JP6187735B2 - 解析制御装置、運動解析システム、プログラム、記録媒体および運動解析方法 - Google Patents

解析制御装置、運動解析システム、プログラム、記録媒体および運動解析方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6187735B2
JP6187735B2 JP2012288460A JP2012288460A JP6187735B2 JP 6187735 B2 JP6187735 B2 JP 6187735B2 JP 2012288460 A JP2012288460 A JP 2012288460A JP 2012288460 A JP2012288460 A JP 2012288460A JP 6187735 B2 JP6187735 B2 JP 6187735B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
measurement
data
unit
detection
control device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012288460A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014128453A (ja
JP2014128453A5 (ja
Inventor
和宏 澁谷
和宏 澁谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2012288460A priority Critical patent/JP6187735B2/ja
Publication of JP2014128453A publication Critical patent/JP2014128453A/ja
Publication of JP2014128453A5 publication Critical patent/JP2014128453A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6187735B2 publication Critical patent/JP6187735B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Arrangements For Transmission Of Measured Signals (AREA)

Description

本発明は、運動解析システム、計測ユニット、プログラム、記録媒体および運動解析方法等に関する。
様々な分野において運動を解析するシステムが必要とされている。例えば、ゴルフクラブやテニスラケットのスイング軌道、野球のピッチングやバッティング等の運動フォーム等を解析し、解析結果から改善点を明らかにすることで競技力の向上につなげることができる。
運動解析システムとしては、従来から光学式モーションキャプチャーが知られている。これは、マーカーが取り付けられた対象を赤外線カメラ等で連続撮影し、撮影された連続画像を用いてマーカーの移動軌跡を算出することで、運動を解析するシステムである(特許文献1)。
これに対して、近年、被検査体に小型の慣性センサーを取り付け、センサーの出力データから被検査体の運動を解析する手法が提案されている(特許文献2)。この手法では、赤外線カメラが不要であるため取り扱いが容易であるという利点がある。
特開2010−110382号公報 特開2008−073210号公報
ここで、特許文献2の発明は、第1、第2のジャイロセンサーがそれぞれゴルフクラブのヘッド部、グリップ部に固定されている。そのため、ジャイロセンサーを制御する制御部や、ジャイロセンサーからのデータを記憶する記憶部を、ゴルフクラブ内に設けて有線で接続することが可能である。このとき、主制御部は、第1のジャイロセンサーからのデータも、第2のジャイロセンサーからのデータもほぼリアルタイムに取得し、記録することができる。
つまり、特許文献2の発明は、第1、第2のジャイロセンサーからのデータを時間的なずれを生じることなく対応させることが可能であり、2つのデータ間で同期がとれないという問題は生じにくい。ここで、「同期をとる」とは複数のセンサーからのデータを1つの時間軸上で互いに関連付けることをいう。
しかし、例えば計測に用いる複数のセンサーが離れて配置されている場合や、センサー内のバッファーに一時記憶されたデータをまとめて受け取る場合には、データを受け取る側が複数のセンサーのデータ間の同期をとる必要が生じる。
ここで、計測に用いる複数のセンサーが離れて配置され、無線でデータを取得する運動解析システムを考える。このとき、特許文献2に記載の手法では、スイッチがオン状態となってからの経過時間に基づいて、複数のセンサーのデータ間で同期をとることになる。しかし、このようなシステムでは、無線を使って順番に各センサーのスイッチをオン状態
する。そのため、スイッチがオン状態になるまでの時間は各センサーで異なっている。したがって、特許文献2に記載の手法では、複数のセンサーからのデータ間で同期をとることができない。
運動解析システムとしては、計測に用いられる複数のセンサーの配置の自由度が高いことが好ましい。しかし、異なるセンサーからのデータ間で正しく同期をとることができなければ、運動解析を正しく行うことができない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、運動に基づく物理量を計測する計測ユニットの取り付け位置の自由度を高めながら、複数の計測ユニットからの計測データ間で同期をとることにより正確な運動解析を実行する運動解析システム、計測ユニットおよび運動解析方法を提供することができる。ここで、運動解析とは例えば被計測体の運動による特定部位の位置、速度、加速度等を解析することである。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る運動解析システムは、被計測体に取り付けられ、前記被計測体の運動に基づく物理量を計測して第1のデータを生成する計測ユニットと、前記計測ユニットに同期用情報の発生を指示する解析制御装置と、前記同期用情報を検出して、少なくとも検出の有無を表す検出情報を生成する同期用情報検出部と、を含み、前記計測ユニットは、前記同期用情報の発生の有無を表す第2のデータと前記第1のデータとを含む計測データを生成し、前記解析制御装置は、前記検出情報と前記計測データとを受け取り、前記検出情報に基づいて、前記同期用情報検出部が前記同期用情報を検出したタイミングである検出タイミングを判断し、前記第2のデータに基づいて、前記計測ユニットが前記同期用情報を発生したタイミングである発生タイミングを判断し、前記検出タイミングと前記発生タイミングとを比較した結果に基づいて、複数の前記計測ユニットが生成する前記計測データの間で同期をとり、前記被計測体の運動を解析する。
本適用例に係る運動解析システムは、計測ユニットと解析制御装置と同期用情報検出部とを含む。計測ユニットは、被計測体に取り付けられ、被計測体の運動に基づく物理量を計測して第1のデータを生成する。計測ユニットは、例えば加速度センサー、角速度センサー、速度センサー等の物理量センサーを含んでおり、物理量センサーからの出力データが第1のデータに対応する。
そして、計測ユニットは、解析制御装置の指示によって同期用情報を発生し、発生の有無を表す第2のデータも生成する。同期用情報として例えば、電波、光、音等を用いることができる。このとき、計測ユニットは、例えば電波送信器、発光素子(発光装置)、スピーカー等を含むことで同期用情報を発生し、第2のデータを生成できる。そして、計測ユニットは第1のデータと第2のデータとを含む計測データを解析制御装置に出力する。
同期用情報検出部は、計測ユニットからの同期用情報を検出して、少なくとも検出の有無を表す検出情報を生成する。同期用情報検出部は、例えば電波受信器、受光素子(受光装置)、マイク等であって、同期用情報である電波、光、音等を検出する。検出情報は、例えば同期用情報の検出の有無を表すデジタル信号を含み、同期用情報が検出された場合には“1”(ハイレベル)に、検出されなかった場合には“0”(ローレベル)に変化してもよい。検出情報としては、例えばどの計測ユニットからの同期用情報を検出したかを
示すデータをさらに含んでいてもよい。
なお、同期用情報検出部は解析制御装置に含まれていてもよいが、解析制御装置から独立して存在することが好ましい。このとき、同期用情報検出部の配置の自由度が高まり、運動解析システムにおける配置上の制約をさらに小さくすることができる。
解析制御装置は、検出情報および計測データを受け取る。そして、解析制御装置は、検出情報に基づいて、同期用情報検出部が同期用情報を検出したタイミングである検出タイミングを判断する。また、解析制御装置は、第2のデータに基づいて、計測ユニットが同期用情報を発生したタイミングである発生タイミングを判断する。
解析制御装置は、検出タイミングと発生タイミングとを比較した結果に基づいて、検出タイミングを基準として、複数の計測ユニットが生成する計測データの間で同期をとることができる。ここで、検出タイミングは複数であって、計測ユニットの数以上に存在する。解析制御装置は、計測ユニットに同期用情報の発生を指示しているので、例えば計測ユニットが同期用情報を発生させる順番を把握している。そのため、検出タイミングのそれぞれが、どの計測ユニットからの同期用情報であるかを容易に対応させることができる。
このように、解析制御装置は計測データ間で同期をとり、複数の計測データに含まれる第1のデータ(被計測体の運動に基づく物理量)を正確に対応させて、被計測体の正確な運動解析を実行できる。
このとき、計測ユニットは、同期用情報検出部が同期用情報を検出できれば、同期用情報検出部から離れていても構わない。同期用情報として例えば電波を用いた場合、かなり広範な範囲で計測ユニットを配置することが可能である。すなわち、本適用例に係る運動解析システムは、計測ユニットの取り付け位置の自由度を高めながら、複数の計測ユニットからの計測データ間で同期をとることにより正確な運動解析を実行できる。
[適用例2]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記計測ユニットは、前記物理量を計測して前記第1のデータを生成するセンサー部と、前記同期用情報を発生して前記第2のデータを生成する同期用情報発生部と、を含んでもよい。
本適用例に係る運動解析システムの計測ユニットは、センサー部と同期用情報発生部と、を含む。センサー部は、被計測体の運動に基づく物理量を検出して、検出した物理量に応じて第1のデータを生成する。センサー部は、例えば加速度センサー、角速度センサー、速度センサー等であって、物理量として加速度、角速度、速度等を計測してもよい。さらに、2軸以上で物理量を計測するセンサーであってもよい。例えばセンサー部が3軸の加速度センサーである場合、第1のデータはx軸、y軸、z軸のそれぞれの加速度を含んでいてもよい。
同期用情報発生部は、同期用情報を発生して、発生の有無を表す第2のデータを生成する。同期用情報発生部は、例えば電波送信器、発光素子(発光装置)、スピーカー等であって、同期用情報である電波、光、音等を発生できる。そして、発生の有無に応じて、第2のデータを生成する。第2のデータは例えばデジタル信号であり、同期用情報が発生した場合には“1”(ハイレベル)に、発生しなかった場合には“0”(ローレベル)に変化してもよい。
なお、本適用例に係る運動解析システムの計測ユニットが生成する計測データは、第1のデータと第2のデータとを含むが、計測データは離散的なデータであってもよい。つま
り、第1のデータと第2のデータが所定のサンプリング周期(例えば0.001秒)でサンプリングされて計測データが生成されてもよい。
[適用例3]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記同期用情報発生部は、前記同期用情報として電波を発生してもよい。
[適用例4]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記同期用情報発生部は、前記計測ユニットのそれぞれに固有の周波数をもつ電波を発生し、前記同期用情報検出部は、前記周波数に基づいて前記計測ユニットを識別し、識別された前記計測ユニットを表す前記検出情報を生成してもよい。
[適用例5]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記同期用情報発生部は、前記同期用情報として光を発生するようにしてもよい。
計測ユニットの同期用情報発生部は、例えばビーコンといった電波送信器であって、同期用情報である電波を発生してもよい。計測ユニットと同期用情報検出部との間に障害物があっても、回折によって同期用情報検出部に電波が届く可能性がある。そのため、計測ユニットの取り付け位置の自由度が高い。
このとき、同期用情報発生部は、計測ユニットのそれぞれに固有の周波数をもつ電波を発生してもよい。同期用情報検出部は、受け取った電波の周波数に基づいて計測ユニットを識別し、検出情報に識別された計測ユニットの情報を含める。
解析制御装置は、検出情報にどの計測ユニットからの同期用情報であるかが含まれているため、検出タイミングと発生タイミングとを比較する際の演算処理の負担が軽減される。
また、計測ユニットの同期用情報発生部は、例えば発光素子(発光装置)、電球、フラッシュ等であって、同期用情報である光を発生してもよい。計測ユニットと同期用情報検出部との間に光を遮る物がなければ、同期用情報である光が届く範囲で自由に計測ユニットを配置できるので、計測ユニットの取り付け位置の自由度が高い。
なお、いずれの場合でも、同期用情報である電波、光は例えばラジオ、自然光等の電波と区別されるように、特定波長帯域の光、電波を用いることが好ましい。
[適用例6]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記解析制御装置は、前記計測ユニットに前記同期用情報を複数回発生させてもよい。
[適用例7]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記解析制御装置は、前記同期用情報が発生する期間をランダムに変化させてもよい。
これらの適用例によれば、解析制御装置は、同期用情報を複数回発生させる。そのため、障害物の存在や通信状態の悪化により、計測ユニットからの同期用情報の一部を検出できない場合でも、他の同期用情報を同期用情報検出部が検出できていれば、解析制御装置は計測データの間で同期をとることが可能である。
そのため、これらの適用例によれば、送信指示に対するエラーの発生に強く、信頼性の高い運動解析システムを実現することができる。
ここで、解析制御装置は、同期用情報が発生する期間をランダムに変化させてもよい。このとき、同期用情報が発生している期間がランダムに変化するので、期間を同一にする場合に比べて誤って対応させること、すなわち計測データ間の同期を失敗するおそれが少ない。そのため、解析制御装置はより正確に計測データの間で同期をとることが可能であり、さらに信頼性の高い運動解析システムを実現することができる。
[適用例8]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記計測ユニットは、前記計測データを記憶する記憶部を含み、前記解析制御装置は、前記記憶部に記憶された前記計測データを受け取ってもよい。
本適用例に係る運動解析システムの計測ユニットは、計測データを記憶する記憶部を含む。そのため、解析制御装置は、記憶部に記憶された前記計測データをまとめて受け取ることができ、計測ユニットへのアクセスの頻度が少なくなり、通信制御にかかる負担を軽減することができる。
[適用例9]
前記適用例に係る運動解析システムにおいて、前記計測ユニットは、前記被計測体の運動に基づく加速度および角速度を計測する慣性センサーを含んでもよい。
本適用例に係る運動解析システムによれば、計測ユニットは、被計測体の運動に基づく加速度および角速度を計測する慣性センサーを含んでもよい。慣性センサーは、例えば3軸の加速度センサーと3軸の角速度センサーを含むので、被計測体の運動を正確に検出することができる。なお、慣性センサーはさらに地磁気センサーを含んでいてもよい。
[適用例10]
本適用例に係る計測ユニットは、前記の運動解析システムで使用される。
[適用例11]
本適用例に係る運動解析方法は、被計測体に取り付けられ、前記被計測体の運動に基づく物理量を計測して第1のデータを生成し、同期用情報の発生の有無を表す第2のデータと前記第1のデータとを含む計測データを生成する計測ユニットと、前記同期用情報を検出して、少なくとも検出の有無を表す検出情報を生成する同期用情報検出部と、を含む運動解析システムの運動解析方法であって、前記計測ユニットに前記同期用情報の発生を指示するステップと、前記検出情報と前記計測データとを受け取るステップと、前記検出情報に基づいて、前記同期用情報検出部が前記同期用情報を検出したタイミングである検出タイミングを判断するステップと、前記第2のデータに基づいて、前記計測ユニットが前記同期用情報を発生したタイミングである発生タイミングを判断するステップと、前記検出タイミングと前記発生タイミングとを比較した結果に基づいて、複数の前記計測ユニットが生成する前記計測データの間で同期をとり、前記被計測体の運動を解析するステップと、を含む。
[適用例12]
本適用例に係るプログラムは、被計測体に取り付けられ、前記被計測体の運動に基づく物理量を計測して第1のデータを生成し、同期用情報の発生の有無を表す第2のデータと前記第1のデータとを含む計測データを生成する計測ユニットと、前記同期用情報を検出
して、少なくとも検出の有無を表す検出情報を生成する同期用情報検出部と、を含む運動解析システムに用いられるプログラムであって、コンピューターに、前記計測ユニットに前記同期用情報の発生を指示するステップと、前記検出情報と前記計測データとを受け取るステップと、前記検出情報に基づいて、前記同期用情報検出部が前記同期用情報を検出したタイミングである検出タイミングを判断するステップと、前記第2のデータに基づいて、前記計測ユニットが前記同期用情報を発生したタイミングである発生タイミングを判断するステップと、前記検出タイミングと前記発生タイミングとを比較した結果に基づいて、複数の前記計測ユニットが生成する前記計測データの間で同期をとり、前記被計測体の運動を解析するステップと、を実行させる。
[適用例13]
本適用例に係る記録媒体は、前記のプログラムを記録した、コンピューター読み取り可能な記録媒体である。
第1実施形態の運動解析システムの構成例を示す図。 第1実施形態の運動解析システムでゴルフスイングを計測する例を示す図。 計測されたゴルフクラブ(運動器具)の軌跡の例を示す図。 図1の計測ユニットのブロック図。 図1の解析制御装置のブロック図。 第1実施形態の運動解析システムの構成要素の動作を説明する図。 図7(A)、図7(B)は計測データの例を示す図。 図7(A)、図7(B)の計測データ間の同期を説明する図。 解析制御装置が指示を再送する場合の運動解析システムの構成要素の動作を説明する図。 図10(A)、図10(B)は図9の場合の計測データの例を示す図。 図10(A)、図10(B)の計測データ間の同期を説明する図。 計測ユニットのサンプリング周期が異なる場合の運動解析システムの構成要素の動作を説明する図。 図13(A)、図13(B)は図12の場合の計測データの例を示す図。 図13(A)、図13(B)の計測データ間の同期を説明する図。 期間がランダムな複数回の送信を行う場合の運動解析システムの構成要素の動作を説明する図。 図16(A)、図16(B)は図15の場合の計測データの例を示す図。 図16(A)、図16(B)の計測データ間の同期を説明する図。 第1実施形態の運動解析システムの計測ユニットの処理を示すフローチャート図。 第1実施形態の運動解析システムの解析制御装置の処理を示すフローチャート図。 第2実施形態の運動解析システムの構成例を示す図。 第2実施形態の運動解析システムの構成要素の動作を説明する図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
[運動解析システムの構成]
図1は、本実施形態の運動解析システム1の構成例を示す図である。運動解析システム
1は、複数の計測ユニット10−1、10−2、解析制御装置20、電波受信器80を含んで構成されている。
運動解析システム1は、2つの計測ユニット10−1、10−2を含むが3つ以上であってもよい。本実施形態では、解析制御装置20と計測ユニット10−1、10−2は無線接続されており、運動解析システム1における計測ユニット10−1、10−2の配置の自由度は高い。解析制御装置20と計測ユニット10−1、10−2の間は、帯域消費を抑えるためにマルチキャストやブロードキャストを行わず、ユニキャストで通信が行われる。計測ユニット10−1、10−2から解析制御装置20へは計測データが無線送信され、解析制御装置20から計測ユニット10−1、10−2へは例えば計測開始指示などの制御信号が無線送信される。
計測ユニット10−1、10−2は、運動解析の対象(以下、被計測体)に取り付けられる。被計測体は、運動解析システム1の使用者(以下、ユーザー)および運動器具(例えばゴルフクラブ、テニスラケット)の少なくとも一方である。運動解析システム1は様々な運動の解析に適用可能であるが、本実施形態ではゴルフスイングの解析に用いられる(図2参照)。
計測ユニット10−1、10−2は、それぞれ慣性センサー111−1、111−2(本発明のセンサー部に対応)と電波送信部117−1、117−2(本発明の同期用情報発生部に対応)とを含む。慣性センサー111−1、111−2は、ユーザーがゴルフスイングをすることで生じる加速度および角速度(本発明の物理量に対応)を計測して、慣性センサーデータ(本発明の第1のデータに対応)を生成する。
電波送信部117−1、117−2は、特定波長帯域の電波(本発明の同期用情報に対応、以下単に電波とする)を発生させる。本実施形態では、電波の発生は、電波受信器80への電波の送信を意味するので、以下において「発生」に代えて「送信」との言葉を用いることがある。
そして、電波送信部117−1、117−2は、電波の発生、すなわち電波の送信の有無を表す送信フラグ(本発明の第2のデータに対応)を生成する。なお、電波送信部117−1、117−2は、電波を送信した場合に送信フラグを“1”(ハイレベル)に、送信しなかった場合に送信フラグを“0”(ローレベル)にする。電波送信部117−1、117−2は、例えばビーコンといった電波送信器であってもよい。
電波受信器80(本発明の同期用情報検出部に対応)は、計測ユニット10−1、10−2からの電波を検出する。本実施形態では、電波受信器80と解析制御装置20とは近接しているため有線接続されているが、無線接続されていてもよい。また、電波受信器80が解析制御装置20に含まれる構成であってもよい。
電波受信器80は、計測ユニット10−1、10−2からの電波の検出の有無を表す検出情報82を生成する。検出情報82は、電波が検出された場合には“1”(ハイレベル)に、検出されなかった場合には“0”(ローレベル)に変化する。
解析制御装置20は、被計測体の運動解析を実行する運動解析部201と、解析制御装置20だけでなく運動解析システム1の全体の制御を行う主制御部203とを含む。本実施形態では、PC(Personal Computer)によって解析制御装置20を実現している。そして、プログラムにしたがってCPU200が運動解析部201、主制御部203として機能する。
解析制御装置20の運動解析部201は、検出情報82と計測ユニット10−1、10−2からの計測データとを受け取る。そして、運動解析部201は、検出情報82と計測データに含まれる送信フラグとを利用して計測データ間の同期をとることで、被計測体の運動を正確に解析することができる。
図1を用いて運動解析システム1の構成の概略を説明したが、計測ユニット10−1、10−2と解析制御装置20の詳細なブロック図については後述する。また、計測ユニット10−1、10−2の構成は同一である。これらの符号に含まれる「−1」「−2」は複数の計測ユニット10を個別に区別するためのものであり、構成が異なることを意味するものではない。以下においては、重複説明回避のため特に断ることなく、計測ユニット10−1、10−2を計測ユニット10として説明することがある。また、慣性センサー111−1、111−2についても慣性センサー111として、電波送信部117−1、117−2についても電波送信部117として説明することがある。
なお、本実施形態の運動解析システム1は、同期用信号として電波を用いており、電波受信器80を含み、計測ユニット10に電波送信部117を含む。しかし、同期用信号として、他に例えば光や音を使用してもよい。
同期用信号を光とした場合、電波受信器80に代えて受光装置を、電波送信部117に代えて例えば発光ダイオード(LED)などの発光素子、電球、フラッシュ等を用いることができる。同期用信号を音とした場合、電波受信器80に代えてマイクを、電波送信部117に代えてスピーカーを用いることができる。例えば、運動解析システム1が静かな室内で使用される場合等には、同期用信号として光や音を用いることがあり得る。このとき、電波を送受信する部品よりも安価な部品を用いることが可能であり、運動解析システム1のコストを抑えられる可能性がある。
また、本実施形態の運動解析システム1は、解析制御装置20をPCで実現しているが、専用のハードウェアで構成されていてもよい。このとき、運動解析部201および主制御部203の少なくとも一方が、CPU200ではなく専用のハードウェアで構成されていてもよい。
図2は、運動解析システム1でゴルフスイングを計測する場合を例示する図である。ユーザーはゴルフクラブ30を持ちスイングをする。このとき、ゴルフクラブ30には計測ユニット10−1が取り付けられており、ユーザーの手首には計測ユニット10−2が取り付けられている。計測ユニット10−1、10−2は、それぞれゴルフクラブ30、ユーザーの手首での、ゴルフスイングによる加速度および角速度を計測する。また、計測ユニット10−1、10−2は、計測データを解析制御装置20に送信し、同期用信号である電波を電波受信器80に送信する。
電波受信器80は、解析制御装置20と有線接続されており、計測ユニット10−1、10−2からの電波を検出して、検出情報82を解析制御装置20へと出力する。計測ユニット10−1、10−2は、電波が届く範囲で電波受信器80から離れることが可能である。
なお、計測ユニット10は、3軸(x軸、y軸、z軸)加速度センサー、3軸(x軸、y軸、z軸)角速度センサーを含む。加速度センサーは、x軸、y軸、z軸方向の加速度をそれぞれ計測し、計測した加速度データを出力する。また、角速度センサーは、x軸、y軸、z軸回りの角速度をそれぞれ計測し、計測した角速度データを出力する。
図3では、ゴルフクラブ30のクラブヘッドのスイング軌跡Aを示している。スイング
軌道Aは、スイング起動位置P1、トップ位置P2、インパクト位置P3およびフォロースルートップ位置P4を含んでいる。運動解析システム1は、このようなスイング軌跡Aを表示するだけではなく、スイング軌跡Aに対して、ユーザーがどのように手首を運動(移動)させているかを解析して改善に役立つ情報を提供する。
例えば、ゴルフスイングの解析においては、手首とゴルフクラブ30のなす角度(コック)のスイング中の変化や、ダウンスイング前半で保持していた力が緩んで手首とゴルフクラブ30の間の角度が開き始めるアンコックのタイミングが分析される。アンコックの時点が早すぎるとインパクトに向けてクラブヘッドを十分に加速できないなどの判断ができる。
このような判断を正しく行うために、運動解析システム1は計測データ間で同期をとる必要がある。つまり、計測ユニット10−1、10−2は、それぞれゴルフクラブ30、ユーザーの手首に装着されているため、計測ユニット10−1、10−2からの計測データ間で同期がとれないと正確な解析が不可能になる。運動解析システム1は、計測ユニット10−1、10−2から電波受信器80への電波を同期用信号として利用することで、計測データ間で同期をとることができる。以下に、まず計測ユニット10、解析制御装置20の詳細な構成を説明してから、計測データ間で同期をとる方法について説明する。
[計測ユニットの構成]
図4は、計測ユニット10のブロック図である。計測ユニット10は、図1に示した慣性センサー111、電波送信部117の他に、記憶部115、制御部116、通信部118を含む。ただし、計測ユニット10は、図4の構成要素(各部)の一部を省略または変更し、あるいは他の構成要素を付加した構成としてもよい。
慣性センサー111は、前記のように3軸加速度センサーと3軸角速度センサーを含む。したがって、慣性センサー111は、詳細には加速度センサー112x、112y、112zと、角速度センサー113x、113y、113zを含む。電波送信部117は、図1を参照して説明した通りであり、ここでは説明を省略する。
制御部116は、慣性センサー111からの慣性センサーデータと、電波送信部117からの送信フラグとを所定周期でサンプリングして計測データを生成し、計測データを記憶部115に順番に記憶させる。なお、所定周期とは、例えば慣性センサー111の応答周波数に基づいて定められ、1000Hzや500Hzであってもよい。
制御部116は、通信部118を介して、解析制御装置20からの制御信号を受け取る。例えば、解析制御装置20からの計測開始指示があれば慣性センサー111や電波送信部117を動作させて、計測データの記憶部115への記憶を開始する。また、例えば解析制御装置20からの計測停止指示があれば計測データの記憶部115への記憶を停止して、記憶部115に記憶された計測データを、通信部118を介して解析制御装置20へと送信する。なお、制御部116はCPUであってもよい。
ここで、通信部118と電波送信部117は、いずれも無線で電波を発生するものであるが、性質が全く異なる。電波送信部117は、例えばビーコンであって、単に決まった周波数の電波を解析制御装置20からの指示にしたがって電波受信器80に送信するだけである。つまり、電波送信部117は、所定の電波を出す、出さないだけを制御する。一方、通信部118は解析制御装置20と双方向の通信を行うもので、予め定められた通信プロトコルにしたがって指示信号を受信したり、計測データを送信したりする。
計測ユニット10は、運動解析システム1において解析制御装置20と無線接続されて
おり、計測ユニット10の配置の自由度は高い。例えば、運動器具に取り付けることも、ユーザーの体の一部に取り付けることもできる(図2参照)。
[解析制御装置の構成]
図5は、解析制御装置20のブロック図である。解析制御装置20は、図1に示した運動解析部201、主制御部203の他に、通信部210、操作部220、ROM230、RAM240、記録媒体250、表示部260を含む。また、図1を参照して説明したように、CPU200が運動解析部201、主制御部203として機能するが、運動解析部201は、さらにデータ取得部202、演算部204、同期補正部206を含む。ただし、解析制御装置20は、図5の構成要素(各部)の一部を省略または変更し、あるいは他の構成要素を付加した構成としてもよい。
通信部210は、複数の計測ユニット10−1、10−2(図1参照)からの計測データを受信し、運動解析部201に送る処理を行う。また、通信部210は、主制御部203から計測ユニット10−1、10−2への制御信号(例えば計測開始指示等)を送信する。
操作部220は、ユーザーからの操作データを取得し、運動解析部201、主制御部203に送る処理を行う。操作データとは、例えば運動解析の対象について指示したり、表示部260に表示する内容を指定したりするためのデータである。ユーザーは、操作データによって、例えばトップ位置P2からフォロースルートップ位置P4までについてだけ運動解析を実行させて、インパクト位置P3におけるクラブヘッドのスピードを表示させることができる(図3参照)。
ROM230は、CPU200が運動解析部201、主制御部203として機能し、各種の計算処理、制御処理を行うためのプログラム等を記憶している。ROM230は、他にアプリケーション機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶していてもよい。
RAM240は、CPU200の作業領域として用いられ、ROM230から読み出されたプログラムやデータ、操作部220から入力されたデータ、運動解析部201が各種プログラムにしたがって実行した演算結果等を一時的に記憶する。
記録媒体250は、各種のアプリケーションプログラムやデータを記憶するための、コンピューター読み取り可能な記録用の媒体(メディア)である。例えば、コンピューター(PC)を解析制御装置20として機能させるためのアプリケーションプログラム(運動解析システム1に用いられるプログラム)が記憶されていてもよい。また、記録媒体250は、運動解析部201の処理により生成されたデータのうち、長期的な保存が必要なデータを記録する記録部としても機能するようにしてもよい。記録媒体250は、例えば、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、不揮発性メモリー(EEPROM、フラッシュメモリーなど)により実現することができる。
表示部260は、運動解析部201の処理結果を文字やグラフ、その他の画像として表示するものである。表示部260は、例えば、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)などである。なお、1つのタッチパネル型ディスプレイで操作部220と表示部260の機能を実現するようにしてもよい。
CPU200は、ROM230、記録媒体250に記憶されているプログラムにしたがって、運動解析部201、主制御部203として機能するが、運動解析部201は、さら
にデータ取得部202、演算部204、同期補正部206を含む。データ取得部202は、検出情報82と通信部210を介して受信した複数の計測データを受け取る。
演算部204は、検出情報82に基づいて、電波受信器80が各計測ユニットからの電波を検出したタイミングである検出タイミングを演算で求める。また、計測データに含まれる送信フラグに基づいて、各計測ユニットが電波受信器80に電波を発生したタイミングである発生タイミングを演算で求める。
同期補正部206は、演算部204が求めた発生タイミングと検出タイミングとの対応関係に基づいて、データ取得部202が受け取った複数の計測データの間で同期をとる。そして、運動解析部201は、同期のとれた計測データを用いて、被計測体の運動を正確に解析する。
なお、主制御部203については、図1を参照して説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。
[計測データ間の同期方法]
図6は、運動解析システム1の構成要素である解析制御装置20、電波受信器80、計測ユニット10−1、10−2の動作を時系列に並べた図である。時刻t〜時刻tn+5の隣接する時刻の間隔は、計測ユニット10−1、10−2に含まれる慣性センサー111−1、111−2のサンプリング周期(例えば、0.001秒)に対応する。また、電波受信器80の欄には、説明をわかりやすくするために、検出情報82の値も括弧を付して記載している。
時刻tで解析制御装置20は計測ユニット10−1、10−2に対して計測開始を指示する。そして、計測ユニット10−1は時刻tで計測開始可能となり、計測ユニット10−2は時刻tで計測開始可能となっている。
ここで、計測ユニット10−1、10−2で計測開始可能となるタイミングが異なるのは、解析制御装置20がユニキャストで計測開始コマンドを送信しているからである。すなわち、解析制御装置20が最初に計測ユニット10−1を指定して計測開始を指示し、その後に計測ユニット10−2を指定して計測開始を指示するからである。
もし、運動解析システム1で、ブロードキャストやマルチキャストが使用できる通信方式を採用するならば、計測ユニット10−1、10−2が計測開始可能になるタイミングをほぼ同時にすることができる。しかし、計測ユニットの数が増加すると帯域幅の消費が大きくなるという問題が生じる。また、一般的なワイヤレス通信のプロトコルでは、例えばBluetooth(登録商標)のようにマルチキャストに対応していないものも多く、マルチキャストが必要になる場合は独自の通信プロトコルを用意する必要がある。すなわち、拡張性の面で問題がある。
また、運動解析システム1で、計測ユニット10−1、10−2と解析制御装置20とを有線接続するならば、計測ユニット10−1、10−2が計測開始可能になるタイミングをほぼ同時にすることができる。しかし、計測ユニット10−1、10−2の配置の自由度が低くなり実用上の問題が生じる。
そして、運動解析システム1で、解析制御装置20がユニキャストで計測開始コマンドを送信するとして、一定の時間間隔Tで計測開始を指示し、その時間間隔Tの分だけ計測データをずらすことで同期をとる手法も考えられる。しかし、無線での通信状態が変化して、1つの計測ユニットに対してだけ計測開始コマンドの再送が生じることもあり得
る。そのため、計測ユニット10−1、10−2の計測開始可能となる時間間隔がTに一致するとは限らない。
そこで、運動解析システム1は、計測ユニット10−1、10−2が、解析制御装置20からの送信指示に応じて送信する電波を同期用信号として利用する。時刻tで解析制御装置20は計測ユニット10−1に対して送信指示を行う。また、時刻tで解析制御装置20は計測ユニット10−2に対して送信指示を行う。図6以降の図においては、解析制御装置20の欄で、計測ユニット10−1(または計測ユニット10A)に対しての送信指示を送信指示1と、計測ユニット10−2(または計測ユニット10B)に対しての送信指示を送信指示2と表記する。
このとき、計測ユニット10−1、10−2は計測を開始しており、慣性センサーデータを生成するとともに、送信指示に応じて電波を送信し、電波の送信の有無を応じた送信フラグを生成している。つまり、計測ユニット10−1、10−2は、慣性センサーデータと送信フラグとを含む計測データを生成している。
図6で丸のついている部分は、計測ユニット10−1、10−2が計測データを生成していることを意味する。そして、黒い丸は電波の発生が無いこと(送信フラグ=“0”)を、白い丸は電波を送信したこと(送信フラグ=“1”)を示す。計測ユニット10−1、10−2はそれぞれ時刻t、時刻tにおいて電波受信器80へ電波を送信している。
その後、計測ユニット10−1、10−2はしばらく計測を続ける。そして、時刻tn+2で解析制御装置20は計測ユニット10−1、10−2に対して計測停止を指示する。計測ユニット10−1は時刻tn+3で計測を停止し、計測ユニット10−2は時刻tn+5で計測を停止する。
電波受信器80は、時刻tで解析制御装置20が計測ユニット10−1、10−2に対して計測開始を指示するのと同時に受信を開始する。そして、電波受信器80は、時刻tn+2で解析制御装置20が計測ユニット10−1、10−2に対して計測停止を指示するのと同時に受信を停止する。この間に、電波受信器80は、それぞれ時刻t、時刻tにおいてそれぞれ計測ユニット10−1、10−2からの電波を受信する。したがって、検出情報82は時刻t、時刻tにおいて“1”に変化する。なお、検出情報82は時刻t、時刻t以外では“0”であるとする。
この例において、解析制御装置20は送信指示をする対象をIDの番号の小さい方から指定するとする。すなわち、解析制御装置20は、計測ユニット10−1に送信指示を出してから、計測ユニット10−2に送信指示を出す。このとき、解析制御装置20は、計測ユニット10−2に先に送信指示を出すことはない。
図7(A)は、このときの計測ユニット10−1の計測データを示し、図7(B)は計測ユニット10−2の計測データを示す。解析制御装置20は計測停止指示の後、図7(A)、図7(B)のようなデータを受け取ることになる。しかし、計測ユニット10−1と計測ユニット10−2の計測開始時刻と計測停止時刻とは異なるため、図7(A)と図7(B)の計測データを並んでいる順番で単純に対応させることはできず、送信フラグに基づいて同期をとる必要がある。
なお、図7(A)、図7(B)では慣性センサーデータをDA、DBのように簡略に表記しているが、それぞれのデータは加速度センサー112x、112y、112zおよび角速度センサー113x、113y、113z(図4参照)からのデータを全て含ん
でいる。
図8は、解析制御装置20が検出情報82と送信フラグに基づいて計測データの同期をとり、計測ユニット10−1、10−2からの慣性センサーデータを時間軸に沿って適切に配置した様子を示している。
解析制御装置20は、検出情報82に基づいて、電波受信器80が電波を検出したタイミングである検出タイミングを判断する。この例では、検出情報82が“1”である時刻tおよび時刻tが検出タイミングである。そして、送信指示をする順番がIDの番号の小さい順であるとの規則から、解析制御装置20は、時刻tは計測ユニット10−1についての検出タイミング、時刻tは計測ユニット10−2についての検出タイミングであると判断できる。
また、解析制御装置20は、送信フラグに基づいて、計測ユニット10−1、10−2が電波を送信したタイミング(すなわち、電波を発生したタイミング)である発生タイミングを判断する。この例では、解析制御装置20は、計測ユニット10−1、10−2の発生タイミングは、それぞれ慣性センサーデータのDA、DBに対応すると判断する。
そして、解析制御装置20は検出タイミングと発生タイミングとを、計測ユニット10−1、10−2のそれぞれについて対応させることで、図8のように計測ユニット10−1、10−2の慣性センサーデータを正しく同期させることができる。そして、解析制御装置20は正確な運動解析を行うことができる。
なお、検出情報82が“1”である2つの検出タイミングを区別するために、説明の都合上、図8は時刻を示している。しかし、解析制御装置20は、検出タイミングに対応する時刻を知らなくても、検出タイミングと発生したタイミングだけから複数の計測データ間で同期をとることが可能である。
ここで、解析制御装置20は、計測ユニット10−1、10−2に送信指示を出したタイミングを把握しているので、検出情報82がなくても複数の計測データ間で同期をとることが可能であるとも思える。しかし、解析制御装置20は、検出情報82を用いることで、送信指示に対するエラーが発生した時でもエラーの影響なく複数の計測データ間で同期をとることができる。このことを図9〜図11を参照して以下に説明する。
図9は、解析制御装置20、電波受信器80、計測ユニット10−1、10−2の動作を時系列に並べた図である。なお、図1〜図8と同じ要素については同じ符号を付しており説明を省略する。また、重複説明を回避するため、図6〜図8と異なる部分についてのみ説明する。
図9の例でも、図6と同様に、時刻tで解析制御装置20は計測ユニット10−2に対して送信指示を行っている。しかし、計測ユニット10−2は、図6の例とは異なり、時刻tにおいて電波受信器80へ電波を送信することができなかったとする。
このとき、解析制御装置20は検出情報82を受け取ることで、送信指示に対するエラーが発生したことを把握できる。つまり、解析制御装置20は時刻tの検出情報82が“0”であることからエラー発生を知ることができる。そして、解析制御装置20は、時刻tで再び計測ユニット10−2に対して送信指示を行うことが可能である。
図10(A)は、このときの計測ユニット10−1の計測データを示し、図10(B)
は送信指示が再送された計測ユニット10−2の計測データを示す。解析制御装置20は計測停止指示の後、図10(A)、図10(B)のようなデータを受け取ることになる。つまり、図10(B)に示す計測ユニット10−2の計測データは、エラーが発生しなかった図7(B)の計測データに比べて、送信フラグが“1”となるタイミングがずれている。
図11は、解析制御装置20が検出情報82と送信フラグに基づいて計測データの同期をとり、計測ユニット10−1、10−2からの慣性センサーデータを時間軸に沿って適切に配置した様子を示している。
ここで、解析制御装置20は、図8の場合と同様に、計測ユニット10−1、10−2の発生タイミングが、それぞれ慣性センサーデータのDA、DBに対応すると判断する。
もし、解析制御装置20が検出情報82を用いない場合には、解析制御装置20が把握する送信指示のタイミングは、再送も含めて、時刻t、時刻t、時刻tである。解析制御装置20は、検出情報82を用いない場合には、送信指示のタイミングを単純に検出タイミングとすることになる。このとき、この例のように送信指示に対してエラーが発生すると、検出タイミングと発生タイミングとを対応させることができないという問題が生じる。
しかし、解析制御装置20が検出情報82に基づいて検出タイミングを判断すれば、時刻tおよび時刻tが検出タイミングであると把握できる。そして、送信指示をする順番がIDの番号の小さい順であるとの規則から、解析制御装置20は、時刻tは計測ユニット10−1についての検出タイミング、時刻tは計測ユニット10−2についての検出タイミングであると判断できる。
つまり、この例の解析制御装置20は、検出情報82を用いることで、送信指示に対するエラーが発生した時でもエラーの影響なく複数の計測データ間で同期をとることができる。そして、解析制御装置20は正確な運動解析を行うことができる。つまり、送信指示に対するエラーの発生に強く、信頼性の高い運動解析システム1を実現することができる。
ここで、計測ユニット10−1、10−2のサンプリング周期が同一である必要はない。図12は、解析制御装置20、電波受信器80、計測ユニット10−1、10−2の動作を時系列に並べた図である。なお、図1〜図11と同じ要素については同じ符号を付しており説明を省略する。また、重複説明を回避するため、図6〜図11と異なる部分についてのみ説明する。
図12では、計測ユニット10−2の慣性センサー111−2のサンプリング周期は、計測ユニット10−1の慣性センサー111−1の2倍であるとする。例えば、慣性センサー111−1のサンプリング周期が0.001秒であるとする。このとき、慣性センサー111−2のサンプリング周期は0.002秒である。なお、図12における隣接する時刻の間隔は、短い方のサンプリング周期(0.001秒)に合わせてある。
図12に示されるように、計測ユニット10−2の動作は、時刻t(iは奇数)でのみ変化すると考えることができる。計測ユニット10−2は時刻tで計測開始状態となり、時刻t〜時刻tで送信フラグが“1”に変化する。その後、計測ユニット10−2はしばらく計測を続ける。そして、計測ユニット10−2は時刻tn+5で計測を停止する。
電波受信器80は、時刻t〜時刻tにおいて計測ユニット10−2からの電波を受信する。したがって、検出情報82は時刻tにおいても“1”に変化する。なお、解析制御装置20、計測ユニット10−1の動作は、図6と同じであり説明を省略する。
図13(A)は、このときの計測ユニット10−1の計測データを示し、図13(B)は計測ユニット10−2の計測データを示す。解析制御装置20は計測停止指示の後、図13(A)、図13(B)のようなデータを受け取ることになる。しかし、計測ユニット10−1と計測ユニット10−2の計測開始時刻と計測停止時刻とは異なり、しかも計測ユニット10−2の慣性センサー111−2のサンプリング周期は2倍である。そのため、図13(A)と図13(B)の計測データを並んでいる順番で単純に対応させることはできず、データ数も異なる。解析制御装置20は、サンプリング周期の違いを考慮した上で、送信フラグに基づいて同期をとる必要がある。なお、図13(B)の計測データ数mは、図13(A)の計測データ数nの半分または約半分である。
図14は、解析制御装置20が検出情報82と送信フラグに基づいて計測データの同期をとり、計測ユニット10−1、10−2からの慣性センサーデータを時間軸に沿って適切に配置した様子を示している。
解析制御装置20は、検出情報82に基づいて検出タイミングを判断する。この例では、検出情報82が“1”である時刻t、時刻t〜時刻tが検出タイミングである。そして、送信指示をする順番がIDの番号の小さい順であるとの規則、および慣性センサー111−2のサンプリング周期は2倍であることから、解析制御装置20は、時刻tは計測ユニット10−1についての検出タイミング、時刻t〜時刻tは計測ユニット10−2についての検出タイミングであると判断できる。
また、解析制御装置20は、送信フラグに基づいて、計測ユニット10−1、10−2の発生タイミングは、それぞれ慣性センサーデータのDA、DCに対応すると判断する。
そして、解析制御装置20は検出タイミングと発生タイミングとを、計測ユニット10−1、10−2のそれぞれについて対応させることで、図14のように計測ユニット10−1、10−2の慣性センサーデータを正しく同期させることができる。そして、解析制御装置20は正確な運動解析を行うことができる。
ここで、送信指示の再送を行わずに、エラー耐性を高める方法を説明する。図15は、解析制御装置20、電波受信器80、計測ユニット10−1、10−2の動作を時系列に並べた図である。なお、図1〜図14と同じ要素については同じ符号を付しており説明を省略する。また、重複説明を回避するため、図6〜図14と異なる部分についてのみ説明する。
図15では、解析制御装置20は送信指示を1回だけでなく複数回行い、送信指示には送信期間の指定も含まれている。図15の例で具体的に述べると、解析制御装置20は、まず時刻tで計測ユニット10−1に対して送信期間を3とする送信指示を行う。そして、計測ユニット10−1は、時刻t〜時刻tで送信を続ける。ここで、送信期間が3であるとは、送信指示を行った時刻を含めて以降の3つの時刻で送信状態となることを意味する。
そして、解析制御装置20は、時刻tで計測ユニット10−2に対して送信期間を1とする送信指示を行い、時刻t11で計測ユニット10−2に対して送信期間を2とする
送信指示を行う。なお、図15では省略しているが、解析制御装置20はこの後も、少なくとも計測ユニット10−1に対する送信指示を行う。そして、各計測ユニットが複数回、電波の送信を行うようにする。つまり、この例では送信指示をする順番がIDの番号の小さい順であるとの規則はない。
ここで、送信期間は計測データ間で同期をとる際に、マッチングのためのパターンとして使用される。そのため、それぞれの送信指示における送信期間は互いに異なっていることが好ましい。
例えば、図15の例では送信期間は3、1、2、…のように変化しているが、解析制御装置20は、このように値が変化する数列を予め記憶しておき、数列に基づいて送信期間を指定してもよい。また、解析制御装置20は乱数発生器を内蔵し、ランダムに送信期間を指定してもよい。なお、図15の例では、3回の送信の間の期間(非送信期間)が1であるが、非送信期間がランダムに変化してもよく、マッチングのためのパターンとして使用されてもよい。
このとき、計測ユニット10−1、10−2は、理想的には図15のように、解析制御装置20からの送信指示に対応して送信フラグを“1”にする(図15の白丸が対応)。すなわち、計測ユニット10−1、10−2は、理想的には、時刻t〜時刻t、時刻tおよび時刻t11〜時刻t12で送信フラグを“1”にする。そして、電波受信器80も、理想的には時刻t〜時刻t、時刻t、時刻t11〜時刻t12で電波を受信して、これらの時刻で検出情報82を“1”に変化させる。なお、その他の動作については、図6と同じであり説明を省略する。
図16(A)は、このときの計測ユニット10−1の計測データを示し、図16(B)は計測ユニット10−2の計測データを示す。ここで、図16(B)の計測データは、送信フラグが“1”であるべきところ、通信状態の悪化から電波の検出ができずに、送信フラグが“0”となったデータ(慣性センサーデータのDBに対応)を含むとする。
解析制御装置20は計測停止指示の後、図16(A)、図16(B)のようなデータを受け取ることになる。しかし、図16(B)の計測データは、同期に用いる送信フラグがエラーによって“0”となったデータを含んでいる。そこで、解析制御装置20は、送信指示が指定した送信期間を用いて、完全一致を要求しないパターンマッチングを行う。
図17は、解析制御装置20が検出情報82と送信フラグに基づいて計測データの同期をとり、計測ユニット10−1、10−2からの慣性センサーデータを時間軸に沿って適切に配置した様子を示している。
解析制御装置20は、検出情報82に基づいて検出タイミングを判断する。この例では、検出情報82が“1”である時刻t〜時刻t、時刻t11〜時刻t12が検出タイミングである。
また、解析制御装置20は、送信フラグに基づいて、計測ユニット10−1、10−2の発生タイミングは、それぞれ慣性センサーデータのDA〜DA、DB〜DBに対応すると判断する。
そして、解析制御装置20は検出タイミングと発生タイミングとを、計測ユニット10−1、10−2のそれぞれについて対応させる。このとき、検出タイミングと発生タイミングの期間に基づいて対応をとる。検出タイミングの期間は、時刻t〜時刻t、時刻t11〜時刻t12でそれぞれ3、2である。また、計測ユニット10−1の発生タイミ
ング(DA〜DA)の期間は3であり、10−2の発生タイミング(DB〜DB)の期間は2である。
解析制御装置20は、それぞれの送信指示における送信期間を互いに異なるようにしている。そのため、検出タイミングの期間と発生タイミングの期間とが同じであれば、同じ送信指示に基づくものであり対応をとることができる。すなわち、この例では、慣性センサーデータのDA〜DA、DB〜DBに対応する発生タイミングに、それぞれ、時刻t〜時刻t、時刻t11〜時刻t12の検出タイミングを対応させることができる。
このとき、図16(B)の計測データは、同期に用いる送信フラグがエラーによって“0”となったデータを含んでいたが、解析制御装置20は、検出情報82を用いることで、エラーの影響なく複数の計測データ間で同期をとることができる。
また、このエラーに対して、解析制御装置20は送信指示の再送を行っていない。しかし、計測ユニット10−2に対して1回だけでなく複数回の送信指示をしているので、エラーの生じなかった送信指示に基づく電波の送受信によって、解析制御装置20は正しく計測データ間の同期をとることができる。
つまり、解析制御装置20は、送信指示に対するエラーが発生していても、電波の送信期間がランダムで複数回の送信指示をすることで、慣性センサーデータを正しく同期させることができ、正確な運動解析を行うことができる。このとき、送信指示の再送という処理も不要であるため、定められた時間で解析制御装置20と計測ユニット10との通信を完了できる運動解析システム1を実現できる。また、解析制御装置20は計測ユニット10のIDの小さい順に送信指示を行う必要はなく、計測ユニット10の数の増減があっても制御の変更が少なくて済む、拡張性の高い運動解析システム1を実現できる。
[フローチャート]
図18、図19は、運動解析システム1による運動解析方法の一例を示すフローチャート図である。図18は計測ユニット10による処理のフローチャート図であり、図19は解析制御装置20による処理のフローチャート図である。計測ユニット10の制御部116、解析制御装置20の主制御部203は、プログラムにしたがって、これらの処理を実行してもよい。
図18のように、計測ユニット10の制御部116は、計測開始の指示があるまで、すなわち解析制御装置20から計測開始コマンドを受信するまで待機し(S110のN)、計測開始コマンドを受信すると(S110のY)、慣性センサー111に被計測体の運動に基づく加速度、角速度を計測させて慣性センサーデータを生成させる(S120)。ここで、被計測体は例えばユーザーやゴルフクラブであり(図2参照)、運動とは例えばゴルフスイングである(図3参照)。慣性センサーデータは、加速度センサーが計測したx軸、y軸、z軸方向の加速度、および角速度センサーが計測したx軸、y軸、z軸回りの角速度を含む。
計測ユニット10の制御部116は、解析制御装置20から送信指示、すなわち電波を発生させて電波受信器80に送信する指示があった場合には(S130のY)、同期用情報である電波を送信して(S132)、送信フラグ“1”を生成する(S140)。制御部116は、解析制御装置20から送信指示がなかった場合には(S130のN)、電波を送信しなかったことを示す送信フラグ“0”を生成する(S150)。
そして、制御部116は慣性センサーデータと送信フラグを含む計測データを生成して
記憶部115に記憶する(S160)。その後、計測停止の指示があった場合、すなわち解析制御装置20から計測停止コマンドを受信した場合には(S170のY)、記憶部115に記憶された計測データを解析制御装置20に送信する(S180)。そして、ステップS110に戻り、解析制御装置20から次の計測開始コマンドを受信するまで待機する。
制御部116は、計測停止の指示がない場合(S170のN)、ステップS120に戻り、慣性センサー111に被計測体の運動に基づく加速度、角速度を計測させて慣性センサーデータを生成させる。
一方、図19のように、解析制御装置20の主制御部203は、まず計測ユニット10に計測開始を指示する(S210)。すなわち、主制御部203は、計測ユニット10に計測開始コマンドを送信する。そして、主制御部203は、計測ユニット10に電波の送信を指示する(S220)。
主制御部203は、電波受信器80からの情報(例えば、検出情報82)に基づいて、電波を受信したか、すなわち直前の送信指示に対するエラーの有無を判断する。主制御部203は、送信指示に対する電波を受信していない場合には(S222のN)、ステップS220に戻って送信指示を再送する。
主制御部203は、送信指示に対する電波を受信した場合には(S222のY)、電波(同期用信号)を所定回数、受信したかを判断する。主制御部203は、計測データ間で同期をとるために必要な、予定していた回数の電波を受信していれば(S230のY)、計測ユニット10が十分な計測データを得るまで待機する(S240のN)。
主制御部203は、計測データ間で同期をとるために必要な所定回数の電波の受信をしていない場合には(S230のN)、対象の計測ユニットを変更して(S232)、ステップS220に戻って送信指示を行う。ここで、1つの計測ユニットに対して複数回の送信指示が行われる場合には、ステップS232の前に、その計測ユニットへの送信指示の回数を確認するステップがあってもよい。
そして、主制御部203は、計測ユニット10が十分な計測データを得ると(S240のY)、主制御部203は、計測ユニット10に計測停止を指示する(S250)。すなわち、主制御部203は、計測ユニット10に計測停止コマンドを送信する。
解析制御装置20のデータ取得部202は、電波受信器80から検出情報82と、各計測ユニット10から計測データを受け取る(S260)。ここで、データ取得部202は、検出情報82を既にステップS222で受け取っている場合には、例えばRAM240に保存しておき、電波受信器80からではなくRAM240から検出情報82を得てもよい。なお、ステップS222では、現在の検出情報82だけを利用して電波の受信の有無を判断するのに対し、ステップS260では全ての検出情報82が必要になる。
解析制御装置20の演算部204は、検出情報82に基づいて、電波受信器80が電波を検出したタイミングである検出タイミングを判断する(S262)。また、解析制御装置20の演算部204は、各計測データについて、送信フラグに基づいて、計測ユニット10が電波を送信したタイミング(すなわち、電波を発生したタイミング)である発生タイミングを判断する(S270)。
解析制御装置20の同期補正部206は、検出タイミングと発生タイミングとを比較する。そして、計測データ間の同期をとって、被計測体の運動を解析する(S280)。例
えば、手首とゴルフクラブのなす角度(コック)のスイング中の変化や、ダウンスイング前半で保持していた力が緩んで手首とクラブの間の角度が開き始めるアンコックのタイミングを解析してもよい。そして、例えばアドバイスを作成して、表示部260に表示してもよい。
以上のように、本実施形態の運動解析システム1、運動解析方法等は、解析制御装置20と無線で通信するため計測ユニット10の取り付け位置の自由度を高めることができる。そして、解析制御装置20は、同期用情報に基づいて、複数の計測ユニット10からの計測データ間で同期をとることにより正確な運動解析を実行できる。
2.第2実施形態
[運動解析システムの構成]
図20は、本実施形態の運動解析システム1の構成例を示す図である。運動解析システム1は、複数の計測ユニット10A、10B、解析制御装置20、電波受信器80を含んで構成されている。
第1実施形態の運動解析システム1と比較すると、本実施形態の運動解析システム1は発生する電波が異なる計測ユニット10A、10Bを用いる事が異なる。なお、図1〜図19と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。
本実施形態の計測ユニット10A、10Bは、それぞれ固有の周波数F、Fの電波を発生する電波送信部117A、117Bを含む。なお、計測ユニット10A、10Bの慣性センサー111は共通である。
そして、電波受信器80は、受け取った電波の周波数(FまたはF)に基づいて計測ユニット10A、10Bを識別する。そして、電波受信器80は、識別された計測ユニットの情報を検出情報82に含める。
そのため、本実施形態の運動解析システム1では、解析制御装置20は、検出情報82に基づいて検出タイミングを求める際に対応する計測ユニット10まで把握できる。そのため、第1実施形態の運動解析システム1に比べて、解析制御装置20は計測データの間で同期をとる処理の負担が少なくてすむ。
また、送信指示に対するエラーが発生した時でも、どの計測ユニット10でエラーが生じたかを把握しているので、直ちに送信指示を再送する必要はない。例えば、解析制御装置20は、送信指示に対するエラーが発生した計測ユニット10の情報をRAM240に記憶しておき、計測ユニット10に順に1回ずつ送信指示を出した後に、エラーがあったが計測ユニット10についてだけの送信指示をまとめて出すこともできる。つまり、エラー発生時の制御に柔軟性のある運動解析システム1を実現できる。
本実施形態の運動解析システム1も第1実施形態の運動解析システム1と同様にゴルフスイングを計測する(図2参照)。そして、本実施形態の運動解析システム1もゴルフスイングを正確に解析して、クラブヘッドのスイング軌跡などを表示することができる(図3参照)。
また、計測ユニット10A、10Bの詳細な構成は、図4で電波送信部117が固有の周波数F、Fを発生する電波送信部117A、117Bとなっただけであり、その他の要素については第1実施形態と同じである。また、解析制御装置20は、電波受信器80から識別した計測ユニットの情報を含む検出情報82を受け取る点で第1実施形態とは異なるが、構成は図5に示される通りである。
[計測データ間の同期方法]
図21は、本実施形態の運動解析システム1の構成要素である解析制御装置20、計測ユニット10A、10Bの動作を時系列に並べた図である。なお、図1〜図20と同じ要素には同じ符号を付しており説明を省略する。
本実施形態の運動解析システム1では、固有の周波数に基づいて電波受信器80が計測ユニット10A、10Bを識別する。図21のように、検出情報82には電波を検出したことを表す“1”だけでなく、識別した計測ユニット10の情報が含まれる。識別した計測ユニットの情報は、例えば計測ユニット10のIDである。図21の例では、IDとして、計測ユニット10Aを表す“A”と、計測ユニット10Bを表す“B”とが含まれている。なお、電波を検出しなかった場合には、検出情報82は図21のように“0”だけを含んでいてもよいし、ダミーのID(例えば“Z”等)を含んでいてもよい。
本実施形態の運動解析システム1では、電波受信器80が計測ユニット10A、10Bを正確に識別するので、解析制御装置20は例えば計測ユニット10のIDの順(例えば、IDが数字ならば小さい順、文字ならばアルファベット順)に送信指示を行うといった規則に従う必要がない。そのため、運動解析システム1は、解析制御装置20の制御に柔軟性がある。図21の例では、解析制御装置20は計測ユニット10Bに対して、最初に送信指示を行っている。
なお、その他の構成要素の動作については、図6を参照して説明した第1実施形態と同じであるため、ここでの説明を省略する。また、計測データ間の同期をとる手法や運動解析方法を示すフローチャートは、第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
以上のように、本実施形態の運動解析システム1、運動解析方法等は、解析制御装置20と無線で通信するため計測ユニット10の取り付け位置の自由度を高めることができる。そして、解析制御装置20は、同期用情報に基づいて、複数の計測ユニット10からの計測データ間で同期をとることにより正確な運動解析を実行できる。
そして、本実施形態の運動解析システム1、運動解析方法等では、電波受信器80が計測ユニット10に固有の周波数に基づいて、確実に計測ユニット10の識別を行って検出情報82として解析制御装置20に出力する。そのため、各計測ユニット10についてエラー発生の有無を確実に把握でき、エラー発生時の対応も含めて解析制御装置20の制御に柔軟性のある運動解析システム1を実現することができる。
これらの例示に限らず、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 運動解析システム、10 計測ユニット、10A 計測ユニット、10B 計測ユニット、10−1 計測ユニット、10−2 計測ユニット、20 解析制御装置(PC)、30 ゴルフクラブ、80 電波受信器、111 慣性センサー、111−1 慣性センサー、111−2 慣性センサー、112x 加速度センサー、112y 加速度センサー、112z 加速度センサー、113x 角速度センサー、113y 角速度センサー、113z 角速度センサー、115 記憶部、116 制御部、117 電波送信部
、117A 電波送信部、117B 電波送信部、117−1 電波送信部、117−2
電波送信部、118 通信部、200 CPU、201 運動解析部、202 データ取得部、203 主制御部、204 演算部、206 同期補正部、210 通信部、220 操作部、230 ROM、240 RAM、250 記録媒体、260 表示部、A スイング軌跡、P1 スイング起動位置、P2 トップ位置、P3 インパクト位置、P4 フォロースルートップ位置

Claims (14)

  1. 被計測体の運動に基づく第1のデータを受け取り、同期用情報の発生を指示し、
    前記同期用情報を検出することにより生成される少なくとも検出の有無を表す検出情報、及び前記同期用情報の発生の有無を表す第2のデータを受け取り、
    前記検出情報に基づいて、前記同期用情報を検出したタイミングである検出タイミングを判断し、
    前記第2のデータに基づいて、前記同期用情報の発生したタイミングである発生タイミングを判断し、
    前記検出タイミングと前記発生タイミングとを比較した結果に基づいて、前記第1のデータと前記第2のデータとの間で同期をとり、前記被計測体の運動を解析する解析制御装置。
  2. 請求項1に記載の解析制御装置と、
    前記被計測体の前記運動に基づく物理量を計測することにより、前記第1のデータを生成する計測ユニットと、
    を含む運動解析システム。
  3. 請求項2において、
    前記計測ユニットは、
    前記第1のデータを生成するセンサー部と、
    前記第2のデータを生成する同期用情報発生部と、
    を含む運動解析システム。
  4. 請求項3において、
    前記検出情報を生成する同期用情報検出部を含む運動解析システム。
  5. 請求項4において、
    前記同期用情報発生部は、前記同期用情報として電波を発生する運動解析システム。
  6. 請求項5において、
    前記同期用情報発生部は、前記計測ユニットのそれぞれに固有の周波数をもつ電波を発生し、
    前記同期用情報検出部は、
    前記周波数に基づいて前記計測ユニットを識別し、
    識別された前記計測ユニットを表す前記検出情報を生成する運動解析システム。
  7. 請求項3において、
    前記同期用情報発生部は、前記同期用情報として光を発生する運動解析システム。
  8. 請求項2乃至7のいずれか一項において、
    前記解析制御装置は、前記計測ユニットに前記同期用情報を複数回発生させる運動解析システム。
  9. 請求項8において、
    前記解析制御装置は、前記同期用情報が発生する期間をランダムに変化させる運動解析システム。
  10. 請求項2乃至9のいずれか一項において、
    前記計測ユニットは、前記第1のデータを記憶する記憶部を含み、
    前記解析制御装置は、前記記憶部に記憶されている前記第1のデータを受け取る運動解析システム。
  11. 請求項2乃至10のいずれか一項において、
    前記計測ユニットは、前記被計測体の運動に基づく加速度および角速度の少なくとも何れかを計測する慣性センサーを含む運動解析システム。
  12. 被計測体の運動に基づく第1のデータ及び同期用情報の発生の有無を表す第2のデータを生成するステップと、
    前記同期用情報を検出して、少なくとも検出の有無を表す検出情報を生成するステップと、
    前記同期用情報の発生を指示するステップと、
    前記検出情報、前記第1のデータ及び前記第2のデータを受け取るステップと、
    前記検出情報に基づいて、前記検出したタイミングである検出タイミングを判断するステップと、
    前記第2のデータに基づいて、前記発生したタイミングである発生タイミングを判断するステップと、
    前記検出タイミングと前記発生タイミングとを比較した結果に基づいて、前記第1のデータと前記第2のデータとの間で同期をとり、前記被計測体の運動を解析するステップと、
    を含む運動解析方法。
  13. 被計測体の運動に基づく第1のデータ及び同期用情報の発生の有無を表す第2のデータを生成するステップと、
    前記同期用情報を検出して、少なくとも検出の有無を表す検出情報を生成するステップと、
    前記同期用情報の発生を指示するステップと、
    前記検出情報、前記第1のデータ及び前記第2のデータを受け取るステップと、
    前記検出情報に基づいて、前記検出したタイミングである検出タイミングを判断するステップと、
    前記第2のデータに基づいて、前記発生したタイミングである発生タイミングを判断するステップと、
    前記検出タイミングと前記発生タイミングとを比較した結果に基づいて、前記第1のデータと前記第2のデータとの間で同期をとり、前記被計測体の運動を解析するステップと、
    をコンピューターに実行させるプログラム。
  14. 請求項13に記載のプログラムを記録した、コンピューター読み取り可能な記録媒体。
JP2012288460A 2012-12-28 2012-12-28 解析制御装置、運動解析システム、プログラム、記録媒体および運動解析方法 Expired - Fee Related JP6187735B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012288460A JP6187735B2 (ja) 2012-12-28 2012-12-28 解析制御装置、運動解析システム、プログラム、記録媒体および運動解析方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012288460A JP6187735B2 (ja) 2012-12-28 2012-12-28 解析制御装置、運動解析システム、プログラム、記録媒体および運動解析方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014128453A JP2014128453A (ja) 2014-07-10
JP2014128453A5 JP2014128453A5 (ja) 2016-02-18
JP6187735B2 true JP6187735B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=51407469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012288460A Expired - Fee Related JP6187735B2 (ja) 2012-12-28 2012-12-28 解析制御装置、運動解析システム、プログラム、記録媒体および運動解析方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6187735B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116348930A (zh) * 2020-10-16 2023-06-27 株式会社岛津制作所 数据测量系统及执行测量数据的数据处理的方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8280682B2 (en) * 2000-12-15 2012-10-02 Tvipr, Llc Device for monitoring movement of shipped goods
JP3632707B2 (ja) * 1995-03-01 2005-03-23 株式会社ニシ・スポーツ 陸上競技用自動ファール判定装置及び同判定方法
JPH09130373A (ja) * 1995-11-02 1997-05-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線通信システム
JP2004212163A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Kazuyoshi Tsukamoto バーチャルスポーツシステム
JP2005152321A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 T & T Holdings:Kk ゴルフクラブの位置,姿勢検出システム、方法、プログラム
JP4721869B2 (ja) * 2004-11-25 2011-07-13 株式会社マトリックス 計測システム、動態管理システム、受信器および計測方法
JP2008306657A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 Yokogawa Electric Corp 無線ノードおよび無線ネットワークシステム
JP5504948B2 (ja) * 2010-02-12 2014-05-28 株式会社豊田中央研究所 データ記録システム及びデータ記録システムにおける関連付け方法
JP2012065943A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Brother Industries Ltd 運動支援装置、運動支援方法およびプログラム
JP5641222B2 (ja) * 2010-12-06 2014-12-17 セイコーエプソン株式会社 演算処理装置、運動解析装置、表示方法及びプログラム
JP2012227792A (ja) * 2011-04-20 2012-11-15 Fujitsu General Ltd 無線通信システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014128453A (ja) 2014-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6168276B2 (ja) 解析制御装置、運動解析システム、プログラム、記録媒体および運動解析方法
JP5204224B2 (ja) 傾斜角情報と結合したビデオ入力を用いたオブジェクト検出
CN203763810U (zh) 一种挥杆/拍辅助训练装置
US9186568B2 (en) Basketball shot-tracking system
CN104169995B (zh) 信息处理设备、信息处理系统
US9625288B2 (en) Motion analysis system and motion analysis method
US20150042481A1 (en) Sensor unit and motion detection device
US20190108391A1 (en) Information processing device, information processing method, and program
US9864904B2 (en) Motion analysis device and motion analysis system
US20130018494A1 (en) System and method for motion analysis and feedback with ongoing dynamic training orientation determination
JP2013192591A (ja) 運動解析情報収集装置、運動解析装置及び運動解析方法
JP2018525645A (ja) インテリジェントグランドシステム及びデータ取得方法
JP5773144B2 (ja) 運動解析装置、運動解析システム、運動解析プログラム、および、記録媒体
TW201823764A (zh) 追蹤系統及追蹤方法
JP2009535173A (ja) 3次元入力制御システム、方法、及び装置
JP2007229197A (ja) 携帯通信端末、動作評価システム、方法、プログラム、記録媒体
US10384099B2 (en) Motion analysis method and display method
WO2016033717A1 (zh) 一种组合式运动捕捉系统
WO2015109442A1 (zh) 一种多节点运动测量与分析系统
WO2016114126A1 (ja) 検出装置、検出システム、運動解析システム、記録媒体、および解析方法
KR101906148B1 (ko) 멀티 웨어러블 센서 기반의 싱크로나이제이션 체크를 통한 골프 스윙 자세 교정 디바이스 및 시스템, 그리고 이의 제어 방법
US20170011652A1 (en) Motion analysis method, motion analysis apparatus, motion analysis system, and program
JP6187735B2 (ja) 解析制御装置、運動解析システム、プログラム、記録媒体および運動解析方法
WO2014019505A1 (zh) 姿态识别的方法及装置
JP6187734B2 (ja) 解析制御装置、運動解析システム、プログラム、記録媒体および運動解析方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD07 Notification of extinguishment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427

Effective date: 20140619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151224

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170718

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6187735

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees