JP6182111B2 - キャスタの取付構造および台車 - Google Patents
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Description
しかし、上記構成では、リテーナの挿入によりロックアームの弾性変形を規制することができるが、リテーナを台盤に係止するために、先端に係合突部を有するリテーナ係止片を左右一対に設け、台盤側には上記係合突部を掛止めるリテーナ係止孔を前記リテーナ係止片の係合突部に対応する個所に穿設する必要があり、構造が複雑となると共に、係合孔と係合突部とは正確な位置決めが必要となるという問題点があった。
被取付体の台盤に設けられたキャスタ取付部にキャスタの取付台板の上面を所定姿勢に支承する支承部と、前記取付台板の一端側を下方から掛止める台盤に固定された第1台盤側掛止部と、該第1台盤側掛止部と対峙して前記取付台板の他側を下方から掛止めると共に、台盤に基端が前記取付台板と離間する方向に傾動可能に取り付けられた第2台盤側掛止部とを有し、該第2台盤側掛止部の後方に前記第2台盤側掛止部を拘束する取付部材を収納する収納室を備えたキャスタの取付構造において、
収納室が、第2台盤側掛止部と所定の間隔を隔てて前後に対峙して、台盤に固定された後方壁部と、
第2台盤側掛止部と後方壁部の間に沿って平行に延びる左右一対の側壁部と、
該側壁部に形成されて第2台盤側掛止部側で開口し後方壁部に向かって斜めに傾斜する一対の長穴部とが形成されており、
取付部材は、略ロール形状からなる取付部本体と、左右両側の側壁面から外方に突出し、前記長穴部に摺動可能に挿入される支軸部と、取付部本体の外周壁面に設けられて前記後方壁部の内面に衝合して取付部材の回転を規制するカム面部と、
該カム面部が後方壁部に衝合した位置で、前記第2台盤側掛止部を垂直姿勢に維持し第2台盤側掛止部の掛止部を外側から覆って拘束する拘束片部とからなっていることを特徴とする。
請求項2の発明では、
カム面部が後方壁部の内面に衝合する平坦面からなる補助カム面と、該補助カム面に連続して折れ曲がる拘束ガイド用のカム面とからなり、
取付部材の拘束片部が、前記補助カム面の延長上で同一面状に形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明では、
取付部材の左右側壁面に一対の大径の側板が設けられており、該側板にカム面部が形成されており、側板間に設けられた中軸部には、支軸部を長穴部に挿入した際に第2台盤側掛止部と衝合しないように切欠部が形成されていることを特徴とする。
上記取付部材では、台盤側との間に係脱する構成を設けることなく、取付部材にカム面と拘束片部を設けるだけで第2台盤側掛止部を拘束することができるので、簡単な構成で確実にキャスタの取り付けを行うことができる。
台盤1は、本実施例の場合、図4、図5に示すように、矩形の合成樹脂製の台盤からなっており、上面には、把持用の貫通孔H1や、スタッキングに際してキャスタ30の車輪を嵌込むH2などが適宜形成されている。
上記台盤1の裏面には補強用のリブLが格子状や輪郭状などの適宜形状に突設されており、その四隅にはキャスタ30を装着するためのキャスタ取付部2が形成されている。
また、車輪は単輪でも双輪でよい。
更に、1枚の取付台板31に複数のキャスタが装着されたものも、この発明では取付用のキャスタとして用いることができる。
キャスタ取付部2は、図3に示すように、キャスタ30の取付台板31の上面と接して所定高さで取付台板31を水平に支持するため高さを揃えたリブ3a、3bからなる支承部3と、該支承部3の一方の端部に台盤1の上面から垂設すると共に支承部3の内側に向かって突出する鉤状の第1台盤側掛止部4と、前記支承部3の基端側で第1台盤側掛止部4と対峙する個所に形成された第2台盤側掛止部5と、該第2台盤側掛止部5の後方(支承部3と離間する方向)に形成された収納室7とを有している。
図示例の場合、第1台盤側掛止部4は、台盤1の上面から垂下するリブの中途位置で支承部3側へ突出し、該突出した面で前記取付台板31を下から支持するように、先端が直角に折れ曲がった鉤状からなっている。
該第2台盤側掛止部5は、その基端が台盤1の上壁面にV字状のヒンジ部6を介して前記取付台板31と離間する方向に傾動可能に取り付けられている。
上記第2台盤側掛止部5を傾動させる構造は、上記ヒンジ構造に限らず、枢着構造その他の公知の折曲げ構造を用いることができる。
該収納室7は、図3に明瞭なように、取付部材11を収納して第2台盤側掛止部5を取付台板31の掛止位置でその姿勢を拘束するための構造である。
即ち、収納室7は、第2台盤側掛止部5と所定の間隔を隔てて後方に対峙して、台盤1に固定されて垂下する後方壁部8を有している。
また、第2台盤側掛止部5と後方壁部8の間には、その左右の側方を塞ぐ左右一対の側壁部9、9が平行に設けられている。
そして、側壁部9、9には、それぞれ第2台盤側掛止部5側で開口し後方壁部8に向かって漸次斜め上向きに傾斜する一対の長穴部10、10が形成されている。
該拘束片部15は取付部本体12の接線方向に延びる突片からなっている。
また、一対の側板16間は中軸部17によって連結されており、該中軸部17には、切欠部18が形成されている。
また、カム面部14は、本実施例では、拘束片部15の平坦面の延長線上に延びる平坦面からなる補助カム面14aと、該補助カム面aに連続して折れ曲がる平坦面からなる拘束ガイド用のカム面14bとからなっている。
これにより、カム面14bによって収納室7内で動きを規制された取付部材11は、その側板16により第2台盤側掛止部5と後方壁部8との間隔を維持するので第2台盤側掛止部5は後方へ傾動することができない。
更に、拘束片部15が第2台盤側掛止部5の下端に接してこれを覆うので、第2台盤側掛止部5の取付台板31の掛止姿勢が強固に保持される。
また、前記長穴部10の開口は第2台盤側掛止部5の近傍に形成されているので、支軸部13の挿入に際して中軸部17が第2台盤側掛止部5と衝合するおそれがある。
その場合は、中軸部17に切欠部18を形成することで、中軸部17が第2台盤側掛止部5に衝合せずに収納室7内に嵌合させることができる(図7(b)参照)。
即ち、キャスタ30の取付台板31は後端が上方となるよう斜めに傾斜させ、第2台盤側掛止部5を後方に傾動させることで掛止めると共に、第1台盤側掛止部4との間隔を広げることができる。
次いで、上記広がった間隔から取付台板31の先端を第1台盤側掛止部4の上方に通過させ、第2台盤側掛止部5を前方へ傾動させて前記間隙を元に戻すと共に、キャスタ30の取付台板31を支承部3に接するように水平に挿入する。
そして、前記取付台板31の先端を第1台盤側掛止部4に掛止め、第2台盤側掛止部5を垂直姿勢に戻して、前記取付台板31を、第1台盤側掛止部4と第2台盤側掛止部5とで水平に支持することができる(図6参照)。
この際に、本実施例では、取付部材11は拘束片部15が垂直姿勢に向いた時に中軸部17の横幅が最も薄くなるように設定されており、第2台盤側掛止部5とぶつかることなく取付部材11を収納室7内に嵌合することができる(図7、図8参照)。
この際に拘束片部15と補助カム面14aとは同一面状となっているので、補助カム面14aは後方壁部8と平行に接し取付部材11は第2台盤側掛止部5を垂直に維持することができる。
また、取付部材11も、中軸部17が第2台盤側掛止部5と拘束片部15の間を横に塞ぐように変位するので、第2台盤側掛止部5と拘束片部15とに挟持され、同時に、支軸部13が長穴部10から抜け落ちることがない(図9参照)。
即ち、収納室7にセットされた取付部材11は、拘束片部15が垂直姿勢の状態であり、中軸部17の切欠部18が第2台盤側掛止部5側に対峙しているので取付部材11をセットしたまま切欠部18のスペースを利用して第2台盤側掛止部5を図中後方へ傾動することができる。
その後、図9に示したように、収納室7内で取付部材11を90度回転させることで垂直姿勢の第2台盤側掛止部5を拘束することができる。
また、キャスタの取付台板の形状によっては、先に一方の端部を第1台盤側掛止部に掛止めてから、第2台盤側掛止部を後方に傾けて第1台盤側掛止部との間隔を広げ、前記取付台板の他方の端部を差し込んで略水平姿勢にしてからその端部を垂直姿勢に戻した第2台盤側掛止部に掛止めるようにしてもよい。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
2 キャスタ取付部
3 支承部
4 第1台盤側掛止部
5 第2台盤側掛止部
6 ヒンジ部
7 収納室
8 後方壁部
9 側壁部
10 長穴部
11 取付部材
12 取付部本体
13 支軸部
14 カム面部
15 拘束片部
16 側板
17 中軸部
18 切欠部
30 キャスタ
31 取付台板
32 軸受部
33 支持ヨーク
Claims (4)
- 被取付体の台盤に設けられたキャスタ取付部にキャスタの取付台板の上面を所定姿勢に支承する支承部と、前記取付台板の一端側を下方から掛止める台盤に固定された第1台盤側掛止部と、該第1台盤側掛止部と対峙して前記取付台板の他側を下方から掛止めると共に、台盤に基端が前記取付台板と離間する方向に傾動可能に取り付けられた第2台盤側掛止部とを有し、該第2台盤側掛止部の後方に前記第2台盤側掛止部を拘束する取付部材を収納する収納室を備えたキャスタの取付構造において、
収納室が、第2台盤側掛止部と所定の間隔を隔てて前後に対峙して、台盤に固定された後方壁部と、
第2台盤側掛止部と後方壁部の間に沿って平行に延びる左右一対の側壁部と、
該側壁部に設けられて第2台盤側掛止部側で開口し後方壁部に向かって斜めに傾斜する一対の長穴部とが設けられており、
取付部材は、略ロール形状からなる取付部本体と、左右両側の側壁面から外方に突出し、前記長穴部に摺動可能に挿入される支軸部と、取付部本体の外周壁面に設けられて前記後方壁部の内面に衝合して取付部材の回転を規制するカム面部と、
該カム面部が後方壁部に衝合した位置で、前記第2台盤側掛止部を垂直姿勢に維持し第2台盤側掛止部の掛止部を外側から覆って拘束する拘束片部とからなっていることを特徴とするキャスタの取付構造。 - カム面部が後方壁部の内面に衝合する平坦面からなる補助カム面と、該補助カム面に連続して折れ曲がる拘束ガイド用のカム面とからなり、
取付部材の拘束片部が、前記補助カム面の延長上で同一面状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャスタの取付構造。 - 取付部材の左右側壁面に一対の大径の側板が設けられており、該側板にカム面部が形成されており、側板間に設けられた中軸部には、支軸部を長穴部に挿入した際に第2台盤側掛止部と衝合しないように切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャスタの取付構造。
- 請求項1から3のいずれかに記載のキャスタ取付構造を有することを特徴とする被取付体。
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