JP6185256B2 - 金属製箱体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、種々の物品を収容可能な金属製箱体及びその製造方法に関する。
従来、種々の物品を収容可能な金属製箱体として、プレス機によって金属板を絞り加工して形成された箱体が広く用いられている。しかし、ステンレスやチタンなどの一般的に延性の低い金属材料では、いわゆる深絞り成形を高精度で行うことが困難な場合がある。そこで、金属板を折り曲げて、断面コ字状の部材と断面L字状の部材とをそれぞれ成形した後、これらを溶接してなる箱体が特許文献1に開示されている。この構成では、絞り加工を要しないため、肉厚のばらつきが抑えられる。しかし、この場合には、箱体の長辺部及び短辺部の両方を溶接しなければならず溶接長さが比較的長くなる。そのため、この箱体において高い気密性を確保するためには、その溶接部に高い信頼性が求められる。これにより、高い気密性が要求される箱体を製造するにあたっては、溶接長さが短い方が容易となる。
一方、特許文献2には、一枚の金属製の平板からなるとともに、矩形の底部と、底部の各長辺部にそれぞれ立設される一対の矩形の長壁部と、底部の各短辺部にそれぞれ立設される一対の矩形の短壁部とを備える角型の筐体(箱体)が開示されている。この構成では、一対の長壁部は底部の長辺から折り曲げられて形成され、一対の短壁部は一対の長壁部のそれぞれの両側辺から折り曲げられて互いに溶接されるとともに、底部にも溶接されている。この構成によれば、長壁部が折り曲げによって形成されるため、溶接長さを短くすることができる。そのため、箱体において高い気密性の確保が容易となり、高い信頼性を得やすい。また、溶接長さが短くて済むため、溶接作業を軽減でき、当該箱体の生産性が高まる。
特開2002−198011号公報 特開2013−8665号公報
しかし、特許文献2の構成では、底部と短壁部との接合が角(かど)継手での溶接によりなされているため、箱体の気密性について高い信頼性を確保するには、接合部に高い溶接精度が求められることとなる。このような構成において、高い溶接精度を得るためには、箱体の形成材料である金属板(ブランク)を厚肉にすることが考えられるが、箱体の重量増加や製造コストの増加などのデメリットが生じる。また、高い溶接精度を得るためには、溶接位置精度の向上や溶接部の形状精度の向上のほか、溶接速度を十分落とすことなどが考えられるが、これらは生産性の低下を招く。それゆえ、気密性について高い信頼性を確保しつつ、高い生産性が得られる金属製箱体を製造するには、さらなる改善の余地があった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、気密性についての信頼性が高く、生産性にも優れる金属製箱体及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、底部と、該底部の外周縁から立設した側壁部とを一枚の金属板から形成してなる金属製箱体であって、
上記底部と上記側壁部との境界部分は、両者を折り曲げてなる折り曲げ境界部と、両者を溶接してなる溶接境界部とからなり、
該溶接境界部の少なくとも一部においては、上記底部と上記側壁部のうち少なくとも一方を変形させることにより両者の端部を揃えて両者を面状に重ね合わせてなる重合部が設けられ、該重合部の上記端部を溶接してなるへり継手溶接部が形成されており、
上記底部は互いに対向する2つの短辺と、互いに対向する2つの長辺とを有する長四角形状をなしており、
上記折り曲げ境界部は、上記2つの長辺にそれぞれ形成されており、
上記溶接境界部は、上記2つの短辺と、上記底部に垂直な方向から見て上記2つの短辺の各両端から上記底部の角部を含むとともに上記折り曲げ境界部に平行に延びて上記折り曲げ境界部に連なる部分とに亘って形成されていることを特徴とする金属製箱体にある(請求項1)。
本発明の他の態様は、底部と該底部の外周縁から立設した側壁部とを有する金属製箱体の製造方法であって、
上記金属製箱体の展開体を一枚の金属板から形成する展開体形成工程と、
上記底部の端部と上記側壁部の端部とを揃えて両者を面状に重ね合わせてなる重合部を形成可能なように、上記底部又は上記側壁部の少なくとも一方を変形させて重合部形成の準備をする重合部形成準備工程と、
上記展開体を折り曲げて上記底部と上記側壁部の境界部分に折り曲げ境界部を形成するとともに上記重合部を形成する折曲工程と、
上記側壁部同士を溶接するとともに、上記重合部の上記端部を溶接して上記底部と上記側壁部の境界部分にへり継手溶接部を形成して溶接境界部を形成する溶接工程と、
を含み、
上記底部は互いに対向する2つの短辺と、互いに対向する2つの長辺とを有する長四角形状をなしており、
上記折曲工程において、上記折り曲げ境界部を上記2つの長辺にそれぞれ形成し、
上記溶接工程において、上記溶接境界部を上記2つの短辺と、上記底部に垂直な方向から見て上記2つの短辺の各両端から上記底部の角部を含むとともに記折り曲げ境界部に平行に延びて上記折り曲げ境界部に連なる部分とに亘って形成することを特徴とする金属製箱体の製造方法にある(請求項9)。
上記金属製箱体においては、底部とその外周縁から立設した側壁部との境界部分が、折り曲げ境界部と溶接境界部とからなる。そして、溶接境界部には、底部と側壁部のうち少なくとも一方を変形させることにより両者の端部を揃えて両者を面状に重ね合わせてなる重合部が設けられ、重合部における当該端部を溶接することにより、へり継手溶接部が形成されている。なお、「ヘリ継手溶接」は、「拝み溶接」と呼ばれる場合もある。
上記金属製箱体は、底部と側壁部の境界部分のうち、溶接境界部における溶接継手の形状がへり継手となっているため、角継手、突合せ継手や重ね継手によって溶接する場合に比べて溶接品質を高くすることができ、その結果、気密性について高い信頼性が得られ、かつ、歩留まり向上による、生産性向上を図ることができる。また、溶接境界部の溶接継手の形状がへり継手であることから、溶接境界部の溶接強度を他の溶接方法を採用する場合よりも向上させることができる。そのため、厚肉の金属板を使用する必要がないことから、金属製箱体の重量の増加や製造コストの増加を防止できる。
上記金属製箱体の製造方法においては、底部と側壁部との境界部分において、折り曲げによる折り曲げ境界部を形成するとともに、底部の端部と側壁部の端部とを揃えて両者を面状に重ね合わせてなる重合部を形成し、当該重合部を溶接することにより底部と側壁部の境界部分にへり継手による溶接境界部を形成している。上記金属製箱体の製造方法によれば、底部と側壁部の境界部分のうち、溶接境界部はへり継手となっているため、角継手、突合せ継手や重ね継手によって溶接する場合に比べて、当該溶接境界部の溶接品質が高く、その結果、気密性についての信頼性が高い金属製箱体を製造することができる。さらに、底部と側壁部との溶接境界部における溶接継手の形状がへり継手となっているため、溶接作業が比較的容易となることから、歩留りが良く、生産性に優れる。
実施例1における、金属製箱体の底面側斜視図である。 (a)は実施例1における、重合部形成準備工程及び折曲工程後の凹陥部のA−A線位置における部分断面拡大図である。(b)は実施例1における、溶接工程後の凹陥部のA−A線位置における部分断面拡大図である。 実施例1における、金属製箱体の製造工程を示すフロー図である。 実施例1における、展開体形成工程での展開体の斜視図である。 実施例1における、図4の部分拡大平面図である。 実施例1における、重合部形成準備工程での展開体の斜視図である。 実施例1における、重合部形成準備工程での図6のB−B位置相当の断面図である。 実施例1における、折曲工程での展開体の斜視図である。 実施例2における、金属製箱体の底面側斜視図である。 実施例2における、展開体の斜視図である。
上記金属製箱体を形成する材料は、金属材料であって、例えば、ステンレス鋼、鉄鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタンなどとすることができる。当該形成材料は、当該金属製箱体に収容する収容物の性質、当該金属製箱体の使用環境、形成材料の成形性などを考慮して適宜選択することができる。例えば、電池のケースとして使用する場合は、耐腐食性や溶接性などを考慮してステンレス鋼を採用することができる。
金属製箱体を形成する金属材料の厚さは、特に限定されないが、約0.1mm〜約2.0mm、好ましくは約0.1mm〜約0.8mmとすることができる。この場合には、溶接部の気密性を維持しつつ、金属製箱体の軽量化が図られる。
上記金属製箱体の外形形状は、特に限定されず、底部の形状を矩形、楕円、長方形の短辺を円弧状にした形状、又は矩形の角部に丸みをつけた形状などとし、側壁部を当該底部の外周縁に立設させた形状とすることができる。
上記金属製箱体において、上記溶接境界部の長さは上記折り曲げ境界部の長さよりも短いこととすることができる(請求項2)。この場合には、底部と側壁部との境界部分において、溶接境界部の長さを相対的に短くできるため、金属製箱体の気密性についての信頼性が一層高まる。さらに、溶接長さが短くなることから、溶接作業が軽減され、優れた生産性を奏するという効果が得られる。例えば、金属製箱体の外形形状を、底部の長手方向に対して底部の短手方向が充分短い形状とし、底部と側壁部との境界部分の内、長手方向の境界部分を折り曲げ境界部とし、短手方向の境界部分を溶接境界部とすれば、溶接長さを短くできるため、金属製箱体の気密性について、信頼性を一層向上できる。
上記金属製箱体において、重合部には、底部と側壁部のうち少なくとも一方には凹陥部が形成されるように変形させることにより立壁が形成されており、該立壁が重合部の少なくとも一部を形成していることとすることができる(請求項3)。この場合には、立壁により、重合部において面状に重ね合わせることが確実になされることとなるため、溶接境界部におけるヘリ継手による溶接が確実になされ、溶接部の信頼性が一層高まる。凹陥部は、底部と側壁部のどちらか一方にだけ形成してもよいし、底部と側壁部の両方に形成してもよい。上記凹陥部は、絞り加工、折り曲げ加工などにより形成することができる。中でも、絞り加工により形成することが好ましい。高い形状精度でかつ容易に形成できるからである
上記金属製箱体において、凹陥部は底部に設けられていることとすることができる(請求項4)。この場合には、凹陥部が底部に形成されることにより、溶接境界部において生じうる溶接ビードが金属製箱体の底面よりも外側に膨出することが防止される。これにより、当該金属製箱体を設置したときの安定性が高まる。
上記金属製箱体において、側壁部は、底部とともに折り曲げ境界部を形成して対向する一対の第1側壁部と、底部とともに溶接境界部を形成して対向する一対の第2側壁部とからなり、第1側壁部と第2側壁部とは互いに隣接するように交互に設けられるとともに、第1側壁部と第2側壁部との境界部分は両者を折り曲げて形成され、第2側壁部の中間部には、側壁部が筒状をなすように、金属板の一方の端部と他方の端部とを側壁部の立設方向に沿って溶接してなる側壁溶接部が形成されていることとすることができる(請求項)。この場合には、側壁部同士を溶接する側壁溶接部の端部と、底部と側壁部との溶接境界部の端部とが一致しないため、側壁溶接部の端部における溶接不良を回避することができる。これにより、溶接部の信頼性が高まる。
上記側壁溶接部は、例えば、第2側壁部の中央において側壁部の立設方向に沿うように形成されていることとすることができる。この場合には、一対の第1側壁部から折り曲げて第2側壁部を形成する部分の形状がそれぞれ同一となるため、当該金属製箱体の展開体の形状を底部の中心を基準とする点対称の形状とすることができる。これにより、当該金属製箱体の製造工程において、折曲加工や絞り加工等のために展開体をプレス機等へセットする際の展開体の向きが180度違っていてもよく、また、展開体の裏表を逆にセットしてもよい等、加工上の制約が少なく、製造工程設計の自由度が向上する。
また、上記側壁溶接部は、第2側壁部の中央からずらすように、第1側壁部と第2側壁部との折り曲げ境界部の一方側に寄った位置において、側壁部の立設方向に沿うように形成されていることとすることもできる。この場合には、第2側壁部の中央領域に別の加工を施す際に、側壁溶接部との干渉を回避して加工部を広く確保することができる。
上記金属製箱体の製造方法において、上記溶接工程における上記溶接境界部の長さが、上記折曲工程において形成される折り曲げ境界部の長さよりも短いものとすることができる(請求項10)。この場合には、底部と側壁部との境界部分において、溶接境界部の長さを相対的に短くできるため、気密性についての信頼性が一層高い金属製箱体を製造することができる。さらに、溶接長さを短くすることができることから、溶接作業が軽減され、優れた生産性を奏するという効果が得られる。
上記金属製箱体の製造方法において、上記重合部形成準備工程では上記底部又は上記側壁部の少なくとも一方に凹陥部を形成することにより立壁を形成し、上記折曲工程では上記立壁が上記重合部の一部を形成するように上記展開体を折り曲げることとすることができる(請求項11)。この場合には、立壁により、重合部において面状に重ね合わせることが確実になされることとなるため、底部と側壁部との溶接継手の形状がへり継手となり溶接境界部の溶接品質が向上し、気密性についての信頼性が高まる。重合部形成準備工程において、凹陥部を底部と側壁部のどちらか一方にだけ形成することとしてもよいし、凹陥部を底部と側壁部の両方に形成することとしてもよい。
上記金属製箱体の製造方法において、上記展開体形成工程では、上記底部に対応する底部対応部と、上記側壁部に対応する第1側壁部対応部及び第2側壁部対応部であって、上記底部対応部を挟んで一対に形成される第1側壁部対応部と、該一対の第1側壁部対応部において上記底部対応部と上記第1側壁部対応部の境界部分に交差する方向の両端部にそれぞれ延在するように形成される第2側壁部対応部と、を有する展開体を形成し、上記折曲工程では、上記第2側壁部対応部をそれぞれ上記第1側壁部対応部との境界部分において上記側壁部の立設方向に折り曲げ、上記第1側壁部対応部をそれぞれ上記底部対応部との境界部分において折り曲げることにより、上記折り曲げ境界部を形成して、上記一対の第1側壁部対応部を対向させて、上記重合部を形成するとともに上記第2側壁部対応部を互いに突き合わせ又は重ね合わせし、上記溶接工程では、上記側壁部が筒状をなすように、突き合わせ又は重ね合わせされた上記第2側壁部対応部を互いに溶接して側壁溶接部を形成することとすることができる(請求項12)。
この場合には、側壁溶接部の端部と、底部と側壁部との溶接境界部の端部とが一致しないこととなるため、側壁溶接部の端部における溶接不良を回避することができる。その結果、溶接部の信頼性の高い金属製箱体を提供することができる。
(実施例1)
実施例の金属製箱体1は、図1に示すように、略直方体形状であって、底部10、第1側壁部11及び第2側壁部12を備える。底部10の反対側は開放されており、開口部13が形成されている。金属製箱体1の外形形状は、底部10の長手方向(X方向)に対して短手方向(Y方向)が充分短く、その深さ方向(Z方向)が底部10の短手方向に対して充分大きい形状である。
金属製箱体1は、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)製である。底部10は矩形の底面10aと、2つの変形部20を有する。底面10aは長方形であって、変形部20が底面10aの両方の短辺部10c側にそれぞれ設けられている。そして、底面10aの両長辺部10bと、変形部20の外縁に形成される後述のへり継手溶接部24とが底部10の外周縁を形成している。
底面10aの両方の長辺部10bには第1側壁部11がそれぞれ立設されている。底部10と第1側壁部11との境界部分(長辺部10b)は、第1側壁部11をその立設方向(Z方向)に折り曲げて形成されている。第1側壁部11は、両方の長辺部10bにおいて、互いに対向するように一対で形成されている。第1側壁部11は矩形の平板状であって、金属製箱体1の長壁面を形成している。
一方、第2側壁部12は、図1に示すごとく、変形部20の外縁(へり継手溶接部24が形成された部分)に立設されている。第2側壁部12は、互いに対向するように一対で設けられ、第1側壁部11と第2側壁部12とが互いに隣接するように交互に設けられるとともに、第2側壁部12は、第1側壁部11から折り曲げられて形成されている。そして、第2側壁部12は、変形部20の外縁において底部10と溶接されて形成されている。第2側壁部12の中間部にはZ方向に平行な側壁溶接部12bが形成されている。かかる第2側壁部12が金属製箱体1の短壁面を形成している。
図2(a)及び 図2(b)に示すごとく、底部10には、変形部20において、金属製箱体1の内空側に窪んだ凹陥部21が設けられている。凹陥部21によって、底面10aと連続する緩やかな傾斜面を有するテーパー部23と、Z方向に平行に立ち上がった立壁22とが形成されている。変形部20において、立壁22の端部22aと第2側壁部12の端部12aとが揃った状態で、立壁22と第2側壁部12とが面状に重ね合わせられて重合部25が形成されている。すなわち、立壁22の裏面(底部10において金属製箱体1の内空側の面に連続する面)と、第2側壁部12の裏面(金属製箱体1の内空側の面)とが略平行となる状態で対向し、近接している。重合部25において、立壁22の端部22aと第2側壁部12の端部12aとがへり継手によって溶接されて、変形部20の外縁に沿ってへり継手溶接部24が形成されている。
底部10と側壁部(第1側壁部11及び第2側壁部12)との境界部分は、底部10と第1側壁部11とを折り曲げてなる折り曲げ境界部(長辺部10b)と、底部10と第2側壁部12とを溶接してなる溶接境界部(へり継手溶接部24)とからなっている。
次に、金属製箱体1の製造方法について説明する。
金属製箱体1の製造方法101は、図3に示すように、展開体形成工程S1と、重合部形成準備工程S2と、折曲工程S3と、溶接工程S4とからなる。
まず、展開体形成工程S1では、一枚の金属板をプレス機で打ち抜き加工することにより、図4に示すように、平板状の展開体100を形成する。展開体100の形成方法はこれに限定されず、レーザーカット、ワイヤー放電加工等を採用することもできる。展開体100の形成材料である金属板は、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)製の平板で、その板厚は約0.5mmである。展開体100は、金属製箱体1の底部10に対応する底部対応部110と、底部対応部110を挟んで一対に形成される第1側壁部対応部111と、該一対の第1側壁部対応部111において底部対応部110と第1側壁部対応部111の境界部分(長辺部10b)に交差する方向の両端部にそれぞれ延在するように形成される第2側壁部対応部112a、112bと、を有する。
底部対応部110は、図4に示すように、底面10aに対応する底面対応部110aと、変形部20に対応する変形部対応部120とからなる。底面対応部110aの形状は長方形である。底面対応部110aの一対の短辺には変形部対応部120が延在している。図5に示すように、変形部対応部120の形状は略長方形であって、底面対応部110aから離れるにしたがって、底面対応部110aの短手方向に膨出した形状である。
図4に示すように、第1側壁部対応部111の形状は長方形であって、その長手方向は底部対応部110の長手方向と一致している。第2側壁部対応部112a、112bの形状はともに長方形であって、その長手方向は第1側壁部対応部111の短辺(境界部分である長辺部10bに交差する方向の両端部)に沿っている。また、図5に示すように、第2側壁部対応部112a、112bにおいて、変形部対応部120に対向する側の側辺には、変形部対応部120の外縁に沿うように切り欠かれた切り欠き部112cが形成されている。
次に、重合部形成準備工程S2では、図4に示す展開体100の変形部対応部120に対して絞り加工を施すことにより、図6に示すように凹陥部21を形成する。具体的には、図5に示す変形部対応部120の外形より一回り小さい矩形の絞り加工部121aに対して、絞り加工部121aに対応する形状の治具を押圧して絞り加工を施す。絞り加工は一回で行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよい。絞り加工部121aの底面対応部110a中央側の辺の位置は、切り欠き部112cの下端よりも距離d(約1.5mm)分だけ底面対応部110aの中央側に寄っている。なお、当該距離dは金属製箱体1の形状や、その形成材料の材質や板厚に合わせて適宜変更できる。また、当該距離dは、特に限定されないが、例えば0.5mm〜3.0mmの間の値とすることもできる。
図6及び図7に示すごとく、絞り加工によって、凹陥部21が形成されることとなる。これにより、底面対応部110aに連続するなだらかな傾斜面(凹陥部21の底面)を有するテーパー部23が形成される。これとともに、凹陥部21の外周のうち、底面対応部110aに連続する部分を除いた部分に立壁22が形成される。立壁22は第1側壁部11の立設方向(Z方向)に平行に立ち上がった壁であって、底面対応部110aに対して略垂直となっている。
つづいて、折曲工程S3では、まず図8に示すように、第2側壁部対応部112a、112bを立設方向(Z方向)に折り曲げる。その後、第1側壁部対応部111を立設方向(Z方向)に折り曲げて、図2(a)に示すように、変形部20における立壁22の端部22aと第2側壁部対応部112a(112b)の端部12aとを断面におけるZ方向の高さ位置が同じ位置となるように揃えつつ、立壁22と第2側壁部対応部112a(112b)とを面状に重ね合わせて、重合部25を形成する。これとともに、図1に示すように、第2側壁部対応部112a、112bを側壁溶接部12bにおいて互いに突き合せ状態にする。折曲工程S3はプレス機による折り曲げ加工によって行うことができる。また、図5で示すように、絞り加工部121aの底面対応部110a中央側の辺の位置が、切り欠き部112cの下端よりも距離d(約1.5mm)分だけ底面対応部110aの中央側に寄っているため、折曲工程S3により、折り曲げ境界部(長辺部10b)の両端部側には、形成材料である金属板が約180度折り曲げられて、図2(a)に示す折り畳み部26が形成される。
次に、溶接工程S4では、突き合せ状態の第2側壁部対応部112a、112bを側壁溶接部12bにおいて溶接する。側壁溶接部12bは第2側壁部12の中間部において、底部10から開口部13に亘って、Z方向に平行な直線状に形成されている。本例では、側壁溶接部12bは第2側壁部12の中央にZ方向に沿って設けた。当該溶接は、TIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接などにより行うことができる。本例ではTIG溶接により溶接を行った。
ここで、第2側壁部対応部112a、112bの溶接において、側壁溶接部12bの底部10側端部又は開口部13側端部に、溶接金属の垂れによって溶接欠陥が生じる場合がある。かかる場合には、あらかじめ、側壁溶接部12bの両端において金属製箱体1の形成材料を延長した延在部(エンドタブ、図示せず)を設けておき、側壁溶接部12bの溶接の際に当該エンドタブごと溶接した後、当該エンドタブを切除することにより、側壁溶接部12bに溶接欠陥が発生するのを防止することができる。
その後、図2(a)に示す重合部25において、立壁22の端部22aと第2側壁部12(112a、112b)の端部12aとを溶接して、図2(b)に示すようにへり継手溶接部24を形成する。当該溶接は、TIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接などにより行うことができる。本例では側壁溶接部12bの溶接と同様に、TIG溶接により溶接を行った。図2(a)に示すように、重合部25が形成された状態において、同じ高さ位置となっている立壁22の端部22aと第2側壁部12の端部12aとがへり継手によって溶接されることにより、図2(b)に示すように立壁22と第2側壁部12の両端部に亘ってへり継手溶接部24が形成される。なお、重合部25の溶接は、図1に示すように、一方の折り畳み部26を開始位置とし、他方の折り畳み部26を終了位置として行う。
上記製造方法101により製造された金属製箱体1について、開口部13を所定の方法で閉塞して、金属製箱体1の気密性をHeリークテストにより検査したところ、十分高い気密性を有することを確認した。
上記製造方法101により製造された金属製箱体1の作用効果について説明する。
金属製箱体1は、上記溶接工程S4では、重合部25において立壁22の端部22aと第2側壁部12の端部12aとがへり継手により溶接されて、へり継手溶接部24が形成される。これによって、底部10と第2側壁部12との溶接境界部(へり継手溶接部24)において、高い溶接品質が得られ、その結果、気密性についての信頼性の高い金属製箱体1が提供される。さらに、重合部25において両端部12a、22aをへり継手によって溶接するため、TIG溶接によっても確実に溶接することができる。そのため、レーザ溶接などにより溶接する場合に比べて、低いコストで高い信頼性を有する金属製箱体1を製造できる。
また、重合部25において立壁22と第2側壁部12をへり継手によって溶接するため、本例のように板厚が約0.5mmの薄肉のステンレス鋼板であっても、溶接境界部(へり継手溶接部24)の気密性が充分確保できる。これにより、溶接境界部(へり継手溶接部24)の気密性を維持しつつ、金属製箱体1が軽量化される。
さらに、金属製箱体1の外形は、図1に示すように、底部10の長手方向(X方向)に対して短手方向(Y方向)が充分短く、その深さ方向(Z方向)が底部10の短手方向に比べて充分大きい形状である。そして、上記折曲工程S3において長壁面となる第1側壁部11を底部10から折り曲げて折り曲げ境界部(長辺部10b)を形成し、上記溶接工程S4において短壁面となる第2側壁部12と底部10とをへり継手溶接して溶接境界部(へり継手溶接部24)を形成している。これにより、折り曲げ境界部をも溶接する場合に比べて、溶接長さを大幅に短くすることができるため、金属製箱体1の気密性についての信頼性が一層高まる。また、溶接長さが大幅に短くなるため、溶接作業が軽減され、生産性に優れる。また、金属製箱体1は、上述の通り、深さ方向(Z方向)が短手方向(Y方向)に比べて充分大きいため、金属板の深絞り加工のみでは成形が困難であるが、本例の製造方法101によれば金属製箱体1を容易に成形することができる。
また、重合部25の溶接が、一方の折り畳み部26を開始位置とし、他方の折り畳み部26を終了位置として行うため、溶接の開始位置と終了位置では、端面同士の溶接ではなく、形成材料である金属板を約180度折り曲げた部分の溶接となる。これにより、溶接の開始位置と終了位置で溶接欠陥が生じることが効果的に防止される。なお、本例では、折り畳み部26を設けたが、これに限らず、図5において、絞り加工部121aの底面対応部110a中央側の辺の位置を、底面対応部110aの長手方向において切り込み部112cの下端と同じ位置(すなわち、距離dを0)として、折り畳み部26を設けないこととしてもよい。この場合は、重合部25溶接の開始位置と終了位置で溶接欠陥が生じない条件で溶接を行う。
また、本例では、図5及び図6に示すように第2側壁部対応部112a、112bの凹陥部21側に切り欠き部112cが形成されており、図2(a)に示すように端部12aが底面10aよりも内側(金属製箱体1の内空側)に位置している。また、立壁22の端部22aも底面10aよりも内側に位置している。これにより、図2(b)に示すように、両端部12a、22aを溶接して形成されるへり継手溶接部24も底面10aよりも内側に位置することとなる。その結果、金属製箱体1を載置したときにへり継手溶接部24が載置面と干渉しないため、へり継手溶接部24によって金属製箱体1の載置状態が不安定になることが防止される。
さらに、側壁溶接部12bは第2側壁部12の中間部に形成されている。これにより、側壁溶接部12bの底部10側の端部は、底部10(立壁22)と第2側壁部12との溶接部(へり継手溶接部24)の中間部に位置することとなる。これにより、側壁溶接部12bの底部10側の端部とへり継手溶接部24の端部とが一致しないため、両溶接部の信頼性が高まる。
さらに、側壁溶接部12bは、第2側壁部12の中央において第2側壁部12の立設方向に沿うように形成されている。これにより、一対の第1側壁部11から折り曲げられて第2側壁部12を形成する部分(第2側壁部対応部112a、112b)の形状がそれぞれ同一となっており、展開体100の形状が底部10の中心を基準とする点対称の形状となっている。これにより、重合部形成準備工程S2において、絞り加工のために展開体100をプレス機へセットする際の展開体100の向きが180度違っていてもよく、また、展開体100の裏表を逆にセットしてもよい等、加工上の制約が少なく、重合部形成準備工程S2の工程設計の自由度が向上する。
本例では、重合部形成準備工程S2において、立壁22は、立設方向(Z方向)に平行になるまで立ち上げたが、これに限らず、凹陥部21を椀状に形成して、立壁22を傾斜させておいてもよい。この場合は、折曲工程S3において、重合部25を形成する際に、第2側壁部対応部112a、112bを傾斜した立壁22に押し付けることにより、立壁22の少なくとも一部を立設方向(Z方向)に平行になるまで立ち上げて、両者を面状に重ね合わせるようにすることができる。このようにすれば、重合部25において、立壁22と第2側壁部対応部112a、112bとの隙間をなくすことができ、へり継手溶接部24の信頼性が高まる。
本例では、重合部形成準備工程S2の後、折曲工程S3において、第2側壁部対応部112a、112bを立設方向(Z方向)に折り曲げ、続いて第1側壁部対応部111を立設方向(Z方向)に折り曲げたが、これに限定されない。例えば、重合部形成準備工程S2の前に第2側壁部対応部112a、112bを立設方向(Z方向)に折り曲げ、その後に重合部形成準備工程S2を行い、続いて折曲工程S3において第1側壁部対応部111を立設方向(Z方向)に折り曲げてもよい。また、重合部形成準備工程S2において、凹陥部21を形成するのと同時に第2側壁部対応部112a、112bを立設方向(Z方向)に折り曲げ、その後に折曲工程S3において、第1側壁部対応部111を立設方向(Z方向)に折り曲げてもよい。いずれの場合でも、本例と同様の作用効果を奏する。
本例では、金属製箱体1の製造工程101において、溶接工程S4では、側壁溶接部12bを溶接した後、重合部25を溶接してへり継手溶接部24を形成したが、これに限らず、重合部25を溶接してへり継手溶接部24を形成した後に側壁溶接部12bを溶接してもよい。この場合でも、本例と同様の作用効果を奏する。
また、本例では、変形部20(凹陥部21)を底部10に設けたが、これに限定されず、変形部(凹陥部)を第2側壁部に設けてもよい。この場合でも実施例1の金属製箱体1と同様の作用効果を奏する。
また、本例では、開口部13に蓋部材を取り付けるなど、他の部材を取り付けてもよい。蓋部材などの他の部材は金属製箱体1と別体として取り付けることができるし、金属製箱体1と一体的に形成することもできる。
(実施例2)
他の実施例である金属製箱体2は、図9に示すごとく、側壁溶接部212cが第2側壁部212の中央ではなく、第2側壁部212と第1側壁部11との境界部分寄りに形成されている。図10に示すように、金属製箱体2の展開体200は、第1側壁部対応部111aの両端部に第2側壁部対応部212aが延在するように形成され、第1側壁部対応部111bの両端部に第2側壁部対応部212bが延在するように形成されており、第2側壁部対応部212aは第2側壁部対応部212bに比べて長くなっている。なお、実施例1の金属製箱体1と同等の構成要素等には同一の符号を付してその説明を省略する。
金属製箱体2は実施例1の金属製箱体1と同様の製造工程で形成されるが、折曲工程S3では、上述のように、第2側壁部対応部212a、212bは立壁22とともに重合部25を形成するように、立壁22に沿って折り曲げられる。そして、第2側壁部対応部212a、212bが互いに突き合わせされた状態となる。そして溶接工程S4において、第2側壁部対応部212a、212bが互いに溶接されて側壁溶接部212cが形成される。そして、重合部25において、上述のごとく、へり継手溶接部24が形成される。
本例によれば、側壁溶接部212cが第2側壁部212と第1側壁部11との境界部分寄りに形成されているため、側壁溶接部212cとの干渉を回避して第2側壁部212の中央領域に、別の加工を施すための加工部を広く確保することができる。他の実施例である金属製箱体2においても、実施例1の金属製箱体1と同等の作用効果を奏する。
1、2 箱体
10 底部
11 第1側壁部
12、212 第2側壁部
12b、212c 側壁溶接部
20 変形部
21 凹陥部
22 立壁
24 溶接境界部(へり継手溶接部)
25 重合部
100 展開体
110 底部対応部
111、111a、111b 第1側壁部対応部
112a、112b、212a、212b 第2側壁部対応部

Claims (12)

  1. 底部と、該底部の外周縁から立設した側壁部とを一枚の金属板から形成してなる金属製箱体であって、
    上記底部と上記側壁部との境界部分は、両者を折り曲げてなる折り曲げ境界部と、両者を溶接してなる溶接境界部とからなり、
    該溶接境界部の少なくとも一部においては、上記底部と上記側壁部のうち少なくとも一方を変形させることにより両者の端部を揃えて両者を面状に重ね合わせてなる重合部が設けられ、該重合部の上記端部を溶接してなるへり継手溶接部が形成されており、
    上記底部は互いに対向する2つの短辺と、互いに対向する2つの長辺とを有する長四角形状をなしており、
    上記折り曲げ境界部は、上記2つの長辺にそれぞれ形成されており、
    上記溶接境界部は、上記2つの短辺と、上記底部に垂直な方向から見て上記2つの短辺の各両端から上記底部の角部を含むとともに上記折り曲げ境界部に平行に延びて上記折り曲げ境界部に連なる部分とに亘って形成されていることを特徴とする金属製箱体。
  2. 請求項1に記載の金属製箱体において、上記溶接境界部の長さは上記折り曲げ境界部の長さよりも短いことを特徴とする金属製箱体。
  3. 請求項1又は2に記載の金属製箱体において、上記重合部には、上記底部と上記側壁部のうち少なくとも一方には凹陥部が形成されるように変形させることにより立壁が形成されており、該立壁が上記重合部の少なくとも一部を形成していることを特徴とする金属製箱体。
  4. 請求項3に記載の金属製箱体において、上記凹陥部は上記底部に設けられていることを特徴とする金属製箱体。
  5. 請求項4に記載の金属製箱体において、上記底部には、上記2つの短辺にそれぞれ隣接する2つの上記凹陥部が形成されているとともに、該2つの凹陥部はそれぞれ、上記底部の長手方向において上記底部の中央から離れるに連れて深くなっていることを特徴とする金属製箱体。
  6. 請求項4又は5に記載の金属製箱体において、上記溶接境界部は、上記側壁部の立設方向において上記折り曲げ境界部よりも上記金属製箱体の内側に位置していることを特徴とする金属製箱体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属製箱体において、上記折り曲げ境界部の両端には、上記底部と上記側壁部とを180°折り曲げてなる折り畳み部が形成されていることを特徴とする金属製箱体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属製箱体において、
    上記側壁部は、上記底部とともに上記折り曲げ境界部を形成して対向する一対の第1側壁部と、上記底部とともに上記溶接境界部を形成して対向する一対の第2側壁部とからなり、
    上記第1側壁部と上記第2側壁部とは互いに隣接するように交互に設けられるとともに、上記第1側壁部と上記第2側壁部との境界部分は両者を折り曲げて形成され、
    上記第2側壁部の中間部には、上記側壁部が筒状をなすように、上記金属板の一方の端部と他方の端部とを上記側壁部の立設方向に沿って溶接してなる側壁溶接部が形成されていることを特徴とする金属製箱体。
  9. 底部と該底部の外周縁から立設した側壁部とを有する金属製箱体の製造方法であって、
    上記金属製箱体の展開体を一枚の金属板から形成する展開体形成工程と、
    上記底部の端部と上記側壁部の端部とを揃えて両者を面状に重ね合わせてなる重合部を形成可能なように、上記底部又は上記側壁部の少なくとも一方を変形させて重合部形成の準備をする重合部形成準備工程と、
    上記展開体を折り曲げて上記底部と上記側壁部の境界部分に折り曲げ境界部を形成するとともに上記重合部を形成する折曲工程と、
    上記側壁部同士を溶接するとともに、上記重合部の上記端部を溶接して上記底部と上記側壁部の境界部分にへり継手溶接部を形成して溶接境界部を形成する溶接工程と、
    を含み、
    上記底部は互いに対向する2つの短辺と、互いに対向する2つの長辺とを有する長四角形状をなしており、
    上記折曲工程において、上記折り曲げ境界部を上記2つの長辺にそれぞれ形成し、
    上記溶接工程において、上記溶接境界部を上記2つの短辺と、上記底部に垂直な方向から見て上記2つの短辺の各両端から上記底部の角部を含むとともに上記折り曲げ境界部に平行に延びて上記折り曲げ境界部に連なる部分とに亘って形成することを特徴とする金属製箱体の製造方法。
  10. 請求項9に記載の金属製箱体の製造方法において、上記溶接工程における上記溶接境界部の長さが、上記折曲工程において形成される上記折り曲げ境界部の長さよりも短いことを特徴とする金属製箱体の製造方法。
  11. 請求項9又は10に記載の金属製箱体の製造方法において、上記重合部形成準備工程では上記底部又は上記側壁部の少なくとも一方に凹陥部を形成することにより立壁を形成し、上記折曲工程では上記立壁が上記重合部の一部を形成するように上記展開体を折り曲げることを特徴とする金属製箱体の製造方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の金属製箱体の製造方法において、
    上記展開体形成工程では、上記底部に対応する底部対応部と、上記側壁部に対応する第1側壁部対応部及び第2側壁部対応部であって、上記底部対応部を挟んで一対に形成される第1側壁部対応部と、該一対の第1側壁部対応部において上記底部対応部と上記第1側壁部対応部の境界部分に交差する方向の両端部にそれぞれ延在するように形成される第2側壁部対応部と、を有する展開体を形成し、
    上記折曲工程では、上記第2側壁部対応部をそれぞれ上記第1側壁部対応部との境界部分において上記側壁部の立設方向に折り曲げ、上記第1側壁部対応部をそれぞれ上記底部対応部との境界部分において折り曲げることにより、上記折り曲げ境界部を形成して、上記一対の第1側壁部対応部を対向させて、上記重合部を形成するとともに上記第2側壁部対応部を互いに突き合わせ又は重ね合わせし、
    上記溶接工程では、上記側壁部が筒状をなすように、突き合わせ又は重ね合わせされた上記第2側壁部対応部を互いに溶接して側壁溶接部を形成することを特徴とする金属製箱体の製造方法。
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