以下、電子棚札端末と携帯型の情報端末とを使用した買物支援システムの実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態である買物支援システム1の概略を示すブロック図である。買物支援システム1は、複数の電子棚札端末10と、携帯型の情報端末20とを含む。また買物支援システム1は、各電子棚札端末10を管理するサーバ30と、このサーバ30と各電子棚札端末10との間のデータ通信を中継する中継機40とを含む。中継機40は、サーバ30と中継機40との間を有線回線で接続する。中継機40は、各電子棚札端末10と中継機40との間を無線回線で接続する。サーバ30と中継機40との間を無線回線で接続し、各電子棚札端末10と中継機40との間を有線回線で接続してもよい。あるいは、サーバ30と中継機40及び中継機40と各電子棚札端末10との間を全て有線回線で接続してもよいし、全て無線回線で接続してもよい。
各電子棚札端末10は、例えば長方形をなした板状の部材からなり、その正面に画面を配した電子機器である。各電子棚札端末10は、店舗に設置された商品棚に取り付けられる。商品棚には、同一種類の商品がまとめて陳列されており、1種類の商品に対して1つの電子棚札端末10が割り当てられる。そして各電子棚札端末10は、それぞれ対応する商品の棚札情報として例えば商品名と価格とを前記画面に表示する。
情報端末20は、例えばスマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)等の携帯型電子機器であり、店舗において買物客等のユーザが携帯しながら使用する。情報端末20は、各電子棚札端末10と無線通信が可能であり、各電子棚札端末10から受信した情報を処理する。
サーバ30は、商品データベース31、販促データベース32及び棚札データベース33の各データベースを管理する。商品データベース31は、各商品に関する情報を記憶する。販促データベース32は、商品の販売促進に関する情報を記憶する。棚札データベース33は、各電子棚札端末10に関する情報を保存する。各データベース31,32,33は、サーバ30が内蔵する記憶装置に形成されていてもよいし、サーバ30とネットワークを介して接続される外部の記憶装置に形成されていてもよい。
図2は、商品データベース31に保存されるデータレコード31Dの構造を示す模式図である。図示するようにデータレコード31Dは、商品コード、商品名、価格、アドレス等の項目からなる。商品コードは、各商品を個々に特定するために商品毎に設定された固有のコードである。商品名は、対応する商品コードによって特定される商品(以下、当該商品と称する)の固有名称である。価格は、当該商品の1点当たりの販売価格である。アドレスは、当該商品が陳列されている商品棚の店舗内における位置を特定する情報である。商品データベース31は、商品毎に作成されるデータレコード31Dを保存する。商品データベース31には、商品毎に作成されるデータレコード31Dが保存される。
図3は、販促データベース32に保存されるデータレコード32Dの構造を示す模式図である。図示するようにデータレコード32Dは、商品コード、販促商品コード、属性等の項目からなる。販促商品コードは、対応する商品コードで特定される商品に対して設定された販促商品の商品コードである。属性は、販促商品が関連商品であるのか特売品であるのかを識別する情報である。関連商品とは、商品を購入した客に対してその購入した商品に関連することから推奨する商品である。特売品とは、商品を購入した客に対して推奨する特売価格の商品である。販促商品コードと属性とは、一対である。販促データベース32には、販促商品が設定された商品毎に作成されるデータレコード32Dが保存される。
図4は、棚札データベース33に保存されるデータレコード33Dの構造を示す模式図である。図示するようにデータレコード33Dは、棚札ID、アドレス等の各項目からなる。棚札IDは、各電子棚札端末10を個々に識別するために電子棚札端末10毎に割り当てられた固有のコードである。アドレスは、当該棚札IDで特定される電子棚札端末10の所在地を特定する情報である。所在地は、例えば店舗の床面をX−Y平面とみなすことで、(X,Y)座標で表される。棚札データベース33には、電子棚札端末10毎に作成されるデータレコード33Dが保存される。
図5は、サーバ30の要部構成を示すブロック図である。サーバ30は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、補助記憶デバイス304、中継機インターフェース305、デバイスインターフェース306及びネットワークインターフェース307を搭載し、これらをアドレスバス,データバス等のバスライン308で接続する。
CPU301は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU301は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、サーバ30としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
ROM302は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM302は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM302は、CPU301が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
RAM303は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM303は、CPU301が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM303は、CPU301によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
補助記憶デバイス304は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス304は、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)などである。補助記憶デバイス304は、CPU301が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU301での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス304は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
中継機インターフェース305は、有線または無線の通信回線を介して中継機40を接続する。中継機インターフェース305は、中継機40を介して各電子棚札端末10との間で無線を利用して行うデータ通信を制御する。
デバイスインターフェース306は、サーバ30の外部デバイスである入力デバイス311、表示デバイス312等を着脱自在に接続する。デバイスインターフェース306は、入力デバイス311を介して入力されるデータを取り込む。入力デバイス311としては、キーボード、マウス等が利用される。デバイスインターフェース306は、表示デバイス312の画面表示を制御する。表示デバイス312としては、液晶ディスプレイ等が利用される。
ネットワークインターフェース307は、図示しないLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続される他のサーバとの間のデータ通信を制御する。他のサーバとしては、例えば商品販売に関するデータを管理するPOS(Point Of Sales)システムのサーバや、発注、納品に関するデータを管理する発注システムのサーバ等がある。
サーバ30は、各データベース31,32,33を参照して、電子棚札端末10毎に棚札データを作成し、この棚札データを、中継機40を介して各電子棚札端末10に配信する機能を有する。
図6は、棚札データの構造を示す模式図である。棚札データには、図6の(a)に示すパターンの棚札データ51と、(b)に示すパターンの棚札データ52とがある。棚札データ51は、販促商品が設定されていない商品の電子棚札端末10に対して配信される。棚札データ51には、棚札ID、自アドレス、商品名、価格及び販促フラグの項目が含まれる。棚札IDは、電子棚札端末10を特定する固有の情報である。自アドレスは、当該電子棚札端末10の所在地を特定する情報である。商品名及び価格は、当該電子棚札端末10に割り当てられた商品の情報である。販促フラグは、当該電子棚札端末10に割り当てられた商品に対して販促商品が設定されているか否かを識別する情報である。棚札データ51の場合、販促商品が設定されていないので、販促フラグは“0”である。
棚札データ52は、販促商品が設定されている商品の電子棚札端末10に対して配信される。棚札データ52には、棚札ID、自アドレス、商品名、価格及び販促フラグの各項目に加え、n(nは1以上)個分の販促商品名、販促商品価格、属性及び販促アドレスの各項目が含まれる。棚札ID、自アドレス、商品名及び価格は、棚札データ51と同様である。ただし販促データ52の場合、販促商品が設定されているので、販促フラグは“1”である。販促商品名、販促商品価格及び販促アドレスは、販促商品のデータレコード31Dにセットされている名称、価格及びアドレスである。
図7は、データ配信プログラムにしたがってサーバ30のCPU301が実行する情報処理の手順を示す流れ図である。データ配信プログラムは、棚札データを作成し各電子棚札端末10に配信する処理をCPU301に実現させるためのアプリケーションプログラムである。データ配信プログラムは、例えばROM302または補助記憶デバイス304に記憶される。なお、図7に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
予め設定されたデータ配信時刻になるか、入力デバイス311を介してデータ配信業務の開始が指令されると、データ配信プログラムが起動する。データ配信プログラムが起動すると、CPU301は、棚札データベース33からデータレコード33Dを読み込む(Act1)。そしてCPU301は、そのデータレコード33Dからアドレスを取得する(Act2)。
アドレスを取得できたならば、CPU301は、商品データベース31を検索する(Act3)。そしてCPU301は、Act2の処理で取得したアドレスを含むデータレコード31Dの有無を判定する(Act4)。商品データベース31から該当するデータレコード31Dを検出できない場合(Act4にてNO)、CPU301は、Act11の処理に進む。
商品データベース31から該当するデータレコード31Dを検出できた場合には(Act4にてYES)、CPU301は、そのデータレコード31Dを商品データベース31から読み込む(Act5)。次いでCPU301は、このデータレコード31Dから商品コードを検出し、この商品コードで販促データベース32を検索する(Act6)。そしてCPU301は、当該商品コードを含むデータレコード32Dの有無を判定する(Act7)。販促データベース32から該当するデータレコード32Dを検出できない場合(Act7にてNO)、CPU301は、Act10の処理に進む。
販促データベース32から該当するデータレコード32Dを検出できた場合には(Act7にてYES)、CPU301は、そのデータレコード32Dを販促データベース32から読み込む(Act8)。次いでCPU301は、このデータレコード32Dに含まれる全ての販促商品コードで商品データベース31を検索する。そしてCPU301は、販促商品コードが商品コードとしてセットされた全てのデータレコード31Dを商品データベース31から読み込む(Act9)。しかる後、CPU301は、Act10の処理に進む。
Act10の処理は、Act7にて“NO”と判定された場合と“YES”と判定された場合とで異なる。すなわち商品コードが一致するデータレコード32Dが販促データベース32の存在しない場合には(Act7にてNO)、CPU301は、Act1の処理で読み込んだデータレコード33Dの棚札ID及びアドレス(自アドレス)と、Act5の処理で読み込んだデータレコード31Dの商品名及び価格と、“0”の販促フラグとから、棚札データ51を生成する。これに対し、商品コードが一致するデータレコード32Dが販促データベース32の存在する場合には(Act7にてYES)、CPU301は、Act1の処理で読み込んだデータレコード33Dの棚札ID及びアドレス(自アドレス)と、Act5の処理で読み込んだデータレコード31Dの商品名及び価格と、“1”の販促フラグと、Act8及び9の処理で読み込んだデータレコード32D,31Dの商品名(販促商品名)、価格(販促商品価格)、属性及びアドレス(販促アドレス)とから、棚札データ52を生成する。
棚札データ51または52を生成したならば、CPU301は、Act10の処理に進む。
Act10では、CPU301は、棚札データベース33に未処理のデータレコード33Dが存在するか否かを確認する。存在する場合(Act10にてYES)、CPU301は、棚札データベース33からその未処理のデータレコード33Dを読み込む(Act1)。以後、CPU301は、Act2〜Act11の処理を再度実行する。
こうして、棚札データベース33に登録されているすべてのデータレコード33DについてAct2〜Act11の処理を実行したならば(Act11にてNO)、CPU301は、Act10の処理にて生成した棚札データ51,52を、中継機40を介して各電子棚札端末10に無線通信を利用して配信する(Act12)。以上で、データ配信プログラムにしたがった情報処理が終了する。
図8は、電子棚札端末10の要部構成を示すブロック図である。電子棚札端末10は、CPU101、ROM102、RAM103、NFCユニット104、表示デバイス105及び無線デバイス106を搭載し、これらをアドレスバス,データバス等のバスライン107で接続する。
CPU101は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU101は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、電子棚札端末10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
ROM102は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM102は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM102は、CPU101が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。ROM102は、当該電子棚札端末10に対して割り当てられた固有の識別コードである棚札IDを記憶する。ROM102は、電気的にデータの書き換えが可能なフラッシュROMであってもよい。
RAM103は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM103は、CPU101が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM103は、CPU101によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。ワークエリアは、表示バッファB1と通信バッファB2とを含む。表示バッファB1及び通信バッファB2の用途については後述する。
NFCユニット104は、電子棚札端末10に翳されたNFC対応機器とNFC規格によるデータ通信を行う。後述するように、情報端末20はNFC対応機器である。したがってNFCユニット104は、情報端末20との間で無線によるデータ通信が可能な通信手段を構成する。
無線デバイス106は、中継機40と、所定の無線周波数を使用して無線によるデータ通信を行う。
表示デバイス105は、図9に示すように、長方形の画面10Aを備え、この画面10Aに文字,数字等を表示する。表示デバイス105としては、カラーLCD(liquid crystal display)、セグメント表示器、電子ペーパー等が利用できる。
図9は、画面10Aの一表示例である。図示するように図面10Aには、商品名と価格とが表示される。また、関連品マークM1と特売品マークM22とを選択的に表示可能である。関連品マークM1と特売品マークM22とについては後述する。
図10は、棚札処理プログラムにしたがって電子棚札端末10のCPU101が実行する情報処理の手順を示す流れ図である。棚札処理プログラムは、サーバ30から配信された棚札データ51,52に基づいて、画面10Aに棚札情報(商品名,価格)を表示するとともに、電子棚札端末に翳された情報端末20に対して買物支援に係る情報を送信する処理をCPU101に実現させるためのアプリケーションプログラムである。棚札処理プログラムは、ROM102に常駐する。なお、図10に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
棚札処理プログラムが起動すると、CPU101は、棚札データ51,52を受信したか否かを確認する(Act21)。棚札データ51,52を受信していない場合(Act21にてNO)、CPU101は、NFCユニット104によってNFC規格による無線通信(以下、NFC通信と称する)が開始したか否かを確認する(Act22)。NFC通信が開始されていない場合(Act22にてNO)、CPU121は、Act21の処理に戻る。
無線デバイス106を介して棚札データ51,52を受信した場合(Act21にてYES)、CPU101は、その棚札データ51,52の棚札IDが、ROM102に格納されている棚札IDと一致するか否かを確認する(Act23)。両棚札IDが一致しない場合(Act23にてNO)、CPU101は、受信した棚札データ51,52を破棄する。そしてCPU101は、Act21の処理に戻る。したがってCPU121は、自己の棚札IDがセットされた棚札データ51,52を受信するか、NFC通信が開始されるのを待機する。
自己の棚札IDがセットされた棚札データ51,52を受信した場合(Act23にてYES)、CPU101は、その棚札データ51,52に含まれる項目「自アドレス」のデータを通信バッファB2に格納する(Act24)。またCPU101は、その棚札データ51,52に含まれる項目「商品名」及び「価格」のデータを表示バッファB1に格納する(Act25)。なお、Act24及びAct25の処理の順序は、前後が逆であってもよい。
CPU101は、棚札データ51,52に含まれる項目「販促フラグ」のデータを確認する(Act26)。データが“1”、つまりは棚札データ52であるとき、このデータに販促商品のデータが含まれる。この場合(Act26にてYES)、CPU101は、棚札データ52から販促商品データ(販促商品名1、販促商品価格1、属性、販促アドレス1、…、販促商品名n、販促商品価格n、属性、販促アドレスn)を抽出し、このデータを通信バッファB2に格納する(Act27:記憶手段)。
CPU101は、販促商品データに、販促商品が関連商品であるときに付される属性が存在するか否かを確認する(Act28)。この属性が存在する場合(Act28にてYES)、CPU101は、販促商品として関連商品があることを表す案内マーク(関連品マークM1)のデータを表示バッファB1にセットする(Act29)。販促商品が関連商品であるときに付される属性が存在しない場合には(Act28にてNO)、CPU101は、Act29の処理を実行しない。
CPU101は、販促商品データに、販促商品が特売品であるときに付される属性が存在するか否かを確認する(Act30)。この属性が存在する場合(Act30にてYES)、CPU101は、販促商品として特売品があることを表す案内マーク(特売品マークM2)のデータを表示バッファB1にセットする(Act31)。販促商品が特売品であるときに付される属性が存在しない場合には(Act30にてNO)、CPU101は、Act31の処理を実行しない。なお、Act28及びAct29の処理とAct30及びAct31の処理との順序は、前後が逆であってもよい。
CPU101は、表示バッファB1のデータに従い、表示デバイス312の画面10Aに、商品名及び価格の棚札情報を表示させる(Act32)。このとき、Act29の処理にて関連品マークM1のデータが表示バッファB1にセットされていた場合には、画面10Aに関連品マークM1を表示させる。同様に、Act31の処理にて特売品マークM2のデータが表示バッファB1にセットされていた場合には、画面10Aに特売品マークM2を表示させる。その後、CPU101は、Act21の処理に戻る。
一方、項目「販促フラグ」のデータが“0”、つまりは棚札データ51であるときには(Act26にてNO)、CPU101は、関連情報無しを示すデータを通信バッファB2にセットする(Act33)。CPU101は、表示バッファB1のデータに従い、表示デバイス312の画面10Aに、商品名及び価格の棚札情報を表示させる(Act32)。表示後、CPU101は、Act21の処理に戻る。
NFC通信が開始された場合(Act22にてYES)、CPU121は、通信バッファB2に格納されたデータをNFC通信により送信する(Act34)。すなわち棚札データ52を受信した電子棚札端末10においては、Act24の処理で格納した自アドレスと、Act27の処理で格納した販促商品データとを送信する(送信手段)。棚札データ51を受信した電子棚札端末10においては、Act24の処理で格納した自アドレスと、Act33の処理で格納した関連情報無しを示すデータとを送信する。データを送信後、CPU101は、Act21の処理に戻る。
図11は、情報端末20の要部構成を示すブロック図である。情報端末20は、CPU201、ROM202、RAM203、補助記憶デバイス204、NFCユニット205、タッチパネル206及び通信デバイス207を搭載し、これらをアドレスバス,データバス等のバスライン208で接続する。
CPU201は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU201は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、情報端末20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
ROM202は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM202は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM202は、CPU201が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。ROM202は、電気的にデータの書き換えが可能なフラッシュROMであってもよい。
RAM203は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM203は、CPU201が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM203は、CPU201によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
補助記憶デバイス204は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス204は、例えばSDカード等のメモリカード、EEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)などである。補助記憶デバイス204は、CPU201が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU201での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス204は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
NFCユニット205は、情報端末20に近接されたNFC対応機器とNFC規格によるデータ通信を行う。
タッチパネル206は、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、GUI画面などの任意の画面を表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面へのユーザのタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU201へと送る。
通信デバイス207は、図示しないインターネット等のネットワークを通じてデータ通信を行う。
情報端末20は、買物客が携帯する。この情報端末20には、図12に示すように、買物支援プログラム21と、店舗別のマップファイル22と、各マップファイル22に紐付された店舗別のアドレス変換テーブル23とがインストールされている。これら買物支援プログラム21、マップファイル22及びアドレス変換テーブル23のインストールは、インターネットを通じて専用のWEBサイトから行うことができる。
マップファイル22は、買物支援プログラム21による買物支援サービスを実施する店舗別に、その店舗のマップデータを格納する。情報端末は、このマップデータを展開することにより、その店内における商品棚のレイアウト等を表す店内マップ画像をタッチパネル206に表示することができる。
アドレス変換テーブル23は、上記買物支援サービスを実施する店舗別に、その店舗の商品データベース31に保存されるデータレコード31Dのアドレスを、その店内を示すマップ画像上の(X,Y)座標に変換するためのデータを格納する。
図13は、買物支援プログラム21にしたがって情報端末20のCPU201が実行する情報処理の手順を示す流れ図である。買物支援プログラム21は、情報端末20の所有者である買物客が、店舗で買物支援サービスを受ける場合に使用するアプリケーションプログラムである。なお、図13に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
情報端末20を携帯する買物客が店舗に出向き、買物支援サービスを受けようとする場合、買物客は先ず、買物支援プログラム21を起動する。
買物支援プログラム21が起動すると、CPU201は、買物支援サービスを実施する店舗の入力を受け付ける(Act41)。例えばCPU201は、買物支援サービスを実施可能な店舗のリストをタッチパネル206に表示させ、このリストから店舗が選択入力されるのを待機する。買物客は、タッチパネル206を操作して、買物を行う店舗を入力する。
店舗が入力されたならば(Act41にてYES)、CPU201は、マップファイル22からその店舗のマップデータを読出す。そしてCPU201は、マップデータを画像バッファ上に展開して、マップ画像をタッチパネル206に表示させる(Act42)。この状態でCPU201は、NFCユニット205によってNFC通信が開始されるのを待機する(Act43)。
買物客は、例えば商品棚から商品を手に取る際、その商品の棚札情報(品名,価格等)が表示された電子棚札端末10に情報端末20を翳す。電子棚札端末10に情報端末20が翳されると、電子棚札端末10のNFCユニット104と情報端末20のNFCユニット205との間でNFC通信が開始する。その結果、電子棚札端末10から情報端末20に、当該電子棚札端末10の通信バッファB2に格納されているデータが、NFC通信によって情報端末20に送信される。
NFC通信が開始されると(Act43にてYES)、CPU201は、電子棚札端末10から受信したデータをRAM203に格納する(Act44)。受信データは、電子棚札端末10に対応する商品に対して販促商品が設定されている場合と設定されていない場合とで異なる。販促商品が設定されている商品の場合、受信データは、当該電子棚札端末10の棚札IDに関連付けられたアドレス、いわゆる自アドレスと、販促商品のデータ(商品名、価格、属性、販促アドレス)とを含む。販促商品が設定されていない商品の場合、受信データは、自アドレスと、関連情報無しを示すデータとを含む。
CPU201は、受信データから自アドレスを検出する。そしてCPU201は、Act41の処理にて入力を受け付けた店舗のアドレス変換テーブル23を参照して、この自アドレスをマップ画像上の(X,Y)座標に変換する(Act45)。CPU201は、(X,Y)座標のポイントに現在地を表すマーク、いわゆる現在地マークM3を表示させる(Act46:報知手段)。
図14は、現在地マークM3を表示したマップ画像の一例を示す。買物客は、このマップ画像から、自らが店内のどの場所にいるのかを容易に把握できる。
現在地マークM3を表示させたCPU201は、受信データに販促商品データが含まれているのか、関連情報無しを示すデータが含まれているのかを確認する(Act47)。関連情報無しを示すデータが含まれている場合(Act47にてNO)、CPU201は、関連する商品の情報がない旨を買物客に通知するメッセージを、現在地マークM3の近傍に表示させる(Act48)。
図15は、関連情報無しのメッセージを表示したマップ画像の一例を示す。買物客は、このマップ画像から、情報端末20を翳した電子棚札端末10によって棚札情報が表示される商品には、関連商品や特売品等の販促商品に関する情報がないことを容易に把握できる。
メッセージを表示させたCPU201は、Act43の処理に戻る。すなわちCPU201は、新たなNFC通信が開始されるのを待機する。
受信データに販促商品データが含まれている場合(Act47にてYES)、CPU201は、その販促商品データから販促アドレスを検出する。このとき、販促商品データが複数存在する場合には、CPU201は、全ての販促商品データから販促アドレスを検出する。
販促アドレスを検出したならば、CPU201は、Act41の処理にて入力を受け付けた店舗のアドレス変換テーブル23を参照して、この販促アドレスをマップ画像上の(X,Y)座標に変換する(Act49:特定手段)。CPU201は、(X,Y)座標のポイントに販促商品の所在地を表すマークを表示させる(Act50:報知手段)。
図16は、販促商品の所在地マークM4,M5を表示したマップ画像の一例を示す。所在地マークM4は、属性が関連商品となっている販促商品の所在地を示すマークである。所在地マークM5は、属性が特売品となっている販促商品の所在地を示すマークである。買物客は、このマップ画像から、情報端末20を翳した電子棚札端末10に棚札情報が表示される商品に関連する商品、あるいは特売品が陳列されている商品棚の場所を容易に認識できる。
所在地マークM4,M5を表示させたCPU201は、この所在地マークM4,M5が選択されるか(Act51)、新たなNFC通信が開始されるのを待機する(Act52)。
所在地マークM4.M5が表示された場所に陳列されている販促商品を確認したい買物客は、その所在地マークM4.M5にタッチする。CPU201は、所在地マークM4.M5がタッチされたことを検知すると、その所在地マークM4.M5が選択されたと判断する(Act51にてYES)。CPU201は、その選択された所在地マークM4,M5に対応する販促アドレスを含む販促商品データの商品名と価格とを、マップ画像の選択された所在地マークM4,M5の近傍に表示させる(Act53:報知手段)。
図17は、所在地マークM4が選択されたときのマップ画像の一例を示す。買物客は、このマップ画像から、所在地マークM4の場所に陳列されている販促商品の品名と価格とを容易に把握できる。販促商品の品名と価格とを把握した買物客は、例えばマップ画像をタッチすることで確認入力を行う。
販促商品の商品名と価格とを表示させたCPU201は、確認入力を待機する(Act54)。タッチパネル206から確認入力を受け付けたならば(Act54にてYES)、CPU201は、販促商品の情報を消去する(Act55)。その後、CPU201は、新たに所在地マークM4,M5が選択されるか(Act51)、NFC通信が開始されるのを待機する(Act52)。
NFC通信が開始された場合(Act52にてYES)、CPU201は、Act44の処理に戻る。すなわちCPU201は、電子棚札端末10から受信したデータをRAM203に格納し、新たな現在地マークM3をマップ画像に表示させる。
このように、買物支援プログラム21を起動させた情報端末20を携帯する買物客は、この情報端末20を電子棚札端末10に翳すことにより、この電子棚札端末10で棚札情報が表示されている商品と関連する商品あるいは特売品に設定されている商品が存在すること、及びこの関連商品または特売品の販売場所を容易に把握することができる。また、関連商品または特売品の品名や価格も容易に確認できる。さらに、現在地も把握できるので、買物客は、現在地からどのようなルートを通って関連商品または特売品の販売場所まで行けばよいかを容易に知ることができる。
また、関連商品または特売品が設定された商品の棚札情報を表示してなる電子棚札端末10には、関連品マークM1または特売品マークM2が表示されるので、買物客は、関連商品または特売品が設定されているか否かを容易に知ることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
前記実施形態では、情報端末20のタッチパネル206に店内のマップ画像を表示させ、この画像上にマークM4またはマークM5を表示させることで、関連商品または特売品の所在地を報知したが、報知手段はこれに限定されるものではない。要は、関連商品または特売品の所在地を買物客に通知できればよい。
買物支援プログラムの譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。