JP6182088B2 - 三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材を製造する方法 - Google Patents

三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材を製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用端子に使用されるアルミニウム展伸材を芯材としてフェライト系ステンレス鋼板を外層材とした三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用電極板素材を製造する方法に関する。ここで、電極板素材とは、電極板に直ちに供される板状の形状をし、通常コイル状に巻き取られた材料のことをいう。
リチウムイオン二次電池は携帯電話、ノートパソコン等の電子・電気機器に広く搭載されている。さらに、近年、自動車などの交通機関の動力源として実用化が進んでおり蓄電装置としても注目されている。
非水電解質二次電池であるリチウムイオン二次電池の端子(電極)には、高電圧や高電流に耐えること、軽量であること、機械的強度が大きいこと、耐食性が優れていること等の他に、さらに、十分な導電性をもつこと、充放電に伴う物理的化学的変化が少ないこと、などの性質が要求されている。
近年は、これらの特性を満たすべく、リチウムイオン二次電池の端子として、異種の金属を組み合わせてクラッド法で加工して箔とするため、種々の材料の組み合わせやその製造方法が提案されている。
特許文献1は、ステンレス鋼や普通鋼と銅のクラッド箔であり、鋼シートを芯材に持ち、その両面に銅(Cu)被覆層を持ち、銅被覆層を含めた平均厚さtが3〜100μmであるリチウムイオン二次電池の負極活物質担持用銅被覆鋼箔を負極集電体に使用する技術が開示されている。
しかし、特許文献1では、リチウムイオン二次電池の端子に使用した場合、大電流を流すと銅が溶解するという問題があり、実用化への課題となっている。また、アルミニウムをリチウム二次電池の正極材として使用した場合、使用時に正極集電体であるアルミニウムと正極活物質であるリチウム含有遷移金属酸化物との反応により急激に温度が上昇して破壊の危険性があるため安全性の観点から防爆性も要求される。
また、特許文献2には、電気二重層キャパシター(二次電池)の負極材の素材として、硬質アルミニウム合金とステンレス鋼(SUS304)、ニッケル層とのクラッド材が開示され、圧延後熱処理を行う製造方法を採用している。
また、特許文献3には、アルミニウム合金(Mg:3〜5重量%を含有)を芯材としたステンレス鋼の三層が開示され、その製造方法ではインサート材を用いてアルミニウム材とステンレス鋼の密着性を高める工夫をした発明が開示されている。この材料は高強度、軽量化を目的としているが、自動車、電磁調理器、航空機の外板材を対象としている。
また、特許文献5には、正極活物質として遷移金属酸化物を有する正極と、負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、前記正極の集電体に金属M/アルミニウム/金属Mからなる三層構造シートを用い、前記金属Mはニッケル、チタン、ステンレス鋼からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる組み合わせた箔が開示されている。しかし、特許文献5では、このような箔を製造するする方法として、薄いシートを用いることが開示されている。このような箔を別途に準備して密着させる製造方法では経済的に採算が合わない。
そこで、三層構造シートの機械的性質を十分に確保しつつ、圧延クラッド法で製造することができれば、工業的に効率的かつ経済的であると考えられる。
また、特許文献4には、芯材をアルミニウムとして、外層材がステンレス鋼の三層構造のクラッド材が開示されている。この方法では、一回の圧延とその後の拡散焼鈍を不活性ガス雰囲気で行うことが記載され、その温度は450〜600℃で、450℃では5〜6hrの時間が必要とされている。しかし、このような温度と時間で行うことは、材料によっては機械的特性の劣化が生じること、また製造時間が長時間となることなどの実用上の問題がある。
さらに、異種の金属を組み合わせて製造する圧延クラッド法では、それぞれの金属の特性が異なるため、クラッドの組立条件、熱処理、圧延条件等の種々の製造条件の検討が必要となる。
特開2012−33470号公報 特開2001−179304号公報 特開2000−312979号公報 特開2005−228496号公報 特開2007−42413号公報
特許文献1以外の上述のいずれの技術も、リチウムイオン二次電池用電極板素材を製造する目的ではないので、上述のリチウムイオン二次電池用電極板素材が具備すべき特性を満足する材料の製造法を目的とした技術ではない。
また、いずれの三層構造の圧延クラッド材においても、外層材がフェライト系ステンレス鋼でかつ芯材がアルミニウムの組合せはなく、さらに、アルミニウム材は高強度の材質であるMg合金や高硬度材を用いている例が多い。特許文献4は、圧延クラッド法を開示しているが、オーステナイト系のステンレス鋼の実施例はあるが、後述するように圧延時の割れについての技術的対策が無くまた、圧延後の拡散温度が高いため、材料の劣化の問題がある。
そこで、本発明は、フェライト系ステンレス鋼を外層材としてアルミニウムを芯材として軽量性および防爆性を具備し、表面性状および曲げ加工性が良好で、安価なリチウムイオン二次電池用電極板素材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決する為、鋭意研究を行い、ステンレス鋼を外層材とする三層のクラッドの圧延製造時に、割れが発生せず、平坦な材料を得るには、後述するように、外層材のステンレス鋼の種類と硬度、外層材のステンレス鋼と芯材のアルミニウム材の板厚の比率、冷間圧延の圧下率、熱処理条件の検討が特に重要であることを見出した。
まず、本発明者らは、クラッド材の外層材をオーステナイト系ステンレス鋼として、芯材をアルミニウムにして圧延クラッドにより製造すると、冷間圧延(圧着圧延)時にステンレスの表面に割れ(クラック)が発生しやすいことを見出した。この原因は、アルミニウムとオーステナイト系ステンレス鋼のそれぞれの材料の伸び特性が異なり、冷間圧延時に圧下応力を受けた際、SUS304の様な準安定オーステナイト鋼では圧延加工によって加工誘起マルテンサイト変態が起こり素材の急激な硬化と伸びの低下が起こることで芯材と外層材のそれぞれの変形量が大きく相違するためである。また、圧延条件によっては、オーステナイト系ステンレス鋼とアルミニウム材との界面が波打つ状態(リップルと呼ばれる)が生じる。この、リップルがさらに大きくなると、ステンレス鋼の表面に前述した割れが生じるようになる。このような状態になると、製品としての材料特性が悪化するのみならず、場合によっては圧延クラッドによる三層クラッドを製造することができない。上述の先行文献にはこのような現象を考慮した製造方法の開示はない。
芯材をアルミニウムとして、外層材のステンレス鋼の種類及び硬度を変化させ、実験を行った結果、フェライト系ステンレス鋼でHVが200以下であれば、リップルが生じないことを確認した。この現象は、硬度(HV)が200を超えるような例えばオーステナイト系ステンレス鋼は圧延中に加工誘起変態によって著しく硬化する。そこで、このような現象が生じにくいHVが200以下のフェライト系ステンレス鋼を採用した。
また、クラッド材を圧延法により製造する際に、冷間圧延で割れが発生させないためには、圧延前の芯材と外層材の板厚比率の選定および管理が重要であり、外層材がフェライト系ステンレス鋼の場合には、外層材と前記芯材の合計の板厚に対する外層材の板厚比率を10〜70%とすることを見出した。
また、芯材のアルミニウムの種類としては、JISで規定されるA1000番台の表示の材料であれば良い。該芯材のリチウムイオン二次電池端子の要求性能への悪影響を除外するため、必須添加元素に関する制約はないが、三層構造のクラッド材の製造は圧延法により行う。
本発明に係る製造方法はかかる知見を基になされ、二回の冷間圧延とその中間に熱処理(熱処理温度は200℃以上、390℃以下で行う)を行うもので、優れた接合強度が得られるばかりか、芯材と外層材との界面にリップル(界面が波打つ状態)と呼ばれる欠陥が生じない。
本発明は以上の知見を総合してなされたもので、以下の構成からなる。
[1]外層材をフェライト系ステンレス鋼として、芯材をアルミニウム材とする三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材の製造方法において、
該製造方法は、第一の冷間圧延工程と、熱処理工程と、第二の冷間圧延工程とをこの順序で有し、
前記第一の冷間圧延工程前における前記外層材と前記芯材の合計の板厚に対する前記外層材の板厚比率を10〜70%とし、
前記外層材の硬さ(HV)が200以下で、
前記第一の冷間圧延工程における圧下率が30〜90%で、
前記熱処理工程における熱処理温度が200℃以上、390℃以下で、
前記第二の冷間圧延工程における圧下率が10〜90%である、
ことを特徴とする三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材を製造する方法。
[2]前記熱処理工程での加熱時間が2〜8分であることを特徴とする前記[1]に記載の三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材を製造する方法。
[3]前記アルミニウム材が、質量%で、Al量が95.0%以上であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材を製造する方法。
[4]前記フェライト系ステンレス鋼は、質量%で、Cr量が16.0〜20.0%、C量が0.12%以下、であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材を製造する方法。
本発明によれば、高電圧や高電流に耐え、軽量、機械的強度が大きく、耐食性が優れていること等の他さらに、十分な導電性をもつこと、充放電に伴う物理的化学的変化がないこと(防爆性)、などの性質を具備するリチウムイオン二次電池用端子(電極)素材を効率よく安価に得ることができる。
本発明による製造工程例を示す図である。
まず、本発明に係るクラッド材の組立素材について説明する。以下で、単に化学成分の表示に%としているのは質量%を意味する。
まず、この端子(電極)素材は、フェライト系ステンレス鋼を外層材として、アルミニウム材を芯材とする三層クラッド材である。
A)アルミニウム材は、一般に純アルミニウムと呼ばれる質量%で95.0%以上のAlを含有する材料であることが好ましい。Alが95.0%以上の材料は展伸性に優れるため、圧延加工がしやすいばかりか導電性、加工性、耐食性などにも優れるからである。さらに、Alが99.0%以上が好ましい。JISで規定するA1000番台の表示は工業用純アルミニウムを示し、A1100、A1200が代表的で、いずれも99.0%以上の純アルミニウム系材料である。A1100は陽極酸化処理(アルマイト)後光沢を良好にするCuが微量添加されているが本発明でも使用することができる。A1050、A1070、A1085はそれぞれ純度99.50、99.70、99.85%以上の純アルミニウム材料であるが、いずれの材料であっても使用することができる。特に添加した元素以外は、残部は不可避的不純物であることが好ましい。
アルミニウム材を芯材として用いるのは、Alが導電性と軽量化に優れているためである。しかし、外部環境との反応性が高いため、急激な温度上昇を抑えることを目的として外部環境との接触を遮断することが必要のためである。
また、アルミニウム材の材質は、圧延加工によって加工硬化しているいわゆる圧延材が好ましい。焼なましにより最も軟らかい状態に処理したいわゆる焼鈍材では第一の冷間圧延時に70%以上の圧下率で行うと表面に割れが生じる場合があるからである。
B)外層材に用いられる素材は、フェライト系ステンレス鋼に分類される鋼種(例えば、SUS430、410L、434)であることが必要である。
Crの含有量は、16.0〜20.0%であることが好ましい。Crの含有量はフェライト系ステンレス鋼の耐食性、引張強度を考慮して限定することが好ましい。
また、硬度(HV)が200以下のフェライト系ステンレス鋼であれば、芯材であるアルミニウムと組み合わせても圧延時に、上述したリップル現象が生じない。また、硬度(HV)が180以下であることが特に好ましい。ここで、硬度(HV)の測定はJIS Z 2244に準じた。
また、C量は、0.12%以下であることが好ましい。C量が、0.12%を超えると第一の冷間圧延時に芯材のアルミニウム材との剥離が生じやすくなる場合があるからである。CrおよびCの含有量が、以上の範囲であれば、芯材であるアルミニウム材と組合わせても、冷間加工性に優れ、防爆性、耐食性を維持することができる。
C)次に、本リチウムイオン二次電池用端子(電極)素材を製造する方法について図1を用いて説明する。
本発明は三層クラッド材の製造方法として圧延クラッド法を採用したのは、外層材と芯材の比率を効率よく制御するのに適した方法だからである。
芯材であるアルミニウム材の種類は特に制限しないが、前記したJISで規定するA1000番台の工業用純アルミニウムの板材を用いることが好ましい。また、外層材であるフェライト系ステンレス鋼は上記した成分を有する板材であることが好ましい。
次に、圧延前の前処理工程(a)として、クラッド素材の表面を活性させるため、常法に従いブラッシング処理等を素材表面の全面についておこなう。各素材の表面を活性化させる処理であれば酸洗のような化学的処理、グラインダ、ブラストのような研磨、研削の他の機械的処理を行うことができる。
第一の冷間圧延前における前記外層材と前記芯材の合計の板厚に対する前記外層材の板厚比率を10〜70%とすることが必要である。ここで、外層材であるステンレス鋼の板厚比率(%)は、(外層材の板厚の合計)/(芯材の板厚+外層材の板厚の合計)×100 で求められる。
第一の冷間圧延前におけるフェライト系ステンレス鋼(外層材)の板厚比率が10%未満であると第一および第二の冷間圧延時のいずれかで割れが生ずる。また、70%を超えると導電性が低下してリチウムイオン二次電池用端子としての特性が得られなくなる等の問題が生じる。
第一の冷間圧延工程(b)は、前処理工程(a)の処理を行った後12時間を経過する前に行うことが好ましい。12時間を経過した後では、次工程の圧延(b)後のクラッド材において外層材と芯材との界面の密着性が低下することがあるからである。
本発明に係る製造方法において、冷間圧延は熱処理工程の前後に一回、合計二回行うことが必要である。最初の冷間圧延(第一の冷間圧延)は、圧延時にクラッド素材を機械的物理的に密着させる工程である。
第一の冷間圧延工程(b)での圧下率は30〜90%の範囲で行う。この工程で、圧下率が30%未満では接合が十分に行われない。90%を超えると圧延時に耳割れが生じ圧延は困難となる。ここで、耳割れとは、圧延材の板幅方向のエッジ端部寄りの板材の表面に発生する割れのことである。従って、第一の冷間圧延工程(b)での圧下率は30〜90%の範囲とした。またこの冷間圧延工程での圧延は、室温から300℃の範囲で行うことが好ましい。さらに好ましくは、室温から200℃の範囲である。
第一の冷間圧延工程(b)で供される冷間圧延機の種類は特に限定はないが、板幅方向の圧下力分布や板厚プロフィールが均一な圧延機が選ばれる。
第一の冷間圧延工程後は熱処理工程(c)に供することが必要である。この熱処理工程はクラッド材の芯材(アルミニウム材)と外層材(フェライト系ステンレス鋼)の金属原子の相互拡散および焼鈍を目的としている。これにより、界面は強固に結合される。本発明において、熱処理工程は第一の冷間圧延により巻取られたコイルを温度200〜390℃の範囲に加熱することにより行う。
コイル温度が200℃未満では外層材であるステンレス鋼と芯材であるアルミニウム材の界面での相互拡散が生じにくく、十分な接合強度が得られなくなる。また、390℃を超えると界面に金属間化合物(例えば、FeAlまたはFeAlが挙げられる)が生成し界面が脆化することがあるので、熱処理温度は200〜390℃の範囲とする。好ましくは、300〜350℃の範囲である。
本熱処理工程に用いる熱処理炉はバッチ式であっても連続式熱処理炉であっても良い。また、加熱時間(保持時間)は2〜8分であることが好ましい。2分未満の時間では原子拡散の効果が得られず、8分を超えると界面に化合物が生成し、機械的性質を劣化させることがあるからである。
続いて第二の冷間圧延工程(d)に供する。
第二の冷間圧延工程(d)での圧下率は10〜90%の範囲で行う。この工程で最も重要なのは圧下率の下限を10%にすることである。圧下率が10%未満では外層材と芯材からなるクラッド材の平坦度の高い形状を得ることができない。また、圧下率が90%を超えるのは製造上困難である。従って、第二の冷間圧延工程での圧下率は10〜90%の範囲とすることが必要である。好ましくは、圧下率は15〜60%の範囲である。圧延の温度は室温〜390℃の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは100℃以下である。
第二の冷間圧延工程で使用される冷間圧延機は、板幅方向の圧下力分布や板厚プロフィールが均一な圧延機が選ばれるが、より薄物材の圧延となるため、小型ロールでの圧延が可能な多段圧延機を使用することが好ましい。
第二の冷間圧延後は通常はコイル巻取機(図示せず)によりコイル状に巻取られる。その後、必要に応じてスリット工程(図示せず)により板幅方向に分割裁断して出荷する。
D)さらに、リチウムイオン二次電池用端子(電極)素材としては、板厚が1.0mm以下であることが好ましい。板厚が1.0mm以下であるとしたのは、リチウムイオン二次電池用端子(電極)として使用する際の軽量化を図るためである。さらに好ましくは、板厚は0.50mm以下である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
表1に示す芯材と表2に示す外層材を用いて、クラッド材を作成した。クラッドの製造条件およびクラッド材の特性をそれぞれ表3に示す。また、圧延後の最終の板厚およびステンレス鋼の断面比率(%)を表3に揚げる。圧延後のフェライト系ステンレス鋼の断面比率の測定は断面を研磨して光学顕微鏡により観察し、ステンレス鋼と芯材のアルミニウム材厚みを測定してその比率を板厚断面における面積比率とした。
なお、ここで、外観品質および接合強度の評価は、曲げ試験(JIS Z 2248)において、90度曲げ(押金具の先端部の半径R=0.4mm)及び180度曲げ(密着曲げ、内側半径;3t。ここで、tは試験片の板厚)試験を行ない、90度、180度の両方で割れは発生していない場合を○、割れが発生した場合に×とし、製造時に割れ等が発生して製品の採取ができない場合は試験を行っていない。
Figure 0006182088
Figure 0006182088
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表3において、No.1は第一の冷間圧延の圧下率が低いため、熱処理において外層材と芯材の接合が充分ではなかった。
また、No.5は熱処理温度低いため、接合強度が弱く、No.10は、フェライト系ステンレス鋼の板厚比率が低くいので、外層材の表面に割れ(クラック)が発生し、次工程(熱処理工程、第二の冷間圧延工程)に供することができなかった。
No.11は、第一の冷間圧延工程の圧下率が低いため、外層材と芯材との接合ができなかった。No.13は、第二の冷間圧延工程の圧下率が低い為、圧延後の形状が悪化し、接合強度も低下した。No.16は、熱処理温度が低いため、界面の接合強度が弱く、第二の冷間圧延に供することができなかった。
No.18は、熱処理温度高い為、脆化(475℃脆化)が生じ、第二の冷間圧延に供することができなかった。また、No.20は、外層材をオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)を用いため、その硬度HVが高いので、第一の冷間圧延で表面に割れが発生した。
これに対して本発明例は、製造時に割れ等が発生せず、リチウムイオン二次電池用端子(電極)素材として特性を満足する製品であることを確認した。
1 外層材(ステンレス鋼)
2 芯材(アルミニウム材)
3 ロール

Claims (4)

  1. 外層材をフェライト系ステンレス鋼とし、芯材をアルミニウム材とする三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材の製造方法において、
    該製造方法は、第一の冷間圧延工程と、熱処理工程と、第二の冷間圧延工程とをこの順序で有し、
    前記第一の冷間圧延工程前における前記外層材と前記芯材の合計の板厚に対する前記外層材の板厚比率を10〜70%とし、
    前記外層材の硬さ(HV)が200以下で、
    前記第一の冷間圧延工程における圧下率が30〜90%で、
    前記熱処理工程における熱処理温度が200℃以上、390℃以下で、
    前記第二の冷間圧延工程における圧下率が10〜90%である、
    ことを特徴とする三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材を製造する方法。
  2. 前記熱処理工程での加熱時間が2〜8分であることを特徴とする請求項1に記載の三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材を製造する方法。
  3. 前記アルミニウム材が、質量%で、Al量が95.0%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材を製造する方法。
  4. 前記フェライト系ステンレス鋼は、質量%で、Cr量が16.0〜20.0%、C量が0.12%以下、であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材を製造する方法。
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