JP6187227B2 - 可変容量型過給機及び可変容量型過給機用コントローラ - Google Patents

可変容量型過給機及び可変容量型過給機用コントローラ Download PDF

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Description

本発明は、エンジンに供給される空気を過給する可変容量型過給機とそのコントローラに係り、詳しくは、タービンインペラ外周に配置された可変ノズルベーンの開度を調整するアクチュエータの動作が制御される可変容量型過給機とそのコントローラに関する。
過給機(ターボチャージャ)は、エンジンの排気ガスでタービンを回転駆動し、タービンと機械的に連結されたコンプレッサで吸入空気を圧縮して、加圧された空気をエンジンに供給し、エンジンの性能を向上させる装置である。
ターボチャージャ用のタービンは、一般的にラジアルタービンであり、ラジアルタービンの外周に排気ガスを供給するために、スクロールが用いられる。スクロールは、エンジンからの排気ガスの流れを旋回流にしてタービンインペラの外周に一様に分配する渦巻室である。
上述したターボチャージャは、スクロールの流路形状により旋回流速が決まり、低流量ではその流速が不足するため、タービンが高負荷で稼動できる排気ガスの流量範囲が狭い問題点がある。
そこで、ターボチャージャに供給可能な排気ガスの流量範囲を拡大するための可変容量型過給機が既に提案されている。ここで、可変容量型過給機とは、タービンの排気ガス流入部等、タービンインペラの外周に配置された複数のベーンを可動にして、排気ガスが低流量である場合にその流速をベーン開度の調整により高めることができるようにしたものである。
そして、各ベーンはリンク機構を介してアクチュエータに接続されており、アクチュエータの動作によってリンク機構を介して各ベーンが連動して開閉される。
ところで、可変容量型過給機を寒冷地で使用すると、エンジン停止中に排気ガス中に含まれる水分、あるいは、洗車時や降雨時に外部から侵入する水分がリンク機構周辺に溜まって凍結する可能性がある。この場合、エンジン始動時にリンク機構を無理に動作させようとアクチュエータの駆動トルクを大きくしていくことで、リンク機構を含むベーンの開度調整機構が損傷する恐れがある。
そこで、本出願人は、タービンハウジングの下部に水の貯留溝と排水孔を設けることを提案した(例えば、特許文献1)。このような構成を採用することにより、可変ノズルベーンのリンク機構が凍結するのを避けるようにすることができる。
特開2012−102660号公報
本発明は、エンジンの停止中にタービンハウジング内に溜まった水分が、可変ノズルベーンのリンク機構を含むノズルベーンの開度調整機構の周辺において凍結してしまっても、開度調整機構が損傷するのを避けるようにすることができる、可変容量型過給機と可変容量型過給機用のコントローラを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載した本発明の可変容量型過給機用コントローラは、
エンジンに供給される空気を過給する可変容量型過給機のタービンインペラ外周に配置された可変ノズルベーンの開度調整機構のアクチュエータによる動作を、前記エンジンの駆動を制御するエンジンコントロールユニットからの指令に基づいて制御する可変容量型過給機用のコントローラにおいて、
前記コントローラによる前記アクチュエータの動作制御の開始を判定する開始判定部と、
前記アクチュエータの駆動トルクを制御するトルク制御部と、
前記開始判定部の判定結果に基づき、前記コントローラによる前記アクチュエータの動作制御の開始から一定時間経過までの開始期間において、前記トルク制御部により前記駆動トルクの上限を制限した状態で、前記開度調整機構の凍結状態を判定する凍結判定部と、
前記開始判定部の判定結果に基づき、前記開始期間の終了後に、前記開度調整機構の動作不良を検出する動作不良検出部と、
前記開度調整機構の動作不良を検出した場合に、前記エンジンコントロールユニットに前記開度調整機構の動作エラーを通知するエラー通知部と、
を備えることを特徴とする。
可変容量型過給機の可変ノズルベーンの開度調整機構のアクチュエータによる動作にエラーが生じると、一般的に、そのことがエンジンコントロールユニットに通知される。そして、エラー通知を受けたエンジンコントロールユニットは、適宜フェールセーフの制御を行うようになる。
これに対し、請求項1に記載した本発明の可変容量型過給機用コントローラでは、コントローラによるアクチュエータの動作制御の開始から一定時間が経過するまでの開始期間において、アクチュエータの駆動トルクの上限を低く制限した状態で、開度調整機構の凍結状態の判定処理が行われ、その後に、ノズルベーンの開度調整機構の動作不良の検出処理が行われる。
ここで、開始期間の長さ、つまり一定時間の長さは、トルク制御部により制限された上限以下の駆動トルクでアクチュエータが開度調整機構を動作させることで、タービンハウジング内に溜まった水分による開度調整機構の凍結を解消させるのに必要な時間以上の長さに設定される。なお、開始期間(一定時間)の長さは、駆動可変容量型過給機の仕様や使用環境等の条件に応じて、計算や実験結果に基づいて決定することができる。
また、開始期間中に制限されるアクチュエータの駆動トルクの上限は、開始期間中以外のアクチュエータの駆動トルクの上限よりも低い値に制限される。具体的には、開始期間中の制限された駆動トルクの上限は、タービンハウジング内に溜まった水分によって凍結した状態で開度調整機構をアクチュエータにより駆動しても開度調整機構に損傷が生じないトルクかそれ未満のトルクに設定される。この上限も、駆動可変容量型過給機の仕様や使用環境等の条件に応じて、計算や実験結果に基づいて決定することができる。
このため、エンジンを始動する時点で、エンジンの停止中にタービンハウジング内に溜まった水分により開度調整機構が凍結している場合は、エンジンの始動の直後から、排気ガスの熱でタービンハウジング内の凍結した水分が溶かされて蒸発する。これにより凍結が解消された開度調整機構は正常に動作するようになるので、アクチュエータが凍結したままの開度調整機構を無理に動作させようとして損傷させるのを避けることができる。
一方、ベーンやリンク機構の動作性の低下が原因で開度調整機構に動作エラーが生じた場合は、開度調整機構の凍結状態の判定処理が行われている間に、可変容量型過給機のノズルベーンやその開度調整機構にエンジンの排気ガスを通過させても、動作エラーが解消しない。このため、凍結状態の判定処理の後に開始される開度調整機構の動作不良の検出処理において、開度調整機構の動作エラーがエンジンコントロールユニットに通知される。なお、開度調整機構に生じた動作エラーがエンジンコントロールユニットに通知された場合のコントローラによるアクチュエータの動作制御は、エンジンコントロールユニットからの指令に基づいて行われる。
したがって、エンジンの停止中にタービンハウジング内に溜まった水分が、可変ノズルベーンのリンク機構を含むノズルベーンの開度調整機構の周辺において凍結してしまっても、開度調整機構が損傷するのを避けるようにすることができる。
また、請求項2に記載した本発明の可変容量型過給機用コントローラは、請求項1に記載した本発明の可変容量型過給機用コントローラにおいて、前記凍結判定部は、前記開始期間中に前記開度調整機構の動作状態を検出する動作状態検出部と、前記開始期間中において、前記動作状態が正常状態でないことを検出した後に、前記エンジンの排気ガスにより前記開度調整機構を加熱する凍結解消処理を行う凍結解消処理部とを有しており、前記動作不良検出部は、前記動作状態が正常状態であることを検出した後と、前記開始期間の終了後に、前記開度調整機構の動作不良を検出することを特徴とする。
請求項2に記載した本発明の可変容量型過給機用コントローラによれば、請求項1に記載した本発明の可変容量型過給機用コントローラにおいて、コントローラによるアクチュエータの動作制御の開始から一定時間が経過するまでの開始期間中において、開度調整機構の動作状態が正常状態でないときに、開度調整機構が凍結状態であるものと仮定して、エンジンの排気ガスの熱を利用した開度調整機構の凍結解消処理が行われる。
このため、エンジンの停止中にタービンハウジング内に溜まった水分により開度調整機構が凍結して動作エラーが発生した場合に、エンジンコントロールユニットの指令に応じた開度に可変ノズルベーンを調整できる状態にいち早く復帰できるようにすることができる。
さらに、上記目的を達成するため請求項3に記載した本発明の可変容量型過給機は、タービンインペラ外周に配置された可変ノズルベーンの開度調整機構のアクチュエータの動作が、エンジンの駆動を制御するエンジンコントロールユニットからの指令に基づいてコントローラにより制御される可変容量型過給機であって、前記コントローラとして用いられる請求項1又は2記載の可変容量形過給機用コントローラのトルク制御部によって、前記アクチュエータの駆動トルクが制御されることを特徴とする。
請求項3に記載した本発明の可変容量型過給機によれば、請求項1又は2記載の可変容量形過給機用コントローラのトルク制御部によって、アクチュエータの駆動トルクが制御される。このため、エンジンの停止中にタービンハウジング内に溜まった水分が、可変ノズルベーンのリンク機構を含むノズルベーンの開度調整機構の周辺において凍結してしまっても、開度調整機構が損傷するのを避けるようにすることができる。
本発明によれば、エンジンの停止中にタービンハウジング内に溜まった水分が、可変ノズルベーンのリンク機構を含むノズルベーンの開度調整機構の周辺において凍結してしまっても、開度調整機構が損傷するのを避けるようにすることができる。
本発明の一実施形態に係るコントローラによって可変ノズルベーンの開度調整機構のアクチュエータによる動作を制御する容量可変型過給機の概略構成を示す説明図である。 図1の制御装置で行う開度調整機構の動作制御手順を示すフローチャートである。 図1の制御装置で行う開度調整機構の動作制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について説明する。まず、図1の説明図を参照して、本発明の一実施形態に係るコントローラとこれによって可変ノズルベーンの開度を調整するアクチュエータの動作を制御する容量可変型過給機の概略構成を説明する。
なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図1に示す本実施形態の過給機(ターボーチャージャ)1は、請求項中の可変容量型過給機に相当するもので、排気ガスが供給されるタービンインペラ2と、タービンインペラ2の外周にこれを囲むように、排気ガスが流通するガス流路3に配置された複数のノズルベーン4(請求項中の可変ノズルベーンに相当)と、ノズルベーン4のそれぞれを所定軸回りに回転可能に支持する支持機構5と、支持機構5に支持されたノズルベーン4を所定軸回りに回転する(開閉駆動する)アクチュエータユニット6と、アクチュエータユニット6の駆動を制御するアクチュエータコントロールユニット8(請求項中の可変容量型過給機用コントローラに相当)とを備えている。
アクチュエータコントロールユニット8は、不図示の車両に設けられてエンジンの動作を制御するエンジンコントロールユニット(ECU)30に、CAN(Controller Area Network )20を介して接続されている。アクチュエータコントロールユニット8は、車両のイグニッション(IGN)スイッチがオンであるときに、不図示のバッテリからの動作用電源が供給されて作動する。
また、IGNスイッチがSTARTポジションとなり、不図示のセルモータによりエンジンが始動されると、IGNスイッチがオフされてエンジンが停止するまで、アクチュエータコントロールユニット8には、ノズルベーン4の目標開度の指令信号等がECU30から周期的に入力される。一方、不図示のエンジンが作動している間、アクチュエータコントロールユニット8からは、アクチュエータユニット6によるノズルベーン4の開閉駆動のエラー通知信号等がECU30に対して出力される。
なお、アクチュエータコントロールユニット8には、時間を計測可能なタイマーIC9と、過給機1の動作に関する各種情報を記憶した記憶装置10とがローカル接続されている。
本実施形態においては、過給機1には、例えば特開2000−265846号公報に開示されているように、エンジンからの排気ガスが供給される。過給機1は、タービンインペラ2を収容するタービンハウジング(図示せず)を備えており、ガス流路3は、タービンハウジングとタービンインペラ2との間において、タービンインペラ2を囲むように環状に形成されている。エンジンからの排気ガスは、ハウジングに形成された導入口を介して、ガス流路3に供給される。過給機1のタービンインペラ2には、ガス流路3を介して、エンジンからの排気ガスが供給される。
タービンインペラ2は、エンジンから供給される排気ガスによって回転し、そのタービンインペラ2に一端が連結された軸部材Jを回転させる。軸部材Jの中間部は、タービンハウジングに連設されたベアリングハウジングにおいて軸受部材(図示せず)により回転可能に軸支されている。軸部材Jの他端は、圧縮機(図示せず)のコンプレッサインペラ(図示せず)に連結されている。
コンプレッサインペラは、ベアリングハウジングに連設されたコンプレッサハウジング(図示せず)に収容されており、軸部材Jが回転してコンプレッサハウジング内でコンプレッサインペラが回転することによって、圧縮機が作動する。圧縮機は、気体を圧縮可能であり、圧縮機のコンプレッサインペラによって圧縮された高圧の気体は、エンジンに供給される。本実施形態においては、軸部材JはX軸とほぼ平行に延在している。
ノズルベーン4は、タービンインペラ2を囲むように、排気ガスが流通するガス流路3に複数配置されている。ノズルベーン4のそれぞれは、支持軸51を回転中心として回転可能であり、回転することによって、排気ガスが流通するガス流路3の大きさ(有効面積)を調整可能である。すなわち、本実施形態の過給機1は、タービンインペラ2を囲むようにガス流路3に配置され、そのガス流路3の大きさを調整するために可動な複数のノズルベーン4を備えた、いわゆるマルチベーン方式の過給機である。本実施形態においては、支持軸51はX軸とほぼ平行であり、ノズルベーン4のそれぞれは、X軸とほぼ平行な支持軸51を回転中心として回転(傾斜)する(図1中、矢印K1参照)。
支持機構5は、ノズルベーン4に接続された支持軸51と、支持軸51を回転可能に支持する支持プレート52とを備えている。ノズルベーン4は、支持軸51の一端に固定されている。支持プレート52は、タービンインペラ2を囲むように、過給機1のハウジングに固定されている。支持軸51は、支持プレート52に形成された孔の内側に、回転可能に配置されている。
アクチュエータユニット6は、支持軸51にその一端が接続されたアーム部材61と、アーム部材61の他端に形成された開口(凹部)61Kの内側に配置され、その開口61Kの内側で可動なジョイント部材62と、ジョイント部材62を支持する駆動プレート(駆動リング)63と、駆動プレート63を移動可能なアクチュエータ64とを備えている。
アーム部材61は、支持軸51の他端に固定されている。アーム部材61は、YZ平面内(支持軸51によって形成されるノズルベーン4の回転軸とほぼ垂直な平面内)において、略Y字状であり、支持軸51に固定された固定部61Aと、軸部材Jに対して固定部61Aよりも離れた位置に配置され、開口(凹部)61Kが形成された二股部61Bとを含む。
駆動プレート63は、支持プレート52をガイドとして環状に形成されている。駆動プレート63は、アーム部材61に対して可動である。駆動プレート63は、タービンインペラ2とほぼ同心に配置されており、X軸とほぼ平行な軸部材Jを回転中心として回転(傾斜)可能である。
ジョイント部材62は、駆動プレート63に固定されており、アーム部材61の開口61Kの内側に配置される。本実施形態においては、ジョイント部材62は、YZ平面内(支持軸51によって形成されるノズルベーン4の回転軸とほぼ垂直な平面内)において矩形状(長方形状、又は正方形状)である。
また、アクチュエータユニット6は、アクチュエータ64に接続された作動軸65と、作動軸65に駆動レバー66を介して接続されたアーム部材67と、駆動プレート63の所定位置に固定され、アーム部材67に形成された開口67Kの内側に配置されるジョイント部材68とを備えている。
本実施形態においては、アクチュエータ64は、回転モータ(図示せず)を含む。アクチュエータコントロールユニット8は、所定の電力供給装置からアクチュエータ64に電力を供給することによって、そのアクチュエータ64を駆動する。回転モータを含むアクチュエータ64が駆動することによって、作動軸65が移動する。本実施形態においては、アクチュエータ64が駆動することによって、作動軸65が、Z軸方向に移動する(図1中、矢印K2参照)。
アクチュエータ64が作動し、作動軸65が移動することによって、アーム部材67が、回転軸69を回転中心としてθX方向に回転(傾斜)し、そのアーム部材67の回転(移動)に伴って、駆動プレート63が、支持プレート52に対して、軸部材Jを回転中心として回転(傾斜)する(図1中、矢印K3、K4参照)。
ジョイント部材62は駆動プレート63に接続されており、アクチュエータ64によって駆動プレート63が軸部材Jを回転中心としてθX方向に回転すると、その駆動プレート63の回転に伴って、ジョイント部材62が駆動プレート63と一緒に、軸部材Jを回転中心としてθX方向に移動する。ジョイント部材62がθX方向に移動すると、アーム部材61の二股部61Bは、ジョイント部材62に押されて、θX方向に移動する。アーム部材61の回転中心は支持軸51であり、ジョイント部材62の移動に伴って、アーム部材61は、支持軸51を回転中心としてθX方向に回転(傾斜)する。
上述のように、ノズルベーン4は支持軸51の一端に固定され、アーム部材61は支持軸51の他端に固定されており、ノズルベーン4と支持軸51とアーム部材61とは一体である。したがって、アーム部材61が回転すると、そのアーム部材61の回転に伴って、支持軸51がアーム部材61と一緒に、θX方向に回転するとともに、その支持軸51の回転に伴って、ノズルベーン4が支持軸51と一緒に、支持軸51を回転中心としてθX方向に回転(傾斜)する。
このように、アクチュエータコントロールユニット8は、アクチュエータ64を駆動することによって、駆動プレート63、ジョイント部材62、及びアーム部材61を介して、ノズルベーン4を、支持軸51を回転中心として、θX方向に回転(傾斜)することができる。したがって、本実施形態においては、支持機構5と、アクチュエータユニット6のアーム部材61、ジョイント部材62、及び、駆動プレート63とによって、各ノズルベーン4をリンクして開度調整可能とする開度調整機構が構成されている。
本実施形態においては、駆動プレート63の回転方向(θX方向)におけるジョイント部材62の外側面62Sと、そのジョイント部材62の外側面62Sと対向するアーム部材61の開口61Kの内側面61Tとは、ほぼ平行である。そして、ジョイント部材62がθX方向に移動すると、アーム部材61の開口61Kの内側面61Tがジョイント部材62の外側面62Sに押され、アーム部材61の二股部61BがθX方向に移動する。
ジョイント部材62の外側面62Sとアーム部材61の開口61Kの内側面61Tとがほぼ平行であるので、ジョイント部材62の外側面62Sと、アーム部材61の開口61Kの内側面61Tとの接触面積が大きくなる。これにより、駆動プレート63の回転方向(θX方向)に関して、ジョイント部材62からアーム部材61に対して力を良好に伝達することができる。
また、本実施形態においては、アクチュエータユニット6は、アーム部材67の回転を所定範囲内に規制するためのストッパ部材70を備えている。本実施形態においては、ストッパ部材70は、ハウジングの所定位置に固定されており、例えば、ノズルベーン4の全開位置と全閉位置とにおいて、アーム部材67が各ストッパ部材70に当接する。
アクチュエータ64は、ノズルベーン4の開度(回転位置)を検出する検出装置(図示せず)を内蔵している。この検出装置は、ノズルベーン4のゼロ点から回転モータの回転量及び回転方向を累積することで、ノズルベーン4の開度(回転位置)を検出する。
ノズルベーン4のゼロ位置は、例えば、エンジン停止時にアクチュエータユニット6により強制移動される全開位置とすることができる。回転モータの回転量及び回転方向は、例えば、回転モータの出力軸に連結されたエンコーダが出力するエンコーダパルスから、マイクロコンピュータ等を用いて検出することができる。
また、検出装置は、回転モータがステッピングモータである場合は、回転モータの回転中に非励磁状態の励磁コイルに発生する誘導起電力から、マイクロコンピュータ等を用いて回転モータの回転量及び回転方向を検出することもできる。
検出装置が検出したノズルベーン4の開度(回転位置)は、アクチュエータ64からアクチュエータコントロールユニット8に通知される。
アクチュエータ64は、不図示のエンジンの始動や停止がECU30からアクチュエータコントロールユニット8に通知された場合に、アクチュエータコントロールユニット8の制御により、イニシャライズ動作を行う。イニシャライズ動作では、アクチュエータ64は、ノズルベーン4の全開位置に対応するストッパ部材70にアーム部材67が当接して回転しなくなるまで回転モータを回転させる。そして、アクチュエータ64は、回転モータの回転停止を検出装置により検出し、そのときの制御上のノズルベーン4の開閉位置をゼロ点(全開位置)にリセットする。
アクチュエータコントロールユニット8は、ECU30からノズルベーン4の目標開度の指令が入力されると、アクチュエータ64の検出装置が検出したノズルベーン4の開度(回転位置)と目標開度とから、回転モータの回転方向及び回転量を決定し、決定した回転方向及び回転量で回転モータを回転させるための駆動信号をアクチュエータ64に出力する。
なお、ECU30が指令するノズルベーン4の制御上の目標開度の分解能と、アクチュエータ64の回転モータが実際に調整するノズルベーン4の開度の分解能とは異なる。そこで、アクチュエータコントロールユニット8は、記憶装置10に記憶されたテーブルを用いて、ECU30から指令された制御上の目標開度の分解能を、回転モータの回転により実現されるノズルベーン4の実際の開度の分解能に変換し、これを、アクチュエータ64に出力する。
次に、過給機1の動作の一例について説明する。ここで、以下の説明においては、各部材が、図中、Y軸からZ軸へ向かう向き(−X方向から各部材を見た場合、時計回り)への回転方向を適宜、+θX方向、と称し、その逆方向(−X方向から各部材を見た場合、反時計回り)を適宜、−θX方向、と称する。
アクチュエータコントロールユニット8は、例えば、駆動プレート63が+θX方向に回転するように、アクチュエータ64を駆動する(図1中、矢印K3参照)。支持プレート52に対して駆動プレート63が+θX方向に回転すると、ジョイント部材62がアーム部材61の二股部61Bを+θX方向に移動する。アーム部材61の二股部61Bが+θX方向に移動すると、そのアーム部材61が支持軸51を回転中心として+θX方向に回転し、ノズルベーン4も+θX方向に回転する。ノズルベーン4のそれぞれが+θX方向に回転することによって、互いに隣り合うノズルベーン4どうしが離れ、ガス流路3の大きさ(有効面積)が大きくなる。
一方、アクチュエータコントロールユニット8は、駆動プレート63が−θX方向に回転するように、アクチュエータ64を駆動する(図1中、矢印K4参照)。支持プレート52に対して駆動プレート63が−θX方向に回転すると、ジョイント部材62がアーム部材61の二股部61Bを−θX方向に移動する。アーム部材61の二股部61Bが−θX方向に移動すると、そのアーム部材61が支持軸51を回転中心として−θX方向に回転し、ノズルベーン4も−θX方向に回転する。ノズルベーン4のそれぞれが−θX方向に回転することによって、互いに隣り合うノズルベーン4どうしが近づき、ガス流路3の大きさ(有効面積)が小さくなる。
本実施形態においては、エンジンからの排気ガスは、ガス流路3を介して、図1中、破線矢印Fで示す方向に流れ、タービンインペラ2に供給される。ノズルベーン4によってガス流路3の有効面積が大きくなると、排気ガスはタービンインペラ2に流入し易くなる。一方、ノズルベーン4によってガス流路3の有効面積が小さくなると、排気ガスはタービンインペラ2に流入し難くなる。
アクチュエータコントロールユニット8は、例えばエンジンの回転数等、エンジンの運転状態に応じて、ガス流路3に配置されているノズルベーン4のそれぞれを支持軸51を回転中心として回転し、タービンインペラ2に供給される排気ガスが流通するガス流路3の大きさ(有効面積)を調整する。例えば、アクチュエータコントロールユニット8は、排気ガスの流量が多くなる高負荷・高回転領域において、ガス流路3の有効面積を大きくするように、ノズルベーン4を+θX方向に回転させる。一方、アクチュエータコントロールユニット8は、排気ガスの流量が少なくなる低負荷・低回転領域において、ガス流路3の有効面積を小さくするように、ノズルベーン4を−θX方向に回転させる。
ところで、過給機1のタービンハウジング内には、エンジンの停止中に、排気ガス中の水分が結露して溜まったり、洗車時や降雨時に外部から侵入した水分が溜まったりすることがある。そして、過給機1を例えば寒冷地で使用すると、タービンハウジング内の水分が凍結して、例えば駆動プレート63が、アクチュエータユニット6のアクチュエータ64の回転モータを動かしても回転できない状態に固定される等、水分の凍結により開度調整機構の部分が動かなくなる可能性がある。
この凍結した水分は、例えば、タービンハウジングに高温の排気ガスを導入し続ければ、やがてその温度により溶かすことができる。そこで、本実施形態では、不図示のエンジンの始動から暫くの間は、アクチュエータ64によってノズルベーン4が回転できなくても、水分の凍結による動作不良か、それとも、機構的な障害による動作不良かを確認する動作が行われるような制御を、アクチュエータコントロールユニット8に行わせるようにした。
以下、アクチュエータコントロールユニット8が行うアクチュエータ64の動作制御手順の概要を、過給機1を搭載した車両において発生する事象を交えて、図2及び図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、図2に示すステップS1乃至ステップS11において、初期設定が行われる。この初期設定では、具体的には、不図示の車両においてKey−ONされて(ステップS1)、アクチュエータコントロールユニット8に対する給電(通電)が開始されると(ステップS3)、アクチュエータコントロールユニット8は、イニシャライズ動作を行わせるためにアクチュエータユニット6のアクチュエータ(電動Act)64に対する通電を開始する(ステップS5)。
なお、本実施形態においては、車両のKey−ON、即ち、車両のIGNスイッチのONやアクセサリ(ACC)スイッチのONを、アクチュエータコントロールユニット8によるアクチュエータ64の動作制御の開始時点としている。しかし、過給機1の仕様や使用環境等の条件等に応じて、車両のKey−ON以外の任意の時点を、アクチュエータコントロールユニット8によるアクチュエータ64の動作制御の開始時点としてもよい。例えば、エンジンの始動時点やエンジン回転数が一定値に達したことの検出時等を、アクチュエータコントロールユニット8によるアクチュエータ64の動作制御の開始時点とすることもできる。
また、アクチュエータコントロールユニット8は、タイマーIC9を用いてエンジン(Eng)始動直後判定カウンタのカウントを開始する(ステップS7)。その後、イニシャライズ動作が完了(イニシャライズ成立)すると(ステップS9)、ECU30からの指令に基づいて、ノズルベーン4をアクチュエータ64により目標開度に回転させる制御を開始する(ステップS11)。
次に、アクチュエータコントロールユニット8は、アクチュエータ64の動作を制御するモードを凍結判定制御モードとする。凍結判定制御モードでは、アクチュエータコントロールユニット8は、ECU30からの指令ではなく自身で決定した内容でアクチュエータ64の動作を制御する。
そして、図2に示すステップS13乃至ステップS23の凍結判定制御モードにおいては、開度調整機構の凍結判定が行われる。この凍結判定では、まず、前半のステップS13乃至ステップS17において、開度調整機構の動作状態の検出が行われ、検出された動作状態が正常状態でなかった場合に、後半のステップS19乃至ステップS23において、その原因が開度調整機構の凍結であると仮定して、凍結状態の解消処理が行われる。
そして、前半の開度調整機構の動作状態の検出処理では、具体的には、アクチュエータコントロールユニット8は、まず、エンジン(Eng)始動直後判定カウンタでカウントしている時間が、判定カウント時間に達したか否かを確認する(ステップS13)。このカウンタがカウントする時間は、ステップS1におけるKey−ON(アクチュエータコントロールユニット8によるアクチュエータ64の動作制御の開始)からの経過時間である。
なお、判定カウント時間は、後半に行う凍結状態の解消処理において、開度調整機構の凍結を解消するのに必要な時間以上の長さに設定される。この判定カウント時間の長さは、過給機1の仕様や使用環境等の条件に応じて、計算や実験結果に基づいて決定することができる。
判定カウント時間に達した場合は(ステップS13でYES)、後述するステップS25に移行し、達していない場合は(ステップS13でNO)、アクチュエータ64の駆動トルクを、開度調整機構を通常動作させるときの駆動トルクに設定し、その駆動トルクでアクチュエータ64を動作させる(ステップS15)。
なお、アクチュエータ64の駆動トルクは、例えば、図2のステップS15に示すように、アクチュエータ64に印加する電圧をスイッチング信号で制御し、スイッチング信号の周期に対するオン又はオフ時間の比(デューティー比)を調整することで、任意の値に設定することができる。
続いて、アクチュエータコントロールユニット8は、アクチュエータ64の検出装置の検出結果から、判定カウント時間よりも短い判定期間の間にノズルベーン4が目標開度に追従(到達)したか否かを確認する(ステップS17)。
ここで、判定期間は、各ノズルベーン4が目標開度に到達するまでに要する所要時間に、若干のマージンを加えた時間に設定される。また、目標開度までの所要時間は、ステップS15で設定したデューティー比の通電によりアクチュエータ64が開度調整機構を介して各ノズルベーン4を回転させた場合の、目標開度への到達に要した時間とする。
そして、判定期間の間にノズルベーン4が目標開度に追従した場合は(ステップS17でYES)、ステップS25に処理を移行し、追従していない場合は(ステップS17でNO)、アクチュエータコントロールユニット8は、ステップS19以降の凍結状態の解消処理に進む。
ステップS19では、アクチュエータコントロールユニット8は、アクチュエータ64の駆動トルク(例えば、アクチュエータ64に対する通電のデューティー比)について、ステップS15で設定した通常動作時の駆動トルクよりも低い値の上限を設定する。つまり、凍結状態の解消処理(ステップS19〜ステップS23)におけるアクチュエータ64の駆動トルクの上限(開始期間中以外のアクチュエータの駆動トルクの上限)を、通常動作時の駆動トルク(の上限)よりも低い値に制限する。そして、凍結解消動作をアクチュエータ64に行わせる。
ここで、通常動作時の駆動トルクよりも低い値に上限を制限するアクチュエータ64の駆動トルク(例えば、アクチュエータ64に対する通電のデューティー比)は、仮に開度調整機構が動かない動作不良状態であったとしても、開度調整機構の各部に損傷が生じない程度の値に設定される。このアクチュエータ64の駆動トルクの上限は、過給機1の仕様や使用環境等の条件に応じて、計算や実験結果に基づいて決定することができる。
ステップS19においてアクチュエータ64に行わせる凍結解消動作とは、アクチュエータ64の検出装置の検出結果から、ノズルベーン4が一定時間内(例えば、1秒)に一定量回転したことが確認できるようになるまで、アクチュエータ64によりノズルベーン4を全開方向と全閉方向とに交互に回転させる動作である。この動作により発生する振動等の影響を受けて、開度調整機構の凍結状態の解消が促進される。
そして、アクチュエータコントロールユニット8は、エンジン(Eng)始動直後判定カウンタでカウントしている時間が、判定カウント時間に達したか否かを確認する(ステップS21)。達した場合は(ステップS21でYES)、開度調整機構が凍結状態でないと判定して凍結状態の解消処理を終了し、ステップS25以降の通常処理に移行する。
一方、判定カウント時間に達していない場合は(ステップS21でNO)、アクチュエータコントロールユニット8は、アクチュエータ64の検出装置の検出結果から、ノズルベーン4が目標開度に追従(到達)したか否かを確認する(ステップS23)。ここでの判定期間も、ステップS17における判定期間と同じ時間とすることができる。
そして、判定期間の間にノズルベーン4が目標開度に追従した場合は(ステップS23でYES)、開度調整機構の凍結状態が溶解により解消したものとして、ステップS25以降の通常処理に移行する。また、追従していない場合は(ステップS23でNO)、開度調整機構の凍結状態の解消処理を引き続き実行するために、ステップS19にリターンする。
以上に説明したステップS19乃至ステップS23において、凍結状態の解消処理を行っている間、過給機1のノズルベーン4やその開度調整機構部分を、不図示のエンジンからの排気ガスが通過する。したがって、開度調整機構が凍結状態にある場合は、ステップS19乃至ステップS23において、排気ガスの熱によって凍結状態の解消が図られることになる。
図3に示すステップS25以降の通常処理では、開度調整機構の動作不良の検出とその通知の各処理を行う。具体的には、ステップS25において、アクチュエータコントロールユニット8は、タイマーIC9を用いたエンジン(Eng)始動直後判定カウンタにおけるエンジン始動からの時間のカウントを終了して、エンジン始動から判定カウント時間が経過したか否かの判定を終了(OFF)する。続いて、アクチュエータ64の動作を制御するモードを凍結判定制御モードから通常制御モードに移行する(ステップS27)。
通常制御モードでは、アクチュエータコントロールユニット8は、ノズルベーン4の開度調整機構が凍結状態でないものとして、ECU30からの指令に基づいてアクチュエータ64の動作を制御する。
詳しくは、アクチュエータコントロールユニット8は、通常制御モードにおいて、ECU30からの目標開度とアクチュエータ64の検出装置の検出結果から、アクチュエータ64の回転モータの回転方向及び回転量を決定し、決定した回転方向及び回転量で回転モータを回転させるための駆動信号をアクチュエータ64に出力する。なお、通常制御モードへの移行時には、アクチュエータ64の駆動トルクがデフォルトの値に設定される。
そして、アクチュエータコントロールユニット8は、アクチュエータ64の動作が正常でないと判断するために、判定期間の間にノズルベーン4が目標開度に追従したか否かを確認する(ステップS29)。判定期間の間にノズルベーン4が目標開度に追従(到達)した場合は、アクチュエータコントロールユニット8は、ステップS29をリピートする。
一方、判定期間の間にノズルベーン4が目標開度に追従(到達)しなかった場合は(ステップS29でNO)、アクチュエータ64の動作に異常が検出された(動作不良を検出した)ものとして、ECU30に過給機1のエラー通知を行い(ステップS31)、一連の処理を終了する。
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、図2のフローチャートにおけるステップS1が、アクチュエータコントロールユニット8によるアクチュエータ64の動作制御の開始を判定する処理に対応する。また、本実施形態では、ステップS13乃至ステップS23が、開度調整機構の凍結状態を判定する処理に対応する。このうち、ステップS13乃至ステップS17が、開度調整機構の動作状態を検出する処理に対応し、ステップS19乃至ステップS23が、開度調整機構の凍結解消処理に対応する。
また、本実施形態では、図3のフローチャートにおけるステップS29が、開度調整機構の動作不良を検出する処理に対応し、ステップS31が、開度調整機構の動作エラーを通知する処理に対応する。
さらに、図2のステップS15及びステップS19の記載からも明らかなように、本実施形態では、アクチュエータコントロールユニット8がアクチュエータ64の駆動トルクを制御している。
したがって、本実施形態では、請求項中の開始判定部、トルク制御部、凍結判定部、動作不良検出部、エラー通知部、動作状態検出部、及び、凍結解消処理部が、アクチュエータコントロールユニット8によって構成されている。
以上に説明した本実施形態のアクチュエータコントロールユニット8では、通常処理において開度調整機構の動作不良の検出が行われる。そして、動作不良が検出されると、そのことがアクチュエータコントロールユニット8からECU30にエラー通知として通知される。エラー通知を受けたECU30は、例えばエンジンの燃焼室に噴射される燃料をカットする等のフェールセーフの制御を行う。
また、通常処理に移行する前のエンジン始動直後(アクチュエータコントロールユニット8によるアクチュエータ64の動作制御の開始期間)において、アクチュエータコントロールユニット8は、ノズルベーン4の開度調整機構のアクチュエータ64(の回転モータ)による動作状態が正常状態でないと判定した場合(判定期間の間にノズルベーン4が目標開度に追従(到達)しない場合)に、開度調整機構の凍結解消処理を行う。
このため、エンジンの始動直後に、開度調整機構の動作状態が正常状態でないと判定され、その原因が、エンジンの停止中にタービンハウジング内に溜まった水分により開度調整機構が凍結しているからである場合は、排気ガスの熱によりタービンハウジング内の凍結した水分を溶かして蒸発させることができる。よって、アクチュエータ64が凍結したままの開度調整機構を無理に動作させようとして損傷させるのを避けることができる。
一方、ノズルベーン4やそのリンク機構の動作性の低下が原因で開度調整機構に動作エラーが生じた場合は、開度調整機構の凍結状態の解消処理(図2のステップS19乃至ステップS23)が行われている間に、ノズルベーン4や開度調整機構にエンジンの排気ガスを通過させても、動作エラーが解消しない。このため、通常処理(図3のステップS25以降)に移行して開度調整機構の動作不良の検出処理(図3のステップS29)の結果を受けて、開度調整機構の動作エラーがアクチュエータコントロールユニット8からECU30に通知される。
したがって、エンジンの停止中にタービンハウジング内に溜まった水分が、ノズルベーン4の開度調整機構の周辺において凍結してしまっても、開度調整機構が損傷するのを避けるようにすることができる。
なお、本実施形態では、図2のステップS17において、エンジンの始動直後にノズルベーン4が判定期間中に目標開度に追従(到達)しない場合は、開度調整機構の凍結状態の解消を促進するために、図2のステップS19において、アクチュエータ64の駆動トルクの上限を通常動作時の駆動トルクよりも低い値に制限して凍結解消動作をアクチュエータ64に実行させる構成とした。
しかし、タービンインペラ2に供給されたエンジンの排気ガスの熱が、タービンインペラ2から開度調整機構やその周辺の部分にそれらの凍結状態を緩和あるいは解消させるのに足りる熱量で伝わる構造であるならば、図2のステップS19において、凍結解消動作をアクチュエータ64に実行させなくてもよい。
その場合は、凍結解消動作をアクチュエータ64に実行させる代わりに、図2のステップS19において、例えば、一定時間放置した後に再度、ノズルベーン4が判定期間中に目標開度に追従したか否かを確認するようにしてもよい。
また、タービンインペラ2から開度調整機構やその周辺の部分に、開度調整機構やその周辺の部分の凍結状態を緩和あるいは解消させるのに足りる熱量の熱が伝わる構造であるか否かに関係なく、図2のステップS17においてノズルベーン4が目標開度に追従(到達)しないときに、図2のステップS19においてアクチュエータ64に凍結解消動作を実行させる構成を省略するようにしてもよい。
さらに、上述した凍結解消動作を行う場合、アクチュエータ64の駆動トルクの上限を通常動作時の駆動トルクよりも低い値に制限して凍結解消動作をアクチュエータ64に実行させる時間は、一定であってもよく、例えば凍結解消動作を繰り返す場合は、凍結解消を積極的に図るために、繰り返し回数が増すにつれて実行時間を長くするようにしてもよい。
また、凍結解消動作をアクチュエータ64に実行させる際のアクチュエータ64の駆動トルクは、通常よりも低い一定の値であってもよく、例えば凍結解消動作を繰り返す場合は、凍結解消を積極的に図るために、繰り返し回数が増すにつれて駆動トルクを許容範囲内で高くする等、駆動トルクを変化させるようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、アクチュエータ64の動作に異常が検出された(動作不良を検出した)際のECU30に対する過給機1のエラー通知を、図3のステップS27においてアクチュエータコントロールユニット8の制御モードが凍結判定制御モードから通常制御モードに移行した後に行う構成とした。しかし、ECU30に対する過給機1のエラー通知は、アクチュエータコントロールユニット8の制御モードが凍結判定制御モードである間に行ってもよい。
その場合は、例えば、図2のステップS21で、エンジン(Eng)始動直後判定カウンタでカウントしている時間が判定カウント時間に達した場合(YES)に、アクチュエータ64の動作に異常が検出された(動作不良を検出した)ものとして、ECU30に過給機1のエラー通知を行えばよい。
また、本実施形態で説明した通常制御モードは、アクチュエータコントロールユニット8の制御モードの一つとして存在しても存在しなくてもよい。したがって、アクチュエータコントロールユニット8の制御モードが凍結判定制御モードである間に、ECU30に対する過給機1のエラー通知を行う場合、凍結判定制御モードの終了後にアクチュエータコントロールユニット8の制御モードは、凍結判定制御モードから通常制御モードとは内容が異なる他の制御モードに移行してもよい。
その場合にも、凍結判定制御モードにおけるアクチュエータ64の駆動トルクの上限は、凍結判定制御モードから移行する他の制御モードにおけるアクチュエータ64の駆動トルクの上限(開始期間中以外のアクチュエータの駆動トルクの上限)よりも低い値に設定される。
1 過給機
2 タービンインペラ
3 ガス流路
4 ノズルベーン
5 支持機構
6 アクチュエータユニット
8 アクチュエータコントロールユニット
9 タイマーIC
10 記憶装置
20 CAN(Controller Area Network )
30 エンジンコントロールユニット
51 支持軸
52 支持プレート
61 アーム部材
61A 固定部
61B 二股部
61K 開口
61T 内側面
62 ジョイント部材
62S 外側面
63 駆動プレート
64 アクチュエータ
65 作動軸
66 駆動レバー
67 アーム部材
67K 開口
68 ジョイント部材
69 回転軸
70 ストッパ部材
J 軸部材

Claims (3)

  1. エンジンに供給される空気を過給する可変容量型過給機のタービンインペラ外周に配置された可変ノズルベーンの開度調整機構のアクチュエータによる動作を、前記エンジンの駆動を制御するエンジンコントロールユニットからの指令に基づいて制御する可変容量型過給機用のコントローラにおいて、
    前記コントローラによる前記アクチュエータの動作制御の開始を判定する開始判定部と、
    前記アクチュエータの駆動トルクを制御するトルク制御部と、
    前記開始判定部の判定結果に基づき、前記コントローラによる前記アクチュエータの動作制御の開始から一定時間経過までの開始期間において、前記トルク制御部により前記駆動トルクの上限を制限した状態で、前記開度調整機構の凍結状態を判定する凍結判定部と、
    前記開始判定部の判定結果に基づき、前記開始期間の終了後に、前記開度調整機構の動作不良を検出する動作不良検出部と、
    前記開度調整機構の動作不良を検出した場合に、前記エンジンコントロールユニットに前記開度調整機構の動作エラーを通知するエラー通知部と、
    を備えることを特徴とする可変容量型過給機用コントローラ。
  2. 前記凍結判定部は、前記開始期間中に前記開度調整機構の動作状態を検出する動作状態検出部と、前記開始期間中において、前記動作状態が正常状態でないことを検出した後に、前記エンジンの排気ガスにより前記開度調整機構を加熱する凍結解消処理を行う凍結解消処理部とを有しており、前記動作不良検出部は、前記動作状態が正常状態であることを検出した後と、前記開始期間の終了後に、前記開度調整機構の動作不良を検出することを特徴とする請求項1記載の可変容量型過給機用コントローラ。
  3. タービンインペラ外周に配置された可変ノズルベーンの開度調整機構のアクチュエータの動作が、エンジンの駆動を制御するエンジンコントロールユニットからの指令に基づいてコントローラにより制御される可変容量型過給機であって、
    前記コントローラとして用いられる請求項1又は2記載の可変容量形過給機用コントローラのトルク制御部によって、前記アクチュエータの駆動トルクが制御される、
    ことを特徴とする可変容量型過給機。
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