以下、図面を用いて実施形態を説明する。
図1にはペダルユニットの一例として、アクセルユニットの一実施形態の分解図が示されている。
アクセルユニット1は、分割ユニット本体3と、分割ユニット本体3にボルト5で接合される分割蓋体ユニット7と、分割ユニット本体3に装着されるアクセルセンサ9とアクセルペダル11、分割ユニット本体3に貼着されるシール部材13とを有している。尚、アクセルセンサ9はペダルセンサの一例である。
分割ユニット本体3は、一例として樹脂材料を用いて硬質なボックス状に形成されている。分割ユニット本体3の右側側部15に矩形状の側部開口部17が形成され、底部19に矩形状の底部開口部21が形成されている。分割ユニット本体3の背面部23には、分割ユニット本体3と同一の高さ寸法を有する矩形状のプレート部25が、右側側部15と直交して側方へ一体に延設されている。そして、プレート部25の下側角部に、一個のボルト挿通孔27が設けられている。
アクセルペダル11は、分割ユニット本体3内から底部開口部21を挿通して下方へ伸びるアーム部11aと、アーム部11aの下端に取り付けられたペダル部11bとを有している。アーム部11aとペダル部11bも、一例として樹脂材料を用いて硬質に形成されている。
アーム部11aの上端には、車幅方向(図1の矢印A、B方向)へ伸びる軸部(図示せず)が形成され、軸部はその軸線の周りに回転可能に分割ユニット本体3内の取付部(図示せず)に支持されている。これにより、アクセルペダル11は車両の前後方向(図1の矢印C、D方向)へ回動可能となっている。
そして、分割ユニット本体3の右側側部15に、アクセルペダル11の踏み込み量を検出するアクセルセンサ9が装着される。アクセルセンサ9は、略直方体形状に形成されたケーシング29内に収納され、ケーシング29には、矩形状の接続口(図2参照)31がケーシング29の後方(図1の矢印E方向)に開口するセンサコネクタ33が一体に形成されている。
また、ケーシング29の上部35と正面側の側部37には、板状の取付フランジ39、41が、分割ユニット本体3へのケーシング29の取付側側部42と面一に突設されている。そして、取付フランジ39、41にボルト挿通孔43が設けられている。
一方、分割ユニット本体3の側部開口部17の周縁部には、アクセルセンサ9(ケーシング29)の取付フランジ39、41に対応して、取付フランジ45、47が右側側部15と面一に突設されている。そして、取付フランジ45、47に、ボルト挿通孔43に対応してボルト孔49が設けられている。
このため、取付フランジ39、41側のボルト挿通孔43を分割ユニット本体3側のボルト孔49に一致させて、ボルト挿通孔43からボルト孔49にボルト51を締め付けると、取付フランジ39、41、45、47を介してアクセルセンサ9とセンサコネクタ33が分割ユニット本体3(右側側部15)に装着される。
アクセルセンサ9とセンサコネクタ33が分割ユニット本体3に装着されると、センサコネクタ33の接続口31が分割ユニット本体3のプレート部25と対向配置される。尚、接続口31はプレート部25に当接せず、接続口31はプレート部25から離間した構造となっている。
このように、分割ユニット本体3にアクセルセンサ9とセンサコネクタ33が装着された後、アクセルセンサ9とセンサコネクタ33を覆って分割蓋体ユニット7が分割ユニット本体3にボルト接合される。
図2はアクセルユニットの背面図、図3はアクセルユニットの側面図を示している。
図1及び図3に示すように分割蓋体ユニット7は、分割ユニット本体3の右側側部15の外形形状に沿って形成された取付プレート53と、分割ユニット本体3に装着されたアクセルセンサ9(ケーシング29)とセンサコネクタ33を内部に収容可能なボックス状のカバー部55とを備えている。カバー部55は取付プレート53と一体に形成され、分割蓋体ユニット7は、分割ユニット本体3と同一材料を用いて硬質に形成されている。
図3に示すようにカバー部55は、取付プレート53の後端57と上縁部59に沿ってボックス状に形成され、取付プレート53よりも分割蓋体ユニット7の前後方向(図3の矢印F、G方向)及び上下方向(図3の矢印H、I方向)への寸法が短く形成されている。更に、カバー部55はアクセルセンサ9側と後部61側が開口しており、後述するように分割蓋体ユニット7を分割ユニット本体3にボルト接合すると、カバー部55内にアクセルセンサ9とセンサコネクタ33が収容できるようになっている。そして、図1及び図3に示すように、取付プレート53の3つの角部と、カバー部55の後部61側の上部角部に、ネジ挿通孔63が設けられている。
一方、図1に示すように分割ユニット本体3の右側側部15には、分割蓋体ユニット7の4個のネジ挿通孔63に対応して4個のネジ孔65が設けられている。そして、分割蓋体ユニット7のネジ挿通孔63を分割ユニット本体3のネジ孔65に一致させて、ネジ挿通孔63からネジ孔65にボルト5を螺着すると、アクセルセンサ9とセンサコネクタ33を覆って、分割蓋体ユニット7が分割ユニット本体3の右側側部15に取り付くようになっている。
尚、図1に示すように本実施形態では、4個のネジ挿通孔63のうちの一つを、ボックス状に形成されたカバー部55に設けているため、このネジ挿通孔63と分割ユニット本体3側のネジ取付孔65との間に距離がある。このため、カバー部55の挿通孔63に挿通させるネジ5aは、取付プレート53のネジ挿通孔63に挿通させるネジ5よりも長尺なものが使用される。
このように、分割蓋体ユニット7が分割ユニット本体3にボルト接合されると、アクセルセンサ9とセンサコネクタ33を覆ったカバー部55の後部61が、図3に示すように分割ユニット本体3のプレート部25に当接する。
一方、図1及び図2に示すようにプレート部25には、分割ユニット本体3に取り付くセンサコネクタ33の接続口31に対応して、接続口31よりも大きな矩形状の開口部67が設けられている。このため、図2に示すようにアクセルユニット1の背面側から、開口部67を通してセンサコネクタ33の接続口31が視認できる。
図4は、アクセルセンサ(センサコネクタ)に対するワイヤーハーネスの接続方法の説明図を示している。
ワイヤーハーネス69は、アクセルセンサ9とエンジンコントロールユニット(図示せず)との間に接続されるもので、ワイヤーハーネス69の一端にセンサコネクタ33に接続可能なコネクタ71が装着されている。そして、図4に示すようにアクセルユニット1の背面側から、開口部67を介してワイヤーハーネス69のコネクタ71をセンサコネクタ33の接続口31に接続できるようになっている。
図5は車両のフロントパネルに対するアクセルユニットの取付方法を示すアクセルユニットとフロントパネルの側面図、図6はフロントパネルに固定されたアクセルユニットとフロントパネルの側面図を示している。また、図7はアクセルユニットに設けたフロントパネル取付面の説明図、図8は図7のJ部拡大斜視図である。
図5及び図6に示すようにアクセルユニット1は、複数本のボルト73を用いて車両のフロントパネル75に固定される。図2に示すように、分割ユニット本体3の背面部23の上縁部78には板状の取付フランジ81が設けられている。同様に、背面部23のプレート部25と反対側の側部79には板状の取付フランジ83が設けられている。板状の取付フランジ81,83は、それぞれ背面部23と面一に外方へ突設されている。そして、取付フランジ81、83にボルト挿通孔27が設けられている。
一方、図5に示すようにフロントパネル75には、分割ユニット本体3とプレート部25のボルト挿通孔27に対応してボルト挿通孔85が設けられている。更に、フロントパネル75の背面77側には、ボルト挿通孔85と軸心を一致させてナット87が固着されている。
従って、図5の如くアクセルユニット1側のボルト挿通孔27とフロントパネル75側のボルト挿通孔85を一致させて、アクセルユニット1側からボルト73をボルト挿通孔27、85を通してナット87に螺着すると、アクセルユニット1がフロントパネル75に固定される。
尚、アクセルユニット1が取り付くフロントパネル75のユニット取付部位(図5のK部)の形状如何によっては、フロントパネル75に固定したアクセルユニット1とフロントパネル75との間に大きな間隙が発生することがある。
そこで、本実施形態は、ユニット取付部位Kの面形状に沿ってアクセルユニット1をフロントパネル55に確実に固定できるように、アクセルユニット1のフロントパネル取付面(図7のハッチング領域)89を、ユニット取付部位Kの面形状に沿った形状に形成している。尚、フロントパネル取付面89は、フロントパネル33に当接する分割ユニット本体3の背面部23の全面と、プレート部25、取付フランジ81、83の背面側の全面に亘る。
更に、図2及び図7に示すようにフロントパネル取付面89には、開口部67からフロントパネル取付面89の上部の外周縁部90に亘って、断面半円形状のワイヤーハーネス配索溝91が上方に向けて設けられている。更にまた、フロントパネル取付面89には、開口部67の周縁部に沿って矩形状に形成されたシール部材13が貼着されている。シール部材13は、一例として水密性、防塵性が確保できる弾性変形可能な材料で形成され、図8の如くワイヤーハーネス配索溝91を跨るようにフロントパネル取付面89に貼着されている。
そして、図4で説明したようにアクセルユニット1の背面側から、開口部67を通してワイヤーハーネス69のコネクタ71をセンサコネクタ33の接続口31に接続した後、ワイヤーハーネス69を図7の如くワイヤーハーネス配索溝91に配索する。すると、図8に示すようにワイヤーハーネス配索溝91を跨っているシール部材13が、ワイヤーハーネス69で押圧されてワイヤーハーネス配索溝91の内周に沿って変形するようになっている。
このようにワイヤーハーネス69をアクセルセンサ9に接続し、ワイヤーハーネス69をワイヤーハーネス配索溝91に配索した後、図6の如くアクセルユニット1をフロントパネル75にボルト73で固定すると、シール部材13が変形し乍ら、フロントパネル取付面89の全面がフロントパネル75のユニット取付部位Kに圧接する。そして、開口部67とワイヤーハーネス配索溝91が、フロントパネル75で塞がれるようになっている。
本実施形態のアクセルユニット1はこのように構成されており、フロントパネル75へアクセルユニット1の取り付けは、先ず、図4の如くアクセルユニット1の背面側から、開口部67を通してワイヤーハーネス69のコネクタ71をセンサコネクタ33の接続口31に接続する。
そして、図7の如くワイヤーハーネス69をワイヤーハーネス配索溝91に配索する。すると、図8の如くシール部材13が、ワイヤーハーネス69で押圧されてワイヤーハーネス配索溝91の内周に圧接する。これにより、シール部材13によってワイヤーハーネス配索溝91から開口部67に亘る通路の防水性が確保される。
この後、図5の如くアクセルユニット1側のボルト挿通孔27と、フロントパネル75側のボルト挿通孔85を一致させ、アクセルユニット1側からボルト73をボルト挿通孔27、85を通してナット87に螺着すれば、アクセルユニット1がフロントパネル75のユニット取付部位Kに固定される。
このように、アクセルユニット1がフロントパネル75のユニット取付部位Kに取り付くと、センサコネクタ33の接続口31が開口する開口部67とワイヤーハーネス配索溝91がフロントパネル75(ユニット取付部位K)で塞がれ、シール部材13によって開口部67の水密性が確保される。
このため、ドライバーがアクセルペダル11やその周囲を水で洗浄しても、センサコネクタ33の接続口31に対する防水性が確保される。
また、フロントパネル75で塞がれたワイヤーハーネス配索溝91は、フロントパネル取付面89の上方に開口し、而も、シール部材13がワイヤーハーネス69で押圧されてワイヤーハーネス配索溝91の内周に圧接しているため、ワイヤーハーネス配索溝91の上部の開口から開口部67内に水が浸入する虞も少ない。
従って、本実施形態のアクセルユニット1によれば、従来の高価な防水コネクタや後付けのカバーを用いることなく、簡単な構造でアクセルセンサ9のセンサコネクタ33の防水が図れることとなった。
尚、図1乃至図8の実施形態は、本発明をアクセルユニットに適用したが、本発明は、ブレーキペダルユニット等のその他のペダルユニットにも適用可能である。