の供試材の0.2%耐力比を表したグラフある。 試料番号1の供試材を基準とした場合の、試料番号1、19〜22の供試材の酸化減量比を表したグラフある。 試料番号1の供試材を基準とした場合の、試料番号1、23〜26の供試材の0.2%耐力比を表したグラフある。 試料番号1の供試材を基準とした場合の、試料番号1、23〜26の供試材の酸化減量比を表したグラフある。 試料番号1,15,20,24,31〜34の供試材の引張強度比(試料番号1の供試材を基準)を表したグラフである。

Claims (7)

  1. 質量比で炭素:2.0〜4.0%、シリコン:3.5〜5.0%、マンガン:1.0%以下、クロム:0.1〜1.0%、モリブデン:0.2〜2.0%、バナジウム:0.1〜1.0%、マグネシウム:0.02〜0.1%を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物から構成される球状黒鉛鋳鉄。
  2. 質量比でタングステン:0.1〜1.0%を更に含有する請求項1に記載の球状黒鉛鋳鉄。
  3. 質量比でニオブ:0.02〜0.30%を更に含有する請求項1に記載の球状黒鉛鋳鉄。
  4. 質量比でタングステン:0.1〜1.0%及びニオブ:0.02〜0.30%を更に含有する請求項1に記載の球状黒鉛鋳鉄。
  5. 黒鉛の球状化率が90%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の球状黒鉛鋳鉄。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の球状黒鉛鋳鉄を用いて製造された排気系部品。
  7. 前記排気系部品が、タービンハウジング、エキゾーストマニホールド、またはタービンハウジング一体型エキゾーストマニホールドである請求項6に記載の排気系部品。
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