本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。以下の説明では、便宜的に、図1の右下側、左上側、左下側、右上側、上側、及び下側を、それぞれテープ印字装置1及びテープカセット30の前側、後側、左側、右側、上側、及び下側とする。本実施形態では、テープカセット30に収納されるシート材である各種テープ(例えば、感熱紙テープ、後述する印字テープ57、両面粘着テープ、チューブテープ、及びフィルムテープ)を、総称してテープという。
図1〜図3を参照して、テープ印字装置1を説明する。尚、図2では、理解を容易にするために、カセットケース31の上面を取り除いている。テープ印字装置1は、1台でサーマルタイプ、レセプタタイプ、ラミネートタイプ、チューブタイプ等、各種のテープカセットが使用可能な汎用のテープ印字装置である。
図1に示すように、テープ印字装置1は、略直方体形状の本体カバー2を備えている。本体カバー2の前面に、テープ印字装置1の電源スイッチ等、テープ印字装置1を操作するためのスイッチ3が配置されている。テープ印字装置1は、ケーブル(図示外)等を介してパーソナルコンピュータ(図示外。以下、PCという。)に接続可能である。例えばテープ印字装置1は、PCから送信されるキャラクタ(文字、数字、図形、及び記号等)のデータに基づいて、テープにキャラクタの印字を行う。
テープ印字装置1の上面に、テープカセット30の交換時に開閉されるカセットカバー6が設けられている。カセットカバー6は、平面視略長方形状の蓋部である。カセットカバー6は、本体カバー2の背面上方の左右両端部で軸支され、閉鎖位置(図示外)と、図1に示す開放位置との間で回動可能である。本体カバー2に、テープカセット30を着脱可能な領域であるカセット装着部8が設けられている。カセット装着部8は、カセットカバー6が閉鎖位置にあるときに被覆され、カセットカバー6が開放位置にあるときに露出する。
本体カバー2の左側面に、排出口111が設けられている。排出口111は、印字済みテープがカセット装着部8から排出される開口である。本体カバー2は、カセット装着部8と排出口111との間に、印字済みテープの搬送経路を形成するテープ排出部110を有する。テープ排出部110の内部に、後述の切断機構80(図3参照)が設けられている。
図1及び図2に示すように、カセット装着部8の前部に、ヘッドホルダ74が立設されている。ヘッドホルダ74の前面に、発熱体(図示せず)を備えるサーマルヘッド10が設けられている。ヘッドホルダ74の後方に、リボン巻取軸95が立設されている。リボン巻取軸95は、テープカセット30のリボン巻取スプール44に着脱可能な軸体である。ヘッドホルダ74の左側に、テープ駆動軸100が立設されている。テープ駆動軸100は、テープカセット30のテープ駆動ローラ46に着脱可能な軸体である。
ヘッドホルダ74の前側に、左右方向に延びるアーム状のプラテンホルダ12が配置されている。プラテンホルダ12は、軸支部121を中心に揺動可能に軸支されている。プラテンホルダ12の左端部に、プラテンローラ15及び可動搬送ローラ14が回転可能に軸支されている。プラテンローラ15は、サーマルヘッド10に相対して、サーマルヘッド10と接離可能である。可動搬送ローラ14は、テープ駆動軸100に装着されているテープ駆動ローラ46に相対して、テープ駆動ローラ46と接離可能である。カセット装着部8の下側に、ステッピングモータであるテープ駆動モータ711(図4参照)が配置されている。
図2及び図3に示すように、カセットカバー6(図1参照)が閉鎖されると、プラテンホルダ12が印字位置に向けて移動する。印字位置に移動したプラテンホルダ12は、カセット装着部8に近接する。このとき、プラテンローラ15の下側に設けられたギア722がギア721と噛み合い、且つ、可動搬送ローラ14の下側に設けられたギア723がギア720と噛み合う。
図1及び図2を参照して、テープカセット30を説明する。テープカセット30は、内部に収納されるテープの種類、及び、インクリボンの有無などを適宜変更することによって、前述のサーマルタイプ、レセプタタイプ、ラミネートタイプ、チューブタイプ等に実装可能な汎用カセットである。図2は、レセプタタイプのテープカセット30を例示している。
図1及び図2に示すように、テープカセット30は、箱状のカセットケース31を備えている。カセットケース31の左前部に、テープカセット30から排出されるテープを案内する排出案内部49が設けられている。カセットケース31は、カセットケース31内に装着されるスプール類を回転可能に支持するための支持孔65〜68を有する。
支持孔65は、第一のテープが巻回された第一テープスプール40を回転可能に支持する。支持孔67は、未使用のインクリボン60が巻回されたリボンスプール42を回転可能に支持する。支持孔68は、使用済みのインクリボン60を巻き取るためのリボン巻取スプール44を回転可能に支持する。支持孔66は、第二のテープが巻回された第二テープスプール(図示外)を回転可能に支持する。
図2に示すレセプタタイプのテープカセット30では、支持孔65は第一のテープである印字テープ57が巻回された第一テープスプール40を支持している。本実施形態の印字テープ57は、印字層と剥離層とが接着剤を介して積層されている積層テープである。レセプタタイプのテープカセット30では第二のテープが使用されないため、支持孔66は第二テープスプールを支持していない。図示しないが、ラミネートカセットのテープカセット30では、支持孔65は第一のテープである両面粘着テープが巻回された第一テープスプール40を支持する。支持孔66は第二のテープであるフィルムテープが巻回された第二テープスプールを支持する。
図3及び図4を参照して、ユニット70を説明する。図3の右上側、左下側、右下側、左上側、上側、下側は、図1及び図2に示すテープ印字装置1の前側、後側、左側、右側、上側、下側に対応する。図3及び図4では、図2に示すプラテンホルダ12の外装を省略している。図4では、制御部20を省略している。
ユニット70は、第一フレーム701、第二フレーム702、印字機構71、切断機構80、排出機構500等を備えている。第一フレーム701は、前後左右に延びる板状の金属フレームであり、カセット装着部8(図1参照)の下側に配置される。印字機構71は第一フレーム701に配置されている。印字機構71は、カセット装着部8に装着されているテープカセット30を用いて、テープにキャラクタを印字するための機構である。
印字機構71は、ヘッドホルダ74、サーマルヘッド10(図2参照)、プラテンホルダ12、プラテンローラ15、可動搬送ローラ14、リボン巻取軸95、テープ駆動軸100、テープ駆動モータ711、ギア715〜723等を含む。プラテンホルダ12の軸支部121の下端部は、第一フレーム701の右前部に軸支されている。
第一フレーム701の下側に、テープ駆動モータ711及び制御部20が配置されている。テープ駆動モータ711の駆動軸713は、第一フレーム701に設けられた孔(図示略)を介して第一フレーム701の上側に突出している。第一フレーム701の上側において、駆動軸713にギア715が固着されている。ギア715は、ギア716と噛み合う。ギア717は、ギア716及びギア718と噛み合う。ギア719は、ギア718、ギア720、及びギア721に噛み合う。リボン巻取軸95は、ギア717の上面に立設されている。テープ駆動軸100は、ギア720の上面に立設されている。
制御部20は、CPU、ROM、RAM等を有する電気基板である。制御部20は、CPUがROMに記憶されているプログラムを実行することで、テープ印字装置1の各種動作を制御する。
第二フレーム702は、前後左右に延びる板状の金属フレームであり、第一フレーム701の左側にねじ止めされている。第二フレーム702は、テープ排出部110(図1参照)の下側に配置される。第二フレーム702は、第二フレーム702の左端から上方に延びる支持板730を有する。切断機構80は第二フレーム702に配置されている。切断機構80は、印字済みテープを所定の長さで切断するための機構である。支持板730の上端部に、支持板730から右側に延びる取付板731が設けられている。取付板731の右面に、後述のモータ90が固定されている。
図2を参照して、テープ印字装置1の動作概要を説明する。プラテンホルダ12が印字位置に向けて移動すると、プラテンローラ15が印字テープ57及びインクリボン60を介してサーマルヘッド10を押圧する。同時に、可動搬送ローラ14が印字テープ57を介してテープ駆動ローラ46を押圧する。
制御部20(図3参照)は印字動作の実行時に、テープ駆動モータ711(図4参照)を駆動する。テープ駆動モータ711が駆動されると、ギア715〜723(図3参照)を介してリボン巻取軸95、テープ駆動軸100、可動搬送ローラ14、及びプラテンローラ15が回転する。
リボン巻取軸95がリボン巻取スプール44を回転することで、リボンスプール42から未使用のインクリボン60が引き出される。テープ駆動軸100がテープ駆動ローラ46を回転することで、テープ駆動ローラ46と可動搬送ローラ14とに挟まれる印字テープ57が搬送されて、第一テープスプール40から未使用の印字テープ57が引き出される。プラテンローラ15とサーマルヘッド10との間では、サーマルヘッド10が未使用のインクリボン60を使用して、未使用の印字テープ57の印字層に印字する。印字済みの印字テープ57は、テープ排出部110に搬送されて、後述するように切断機構80(図3参照)によって切断される。切断された印字テープ57は、排出口111から排出される。
図3〜図10を参照して、切断機構80を説明する。以下の説明では、便宜的に、図3の左上側、右下側、右上側、左下側、上側、及び下側を、それぞれ切断機構80の前側、後側、左側、右側、上側、及び下側とする。理解を容易にするために、図5では引張バネ230を取り除いており、図6では引張バネ230及び引張バネ330を取り除いており、図7ではハーフカット機構200及び引張バネ330を取り除いており、図8ではハーフカット機構200及びフルカット機構300を取り除いている。また、図10の左上側及び右下側は、それぞれ切断機構80の下側及び上側である。
図3〜図5に示すように、切断機構80は、駆動機構750、ハーフカット機構200、フルカット機構300、及び搬送機構400等を含む。駆動機構750は、テープ排出部110(図1参照)よりも右側に配置されている。フルカット機構300、ハーフカット機構200、及び搬送機構400は、テープ排出部110(図1参照)の内部にて、テープの搬送経路の上流側(前側)から下流側(後側)へ向かって順に配置されている。
駆動機構750は、ハーフカット機構200、フルカット機構300、及び搬送機構400を駆動するための機構である。図6及び図7に示すように、駆動機構750は、モータ90、ギア群751、ギアカム76等を含む。モータ90は、取付板731の上端部の左右方向略中央に固定されている。モータ90の出力軸90A(図5参照)に固定されるギア90Bは、取付板731を貫通する開口部732の内側に配置されている。
ギア群751は、取付板731から前方に延びる複数の軸部のそれぞれに回転可能に設けられた複数のギアを含む。ギア群751は、モータ90によりも右側に配置されており、ギア90Bとギアカム76とを連結している。
図6〜図8に示すように、ギアカム76は、ギア群751の前側に配置されている。ギアカム76は、取付板731から前方へ向かって延びる軸部761を中心に回転可能である。ギアカム76は、ギア755、及びカム板760を含む。ギア755はギアカム76の後側部を形成し、カム板760は前側部を形成する。ギア755はギア群751と連結している。カム板760は、突出部762を除いて、軸部761から周面までの距離(つまり、半径)が略等しい。突出部762は、カム板760のうちで径方向外側に突出する部位である。
第一駆動ピン763、第二駆動ピン764、第一検出板765、及び第二検出板766が、カム板760に設けられている。第一駆動ピン763及び第二駆動ピン764は、いずれもカム板760から前方へ突出する円柱体である。詳細には、第二駆動ピン764は、突出部762から前方へ突出する。第一駆動ピン763は、突出部762とは異なるカム板760の外縁部から前方へ突出する。第一駆動ピン763は、第二駆動ピン764に対して、軸部761を中心として正面視で時計回り方向に略90度回転した位置に設けられる。
カム板760の周面は、カム板760の前後方向略中心よりも前側の周面である前周面760Aと、後側の周面である後周面760Bとを含む。第一検出板765は後周面760Bに設けられ、第二検出板766は前周面760Aに設けられる。第一検出板765及び第二検出板766は、いずれもカム板760の周面から径方向外側に突出する板状体である。
詳細には、第一検出板765は、突出部762の後方から軸部761を中心として正面視で時計回り方向に延びる。第二検出板766は、突出部762に対して、軸部761を中心として正面視で反時計回り方向に略90度回転した位置に配置されている。
図7及び図8に示すように、カム板760の下側に、機械式センサである二つの検出センサ91,92が設けられている。検出センサ91はカム板760の右端部下方に設けられ、検出センサ92はカム板760の左端部下方に設けられる。検出センサ91,92は、それぞれ、前後方向に延びる回転軸(図示外)から上方に延びる可動ピン91A,92A(図14参照)を含む。可動ピン91Aは前周面760Aの下方に位置し、可動ピン92Aは後周面760Bの下方に位置する。
検出センサ91は、可動ピン92Aが上方に延びる定常状態である場合にはOFF信号を出力する一方、可動ピン92Aが定常状態から正面視で時計回り方向に回転し傾斜状態となるとON信号を出力する。
検出センサ92は、可動ピン91Aが上方に延びる定常状態である場合にはOFF信号を出力する一方、可動ピン91Aが定常状態から正面視で反時計回り方向に回転し傾斜状態となると場合にはON信号を出力する。
図6を参照して、ハーフカット機構200を説明する。ハーフカット機構200は、複数層が積層されたテープのうち、一部の層のみを切断するための機構である。ハーフカット機構200は、固定部210、可動部220、引張バネ230(図11参照)、及び押圧バネ240を含む。
固定部210は、背面視で略Lの字型の板状部材であり、第一板部211、第二板部212、及び受台213を含む。第一板部211は、左右方向に延びる板状部であり、第二フレーム702(図3参照)に固定されている。第二板部212は、第一板部211の右端部から上方向に延びる板状部である。受台213は、第二板部212の左辺部のうち、上下方向略中心よりも上側部分から、後方へ向かって突出する板状部である。受台213は、前後方向及び上下方向と平行に延びている。
可動部220は、正面視で略Lの字型の板状部材であり、前後方向に延びる回転軸(図示外)に回転可能に設けられている。可動部220は、第二板部212の背面側、且つ、カム板760の前側に配置されている。可動部220は、第一板部221、第二板部222、切断刃223、及び隙間形成部231を含む。第一板部221は、略左右方向に延びる板状部であり、受台213の下側からカム板760の右側まで延びている。第二板部222は、第一板部221の左端部から、第一板部221に対して略90度傾斜して上側に延びる板状部である。第二板部222は、受台213の左側に配置される。
切断刃223は、第二板部222の前面に取り付けられ、且つ第二板部222の右辺部に沿って延びる刃部である。切断刃223は、第二板部222の右辺部よりも右側に僅かに突出しており、受台213に対して左側から対向している。隙間形成部231は、切断刃223の上側から、切断刃223よりも受台213に向けて僅かに突出する略直方体の突起部である。
係止板225,227,229、バネ軸部226、逃がし溝228、及びガイド溝233が、第一板部221に設けられている。バネ軸部226は、正面視で第二板部212とカム板760との間において、第一板部221から前方に延びる。係止板225,227,229は、いずれも第一板部221から前方に突出する突出片である。係止板225は、第一板部221の右上端部から前方に突出する。係止板227は、バネ軸部226の下側から前方に突出する。係止板229は、バネ軸部226の上側且つ第二板部212の右側から前方に突出する。逃がし溝228は、正面視で第二板部212とバネ軸部226との間に設けられた、第一板部221の下辺部から上方に凹む溝部である。
押圧バネ240は、第一板部221に保持されるねじりコイルバネであり、コイル部の内側にバネ軸部226が挿通されている。押圧バネ240は、コイル部の両端部から同一方向に延びる一対の腕部242,243を含む。腕部242の先端部は、係止板225を下側から付勢することで、係止板225に係止されている。腕部243の先端部は、係止板227を上側から付勢することで、係止板227に係止されている。
ガイド溝233は、正面視で第一駆動ピン763の下側に設けられた、第一板部221の上辺部から下方に凹む溝部である。ガイド溝233は、係止板225に係止されている腕部242よりも下側まで、正面視で円弧状に凹んでいる。
第二板部222の左端部には、前側に突出する突出片224(図11参照)が設けられる。突出片224には、引張バネ230(図11参照)の一端部が設けられる。引張バネ230の他端部は、第一板部211の左端部に設けられた取付穴214に設けられる。第二板部222は、引張バネ230の弾性力によって、支持軸(図示外)を中心に正面視で反時計回り方向に付勢されており、係止板229が第二板部212に係止される位置で、回転が規制される。これにより可動部220は、切断刃223が受台213から離隔する第一退避位置に保持される。
図7を参照して、フルカット機構300を説明する。フルカット機構300は、複数層が積層されたテープの全ての層を切断するための機構である。フルカット機構300は、固定部310及び可動部320等を含む。
固定部310は、背面視で略Lの字型の板状部材であり、固定部210(図6参照)の前側に配置されている。固定部310は、第一板部311、第二板部312、及び固定刃314を含む。第一板部311は、左右方向に延びる板状部であり、第二フレーム702(図3、図4参照)に固定されている。第二板部312は、第一板部311の右端部から上方向に延びる板状部である。第一板部311及び第二板部312が連接する部位は、前後方向に延びる支持軸301に固定されている。固定刃314は、第二板部312の左辺部に設けられた、上下方向に延びる刃部である。
可動部320は、正面視で略Lの字型の板状部材であり、支持軸301を中心に回転可能に設けられている。可動部320は、固定部310の背面側、且つ、カム板760の前側に配置されている。可動部320は、第一板部321、第二板部322、及び可動刃324等を含む。第一板部321は、正面視で略左右方向に延びる板状部である。詳細には、第一板部321は、支軸の301の右側、且つ逃がし溝228(図6参照)の下側を前方から後方へ向かって延び、さらに略右方向に折れ曲がって延びる板状部である。第一板部321の右端部は、カム板760の前側に配置されている。
第二板部322は、第一板部321の左端部から、第一板部321に対して略90度傾斜して上側に延びる板状部である。第一板部321と第二板部322の連接部に設けられる貫通孔(図示外)には、支持軸301が挿通されている。可動刃324は、第二板部322の右辺部に沿って延び、固定刃314に対して左側から対向する刃部である。
ガイド溝323、ガイド穴325、及び逃がし溝328が、第一板部321に設けられている。ガイド溝323は、第一板部321の右端側に設けられた、第一板部321の上辺部から下方に凹む溝部である。ガイド穴325は、第一板部321の長手方向略中心に設けられた、第一板部321を貫通する穴である。ガイド穴325は、第一板部321の長手方向と平行に延びる長穴である。逃がし溝328は、第一板部321の左端側に設けられた、第一板部321の上辺部から下方に凹む溝部である。逃がし溝328は、逃がし溝228(図6参照)の下方に位置する。
第二板部322の左端部には、取付穴329が設けられる。取付穴329には、引張バネ330(図5参照)の一端部が設けられる。引張バネ330の他端部は、第一板部311の左端部に設けられた取付穴313に設けられる。第二板部322は、引張バネ330の付勢力によって、支持軸301を中心に正面視で反余計回り方向に付勢されている。これにより可動部320は、可動刃324が固定刃314から離隔する第二退避位置に保持される。
図5、図8〜10を参照して、搬送機構400を説明する。搬送機構400は、フルカット機構300によって切断されたテープを、排出口111(図1参照)に向けて搬送し排出するための機構である。図5に示すように、搬送機構400は、ガイド部材770、固定ローラ440、軸部材401、第一リンク410、第二リンク420、及び保持部材490を含む。
ガイド部材770は、第二板部212の背面に取り付けられる板状部材である。ガイド部材770は、受台213の後方で前後方向及び上下方向に延びる板状部である案内壁771を含む。案内壁771は、印字済みテープを排出口111に向けて案内可能である。
固定ローラ440は、ガイド部材770に設けられ、上下方向に延びる回転軸(図示外)を中心に回転可能な回転体である。固定ローラ440は、受台213の後方に設けられている。軸部材401は、第一板部211から後方へ向けて延びる。軸部材401は、案内壁771の左側、且つ、第二板部222の下側に配置されている。以下、軸部材401が延びる方向(前後方向)を一定方向といい、背面視で軸部材401を中心とした時計回り方向を第一方向といい、第一方向とは反対の方向を第二方向という。
図5及び図8に示すように、第一リンク410は、可動部320(図7参照)の後側に配置された略左右方向に長い板状部材であり、軸部材401に第一方向及び第二方向に揺動可能に設けられている。第一リンク410は、連結部416、第一板部417、及び第二板部418を含む。連結部416は、第一リンク410の左右方向略中央部を形成する板状部であり、軸部材401が挿通される貫通孔416Aが設けられる。第一板部417は、連結部416から右方向に延び、且つ、ガイド穴325(図7参照)の後側まで延びている。
第一板部417の右端部に、第一リンク410から前方に突出するピン411が設けられている。ピン411は、ガイド穴325に挿入されている。これにより、第一リンク410は、第一板部321(図7参照)と連結し、可動部320(図7参照)の回転に伴い軸部材401を中心として揺動可能である。
第二板部418は、連結部416の左端部から左上方向に延びる。第二板部418の左端部は、固定ローラ440よりも下側に配置される。第二板部418は、突出片419、溝部451、及び第一規制部材450等を含む。突出片419は、第二板部418の左上端部から、さらに上方に突出する板状部である。突出片419の下側部には連結部419Aが形成され、上側部には先端部419Bが形成されている。連結部419Aは、正面視で略上下方向に長い略矩形の板状部であり、第二板部418と連結する。先端部419Bは、正面視で略左右方向に長い略矩形の板状部である。
溝部451は、第二板部418の上辺部の左右方向略中央部が下方に切り欠かれることで形成される。溝部451の右側部は、第二板部418に形成された、一定方向に僅かに延びる壁部451Aによって囲まれている。壁部451Aは、第二板部418の上辺部から略下方向に延びる当接面451Bと、当接面451Bの下端部から左斜め下方に延びる傾斜面451Cとを含む。
図5に示すように、第一規制部材450は、第二板部418の上辺部のうち、突出片419よりも右側で、第一リンク410に支持される板状部材である。第一規制部材450は、支持部452、延設部453、及び規制部454を含む。支持部452は第二板部418から後方へ突出する。延設部453は支持部452の後端部から略右方向に延び、溝部451(図8参照)の後方に配置されている。規制部454は延設部453の右端部から略前方に延びる。規制部454は平面視で略矩形状であり、第二板部418の前側に配置される。
第二板部418の背面には、第一リンク410から後方に突出する第二規制部材458が支持されている。第二規制部材458は、第一規制部材450の左側から、延設部453の左右方向略中央部の上側まで略直線状に延びる。
保持部材490は、平面視で略矩形且つ枠状の板状部材であり、前後方向略中心よりも後側部が支持部435に載置されている。これにより、保持部材490は軸部材401を中心に第一方向及び第二方向に揺動可能である。保持部材490は、支持部435に対して摺動可能である。保持部材490の内側には、隙間493が形成されている。隙間493には、突出片419が下側から進入している。つまり、突出片419は、第二板部418から保持部材490へ向かって突出している。突出片419は、保持部材490の右壁部490Bに対して第二方向側に配置されており、隙間493を挟んで右壁部490Bと対向している。右壁部490Bは一定方向に延びる。
保持部材490の左壁部490Aには、左壁部490Aの上辺部が下方に凹むことで形成される溝部491が設けられている。溝部491は、隙間493と連通している。溝部491には先端部419Bが上側から挿入されている。先端部419Bの左側部は溝部491から左側へ突出している。
隙間493には、コイルバネ471が圧縮された状態で配置されている。コイルバネ471の右端部は、右壁部490Bから左方へ突出するピン(図示外)によって保持されている。コイルバネ471の左端部は、先端部419Bの右側部によって保持されている。コイルバネ471が圧縮されることによって、保持部材490は右側に付勢されており、左壁部490Aは連結部419Aに左側から係止している。
右壁部490Bには、突起部472が設けられる。突起部472は、右壁部490Bからコイルバネ471とは反対側へ向かって略直線状に延びる棒状部材である(図8参照)。突起部472は保持部材490によって支持されている。突起部472の後側部は、第二板部418の前面に固定される板バネ498と当接している(図8参照)。
第二リンク420は、第一リンク410の前側で軸部材401を中心として第一方向及び第二方向に揺動可能な板状部材である。つまり、第一リンク410及び第二リンク420は、一定方向に沿って軸部材401に揺動可能に設けられている。
第二リンク420は、連結部426、板部427、及び取付部428を含む。連結部426は、上下方向に長い板状部であり、軸部材401が挿通される貫通孔426Aが設けられている。板部427は、連結部426の左上部から左上方向に延びる。
図8に示すように、板部427の前面上部には、第二リンク420から前方へ向かって突出し、且つ溝部451の内側に進入する円柱体である突起部427Aが設けられる。言い換えると、突起部427Aは、第二リンク420から第一リンク410へ向かって突出しており、壁部451Aの第二方向側に配置される。
図5に示すように、板部427の背面には、第二リンク420から後方へ向かって突出する壁部427Bが設けられる。壁部427Bは、板部427の長手方向と平行に延びる。壁部427Bは、トーションバネ499によって第一方向へ付勢されている。トーションバネ499は、第一リンク410及び第二リンク420の間にて、コイル部が軸部材401によって保持されている。
トーションバネ499は、コイル部の両端部から延びる一対の腕部499A,499Bを含む。腕部499Aは、下側から第一板部417の下辺部に係止している。腕部499Bは、壁部427Bの第二方向側端部に係止している。トーションバネ499が壁部427Bを、第一方向へ向けて付勢することで、突起部427A(図8参照)は当接面451B(図8参照)に対して第二方向側から係止している。
取付部428は、板部427の上端部に設けられた、正面視で略Cの字型の板状部である。取付部428は、互いに形状が等しい丸穴428A,428B(図4参照)を含む。丸穴428Aは、取付部428の上端部を形成する上壁部428Cを略上下方向に貫通する。丸穴428Bは、取付部428の下端部を形成する下壁部428Dを略上下方向に貫通する(図4参照)。丸穴428A,428Bは、上壁部428C及び下壁部428Dの間に形成される隙間429を挟んで互いに対向している。
可動ローラ430は隙間429に配置されており、第二リンク420によって支持されている。可動ローラ430は、固定ローラ440と協働して、案内壁771が案内するテープを、搬送し排出するための回転体である。可動ローラ430は、丸穴428A,428Bの中心を通過して延びる回転軸線X(図10参照)を中心として正転可能である。正転とは、可動ローラ430を下側からみた場合における、回転軸線Xを中心とした時計回り方向への回転をいう。可動ローラ430は、後述するクラッチバネ446によって、正転とは反対の回転である逆転が防止されている。
可動ローラ430は、第二リンク420の揺動に伴って、テープの搬送経路(図示外)を挟んで固定ローラ440と左側から対向する位置である挟持位置(図12(b)参照)と、挟持位置よりも固定ローラ440から第二方向に離隔する位置である離隔位置(図12(a)参照)との間を移動可能である。挟持位置は、可動ローラ430が固定ローラ440と共にテープを挟み込んで正転することにより、テープを搬送可能な位置である。
図9及び図10に示すように、可動ローラ430は、回転軸445、クラッチバネ446、ローラ部431、カム部材432、及び突出部433を含む。回転軸445は、回転軸線Xに沿って延びる円柱状の軸部材である。回転軸445の上端部は丸穴428Aに回転可能に取り付けられ,下端部は丸穴428B(図4参照)に回転可能に取り付けられている。
ローラ部431は、回転軸線Xと平行な方向に僅かに延びる有底円筒状であり、上側が開口されている。ローラ部431の下面は、回転軸445の長手方向略中央部と一体的に形成されている。ローラ部431の外周面にはテープと接触可能なゴム部材431Aが設けられている。
一方向クラッチであるクラッチバネ446は、ローラ部431の内側に配置されており、コイル部446Aを含む。コイル部446Aは回転軸445に設けられている。コイル部446Aの上端部から延びる腕部446Bは、上壁部428Cを貫通する貫通孔428Eに取り付けられている。コイル部446Aの下端部から延びる腕部(図示外)は、ローラ部431の内周面に取り付けられている。クラッチバネ446は、ローラ部431の正転を許容する一方、逆転を防止する。
カム部材432は、ローラ部431の下面から回転軸線Xと平行な方向に沿って突出する略円盤状であり、ローラ部431と共に回転軸線Xを中心として正転可能である。カム部材432の外周部には、回転軸線Xと直交する方向へ向かって突出する二つの突出部432Aが設けられる。
二つの突出部432Aは、回転軸線Xを挟んで対称な位置に配置されている。二つの突出部432Aは、それぞれ、当接部432Bを含む。当接部432Bは、突出部432Aの逆転方向側端部に形成された平面部である。当接部432Bは回転軸線Xと略直交する方向に延びる。
突出部433は、カム部材432の下面から、回転軸線Xと平行な方向に沿って突出する略直方体状である。突出部433は二つの平面状の平面部433Aを含む。二つの平面部433Aは、回転軸線Xを挟んで互いに対向し、回転軸線Xと平行な方向に延びる。二つの平面部433Aは、二つの突出部432Aの間に配置されている。
図5、図9、図10、及び図12(a)を参照し、可動ローラ430、第一規制部材450、第二規制部材458、及び突起部472の位置関係について説明する。二つの平面部433Aのうち、一方の平面部433Aは、規制部454の後側部と対向している。平面部433Aと規制部454との間には微小な隙間しかない。つまり、第二規制部材458は、突出部433が正転する場合に描く回転領域(以下、第一回転領域という)に進入している。これにより、可動ローラ430は正転を規制されている。以下、第一規制部材450が第一回転領域に進入する位置であって、可動ローラ430の正転を規制する位置を第一規制位置という。第一規制位置にある第二規制部材458は、第一リンク410の第一方向への揺動に伴って、第一回転領域から退出し可動ローラ430の正転を許容する位置(以下、第一許容位置という)へ移動可能である(図12(e)参照)。
第二規制部材458は、二つの当接部432Bのうち、一方の当接部432Bから左側に離間する位置に配置されている(図10、図12(a)参照)。詳細には、第二規制部材458は、当接部432Bが正転する場合に描く領域(以下、第二回転領域という)に対して、回転軸線Xとは反対側に退出し可動ローラ430の正転を妨げない(許容する)位置(以下、第二許容位置という)に配置されている。第二許容位置にある第二規制部材458は、第一リンク410の第一方向への揺動に伴って、第二回転領域に進入し可動ローラ430の正転を規制する位置(以下、第二規制位置という)へ移動可能である(図12(d)参照)。
突起部472は、二つの当接部432Bのうち、他方の当接部432Bから左側に離間する位置(以下、離間位置という)に配置されている。離間位置にある突起部472は、第一リンク410の第一方向への揺動に伴って、当接部432Bに接触し付勢する位置(以下、接触位置という)へ移動可能である(図12(d)参照)。離間位置は、接触位置よりも回転軸線X(図10参照)から離間する位置である。
以上説明した切断機構80は、モータ90が駆動されていない場合、待機状態(図5〜図8、図12(a)、図13(a)参照)にある。待機状態の切断機構80では、可動部220,320は、それぞれ第一退避位置及び第二退避位置にあり、可動ローラ430は離隔位置にある。さらに、第一規制部材450は第一規制位置にあり、第二規制部材458は第一許容位置にあり、突起部472は離間位置にある。
固定刃314と可動刃324との隙間、受台213と切断刃223との隙間、及び固定ローラ440と可動ローラ430との隙間が、互いに前後方向に連通する。テープ排出部110(図1参照)におけるテープの搬送経路は、これらの前後方向に連通する隙間を経由する。印字済みテープは、固定刃314、受台213、固定ローラ440に沿って搬送される。
図6〜図8に示すように、切断機構80が待機状態にある場合、カム板760の回転位置は、突出部762が左側を向く基準位置にある。カム板760が基準位置にある場合、第一駆動ピン763は、軸部761の上方に位置する。第二駆動ピン764は、軸部761の左方に位置する。基準位置のカム板760では、可動ピン91A,92A(図14参照)は第一検出板765及び第二検出板766から離隔しており、検出センサ91,92はOFF状態である。
基準位置のカム板760では、第一駆動ピン763は、ハーフカット機構200の第一板部221の上側にある。また、第一駆動ピン763は係止板225に係止された押圧バネ240の腕部242に上側から接触する。第二駆動ピン764は、フルカット機構300の第一板部321の上側まで前方に延びており、第一板部321のガイド溝323に上側から接触する。
図6〜図8、図11〜図14を参照して、切断機構80の作動態様を説明する。以下の説明では、印字済みの印字テープ57(図2参照)を切断する場合を例示する。理解を容易にするために、図12では切断機構80を下側からみた模式的な図を示している。また、図13では板バネ498、固定ローラ440、及びガイド部材770を取り除いており、図14では引張バネ330を取り除いている。尚、図13(a)は図12(a)に、図13(b)は図12(b)に、図13(c)は図12(d)に、図13(d)は図12(e)に、図13(e)は図12(g)に、それぞれ対応する。切断機構80は、待機状態(図5〜図8、図12(a)参照)から切断動作を開始する。
図6及び図11を参照し、ハーフカット機構200の作動態様を説明する。制御部20(図3参照)は、ハーフカット機構200に印字テープ57を切断させる場合、モータ90を一方向へ回転させる。一方向は、背面視で出力軸90A(図5参照)を中心とした反時計回り方向である。モータ90が一方向へ回転すると、ギア群751を介してカム板760が第一作動方向に回転する。第一作動方向は、軸部761を中心とした正面視で時計回り方向である。第一駆動ピン763は、カム板760と共に第一作動方向に回転する。
第一作動方向に回転する第一駆動ピン763が腕部242を押し下げることで、第一退避位置にあった可動部220は、引張バネ230の弾性力に抗って、正面視で時計回り方向へ回転する。第一板部221が第二フレーム702(図3参照)に当接する位置まで可動部220が回転すると、可動部220は第一退避位置から第一切断位置に移動する。第一切断位置は、隙間形成部231が受台213に当接し、切断刃223が受台213に近接する位置である。このとき、切断刃223と受台213との間には、印字テープ57(図1参照)の印字層と略等しい隙間しか形成されず、印字テープ57は、切断刃223及び受台213によって左右両側から挟み込まれる状態となる。
その後、モータ90がさらに一方向へ回転することで、第一駆動ピン763は、ガイド溝233と摺動しながら、ガイド溝233の左端部へ向けて回転する。腕部242は下方へ向けてさらに押し下げられ、可動部220は正面視で時計回り方向へ付勢される。切断刃223が印字テープ57を受台213へ向けてさらに押圧することで、印字テープ57の一部の層(具体的には、剥離層)は、切断される。印字テープ57はハーフカットされる。切断刃223が第一切断位置へ移動した後、モータ90は、駆動を切替えて一方向とは反対の方向である他方向へ回転する。カム板760は第一作動方向とは反対の方向である第二作動方向に回転し、基準位置まで移動する。可動部220は第一切断位置から第一退避位置まで移動する。この結果、切断機構80は待機状態に復帰する。
切断機構80が待機状態に復帰した後、制御部20はテープ駆動モータ711(図4参照)を所定量駆動する。これにより、ハーフカットされた(剥離層が切断された)印字テープ57は、排出口111に向けて搬送される。
ここで、印字テープ57がハーフカットされる場合における、制御部20によるモータ90の回転制御について説明する。可動部220を第一切断位置に移動させるカム板760の回転位置を第一変位位置という。基準位置にあったカム板760が第一変位位置まで回転すると、第一検出板765が可動ピン91Aと接触する。可動ピン91Aが定常状態から傾斜状態に変化することで、検出センサ91はOFF状態からON状態に変化する。このとき、可動ピン92Aは突出部762に接触せず、検出センサ92(図8参照)はOFF状態に保持される。
検出センサ91がON状態、且つ検出センサ92がOFF状態になった場合、制御部20はカム板760が第一変位位置まで回転したと判断する。制御部20は、モータ90を所定回転量だけ一方向へさらに回転させることで、第一駆動ピン763を、ガイド溝233の左端部へ移動させ、印字テープ57をハーフカットすることができる。
図7、図8、及び図12〜図14を参照し、フルカット機構300及び搬送機構400の作動態様を説明する。制御部20(図3参照)は、テープ駆動モータ711(図4参照)を駆動して、印字された印字テープ57を可動刃324と固定刃314との間、及び固定ローラ440と可動ローラ430との間まで搬送させ、モータ90を他方向へ回転させる。モータ90の他方向への回転に伴って、カム板760は基準位置から第二作動方向に回転する。
図7及び図14に示すように、第二作動方向に回転する第二駆動ピン764は、ガイド溝323において第一板部321を下方に付勢する。第一板部321が下方に移動するのに伴って、可動部320が引張バネ330(図5参照)の弾性力に抗って、支持軸301を中心に正面視で時計回り方向に回転する。
ピン411は、可動部320と共に回転するガイド穴325に沿って、略左方向へ移動する。これにより第一リンク410は第一方向へ揺動する。トーションバネ499(図5参照)の付勢力によって突起部427Aが当接面451Bに係止しているので、第二リンク420は、第一リンク410と共に第一方向へ揺動する。同時に、支持部452(図5参照)に載置される保持部材490は、第一リンク410と共に第一方向へ揺動する。言い換えると、トーションバネ499、突起部427A、壁部451A、及び支持部452(以下、これらを総称する場合には連動機構150という)によって、第一リンク410及び保持部材490は、第二リンク420と共に第一方向へ揺動する。
第一規制部材450及び第二規制部材458は、第一リンク410の揺動に伴って、第一方向側へ移動する。離隔位置にある可動ローラ430は、第二リンク420の揺動に伴って、第一方向側へ移動する。突起部472は、保持部材490の揺動に伴って、第一方向側へ移動する。
第一リンク410、第二リンク420、及び保持部材490が共に第一方向へ揺動するので、可動ローラ430、第一規制部材450、第二規制部材458、及び突起部472における互いの相対的な位置関係は変化しない。つまり、第一規制部材450が第一規制位置にある状態、第二規制部材458が第一許容位置にある状態、及び突起部472が離間位置にある状態は、いずれも維持される。
図12(b)、図13(b)に示すように、第二方向側へ移動する可動ローラ430は、固定ローラ440とは反対側から印字テープ57を挟み込み、挟持位置まで移動する。挟持位置においては、ゴム部材431Aが印字テープ57に接触する。このとき、可動刃324は固定刃314から離隔した位置にある。
モータ90が他方向へさらに回転することで、可動部320は正面視で時計回り方向にさらに回転し、可動刃324は固定刃314へ向けて移動する。可動部320の回転に伴って、第一リンク410は第一方向へさらに揺動する。
一方、第二リンク420は、挟持位置にある可動ローラ430と対向する固定ローラ440によって、第一方向への揺動が制限される。第一リンク410は、突起部427Aに対して壁部451Aを相対して移動させながら、第一方向へ揺動する(図8参照)。詳細には、第一リンク410は、傾斜面451Cを突起部427Aに沿わせながら、第二リンク420とは独立して第一方向へ揺動する。同時に、支持部452に載置される保持部材490は、第一リンク410と共に揺動する。言い換えると、連動機構150によって、第一リンク410及び保持部材490は、可動ローラ430を挟持位置まで移動させた第二リンク420とは独立して、第一方向へ揺動する。尚、第二リンク420は、トーションバネ499の付勢力によって、可動ローラ430が挟持位置にある状態のまま静止する。
図12(c)に示すように、第一リンク410及び保持部材490が、第二リンク420とは独立して揺動することで、第一規制部材450、第二規制部材458、及び突起部472(図13参照)は、可動ローラ430に対して第二方向側へ移動する。そして、まず突起部472の先端部が当接部432Bと接触し、接触位置まで移動する。この場合、第一規制部材450は第一規制位置に位置する状態、及び第二規制部材458が第二許容位置に位置する状態は維持されたままである。また、可動刃324は固定刃314から離隔している。
第一規制部材450が第一規制位置にあるため、突起部472が当接部432Bと接触しても、可動ローラ430は正転が規制されたままである。従って、突起部472を接触位置まで移動させた保持部材490は、当接部432Bによって第一方向への揺動が制限される。
モータ90が他方向へさらに回転することで、可動部320が正面視で時計回り方向へさらに回転し、第一リンク410は第一方向へさらに揺動する。第一リンク410の揺動に伴って、支持部452(図5参照)は保持部材490に対して摺動しながら第一方向側へ移動し、突出片419はコイルバネ471を圧縮させながら右壁部490Bへ向かって移動する。連結部419Aは、左壁部490Aから右方向へ離間する。これにより、第一リンク410は、突起部472を接触位置まで移動させた保持部材490とは独立して、第一方向へ揺動する。つまり、突出片419及び右壁部490B(以下、これらの部材を総称する場合には連動機構250という。)によって、第一リンク410は、第一規制部材450及び第二規制部材458を、保持部材490とは独立して第一方向へ揺動させる。
尚、突出片419によって圧縮されたコイルバネ471は、接触位置にある突起部472を介して、突出部432Aを正転する方向へ向けて付勢する。このとき、第一規制部材450は、第一規制位置に位置したままであるので、コイルバネ471によって付勢される可動ローラ430は、正転が規制されたままである。また、可動刃324は固定刃314に近接する位置にある。
図12(d)、図13(c)、及び図14に示すように、モータ90が他方向へさらに回転することで、可動刃324は、固定刃314と印字テープ57を挟み込み切断する位置である第二切断位置まで移動する。これにより、印字テープ57は切断(フルカット)される。このとき、第一規制部材450は第一規制位置に位置したままである一方、第二規制部材458は第二規制位置まで移動する。第一規制部材450が第一規制位置にある状態が維持されているので、突出片419はさらに右壁部490Bへ向かって移動し、コイルバネ471はさらに圧縮された状態となる。第二規制位置にある第二規制部材458は、二つの突出部432Aのうち、突起部472が接触する突出部432Aとは異なる突出部432Aから略左方向から離間している。
図12(e)、図13(d)に示すように、モータ90が他方向へさらに回転することで、可動刃324は、第二切断位置に到達した後も正面視で時計回り方向へ回転し、第一リンク410はさらに第一方向へ揺動する。これにより、第一規制部材450が第一許容位置まで移動する。第一規制部材450が第一許容位置にある場合、規制部454と支持部452との間に形成される間隙456のみが、第一回転領域に進入する状態となるため、可動ローラ430は正転可能な状態となる。
コイルバネ471によって付勢される突起部472が当接部432Bを押圧することで、可動ローラ430は4分の1回転分だけ正転する。これにより、可動ローラ430は、固定ローラ440と協働して、切断された印字テープ57を搬送する。以下、突起部472による可動ローラ430の正転を一回目の正転という。
可動ローラ430の一回目の正転に伴って、突起部472は、コイルバネ471の付勢力によって右側へ移動する。突起部472が移動する場合、保持部材490は、溝部491を先端部419Bの前面及び背面に沿わせながら、支持部452(図5参照)と摺動しつつ右側へ移動する。そして、左壁部490Aが連結部419Aと係止する位置にて、突起部472及び保持部材490は停止する。
図12(f)に示すように、可動ローラ430の一回目の正転に伴って、第二規制部材458の右側にあった突出部432Aが、第二規制位置にある第二規制部材458と当接する。この結果、可動ローラ430は正転を停止する。以下、可動ローラ430が正転を停止する回転位置を所定の回転位置という。所定の回転位置においては、平面部433Aの延設方向が、第一規制部材450の移動方向と直交する。所定の回転位置にある可動ローラ430は、第二規制位置にある第二規制部材458によって正転が規制され、クラッチバネ446(図9参照)によって逆転が防止される。
可動ローラ430が一回目の正転を終えたとき、突出部433は底面視で左右方向に長い状態から前後方向に長い状態となる。この結果、突出部433は、第一規制部材450が第一規制位置と第一許容位置との間を移動する場合に通過する領域である移動領域に進入する。
可動ローラ430が所定の回転位置で停止した後、モータ90は、駆動を切替えて一方向へ回転する。これにより、第二駆動ピン764が第一作動方向へ回転する(図7、図14参照)。可動部320は、引張バネ330(図5参照)の付勢力によって、ガイド溝323が第二駆動ピン764と当接する状態を維持しつつ、正面視で時計回り方向へ回転する(図7参照)。可動部320の回転に伴って、ピン411はガイド穴325に沿って略右方向へ移動する。これにより、第一リンク410は第二方向へ揺動する。
第一リンク410は、傾斜面451Cを突起部427Aに沿わせながら、第二方向へ揺動することで、第二リンク420とは独立して第二方向へ揺動する(図8参照)。第二リンク420は、トーションバネ499(図5参照)の付勢力によって、可動ローラ430が挟持位置にある状態で静止したままである。つまり、第一リンク410は、連動機構150によって第二リンク420とは独立して第二方向へ揺動する。尚、支持部452に支持される保持部材490は、第一リンク410と共に第二方向へ揺動する。
図12(g)に示すように、第一リンク410(図13参照)が第二方向への揺動を開始した直後、第二規制部材458は第二回転領域から退出し、第二許容位置まで移動する。所定の回転位置で停止した可動ローラ430は、クラッチバネ446によって逆転が防止されており、さらに、回転軸445と丸穴428A,428B(図4、図10参照)との摺動摩擦によって、所定の回転位置で静止したままである。
一方、第二規制部材458と共に第二方向側へ移動する第一規制部材450は、規制部454を平面部433Aに対して右側から当接し押圧する。詳細には、規制部454は平面部433Aのうち回転軸線X(図10参照)よりも前側部に当接し、さらに正転方向へ押圧する。この結果、可動ローラ430は、押圧された平面部433Aが規制部454の後端面と対向する位置まで正転する。第一規制部材450は、可動ローラ430を4分の1回移転分だけ正転させ、第一規制位置に到達する。以下、第一規制部材450による可動ローラ430の正転を二回目の正転という。
ここで、所定の回転位置で停止していた平面部433Aの延設方向は、第一規制部材450の移動方向と略直交する。従って、規制部454によって押圧される平面部433Aに作用する荷重は、分散されにくい。
図12(h)に示すように、二回目の正転をする可動ローラ430は、フルカットされた印字テープ57を固定ローラ440と協働して、排出口111(図1参照)へ向けてさらに搬送する。印字テープ57の後端部は、可動ローラ430及び固定ローラ440のニップ部から放出され、排出口111へ向けて排出される。
搬送機構400が印字テープ57を排出した後、モータ90がさらに一方向へ回転する。これにより、第二方向へ揺動する第一リンク410の当接面451Bが、突起部427Aと第二方向側から当接し押圧する(図13(e)参照)。この結果、可動ローラ430を挟持位置まで移動させた第二リンク420は、第一リンク410と共に第二方向へ揺動する。モータ90がさらに一方向へ回転することで、カム板760は基準位置まで移動する。この結果、切断機構80は、待機状態に復帰する。以上の動作により、印字テープ57は、フルカット機構300によってフルカットされた後に、搬送機構400によって排出口111へ向けて搬送され排出される。
ここで、図7及び図14を参照し、印字テープ57がフルカットされ排出される場合における、制御部20(図3参照)によるモータ90の回転制御について説明する。可動部320を第二切断位置に移動させるカム板760の回転位置を、第二変位位置という。カム板760が基準位置から第二作動方向に回転するのに伴って、前周面760Aは、可動ピン91Aに対して摺動しながら回転する。カム板760が第二変位位置まで回転すると、第二検出板766が可動ピン91Aに接触する。可動ピン91Aが定常状態から傾斜状態に変化するため、検出センサ91はOFF状態からON状態に変化する。
カム板760が基準位置から第二変位位置まで回転するのに伴って、後周面760Bは可動ピン92Aに対して摺動しながら回転する。カム板760が第二変位位置まで回転すると、突出部762が可動ピン92Aに接触する。可動ピン92Aが定常状態から傾斜状態に変化するため、検出センサ92はOFF状態からON状態に変化する。
従って、モータ90が他方向へ回転する場合において、検出センサ91,92がいずれもON状態になった場合、制御部20はカム板760が第二変位位置まで回転したと判断し、さらにモータ90を所定量だけ回転させた後、モータ90の駆動を停止させる。これにより、切断機構80は印字テープ57をフルカットし、搬送機構400はフルカットされた印字テープ57を搬送し排出する。
その後、制御部20は、カム板760を第二変位位置から第一作動方向に回転させる。検出センサ92がON状態からOFF状態に変化するまで(つまり、突出部762が可動ピン92Aから離間するまで)、制御部20はカム板760を第一作動方向に回転させる。検出センサ92がON状態からOFF状態に変化した場合、制御部20はモータ90の駆動を停止する。これにより、切断機構80は待機状態に復帰する。
次に、図10及び図12を参照し、挟持位置にある可動ローラ430が一回目の正転を行う前における、クラッチバネ446について説明する。挟持位置にある可動ローラ430は、一回目の正転をするまで、第一規制位置にある第一規制部材450によって、回転が規制される。ここで、突出部433と規制部454との間に隙間が形成され、可動ローラ430が僅かに回転可能な状態となる場合であっても、クラッチバネ446は逆転を防止する。
従って、一回目の正転を行う前における挟持位置にある可動ローラ430の回転位置は安定化する。このため、固定ローラ440及び可動ローラ430に挟み込まれた印字テープ57は、搬送方向上流側(前側)へ搬送されることはない。よって、クラッチバネ446が設けられていない場合と比較して、一回目の正転を行う前の印字テープ57の位置が安定化されるので、印字テープ57の排出量のばらつきは低減される。
以上、説明したように、可動ローラ430は、挟持位置にて固定ローラ440と印字テープ57を挟み込み、二回に亘って正転をすることで、フルカットされた印字テープ57を搬送し、排出口111に排出する。ここで、一回目に正転した可動ローラ430は、第二規制位置にある第二規制部材458によって所定の回転位置で停止する。この結果、可動ローラ430の回転停止位置が安定化するので、第一規制部材450が正転させる可動ローラ430の正転量は安定化する。よって、搬送機構400は、印字テープ57を排出する可動ローラ430の正転量を安定化でき、印字テープ57の排出口111への排出量を安定化できる。
搬送機構400は、連動機構150及び連動機構250を備えることで、駆動源であるモータ90の回転に伴って、第一リンク410、第二リンク420、及び保持部材490を連動して揺動させ、印字テープ57を搬送し排出する。搬送機構400は、駆動源が一つであっても印字テープ57を搬送し排出できるので、小型化及び低コスト化を図ることができる。
搬送機構400は、連動機構150を含む。これにより、第二リンク420は、可動ローラ430を離隔位置から挟持位置へ移動させる場合に、第一リンク410と共に第一方向へ揺動可能である。さらに第一リンク410は、可動ローラ430を挟持位置まで移動させた第二リンク420とは独立して、保持部材490と共に第一方向へさらに揺動可能である。このように、搬送機構400は、連動機構150(トーションバネ499、突起部427A、壁部451A、及び支持部452)を含むだけで、第一リンク410、第二リンク420、及び保持部材490を連動して第一方向へ揺動させることができる。よって、搬送機構400はさらに小型化できる。
搬送機構400は連動機構250を含む。これにより、第一リンク410は、接触位置まで移動させた保持部材490とは独立して、さらに第一方向へ揺動できる。搬送機構400は、連動機構250(左壁部490A及び突出片419)を含むだけで、第一アームと410を保持部材490とは独立して第一方向へ揺動させることができる。よって、搬送機構400は、さらに小型化できる。
コイルバネ471は、突出片419によって圧縮されることで、突起部472を介して可動ローラ430を付勢する。搬送機構400は、可動ローラ430の一回目の正転をさせるための付勢手段として、コイルバネ471及び突出片419を含むだけである。また、コイルバネ471は、隙間493に配置される。突出片419が右壁部490Bに相対して第一方向側へ移動する空間(隙間493)を無駄なく活用できるので、搬送機構400はさらに小型化できる。
搬送機構400は、モータ90を他方向へ回転させることで、第一リンク410を第二方向へ揺動させつつ、第一規制部材450を平面部433Aに押圧させ、可動ローラ430に二回目の正転をさせる。この場合、搬送機構400は、可動ローラ430に一回目の正転をさせた部材及び機構(モータ90、第一リンク410、第二リンク420、及び連動機構150)以外に新たな部材等を含むことなく、可動ローラ430に二回目の正転をさせることができる。よって、搬送機構400はさらに小型化できる。
第二規制部材458が一回目の正転を停止させた可動ローラ430は、回転軸445と丸穴428A,429Bとの摺動摩擦によって、所定の回転位置で静止したままである。従って、可動ローラ430の所定の回転位置は、第一規制位置へ移動する第一規制部材450によって、突出部433が押圧される回転位置となる。従って、一回目の正転をした後、且つ二回目の回転をする前における可動ローラ430の回転位置が安定化される。よって、搬送機構400は、印字テープ57を排出する可動ローラ430の正転量をさらに安定化でき、印字テープ57の排出口111への排出量をさらに安定化できる。
可動ローラ430の所定の回転位置は、平面部433Aの延設方向が、第一規制部材450の移動方向と直交する回転位置である。規制部454によって押圧される平面部433Aに作用する荷重は分散されにくく、第一規制部材450は突出部433を正転させ易い。よって、搬送機構400は、可動ローラ430の二回目の正転を効率良く行うことができる。
搬送機構400は、可動ローラ430の逆転を防止する一方向クラッチとしてクラッチバネ446を含む。挟持位置にある可動ローラ430の逆転が防止されることで、一回目の正転前における可動ローラ430の回転位置は安定化され、印字テープ57が搬送方向上流側へ移動することが防止される。従って、クラッチバネ446が設けられていない場合と比較して、可動ローラ430が一回目の正転を行う前における、印字テープ57の位置が安定化される。よって、搬送機構400は、印字テープ57の排出量をさらに安定化させることができる。
搬送機構400が含む一方向クラッチがクラッチバネ446であることで、可動ローラ430の逆転を防止する機構は簡易化される。
切断機構80は、突起部472が接触位置まで移動した後であって、第一規制部材450が第一許容位置まで移動する前に、可動刃324を第二切断位置まで移動させ、印字テープ57をフルカットする。フルカットされた印字テープ57は、搬送機構400によって排出口111へ向けて搬送され排出される。よって、印字テープ57を排出する可動ローラ430の正転量を安定化させ、印字テープ57の排出口111への排出量を安定化させた切断機構80を実現できる。
印字済みの印字テープ57は、切断機構80に供給されるとフルカットされ、その後、排出口111へ向けて搬送され排出される。よって、印字テープ57を排出する可動ローラ430の正転量を安定化させ、印字テープ57の排出口111への排出量を安定化させたテープ印字装置1を実現できる。
上記実施形態において、印字テープ57が本発明の「テープ」の一例である。搬送機構400が本発明の「搬送装置」の一例である。固定ローラ440が本発明の「第一ローラ」の一例である。可動ローラ430が本発明の「第二ローラ」の一例である。カム部材432が本発明の「第一突出部」の一例である。突出部432Aが本発明の「第二突出部」の一例である。第二リンク420が本発明の「第一揺動部材」の一例である。保持部材490が本発明の「第二揺動部材」の一例である。第一リンク410が本発明の「第三揺動部材」の一例である。モータ90が本発明の「駆動手段」の一例である。連動機構150が本発明の「第一連動機構」及び「第二連動機構」の一例である。連動機構250が本発明の「第二連動機構」の一例である。壁部451Aが本発明の「第一壁部」の一例である。突起部427Aが本発明の「第一突起部」の一例である。トーションバネ499が本発明の「第一弾性部材」の一例である。右壁部490Bが本発明の「第二壁部」の一例である。突出片419が本発明の「第二突起部」の一例である。コイルバネ471が本発明の「第二弾性部材」の一例である。突起部472が本発明の「第三突起部」の一例である。
フルカット機構300が本発明の「切断手段」の一例である。切断機構80が本発明の「切断装置」の一例である。サーマルヘッド10が本発明の「印字手段」の一例である。テープ駆動モータ711が本発明の「供給手段」の一例である。テープ印字装置1が本発明の「印字装置」の一例である。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。搬送機構400は、切断機構80に設けられる必要はない。搬送機構400は、単独で使用可能な装置であってもよいし、用紙又はフィルム等のシート材を使用する他の装置の一部に設けられてもよい。
固定ローラ440は、可動ローラ430の右側に配置される代わりに、可動ローラ430の左側に配置されてもよい。この場合であっても、可動ローラ430は固定ローラ440の右側で揺動することで、挟持位置と離隔位置との間を揺動可能である。
また、突起部427Aが係止する壁部は、壁部451Aの代わりに、第二板部418の左端部を形成する壁部であってもよい。この場合であっても、第一リンク410は第二アームとは独立して揺動可能である。