JPS63100154A - 耐摩耗性及び耐酸化性に優れた球状黒鉛鋳鉄 - Google Patents
耐摩耗性及び耐酸化性に優れた球状黒鉛鋳鉄Info
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- JPS63100154A JPS63100154A JP24493486A JP24493486A JPS63100154A JP S63100154 A JPS63100154 A JP S63100154A JP 24493486 A JP24493486 A JP 24493486A JP 24493486 A JP24493486 A JP 24493486A JP S63100154 A JPS63100154 A JP S63100154A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明はtXX領領域の耐摩耗性及び耐酸化性に優れた
高シリコン系の球状黒鉛鋳鉄の改良に関する。本発明は
、例えば、自動車のエンジン部品であるターボチャージ
ャのターボハウジング、エキゾーストマニホールドなど
に利用することができる。 ここで、エキゾーストマニホールドは、エンジンのシリ
ンダから排出される高温の排気ガスをエキゾーストパイ
プに送るためのものである。又、ターボハウジングは、
排気ガスのエネルギーで排気タービンを回してコンプレ
ッサを駆動させ、エンジンに大気圧以上の高密度の空気
を供給するターボチャージャのハウジングである。 [従来の技術1 例えば、自vJI08IS品としてターボチャ−ジャの
ターボハウジング、エキゾーストマニホールドがある。 これらは高温領域での耐摩耗性、耐酸化性が要求されて
いる。 そこで従来よりターボハウジングやエキゾーストマニホ
ールドでは、高級材料であるシリコンを4%前後に高め
た高シリコン系球状黒鉛鋳鉄が使用される傾向にある。 ところで近年のエンジンの高性能化に伴って、排気ガス
温度が上昇し、そのため、上記したターボハウジングや
エキゾーストマニホールドでは、高温領域での一層の耐
摩耗性及び耐酸化性が¥l請されている。 例えばターボチャージャのターボハウジングでは、ウェ
ストゲートバルブを作動させるためのシャフトがターボ
ハウジングと接触するので、排気ガス温度が上昇してい
るため、使用中に異常摩耗が生じ易い。このように異常
摩耗が生じると、ターボハウジングからの排気ガス漏れ
、ウェストゲートバルブの作動不良などが生じ易い。ウ
ェストゲートバルブの作動不良を抑えるために、従来よ
り上記シャフトにスリーブを挿入しているが、スリーブ
とターボハウジングとの熱膨張差によりスリーブが抜け
ることがあった。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、その
目的は、高温領域での耐摩耗性および耐酸化性に優れ、
ターボハウジングやエキシンストマンホールドを形成す
る鋳鉄材料として適する高シリコン系球状黒鉛鋳鉄を提
供するにある。 E問題点を解決するための手段] 本発明に係る高シリコン系球状黒鉛鋳鉄は、炭素、シリ
コン、バナジウム、クロムなどをバランスよく添加する
ことにより完成されたものである。 即ち、本発明に係る高シリコン系球状黒鉛鋳鉄は、I!
―%で炭素3.0〜4.0%、シリコン3゜5%〜5.
0%、マンガン0.5%以下、リン0゜1%以下、イオ
ウ0.05%以下、マグネシウム0.02〜0.06%
、バナジウム0.1〜0゜5%、クロム0.05〜0.
2%、残部鉄および不可避の不純物からなり、 その組織は、フェライトと、フェライト中に分散したバ
ナジウム及びクロムを主体とする炭窒化物と、フェライ
ト中に分散した球状黒鉛と、で構成され、耐摩耗性およ
び耐酸化性に優れていることを特徴とするものである。 ここで塊状の炭窒化物の平均粒径は1〜20μ程度であ
ることが好ましい。 ここで、組成の限定理由につき説明する。炭素を3.0
〜4.0%にしたのは、炭素が3.0%未満になると、
溶湯のU造性が悪化し、一方4゜0%を越えると溶湯で
のドロスが増加しドロス欠陥が多くなるからである。 シリコンを3.5〜5.0%に限定したのは、シリコン
が3.5%未満では排気系部品として必要とする耐熱性
が得られない。一方シリコンが50%を越えると溶湯の
鋳造性が悪化しかつフェライト組織が著しく脆化するか
らである。 マンガンを0.5%以下としたのは、マンガンは耐熱性
を悪化させるので出来るだけ少ない方が良く、0.5%
未満とした。この母は溶解原料から必然的に混入される
堕である。 リンを0.1%以下としたのは、リンは組織を脆化させ
るので出来るだけ少ない方が好ましく、そのため0.1
%以下とした。 イAつを0.05%以下としたのは、イオウは黒鉛の球
状化を阻害するので出来るだけ少ない方が好ましく、そ
のため0.05%以下とした。 マグネシウムを0.02〜0.06%としたのは、マグ
ネシウムが0.02%未満では黒鉛の球状化度が不足し
、良好な球状黒鉛!8鉄を生成することができず、一方
0.06%を越えるとセメンタイトが安定化したりドロ
ス欠陥が発生したりするので、0.06%を上限とした
。 クロムを0.05〜0.2%としたのは、クロムは固溶
すると耐酸化性向上に効果がある元素であり、かつ、バ
ナジウムと共存して塊状炭窒化物を作り、耐摩耗性を向
上させる。そのため0005%以上は必要である。又、
クロムが0.2%を越えると粗大なセメンタイトが生成
し易くなり機械的性質や加工性を悪化させるので、上限
を0゜2%とした。 バナジウムを0.1〜0.5%としたのは、バナジウム
は微細な炭窒化物を生成し組織の耐摩耗性を向上させる
元素であり、そのため0.1%以上含イiするのが好ま
しく、一方0.5%を越えてもその効果の向上は望めず
、かえって加工性を悪化するので上限を0.5%とした
。 [試験例] 以下本発明に係る球状黒IQ&s鉄の各試験例について
、比較材とともに説明する。まず、20kQ高周波誘導
炉を用いて、溶解温度1500℃で溶解し、溶解後、鉄
−50%シリコン−10%マグネシウム系合金を添加し
て球状化処理した。球状化処理は、球状化処理温度を1
450℃とし、ホスホライザにより行なった。 その優、Fe−75%S1にて接種し、Yブロックに注
湯した。これにより第1表に示す組成を有する本発明材
に係る試片AS8および比較材として試片C,DSE、
F、Gも溶製した。 第1表に示す本発明材としての試片A1試片Bは、比較
材としての試片C(公知の高シリコン系球状黒鉛vI鉄
)相当材に、本発明要素であるクロム、バナジウムの双
方を添加した材質である。又、比較材としての試片りは
、試片C相当材に、本発明材要素であるクロムを0.2
7%、バナジウムを0.64%と本発明の上限以上に添
加した材質である。比較材としての試片E及びFは、比
較材としての試片C相当材にそれぞれ単独でバナジウム
とクロムとを添加した材質である。又、比較材としの試
片Gは、球状黒鉛鋳鉄であるJISFC040相当材に
本発明要素であるクロム、バナジウムを本発明の範囲内
の含有量で添加した材質である。 上記したように形成した試片A−Gについて酸化試験を
行った。 酸化試験は700℃にて大気中に2001間保持した侵
、その最大酸化スケール厚さを求め、これを酸化量とし
た。さらに800℃においても同様に大気中に200時
間保持し、その最大酸化スケール厚さを求めた。その結
果を第11に示す。 第1図の棒グラフにおいて白抜きの部位が700℃、ハ
ツチングで示した部位が800℃における酸化スケール
厚さを示す。 耐摩耗試験は第2図に概略的に示す試験装置により行な
った。即ち、相手材1としてJIS−8UH4製のブロ
ック(Sさ40mm、中20mm1板厚10mm)を用
い、この相手材1を試片2(長さ50 m m N外径
lQmm)k:矢印A方向からの荷11 KOで押し付
け、その状態ですべり速度600rDmにて60分間摺
動し、試験終了模試片2を表面粗さ計を用いてs’lc
1面と基準面の段差とを測定し、その差を摩耗深さとし
た。その耐摩耗試験の結果を第3図に示す。なおこの場
合、温度は700℃、大気雰囲気下において行った。 本発明材としての試片A1試片Bでは、第1図に示すよ
うに700℃において酸化スケール厚みが90〜100
tl程度、800℃において酸化スケール厚みが205
〜215μ程度であり、700℃及び800℃における
耐酸化性の向上が見られる。また第3図に示すように本
発明材としての試片A及び試片Bでは、摩耗深さは7〜
9μ程度と、比較材としての試片Cに(摩耗深さ38μ
)に比較して大幅に向上している。 比較材としての試片りではクロム、バナジウムを本発明
の上限以上に含有しており、そのため、゛第1図に示す
ように耐酸化性は向上しており、さらに、摩耗深さが8
μ程度であり、耐摩耗性は本発明材としての試片A、B
とほとんど変らない。 しかしながら本発明材としての試片△、Bの硬さはHV
196〜220であるのに対して、比較材としての試片
りの硬さはHV281とかなり高くなり、そのため加工
性が悪化する問題が生じる。 比較材としての試片Eの場合第3図に示すように試片E
の摩耗深さは20μ程度であり、耐摩耗性の向上は少な
かった。 比較材としての試片Fは第1図に示すように酸化スケー
ル厚さが700℃で100μ程度、800℃で220μ
程度であり、若干耐酸化性は向、卜しているものの、第
3図に示すように摩耗深さは32μと大きく、耐摩耗性
に劣る。 比較材としての試片Gでは、シリコンが低いため、第1
図に示すように700℃での酸化スケール厚さが200
μ以上で、800℃での酸化スケール厚さが500μ以
上と厚く、そのため耐酸化性が極めて悪い。それのみな
らず第3図に示すように摩耗深さが40μ程度と耐摩耗
性も劣る。この理由は、試片Gでは、クロム、バナジウ
ムの添加により炭窒化物が析出するものの、シリコンが
2.49%と低いため、基地のフェライトの耐酸化性が
悪く、摩耗試験中に酸化が進行し、その酸化膜が摩擦に
にり剥離し、そのため耐摩耗性が悪化するためであると
推察される。 次に、実際の耐久性を評価するため、第2表に示す化学
成分の本発明材にてターボチャージャのターボハウジン
グを製作し、ウェストゲートパルプ作動用シャフトのと
ころに通常挿入している焼結金B9Bスリーブを廃止し
たVB造のターボチャージャを製作した。そして実際の
2000ccガソリンエンジンにて最高回転数を550
0rpmx全負荷と、1000rpmx無負荷とを10
分サイクルで繰返す繰返し耐久試験を500時間行りた
。この試験結束では、シャフトに何等損傷もなく良好な
結果が得られた。これはターボハウジングの耐摩耗性お
よび耐酸化性が白土しているためと推察される。 [発明の効果] 以上説明したように本発明に係る高シリコン系球状黒鉛
鋳鉄では、炭素、シリコン、クロム、バナジウムをバラ
ンスよく添加し、これによりその組繊を、フェライトと
、フェライト中に分散したバナジウム及びクロムを主体
とする炭窒化物と、フェライト中に分散した球状黒鉛と
、で構成している。このように基地がフェライトである
ため加工性が損われない。そのため、加工性を犠牲する
ことなく高温領域での耐摩耗性及び耐酸化性の双方に優
れている。 従って本発明に係る高シリコン系球状黒鉛鋳鉄によれば
、高温での耐酸化性および耐摩耗性の双方が要求される
エンジン用排気部品、例えばターボチャージャのターボ
ハウジング、エキゾーストマニホールドなどの部品に適
用できる。 第 1 表 第 2 表
高シリコン系の球状黒鉛鋳鉄の改良に関する。本発明は
、例えば、自動車のエンジン部品であるターボチャージ
ャのターボハウジング、エキゾーストマニホールドなど
に利用することができる。 ここで、エキゾーストマニホールドは、エンジンのシリ
ンダから排出される高温の排気ガスをエキゾーストパイ
プに送るためのものである。又、ターボハウジングは、
排気ガスのエネルギーで排気タービンを回してコンプレ
ッサを駆動させ、エンジンに大気圧以上の高密度の空気
を供給するターボチャージャのハウジングである。 [従来の技術1 例えば、自vJI08IS品としてターボチャ−ジャの
ターボハウジング、エキゾーストマニホールドがある。 これらは高温領域での耐摩耗性、耐酸化性が要求されて
いる。 そこで従来よりターボハウジングやエキゾーストマニホ
ールドでは、高級材料であるシリコンを4%前後に高め
た高シリコン系球状黒鉛鋳鉄が使用される傾向にある。 ところで近年のエンジンの高性能化に伴って、排気ガス
温度が上昇し、そのため、上記したターボハウジングや
エキゾーストマニホールドでは、高温領域での一層の耐
摩耗性及び耐酸化性が¥l請されている。 例えばターボチャージャのターボハウジングでは、ウェ
ストゲートバルブを作動させるためのシャフトがターボ
ハウジングと接触するので、排気ガス温度が上昇してい
るため、使用中に異常摩耗が生じ易い。このように異常
摩耗が生じると、ターボハウジングからの排気ガス漏れ
、ウェストゲートバルブの作動不良などが生じ易い。ウ
ェストゲートバルブの作動不良を抑えるために、従来よ
り上記シャフトにスリーブを挿入しているが、スリーブ
とターボハウジングとの熱膨張差によりスリーブが抜け
ることがあった。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、その
目的は、高温領域での耐摩耗性および耐酸化性に優れ、
ターボハウジングやエキシンストマンホールドを形成す
る鋳鉄材料として適する高シリコン系球状黒鉛鋳鉄を提
供するにある。 E問題点を解決するための手段] 本発明に係る高シリコン系球状黒鉛鋳鉄は、炭素、シリ
コン、バナジウム、クロムなどをバランスよく添加する
ことにより完成されたものである。 即ち、本発明に係る高シリコン系球状黒鉛鋳鉄は、I!
―%で炭素3.0〜4.0%、シリコン3゜5%〜5.
0%、マンガン0.5%以下、リン0゜1%以下、イオ
ウ0.05%以下、マグネシウム0.02〜0.06%
、バナジウム0.1〜0゜5%、クロム0.05〜0.
2%、残部鉄および不可避の不純物からなり、 その組織は、フェライトと、フェライト中に分散したバ
ナジウム及びクロムを主体とする炭窒化物と、フェライ
ト中に分散した球状黒鉛と、で構成され、耐摩耗性およ
び耐酸化性に優れていることを特徴とするものである。 ここで塊状の炭窒化物の平均粒径は1〜20μ程度であ
ることが好ましい。 ここで、組成の限定理由につき説明する。炭素を3.0
〜4.0%にしたのは、炭素が3.0%未満になると、
溶湯のU造性が悪化し、一方4゜0%を越えると溶湯で
のドロスが増加しドロス欠陥が多くなるからである。 シリコンを3.5〜5.0%に限定したのは、シリコン
が3.5%未満では排気系部品として必要とする耐熱性
が得られない。一方シリコンが50%を越えると溶湯の
鋳造性が悪化しかつフェライト組織が著しく脆化するか
らである。 マンガンを0.5%以下としたのは、マンガンは耐熱性
を悪化させるので出来るだけ少ない方が良く、0.5%
未満とした。この母は溶解原料から必然的に混入される
堕である。 リンを0.1%以下としたのは、リンは組織を脆化させ
るので出来るだけ少ない方が好ましく、そのため0.1
%以下とした。 イAつを0.05%以下としたのは、イオウは黒鉛の球
状化を阻害するので出来るだけ少ない方が好ましく、そ
のため0.05%以下とした。 マグネシウムを0.02〜0.06%としたのは、マグ
ネシウムが0.02%未満では黒鉛の球状化度が不足し
、良好な球状黒鉛!8鉄を生成することができず、一方
0.06%を越えるとセメンタイトが安定化したりドロ
ス欠陥が発生したりするので、0.06%を上限とした
。 クロムを0.05〜0.2%としたのは、クロムは固溶
すると耐酸化性向上に効果がある元素であり、かつ、バ
ナジウムと共存して塊状炭窒化物を作り、耐摩耗性を向
上させる。そのため0005%以上は必要である。又、
クロムが0.2%を越えると粗大なセメンタイトが生成
し易くなり機械的性質や加工性を悪化させるので、上限
を0゜2%とした。 バナジウムを0.1〜0.5%としたのは、バナジウム
は微細な炭窒化物を生成し組織の耐摩耗性を向上させる
元素であり、そのため0.1%以上含イiするのが好ま
しく、一方0.5%を越えてもその効果の向上は望めず
、かえって加工性を悪化するので上限を0.5%とした
。 [試験例] 以下本発明に係る球状黒IQ&s鉄の各試験例について
、比較材とともに説明する。まず、20kQ高周波誘導
炉を用いて、溶解温度1500℃で溶解し、溶解後、鉄
−50%シリコン−10%マグネシウム系合金を添加し
て球状化処理した。球状化処理は、球状化処理温度を1
450℃とし、ホスホライザにより行なった。 その優、Fe−75%S1にて接種し、Yブロックに注
湯した。これにより第1表に示す組成を有する本発明材
に係る試片AS8および比較材として試片C,DSE、
F、Gも溶製した。 第1表に示す本発明材としての試片A1試片Bは、比較
材としての試片C(公知の高シリコン系球状黒鉛vI鉄
)相当材に、本発明要素であるクロム、バナジウムの双
方を添加した材質である。又、比較材としての試片りは
、試片C相当材に、本発明材要素であるクロムを0.2
7%、バナジウムを0.64%と本発明の上限以上に添
加した材質である。比較材としての試片E及びFは、比
較材としての試片C相当材にそれぞれ単独でバナジウム
とクロムとを添加した材質である。又、比較材としの試
片Gは、球状黒鉛鋳鉄であるJISFC040相当材に
本発明要素であるクロム、バナジウムを本発明の範囲内
の含有量で添加した材質である。 上記したように形成した試片A−Gについて酸化試験を
行った。 酸化試験は700℃にて大気中に2001間保持した侵
、その最大酸化スケール厚さを求め、これを酸化量とし
た。さらに800℃においても同様に大気中に200時
間保持し、その最大酸化スケール厚さを求めた。その結
果を第11に示す。 第1図の棒グラフにおいて白抜きの部位が700℃、ハ
ツチングで示した部位が800℃における酸化スケール
厚さを示す。 耐摩耗試験は第2図に概略的に示す試験装置により行な
った。即ち、相手材1としてJIS−8UH4製のブロ
ック(Sさ40mm、中20mm1板厚10mm)を用
い、この相手材1を試片2(長さ50 m m N外径
lQmm)k:矢印A方向からの荷11 KOで押し付
け、その状態ですべり速度600rDmにて60分間摺
動し、試験終了模試片2を表面粗さ計を用いてs’lc
1面と基準面の段差とを測定し、その差を摩耗深さとし
た。その耐摩耗試験の結果を第3図に示す。なおこの場
合、温度は700℃、大気雰囲気下において行った。 本発明材としての試片A1試片Bでは、第1図に示すよ
うに700℃において酸化スケール厚みが90〜100
tl程度、800℃において酸化スケール厚みが205
〜215μ程度であり、700℃及び800℃における
耐酸化性の向上が見られる。また第3図に示すように本
発明材としての試片A及び試片Bでは、摩耗深さは7〜
9μ程度と、比較材としての試片Cに(摩耗深さ38μ
)に比較して大幅に向上している。 比較材としての試片りではクロム、バナジウムを本発明
の上限以上に含有しており、そのため、゛第1図に示す
ように耐酸化性は向上しており、さらに、摩耗深さが8
μ程度であり、耐摩耗性は本発明材としての試片A、B
とほとんど変らない。 しかしながら本発明材としての試片△、Bの硬さはHV
196〜220であるのに対して、比較材としての試片
りの硬さはHV281とかなり高くなり、そのため加工
性が悪化する問題が生じる。 比較材としての試片Eの場合第3図に示すように試片E
の摩耗深さは20μ程度であり、耐摩耗性の向上は少な
かった。 比較材としての試片Fは第1図に示すように酸化スケー
ル厚さが700℃で100μ程度、800℃で220μ
程度であり、若干耐酸化性は向、卜しているものの、第
3図に示すように摩耗深さは32μと大きく、耐摩耗性
に劣る。 比較材としての試片Gでは、シリコンが低いため、第1
図に示すように700℃での酸化スケール厚さが200
μ以上で、800℃での酸化スケール厚さが500μ以
上と厚く、そのため耐酸化性が極めて悪い。それのみな
らず第3図に示すように摩耗深さが40μ程度と耐摩耗
性も劣る。この理由は、試片Gでは、クロム、バナジウ
ムの添加により炭窒化物が析出するものの、シリコンが
2.49%と低いため、基地のフェライトの耐酸化性が
悪く、摩耗試験中に酸化が進行し、その酸化膜が摩擦に
にり剥離し、そのため耐摩耗性が悪化するためであると
推察される。 次に、実際の耐久性を評価するため、第2表に示す化学
成分の本発明材にてターボチャージャのターボハウジン
グを製作し、ウェストゲートパルプ作動用シャフトのと
ころに通常挿入している焼結金B9Bスリーブを廃止し
たVB造のターボチャージャを製作した。そして実際の
2000ccガソリンエンジンにて最高回転数を550
0rpmx全負荷と、1000rpmx無負荷とを10
分サイクルで繰返す繰返し耐久試験を500時間行りた
。この試験結束では、シャフトに何等損傷もなく良好な
結果が得られた。これはターボハウジングの耐摩耗性お
よび耐酸化性が白土しているためと推察される。 [発明の効果] 以上説明したように本発明に係る高シリコン系球状黒鉛
鋳鉄では、炭素、シリコン、クロム、バナジウムをバラ
ンスよく添加し、これによりその組繊を、フェライトと
、フェライト中に分散したバナジウム及びクロムを主体
とする炭窒化物と、フェライト中に分散した球状黒鉛と
、で構成している。このように基地がフェライトである
ため加工性が損われない。そのため、加工性を犠牲する
ことなく高温領域での耐摩耗性及び耐酸化性の双方に優
れている。 従って本発明に係る高シリコン系球状黒鉛鋳鉄によれば
、高温での耐酸化性および耐摩耗性の双方が要求される
エンジン用排気部品、例えばターボチャージャのターボ
ハウジング、エキゾーストマニホールドなどの部品に適
用できる。 第 1 表 第 2 表
第1図は耐酸化試験の試験結果を示すグラフであり、第
2図は耐摩耗性の試験装置を概略的に示す斜視図である
。第3図は耐摩耗試験の結果を示す棒グラフである。 図中1は相手材、2 G、を試片を示す。
2図は耐摩耗性の試験装置を概略的に示す斜視図である
。第3図は耐摩耗試験の結果を示す棒グラフである。 図中1は相手材、2 G、を試片を示す。
Claims (3)
- (1)重量%で炭素3.0〜4.0%、シリコン3.5
%〜5.0%、マンガン0.5%以下、リン0.1%以
下、イオウ0.05%以下、マグネシウム0.02〜0
.06%、バナジウム0.1〜0.5%、クロム0.0
5〜0.2%、残部鉄および不可避の不純物からなり、 その組織は、フェライトと、該フェライト中に分散した
バナジウム及びクロムを主体とする塊状炭窒化物と、球
状黒鉛と、で構成されていることを特徴とする高温領域
における耐摩耗性及び耐酸化性に優れた球状黒鉛鋳鉄。 - (2)炭窒化物は、平均粒径が1〜20μ程度である特
許請求の範囲第1項記載の高温領域における耐摩耗性及
び耐酸化性に優れた球状黒鉛鋳鉄。 - (3)ターボチャージャハウジング、エキゾーストマニ
ホールドに用いられる特許請求の範囲第1項記載の高温
領域における耐摩耗性及び耐酸化性に優れた球状黒鉛鋳
鉄。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24493486A JPS63100154A (ja) | 1986-10-15 | 1986-10-15 | 耐摩耗性及び耐酸化性に優れた球状黒鉛鋳鉄 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24493486A JPS63100154A (ja) | 1986-10-15 | 1986-10-15 | 耐摩耗性及び耐酸化性に優れた球状黒鉛鋳鉄 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63100154A true JPS63100154A (ja) | 1988-05-02 |
Family
ID=17126137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24493486A Pending JPS63100154A (ja) | 1986-10-15 | 1986-10-15 | 耐摩耗性及び耐酸化性に優れた球状黒鉛鋳鉄 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63100154A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03146637A (ja) * | 1989-11-01 | 1991-06-21 | Kusaka Reametaru Kenkyusho:Kk | 鋳鉄及びその改質方法 |
WO2010070949A1 (ja) * | 2008-12-18 | 2010-06-24 | 三菱重工業株式会社 | 球状黒鉛鋳鉄 |
CN102703797A (zh) * | 2012-05-11 | 2012-10-03 | 贵州尚铂科技有限公司 | 一种推台锯铁合金滑动架 |
DE10252240C5 (de) * | 2001-05-16 | 2019-04-18 | Aisin Takaoka Co., Ltd. | Kugelgraphitguss auf Ferritbasis und Verwendung desselben in einer Abgasanlage |
CN112609123A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-04-06 | 王翔 | 一种耐磨弯管材料的制备工艺 |
-
1986
- 1986-10-15 JP JP24493486A patent/JPS63100154A/ja active Pending
Cited By (7)
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EP2377960B1 (en) | 2008-12-18 | 2018-09-26 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Spheroidal graphite cast iron |
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