JP2009299571A - 内燃機関の動弁システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、バルブ開弁特性を速やかに変更する必要が生じた場合に、バルブ開弁特性の変更に伴う制御パラメータの変更を適正なタイミングで行える技術の提供を課題とする。
【解決手段】本発明は、複数のカムが軸方向に配列されたカムピースを軸方向へスライドさせることにより、バルブ駆動用のカムを切り換える内燃機関の動弁システムにおいて、前記カムピースのスライド動作が実際に完了したタイミングを特定し、特定されたタイミングに従って内燃機関の燃焼に係わる制御パラメータを変更するようにした。
【選択図】図7

Description

本発明は、バルブの開弁特性を切り換えることができる内燃機関の動弁システムに関する。
バルブの開弁特性を変更する可変動弁機構と、EGR(Exhaust Gas Recirculation)
機構と、を備えた内燃機関において、可変動弁機構の故障時にEGR弁の開度を減少させる技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2001−303999号公報 特表2006−520869号公報
ところで、フェイル発生時やフューエルカット運転開始時等は、バルブ開弁特性の速やかな切り換えが必要になる。そのような場合は、バルブ開弁特性の切換タイミングに応じて他の制御パラメータ(例えば、EGRガス量、蒸発燃料のパージ量等)も変更する必要が生じる。
本発明は、上記したような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バルブ開弁特性を速やかに変更する必要が生じた場合に、バルブ開弁特性の変更に伴う制御パラメータの変更を適正なタイミングで行える技術の提供にある。
本発明は、上記した課題を解決するために、複数のカムが軸方向に配列されたカムピースを軸方向へスライドさせることにより、バルブ駆動用のカムを切り換える内燃機関の動弁システムにおいて、前記カムピースのスライド動作が実際に完了したタイミングを特定するようにした。
詳細には、本発明は、バルブの開弁特性を変更可能な内燃機関の動弁システムにおいて、
複数のカムが軸方向に配列されたカムピースを軸方向へスライドさせることにより、バルブ駆動用のカムを切り換える可変動弁機構と、
前記カムピースがスライド動作したか否かを判別するとともに、前記スライド動作が完了するタイミングを特定する特定手段と、
を備えるようにした。
バルブの開弁特性が切り換えられた場合は、それに応じて内燃機関の燃焼に係わる制御パラメータも変更する必要が生じる。例えば、バルブの開弁特性が切り換えられると、吸入空気量が変化するため、それに応じて燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期、EGRガス量、蒸発燃料のパージ量などを変更する必要がある。
上記したような制御パラメータは、バルブ開弁特性が正常に切り換わったタイミングを基準にして変更される必要がある。バルブ開弁特性が正常に切り換わらない場合、又はバルブ開弁特性が切り換わったタイミングと上記制御パラメータの変更タイミングとが不適当になった場合は、内燃機関の燃焼安定性が損なわれてエミッションの増加や内燃機関の停止(エンジンストール)が誘発される。
これに対し、本発明の内燃機関の動弁システムによれば、カムピースが正常にスライド動作したか否かを判別することができるとともに、カムピースのスライド動作完了タイミングを特定することができる。つまり、本発明にかかる内燃機関の動弁システムによれば、上記制御パラメータの変更タイミングを決定する際の基準値(カムピースのスライド動作完了タイミング)を特定することができる。その結果、バルブ開弁特性の変更に伴う制御パラメータの変更を適正なタイミングで行えるようになる。
本発明にかかる内燃機関の動弁システムは、特定手段によりカムピースがスライド動作したと判定された場合に、該特定手段により特定されたタイミングに従って内燃機関の燃焼に係わる制御パラメータを変更する制御手段をさらに備えるようにしてもよい。
かかる構成によると、バルブ開弁特性が正常に切り換わったタイミングに基づいて上記したような制御パラメータが変更されるため、内燃機関のエミッション増加やドライバビリティ悪化を抑制することが可能になる。
また、本発明にかかる内燃機関の動弁システムは、フェイル発生時にバルブ駆動用カムを切り換えるべく前記可変動弁機構の制御を試行する試行手段をさらに備え、
特定手段は、前記試行手段により前記可変動弁機構の制御が試行された時に、カムピースがスライド動作したか否かを判別するとともに、前記スライド動作の完了タイミングを特定し、
制御手段は、特定手段により前記カムピースがスライド動作したと判定された場合に、該特定手段により特定されたタイミングに従って上記した制御パラメータを変更するようにしてもよい。
ここでいうフェイルは、可変動弁機構のフェイルや、可変動弁機構に併設される各種センサのフェイルを含む。
上記したようなフェイルが発生した場合は、バルブ開弁特性を速やかに切り換えることにより、内燃機関を退避運転(車両を退避走行させるための低負荷運転)させることが望ましい。しかしながら、可変動弁機構がバルブ開弁特性を正常に切り換えることができるか否か予測することは困難である。仮に、可変動弁機構がバルブ開弁特性を正常に切り換えることが可能な場合であっても、バルブ開弁特性の変更タイミングに対して上記した制御パラメータの変更タイミングが不適当になると、内燃機関が停止する可能性もある。
これに対し、本発明にかかる内燃機関の動弁システムによれば、カムピースが正常にスライド動作可能な場合に、該スライド動作の完了タイミングに従って上記した制御パラメータが変更されることになる。このため、内燃機関の退避運転を可及的に継続させることができる。
尚、本発明にかかる制御手段は、特定手段によってカムピースが正常にスライド動作しないと判定された場合は、内燃機関の運転を直ちに停止させるようにしてもよい。
本発明は、内燃機関がフューエルカット運転される場合にも適用することができる。内燃機関がフューエルカット運転される時に、吸気バルブおよび/または排気バルブが開閉動作すると、新気(多量の酸素を含有した空気)が排気浄化装置(三元触媒や吸蔵還元型NOx触媒等)を通過することになる。このため、排気浄化装置に担持された貴金属触媒が酸化し、該排気浄化装置の浄化性能が劣化或いは低下する可能性があった。
従って、内燃機関がフューエルカット運転される時は、吸気バルブおよび/または排気バルブの開弁特性を速やかに変更することにより、排気浄化装置を通過する空気量を可及
的に低減することが好ましい。しかしながら、バルブ開弁特性が切り換わる前に他の制御パラメータが変更されると、エミッションの悪化やドライバビリティの低下を招く可能性がある。
そこで、本発明にかかる内燃機関の動弁システムは、内燃機関がフューエルカット運転される時にバルブ駆動用カムを切り換えるべく前記可変動弁機構を制御する切換制御手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記切換制御手段により前記可変動弁機構が制御された時に、前記カムピースがスライド動作したか否かを判別するとともに、前記スライド動作の完了タイミングを特定し、
前記制御手段は、前記特定手段により前記カムピースがスライド動作したと判定された場合に、該特定手段により特定されたタイミングに従って前記制御パラメータの値をフューエルカット運転に適した値へ変更するようにしてもよい。
かかる構成によれば、バルブ開弁特性が正常に切り換わったタイミングに基づいて制御パラメータが変更されるため、エミッションの悪化やドライバビリティの低下を抑制することができる。
本発明にかかる可変動弁機構は、カムの回転力を利用して前記カムピースを軸方向へスライドさせるアクチュエータを具備する機構であってもよい。その場合、特定手段は、前記アクチュエータに対する制御開始タイミングとカムの回転速度とに基づいて、カムピースのスライド動作完了タイミングを特定することができる。また、アクチュエータの負荷は、カムピースが正常にスライド動作した場合とカムピースが正常にスライド動作しない場合とにおいて相違する大きさになる。よって、特定手段は、アクチュエータの負荷に基づいて、前記カムピースが正常にスライド動作したか否かを判別するようにしてもよい。
上記したようなアクチュエータとしては、例えば、前記カムピースと連動する回転体の外周面に螺旋状に形成された螺旋状溝と、前記螺旋状溝に対して進入/退去自在な可動ピンと、前記可動ピンを進退駆動させる駆動部と、を具備するものを挙げることができる。
この場合、特定手段は、前記駆動部の負荷に基づいて、前記カムピースが正常にスライド動作したか否かを判別することができる。例えば、駆動部が可動ピンを前記螺旋状溝へ進入させるべく動作すると、可動ピンが先ず前記回転体の周面に当接する。そして、前記回転体の回転によって可動ピンの位置と螺旋状溝の基端の位置とが一致すると、可動ピンが螺旋状溝内へ進入する。その後に可動ピンの位置と螺旋状溝の終端の位置とが一致すると、可動ピンが螺旋状溝内から回転体の周面へ押し戻されることになる。
上記したような過程において、可動ピンが螺旋状溝内へ進入する前の期間(すなわち、可動ピンが回転体の周面に当接している期間)は、可動ピンの進出量が回転体の周面によって制限されるため、駆動部の負荷が増加する。可動ピンが螺旋状溝内へ進入すると、上記した制限が解除されるため、駆動部の負荷が増加傾向から減少傾向へ転じる。そして、可動ピンが螺旋状溝内から回転体の周面へ押し戻される時は、可動ピンの進出量が強制的に減少させられるため、駆動部の負荷が減少傾向から再び増加傾向へ変化する。
このようにカムピースが正常にスライド動作した時には、駆動部の負荷が特異な変化を示す。これに対し、カムピースが正常にスライド動作しない時は、駆動部の負荷が略一定の値を示したり、単調増加したりすると考えられる。よって、駆動部の負荷が上記したように変化していれば、カムピースが正常にスライド動作しているとみなすことができる。
尚、本発明にかかる内燃機関の動弁システムにおいて、バルブ開弁特性を速やかに変更
する場合として、フェイル発生時とフューエルカット運転開始時を挙げたが、フューエルカット運転終了時、減筒運転(複数の気筒のうち一部の気筒のみ運転)の開始時、減筒運転の終了時などにおいても、制御手段は、特定手段により特定されたタイミングに従って、上記したような制御パラメータの変更タイミングを定めることができる。
また、本発明は、内燃機関と独立した原動機によってカムが回転又は揺動される動弁システムに好適である。その際の原動機としては、電動モータや圧力モータなどを例示することができる。
本発明によれば、バルブ開弁特性を速やかに変更する必要が生じた場合に、バルブ開弁特性が正常に変更されたタイミングを特定することができるため、バルブ開弁特性の変更に伴う制御パラメータの変更を適正なタイミングで行えるようになる。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、相対位置等は、別段の記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明にかかる内燃機関の動弁システムを適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4ストローク・サイクルの火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)である。
内燃機関1は、4つの気筒2を備えている。気筒2内には、ピストン3が摺動自在に内装されている。ピストン3は、コネクティングロッド4を介してクランクシャフト5と連結されている。
気筒2の内部(燃焼室)は、吸気ポート6及び排気ポート7と連通している。気筒2内における吸気ポート6の開口端は、吸気バルブ8により開閉される。気筒2内における排気ポート7の開口端は、排気バルブ9により開閉される。吸気バルブ8と排気バルブ9は、吸気側駆動機構10と排気側駆動機構11とにより各々開閉駆動される。
前記吸気ポート6は、吸気通路60と連通している。前記吸気通路60には、前記吸気ポート6へ向けて燃料を噴射する燃料噴射弁12が取り付けられている。吸気通路60は、新気(空気)を吸気ポート6へ導く通路である。吸気ポート6へ導かれた吸気は、吸気バルブ8の開弁時に気筒2内へ吸入される。その際、燃料噴射弁12から吸気ポート6へ噴射された燃料も吸気とともに気筒2内へ吸入される。
気筒2内に導かれた燃料及び吸気(混合気)は、点火プラグ13が発生する火花を火種として燃焼される。気筒2内で燃焼されたガス(既燃ガス)は、排気バルブ9の開弁時に排気ポート7へ排出される。排気ポート7は排気通路70と連通しており、前記した既燃ガスが排気ポート7から排気通路70を介して大気中へ排出される。
このように構成された内燃機関1には、ECU14が併設されている。ECU14は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等から構成される電子制御ユニットである。ECU14は、クランクポジションセンサ15、水温センサ16、イグニッションスイッチ17等の各種センサと電気的に接続されている。
ECU14は、前記した各種センサの測定値に基づいて燃料噴射弁12、点火プラグ13、吸気側駆動機構10、及び排気側駆動機構11を電気的に制御する。
ここで、図2に基づいて吸気側駆動機構10の構成を説明する。図2は吸気側駆動機構10の構成を示す図である。図2中の#1〜♯4は、内燃機関1の1番気筒から4番気筒を各々表している。尚、1番気筒(#1)から4番気筒(#4)の燃焼順序は、1番気筒(#1)→3番気筒(#3)→4番気筒(#4)→2番気筒(#2)である。
吸気側駆動機構10は、第1吸気カムシャフト80と第2吸気カムシャフト81を備えている。これら第1吸気カムシャフト80と第2吸気カムシャフト81とは同軸に配置されている。また、第1吸気カムシャフト80と第2吸気カムシャフト81とは、互いに独立して回転可能且つ軸方向へスライド可能な状態で内燃機関1に支持されている。
第1吸気カムシャフト80には、1番気筒(#1)の吸気バルブ8を開閉するためのカムグループ82と4番気筒(#4)の吸気バルブ8を開閉駆動するためのカムグループ82とが設けられている。
各カムグループ82は、カムプロフィールが異なる2つのカム82a、82bを軸方向に配列して構成されている。図2に示す例では、カム82aのカムプロフィールは、カム82bのカムプロフィールよりバルブリフト量が多くなるように形成されている。さらに、カム82bのカムプロフィールは、ピストン3が上死点に位置する時に吸気バルブ8のリフト量が最大になってもバルブスタンプが発生しないように形成されている。
一方、第2吸気カムシャフト81には、2番気筒(#2)の吸気バルブ8を開閉駆動するためのカムグループ83と3番気筒(#3)の吸気バルブ8を開閉駆動するためのカムグループ83とが設けられている。
各カムグループ83は、カムプロフィールが異なる2つのカム83a,83bを軸方向に配列して構成されている。図2に示す例では、カム83aのカムプロフィールは、カム83bのカムプロフィールよりバルブリフト量が多くなるように形成されている。さらに、カム83bのカムプロフィールは、ピストン3が上死点に位置する時に吸気バルブ8のリフト量が最大になってもバルブスタンプが発生しないように形成されている。
尚、カム82aとカム83aは、同等のカムプロフィールを有するものとする。カム82bとカム83bも、同等のカムプロフィールを有するものとする。
以下、第1吸気カムシャフト80に設けられたカムグループ82を第1カムグループ82と称し、第2吸気カムシャフト81に設けられたカムグループ83を第2カムグループ83と称する。また、第1カムグループ82のカム82aを第1高リフトカム82aと称し、カム82bを第1低リフトカム82bと称する。さらに、第2カムグループ83のカム83aを第2高リフトカム83aと称し、カム83bを第2低リフトカム83bと称する。
各気筒2には、2本の吸気バルブ8が設けられている。各気筒2の2本の吸気バルブ8は、1つのバルブリフタ84と連結されている。各バルブリフタ84は、図示しないバルブスプリングの付勢力によって第1カムグループ82の何れか一方のカム、又は第2カムグループ83の何れか一方のカムに押し付けられている。
第1吸気カムシャフト80の一端には、第1ドリブンギア85が取り付けられている。第1吸気カムシャフト80は、第1ドリブンギア85に対して軸方向へスライド自在であり且つ周方向へ回転不能である。すなわち、第1吸気カムシャフト80と第1ドリブンギア85とは周方向へ一体的に回転可能であり且つ軸方向へ相対移動可能である。第1ドリ
ブンギア85は、第1モータ18の出力軸に固定された第1出力ギア19と噛合している。
この場合、第1モータ18の回転トルクは、第1ドリブンギア85及び第1出力ギア19を介して第1吸気カムシャフト80へ伝達される。よって、第1モータ18は、第1ドリブンギア85及び第1出力ギア19を介して第1吸気カムシャフト80を周方向へ回転させることができる。
このようにして第1吸気カムシャフト80が回転させられると、第1カムグループ82の何れか一方のカムがバルブリフタ84を介して1番気筒(#1)及び4番気筒(#4)の吸気バルブ8を開閉可能となる。
尚、前記した第1モータ18には、該第1モータ18の出力軸の回転位置を検出する第1レゾルバ20が取り付けられている。第1レゾルバ20の検出信号は、ECU14に入力されるようになっている。また、第1吸気カムシャフト80には、該第1吸気カムシャフト80の回転位置を判別するための第1カムポジションセンサ300が取り付けられている。第1カムポジションセンサ300の検出信号は、ECU14に入力されるようになっている。
一方、第2吸気カムシャフト81の外周面の一部には、第2ドリブンギア86が同軸に取り付けられている。第2吸気カムシャフト81は、第2ドリブンギア86に対して軸方向へスライド自在であり且つ周方向へ回転不能である。すなわち、第2吸気カムシャフト81と第2ドリブンギア86とは周方向へ一体的に回転可能であり且つ軸方向へ相対移動可能である。第2ドリブンギア86は、中間ギア87と噛合している。中間ギア87は、第2モータ21の出力軸に固定された第2出力ギア22と噛合している。
この場合、第2モータ21の回転トルクは、第2ドリブンギア86、中間ギア87、及び第2出力ギア22を介して第2吸気カムシャフト81へ伝達される。よって、第2モータ21は、第2ドリブンギア86、中間ギア87、及び第2出力ギア22を介して第2吸気カムシャフト81を周方向へ回転させることができる。
このようにして第2吸気カムシャフト81が回転させられると、第2カムグループ83の何れか一方のカムがバルブリフタ84を介して2番気筒(#2)及び3番気筒(#3)の吸気バルブ8を開閉させる。
尚、第2モータ21には、該第2モータ21の出力軸の回転位置を検出する第2レゾルバ23が取り付けられている。第2レゾルバ23の検出信号は、ECU14に入力されるようになっている。また、第2吸気カムシャフト81には、該第2吸気カムシャフト81の回転位置を判別するための第2カムポジションセンサ310が取り付けられている。第2カムポジションセンサ310の検出信号は、ECU14に入力されるようになっている。
ところで、上記した吸気側駆動機構10において、高リフトカム82a,83aと低リフトカム82b,83bとの切り換えを行う場合は、第1吸気カムシャフト80及び第2吸気カムシャフト81を軸方向へスライドさせる必要がある。
しかしながら、第1吸気カムシャフト80及び第2吸気カムシャフト81のスライドは、吸気バルブ8の開弁期間中に行うことができない。これは、吸気バルブ8の開弁期間中に第1吸気カムシャフト80又は第2吸気カムシャフト81をスライドさせようとすると、高リフトカム82a,83a又は低リフトカム82b,83bのカムノーズがバルブリ
フタ84に干渉してしまうからである。よって、第1吸気カムシャフト80及び第2吸気カムシャフト81のスライドは、吸気バルブ8の閉弁期間中に行う必要がある。
図3は、第1吸気カムシャフト80と第2吸気カムシャフト81の位相を示すタイミングチャートである。尚、図3中において、破線は高リフトカム82a,83aの位相を示し、実線は低リフトカム82b,83bの位相を示している。また、図3に示す例では、高リフトカム82a,83aの作用角と低リフトカム82b,83bの作用角とは同一(90度)である。
図3において、第1吸気カムシャフト80のカム82a,82bにより開閉駆動される吸気バルブ8(1番気筒(#1)及び4番気筒(#4)の吸気バルブ8)の閉弁期間(図3中のL2,L4)と、第2吸気カムシャフト81のカム83a,83bにより開閉駆動される吸気バルブ8(2番気筒(#2)及び3番気筒(#3)の吸気バルブ8)の閉弁期間(図3中のL1,L3)とは重複しない。
従って、第1吸気カムシャフト80と第2吸気カムシャフト81とを同時にスライドさせることはできない。そこで、第1吸気カムシャフト80と第2吸気カムシャフト81との各々にアクチュエータ24a,24bが取り付けられるようにした。
以下では、第1吸気カムシャフト80を軸方向へスライドさせるためのアクチュエータ24aを第1アクチュエータ24aと称し、第2吸気カムシャフト81を軸方向へスライドさせるためのアクチュエータ24bを第2アクチュエータ24bと称する。
ここで、第1アクチュエータ24aの構成について述べる。第2アクチュエータ24bの構成は第1アクチュエータ24aの構成と同様であるため、説明を省略する。
図4は、第1アクチュエータ24aの構成を示す図である。図4に示す第1アクチュエータ24aは、第1吸気カムシャフト80の回転方向に働く力(言い換えれば、第1モータ18の発生動力及び第1吸気カムシャフト80の回転慣性力)の一部を利用して該第1吸気カムシャフト80を軸方向へスライドさせるアクチュエータである。
図4において、第1吸気カムシャフト80の外周面には、周方向へ螺旋状に延在する螺旋状溝801が形成されている。また、螺旋状溝801の近傍の内燃機関1には、該螺旋状溝801の内部に対して進入/退去可能な可動ピン240と、該可動ピン240を前記螺旋状溝801へ進入させるための動力を発生する駆動部241と、が配置されている。
前記した螺旋状溝801は、図5に示すように、第1吸気カムシャフト80により開閉される吸気バルブ8の閉弁期間(例えば、図3中のL2又はL4)中に該第1吸気カムシャフト80が回転する範囲Lc(90度)に設けられる。
すなわち、第1吸気カムシャフト80の回転方向(図5中の矢印Rnが示す方向)における螺旋状溝801の基端の位置は、1番気筒(#1)の吸気バルブ8が閉弁する位置IVC1(若しくは4番気筒(#4)の吸気バルブ8が閉弁する位置IVC4)と一致する。また、第1吸気カムシャフト80の回転方向Rnにおける螺旋状溝801の終端の位置は、4番気筒(#4)の吸気バルブ8が開弁する位置IVO4(若しくは1番気筒(#1)の吸気バルブ8が開弁する位置IVO1)と一致する。
螺旋状溝801の基端及び終端において、第1吸気カムシャフト80の外周面802と螺旋状溝801の底面801aとは、緩やかに傾斜した緩斜面801bによって連続している。
尚、第1吸気カムシャフト80の軸方向において、螺旋状溝801の基端と終端とのオフセット量は、第1吸気カムシャフト80のスライド量(言い換えれば、軸方向における第1高リフトカム82aと第1低リフトカム82bとの相対距離)と同量である。
このように構成された第1アクチュエータ24aにおいて、第1吸気カムシャフト80が図4及び図5に示した回転方向Rnへ回転している時に、駆動部241が可動ピン240を進出させる。可動ピン240は、先ず第1吸気カムシャフト80の周面に当接する。そして、第1吸気カムシャフト80の回転によって周方向における可動ピン240の位置と螺旋状溝801の基端の位置とが一致すると、可動ピン240の先端が螺旋状溝801内に進入する。
可動ピン240の先端が螺旋状溝801内に進入した状態で第1吸気カムシャフト80が回転し続けると、図6に示すように、第1吸気カムシャフト80が可動ピン240の位置を基準にして軸方向(図6中の矢印X1が示す方向)へスライドする。
その後、周方向における可動ピン240の位置と螺旋状溝801の終端の位置とが一致すると、可動ピン240が前記した緩斜面801bによって徐々に退行させられ、最終的には第1吸気カムシャフト80の外周面802の位置まで退行させられる。その結果、第1吸気カムシャフト80のスライド動作が完了する。
尚、第1吸気カムシャフト80を前記したスライド方向X1と逆方向へスライドさせる場合は、第1吸気カムシャフト80が前記した回転方向Rnと逆方向へ回転している時に駆動部241が可動ピン240を進出させればよい。その場合、可動ピン240は螺旋状溝801内を終端から基端へ逆行するため、第1吸気カムシャフト80が前記スライド方向X1と逆方向へスライドすることになる。
但し、第1吸気カムシャフト80が逆回転不可能な場合は、可動ピンと螺旋状溝との組合せが2組取り付けられるようにしてもよい。その場合の2つの螺旋状溝は、互いに対称な形状を有するものとする。
また、第1高リフトカム82aの作用角と第1低リフトカム82bの作用角とが相違する場合は、各々のカムの位相に適した螺旋状溝を設けるようにしてもよく、或いは螺旋状溝の形状を作用角が大きい方のカムの位相に適合させるようにしてもよい。尚、第1低リフトカム82bが零リフトカムである場合は、螺旋状溝と可動ピンとの組合せは1組で足りる。
以上述べた第1アクチュエータ24aによれば、第1吸気カムシャフト80の回転方向に働く力の一部を利用して該第1吸気カムシャフト80を軸方向へスライドさせることができる。従って、駆動部241は、可動ピン240を進出させる動力のみを発生させればよいことになる。その結果、第1アクチュエータ24aの小型化を図ることができるとともに、第1アクチュエータ24aの作動に起因した消費エネルギ量を少なくすることができる。
また、第1吸気カムシャフト80が軸方向へスライドするタイミングは螺旋状溝801の配置及び形状によって必然的に決まるため、ECU14は第1アクチュエータ24aの作動タイミング(駆動部241が可動ピン240を進出させるタイミング)を1番気筒(#1)の吸気バルブ8が閉弁するタイミングIVC1(若しくは4番気筒(#4)の吸気バルブ8が閉弁するタイミングIVC4)と同期させる必要もない。その結果、第1アクチュエータ24aの制御ロジックも簡素化することが可能になる。
さらに、第1吸気カムシャフト80を軸方向へスライドさせるための動力として該第1吸気カムシャフト80の回転方向に作用する力(第1モータ18の発生動力及び第1吸気カムシャフト80の回転慣性力)を利用するため、第1吸気カムシャフト80のスライド動作は該第1吸気カムシャフト80の回転速度が高くなるほど速くなる。その結果、第1吸気カムシャフト80の回転速度が高い時(言い換えれば、機関回転数が高い時)であっても、第1高リフトカム82aと第1低リフトカム82bとの切り換えを速やかに行うことが可能となる。
このように構成された動弁システムにおいて、第1吸気カムシャフト80及び第2吸気カムシャフト81は、本発明にかかるカムピースに相当する。また、第1吸気カムシャフト80と第1アクチュエータ24aとの組合せ、及び第2吸気カムシャフト81と第2アクチュエータ24bとの組合せは、本発明にかかる可変動弁機構に相当する。
ところで、動弁システムにフェイルが発生した場合は、ピストン3と吸気バルブ8との干渉(バルブスタンプ)を避けつつ内燃機関1を退避運転させることが望ましい。その際、吸気バルブ8の開弁特性が切り換わったタイミングに基づいて、内燃機関1の燃焼に係わる制御パラメータも変更する必要がある。
内燃機関1が退避運転される場合は、燃焼安定性を可及的に高める必要があるため、EGR停止、蒸発燃料のパージ停止、排気浄化装置(三元触媒や吸蔵還元型NOx触媒等)の再生処理停止、或いは過給機による過給停止等を図ることが好ましい。つまり、吸気バルブ8の開弁特性が切り換えられる場合は、目標EGRガス量、目標パージ量、目標燃料噴射量、目標燃料噴射時期、目標点火時期、目標過給圧等の制御パラメータも変更することが望ましい。
しかしながら、上記したような各種制御パラメータが不用意に変更されると、内燃機関1の燃焼安定性が却って損なわれ、内燃機関1が退避運転を継続することができなくなる可能性もある。
そこで、本実施例の内燃機関の動弁システムは、吸気バルブ8の開弁特性が正常に切り換わったタイミングに基づいて、上記した各種制御パラメータの値を変更するようにした。
以下、動弁システムにフェイルが発生した場合の制御手順について図7に沿って説明する。図7は、フェイル発生時の制御ルーチンを示すフローチャートである。この制御ルーチンは、予めECU14のROMに記憶されているルーチンであり、ECU14によって周期的に実行される。
図7の制御ルーチンにおいて、ECU14は先ずS101の処理を実行する。S101では、ECU14は、フェイル検出処理を実行する。
具体的には、ECU14は、第1カムポジションセンサ300及び第2カムポジションセンサ310が正常であるか否か、第1モータ18及び第2モータ21の要求トルクが適正であるか否か、第1モータ18及び第2モータ21の温度が適正であるか否か、第1モータ18及び第2モータ21の印加電圧又は印加電流が適正であるか否か、第1モータ18及び第2モータ21の回転速度と目標回転速度との差が許容範囲に収まっているか否か、第1レゾルバ20及び第2レゾルバ23が正常であるか否か、等の判別処理を行う。
S102では、ECU14は、前記S101のフェイル検出処理においてフェイルが検
出されたか否かを判別する。S102において否定判定された場合は、ECU14は本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、S102において肯定判定された場合は、ECU14はS103へ進む。
S103では、ECU14は、前記S101で検出されたフェイル発生状態が所定時間以上継続しているか否かを判別する。これは、S101のフェイル検出処理に利用される信号が外乱等の影響により一時的に異常な値を示したのか、或いは故障・異常により信号が異常な値を示したのかを判別するためである。
S103において否定判定された場合は、ECU14は本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、S103において肯定判定された場合は、ECU14はS104へ進む。
S104では、ECU14は、第1モータ18および/または第2モータ21の回転速度を制御可能であるか否かを判別する。
第1モータ18および/または第2モータ21の回転速度を制御可能なフェイルとしては、第1カムポジションセンサ300および/または第2カムポジションセンサ310の異常、第1モータ18および/または第2モータ21の要求トルクの異常、第1モータ18および/または第2モータ21の温度の異常、第1モータ18および/または第2モータ21の印加電圧の異常、第1モータ18および/または第2モータ21の印加電流の異常、第1モータ18および/または第2モータ21の回転速度の過上昇、等を例示することができる。
一方、第1モータ18および/または第2モータ21の回転速度を制御不可能なフェイルとしては、第1レゾルバ20および/または第2レゾルバ23の異常、或いは、第1モータ18および/または第2モータ21の駆動回路や電力供給系の異常、等を例示することができる。
S104において肯定判定された場合は、ECU14はS105へ進む。S105では、ECU14は、第1吸気カムシャフト80および/または第2吸気カムシャフト81の位相とクランクシャフト5の位相とが同期しているか否かを判別する。この判別は、第1レゾルバ20および/または第2レゾルバ23の検出信号とクランクポジションセンサ15の検出信号とを参照して行われる。
S105において肯定判定された場合は、バルブスタンプが発生する可能性がある。このため、ECU14は、S106において、低リフトカム82b,83bがバルブ駆動用カムとなるように第1アクチュエータ24aおよび/または第2アクチュエータ24bを制御する。尚、フェイル発生時のバルブ駆動用カムが低リフトカム82b,83bである場合は、ECU14は、S106の処理をスキップしてもよい。
S107では、ECU14は、バルブ駆動用カムの切り換えが正常に完了したか否かを判別する。すなわち、ECU14は、第1吸気カムシャフト80及び第2吸気カムシャフト81が正常にスライド動作を完了したか否かを判別する。
前記した判別は、ECU14が第1アクチュエータ24a及び第2アクチュエータ24bの制御を開始した時点から所定期間内における第1アクチュエータ24a及び第2アクチュエータ24bの負荷に基づいて行われる。所定期間は、正常時のスライド動作に要する時間である。
図8は、第1吸気カムシャフト80が正常にスライド動作した場合における第1アクチ
ュエータ24aの負荷(駆動部241の要求負荷)を示す図である。尚、第1アクチュエータ24aの駆動部241は、電力を動力源として可動ピン240を駆動するものとする。
図8において、ECU14から駆動部241へ制御信号が送信されると(図8中のt1)、駆動部241の駆動電流が増加し始める。次いで、可動ピン240が第1吸気カムシャフト80の周面に当接すると(図8中のt2)、可動ピン240の進出量が制限されるため、駆動部241の駆動電流の増加率が高くなる。続いて、可動ピン240の位置と螺旋状溝801の基端の位置とが一致すると(図8中のt3)、可動ピン240が螺旋状溝801内に進入可能になるため、駆動部241の駆動電流が増加傾向から減少傾向へ変化する。その後、可動ピン240の位置と螺旋状溝801の終端の位置とが一致(スライド動作完了)すると(図8中のt4)、可動ピン240が螺旋状溝801内から第1吸気カムシャフト80の周面へ押し戻されるため、駆動部241の駆動電流が減少傾向から増加傾向に変化する。
このように第1吸気カムシャフト80が正常にスライド動作すると、駆動部241の負荷(駆動電流)が特異な変化を示す。これに対し、第1吸気カムシャフト80が正常にスライド動作しない場合は、駆動部241の負荷が一定値を示したり、単調に増加したりする。
従って、ECU14は、前記したt1からt4までの期間(所定期間)における第1アクチュエータ24aの負荷をモニタすることにより、第1吸気カムシャフト80が正常にスライド動作したか否かを判別することができる。
また、ECU14は、前記t1からt3までの期間において駆動部241の負荷が増加しており、且つ前記t3からt4までの期間において駆動部241の負荷が減少していることを条件に、第1吸気カムシャフト80が正常にスライド動作したと判定してもよい。
さらに、ECU14は、前記t1からt4までの期間において、極大値(図8中t3における負荷の値)と極小値(図8中t4における負荷の値)とが検出されたことを条件に、第1吸気カムシャフト80が正常にスライド動作したと判定してもよい。
前記したt1、t2、t3、t4のタイミングは、第1吸気カムシャフト80の回転速度によって変化する。第1吸気カムシャフト80の回転速度は、第1レゾルバ20の測定値から演算することができる。よって、ECU14は、第1レゾルバ20の測定値に応じて前記所定期間(或いは、t2、t3、t4のタイミング)を特定してもよい。
尚、ECU14は、第2吸気カムシャフト81が正常にスライド動作したか否かについても同様の手順で判別を行うものとする。
ここで図7に戻り、ECU14は、前記S107において第1吸気カムシャフト80及び第2吸気カムシャフト81のスライド動作が正常に完了したと判定された場合は、S108へ進む。
S108では、ECU14は、内燃機関1を退避運転させるべく各種制御パラメータを変更する。例えば、ECU14は、機関回転数の許容上限値を低下させて内燃機関1の運転を継続する。さらに、ECU14は、目標EGRガス量、目標パージ量、及び目標過給圧を零に設定する。尚、アフター噴射や点火遅角などを利用した排気浄化装置の再生処理が行われていた場合は、ECU14は、アフター噴射を停止するとともに点火時期を標準の点火時期に戻す。
このような方法により内燃機関1が退避運転されると、機関回転数の低下に伴い、第1モータ18及び第2モータ21の回転速度が低下するため、第1モータ18および/または第2モータ21の要求トルクの異常、第1モータ18および/または第2モータ21の温度の異常、第1モータ18および/または第2モータ21の印加電圧の異常、第1モータ18および/または第2モータ21の印加電流の異常、或いは、第1モータ18および/または第2モータ21の回転速度の過上昇等が解消される可能性がある。さらに、EGR処理の停止、パージ処理の停止、過給機による過給停止、及び排気浄化装置の再生処理停止により、内燃機関1の燃焼安定性を確保することが可能となる。その結果、内燃機関1が退避運転を継続しやすくなる。
ECU14は、前記S108の処理を実行し終えた場合、或いは前記S105において否定判定した場合に、S109へ進む。S109では、ECU14は、動弁システムが正常な状態に復旧したか否かを判別する。すなわち、ECU14は、前記S101で検出されたフェイルが継続しているか否かを判別する。
S109において動弁システムが正常な状態に復旧したと判定された場合は、ECU14は、S110へ進む。S110では、ECU14は、内燃機関1の運転状態及び動弁システムの運転状態を通常の運転状態に復帰させる。その際、バルブ駆動用カムの切り換えが必要であれば、ECU14は、S107,S108の処理と同様に、第1吸気カムシャフト80及び第2吸気カムシャフト81のスライド動作を確認した上で、制御パラメータを変更する。
尚、前記したS104、S107、或いはS109において否定判定された場合は、ECU14は、S111へ進む。S111では、ECU14は、内燃機関1の運転及び動弁システムの運転を停止させる。その際、ECU14は、内燃機関1を搭載した車両の運転者へ故障の発生及び内燃機関1の運転停止を報知することが好ましい。この報知方法としては、車室内に設けられた音声出力装置や表示装置を利用する方法が考えられる。
このようにECU14が図7の制御ルーチンを実行すると、本発明にかかる特定手段、試行手段、及び制御手段が実現される。その結果、第1吸気カムシャフト80及び第2吸気カムシャフト81が正常にスライド動作した場合には、内燃機関1の好適な退避運転を実現することが可能となる。
尚、本実施例では、動弁システムのフェイル発生時を例に挙げたが、吸気バルブ8の開閉動作を休止させる場合や、吸気バルブ8を休止状態から復帰させる場合等においても、第1吸気カムシャフト80及び第2吸気カムシャフト81のスライド動作が完了したタイミングに従って、燃料噴射や点火の停止/再開が行われてもよい。
また、本実施例では、内燃機関と独立した原動機(第1モータ18、第2モータ21)によりカムが回転される動弁システムを例に挙げたが、内燃機関の出力軸(クランクシャフト)によってカムが回転される動弁システムにも適用可能であることは勿論である。
本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。 第1の実施例における吸気側駆動機構の概略構成を示す図である。 第1吸気カムシャフト及び第2吸気カムシャフトの位相を示すタイミングチャートである。 第1アクチュエータの構成を示す図である。 螺旋状溝の形状及び配置を示す図である。 第1アクチュエータの動作を示す図である。 動弁システムにフェイルが発生した時にECUが実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。 第1吸気カムシャフトが正常にスライド動作した場合における第1アクチュエータの負荷を示す図である。
符号の説明
1・・・・・内燃機関
2・・・・・気筒
5・・・・・クランクシャフト
6・・・・・吸気ポート
7・・・・・排気ポート
8・・・・・吸気バルブ
9・・・・・排気バルブ
10・・・・吸気側駆動機構
11・・・・排気側駆動機構
12・・・・燃料噴射弁
13・・・・点火プラグ
14・・・・ECU
15・・・・クランクポジションセンサ
16・・・・水温センサ
18・・・・第1モータ
19・・・・第1出力ギア
20・・・・第1レゾルバ
21・・・・第2モータ
22・・・・第2出力ギア
23・・・・第2レゾルバ
24a・・・第1アクチュエータ
24b・・・第2アクチュエータ
25・・・・スライド機構
60・・・・吸気通路
70・・・・排気通路
80・・・・第1吸気カムシャフト
81・・・・第2吸気カムシャフト
82・・・・第1カムグループ
82a・・・第1高リフトカム
82b・・・第1低リフトカム
83・・・・第2カムグループ
83a・・・第2高リフトカム
83b・・・第2低リフトカム
84・・・・バルブリフタ
85・・・・第1ドリブンギア
86・・・・第2ドリブンギア
87・・・・中間ギア
100・・・支持部材
100a・・条溝
240・・・可動ピン
241・・・駆動部
300・・・第1カムポジションセンサ
310・・・第2カムポジションセンサ
801・・・螺旋状溝
801a・・底面
801b・・緩斜面
802・・・外周面
810・・・溝
811・・・突起

Claims (9)

  1. バルブの開弁特性を変更可能な内燃機関の動弁システムにおいて、
    複数のカムが軸方向に配列されたカムピースを軸方向へスライドさせることにより、バルブ駆動用のカムを切り換える可変動弁機構と、
    前記カムピースがスライド動作したか否かを判別するとともに、前記スライド動作が完了するタイミングを特定する特定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の動弁システム。
  2. 請求項1において、前記特定手段により前記カムピースがスライド動作したと判定された場合に、該特定手段により特定されたタイミングに従って内燃機関の燃焼に係わる制御パラメータを変更する制御手段をさらに備えることを特徴とする内燃機関の動弁システム。
  3. 請求項2において、フェイル発生時にバルブ駆動用カムを切り換えるべく前記可変動弁機構の制御を試行する試行手段をさらに備え、
    前記特定手段は、前記試行手段により前記可変動弁機構の制御が試行された時に、前記カムピースがスライド動作したか否かを判別するとともに、前記スライド動作の完了タイミングを特定し、
    前記制御手段は、前記特定手段により前記カムピースがスライド動作したと判定された場合に、該特定手段により特定されたタイミングに従って前記制御パラメータを変更することを特徴とする内燃機関の動弁システム。
  4. 請求項3において、前記制御手段は、前記特定手段により前記カムピースがスライド動作しないと判定された場合は、内燃機関の運転を停止させることを特徴とする内燃機関の動弁システム。
  5. 請求項2において、前記内燃機関がフューエルカット運転される時にバルブ駆動用カムを切り換えるべく前記可変動弁機構を制御する切換制御手段をさらに備え、
    前記特定手段は、前記切換制御手段により前記可変動弁機構が制御された時に、前記カムピースがスライド動作したか否かを判別するとともに、前記スライド動作の完了タイミングを特定し、
    前記制御手段は、前記特定手段により前記カムピースがスライド動作したと判定された場合に、該特定手段により特定されたタイミングに従って前記制御パラメータの値をフューエルカット運転に適した値へ変更することを特徴とする内燃機関の動弁システム。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項において、前記可変動弁機構は、カムの回転力を利用して前記カムピースを軸方向へスライドさせるアクチュエータを具備し、
    前記特定手段は、前記アクチュエータに対する制御開始タイミングとカムの回転速度とに基づいて、前記スライド動作の完了タイミングを特定することを特徴とする内燃機関の動弁システム。
  7. 請求項6において、前記特定手段は、前記アクチュエータの負荷に基づいて、前記カムピースがスライド動作したか否かを判別することを特徴とする内燃機関の動弁システム。
  8. 請求項7において、前記アクチュエータは、前記カムピースと連動する回転体の外周面に螺旋状に形成された螺旋状溝と、前記螺旋状溝に対して進入/退去自在な可動ピンと、前記可動ピンを進退駆動させる駆動部と、を具備し、
    前記特定手段は、前記駆動部の負荷の履歴に基づいて、前記カムピースがスライド動作したか否かを判別することを特徴とする内燃機関の動弁システム。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項において、前記カムは、前記内燃機関と独立した原動機によって回転或いは揺動されることを特徴とする内燃機関の動弁システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2014163314A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Mazda Motor Corp エンジンの動弁装置
JP2016536511A (ja) * 2013-10-30 2016-11-24 アーファオエル・リスト・ゲーエムベーハー アクチュエーター装置を監視するための方法及びアセンブリ

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