JP6183107B2 - 液体供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体カートリッジ及びカートリッジ装着部を備えた液体供給装置に関する。
従来より、インクを用いて記録用紙に画像を記録する画像記録装置が知られている。画像記録装置は、インクジェット方式の記録ヘッドを備え、記録ヘッドのノズルからインク滴を記録用紙へ向けて選択的に吐出する。インク滴が記録用紙に着弾することによって、記録用紙に所望の画像が記録される。画像記録装置には、記録ヘッドへ供給するインクを貯留するインクカートリッジが設けられる。インクカートリッジは、画像記録装置に設けられた装着部に対して摺動することによって挿抜可能である。
インクカートリッジの内部に形成されたインク室からインクが円滑に流出するために、インクカートリッジが装着部に装着された状態において、インク室が外部と連通されて大気圧にされることが望ましい。そのため、インクカートリッジに、インク室と外部とを連通する大気連通口が設けられる。
また、インクカートリッジが装着部に装着された状態において、大気連通口からのインク漏れを防止するために、インクカートリッジの大気連通口は装着部と液密に連結される。この連結構造は、例えば、インクカートリッジの大気連通口の周りにラバーなどの円筒形状の部材が設けられ、装着部には、このラバーと液密に接触する円筒形状のロッドが設けられる(特許文献1)。
特開2001−58670号公報
しかしながら、特許文献1のような構成においてラバーとロッドとが密着すると、インクカートリッジが装着部から取り外されるときに、ラバーとロッドとが離れるときの抵抗が大きく、装着部からインクカートリッジが取り出し難くなるという問題が生じ得る。特に、ラバーやロッドに乾燥したインクが付着していると、このような問題が顕著に生じ得る。
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体カートリッジに設けられた弾性部材と、カートリッジ装着部に設けられたロッドとが離れるときの抵抗を小さくできる手段を提供することにある。
本発明は、カートリッジ装着部と、上記カートリッジ装着部に対して挿入向きに挿入されて装着される液体カートリッジと、を備える液体供給装置に関する。上記液体カートリッジは、液体が貯留された貯留室を有するカートリッジ本体と、上記カートリッジ本体に設けられており、上記貯留室に貯留された液体を外部へ流出させる液体供給部と、上記カートリッジ本体から上記挿入向きに突出した管形状であって、内部空間が上記貯留室と連通している弾性部材と、を備える。上記カートリッジ装着部は、開口を有する箱形状であって上記液体カートリッジが上記開口を通じて挿抜される筐体と、上記筐体から上記挿入向きと逆向きの取出向きへ突出しており、上記液体カートリッジが上記筐体に装着された装着状態において上記液体供給部と連結される連結部と、上記筐体から上記取出向きへ突出しており、突出先端側に通気口が形成されており、上記装着状態において上記弾性部材へ挿入されて液密に接触するロッドと、を備える。上記ロッドは、上記突出先端側に形成され、突出先端側へ向かって先細りなテーパ部分の外周面と、上記外周面の突出基端側に設けられており、上記取出向きと交差する外方向へ突出して上記取出向きに沿って延出された突条と、を有する。上記装着状態において、上記弾性部材は、上記ロッドの外周面及び少なくとも突条の一部と接触する。
装着状態において、弾性部材の内面とロッドの外周面及び突条とが液密に接触する。これにより、弾性部材とロッドとの隙間から貯留室の液体が漏れ出すことがない。突条が設けられたことにより、弾性部材の内面とロッドとの接触面積が小さくなるので、弾性部材とロッドとが離れるときの抵抗も小さくなる。
また、上記液体カートリッジは、上記カートリッジ本体に対して上記挿入向きと交差する移動方向へ相対的に移動可能に設けられたブラケットと、上記ブラケットにおける上記移動方向の一方を向く第1面に設けられた電気的インターフェースと、を更に具備するものであり、上記ブラケットは、上記第1面と上記移動方向に対向して移動方向の他方を向く第2面を有するものであり、上記カートリッジ装着部は、上記移動方向へ弾性変形可能であり、上記装着状態における上記電気的インターフェースと導通する接点を更に具備するものであり、上記ロッドは、上記液体カートリッジが上記カートリッジ装着部に装着される過程において上記ブラケットの上記第2面と摺動する摺動面を有するものであり、上記突条は、上記摺動面以外に設けられていてもよい。
液体カートリッジのカートリッジ本体に対してブラケットが移動方向へ相対移動可能なので、カートリッジ本体の液体供給部とカートリッジ装着部の連結部との位置に依存せずに、ブラケットの電気的インターフェースとカートリッジ装着部の接点との位置合わせができる。ブラケットの第2面と摺動するロッドの摺動面に、突条が設けられていないので、ロッドの摺動面に対してブラケットが円滑に摺動する。
本発明によれば、液体カートリッジに設けられた弾性部材と、カートリッジ装着部に設けられたロッドとが離れるときの抵抗を小さくできる。
図1は、本発明の一実施形態としてのカートリッジ装着部110を備えたプリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。 図2は、本発明の一実施形態としてのインクカートリッジ30を示す斜視図である。 図3は、インクカートリッジ30を示す分解斜視図である。 図4は、インクカートリッジ30を示す断面図である。 図5は、カートリッジ装着部110を示す斜視図である。 図6は、カートリッジ装着部110を示す断面図である。 図7は、ロッド125を示す斜視図である。 図8は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程を示すインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図である。 図9は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程を示すインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図である。 図10は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態を示すインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図である。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙などのシートに対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10は、記録ヘッド21と、インク供給装置100と、記録ヘッド21及びインク供給装置100を接続するインクチューブ20とを備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面に開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を介してカートリッジ装着部110に挿入されて装着される。或いは、カートリッジ装着部110に装着された状態のインクカートリッジ30は、カートリッジ装着部110から抜き出される。
図1には、インクカートリッジ30が、カートリッジ装着部110に装着された状態(装着状態)が示されている。このときのインクカートリッジ30の位置は、装着位置に相当する。つまり、装着位置は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態におけるインクカートリッジ30の位置である。
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能な液体の一例であるインクが貯留されている。カートリッジ装着部110に装着された状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とがインクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。
給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ送給された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、記録用紙に画像が記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対22によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
[インク供給装置100]
図1に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100が液体供給装置に相当する。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21へインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30と、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。インクカートリッジ30が液体カートリッジに相当する。
[カートリッジ装着部110]
図5及び図6に示されるように、カートリッジ装着部110は、ケース101と、係合部材145と、インクニードル113と、ロッド125とを備えている。ケース101が筐体に相当する。
[ケース101]
図5及び図6に示されるように、カートリッジ装着部110の筐体を形成するケース101は、ケース101の内部空間の天部を確定している天面と、底部を確定している底面と、天部と底部とをつないでいる終面と、終面と対向する位置に設けられ、プリンタ10の正面側に開口112とを有する箱形状である。開口112を通じてケース101へインクカートリッジ30が挿抜される。インクカートリッジ30は、天面及び底面に設けられたガイド溝109に、インクカートリッジ30の上端部及び下端部が挿入されることによって図6において矢印50で示される方向(以下「挿入及び取出方向50」と表記する。)へ案内される。ケース101には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能である。
ケース101には、内部空間を縦方向に長い4つの空間に仕切り分ける3つのプレート102が設けられている。このプレート102によって仕切り分けられた各空間それぞれにインクカートリッジ30が収容される。
[インクニードル113]
図1及び図6に示されるように、インクニードル113は、管状の樹脂針からなり、ケース101の終面の下部に設けられている。インクニードル113は、ケース101の終面において、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30のインク供給部34に対応する位置に配置されている。インクニードル113は、カートリッジ装着部110からインクカートリッジ30が取り出される取出向き55へ突出している。ここで、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される向きが水平方向に沿った挿入向き56であり、取り出される向きが取出向き55である。
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、つまりインクカートリッジ30が装着位置に移動する過程において、インクニードル113は、インク供給部34に形成されたインク供給口71(図2参照)に挿入される。これにより、インク供給バルブ70が開かれる。その結果、インクニードル113とインク供給部34とは連結される。そして、インクカートリッジ30の内部に形成された貯留室36に貯留されたインクは、インク供給部34の内部に形成されたインク流路72を通じてインクニードル113に接続されたインクチューブ20に流出される。
[係合部材145]
図1及び図6に示されるように、係合部材145が、ケース101の天面において、開口112側に設けられた支軸147を中心に回動可能に設けられている。係合部材145の回動先端側であって、ケース101の終面を向いて係合端部146が形成されている。係合部材145は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30を装着状態に保持するためのものである。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、係合部材145は、後述するインクカートリッジ30の係止部45に係合され、インクカートリッジ30を取出向き55に押す力に抗してインクカートリッジ30をカートリッジ装着部110内に保持する。一方、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から取り出される場合、インクカートリッジ30に設けられた回動部材80の後端がユーザによって押し下げられることにより、係合部材145が反時計回りに回動して係止部45との係合が解除される。これにより、インクカートリッジ30は、カートリッジ装着部110から取り出し可能となる。
なお、係合部材145及び後述する回動部材80の構成は、インクカートリッジ30をカートリッジ装着部110に装着した状態を維持できるものであれば、上述した構成に限らない。
図6に示されるように、ケース101の天面において、終面と開口112との間には接点106が設けられている。接点106は、挿入及び取出方向50と直交する左右方向51に離れて3個が配置されている。3個の接点106の配置は、後述されるインクカートリッジ30のHOT電極65、GND電極66及びシグナル電極67の配置(図2参照)に対応している。各接点106は、導電性及び弾性を有する部材で構成されており、上下方向52の上向きへ弾性的に変形可能である。3個の接点106は、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応して、4組が設けられている。
各接点106は、電気回路を介して演算装置に電気的に接続されている。演算装置は、例えばCPU,ROM,RAMなどからなるものであり、プリンタ10の制御部として構成されていてもよい。接点106とHOT電極65とが電気的に導通されることによって、電圧VcがHOT電極65に印加される。接点106とGND電極66とが電気的に導通されることにより、GND電極66がアースされる。接点106とHOT電極65及びGND電極66とが導通されることによって、ICに電力が供給される。接点106とシグナル電極67とが電気的に導通されることにより、ICに格納されたデータにアクセス可能となる。電気回路からの出力は演算装置に入力される。
[ロッド125]
図1、図6及び図7に示されるように、ロッド125が、ケース101の終面におけるインクニードル113より重力方向の上側に設けられている。ロッド125は、ケース101の終面から取出向き55に突出されている。すなわち、取出向き55において後方にロッド125の基端部139が配置され、取出向き55において前方にロッド125の突出先端部138が配置されている。ロッド125は、円柱形状の外形をなしている。本実施形態において、ロッド125は、突出先端部138から基端部139へ向かって、それぞれが異なる外径である3つの第1外周面129,第2外周面130,第3外周面134を有している。
図6に示されるように、ロッド125は中空である。つまり、ロッド125には内部空間127が形成されている。内部空間127は、ロッド125の基端部139において大気通路128と連通している。大気通路128は、カートリッジ装着部110の外部と連通した通路である。ロッド125の突出先端部138には、突出先端の壁を貫通する通気口126が形成されている。通気口126は、ロッド125の突出先端側の外部と内部空間127とを連通している。以上より、ロッド125の通気口126は、内部空間127及び大気通路128を介して外部と連通している。
図10に示されるように、ロッド125は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、つまりインクカートリッジ30が装着位置に位置する状態において、突出部121に挿入可能な円筒形状である。ロッド125の外形状において、ケース101の終面側である基端部139の外径は、開口112側である突出先端部138の外径よりも大きい。ロッド125の突出先端部138の最先端部分の外径は、後述される大気連通部120の突出部121の内部空間122の内径よりも小さい。
ロッド125の突出先端部138の第1外周面129は、突出先端側へ向かうに従って外径が小さくなる、つまり先細りのテーパ形状である。第1外周面129は、「ロッド125のテーパ形状を成す部分の外周面である。第1外周面129は、若干外側へ膨らむように湾曲しており、この湾曲形状は、大気連通部120の突出部121の内面123(図3及び図4参照)に合わせて設定され、第1外周面129において最大となる外径は、大気連通部120の突出部121の内部空間122の内径よりも大きい。つまり、ロッド125の第1外周面129は、突出部121の内面123と密着可能な形状である。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、つまりインクカートリッジ30が装着位置まで移動する過程において、ロッド125の第1外周面129は、大気連通部120の突出部121の内面123と当接して突出部121を案内する(図9及び図10参照)。
ロッド125において、第1外周面129より基端側(ケース101の終面側)には、第2外周面130が形成されている。第2外周面130は、外径が一定の円周面であり、ロッド125の突出先端側において第1外周面129と接続している。ロッド125の第1外周面129の突出先端側の外径は、第2外周面130によって形成される外径より小さい。
図7に示されるように、第2外周面130には、ロッド125の軸線に対して放射状に外方向へ突出して、ロッド125の軸線方向(図7において1点鎖線で示される。)へ延びる複数のリブ131が設けられている。複数のリブ131は、ロッド125の上部側の第2外周面130以外の箇所に配置されており、各リブ131は、ロッド125の軸線周りに等間隔で配置されている。
各リブ131の第1外周面129側の端面132は、第1外周面129のテーパ形状に沿って挿入及び取出方向50及び上下方向52に対して傾斜して第2外周面130から外方向へ延出している。各リブ131の取出向き55の先端は、湾曲した第1外周面129の基端まで到達している。各リブ131の突出端面133は、挿入及び取出方向50に沿っている。端面132と突出端面133とは、ラウンド形状の曲面によって連続するように接続している。突出端面133とロッド125の基端側の第3外周面134とは、同一面となるように接続している。第3外周面134は、挿入及び取出方向50に沿って外径が一定の円周面である。これにより、リブ131が存在する箇所においては、挿入及び取出方向50に沿って、第1外周面129、端面132、突出端面133及び第3外周面134が滑らかに連続した面をなしている。また、各リブ131の第2外周面130側の幅(ロッド125の軸線周り方向の幅)は、突出端面133の幅より大きい。つまり、各リブ131の幅は、第2外周面130から突出端面133へ向かって狭くなっている。ロッド125の上部側の第1外周面129,130,134が、ブラケット90が摺動する摺動面に相当する。
[インクカートリッジ30]
図2〜4に示されるインクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。インクカートリッジ30の内部に形成されている空間がインクを貯留する貯留室36である。貯留室36は、インクカートリッジ30の外観を形成している本体31に収納された内部フレーム35によって形成されているが、本体31そのものによって形成されていてもよい。
インクカートリッジ30は、図1に示された起立状態、つまり、同図のインクカートリッジ30の下側の面を底面とし、同図のインクカートリッジ30上側の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して挿入及び取出方向50に沿って挿抜される。挿入及び取出方向50は水平方向に沿っている。インクカートリッジ30は、起立状態のままカートリッジ装着部110に挿抜される。上述したように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される向きが水平方向に沿った挿入向き56(図1参照)であり、取り出される向きが取出向き55(図1参照)である。また、起立状態における高さ方向(上下方向)52が、重力方向に相当する。すなわち、インクカートリッジ30は、挿入及び取出方向50に沿ってカートリッジ装着部110に挿入され、また、挿入及び取出方向50に沿ってカートリッジ装着部110から抜き出される。なお、本実施形態では、挿入及び取出方向50が水平方向に沿っているが、挿入及び取出方向50は、カートリッジ装着部110の開口112の向きに応じて、重力方向や、水平方向及び重力方向と交差する方向であってもよい。
図2〜4に示されるように、インクカートリッジ30は、略直方体形状の本体31と、前壁140側を構成するブラケット90と、貯留室36を区画する内部フレーム35とで構成される。内部フレーム35がカートリッジ本体に相当する。本体31にブラケット90が組み付けられて、インクカートリッジ30の外形が構成されている。内部フレーム35は、組み付けられた本体31及びブラケット90の内部に収納される。インクカートリッジ30は、全体として、左右方向51に細く、上下方向52及び前後方向53が左右方向51よりも大きい扁平形状である。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに挿入向き56の前方側となるブラケット90の壁が前壁140であり、挿入向き56の後方側となる本体31の壁が後壁42である。前壁140と後壁42とは、挿入及び取出方向50(すなわち、前後方向53)において対向している。
[本体31]
図2及び図3に示されるように、本体31は、左右方向51において互いに対向する側壁37、38と、上下方向52において互いに対向する上壁39及び下壁41とが後壁42から挿入向き56に延設されて構成されており、前後方向53において後壁42に対向する面が開口された箱形である。本体31の内部には、開口を通じて内部フレーム35が挿入される。内部フレーム35の前壁40側の一部は、本体31から露出されている。すなわち、本体31は、内部フレーム35の後方側を覆っている。
図2〜図4に示されるように、本体31には、上壁39の後方側に回動部材80が設けられている。回動部材80は、屈曲された平板形状をなしており、その長手方向が前後方向53に沿うように配置されている。回動部材80は、その屈曲部に設けられた軸83の周りに回動可能である。回動部材80は、その先端部81が本体31の上側に形成された係止面46側へ延出されており、後端部82が後壁42側へ延出されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、回動部材80の先端部81は、係止部45に係合される係合部材145(図1参照)の下方に位置する。そして、インクカートリッジ30をカートリッジ装着部110から取り出す際に、回動部材80の後端部82がユーザによって押し下げられることにより、係合部材145と係止部45との係合が解除される。
[ブラケット90]
図2及び図3に示されるように、ブラケット90は、左右方向51において互いに対向する側壁143、144と、上下方向52において互いに対向する上壁141及び下壁142とが前壁140から取出向き55に延設されて構成されており、前後方向53において前壁140に対向する面が開口された箱形である。ブラケット90の内部には、開口を通じて内部フレーム35が挿入される。すなわち、ブラケット90は、内部フレーム35のうちの本体31によって覆われていない前方側を覆っている。
ブラケット90が本体31に組み付けられた状態において、ブラケット90の上壁141は、本体31の上壁39と連続してインクカートリッジ30の上壁を構成する。同様に、ブラケット90の下壁142は本体31の下壁41と連続してインクカートリッジ30の下壁を構成し、ブラケットの側壁143、144は本体31の側壁37、38とそれぞれ連続してインクカートリッジ30の側壁を構成する。また、インクカートリッジ30が組み立てられた状態において、インクカートリッジ30の前壁を構成するブラケット90の前壁140と、インクカートリッジ30の後壁を構成する本体31の後壁42とは、前後方向53において互いに対向する。インクカートリッジ30の前壁140と後壁42とが対向する方向(すなわち、前後方向53)が前後方向(水平方向)であって、本実施形態においては挿入及び取出方向50と一致している。また、インクカートリッジ30の上壁39と下壁41とが対向する方向(すなわち、上下方向52)が上下方向(重力方向)である。
ブラケット90における側壁143,144の下側には、上下方向52へ延びる長孔91がそれぞれ形成されている。ブラケット90が本体31に組み付けられると、本体31の係合爪43の先端部分が長孔91にそれぞれ進入する。係合爪43の上下方向52の寸法は、長孔91の上下方向52の寸法より短い。ブラケット90は、係合爪43が長孔91内においてスライド移動可能な範囲で、本体31に対して上下方向52へ相対移動可能である。すなわち、係合爪43と長孔91を形成する内壁との上下方向52における間隔は、ブラケット90が本体31に対して上下方向52へのスライド可能な範囲分が確保されている。
ブラケット90の前壁140の上側には、前後方向53へ貫通する孔96が形成されている。孔96は、ブラケット90に内部フレーム35が挿入された状態において、後述する大気連通部120を外部に連通させるための孔になる。したがって、孔96は、内部フレーム35の大気連通部120に対応する位置、寸法、及び形状に形成されている。図2において、前後方向における孔96の前端は、後述するインク供給部34の前端よりも前方に配置されている。孔96の内周面の上部が、ロッド125の第1外周面129,130,134の上部に対して摺動する。孔96の内周面が第2面に相当する。
また、ブラケット90の前壁140の下側には、前後方向53へ貫通する孔97が形成されている。孔97は、ブラケット90に内部フレーム35が挿入された状態において、内部フレーム35のインク供給部34を外部へ露出させるための孔になる。したがって、孔97は、内部フレーム35のインク供給部34に対応する位置、寸法、及び形状に形成されている。孔97は、前後方向において孔96よりも後方側に配置されている。
ブラケット90の前壁140には、第1突起85及び第2突起86が設けられている。第1突起85は、ブラケット90の前壁140の上端部において、前壁140から前方に向けて離れる向き(挿入向き56)に突設されている。そして、孔96は、第1突起85の先端に設けられている。第2突起86は、ブラケット90の前壁140の下端部において、前壁140から前方に向けて離れる向き(挿入向き56)に突設されている。第1突起85及び第2突起86は、カートリッジ装着部110に設けられたセンサに検知されることによって、プリンタ10にインクカートリッジ30の種別を判定させるために設けられる。インクカートリッジ30の種別とは、インクの色や成分の違い、貯留室36に最初に貯留されるインクの量の違いなどである。なお、上記センサの有無は、任意であり、上記センサが設けられていない場合、第1突起85及び第2突起86の有無も、任意である。
ブラケット90の上壁141であって、第1突起85後壁42側、かつ本体31の係止部45より前壁40側には、IC基板64が設けられている。つまり、IC基板64は、インクカートリッジ30の前壁40と後壁42との間の上壁39側に配置されている。IC基板64は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される途中において左右方向51に沿って3つが並ぶ接点106(図6参照)と導通し、かつインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態においても接点106と導通する。IC基板64が、電気的インターフェースに相当する。上壁141が第1面に相当する。
IC基板64には、IC(各図には現れていない)、HOT電極65、GND電極66及びシグナル電極67が搭載されている。ICは、半導体集積回路であり、インクカートリッジ30に関する情報、例えば、ロット番号や製造年月日、インク色などの情報を示すデータが読み出し可能に格納されている。HOT電極65、GND電極66及びシグナル電極67が電気的インターフェースに相当する。IC基板64の上面が、第1面に相当する。装着状態において、IC基板64の上面は、ブラケット90の孔96の内面より上下方向52の上側に位置する。
HOT電極65、GND電極66及びシグナル電極67はICと電気的に接続されている。HOT電極65、GND電極66及びシグナル電極67は、それぞれが前後方向53に沿って延出されており、左右方向51に離間されて配置されている。HOT電極65、GND電極66及びシグナル電極67は、IC基板64の上面69に電気的にアクセス可能に露出されている。つまり、HOT電極65、GND電極66及びシグナル電極67は、装着姿勢のインクカートリッジ30の上側からアクセス可能に露出されている。
第1突起85より後壁42側、かつIC基板64より前壁40側には、前壁40側から後壁42側へ向かって上壁141から迫り上がる土手49が設けられている。換言すれば、土手49の上面は、挿入向き56へ向かって下方へ傾斜する傾斜面である。
なお、本実施形態では、ブラケット90は、本体31の前面、上面、下面、側面の一部を覆うように形成されているが、ブラケット90は、本体31の何れの面を覆っていてもよい。
[内部フレーム35]
図3及び図4に示されるように、内部フレーム35は、左右方向51に対向する一対の面が開放された環状に構成されている。そして、開放された一対の面がフィルム(不図示)によって封止されることにより、その内部にインクを貯留可能な貯留室36が形成される。貯留室36を区画する前壁40は、内部フレーム35がブラケット90に挿入された際に、ブラケット90の前壁140に対向する壁面であり、大気連通部120及びインク供給部34が設けられている。
[インク供給部34]
図3及び図4に示されるように、インク供給部34は、上下方向52における大気連通部120より下側において、内部フレーム35の前壁40から挿入向き56、つまり前後方向における前向きに突出されている。インク供給部34が液体供給部に相当する。インク供給部34は、円筒形状の外形をなしており、ブラケット90の前壁140に設けられた孔97を通じて外側へ突出されている(図2参照)。インク供給部34の突出端には、インク供給口71が形成されている。また、図1及び図4に示されるように、インク供給部34の内部には、インク供給口71と貯留室36とを連通させるインク流路72が形成されており、インク供給口71を開閉させるインク供給バルブ70が配置されている。
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル113がインク供給口71に挿入される。そして、インクニードル113がインク供給バルブ70を前後方向における後方に移動させることにより、インク供給口71が開く。これにより、貯留室36内のインクは、インク流路72を通ってインクニードル113へ、つまり貯留室36の外部へ流出される。インクの流出方向は、前後方向における前方と略同一である。なお、インク供給口71は、必ずしもインク供給バルブ70によって開閉可能な構成に限定されない。例えば、インク供給口71がフィルムなどで閉塞されており、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インクニードル113がフィルムを突き破ることによりインク供給口71が開かれる構成であってもよい。
[係止部45]
図2〜図4に示されるように、内部フレーム35の上壁には、係止部45が形成されている。係止部45は、インクカートリッジ30の左右方向51及び上下方向52に拡がる係止面46を有している。係止面46は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、カートリッジ装着部110に設けられた係合部材145と係合される(図1及び図10参照)。
[大気連通部120]
図3及び図4に示されるように、大気連通部120は、突出部121と、大気連通バルブ73と、コイルバネ74とを備えている。大気連通部120は、貯留室36をインクカートリッジ30の外部と連通させるためのものである。
突出部121は、上下方向52におけるインク供給部34より上側において、内部フレーム35の前壁40から挿入向き56、つまり前後方向における前向きに突出している。突出部121は、管形状の外形をなしている。つまり、突出部121には、内部空間122が形成されている。内部空間122については後述される。なお、本実施形態において、突出部121は、円管形状の外形をなしているが、円以外の管形状であってもよい。
突出部121の突出先端には、内部空間122に通じる開口32が形成されている。また、突出部121の突出基端には、孔27が形成されている。孔27は、挿入向き56の前方側において内部空間122と連通しており、挿入向き56の後方側においてコイルバネ74が配置された空間84を介して貯留室36と連通している。つまり、突出部121の内部空間122は、孔27及び空間84を介して貯留室36と連通している。なお、孔27の径は、開口32の径よりも小さい。
突出部121は、弾性部材で構成されている。本実施形態において、突出部121は、シリコンで構成されている。しかし、突出部121は、シリコンに限らず、例えばゴムなどで構成されていてもよい。上記のような材質で形成されていること、及び上述したように管形状の外形をなしていることにより、突出部121は、可撓性を有する。突出部121が弾性部材に相当する。
突出部121は、円管形状であり、その内側に内部空間122が形成されている。内部空間122の断面を構成する円の径、つまり突出部121の内径は、円筒形状のロッド125の複数のリブ131の突出端面133により構成される外径よりも若干小さい。突出部121の内径は、突出部121の突出基端側において、突出基端へ向かうに従って小さくなる。また、突出部121の内径は、突出部121の突出先端側において、突出先端へ向かうに従って大きくなる。
内部空間122を区画する突出部121の内面123の突出先端側の一部分は、突出部121の突出基端側の内部空間122を区画する第1面136と、突出部121の突出先端側の内部空間122を区画する第2面137とで構成されている。第1面136の突出先端と第2面137の突出基端とは連続している。
第1面136は、上述したように、ロッド125の第1外周面129と嵌合可能な形状である。つまり、第1面136の突出基端部は、突出基端へ向かうに従って内径が小さくなるテーパ形状をなしており、かつ外側へ凹むように湾曲している。
第2面137は、突出先端へ向かうに従って内径が大きくなるテーパ形状である。第2面137のテーパ形状の内径の拡がり度合いは、第1面136のテーパ形状の内径の拡がり度合いより大きい。突出部121の内部空間122の基端側には、後述される孔27が形成されている。孔27を通じて、内部空間122が貯留室36と連通される。
[大気連通バルブ73]
図3及び図4に示されるように、大気連通バルブ73は、突出部121の内部空間122と、内部空間122及び貯留室36との間に形成され且つ内部空間122及び貯留室36を連通させる空間84とに亘って配置されている。大気連通バルブ73が連通切替部材に相当する。大気連通バルブ73は、孔27の径よりも若干小さい径であり且つ内部空間122及び空間84に配置された状態で前後方向53に長い細径部87と、細径部87と一体形成されており、孔27の径よりも大きく空間84の径よりも若干小さい径である太径部88と、を備えている。太径部88における細径部87との境界には、外側へ延びたフランジ部89が設けられている。太径部88は、空間84に配置されている。細径部87は、太径部88から挿入向き56へ延びており、空間84から孔27を介して内部空間122に亘って配置されている。
コイルバネ74の径は、太径部88よりも大きく且つフランジ部89よりも小さい。コイルバネ74は、太径部88を覆った状態で空間84に配置されている。コイルバネ74が付勢部材に相当する。また、コイルバネ74の一端はフランジ部89と当接しており、コイルバネ74の他端は空間84の貯留室36側の端部を区画する壁部75と当接している。また、コイルバネ74は、自然長よりも短い状態で空間84に配置されている。
以上より、大気連通バルブ73が外部から何らの力も及ぼされていない状態において、図4及び図8に示されるように、太径部88は、フランジ部89がコイルバネ74に付勢されることによって、空間84の孔27側の端部を区画する壁部76に押しつけられた状態となる。そして、これにより、孔27は、太径部88によって塞がれた状態となり、空間84と連通された貯留室36と内部空間122との連通が遮断される。このときの大気連通バルブ73の位置が第1位置に相当する。つまり、コイルバネ74は、大気連通バルブ73を第1位置側に付勢する。なお、大気連通バルブ73が第1位置に位置している状態において、細径部87の挿入向き56側の端部は、突出部121の突出先端よりも挿入向き56の前方に位置している。
一方、後述されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、つまりインクカートリッジ30が装着位置まで移動する過程において、大気連通バルブ73の細径部87の挿入向き56の前方の端部が、ロッド125の突出先端部に押される。これにより、大気連通バルブ73は、コイルバネ74の付勢力に抗って、第1位置から前後方向53(挿入向き56)に沿って、取出向き55側に移動する。その結果、図10に示されるように、太径部88が孔27から離間して、貯留室36と内部空間122とが連通される。このときの大気連通バルブ73の位置が第2位置に相当する。つまり、第2位置は、第1位置よりも挿入向き56の後方側に位置している。また、大気連通バルブ73は、挿入向き56に沿って第1位置及び第2位置に移動可能である。
[インクカートリッジ30の装着過程における突出部121及びロッド125の動作]
以下、インクカートリッジ30のカートリッジ装着部110への装着過程における突出部121とロッド125との動作について、図8〜図10に基づいて詳細に説明する。
図8に示されるように、インクカートリッジ30が装着位置(インクカートリッジ30の図10における位置)まで移動する過程の初期段階では、突出部121及び大気連通バルブ73の細径部87と、カートリッジ装着部110のロッド125とは、当接していない。また、ロッド125は、ブラケット90とも当接していない。また、貯留室36と突出部121の内部空間122とは、大気連通バルブ73によって遮断されている。インクカートリッジ30が装着位置へ到達する前の状態において、ロッド125の第1外周面129と大気連通部120の突出部121の第2面137とは、挿入及び取出方向50において対向する位置関係にある。また、第1外周面129の先端部は突出部121の第2面137の内側(突出部121の内部空間122側)に位置し、第1外周面129の基端部は突出部121の第2面137の外側に位置する。このような位置関係になっているので、インクカートリッジ30の挿入過程において、突出部121の第2面137がロッド125の第1外周面129に最初に接触する。
図8に示される状態からインクカートリッジ30が更に挿入向き56に移動されると、図9に示されるように、ロッド125の第1外周面129側がブラケット90の孔96へ進入して、大気連通バルブ73の細径部87が、ロッド125の突出先端部138と当接する。なお、ロッド125の突出先端部138の上下方向52及び前後方向53の中央部は、若干凹んでいる。これにより、細径部87の上下方向52及び前後方向53における位置が、ロッド125の中心部から少々ずれていても、細径部87はロッド125の突出先端部138にインクカートリッジ30側を向いて形成された凹みによってロッド125の中心部に導かれる。また、接点106は、ブラケット90の土手49に当接しており、IC基板64とは導通されていない。
図9に示される状態からインクカートリッジ30が更に挿入向き56に移動されると、細径部87がロッド125に押される。これにより、図10に示されるように、大気連通バルブ73は第1位置から第2位置に移動し、貯留室36と突出部121の内部空間122とが連通される。
また、突出部121の突出先端部の第2面137が、ロッド125の第1外周面129と当接する。第2面137と第1外周面129とは、いずれも、挿入向き56に対して概ね同じ向きに傾斜しているので、第2面137の殆どの領域が第1外周面129と当接する。そして、更にインクカートリッジ30が挿入向き56に移動されると、突出部121の第2面137が第1外周面129に対して摺動して、リブ131の端面132から突出端面133に到達する。
複数のリブ131の突出端面133により形成される外径は、突出部121の第2面137の内径よりも大きいので、第2面137がリブ131の端面132から突出端面133へ到達する過程において、突出部121の内部空間122は外側へ拡がるように弾性変形する。これにより、突出部121の第1面136及び第2面137が、ロッドの第1外周面129並びにリブ131の端面132及び突出端面133に液密に密着する。
一方、図8に示されている状態では、ブラケット90が本体31に対して上下方向52の下方へ最大にスライド移動している。なお、ブラケット90と本体31との相対的な位置関係は、重力やインクカートリッジ30の梱包状態、開封状態などに応じて変化するが、ここでは、開封直後にインクカートリッジ30において、ブラケット90が本体31に対して下方に位置しているとする。この状態で、本体31のインク供給口71とインクニードル113との上下方向52の位置が合っており、或いは、インクニードル113がインク供給口71に挿入し始めることによって位置が合っている。
図8に示されている状態からインクカートリッジ30が挿入向き56に更に挿入されると、図9に示されるように、ブラケット90の孔96の内面の上部は、ロッド125の第1外周面129,130,134に対して摺動して、第3外周面134がブラケット90の孔96の内周面と当接する。ブラケット90は、本体31に対して上下方向52へ移動可能であるが、ロッド125が孔96に進入して、ロッド125の第3外周面134が孔96の内面の上部に当接することによって、ブラケット90が上向きへスライド移動し、予め定められた位置へ案内される。そして、ブラケット90が上下方向52の下向きに対して位置決めされる。
ブラケット90が上下方向52の下向きに対してロッド125により位置決めされているので、土手49に案内された接点106は上向きへ弾性変形する。そして、接点106が土手49を登り切ってIC基板64に到達すると、ブラケット90が接点106とロッド125によって上下方向52に対して挟み込まれるようにして位置決めされる。そして、更にインクカートリッジ30がケース101の終面側へ挿入されると、図10に示されるように、各接点106が、IC基板64のHOT電極65、GND電極66及びシグナル電極67(各電極は図10には示されていない。)とそれぞれ接触して電気的に導通された状態となる。
一方、インクニードル113が、インク供給部34のインク供給口71に挿入される。インクニードル113がインク供給口71に挿入されてインク供給バルブ70に接し、さらにインクカートリッジ30が挿入向き56へ移動されると、インク供給バルブ70がインクニードル113に押されてインク供給口71から離れる。各図には示されていないが、インクニードル113の先端にはインク導入口が設けられているので、このインク導入口を通じて、貯留室36からインクニードル113へインクが流入する。
また、インクカートリッジ30が装着位置に到達すると、図10に示されるように、本体31の係止部45における係止面46が、係合部材145の係合端部146を挿入向き56へ通り過ぎる。そして、係合部材145が図9における時計回りへ回動して係止部45に位置し、係合端部146が係止面46に接する。これにより、インクカートリッジ30が、係合部材145が係止部45に係合し、コイルバネ74などの付勢に抗して、装着位置に保持される。このようにして、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了する。
インクカートリッジ30の貯留室36内のインクが消費されると、使用済みのインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から取り外され、新しいインクカートリッジ30が装着される。
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から取り外されるときには、回動部材80の後端部82が、ユーザによって下向きへ押し下げられる。これにより、回動部材80の先端部81が上向きへ移動して、係止部45の底面から離間する。この先端部81の移動に伴って、係合部材145が、回動部材80の先端部81により上側へ押し上げられる。これにより、係合部材145の係合端部146が係止面46より上側となるまで、つまり係合端部146が係止面46から離間するまで係合部材145が回動される。すなわち、係合部材145がロック位置からアンロック位置まで回動されて、係合部材145によるインクカートリッジ30の保持が解除される。
係合部材145の係合端部146が係止面46から離間されることにより、本体31に付与されている外力、すなわちコイルバネ74などによる付勢力によって、本体31は、取出向き55へ移動しようとする。一方、ユーザが回動部材80を下向きへ押し下げているので、コイルバネ74などによる付勢力は、回動部材80を介して、ユーザの手によって受け止められる。
また、インクカートリッジ30が取出向き55へ取り出される過程において、突出部121の第1面136及び第2面137が、ロッド125の第1外周面129並びにリブ131の端面132及び突出端面133に対して摺動して、ロッド125から離れる。
また、ブラケット90上のIC基板64は、カートリッジ装着部110の接点106からの下向きの付勢力から解放される。そして、ロッド125が孔96の内面から離れることにより、本体31に対して上向きに移動していたブラケット90が重力の作用などにより下向きへ移動する。そして、ユーザが本体31を取出向き55へ取り出すことにより、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から取り外される。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、突出部121の第1面136及び第2面137が、ロッドの第1外周面129並びにリブ131の端面132及び突出端面133に液密に密着しているので、突出部121とロッド125との隙間から貯留室36のインクが漏れ出すことがない。
また、ロッド125の第2外周面130にリブ131が設けられたことにより、突出部121の第2面137とロッド125との接触面積が小さくなるので、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から取り外される過程における突出部121とロッド125とが離れるときの抵抗が小さくなる。
また、インクカートリッジ30の本体31に対してブラケット90が上下方向52へ相対移動可能なので、本体31のインク供給部34とカートリッジ装着部110のインクニードル113との位置に依存せずに、ブラケット90に設けられたIC基板64とカートリッジ装着部110の接点106との位置合わせができる。
また、ブラケット90の孔96の内面と摺動するロッド125の第2外周面130の上部にリブ131が設けられていないので、ロッド125の第2外周面130に対してブラケット90の孔96の内面が円滑に摺動する。
また、複数のリブ131がロッド125に対して放射状に設けられているので、突出部121が均等に外方向へ弾性変形される。これにより、特定のリブ131に対して突出部121の第2面137が強く密着することが抑制される。
また、リブ131は、ロッド125の第2外周面130側の幅よりも突出端面133の幅が狭くなる形状なので、突出端面133の面積が小さくなり、突出端面133との接触面積を小さくして、突出部121とロッド125とが離れるときの抵抗を一層軽減することができる。
また、リブ131の端面132は、第1外周面129のテーパ形状に沿って外方向へ延出して突出端面133と連続しているので、突出部121の第2面137が端面132に案内されて、緩やかに拡がるように弾性変形されつつ突出端面133へ到達する。
また、突出部121の内面123は、挿入向き56へ向けて内径が大きくなる円筒形状であり、ロッド125は、突出部121の内面123側へ挿入可能な円筒形状なので、ロッド125の第1外周面129が、突出部121の内面123と当接して、突出部121を上下方向52における所望の位置へ円滑に案内することができる。
また、本実施形態によれば、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されていない状態では、大気連通バルブ73によって貯留室36が外部から遮断されているため、貯留室36に貯留されたインクが突出部121から漏れ出る可能性を低くすることができる。一方、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態では、大気連通バルブ73によって貯留室36と外部とが連通されているため、貯留室36内を大気圧に維持することができる。
[変形例]
なお、本実施形態では、ロッド125の第2外周面130の複数のリブ131が等間隔で設けられているが、リブ131の数や配置は適宜変更されてもよいことは言うまでもない。また、ブラケット90の上下方向52の位置決めをロッド125により行わない態様が採用され、ロッド125に対してブラケット90の孔96の内面が摺動しない構成であれば、ロッド125の第2外周面130の上部側にリブ131が設けられていてもよい。
30 インクカートリッジ(液体カートリッジ)
31 本体(カートリッジ本体)
34 インク供給部(液体供給部)
36 貯留室
64 IC基板(電気的インターフェース)
73 大気連通バルブ(連通切替部材)
74 コイルバネ(付勢部材)
90 ブラケット
100 インク供給装置(液体供給装置)
101 ケース(筐体)
106 接点
110 カートリッジ装着部
113 インクニードル(連結部)
121 突出部(弾性部材)
125 ロッド
129 外周面(摺動面)
130,134 外周面(摺動面)
131 リブ(突条)
132 端面

Claims (7)

  1. カートリッジ装着部と、上記カートリッジ装着部に対して挿入向きに挿入されて装着される液体カートリッジと、を備える液体供給装置であって、
    上記液体カートリッジは、
    液体が貯留された貯留室を有するカートリッジ本体と、
    上記カートリッジ本体に設けられており、上記貯留室に貯留された液体を外部へ流出させる液体供給部と、
    上記カートリッジ本体から上記挿入向きに突出した管形状であって、内部空間が上記貯留室と連通している弾性部材と、を備えており、
    上記カートリッジ装着部は、
    開口を有する箱形状であって上記液体カートリッジが上記開口を通じて挿抜される筐体と、
    上記筐体から上記挿入向きと逆向きの取出向きへ突出しており、上記液体カートリッジが上記筐体に装着された装着状態において上記液体供給部と連結される連結部と、
    上記筐体から上記取出向きへ突出しており、突出先端側に通気口が形成されており、上記装着状態において上記弾性部材へ挿入されて液密に接触するロッドと、を備えており、
    上記ロッドは、
    上記突出先端側に形成され、突出先端側へ向かって先細りなテーパ部分の外周面と、
    上記外周面の突出基端側に設けられており、上記取出向きと交差する外方向へ突出して上記取出向きに沿って延出された突条と、を有しており、
    上記装着状態において、上記弾性部材は、上記ロッドの外周面及び少なくとも突条の一部と接触する液体供給装置。
  2. 上記突条は、上記ロッドに対して複数が放射状に設けられたものである請求項1に記載の液体供給装置。
  3. 上記突条は、上記外方向へ向かって上記取出向きと直交する方向に沿った幅が狭くなる形状である請求項1又は2に記載の液体供給装置。
  4. 上記突条における上記外周面側の端面は、上記テーパ部分に沿って外方向へ延出している請求項1から3のいずれかに記載の液体供給装置。
  5. 上記液体カートリッジは、上記カートリッジ本体に対して上記挿入向きと交差する移動方向へ相対的に移動可能に設けられたブラケットと、上記ブラケットにおける上記移動方向の一方を向く第1面に設けられた電気的インターフェースと、を更に具備するものであり、
    上記ブラケットは、上記第1面と上記移動方向に対向して移動方向の他方を向く第2面を有するものであり、
    上記カートリッジ装着部は、上記移動方向へ弾性変形可能であり、上記装着状態における上記電気的インターフェースと導通する接点を更に具備するものであり、
    上記ロッドは、上記液体カートリッジが上記カートリッジ装着部に装着される過程において上記ブラケットの上記第2面と摺動する摺動面を有するものであり、
    上記突条は、上記摺動面以外に設けられている請求項1から4のいずれかに記載の液体供給装置。
  6. 上記弾性部材の内面は、上記挿入向きへ向けて内径が大きくなる円筒形状であり、
    上記ロッドは、上記弾性部材の内面側へ挿入可能な円筒形状である請求項1から5のいずれかに記載の液体供給装置。
  7. 上記液体カートリッジは、上記弾性部材の内部空間に配置され、且つ上記挿入向きに沿って上記弾性部材の内部空間と上記貯留室との連通を遮断させる第1位置及び上記第1位置よりも上記挿入向きに位置して上記弾性部材の内部空間と上記貯留室とを連通させる第2位置に移動可能な連通切替部材と、上記連通切替部材を上記第1位置側に付勢する付勢部材と、を更に備えており、
    上記連通切替部材は、上記液体カートリッジが上記カートリッジ装着部に装着される過程において上記ロッドと当接することによって上記第1位置から上記第2位置へ移動する請求項1から6のいずれかに記載の液体供給装置。

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