JP6184201B2 - 給紙装置及びそれを有する画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カムを備える駆動伝達機構を備えシートを給紙する給紙装置、及び、それを有し、記録材に画像形成を行う画像形成装置に関するものである。
画像形成装置では駆動伝達機構の一部にカムを使用した構成がある。特許文献1には、記録材を給紙カセットから搬送する用紙搬送機構のシート保持板をカムに当接させてカムを回転させ、カムフォロワを変位させて動作させる構成が開示されている。
特開2008−56448
近年は装置の小型化の為、カムの最大半径を抑えた小径のカムを用いることが求められている。しかしながら、カムの最小半径が一定のままカムの最大半径を小さくした場合、カムの最大半径と最小半径の差分の大きさに比例するカムフォロワの変位量も小さくなってしまい、必要なカムフォロワの変位量を得ることができないという問題がある。また、カムの最小半径を小さくしようとするとカムを支持する軸(カムの回転軸部分)の径が小さくなるため、カムの強度が落ちる可能性がある。
そこで本発明は、上記課題に鑑みて、カムフォロワの変位量を減少させることなく、強度を維持してカムを小径化することを目的とする。
そこで本発明は、シートをピックアップするピックアップローラと、カム面を備えた回転部材と、前記回転部材を支持する軸部材と、前記カム面と当接する当接面を備えており且つ前記ピックアップローラを回転可能に支持するカムフォロワと、を有し、前記カム面が前記当接面と摺動することにより、前記カムフォロワが変位し、この変位に合わせて前記ピックアップローラが変位する給紙装置において、前記軸部材は装置本体のフレームに回転しないよう固定され、前記回転部材には前記軸部材の一部を露出させるように切り欠かれた切り欠き部が形成されており、前記当接面が前記切り欠き部によって露出させられた前記軸部材の一部と対向する時、前記当接面が前記回転部材の回転中心に最も近づくと共に前記ピックアップローラがシートに当接することにより前記当接面が前記カム面から離間することを特徴とする。
本発明によれば、カムフォロワの変位量を減少させることなく、強度を維持してカムを小径化することができる。
画像形成装置の概略断面図 給紙ユニットの概略斜視図 (a)ピックアップローラの昇降機構を給紙カムの回転中心線の延びる方向から見た図、(b)ピックアップローラの昇降機構を給紙カムの回転中心線の延びる方向から見た図、(c)ピックアップローラの昇降機構を給紙カムの回転中心線の延びる方向から見た図 給紙ユニットの概略斜視図 (a)分離ローラの昇降機構を分離カムの回転中心線の延びる方向から見た図、(b)分離ローラの昇降機構を分離カムの回転中心線の延びる方向から見た図
(実施例1)
<画像形成装置>
まず、本実施例の画像形成装置1の全体的構成および画像形成動作について説明する。図1は画像形成装置1の概略断面図である。
レーザービームプリンタとしての画像形成装置1は、主に画像を形成する記録材としてのシートSを収納するカセット10、及び、ピックアップローラ12、給紙ローラ13等の給紙搬送機構を有する給紙ユニットを有する。カセット10にはシートSを載置した状態で回動可能な底板11が設置されており、底板11によって持ち上げられたシートSをピックアップローラ12、給紙ローラ13の順で搬送し、シートSを給送する。給紙ローラ13と分離ローラ14との間の分離ニップ部では、シートSが2枚以上重なって給送されてきた場合に分離ローラ14により捌かれ、給紙ローラ13と接触するシートSのみが給送される。給送されたシートSは中間ローラ100により搬送され、画像形成部の転写対向ローラ101と転写ローラ102との間の転写ニップ部へ搬送される。なお、本実施例における画像形成部は、次に説明するトナー像を形成し、シートS上に転写、定着する部分である。
画像形成時には、感光体としての感光ドラム103(103y、103m、103c、103k)は、図中反時計方向に回転する。感光ドラム103の表面は帯電手段によって一様に帯電された後、露光手段としてスキャナ104により光を照射されて静電潜像が形成される。その静電潜像は現像手段としての各感光ドラムに対応する現像ローラ105(105y、105m、105c、105k)によって現像され、トナー像が形成される。
各感光ドラム103に上に形成されたトナー像は、各感光ドラム103と中間転写ベルト106とが当接する転写位置で、中間転写ベルト106にそれぞれ一次転写される。カラー画像を形成する場合、感光ドラム103y、103m、103c、103k上にイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックのトナー像が形成され、各トナー像が中間転写ベルト106の表面上に重ねて転写される。
中間転写ベルト106に形成されたトナー像は、中間転写ベルト106の表面の移動により、二次転写手段としての転写対向ローラ101と転写ローラ102との間の転写ニップ部に送られる。これに同期してカセット10からシートSが転写ニップ部へ給送され、転写ニップ部で中間転写ベルト106上のトナー像がシートS上に転写される。
トナー像が転写されたシートSは、定着手段としての定着フィルム107と加圧ローラ108との間の定着ニップ部へ搬送され、トナー像が加熱加圧されてシートSに定着される。
トナー像が定着されたシートSは、排紙ローラ109と排紙コロ110により、排紙トレイ111に排出される。
<給紙ユニット>
次に、図2を用いて給紙ユニットについて説明する。図2は画像形成装置1の給紙ユニットの概略斜視図である。給紙ユニットは、主にシートSを持ち上げるリフター機構、及び、シートSを搬送する給送機構である駆動伝達装置を備える。
まずリフター機構について説明する。図2に示すように、シートSが載置されている底板11は、カセット10上で上下方向に回動自在に設けられている。底板11は、セクターギア15が一端部に設けられた押上板16に支持されている。セクターギア15は画像形成装置1の装置本体内に設けられた不図示のリフトモータにより回転するギア17に噛み合っており、リフトモータの駆動力によって押上板16が回転し、底板11を回動させてその上のシートSを昇降させる。
これらセクターギア15、押上板16、ギア17は給紙ユニットのリフター機構である。
次に給送機構について説明する。底板11上に載置されたシートSの上方にはピックアップローラ12が配置され、ピックアップローラ12の搬送方向Cの下流側には給紙ローラ13と分離ローラ14とが対向する分離ニップが配置されている。ピックアップローラ12及び給紙ローラ13は、給紙モータ18により同じ方向に回転駆動される。
次に、給紙動作について説明する。シートSを給紙する際は、(1)まず、リフター機構によってシートSを上昇させた後、シートSをピックアップローラ12に当接させる。(2)次にピックアップローラ12を駆動してシートSの搬送方向Cへの搬送を開始し、給紙ローラ13と分離ローラ14との間の分離ニップへ搬送する。(3)分離ニップでは給紙ローラ13の駆動力により、シートSを更に搬送方向Cへ搬送し、上述した転写ニップ部へと搬送する。(4)このように、給紙ローラ13の駆動力でシートSの搬送を開始すると、ピックアップローラ12は上方へ移動してシートSから退避(離間)する。これは、給紙ローラ13によって搬送されるシートSに、ピックアップローラ12からのバックテンションがかからないようにしてスムーズに給紙を行う為である。
次のシートSを給紙する際は、(5)所定時間経過後にピックアップローラ12を次のシートSに当接する位置まで下降させる。その後、上述した(2)〜(5)のシーケンスを繰り返すことにより連続でシートSを給紙する。
<ピックアップローラ昇降機構>
上述したように、ピックアップローラ12は所定のタイミングで昇降することにより、シートSに当接、シートSから退避する構成である。次にこのピックアップローラ12の昇降機構について説明する。
給紙カムギア22と給紙カム21は、樹脂材料で一体成型された1つの回転部材として、給紙カム軸部材20に軸支され、回転中心線X回りに回転する。給紙カム21と給紙カムギア22はこれらの回転中心線X方向に関して並んで配置される。給紙カムギア22は、給紙アイドラギア19と噛み合うギア部が形成されており、給紙アイドラギア19を介して給紙モータ18からの駆動力を伝達されて回転する。給紙カム21にはカム面21aが形成されている。つまり、給紙カム21のカム面21aと給紙カムギア22のギア部は、回転中心線Xの延びる方向に関して、ずれて配置されている。
また、給紙カム21には、カム面21aが切り欠かれた切り欠き部21bが設けられ、カム面21aが形成されておらず、給紙カム軸部材20の外周面20aを露出させている。給紙カム21は、切り欠き部21bにより給紙カム軸部材20と嵌合しない部分が存在する。しかしながら、給紙カム21は、給紙カム軸部材20の全周で回転可能に嵌合している給紙カムギア22と一体成型されている。このため、切り欠き部21b内を給紙カム軸部材20が通過することにより給紙カム21が給紙カム軸部材20から外れてしまうことはない。外周面20aと切り欠き部21bの機能については図3(a)〜(c)を参照して後に詳述する。
なお、給紙カム21と給紙カムギア22は一体的に回転する構成となっていれば、一体成型されていなくてもよい。例えば、複数の部品を接着剤等で接着固定したり、ビスや弾性変形する係合部などの固定部材により固定したりしたものでもよい。
給紙カム軸部材20は、金属材料で形成された軸部材であり、画像形成装置1の装置本体の骨格部材としての板金製の側板に固定された樹脂製の給紙ユニットフレーム(以降は「フレーム」と記載)Fに回転しないよう圧入固定された固定軸である。なお、フレームFは樹脂製のフレームに限定されず、金属製のフレームであってもよい。この場合、給紙カム軸部材20の固定方法もフレームFに加締め固定などでもよい。
給紙カムフォロワ23は、搬送ローラ13を支持する搬送ローラ軸24を支点に回転自在に支持されており、給紙カム21のカム面21aに当接する(突き当たる)当接面23aを備える。給紙カムフォロワ23は、給紙カム21が回転することにより、搬送ローラ軸24を支点に揺動して変位する。これは、給紙カム21の回転によって、カム面21aのうち当接面23aが当接した部分の、回転中心線Xからの距離(半径)が変化するからである。
またこの給紙カムフォロワ23はピックアップローラ12の軸を備えており、ピックアップローラ12を回転可能に支持している。このため、給紙カム21が回転することにより、給紙カムフォロワ23が変位し、ピックアップローラ12も搬送ローラ軸24を支点に回動して上下に変位する。
給紙カムフォロワ23は不図示の弾性部材(バネ)により下側に付勢(押圧)されている。つまり、ピックアップローラ12はこの弾性部材によって底板11に向かって付勢されている。
次に図3(a)〜(c)を用いて、給紙カム21によるピックアップローラ12の昇降について説明する。なお、図3(a)〜(c)は、ピックアップローラ12の昇降機構を給紙カム21の回転中心線Xの延びる方向から見た図である。図3(a)は、ピックアップローラ12が底板11上のシートSから退避した位置にある状態を示す図である。この状態では、給紙カムフォロワ23の当接面23aは給紙カム21のカム面21aの最大半径部21cに当接し、ピックアップローラ12がシートSから退避し、高さが上限の位置ある状態である。
給紙動作を開始して上述したリフター機構により底板11上に載置されたシートSを上昇させた状態で、モータ18により給紙カムギア22及び給紙カム21を図3(a)の時計回り回転させる。この際、給紙カムフォロワ23が当接した給紙カム21のカム面21aが摺動し、カム面21aの給紙カムフォロワ23と当接する部分と回転中心線Xとの距離が徐々に短くなり、ピックアップローラ12をシートSに向かって下降させる。
通常の給紙動作を実行している時は、底板11が所定高さ以上となっている。このため、図3(b)に示すように、給紙カム21の回転位相が、給紙カムフォロワ23の当接面23aが給紙カム21の切り欠き部21bに対向する位相となると、ピックアップローラ12が底板11上のシートSに当接して下降が停止する。この状態でピックアップローラ12が回転することによりシートSを給紙ローラ13の方向へ搬送する。
このように、当接面23aが切り欠き部21bに対向する位相の時に、ピックアップローラ12が確実に底板11上のシートSと当接できるよう、給紙カム21に切り欠き部21bを設けている。つまり、ピックアップローラ12が底板11上のシートSに当接する前に、給紙カムフォロワ23の当接面23aがカム面21aに接触してピックアップローラ12の下降が止まらないよう、給紙カム21に切り欠き部21bを設けている。
なお、当接面23aが切り欠き部21bに対向する位相の時の当接面23aと外周面20aとの間の距離は、各部材の形状は配置の公差によるバラつきがあっても隙間が形成されるような十分な余裕を持った距離で設計されている。
ところで、例えば、給紙動作中にカセット10が画像形成装置1の装置本体から引き抜かれた場合等は、ピックアップローラ12はシートSや底板11に当接できない。このような場合には、図3(c)に示すように、給紙カムフォロワ23の当接面23aは給紙カム軸部材20の外周面20aに当接する。このとき、ピックアップローラ12は高さが下限の位置にあるといえる。このように、給紙カム軸部材20は給紙カムフォロワ23の回転止め(ストッパ)としても機能する。給紙カムフォロワ23が回転止めとなることで、必要以上にピックアップローラ12や給紙カムフォロワ23が下降(変位)して他の周囲の部品等に接触したり、破損したりするのを防ぐ。
以上説明したように、本実施例によれば、給紙カム21の一部に給紙カム軸部材20の一部を露出される切り欠き部21bを設けた。このため、給紙カム軸部材20の切り欠き部21bによって露出する外周面20aが、給紙カムフォロワ23に対応するカム面として機能する。つまり、給紙カムフォロワ23を変位させるカム面のうち、一部を給紙カム軸部材20の外周面20a、他の部分を給紙カム21のカム面21aが担う構成となっている。
そして、給紙カムフォロワ23を変位させるカム面の回転中心線Xからの距離(半径)は、給紙カム21のカム面21aの最大半径部21cが最大であり、給紙カム軸部材20の外周面20aが最小である。また、当接面23aと回転中心線Xとの距離は、当接面23aが最大半径部21cと当接している時が最大で、当接面23aが切り欠き部21bによって露出させられた外周面20aと対向する時に最小となる。なお、当接面23aが切り欠き部21bによって露出させられた外周面20aと対向する時とは、図3(b)のように当接面23aと外周面20aとの間に隙間がある場合も含む。
本実施例において、給紙カムフォロワ23を変位させるカム面とは、給紙カムフォロワ23の当接面23aに当接して給紙カムフォロワ23の位置を直接的に決める面だけを指すものではない。図3(b)の外周面20aのように、当接面23aから逃げる位置に配置され、給紙カムフォロワ23が所定の位置まで移動することを許容する(邪魔しない)面も、給紙カムフォロワ23を変位させるカム面に含まれる。つまり、図3(b)の外周面20aのように、当接面23aから逃げることで給紙カムフォロワ23の位置を間接的に決める面も、給紙カムフォロワ23を変位させるカム面である。
ここで、比較例として、切り欠き部21bを設けず、給紙カム軸部材20の回り一周に給紙カム21のカム面21aを配置し、給紙カムフォロワ23を変位させるカム面の全てを給紙カム21のカム面21aで担う構成を考える。この比較例と比べ、本実施例のように、切り欠き部21bを設けて外周面20aを給紙カムフォロワ23を変位させるカム面の一部とした構成の方が、給紙カムフォロワ23を変位させるカム面の回転中心線Xからの距離(半径)の最小値を小さくすることができる。これは、比較例の構成の場合、給紙カムフォロワ23を変位させるカム面の回転中心線Xからの距離(半径)の最小値は、給紙カム21の最小半径部分の肉厚と給紙カム軸部材20の半径との合計となるからである。
従って、ピックアップローラ12の変位量(上限の位置と下限の位置との間の移動距離)が一定という条件下では、本実施例のように給紙カムフォロワ23を変位させるカム面の一部を外周面20aで担う構成の方が、カム面の最小半径を小さくでき、給紙カム21の最大半径を小径化出来る。その結果、給紙ユニットや画像形成装置1を小型化することができる。
それに加えて、給紙カム軸部材20を、給紙カム21とは別部材で構成し、且つ、フレームFに固定された固定軸とした。このため、給紙カム軸部材20の材料を、例えば高剛性の金属等、給紙カム21とは別の材料を使用することができる。また一般的に固定軸は回転軸と比べ強度が高い為、固定軸である給紙カム軸部材20自体を細い部材にすることにより、外周面20aの回転中心線Xからの距離をより小さくすることができ、給紙カム21の最大半径を小径化出来る。
このように、本実施例によれば、カムフォロワの変位量を減少させることなく、強度を維持してカムを小径化することが可能となる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。実施例1は、カムフォロワのカム面に当接する当接面がカムの軸部材に当接可能な構成であったが、本実施例では、カムフォロワを軸部材に当接させずに用いる構成について説明する。本実施例で説明する装置は、実施例1と同じ画像形成装置1であり、画像形成装置1の給紙ユニットの分離ローラ14の昇降機構について説明する。従って、実施例1と同様の部分については、同様の符号を付して説明は省略する。
<分離ローラの昇降機構>
次に分離ローラ14の昇降機構について説明する。図4は画像形成装置1の給紙ユニットの概略斜視図である。図4に示すように、給紙モータ18から分離アイドラギア25を介し、分離カム軸部材26を支点に回転自在で分離カム27と樹脂材料で一体的に形成されている分離カムギア28へと駆動が伝達される。分離カム軸部材26は給紙ユニットのフレームFに固定された固定軸である。分離カム27は、実施例1の給紙カム21と同様に、カム面27aとカム面が形成されていない切り欠き部27bを備え、切り欠き部27bでは分離カム軸部材26の外周面26aが露出する。以降、半径について説明する際は、分離カム27の回転中心線Yからの半径を示すものとする。
分離ローラ14は分離ローラホルダ29によって支持されており、分離ローラホルダ29は分離ローラ軸30を支点に回動自在で、弾性部材31(取り付け構成は不図示)により給紙ローラ13に向かう方向へ付勢(押圧)されている。
この分離ローラホルダ29と分離カムフォロワ32は同軸で固定され一体動作する構成となっている。分離カムフォロワ32の当接面23aが分離カム27のカム面27aに当接するので、分離カム27の回転位相によって分離ローラホルダ29に支持された分離ローラ14の位置が決定する。分離ローラ14はピックアップローラ12によってシートSが分離ニップに到着する前に上昇して給紙ローラ13に当接する。そして分離ローラ14によって搬送されたシートSが所定位置まで搬送されると、下降して給紙ローラ13から退避する。
図5(a)、(b)は、分離ローラ14の昇降機構を分離カム27の回転中心線Yの延びる方向から見た図である。図5(a)は、分離ローラ14が給紙ローラ13から退避した状態を示している。この時、分離カムフォロワ32の当接面23aは、分離カム27の最大半径部27cに当接している。一方で、図5(b)は、分離カム27が所定の回転位相で、分離ローラ14が給紙ローラ13に当接している状態を示している。この状態の時、分離カムフォロワ32の当接面23aは切り欠き部27bに対向する位置にあるものの、分離カム軸部材26の外周面26aと分離カムフォロワ32の当接面23aとの間には隙間が空くようになっている。この隙間により、分離ローラ14を給紙ローラ13に確実に接触し、分離ローラ14が所定の接触圧で給紙ローラ13を押圧することができる。
分離ローラ14の給紙ローラ13への当接や摺動が繰り返されると、分離ローラ14や給紙ローラ13のつぶれや削れなどにより、分離ローラ14が給紙ローラ13に当接した状態において、分離ローラ14と給紙ローラ13との中心間距離が変わる場合がある。この場合、分離カムフォロワ32と分離カム軸部材26の位置関係も変化する。このような場合でも、上述した隙間を十分にとれるようにしておく必要がある。
これに対し、本実施例では、分離カム27に切り欠き部27bを設け、所定の回転位相で分離カムフォロワ32の当接面23aと対向する部分を分離カム軸部材26の外周面26aとしている。この構成であれば、切り欠き部27bを設けず、分離カム27のカム面27aに最小半径部分を形成した構成と比べ、分離カムフォロワ32に対応するカム面(カム面27と外周面26a)を、分離カムフォロワ32からより退避させて大きな隙間を設けられる。また、隙間、及び、分離カムフォロワ32の変位量が一定であれば、分離カムフォロワ32に対応するカム面の最小半径部分が外周面26aとなるので、分離カム27のカム面27の最大半径部27cの半径を小さくすることができる。
また、本実施例でも分離カム27を回転可能に支持する分離カム軸部材26を固定軸としたことで、一般的に回転軸と比べ強度が高い固定軸である分離カム軸部材26自体を細い部材として、外周面26aの半径を小さくすることができる。
このように、本実施例によれば、実施例1と同様の効果を得ることができる。つまりカムフォロワの変位量を減少させることなく、強度を維持してカムを小径化することが可能となる。
<給紙ユニット以外への適用例>
なお、上述した実施例1、2は、いずれも給紙ユニットが備える駆動伝達部におけるカム構成、即ち、カムに、カム面が形成されず軸部材を露出させた切り欠き部を備え、軸部材がフレームに固定され、カムが軸部材に対して回転する構成であった。しかしながら、それ以外の駆動伝達機構にも上述した実施例1、2のカム構成は適用可能である。例えば、感光ドラム103y、103m、103c、103kと中間転写ベルト106の当接離間機構に用いられるカム構成に適用してもよい。また、感光ドラム103y、103m、103c、103kと、対応する現像ローラ105y、105m、105c、105kとの当接離間機構に用いられるカム構成に適用してもよい。また、感光ドラム103y、103m、103c、103k、中間転写ベルト106、現像ローラ105y、105m、105c、105k等への駆動伝達のON/OFFさせる機構に用いられるカム構成に適用してもよい。また、転写対向ローラ101と転写ローラ102との間を接離する為や、定着フィルム107と加圧ローラ108との間を接離する為の機構に用いられるカム構成に適用してもよい。
20 給紙カム軸部材
20a 外周面
21 給紙カム
21a カム面
21 切り欠き部b
22 給紙カムギア
23 給紙カムフォロワ
23a 当接面
F フレーム

Claims (6)

  1. シートをピックアップするピックアップローラと、カム面を備えた回転部材と、前記回転部材を支持する軸部材と、前記カム面と当接する当接面を備えており且つ前記ピックアップローラを回転可能に支持するカムフォロワと、を有し、前記カム面が前記当接面と摺動することにより、前記カムフォロワが変位し、この変位に合わせて前記ピックアップローラが変位する給紙装置において、
    前記軸部材は装置本体のフレームに回転しないよう固定され、前記回転部材には前記軸部材の一部を露出させるように切り欠かれた切り欠き部が形成されており、
    前記当接面が前記切り欠き部によって露出させられた前記軸部材の一部と対向する時、前記当接面が前記回転部材の回転中心に最も近づくと共に前記ピックアップローラがシートに当接することにより前記当接面が前記カム面から離間することを特徴とする給紙装置。
  2. 前記装置は更に、シートを収容する給紙カセットを有し、前記当接面が前記切り欠き部に対向する時、前記給紙カセットを取り除くと、前記当接面は、前記軸部材の前記切り欠き部によって露出された部分に当接することを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
  3. 前記回転部材は、前記カム面と一体的に回転するギア部を備え、前記カム面と前記ギア部は一体成型されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙装置。
  4. 前記回転部材は樹脂材料で形成され、前記軸部材は金属材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の給紙装置。
  5. 前記軸部材は前記フレームに圧入固定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の給紙装置。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の給紙装置と、記録材に画像を形成する画像形成部と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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