JP6187734B2 - 解析制御装置、運動解析システム、プログラム、記録媒体および運動解析方法 - Google Patents

解析制御装置、運動解析システム、プログラム、記録媒体および運動解析方法 Download PDF

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Description

本発明は、運動解析システム、計測ユニット、プログラム、記録媒体および運動解析方法等に関する。
様々な分野において運動を解析するシステムが必要とされている。例えば、ゴルフクラブやテニスラケットのスイング軌道、野球のピッチングやバッティング等の運動フォーム等を解析し、解析結果から改善点を明らかにすることで競技力の向上につなげることができる。
運動解析システムとしては、従来から光学式モーションキャプチャーが知られている。これは、マーカーが取り付けられた対象を赤外線カメラ等で連続撮影し、撮影された連続画像を用いてマーカーの移動軌跡を算出することで、運動を解析するシステムである(特許文献1)。
これに対して、近年、被検査体に小型の慣性センサーを取り付け、センサーの出力データから被検査体の運動を解析する手法が提案されている(特許文献2)。この手法では、赤外線カメラが不要であるため取り扱いが容易であるという利点がある。
特開2010−110382号公報 特開2008−073210号公報
ここで、特許文献2の発明は、第1、第2のジャイロセンサーがそれぞれゴルフクラブのヘッド部、グリップ部に固定されている。そのため、ジャイロセンサーを制御する制御部や、ジャイロセンサーからのデータを記憶する記憶部を、ゴルフクラブ内に設けて有線で接続することが可能である。このとき、主制御部は、第1のジャイロセンサーからのデータも、第2のジャイロセンサーからのデータもほぼリアルタイムに取得し、記録することができる。
つまり、特許文献2の発明は、第1、第2のジャイロセンサーからのデータを時間的なずれを生じることなく対応させることが可能であり、2つのデータ間で同期がとれないという問題は生じにくい。ここで、「同期をとる」とは複数のセンサーからのデータを1つの時間軸上で互いに関連付けることをいう。
しかし、例えば計測に用いる複数のセンサーが離れて配置されている場合や、センサー内のバッファーに一時記憶されたデータをまとめて受け取る場合には、データを受け取る側が複数のセンサーのデータ間の同期をとる必要が生じる。
ここで、計測に用いる複数のセンサーが離れて配置され、無線でデータを取得する運動解析システムを考える。このとき、特許文献2に記載の手法では、スイッチがオン状態となってからの経過時間に基づいて、複数のセンサーのデータ間で同期をとることになる。しかし、このようなシステムでは、無線を使って順番に各センサーのスイッチをオン状態
する。そのため、スイッチがオン状態になるまでの時間は各センサーで異なっている。したがって、特許文献2に記載の手法では、複数のセンサーからのデータ間で同期をとることができない。
運動解析システムとしては、計測に用いられる複数のセンサーの配置の自由度が高いことが好ましい。しかし、異なるセンサーからのデータ間で正しく同期をとることができなければ、運動解析を正しく行うことができない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、運動に基づく物理量を計測する計測ユニットの取り付け位置の自由度を高めながら、複数の計測ユニットからの計測データ間で同期をとることにより正確な運動解析を実行する運動解析システム、計測ユニットおよび運動解析方法を提供することができる。ここで、運動解析とは例えば被計測体の運動による特定部位の位置、速度、加速度等を解析することである。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る運動解析システムは、被計測体に取り付けられ、前記被計測体の運動に基づく物理量を計測して第1のデータを生成する計測ユニットと、同期用情報の発生を指示する解析制御装置と、を含み、前記計測ユニットは、前記同期用情報の検出の有無を表す第2のデータと前記第1のデータとを含む計測データを生成し、前記解析制御装置は、前記計測データを受け取り、前記第2のデータに基づいて、前記計測ユニットが前記同期用情報を検出したタイミングである検出タイミングを判断し、前記同期用情報の発生を指示したタイミングと前記検出タイミングとを比較した結果に基づいて、複数の前記計測ユニットが生成する前記計測データの間で同期をとり、前記被計測体の運動を解析する。
本適用例に係る運動解析システムは、計測ユニットと解析制御装置とを含む。計測ユニットは、被計測体に取り付けられ、被計測体の運動に基づく物理量を計測して第1のデータを生成する。計測ユニットは、例えば加速度センサー、角速度センサー、速度センサー等の物理量センサーを含んでおり、物理量センサーからの出力データが第1のデータに対応する。
そして、計測ユニットは、解析制御装置の指示によって発生する同期用情報を検出し、検出の有無を表す第2のデータも生成する。同期用情報として例えば、光、電波、音等を用いることができる。このとき、計測ユニットは、例えば受光素子(受光装置)、電波受信器、マイク等を含むことで同期用情報を検出し、第2のデータを生成できる。そして、計測ユニットは第1のデータと第2のデータとを含む計測データを解析制御装置に出力する。
計測データを受け取った解析制御装置は、第2のデータに基づいて、計測ユニットが同期用情報を検出したタイミングである検出タイミングを判断する。そして、解析制御装置は、同期用情報の発生を指示したタイミング(以下、発生タイミング)と検出タイミングとを比較することで、発生タイミングを基準とする、その計測データのタイミングのずれ(以下、タイムラグ)を知ることができる。
解析制御装置は、複数の計測ユニットが生成する計測データのそれぞれについて、タイムラグを把握することで、複数の計測データの間で同期をとることができる。したがって
、複数の計測データに含まれる第1のデータ(被計測体の運動に基づく物理量)を正確に対応させることができ、被計測体の正確な運動解析を実行できる。
このとき、計測ユニットは、同期用情報を検出することができれば解析制御装置から離れていても構わない。同期用情報として例えば光を用いた場合、かなり広範な範囲で計測ユニットを配置することが可能である。すなわち、本適用例に係る運動解析システムは、計測ユニットの取り付け位置の自由度を高めながら、複数の計測ユニットからの計測データ間で同期をとることにより正確な運動解析を実行できる。
[適用例2]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記計測ユニットは、前記物理量を計測して前記第1のデータを生成するセンサー部と、前記同期用情報を検出して前記第2のデータを生成する同期用情報検出部と、を含んでもよい。
本適用例に係る運動解析システムの計測ユニットは、センサー部と同期用情報検出部と、を含む。センサー部は、被計測体の運動に基づく物理量を検出して、検出した物理量に応じて第1のデータを生成する。センサー部は、例えば加速度センサー、角速度センサー、速度センサー等であって、物理量として加速度、角速度、速度等を計測してもよい。さらに、2軸以上で物理量を計測するセンサーであってもよい。例えばセンサー部が3軸の加速度センサーである場合、第1のデータはx軸、y軸、z軸のそれぞれの加速度を含んでいてもよい。
同期用情報検出部は、同期用情報を検出して、検出の有無を表す第2のデータを生成する。同期用情報検出部は、例えば受光素子(受光装置)、電波受信器、マイク等であって、同期用情報である光、電波、音等を検出できる。そして、検出の有無に応じて、第2のデータを生成する。第2のデータは例えばデジタル信号であり、同期用情報が検出された場合には“1”(ハイレベル)に、検出されなかった場合には“0”(ローレベル)に変化してもよい。
なお、本適用例に係る運動解析システムの計測ユニットが生成する計測データは、第1のデータと第2のデータとを含むが、計測データは離散的なデータであってもよい。つまり、第1のデータと第2のデータが所定のサンプリング周期(例えば0.001秒)でサンプリングされて計測データが生成されてもよい。
本適用例に係る運動解析システムの計測ユニットは、センサー部とは独立して同期用情報検出部を含む。そのため、センサー部が検出する物理量に関係なく、自由に同期用情報を選択することが可能になる。
[適用例3]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記同期用情報を発生する同期用情報発生部、を含み、前記解析制御装置は、前記同期用情報発生部に前記同期用情報の発生を指示してもよい。
本適用例に係る運動解析システムは、同期用情報発生部を含んでいてもよい。同期用情報発生部は解析制御装置の指示にしたがって同期用情報を発生する。同期用情報発生部は、例えば発光素子(発光装置)、電波送信器、スピーカー等であって、同期用情報である光、電波、音等を発生する。なお、同期用情報発生部は解析制御装置に含まれていてもよいが、解析制御装置から独立して存在することが好ましい。このとき、同期用情報発生部の配置の自由度が高まり、運動解析システムにおける配置上の制約をさらに小さくすることができる。
[適用例4]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記同期用情報発生部は、前記同期用情報として光を発生するようにしてもよい。
[適用例5]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記同期用情報発生部は、前記同期用情報として電波を発生するようにしてもよい。
同期用情報発生部は、例えば発光素子(発光装置)、電球、フラッシュ等であって、同期用情報である光を発生してもよい。同期用情報発生部と計測ユニットとの間に光を遮る物がなければ、同期用情報である光が届く範囲で自由に計測ユニットを配置できるので、計測ユニットの取り付け位置の自由度が高い。
また、同期用情報発生部は、例えば電波送信器であって、同期用情報である電波を発生してもよい。同期用情報発生部と計測ユニットとの間に障害物があっても、回折によって同期用情報である電波が届く可能性がある。そのため、さらに計測ユニットの取り付け位置の自由度が高い。
なお、いずれの場合でも、同期用情報である光、電波は例えば自然光、ラジオ等の電波と区別されるように、特定波長帯域の光、電波を用いることが好ましい。
[適用例6]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記解析制御装置は、前記同期用情報を複数回発生させてもよい。
[適用例7]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記解析制御装置は、前記同期用情報が発生する期間をランダムに変化させてもよい。
これらの適用例によれば、解析制御装置は、同期用情報を複数回発生させる。そのため、障害物の存在や通信状態の悪化により、計測ユニットが一部の同期用情報を検出できない場合でも、他の同期用情報を検出できていれば、解析制御装置は計測データの間で同期をとることが可能である。
そのため、これらの適用例によれば、同期用情報の検出時のエラーに強く、信頼性の高い運動解析システムを実現することができる。
ここで、解析制御装置は、同期用情報が発生する期間をランダムに変化させてもよい。このとき、同期用情報が発生している期間がランダムに変化するので、期間を同一にする場合に比べて誤って対応させること、すなわち計測データ間の同期を失敗するおそれが少ない。そのため、解析制御装置はより正確に計測データの間で同期をとることが可能であり、さらに信頼性の高い運動解析システムを実現することができる。
[適用例8]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記計測ユニットは、前記被計測体の運動に基づく物理量を計測する通常モードと、前記同期用情報を検出する同期モードと、を切り換えて動作し、計測開始時に前記同期モードで動作し、前記同期用情報を検出した後に前記通常モードに移行してもよい。
本適用例に係る運動解析システムは、動作モードを切り換える計測ユニットを含むことで、被計測体の運動に基づく物理量の計測(通常モード)と、同期用情報の検出(同期モード)とを排他的に実行することができる。
そのため、同期用情報が発生すると被計測体の運動に基づく物理量の計測に影響するような場合でも、正確な運動解析が可能になる。例えば、被計測体の運動の解析のために物理量として速度が計測されるとする。このとき、例えば30km/秒以上のx軸方向の速度の発生を同期用情報として用いると、被計測体の運動に加えて同期用情報が第1のデータに影響してしまい、正しい計測データが得られない。本適用例によれば、同期用情報として第1のデータとして計測されるのと同じ種類の物理量を使用した場合でも、動作モードを切り換えることで正しい計測データを得ることができる。
このとき、計測ユニットは、計測開始時に同期モードで動作し、同期用情報を検出した後に通常モードに移行する。最初に同期をとることで、通常モードに移行してからの第1のデータは、被計測体の運動に基づくものとして有効に使用できる。
なお、動作モードが同期モードである場合には、第1のデータは被計測体の運動解析には使用されない可能性が高いので、ダミーの値である固定値を用いてもよい。また、動作モードが通常モードである場合には、もはや同期用情報は検出しないので、第2のデータは非検出を示す値に固定されてもよい。
[適用例9]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記計測ユニットは、前記被計測体の運動に基づく加速度および角速度を計測する慣性センサーを含んでもよい。
[適用例10]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記計測ユニットは、前記被計測体の衝突による衝撃を前記同期用情報としてもよい。
これらの運動解析システムによれば、計測ユニットは、被計測体の運動に基づく加速度および角速度を計測する慣性センサーを含んでもよい。慣性センサーは、例えば3軸の加速度センサーと3軸の角速度センサーを含むので、被計測体の運動を正確に検出することができる。
ここで、計測ユニットは、被計測体の衝突による衝撃を同期用情報としてもよい。このとき、同期用情報についても慣性センサーが検出する。例えば、運動解析としてゴルフのスイングの軌跡を検出する場合に、同期用情報としてはユーザーがジャンプして着地するような衝撃や、意図的にゴルフクラブを地面に衝突させる衝撃を用いることが可能である。これらの衝撃は、通常のスイングとは大きく異なる加速度、角速度、衝撃の方向を示すため、計測ユニットは同期用情報であると区別することが可能である。
これらの運動解析システムによれば、計測ユニットは同期用情報検出部として例えば受光素子(受光装置)、電波受信器、マイクを含む必要がないため構成を簡単にできる。また、本適用例に係る運動解析システムは、同期用情報発生部として例えば発光素子(発光装置)、電波送信器、スピーカー等を含む必要がないため構成要素を少なくできる。なお、慣性センサーはさらに地磁気センサーを含んでいてもよい。
[適用例11]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記計測ユニットは、前記計測データを記憶する記憶部を含み、前記解析制御装置は、前記記憶部に記憶された前記計測データを
受け取ってもよい。
本適用例に係る運動解析システムの計測ユニットは、計測データを記憶する記憶部を含む。そのため、解析制御装置は、記憶部に記憶された前記計測データをまとめて受け取ることができ、計測ユニットへのアクセスの頻度が少なくなり、通信制御にかかる負担を軽減することができる。
[適用例12]
本適用例に係る計測ユニットは、前記の運動解析システムで使用される。
[適用例13]
本適用例に係る運動解析方法は、被計測体に取り付けられ、前記被計測体の運動に基づく物理量を計測して第1のデータを生成し、同期用情報の検出の有無を表す第2のデータと前記第1のデータとを含む計測データを生成する計測ユニット、を含む運動解析システムの運動解析方法であって、前記同期用情報の発生を指示するステップと、前記計測データを受け取るステップと、前記第2のデータに基づいて、前記計測ユニットが前記同期用情報を検出したタイミングである検出タイミングを判断するステップと、前記同期用情報の発生を指示したタイミングと前記検出タイミングとを比較した結果に基づいて、複数の前記計測ユニットが生成する前記計測データの間で同期をとり、前記被計測体の運動を解析するステップと、を含む。
[適用例14]
本適用例に係るプログラムは、被計測体に取り付けられ、前記被計測体の運動に基づく物理量を計測して第1のデータを生成し、同期用情報の検出の有無を表す第2のデータと前記第1のデータとを含む計測データを生成する計測ユニット、を含む運動解析システムに用いられるプログラムであって、コンピューターに、前記同期用情報の発生を指示するステップと、前記計測データを受け取るステップと、前記第2のデータに基づいて、前記計測ユニットが前記同期用情報を検出したタイミングである検出タイミングを判断するステップと、前記同期用情報の発生を指示したタイミングと前記検出タイミングとを比較した結果に基づいて、複数の前記計測ユニットが生成する前記計測データの間で同期をとり、前記被計測体の運動を解析するステップと、を実行させる。
[適用例15]
本適用例に係る記録媒体は、前記のプログラムを記録した、コンピューター読み取り可能な記録媒体である。
第1実施形態の運動解析システムの構成例を示す図。 第1実施形態の運動解析システムでゴルフスイングを計測する例を示す図。 計測されたゴルフクラブ(運動器具)の軌跡の例を示す図。 図1の計測ユニットのブロック図。 図1の解析制御装置のブロック図。 第1実施形態の運動解析システムの構成要素の動作を説明する図。 図7(A)、図7(B)は計測データの例を示す図。 図7(A)、図7(B)の計測データ間の同期を説明する図。 計測ユニットのサンプリング周期が異なる場合の運動解析システムの構成要素の動作を説明する図。 図10(A)、図10(B)は図9の場合の計測データの例を示す図。 図10(A)、図10(B)の計測データ間の同期を説明する図。 図10(A)、図10(B)の計測データ間の同期をとる際にずれが生じた場合の例を示す図。 期間がランダムな複数回の発光を行う場合の運動解析システムの構成要素の動作を説明する図。 図14(A)、図14(B)は図13の場合の計測データの例を示す図。 図14(A)、図14(B)の計測データ間の同期を説明する図。 第1実施形態の運動解析システムの計測ユニットの処理を示すフローチャート図。 第1実施形態の運動解析システムの解析制御装置の処理を示すフローチャート図。 第2実施形態の運動解析システムの構成例を示す図。 第2実施形態の運動解析システムの構成要素の動作を説明する図。 図20(A)、図20(B)は計測データの例を示す図。 図20(A)、図20(B)の計測データ間の同期を説明する図。 第2実施形態の運動解析システムの計測ユニットの処理を示すフローチャート図。 第2実施形態の運動解析システムの解析制御装置の処理を示すフローチャート図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
[運動解析システムの構成]
図1は、本実施形態の運動解析システム1の構成例を示す図である。運動解析システム1は、複数の計測ユニット10−1、10−2、解析制御装置20、発光装置90を含んで構成されている。
運動解析システム1は、2つの計測ユニット10−1、10−2を含むが3つ以上であってもよい。本実施形態では、解析制御装置20と計測ユニット10−1、10−2は無線接続されており、運動解析システム1における計測ユニット10−1、10−2の配置の自由度は高い。解析制御装置20と計測ユニット10−1、10−2の間は、帯域消費を抑えるためにマルチキャストやブロードキャストを行わず、ユニキャストで通信が行われる。計測ユニット10−1、10−2から解析制御装置20へは計測データが無線送信され、解析制御装置20から計測ユニット10−1、10−2へは例えば計測開始指示などの制御信号が無線送信される。
計測ユニット10−1、10−2は、運動解析の対象(以下、被計測体)に取り付けられる。被計測体は、運動解析システム1の使用者(以下、ユーザー)および運動器具(例えばゴルフクラブ、テニスラケット)の少なくとも一方である。運動解析システム1は様々な運動の解析に適用可能であるが、本実施形態ではゴルフスイングの解析に用いられる(図2参照)。
計測ユニット10−1、10−2は、それぞれ慣性センサー111−1、111−2(本発明のセンサー部に対応)と受光部114−1、114−2(本発明の同期用情報検出部に対応)とを含む。慣性センサー111−1、111−2は、ユーザーがゴルフスイングをすることで生じる加速度および角速度(本発明の物理量に対応)を計測して、慣性センサーデータ(本発明の第1のデータに対応)を生成する。
受光部114−1、114−2は、発光装置90からの特定波長帯域の光(本発明の同期用情報に対応、以下単に光とする)を検出して、検出の有無を表す検出データ(本発明の第2のデータに対応)を生成する。なお、受光部114−1、114−2は、光を検出した場合に検出データを“1”(ハイレベル)に、検出しなかった場合に検出データを“0”(ローレベル)にする。
発光装置90(本発明の同期用情報発生部に対応)は、解析制御装置20からの発光指示にしたがって計測ユニット10−1、10−2に向けて光を発する。発光装置90は、例えば発光ダイオード(LED)などの発光素子、電球、フラッシュ等であってもよい。本実施形態では、発光装置90と解析制御装置20とは近接しているため有線接続されているが、無線接続されていてもよい。また、発光装置90が解析制御装置20に含まれる構成であってもよい。
解析制御装置20は、被計測体の運動解析を実行する運動解析部201と、解析制御装置20だけでなく運動解析システム1の全体の制御を行う主制御部203とを含む。本実施形態では、PC(Personal Computer)によって解析制御装置20を実現している。そして、プログラムにしたがってCPU200が運動解析部201、主制御部203として機能する。
解析制御装置20の運動解析部201は、計測ユニット10−1、10−2からの計測データを受け取り、検出データを利用して計測データ間の同期をとることで、被計測体の運動を正確に解析することができる。
図1を用いて運動解析システム1の構成の概略を説明したが、計測ユニット10−1、10−2と解析制御装置20の詳細なブロック図については後述する。また、計測ユニット10−1、10−2の構成は同一である。これらの符号に含まれる「−1」「−2」は複数の計測ユニット10を個別に区別するためのものであり、構成が異なることを意味するものではない。以下においては、重複説明回避のため特に断ることなく、計測ユニット10−1、10−2を計測ユニット10として説明することがある。また、慣性センサー111−1、111−2についても慣性センサー111として、受光部114−1、114−2についても受光部114として説明することがある。
なお、本実施形態の運動解析システム1は、同期用信号として光を用いており、発光装置90を含み、計測ユニット10に受光部114を含む。しかし、同期用信号として、他に例えば電波や音を使用してもよい。同期用信号を電波とした場合、発光装置90に代えて電波送信器を、受光部114に代えて電波受信器を用いることができる。同期用信号を音とした場合、発光装置90に代えてスピーカーを、受光部114に代えてマイクを用いることができる。例えば、発光装置90と計測ユニット10との間に障害物が存在し、光が計測ユニット10の受光部114に届かない場合でも、同期用信号として電波や音を用いた運動解析システム1ならば、回折や反射によって計測ユニット10が同期用信号を受け取れる可能性がある。
また、本実施形態の運動解析システム1は、解析制御装置20をPCで実現しているが、専用のハードウェアで構成されていてもよい。このとき、運動解析部201および主制御部203の少なくとも一方が、CPU200ではなく専用のハードウェアで構成されていてもよい。
図2は、運動解析システム1でゴルフスイングを計測する場合を例示する図である。ユーザーはゴルフクラブ30を持ちスイングをする。このとき、ゴルフクラブ30には計測ユニット10−1が取り付けられており、ユーザーの手首には計測ユニット10−2が取
り付けられている。計測ユニット10−1、10−2は、それぞれゴルフクラブ30、ユーザーの手首での、ゴルフスイングによる加速度および角速度を計測する。また、計測ユニット10−1、10−2は、発光装置90からの光も検出する。
発光装置90は、解析制御装置20と有線接続されており、解析制御装置20からの発光指示にしたがって計測ユニット10−1、10−2に向けて光を発する。計測ユニット10−1、10−2は、光が届く範囲で発光装置90から離れることが可能である。
なお、計測ユニット10は、3軸(x軸、y軸、z軸)加速度センサー、3軸(x軸、y軸、z軸)角速度センサーを含む。加速度センサーは、x軸、y軸、z軸方向の加速度をそれぞれ計測し、計測した加速度データを出力する。また、角速度センサーは、x軸、y軸、z軸回りの角速度をそれぞれ計測し、計測した角速度データを出力する。
図3では、ゴルフクラブ30のクラブヘッドのスイング軌跡Aを示している。スイング軌道Aは、スイング起動位置P1、トップ位置P2、インパクト位置P3およびフォロースルートップ位置P4を含んでいる。運動解析システム1は、このようなスイング軌跡Aを表示するだけではなく、スイング軌跡Aに対して、ユーザーがどのように手首を運動(移動)させているかを解析して改善に役立つ情報を提供する。
例えば、ゴルフスイングの解析においては、手首とゴルフクラブ30のなす角度(コック)のスイング中の変化や、ダウンスイング前半で保持していた力が緩んで手首とゴルフクラブ30の間の角度が開き始めるアンコックのタイミングが分析される。アンコックの時点が早すぎるとインパクトに向けてクラブヘッドを十分に加速できないなどの判断ができる。
このような判断を正しく行うために、運動解析システム1は計測データ間で同期をとる必要がある。つまり、計測ユニット10−1、10−2は、それぞれゴルフクラブ30、ユーザーの手首に装着されているため、計測ユニット10−1、10−2からの計測データ間で同期がとれないと正確な解析が不可能になる。運動解析システム1は、計測ユニット10−1、10−2に同時に届く発光装置90からの光を同期用信号として利用することで、計測データ間で同期をとることができる。以下に、まず計測ユニット10、解析制御装置20の詳細な構成を説明してから、計測データ間で同期をとる方法について説明する。
[計測ユニットの構成]
図4は、計測ユニット10のブロック図である。計測ユニット10は、図1に示した慣性センサー111、受光部114の他に、記憶部115、制御部116、通信部118を含む。ただし、計測ユニット10は、図4の構成要素(各部)の一部を省略または変更し、あるいは他の構成要素を付加した構成としてもよい。
慣性センサー111は、前記のように3軸加速度センサーと3軸角速度センサーを含む。したがって、慣性センサー111は、詳細には加速度センサー112x、112y、112zと、角速度センサー113x、113y、113zを含む。受光部114は、図1を参照して説明した通りであり、ここでは説明を省略する。
制御部116は、慣性センサー111からの慣性センサーデータと、受光部114からの検出データとを所定周期でサンプリングして計測データを生成し、計測データを記憶部115に順番に記憶させる。なお、所定周期とは、例えば慣性センサー111の応答周波数に基づいて定められ、1000Hzや500Hzであってもよい。
制御部116は、通信部118を介して、解析制御装置20からの制御信号を受け取る。例えば、解析制御装置20からの計測開始指示があれば慣性センサー111や受光部114を動作させて、計測データの記憶部115への記憶を開始する。また、例えば解析制御装置20からの計測停止指示があれば計測データの記憶部115への記憶を停止して、記憶部115に記憶された計測データを、通信部118を介して解析制御装置20へと送信する。なお、制御部116はCPUであってもよい。
計測ユニット10は、運動解析システム1において解析制御装置20と無線接続されており、計測ユニット10の配置の自由度は高い。例えば、運動器具に取り付けることも、ユーザーの体の一部に取り付けることもできる(図2参照)。
[解析制御装置の構成]
図5は、解析制御装置20のブロック図である。解析制御装置20は、図1に示した運動解析部201、主制御部203の他に、通信部210、操作部220、ROM230、RAM240、記録媒体250、表示部260を含む。また、図1を参照して説明したように、CPU200が運動解析部201、主制御部203として機能するが、運動解析部201は、さらにデータ取得部202、演算部204、同期補正部206を含む。ただし、解析制御装置20は、図5の構成要素(各部)の一部を省略または変更し、あるいは他の構成要素を付加した構成としてもよい。
通信部210は、複数の計測ユニット10−1、10−2(図1参照)からの計測データを受信し、運動解析部201に送る処理を行う。また、通信部210は、主制御部203から計測ユニット10−1、10−2への制御信号(例えば計測開始指示等)を送信する。
操作部220は、ユーザーからの操作データを取得し、運動解析部201、主制御部203に送る処理を行う。操作データとは、例えば運動解析の対象について指示したり、表示部260に表示する内容を指定したりするためのデータである。ユーザーは、操作データによって、例えばトップ位置P2からフォロースルートップ位置P4までについてだけ運動解析を実行させて、インパクト位置P3におけるクラブヘッドのスピードを表示させることができる(図3参照)。
ROM230は、CPU200が運動解析部201、主制御部203として機能し、各種の計算処理、制御処理を行うためのプログラム等を記憶している。ROM230は、他にアプリケーション機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶していてもよい。
RAM240は、CPU200の作業領域として用いられ、ROM230から読み出されたプログラムやデータ、操作部220から入力されたデータ、運動解析部201が各種プログラムにしたがって実行した演算結果等を一時的に記憶する。
記録媒体250は、各種のアプリケーションプログラムやデータを記憶するための、コンピューター読み取り可能な記録用の媒体(メディア)である。例えば、コンピューター(PC)を解析制御装置20として機能させるためのアプリケーションプログラム(運動解析システム1に用いられるプログラム)が記憶されていてもよい。また、記録媒体250は、運動解析部201の処理により生成されたデータのうち、長期的な保存が必要なデータを記録する記録部としても機能するようにしてもよい。記録媒体250は、例えば、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、不揮発性メモリー(EEPROM、フラッシュメモリーなど)により実現することができる。
表示部260は、運動解析部201の処理結果を文字やグラフ、その他の画像として表示するものである。表示部260は、例えば、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)などである。なお、1つのタッチパネル型ディスプレイで操作部220と表示部260の機能を実現するようにしてもよい。
CPU200は、ROM230、記録媒体250に記憶されているプログラムにしたがって、運動解析部201、主制御部203として機能するが、運動解析部201は、さらにデータ取得部202、演算部204、同期補正部206を含む。データ取得部202は、通信部210を介して受信した複数の計測データを受け取る。
演算部204は、計測データに含まれる検出データに基づいて、各計測ユニットが発光装置90からの光を検出したタイミングである検出タイミングを求める。そして、主制御部203が発光装置90に発光を指示したタイミング(発生タイミング)と検出タイミングとの時間差を求める。
同期補正部206は、演算部204が求めた発生タイミングと検出タイミングとの時間差に基づいて、データ取得部202が受け取った複数の計測データの間で同期をとる。そして、運動解析部201は、同期のとれた計測データを用いて、被計測体の運動を正確に解析する。
なお、主制御部203については、図1を参照して説明した通りであるため、ここでは詳細な説明を省略するが、主制御部203は不図示の発光指示信号によって発光装置90に発光を指示する。
[計測データ間の同期方法]
図6は、運動解析システム1の構成要素である解析制御装置20、発光装置90、計測ユニット10−1、10−2の動作を時系列に並べた図である。時刻t〜時刻tn+5の隣接する時刻の間隔は、計測ユニット10−1、10−2に含まれる慣性センサー111−1、111−2のサンプリング周期(例えば、0.001秒)に対応する。
時刻tで解析制御装置20は計測ユニット10−1、10−2に対して計測開始を指示する。そして、計測ユニット10−1は時刻tで計測開始可能となり、計測ユニット10−2は時刻tで計測開始可能となっている。
ここで、計測ユニット10−1、10−2で計測開始可能となるタイミングが異なるのは、解析制御装置20がユニキャストで計測開始コマンドを送信しているからである。すなわち、解析制御装置20が最初に計測ユニット10−1を指定して計測開始を指示し、その後に計測ユニット10−2を指定して計測開始を指示するからである。
もし、運動解析システム1で、ブロードキャストやマルチキャストが使用できる通信方式を採用するならば、計測ユニット10−1、10−2が計測開始可能になるタイミングをほぼ同時にすることができる。しかし、計測ユニットの数が増加すると帯域幅の消費が大きくなるという問題が生じる。また、一般的なワイヤレス通信のプロトコルでは、例えばBluetooth(登録商標)のようにマルチキャストに対応していないものも多く、マルチキャストが必要になる場合は独自の通信プロトコルを用意する必要がある。すなわち、拡張性の面で問題がある。
また、運動解析システム1で、計測ユニット10−1、10−2と解析制御装置20とを有線接続するならば、計測ユニット10−1、10−2が計測開始可能になるタイミン
グをほぼ同時にすることができる。しかし、計測ユニット10−1、10−2の配置の自由度が低くなり実用上の問題が生じる。
そして、運動解析システム1で、解析制御装置20がユニキャストで計測開始コマンドを送信するとして、一定の時間間隔Tで計測開始を指示し、その時間間隔Tの分だけ計測データをずらすことで同期をとる手法も考えられる。しかし、無線での通信状態が変化して、1つの計測ユニットに対してだけ計測開始コマンドの再送が生じることもあり得る。そのため、計測ユニット10−1、10−2の計測開始可能となる時間間隔がTに一致するとは限らない。
そこで、運動解析システム1は、計測ユニット10−1、10−2に同時に届く発光装置90からの光を同期用信号として利用する。時刻tで解析制御装置20は発光装置90に対して発光指示を行い、発光装置90は発光を開始する。そして、発光装置90は時刻t〜時刻tで発光を続ける。
このとき、計測ユニット10−1、10−2は計測を開始しており、慣性センサーデータを生成するとともに、発光装置90からの光を検出して検出の有無を応じた検出データを生成している。つまり、慣性センサーデータと検出データとを含む計測データを生成している。図6で丸のついている部分は、計測ユニット10−1、10−2が計測データを生成していることを意味する。そして、黒い丸は光の検出が無いこと(検出データ=“0”)を、白い丸は光を検出したこと(検出データ=“1”)を示す。計測ユニット10−1、10−2は時刻t〜時刻tにおいて発光装置90からの光を検出している。
その後、計測ユニット10−1、10−2はしばらく計測を続ける。そして、時刻tn+2で解析制御装置20は計測ユニット10−1、10−2に対して計測停止を指示する。計測ユニット10−1は時刻tn+3で計測を停止し、計測ユニット10−2は時刻tn+5で計測を停止する。
図7(A)は、このときの計測ユニット10−1の計測データを示し、図7(B)は計測ユニット10−2の計測データを示す。解析制御装置20は計測停止指示の後、図7(A)、図7(B)のようなデータを受け取ることになる。しかし、計測ユニット10−1と計測ユニット10−2の計測開始時刻と計測停止時刻とは異なるため、図7(A)と図7(B)の計測データを並んでいる順番で単純に対応させることはできず、検出データに基づいて同期をとる必要がある。
なお、図7(A)、図7(B)では慣性センサーデータをDA、DBのように簡略に表記しているが、それぞれのデータは加速度センサー112x、112y、112zおよび角速度センサー113x、113y、113z(図4参照)からのデータを全て含んでいる。
図8は、解析制御装置20が検出データに基づいて計測データの同期をとり、計測ユニット10−1、10−2からの慣性センサーデータを時間軸に沿って適切に配置した様子を示している。解析制御装置20は、時刻tで発光装置90に対して発光指示を行い、発光が時刻t〜時刻tまで継続することを把握している。
そこで、図7(A)の計測データで検出データが“1”となっている部分、すなわちDA〜DAと、図7(B)の計測データで検出データが“1”となっている部分、すなわちDB〜DBとを対応させる。その結果、解析制御装置20は図8のように計測ユニット10−1、10−2の慣性センサーデータを正しく同期させることができ、正確な運動解析を行うことができる。
なお、この例では発光が継続する期間(時刻t〜時刻tに対応し検出データ=“1”となる全てのデータ)を考慮して同期をとったが、発光の開始(時刻tに対応し検出データが“0”から“1”に変化したデータ)だけを考慮してもよいし、発光の終了(時刻tに対応し検出データが“1”から“0”に変化したデータ)だけを考慮してもよい。
ここで、計測ユニット10−1、10−2のサンプリング周期が同一である必要はない。図9は、解析制御装置20、発光装置90、計測ユニット10−1、10−2の動作を時系列に並べた図である。なお、図1〜図8と同じ要素については同じ符号を付しており説明を省略する。
図9では、計測ユニット10−2の慣性センサー111−2のサンプリング周期は、計測ユニット10−1の慣性センサー111−1の2倍であるとする。例えば、慣性センサー111−1のサンプリング周期が0.001秒であるとする。このとき、慣性センサー111−2のサンプリング周期は0.002秒である。なお、図9における隣接する時刻の間隔は、短い方のサンプリング周期(0.001秒)に合わせてある。
図9に示されるように、計測ユニット10−2の動作は、時刻t(iは奇数)でのみ変化すると考えることができる。計測ユニット10−2は時刻tで計測開始状態となり、時刻t〜時刻tで検出データが“1”に変化する。その後、計測ユニット10−2はしばらく計測を続ける。そして、計測ユニット10−2は時刻tn+5で計測を停止する。なお、解析制御装置20、発光装置90、計測ユニット10−1の動作は、図6と同じであり説明を省略する。
図10(A)は、このときの計測ユニット10−1の計測データを示し、図10(B)は計測ユニット10−2の計測データを示す。解析制御装置20は計測停止指示の後、図10(A)、図10(B)のようなデータを受け取ることになる。しかし、計測ユニット10−1と計測ユニット10−2の計測開始時刻と計測停止時刻とは異なり、しかも計測ユニット10−2の慣性センサー111−2のサンプリング周期は2倍である。そのため、図10(A)と図10(B)の計測データを並んでいる順番で単純に対応させることはできず、データ数も異なる。解析制御装置20は、サンプリング周期の違いを考慮した上で、検出データに基づいて同期をとる必要がある。なお、図10(B)の計測データ数mは、図10(A)の計測データ数nの半分または約半分である。
図11は、解析制御装置20が検出データに基づいて計測データの同期をとり、計測ユニット10−1、10−2からの慣性センサーデータを時間軸に沿って適切に配置した様子を示している。解析制御装置20は、時刻tで発光装置90に対して発光指示を行い、発光が時刻t〜時刻tまで継続することを把握している。
そこで、図10(A)の計測データで検出データが“1”となっている部分、すなわちDA〜DAと、図10(B)の計測データで検出データが“1”となっている部分、すなわちDC〜DCとを対応させる。このとき、図10(B)の1つの計測データが、2つの時刻に対応するように調整する。その結果、解析制御装置20は図11のように計測ユニット10−1、10−2の慣性センサーデータを正しく同期させることができ、正確な運動解析を行うことができる。
ただし、解析制御装置20が、図10(B)の1つの計測データを2つの時刻に対応するように調整する際に、図12のようにずれが生じる可能性がある。図12と図11とを比較すると、例えば慣性センサー111−2のデータの1つであるDCは時刻tに対
応づけられている。
しかし、図12のような調整が行われた場合でも、例えば慣性センサー111−1、111−2のサンプリング周期がそれぞれ0.001秒、0.002秒であれば、0.001秒の差が生じるだけである。そのため、この0.001秒が通常の誤差の範囲内、すなわち許容範囲内であれば特に問題はなく、ほぼ正確な運動解析を行うことができる。
ここで、運動解析システム1では同期用情報として発光装置90からの光を用いる。そのため、計測ユニット10−1、10−2は、例えばユーザーの運動によって位置が変化するため、瞬間的に光を受け取れない可能性がある。このような場合でも、解析制御装置20からの発光指示を工夫することで、光を検出する際のエラーに強く、信頼性の高い運動解析システム1を実現することができる。
図13は、解析制御装置20、発光装置90、計測ユニット10−1、10−2の動作を時系列に並べた図である。なお、図1〜図12と同じ要素については同じ符号を付しており説明を省略する。
図13では、解析制御装置20は発光指示を1回だけでなく複数回行い、発光指示には発光期間の指定も含まれている。図13の例で具体的に述べると、解析制御装置20は、まず時刻tで発光装置90に対して発光期間を3とする発光指示を行う。そして、発光装置90は、時刻t〜時刻tで発光を続ける。ここで、発光期間が3であるとは、発光指示を行った時刻を含めて以降の3つの時刻で発光状態となることを意味する。
そして、解析制御装置20は、時刻tで発光期間を1とする発光指示を行い、時刻t11で発光期間を2とする発光指示を行う。なお、図13では省略しているが、解析制御装置20はこの後も発光指示を行ってもよい。ここで、発光期間は計測データ間で同期をとる際に、マッチングのためのパターンとして使用される。そのため、それぞれの発光指示における発光期間は互いに異なっていることが好ましい。
例えば、図13の例では発光期間は3、1、2、・・・のように変化しているが、解析制御装置20は、このように値が変化する数列を予め記憶しておき、数列に基づいて発光期間を指定してもよい。また、解析制御装置20は乱数発生器を内蔵し、ランダムに発光期間を指定してもよい。なお、図13の例では、3回の発光の間の期間(非発光期間)が1であるが、非発光期間がランダムに変化してもよく、マッチングのためのパターンとして使用されてもよい。
このとき、計測ユニット10−1、10−2は、理想的には図13のように、発光装置90の発光に対応して検出データを“1”にする(図13の白丸が対応)。すなわち、計測ユニット10−1、10−2は、理想的には、時刻t〜時刻t、時刻t、時刻t11〜時刻t12で検出データを“1”にする。なお、その他の動作については、図6と同じであり説明を省略する。
図14(A)は、このときの計測ユニット10−1の計測データを示し、図14(B)は計測ユニット10−2の計測データを示す。ここで、図14(B)の計測データは、検出データが“1”であるべきところ、ユーザーの影に入って光の検出ができずに、検出データが“0”となったデータ(慣性センサーデータのDBに対応)を含むとする。
解析制御装置20は計測停止指示の後、図14(A)、図14(B)のようなデータを受け取ることになる。しかし、図14(B)の計測データは、同期に用いる検出データが誤って“0”となったデータを含んでいる。そこで、解析制御装置20は、全ての発光指
示における発光期間を用いて、完全一致を要求しないパターンマッチングを行う。
図15は、解析制御装置20が検出データに基づいて計測データの同期をとり、計測ユニット10−1、10−2からの慣性センサーデータを時間軸に沿って適切に配置した様子を示している。解析制御装置20は、時刻t、時刻t、時刻t11でそれぞれ期間が3、1、2である発光指示を行ったことを把握している。
そこで、図14(A)の計測データで検出データが“1”となっている部分、すなわちDA〜DA、DA、DA〜DA10と、図14(B)の計測データで検出データが“1”となっている部分、すなわちDB〜DB、DB〜DBとを抽出する。そして、それぞれの期間を抽出すると、DA〜DAとDB〜DB、DA〜DA10とDB〜DBとが対応する。また、これらについては、データの前後関係も対応する。すなわち、DA〜DAはDA〜DA10よりも前のデータであり、同じくDB〜DBはDB〜DBよりも前のデータである。
ここで、図14(A)の計測データのDAに対応する、図14(B)の計測データのデータはない。しかし、3回の発光指示のうち、2回のパターンが一致しているので、解析制御装置20は図15のような対応が正しいと判断できる。その結果、解析制御装置20は、計測ユニット10−2の計測データに光の検出エラーを含んでいても慣性センサーデータを正しく同期させることができ、正確な運動解析を行うことができる。
なお、解析制御装置20は、パターンを比較する際にマッチしたデータについて、データの前後関係で判断していたが、データの厳密な間隔(例えば、DAとDAとの間隔、DBとDBとの間隔)を比較して判断してもよい。
[フローチャート]
図16、図17は、運動解析システム1による運動解析方法の一例を示すフローチャート図である。図16は計測ユニット10による処理のフローチャート図であり、図17は解析制御装置20による処理のフローチャート図である。計測ユニット10の制御部116、解析制御装置20の主制御部203は、プログラムにしたがって、これらの処理を実行してもよい。
図16のように、計測ユニット10の制御部116は、計測開始の指示があるまで、すなわち解析制御装置20から計測開始コマンドを受信するまで待機し(S110のN)、計測開始コマンドを受信すると(S110のY)、慣性センサー111に被計測体の運動に基づく加速度、角速度を計測させて慣性センサーデータを生成させる(S120)。ここで、被計測体は例えばユーザーやゴルフクラブであり(図2参照)、運動とは例えばゴルフスイングである(図3参照)。慣性センサーデータは、加速度センサーが計測したx軸、y軸、z軸方向の加速度、および角速度センサーが計測したx軸、y軸、z軸回りの角速度を含む。
計測ユニット10の受光部114は、発光装置90からの発光を検出する。ここで、検出される光は計測データで同期をとるための同期用情報である。受光部114は発光装置90から光を検出した場合には(S130のY)、光の検出があったことを示す検出データ“1”を生成する(S140)。受光部114は発光装置90から光を検出しなかった場合には(S130のN)、光の検出がなかったことを示す検出データ“0”を生成する(S150)。
そして、制御部116は慣性センサーデータと検出データを含む計測データを生成して記憶部115に記憶する(S160)。その後、計測停止の指示があった場合、すなわち
解析制御装置20から計測停止コマンドを受信した場合には(S170のY)、記憶部115に記憶された計測データを解析制御装置20に送信する(S180)。そして、ステップS110に戻り、解析制御装置20から次の計測開始コマンドを受信するまで待機する。
制御部116は、計測停止の指示がない場合(S170のN)、ステップS120に戻り、慣性センサー111に被計測体の運動に基づく加速度、角速度を計測させて慣性センサーデータを生成させる。
一方、図17のように、解析制御装置20の主制御部203は、まず計測ユニット10に計測開始を指示する(S210)。すなわち、主制御部203は、計測ユニット10に計測開始コマンドを送信する。そして、主制御部203は、発光装置90に発光を指示する(S220)。主制御部203は、発光装置90が所定回数の発光をするまで発光指示を続ける(S230のN)。
そして、主制御部203は、発光装置90が所定回数の発光をすると(S230のY)、計測ユニット10が十分な計測データを得るまで待機する(S240のN)。そして、計測ユニット10が十分な計測データを得ると(S240のY)、主制御部203は、計測ユニット10に計測停止を指示する(S250)。すなわち、主制御部203は、計測ユニット10に計測停止コマンドを送信する。
解析制御装置20のデータ取得部202が、計測ユニット10から計測データを受け取ると(S260)、解析制御装置20の演算部204は、各計測データについて、検出データに基づいて光を検出したタイミング(検出タイミング)を求める(S270)。
同期補正部206は、主制御部203が発光装置90に発光を指示したタイミング(発生タイミング)と、演算部204が求めた検出タイミングとを比較する。そして、計測データ間の同期をとって、被計測体の運動を解析する(S280)。例えば、手首とゴルフクラブのなす角度(コック)のスイング中の変化や、ダウンスイング前半で保持していた力が緩んで手首とクラブの間の角度が開き始めるアンコックのタイミングを解析してもよい。そして、例えばアドバイスを作成して、表示部260に表示してもよい。
以上のように、本実施形態の運動解析システム1、運動解析方法等は、解析制御装置20と無線で通信するため計測ユニット10の取り付け位置の自由度を高めることができる。そして、解析制御装置20は、同期用情報に基づいて、複数の計測ユニット10からの計測データ間で同期をとることにより正確な運動解析を実行できる。
2.第2実施形態
[運動解析システムの構成]
図18は、本実施形態の運動解析システム1の構成例を示す図である。運動解析システム1は、複数の計測ユニット10−1、10−2、解析制御装置20を含んで構成されている。第1実施形態の運動解析システム1と比較すると、本実施形態の運動解析システム1は発光装置90を含まず、計測ユニット10−1、10−2も受光部114−1、114−2を含まない。本実施形態の計測ユニット10−1、10−2では、慣性センサー111−1、111−2が同期用情報検出部の機能も兼ねる。なお、図1〜図17と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。
本実施形態の運動解析システム1も第1実施形態の運動解析システム1と同様にゴルフスイングを計測する(図2参照)。そして、本実施形態の運動解析システム1もゴルフスイングを正確に解析して、クラブヘッドのスイング軌跡などを表示することができる(図
3参照)。しかし、本実施形態の運動解析システム1では、発光装置90を省略することができる。そのため、運動解析システム1の構成要素の数が減り、コストを抑えることが可能である。なお、発光装置90以外の構成要素については、図2に示された第1実施形態の運動解析システム1と同じである。
本実施形態の運動解析システム1では、発光装置90からの光(同期用情報)に代えて、ユーザーがジャンプして着地する際に生じる大きな衝撃(以下、ジャンプの衝撃)を同期用情報として用いる。そのため、本実施形態の計測ユニット10では、受光部114を省略することができ、部品数が減少して小型化、軽量化が可能になる。なお、受光部114以外の要素については、図4に示された第1実施形態の計測ユニット10と同じである。
本実施形態の計測ユニット10は、慣性センサー111がジャンプの衝撃を検出するときには、通常の運動であるゴルフスイングによる加速度および角速度を正確に計測することは不可能になる。そのため、本実施形態の計測ユニット10の制御部116は、ゴルフスイングに基づく加速度および角速度を計測する通常モードと、ジャンプの衝撃を検出する同期モードの2つの動作モードを排他的に選択する。
具体的には、計測ユニット10は、同期モードでジャンプの衝撃(例えば、z軸方向の大きな加速度)を検出して、検出データ“1”を計測データに含める。その後に、通常モードでゴルフスイングに基づく加速度および角速度を計測して得られた慣性センサーデータを計測データに含める。すなわち、慣性センサー111は、その機能を時間によって分けており、同期用情報検出部として機能した後に通常の運動を計測するセンサーとして機能する。
ここで、計測ユニット10の計測データについて、動作モードが同期モードの場合には、検出データ(例えば1ビットのデータ)だけが必要なデータであり、動作モードが通常モードの場合には、慣性センサーデータ(例えば6軸×10ビットのデータ)だけが必要なデータである。そのため、動作モードに合わせて計測データのフォーマットを変えてもよい。しかし、解析制御装置20が第1実施形態と同じ処理で計測データ間の同期をとることができれば、運動解析システム1の計測ユニットを自由に選択できることになるため好ましい。
そこで、本実施形態の計測ユニット10は、同期モードの場合に慣性センサーデータとしてダミーの固定値(ダミー値)を使用する。また、通常モードの場合には、検出データを“0”に固定する。そして、第1実施形態と同様に計測データは、慣性センサーデータと検出データとを含んで構成される。そして、解析制御装置20の構成は第1実施形態と同じである(図5参照)。
[計測データ間の同期方法]
図19は、本実施形態の運動解析システム1の構成要素である解析制御装置20、計測ユニット10−1、10−2の動作を時系列に並べた図である。運動解析システム1の構成要素ではないが、説明の都合上、ユーザーの動作も図19に記載している。なお、図1〜図18と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。特に、図6と同じ内容については重複説明を回避するため説明を省略する。
図19のように、計測ユニット10−1、10−2は、それぞれ時刻t、時刻tで計測開始可能となるが、動作モードは同期モードである。つまり、計測ユニット10−1、10−2は、計測開始後、同期用情報であるジャンプの衝撃を検出する。
解析制御装置20は、計測開始指示の後、ユーザーに対してジャンプするように促す。具体的には、表示部260に「ジャンプをしてください」と表示してもよい。また、解析制御装置20がスピーカー(不図示)を含んでいて、「ジャンプをしてください」と音声でユーザーに伝えてもよい。なお、本実施形態ではジャンプの衝撃を同期用情報とするが、ゴルフクラブ(運動器具)に衝撃を与えたり、特定の動き(例えば上下に数回振るなど)をさせたりすることを同期用情報としてもよい。また、ユーザーがジャンプしなければならないことを知っている場合には、解析制御装置20がジャンプを促す動作は省略されてもよい。
そして、時刻tでユーザーがジャンプして着地の衝撃が生じると、慣性センサー111−1、111−2からの出力に基づいて各計測ユニット10の制御部116が検出データを“1”にして、計測データに含める。
なお、ユーザーがジャンプした時間を解析制御装置20が正確に把握するために、ジャンプの直前にユーザーがボタン(図5の操作部220に対応)を押すといった動作が行われることが好ましい。なお、ボタンなどの操作部220や表示部260は、解析制御装置20の本体から離れてユーザーの近くに配置されており、解析制御装置20の本体と無線通信を行ってもよい。
そして、同期用情報であるジャンプの衝撃が検出されたので、時刻tよりも後の時刻では、計測ユニット10−1、10−2は通常モードで動作し、しばらくゴルフスイングによる加速度および角速度の計測を続ける。そして、計測ユニット10−1は時刻tn+3で計測を停止し、計測ユニット10−2は時刻tn+5で計測を停止する。
図20(A)は、このときの計測ユニット10−1の計測データを示し、図20(B)は計測ユニット10−2の計測データを示す。解析制御装置20は計測停止指示の後、図20(A)、図20(B)のようなデータを受け取ることになる。
このとき、第1実施形態の場合とは異なり、検出データが“1”となるまでの間は、すなわち計測ユニット10−1、10−2が同期モードで動作している間は、慣性センサーデータは計測値ではなくダミーの固定値である。
図21は、解析制御装置20が検出データに基づいて計測データの同期をとり、計測ユニット10−1、10−2からの慣性センサーデータを時間軸に沿って適切に配置した様子を示している。解析制御装置20は、ユーザーがジャンプの直前にボタン(図5の操作部220に対応)を押すことで、時刻tで同期用情報であるジャンプの衝撃が生じることを把握している。
そこで、図20(A)の計測データで検出データが“1”となっているデータと、図20(B)の計測データで検出データが“1”となっているデータとを対応させる。その結果、解析制御装置20は図21のように計測ユニット10−1、10−2の慣性センサーデータを正しく同期させることができ、正確な運動解析を行うことができる。
なお、ユーザーがジャンプの直前にボタンを押すような動作がない場合、時刻tとの対応づけはできないが、検出データが“1”となっているデータに基づいて少なくとも計測データ間の同期をとることは可能である。
[フローチャート]
図22、図23は、本実施形態の運動解析システム1による運動解析方法の一例を示すフローチャート図である。図22は計測ユニット10による処理のフローチャート図であ
り、図23は解析制御装置20による処理のフローチャート図である。なお、図1〜図21と同じ要素およびステップには同じ符号を付しており詳細な説明を省略する。
図22のように、計測ユニット10の制御部116は、計測開始の指示があるまで、すなわち解析制御装置20から計測開始コマンドを受信するまで待機し(S10のN)、計測開始コマンドを受信すると(S10のY)、動作モードを同期モードにする(S20)。
そして、制御部116は、慣性センサー111からの出力に基づいて被計測体(ここではユーザー)と地面との衝突による衝撃(つまりジャンプの衝撃)があったと判断した場合には(S30のY)、検出データ“1”を生成して(S40)、動作モードを通常モードにする(S50)。もし、ジャンプの衝撃がない場合には(S30のN)、制御部116は検出データ“0”を生成する(S60)。
そして、制御部116は慣性センサーデータに対応する固定値(すなわちダミー値)と検出データを含む計測データを生成して記憶部115に記憶する(S70)。もし、動作モードを同期モードのままであれば(S100のN)、ステップS30に戻ってジャンプの衝撃の検出を続ける。
動作モードが通常モードになっている場合には(S100のY)、制御部116は、慣性センサー111に被計測体の運動に基づく加速度、角速度を計測させて慣性センサーデータを生成させる(S120)。このとき、動作モードは通常モードであるため検出データは“0”に固定される。そして、制御部116は、慣性センサーデータと“0”である検出データを含む計測データを生成して記憶部115に記憶する(S160A)。
その後、計測停止の指示があった場合、すなわち解析制御装置20から計測停止コマンドを受信した場合には(S170のY)、記憶部115に記憶された計測データを解析制御装置20に送信する(S180)。そして、ステップS10に戻り、解析制御装置20から次の計測開始コマンドを受信するまで待機する。
制御部116は、計測停止の指示がない場合(S170のN)、ステップS120に戻り、慣性センサー111に被計測体の運動に基づく加速度、角速度を計測させて慣性センサーデータを生成させる。
一方、図23のように、解析制御装置20の主制御部203は、まず計測ユニット10に計測開始を指示する(S210)。すなわち、主制御部203は、計測ユニット10に計測開始コマンドを送信する。そして、主制御部203は、被計測体であるユーザーにジャンプをするように促す(S215)。例えば、主制御部203は、表示部260に「ジャンプをしてください」と表示してもよい。
そして、主制御部203は、計測ユニット10が十分な計測データを得るまで待機する(S240のN)。そして、計測ユニット10が十分な計測データを得ると(S240のY)、主制御部203は、計測ユニット10に計測停止を指示する(S250)。すなわち、主制御部203は、計測ユニット10に計測停止コマンドを送信する。
解析制御装置20のデータ取得部202が、計測ユニット10から計測データを受け取ると(S260)、解析制御装置20の演算部204は、各計測データについて、検出データに基づいてジャンプの衝撃を検出したタイミング(検出タイミング)を求める(S270A)。
同期補正部206は、ユーザーがジャンプの直前にボタンを押すことで知らせるジャンプのタイミング(第1実施形態の発生タイミングに相当)と、演算部204が求めた検出タイミングとを比較する。そして、計測データ間の同期をとって、被計測体の運動を解析する(280A)。
以上のように、本実施形態の運動解析システム1、運動解析方法等は、解析制御装置20と無線で通信するため計測ユニット10の取り付け位置の自由度を高めることができる。そして、解析制御装置20は、同期用情報に基づいて、複数の計測ユニット10からの計測データ間で同期をとることにより正確な運動解析を実行できる。
そして、本実施形態の運動解析システム1、運動解析方法等では、発光装置90といった固有の同期用情報発生部が不要であるため、運動解析システム1のコストを抑えることが可能であり、固有の同期用情報検出部が不要であるため、計測ユニット10の小型化、軽量化が可能である。
これらの例示に限らず、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 運動解析システム、10 計測ユニット、10−1 計測ユニット、10−2 計測ユニット、20 解析制御装置(PC)、30 ゴルフクラブ、90 発光装置、111
慣性センサー、111−1 慣性センサー、111−2 慣性センサー、112x 加速度センサー、112y 加速度センサー、112z 加速度センサー、113x 角速度センサー、113y 角速度センサー、113z 角速度センサー、114 受光部、114−1 受光部、114−2 受光部、115 記憶部、116 制御部、118 通信部、200 CPU、201 運動解析部、202 データ取得部、203 主制御部、204 演算部、206 同期補正部、210 通信部、220 操作部、230 ROM、240 RAM、250 記録媒体、260 表示部、A スイング軌跡、P1
スイング起動位置、P2 トップ位置、P3 インパクト位置、P4 フォロースルートップ位置

Claims (15)

  1. 被計測体の運動に基づく第1のデータを受け取り、同期用情報の発生を指示し、
    前記同期用情報の検出の有無を表す第2のデータを受け取り、
    前記第2のデータに基づいて、前記検出したタイミングである検出タイミングを判断し、
    前記同期用情報の発生を指示したタイミングと前記検出タイミングとを比較した結果に基づいて、前記第1のデータと前記第2のデータとの間で同期をとり、前記被計測体の運動を解析する解析制御装置。
  2. 請求項1に記載の解析制御装置と、
    前記被計測体の前記運動に基づく物理量を計測することにより、前記第1のデータを生成する計測ユニットと、
    を含む運動解析システム。
  3. 請求項2において、
    前記計測ユニットは、
    前記第1のデータを生成するセンサー部と、
    前記第2のデータを生成する同期用情報検出部と、
    を含む運動解析システム。
  4. 請求項2または3において、
    前記同期用情報を発生する同期用情報発生部を含み、
    前記解析制御装置は、
    前記同期用情報発生部に前記同期用情報の発生を指示する運動解析システム。
  5. 請求項4において、
    前記同期用情報発生部は、前記同期用情報として光を発生する運動解析システム。
  6. 請求項4において、
    前記同期用情報発生部は、前記同期用情報として電波を発生する運動解析システム。
  7. 請求項2乃至6のいずれか一項において、
    前記解析制御装置は、前記同期用情報を複数回発生させる運動解析システム。
  8. 請求項7において、
    前記解析制御装置は、前記同期用情報が発生する期間をランダムに変化させる運動解析システム。
  9. 請求項2乃至8のいずれか一項において、
    前記計測ユニットは、
    前記被計測体の運動に基づく物理量を計測する通常モードと、
    前記同期用情報を検出する同期モードと、
    を切り換えて動作し、
    且つ、
    計測開始時に前記同期モードで動作し、
    前記同期用情報を検出した後に前記通常モードに移行する運動解析システム。
  10. 請求項2乃至9のいずれか一項において、
    前記計測ユニットは、前記被計測体の運動に基づく加速度および角速度を計測する慣性センサーを含む運動解析システム。
  11. 請求項10において、
    前記計測ユニットは、前記被計測体の衝突による衝撃を前記同期用情報とする運動解析システム。
  12. 請求項2乃至11のいずれか一項において、
    前記計測ユニットは、前記第1のデータを記憶する記憶部を含み、
    前記解析制御装置は、前記記憶部に記憶された前記第1のデータを受け取る運動解析システム。
  13. 被計測体の運動に基づく第1のデータ及び同期用情報の検出の有無を表す第2のデータを生成するステップと、
    前記同期用情報の発生を指示するステップと、
    前記第1のデータ及び前記第2のデータを受け取るステップと、
    前記第2のデータに基づいて、前記検出したタイミングである検出タイミングを判断するステップと、
    前記同期用情報の発生を指示したタイミングと前記検出タイミングとを比較した結果に基づいて、前記第1のデータと前記第2のデータとの間で同期をとり、前記被計測体の運動を解析するステップと、
    を含む運動解析方法。
  14. 被計測体に取り付けられている計測ユニットが、前記被計測体の運動に基づく第1のデータ及び同期用情報の検出の有無を表す第2のデータを生成するステップと、
    前記同期用情報の発生を指示するステップと、
    前記第1のデータ及び前記第2のデータを受け取るステップと、
    前記第2のデータに基づいて、前記検出したタイミングである検出タイミングを判断するステップと、
    前記同期用情報の発生を指示したタイミングと前記検出タイミングとを比較した結果に基づいて、前記第1のデータと前記第2のデータとの間で同期をとり、前記被計測体の運
    動を解析するステップと、
    をコンピューターに実行させるプログラム。
  15. 請求項14に記載のプログラムを記録した、コンピューター読み取り可能な記録媒体。
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