JP6183070B2 - 細胞凝集塊の製造方法、及び薬剤のスクリーニング方法 - Google Patents
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Description
上記細胞凝集塊に薬剤が添加される。
上記細胞凝集塊に対する薬剤の作用が評価される。
この構成により、コストや手間の増大を伴わずに細胞凝集塊を形成することが可能となる。
上記共重合体における2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの共重合組成比が10モル%以上90モル%以下であってもよい。
上記共重合体の質量平均分子量は、5,000以上10,000,000以下の範囲内であってもよい。
この構成により、細胞凝集塊をより良好に形成することが可能となる。
上記細胞凝集塊に薬剤が添加される。
上記細胞凝集塊に対する薬剤の作用が評価される。
この構成により、薬剤のスクリーニングを良好に行なうことができるようになる。
この構成により、抗癌剤などのスクリーニングを良好に行なうことができるようになる。
本実施形態に係る細胞凝集塊の製造方法では、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、「MPC」とも呼ぶ。)とイソボルニルメタクリレート(以下、「IbMA」とも呼ぶ。)との共重合体(以下、「MPC−IbMA共重合体」とも呼ぶ。)を培地に添加する。
本実施形態で得られる細胞凝集塊を用いた薬剤のスクリーニング方法について説明する。
まず、本実施例に係るMPC−IbMA共重合体、及び比較例に係る重合体を合成した。比較例に係る重合体としては、MPCとメタクリル酸(MAc)との共重合体(MPC−MAc共重合体)、MPCとn−ステアリルメタクリレート(SMA)との共重合体(MPC−SMA共重合体)、MPCとベンジルメタクリレート(BzMA)との共重合体(MPC−BzMA共重合体)、及びMPC単独重合体を合成した。
重合体1:MPC−IbMA共重合体A(MPC/IbMA=90/10)
重合体2:MPC−IbMA共重合体B(MPC/IbMA=30/70)
重合体3:MPC−MAc共重合体(MPC/MAc=30/70)
重合体4:MPC−SMA共重合体(MPC/SMA=80/20)
重合体5:MPC−BzMA共重合体(MPC/BzMA=80/20)
重合体6:MPC単独重合体
(括弧内には各重合体の仕込み組成におけるモル比が示されている。)
重合体1:26,000
重合体2:90,000
重合体3:680,000
重合体4:43,000
重合体5:240,000
重合体6:1,030,000
本実施例では、マウス胚性癌細胞P19.CL6(RCB2318)の細胞凝集塊を形成する。
培地には、10体積%のウシ胎児血清(FBS)を添加したαMEM(以下、「10%FBS−αMEM培地」とも呼ぶ。)を用いた。FBSにはGIBCO社製のものを用い、MEMαにはInvitrogen社製のものを用いた。
以下のサンプル1〜7を作製した。
得られた細胞懸濁液200μlを、滅菌されたポリスチレン製のU底96ウェルプレートの各ウェルに播種した。更に、各ウェルにMPC−IbMA共重合体A(重合体1)の5重量%水溶液を添加した。MPC−IbMA共重合体Aの終濃度を、0.25重量%、0.125重量%、0.0625重量%の3通りとし、5%CO2雰囲気中で37℃に保持したインキュベーター内で3日間培養した。
得られた細胞懸濁液200μlを、滅菌されたポリスチレン製のU底96ウェルプレートの各ウェルに播種した。更に、各ウェルにMPC−IbMA共重合体B(重合体2)の5重量%水溶液を添加した。MPC−IbMA共重合体Bの終濃度を、0.25重量%、0.125重量%、0.0625重量%の3通りとし、5%CO2雰囲気中で37℃に保持したインキュベーター内で3日間培養した。
得られた細胞懸濁液200μlを、滅菌されたポリスチレン製のU底96ウェルプレートの各ウェルに播種した。更に、各ウェルにMPC−MAc共重合体(重合体3)の5重量%水溶液を添加した。MPC−MAc共重合体の終濃度を、0.25重量%、0.125重量%、0.0625重量%の3通りとし、5%CO2雰囲気中で37℃に保持したインキュベーター内で3日間培養した。
得られた細胞懸濁液200μlを、滅菌されたポリスチレン製のU底96ウェルプレートの各ウェルに播種した。更に、各ウェルにMPC−SMA共重合体(重合体4)の5重量%水溶液を添加した。MPC−SMA共重合体の終濃度を、0.25重量%、0.125重量%、0.0625重量%の3通りとし、5%CO2雰囲気中で37℃に保持したインキュベーター内で3日間培養した。
得られた細胞懸濁液200μlを、滅菌されたポリスチレン製のU底96ウェルプレートの各ウェルに播種した。更に、各ウェルにMPC−BzMA共重合体(重合体5)の5重量%水溶液を添加した。MPC−BzMA共重合体の終濃度を、0.25重量%、0.125重量%、0.0625重量%の3通りとし、5%CO2雰囲気中で37℃に保持したインキュベーター内で3日間培養した。
得られた細胞懸濁液200μlを、滅菌されたポリスチレン製のU底96ウェルプレートの各ウェルに播種した。更に、各ウェルにMPC単独重合体(重合体6)の5重量%水溶液を添加した。MPC単独重合体の終濃度を、0.25重量%、0.125重量%、0.0625重量%の3通りとし、5%CO2雰囲気中で37℃に保持したインキュベーター内で3日間培養した。
得られた細胞懸濁液200μlを、滅菌されたポリスチレン製のU底96ウェルプレートの各ウェルに播種した。そして、重合体を添加せずに、5%CO2雰囲気中で37℃に保持したインキュベーター内で3日間培養した。
サンプル1〜7について、ウェル内の細胞を位相差倒立顕微鏡によって観察した。
本実施例では、ヒト肝臓癌細胞Hep G2(RCB1886)を用い、抗癌剤として知られるマイトマイシンCの作用が確認できるか否かにより、抗癌剤のスクリーニングの可否を判断した。マイトマイシンCにはSigma社製のものを用いた。
培地には、10体積%のウシ胎児血清(FBS)を添加したDMEM(以下、「10%FBS−DMEM培地」とも呼ぶ。)を用いた。FBSにはGIBCO社製のものを用い、DMEMにはInvitrogen社製のものを用いた。
以下のサンプル8,9を作製した。
得られた細胞懸濁液100μlを、滅菌されたポリスチレン製のU底96ウェルプレートの各ウェルに播種した。更に、各ウェルにMPC−IbMA共重合体A(重合体1)の5重量%水溶液を添加した。MPC−IbMA共重合体Aの終濃度を0.125重量%として、5%CO2雰囲気中で37℃に保持したインキュベーター内でヒト肝臓癌細胞Hep G2を24時間培養した。これにより、ヒト肝臓癌細胞Hep G2の細胞凝集塊が得られた。
得られた細胞懸濁液100μlを、滅菌されたポリスチレン製のU底96ウェルプレートの各ウェルに播種した。そして、重合体を添加せずに、5%CO2雰囲気中で37℃に保持したインキュベーター内でヒト肝臓癌細胞Hep G2を24時間培養した。これにより、ヒト肝臓癌細胞Hep G2の細胞凝集塊が得られた。
薬剤溶液は、DULBECCO‘S PHOSPHATE BUFFERED SALINE(以下、「D−PBS」とも言う。)にマイトマイシンCを溶解させて作製した。マイトマイシンCの濃度は25μg/mlとした。この薬剤溶液をサンプル8,9のウェル内にそれぞれ10μl添加し、ヒト肝臓癌細胞Hep G2を更に24時間培養した。
細胞凝集塊は生体内の腫瘍に近い性状(細胞間相互作用、酸素分圧、栄養分の浸透性など)を示すことが知られている。したがって、細胞凝集塊は接着培養系細胞よりも薬剤の作用をより明確に観察することができる。本実施例でも、サンプル8の細胞凝集塊では、サンプル9の接着培養系細胞よりも薬剤の作用を良好に確認することができた。
Claims (6)
- 2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとイソボルニルメタクリレートとの共重合体を添加した培地で細胞を培養して細胞凝集塊を形成する
細胞凝集塊の製造方法。 - 請求項1に記載の細胞凝集塊の製造方法であって、
前記培地における前記共重合体の濃度が0.01重量%以上5重量%以下の範囲内である
細胞凝集塊の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の細胞凝集塊の製造方法であって、
前記共重合体における2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの共重合組成比が10モル%以上90モル%以下である
細胞凝集塊の製造方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の細胞凝集塊の製造方法であって、
前記共重合体の質量平均分子量は、5,000以上10,000,000以下の範囲内である
細胞凝集塊の製造方法。 - 2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとイソボルニルメタクリレートとの共重合体を添加した培地で細胞を培養して細胞凝集塊を形成し、
前記細胞凝集塊に薬剤を添加し、
前記細胞凝集塊に対する薬剤の作用を評価する
薬剤のスクリーニング方法。 - 請求項5に記載の薬剤のスクリーニング方法であって、
前記細胞は癌細胞である
薬剤のスクリーニング方法。
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