JP6382434B1 - 電子機器用圧延接合体及び電子機器用筐体 - Google Patents

電子機器用圧延接合体及び電子機器用筐体 Download PDF

Info

Publication number
JP6382434B1
JP6382434B1 JP2017246462A JP2017246462A JP6382434B1 JP 6382434 B1 JP6382434 B1 JP 6382434B1 JP 2017246462 A JP2017246462 A JP 2017246462A JP 2017246462 A JP2017246462 A JP 2017246462A JP 6382434 B1 JP6382434 B1 JP 6382434B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
layer
thickness
joined body
aluminum alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017246462A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019025542A (ja
Inventor
橋本 裕介
裕介 橋本
貴文 畠田
貴文 畠田
功太 貞木
功太 貞木
哲平 黒川
哲平 黒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Kohan Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kohan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Kohan Co Ltd filed Critical Toyo Kohan Co Ltd
Priority to CN201810262733.0A priority Critical patent/CN108501471B/zh
Priority to PCT/JP2018/013245 priority patent/WO2018181717A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6382434B1 publication Critical patent/JP6382434B1/ja
Publication of JP2019025542A publication Critical patent/JP2019025542A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)
  • Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
  • Casings For Electric Apparatus (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】厚みを薄くしつつ、耐衝撃性に優れるような金属材料を主とする電子機器用圧延接合体を提供することを目的とする。【解決手段】金属を主体とする電子機器用圧延接合体であって、ステンレス層とアルミニウム合金層からなり、前記ステンレス層の厚みTS(mm)及び表面硬度HS(Hv)、並びに前記アルミニウム合金層の厚みTAA(mm)及び表面硬度HAA(Hv)が下記式(1)HSTS2+HAATAA2≧11.18 (1)を満たし、ただし、0.2≦TS+TAA≦1.60.05≦TS≦0.60.1≦TAA≦1.1であることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、電子機器用圧延接合体及び電子機器用筐体に関する。
携帯電話等に代表されるモバイル電子機器(モバイル端末)の筐体は、ABS等の樹脂や、あるいはアルミニウム等の金属材料によって作られている。近年は、電子機器の高機能化に伴い、機器内部の電池容量や実装点数が増加し、より多くの実装スペースの確保が要求されている。より多くの実装スペースを確保するため、筐体のさらなる薄肉化が必須となっている。
特許文献1及び2には、樹脂からなる電子機器の筐体が開示されている。筐体として樹脂を使用する場合、軽量ではあるが金属外観を出せないため高級感を出せないという問題がある。また、樹脂の筐体は、金属筐体と比べて引張強度や弾性率、耐衝撃性が劣るため、これらの特性を向上させるためには筐体の厚みを厚くする必要がある。しかし、前述のとおり、筐体が厚くなると実装スペースが減少してしまう問題があった。
また、筐体に加わる衝撃の大きさによってはクラックが発生する可能性もある。さらに、電磁波シールド性の確保や電気的なグラウンドを取ることに問題があり、樹脂筐体の内側に金属を蒸着したり、金属箔を貼り付ける必要があるため、リサイクル性にも劣る。加えて、放熱性も金属筐体と比べて劣っている。
特許文献3には、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる電子機器用筐体が開示されている。アルミニウムを使用することにより、軽量で放熱性に優れ、金属外観を有した電子機器用筐体を得ることができる。アルミニウム合金から作られる筐体の加工方法として、筐体の内面側についてはアルミニウム合金の削り出しが知られている。近年、筐体に用いられる金属材料には、さらなる軽量化、薄化、小型化が求められている。この要求を満たすために、アルミニウム合金として、変形しにくい6000系や7000系のアルミニウム合金が用いられるが、このような変形しにくいアルミニウム合金は、プレス加工性が極めて悪く、筐体への加工方法が削り出しに限定されてしまい、コストや生産性等の面で優れるプレス加工による加工は困難であった。また、筐体の外面側は、アルミニウムそのままでは耐食性に劣るため、着色を兼ねたアルマイト処理が必須となり、アルミニウムでは艶のある光沢外観を得ることは困難であった。一方で、ステンレスは光沢外観を得られる素材であるが、重量が重過ぎるため、また放熱性にも劣るため、筐体としての適用は困難であった。
さらに、金属材料として、2種類以上の金属板又は金属箔を積層した圧延接合体(金属積層材、クラッド材)も知られている。圧延接合体は、単独の材料では得られない複合特性を有する高機能性金属材料であり、例えば、ステンレスとアルミニウムとを積層させた圧延接合体が検討されている。
特許文献4には、引張強度を向上させた、ステンレスとアルミニウムとを積層させた圧延接合体について開示されており、具体的には、ステンレス層/アルミニウム層の2層構造又は第1ステンレス層/アルミニウム層/第2ステンレス層の3層構造を有する金属積層材であって、引張強度TS(MPa)が、200≦TS≦550であり、伸びELが15%以上であり、ステンレス層の表面硬度HVが300以下である金属積層材が記載されている。
特許文献4では、引張強度等の向上について開示されているが、耐衝撃性については開示されていない。耐衝撃性とは、連続的に加わる荷重ではなく、瞬間的に大きな荷重が加わった際の挙動に関わるのに対し、引張強度は連続的に板面と並行方向に少しずつ荷重が加わった際の強度である点で大きく異なる。このように、引張強度が高い場合に耐衝撃性も高いとは限らない。また、耐衝撃性は、筐体として加工された後の、特に背面における圧延接合体の各層の最終的な硬度や厚みによっても影響を受ける。従って、ステンレスとアルミニウムの圧延接合体において、十分な耐衝撃性を有する圧延接合体を得るための方法はこれまで知られていなかった。
特開2005−149462号公報 特許第5581453号公報 特開2002−64283号公報 国際公開第2017/057665号
前記のとおり、従来の金属材料を主とする電子機器用筐体やステンレスとアルミニウムとの電子機器用圧延接合体において、耐衝撃性の改善についてはこれまで検討されていなかった。そこで本発明は、厚みを薄くしつつ、耐衝撃性に優れるような金属材料を主とする電子機器用圧延接合体及び電子機器用筐体を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、ステンレスとアルミニウム合金もしくは純アルミニウムとの圧延接合体において、ステンレス層の表面硬度(Hv)、ステンレス層の厚み、アルミニウム合金層もしくは純アルミニウム層の表面硬度(Hv)、アルミニウム合金層もしくは純アルミニウム層の厚みの4つのファクターを制御することが耐衝撃性の向上に重要であることを見出し、発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)金属を主体とする電子機器用圧延接合体であって、
ステンレス層とアルミニウム合金層からなり、
前記ステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びに前記アルミニウム合金層の厚みTAA(mm)及び表面硬度HAA(Hv)が下記式(1)
+HAAAA ≧11.18 (1)
を満たし、ただし、
0.2≦T+TAA≦1.6
0.05≦T≦0.6
0.1≦TAA≦1.1
である電子機器用圧延接合体。
(2)下記式(2)
+HAAAA ≧14.72 (2)
を満たす前記(1)に記載の電子機器用圧延接合体。
(3)金属を主体とする電子機器用圧延接合体であって、
ステンレス層と純アルミニウム層からなり、
前記ステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びに前記純アルミニウム層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)が下記式(3)
+H ≧17.93 (3)
を満たし、ただし、
0.2≦T+T≦1.6
0.05≦T≦0.6
0.1≦T≦1.1
である電子機器用圧延接合体。
(4)下記式(4)
+H ≧22.52 (4)
を満たす前記(3)に記載の電子機器用圧延接合体。
(5)前記圧延接合体の総厚みに対する前記ステンレス層の厚みTの比率が、10%以上60%以下である前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の電子機器用圧延接合体。(6)前記ステンレス層の表面硬度Hが、200以上380以下である前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の電子機器用圧延接合体。
(7)金属を主体とする電子機器用筐体であって、
背面及び/又は側面がステンレス層とアルミニウム合金層からなる圧延接合体を含み、
前記ステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びに前記アルミニウム合金層の厚みTAA(mm)及び表面硬度HAA(Hv)が下記式(1)
+HAAAA ≧11.18 (1)
を満たし、ただし、
0.2≦T+TAA≦1.2
0.05≦T≦0.6
0.1≦TAA≦1.1
である電子機器用筐体。
(8)下記式(2)
+HAAAA ≧14.72 (2)
を満たす前記(7)に記載の電子機器用筐体。
(9)金属を主体とする電子機器用筐体であって、
背面及び/又は側面がステンレス層と純アルミニウム層からなる圧延接合体を含み、
前記ステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びに前記純アルミニウム層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)が下記式(3)
+H ≧17.93 (3)
を満たし、ただし、
0.2≦T+T≦1.2
0.05≦T≦0.6
0.1≦T≦1.1
である電子機器用筐体。
(10)下記式(4)
+H ≧22.52 (4)
を満たす前記(9)に記載の電子機器用筐体。
(11)前記圧延接合体の総厚みに対する前記ステンレス層の厚みTの比率が、10%以上60%以下である前記(7)〜(10)のいずれか1つに記載の電子機器用筐体。
(12)前記ステンレス層の表面硬度Hが、200以上380以下である前記(7)〜(11)のいずれか1つに記載の電子機器用筐体。
本発明によれば、耐衝撃性に優れる電子機器用圧延接合体及び電子機器用筐体を得ることができる。この電子機器用圧延接合体は、高い耐衝撃性を利用して、特にスマートフォンやタブレット等のモバイル電子機器(モバイル端末)用の筐体として好適に用いることができる。また、高い耐衝撃性を活かして、モバイル電子機器の内部補強部材等の電子機器に用いる部品としても好適に用いることができる。
実施例及び比較例に係る圧延接合体についての変形高さの測定方法を説明するための図である。 実施例及び比較例に係る圧延接合体についての変形高さの測定方法を説明するための図である。 実施例1〜18及び比較例1〜2の圧延接合体についての、H +HAAAA と変形高さ(μm)の関係を示すグラフである。 実施例19〜23及び比較例3の圧延接合体についての、H +H と変形高さ(μm)の関係を示すグラフである。 本発明に係る電子機器用筐体の第1の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る電子機器用筐体の第1の実施形態のX−X’方向における断面斜視図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.電子機器用圧延接合体
本発明の電子機器用圧延接合体は、金属を主体とし、ステンレス層とアルミニウム合金層、又はステンレス層と純アルミニウム層から構成される。この圧延接合体は、モバイル電子機器等の各種電子機器の筐体材料として好適であり、特に、電子機器の背面及び/又は側面の材料として好ましく用いられる。ここで背面とは、電子機器を構成する筐体における、表示部(ティスプレイ)が設けられる側とは反対側の面を指す。なお、筐体の内側は、圧延接合体とは別の金属材料やプラスチック材料等が積層していても良い。
圧延接合体は、2層以上からなり、好ましくは2〜4層からなり、より好ましくは2層又は3層からなり、特に好ましくは2層からなる。好ましい実施形態において、圧延接合体は、金属光沢を有する外観を得るため、筐体として用いる場合の筐体外側をステンレス層とし、ステンレス層/アルミニウム合金層又は純アルミニウム層の2層からなる圧延接合体、又はステンレス層/アルミニウム合金層又は純アルミニウム層/ステンレス層の3層からなる圧延接合体である。また、アルマイト外観を得るために、筐体の外側をアルミニウム合金層又は純アルミニウム層として、アルミニウム合金層又は純アルミニウム層/ステンレス層の2層からなる圧延接合体、あるいはアルミニウム合金層又は純アルミニウム層/ステンレス層/アルミニウム合金層又は純アルミニウム層の3層からなる圧延接合体としても良い。本発明において、圧延接合体の構成は、圧延接合体の用途や目的とする特性に応じて選択できる。
ステンレス層を構成するステンレスとしては、特に限定されずに、SUS304、SUS201、SUS316、SUS316L、SUS301及びSUS430等の板材を用いることができる。圧延接合前のステンレスの硬度が硬過ぎると、圧延接合時の密着強度を十分に確保できない虞がある。また、必然的に圧延接合後のステンレス層の硬度も硬くなるため、後述する筐体等への加工成形が困難となる虞がある。そのため、圧延接合前のステンレスの調質としては、焼鈍材(BA材)又は1/2H材が好ましい。圧延接合後、筐体に成形加工する前においては、プレス加工性の観点から3/4H相当以下の硬度を有することが好ましく、より好ましくは1/2H相当以下の硬度を有することが好ましい。本発明においては、筐体へ成形加工する前の圧延接合体(電子機器用圧延接合体)、及びこの圧延接合体を成形加工して得られた筐体(電子機器用筐体)の両方の状態で、後述の関係式を満たす硬度を有することを特徴とする。
アルミニウム合金層を構成するアルミニウム合金としては、アルミニウム以外の金属元素として、少なくとも1種の添加金属元素を含有する板材を用いることができる。添加金属元素は、好ましくはMg、Mn、Si及びCuである。アルミニウム合金中の添加金属元素の合計含有量は、好ましくは0.5質量%超であり、より好ましくは1質量%超である。アルミニウム合金は、好ましくはMg、Mn、Si及びCuから選ばれる少なくとも1種の添加金属元素を1質量%超の合計含有量で含有する。
アルミニウム合金としては、例えば、JISに規定のAl−Cu系合金(2000系)、Al−Mn系合金(3000系)、Al−Si系合金(4000系)、Al−Mg系合金(5000系)、Al−Mg−Si系合金(6000系)及びAl−Zn−Mg系合金(7000系)を用いることができ、プレス加工性、強度、耐食性及び耐衝撃性の観点から3000系、5000系、6000系及び7000系のアルミニウム合金が好ましく、特にこれらのバランスとコストの観点から5000系のアルミニウム合金がより好ましい。アルミニウム合金は、好ましくはMgを0.3質量%以上含有する。
また、純アルミニウム層を構成する純アルミニウムとしては、特に限定されるものではなく、99.5質量%以上がアルミニウムである材料であれば良く、例えば、JISに規定の1000系の純アルミニウムを用いることができる。
本発明において、電子機器用圧延接合体は、ステンレス層の表面硬度H(Hv)と、ステンレス層の厚みT(mm)と、アルミニウム合金層の表面硬度HAA(Hv)もしくは純アルミニウム層の表面硬度H(Hv)と、アルミニウム合金層の厚みTAA(mm)もしくは純アルミニウム層の厚みT(mm)とが特定の関係式を満たすことを特徴とする。
本発明者らは、ステンレス層とアルミニウム合金層もしくは純アルミニウム層とからなる圧延接合体において、耐衝撃性への寄与が特に大きい要素について検討したところ、後述の試験条件で耐衝撃試験を行った際の「変形高さ」に影響するパラメータとして、各層の表面硬度及び厚みを特定の関係式を満たすように制御することが有効であることを見い出した。
特に、薄型化による実装容量増加が求められる電子機器用圧延接合体において、圧延接合体の厚みが薄くとも、例えば筐体の背面として用いる場合の厚みが0.6mm以下であっても耐衝撃性に優れる圧延接合体の層構成を特定した。
具体的には、ステンレス層とアルミニウム合金層からなる電子機器用圧延接合体においては、ステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びにアルミニウム合金層の厚みTAA(mm)及び表面硬度HAA(Hv)が下記式(1)
+HAAAA ≧11.18 (1)
を満たすことが必要である。上記関係式を満たすことにより、耐衝撃性試験における「変形高さ」を400μm以下と小さくすることができ、耐衝撃性が高く、筐体の用途に適することが分かった。
また、上記のステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びにアルミニウム合金層の厚みTAA(mm)及び表面硬度HAA(Hv)は、下記式(2)
+HAAAA ≧14.72 (2)
を満たすことがより好ましい。これにより、「変形高さ」を340μm以下とし、厚み0.6mmのAl合金(A5052、H34材)と同等以上の高い耐衝撃性を有しながら、かつ、ステンレスの光沢外観を有することができ、モバイル電子機器用筐体の用途に特に適する。
上記「H +HAAAA 」の値の上限は特に限定されないが、この値が高過ぎると、圧延接合体が厚くなり、薄型化が困難となることが懸念されるため、例えば300cm(15cm×20cm)以内のモバイル電子機器の筐体用、例えばスマートフォン等の筐体用途においては80以下が好ましく、より好ましくは60以下、さらなる薄型化を求める場合、さらに好ましくは50以下であり、特に好ましくは30以下である。300cmを超えるモバイル電子機器の筐体用、例えばタブレット等の筐体用途においては、ある程度の厚みと強度が求められるため、好ましくは130以下である。
また、ステンレス層と純アルミニウム層からなる電子機器用圧延接合体においては、ステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びに純アルミニウム層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)が、下記式(3)
+H ≧17.93 (3)
を満たすことが必要である。上記関係式を満たすことにより、耐衝撃性試験における「変形高さ」を400μm以下と小さくすることができ、耐衝撃性が高く、筐体の用途に適することが分かった。
さらに、上記のステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びに純アルミニウム層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)は、下記式(4)
+H ≧22.52 (4)
を満たすことがより好ましい。これにより、「変形高さ」を340μm以下とし、厚み0.6mmのAl合金(A5052、H34材)と同等以上の高い耐衝撃性を有しながら、かつ、ステンレスの光沢外観を有することができ、モバイル電子機器用筐体の用途に特に適する。
上記「H +H 」の値の上限は特に限定されないが、この値が高過ぎると、圧延接合体が厚くなり、薄型化が困難となることが懸念されるため、例えば300cm(15cm×20cm)以内のモバイル電子機器の筐体用、例えばスマートフォン等の筐体用途においては80以下が好ましく、より好ましくは60以下、さらなる薄型化を求める場合、さらに好ましくは50以下であり、特に好ましくは40以下である。300cmを超えるモバイル電子機器の筐体用、例えばタブレット等の筐体用途においては、ある程度の厚みと強度が求められるため、好ましくは140以下である。
ステンレス層とアルミニウム合金層もしくは純アルミニウム層(「アルミニウム合金層」及び「純アルミニウム層」を総称して「アルミニウム層」という)からなる電子機器用圧延接合体において、ステンレス層の表面硬度、厚み、アルミニウム層の表面硬度、厚みが耐衝撃性についての重要なパラメータとなることについて、本発明者らは以下のように考察する。具体的には、ステンレスの光沢外観を有する電子機器用圧延接合体を得ることを目的として、放熱性を得るためにステンレス層とアルミニウム層との圧延接合体を採用する場合、ステンレス層は一定の厚み以上、具体的には、光沢外観だけであれば0.015mm以上あれば問題ないが、製造工程上、ハンドリングの観点から実際には0.05mm以上の厚みが必要である。ところが、残りすべてをアルミニウム層としてしまうと、次のような問題があることが分かった。すなわち、ステンレス層とアルミニウム層との十分な接合強度を得るために、後述のような接合後の処理が必要である。しかしながら、本発明者らが試行した結果、従来のステンレス層とアルミニウム層との接合体においては、加熱処理によりアルミニウム層が軟化してしまうために耐衝撃性が著しく低下してしまうということが分かった。つまり、接合強度の向上のために所定の温度での熱処理を行うが、この熱処理温度は、ステンレス層は未再結晶温度域でありほぼ軟化しない温度であるのに対し、アルミニウム層は加工ひずみが除かれて軟化する温度域である。そして、アルミニウム層の硬度が低過ぎる場合、アルミニウム層の厚みを一定以上、具体的には0.85mm以上としなければ十分な耐衝撃性が得られないことが分かった。しかしながらアルミニウム層を0.85mm以上とすると、圧延接合体の総厚みが0.9mm以上となり、筐体として用いる場合の厚みが厚くなり過ぎるため、筐体内部の実装容量が大幅に低下してしまう。したがって、ステンレス層も一定の厚みが必要である。その一方で、ステンレス層が厚くなればなるほど、筐体の重量が重くなってしまう。そこで、このような課題をクリアするために、本発明者らはアルミニウム層の硬度を一定値以上とした上で、さらにアルミニウム層の厚みを厚くする、ステンレス層の硬度を高くする、ステンレス層の厚みを厚くする、のいずれか、もしくは複合的な手段をとる必要があることを見出し、各パラメー
タを制御することによって、ステンレス層の光沢外観を有し、かつ、薄型化が可能な電子機器用圧延接合体を得ることができた。
電子機器用圧延接合体の総厚みに対するステンレス層の厚みTの比率は、ステンレス層とアルミニウム層の厚みが式(1)〜(4)を満たしていれば特に制限されないが、好ましくは10%以上60%以下であり、より好ましくは12%以上50%以下であり、さらに好ましくは15%以上50%以下である。ステンレス層の厚み比率がこの範囲であると、圧延接合体の耐衝撃性を十分に確保しつつ、アルミニウム層による放熱性の効果も十分に有する筐体が得られる。なお、ステンレス層の厚み比率とは、圧延接合体においてステンレス層が2層以上存在する場合、圧延接合体の総厚みに対するステンレス層の厚みの合計の比率をいう。また、アルミニウム層の厚み比率も、前記ステンレス層の厚み比率と同様に、筐体における圧延接合体にアルミニウム層が2層以上存在する場合、圧延接合体の総厚みに対するアルミニウム層の厚みの合計の比率をいう。
電子機器用圧延接合体の総厚みは、T+TAA、もしくはT+Tで表され、特に限定はされないが、内部の実装容量を増加させる観点から、通常、上限が1.6mm以下、好ましくは1.2mm以下であり、より好ましくは1.0mm以下であり、さらに好ましくは0.8mm以下である。下限は0.2mm以上、好ましくは0.3mm以上であり、より好ましくは0.4mm以上である。電子機器用圧延接合体の総厚みは、圧延接合体の任意の30点における厚みをマイクロメータで測定し、得られた測定値の平均値をいう。
ステンレス層の厚みTは、薄型化の際の耐衝撃性の確保の観点から、0.05mm以上0.6mm以下である。好ましくは0.1mm以上0.5mm以下であり、より好ましくは0.1mm以上0.4mm以下である。なお、ステンレス層の厚みとは、圧延接合体が2層以上のステンレス層を有する場合、各ステンレス層の厚みの合計をいう。圧延接合体のステンレス層の厚みは、圧延接合体の断面の光学顕微鏡写真を取得し、その光学顕微鏡写真において任意の10点におけるステンレス層の厚みを計測し、得られた値の平均値をいう。
ステンレス層の表面硬度H(Hv)は、マイクロビッカース硬度計(荷重200gf)を用い、JIS Z 2244(ビッカース硬さ試験−試験方法)に準じて測定することができる。好ましくは200以上であり、さらに好ましくは220以上、特に好ましくは230以上である。本発明では、他のパラメータが一定の場合、ステンレス層の硬度が高くなると変形高さは小さくなることから、耐衝撃性の高い電子機器圧延接合体となる。したがって、圧延接合体の耐衝撃性の観点からは、Hは高い方が好ましいが、一方で、筐体に成形加工する前の圧延接合体においては、ステンレス層が硬過ぎると、プレス成形、特に絞り成形の際に割れ等が発生し、成形性が著しく低下する虞があるため、筐体へ成形加工することが困難となる可能性がある。そのため、ステンレス層の硬度は好ましくは380以下、より好ましくは340以下、さらに好ましくは330以下とする必要がある。
アルミニウム合金層の厚みTAAは、通常0.1mm以上1.1mm以下であれば適用可能である。圧延接合体の耐衝撃性を向上させ、また、放熱性を確保し軽量化も図る観点から、好ましくは0.12mm以上0.9mm以下、より好ましくは0.15mm以上0.72mm以下である。なお、圧延接合体のアルミニウム合金層の厚みとは、圧延接合体が2層以上のアルミニウム合金層を有する場合、各アルミニウム合金層の厚みの合計をいう。圧延接合体のアルミニウム合金層の厚みは、圧延接合体の断面の光学顕微鏡写真を取得し、その光学顕微鏡写真において任意の10点におけるアルミニウム合金層の厚みを計測し、得られた値の平均値をいう。
アルミニウム合金層の表面硬度HAA(Hv)は、特に制限されないが、硬くなる程、耐衝撃性は向上する。そのため、上限は特にないが、好ましくは85Hv以下である。下限としては40Hv以上が好ましく、さらに好ましくは50Hv以上あれば良好な耐衝撃性が得られる。本発明において、アルミニウム合金層の表面硬度HAAは、マイクロビッカース硬度計(荷重50gf)を用い、JIS Z 2244(ビッカース硬さ試験−試験方法)に準じて測定することができる。
純アルミニウム層の厚みTは、アルミニウム合金層と同様に、通常0.1mm以上1.1mm以下であれば適用可能である。圧延接合体の耐衝撃性を向上させ、また、放熱性を確保し軽量化も図るためには、好ましくは0.12mm以上0.9mm以下、より好ましくは0.15mm以上0.72mm以下である。なお、圧延接合体の純アルミニウム層の厚みとは、圧延接合体が2層以上の純アルミニウム層を有する場合、各純アルミニウム層の厚みの合計をいう。圧延接合体の純アルミニウム層の厚みは、圧延接合体の断面の光学顕微鏡写真を取得し、その光学顕微鏡写真において任意の10点における純アルミニウム層の厚みを計測し、得られた値の平均値をいう。
純アルミニウム層の表面硬度H(Hv)は、特に制限されないが、アルミニウム合金と同様に、硬くなる程、耐衝撃性は向上する。そのため、上限は特にないが、好ましくは50Hv以下である。下限としては20Hv以上であることが好ましく、さらに好ましくは25Hv以上である。本発明において、純アルミニウム層の表面硬度Hは、マイクロビッカース硬度計(荷重50gf)を用い、JIS Z 2244(ビッカース硬さ試験−試験方法)に準じて測定することができる。
2.電子機器用筐体
続いて、本発明に係る電子機器用筐体の構成について説明する。まず、本発明の電子機器用筐体の第1の実施形態を図5及び図6に示す。図5は、本発明の電子機器用筐体の第1の実施形態を示す斜視図であり、図6は、本発明の電子機器用筐体の第1の実施形態のX−X’方向における断面斜視図である。電子機器用筐体5は、背面50と側面51からなり、背面50及び/又は側面51が、ステンレス層とアルミニウム合金層又は純アルミニウム層からなる圧延接合体を含み、その圧延接合体として、上述の電子機器用圧延接合体をそのまま適用することができる。それゆえ、耐衝撃性を向上させる観点から、上記の電子機器用圧延接合体に必要とされる特性値の条件・範囲は電子機器用筐体に同様に当てはまる。ただし、電子機器用筐体は、上記の電子機器用圧延接合体から、プレス加工や内面の削り出し加工等の成形加工を経て適宜製造されるため、プレス加工や削り出し処理によって、各層の厚みが薄くなり、表面硬度が硬くなる場合がある。
本発明の電子機器用筐体は、金属を主体とし、背面及び/又は側面がステンレス層とアルミニウム合金層、又はステンレス層と純アルミニウム層からなる圧延接合体を含む。図5に示すように、ここで背面50とは、スマートフォン等の電子機器を構成する筐体における、表示部(ティスプレイ、図示せず)が設けられる側とは反対側の面を指す。また、電子機器用筐体5の内側は、圧延接合体とは別の金属材料やプラスチック材料等が積層していても良い。なお、電子機器用筐体5は、圧延接合体を背面50に含む場合、背面50の全体又は一部(例えば、図5の平面部分Aで示すような、2cm×2cm以上、例えば25mm×25mmの平面部分)が、電子機器用圧延接合体について記載した前記の特性を満たしていれば良い。また、電子機器用筐体5は、その背面50に圧延接合体を含む構造とすることができるが、電子機器の構造によっては本構造に限定されるものではなく、背面50と側面51とが圧延接合体からなる構造であっても良く、また、側面51に圧延接合体を含む構造であっても良い。
次に、本発明の電子機器用筐体の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、センターフレームである電子機器用筐体が、ガラスや樹脂等の表示部及び背面によって挟まれた電子機器構造を示しており、電子機器用筐体は、側面と、その側面に接続された内部補強フレーム(電子機器用筐体における背面を構成する)から構成される。電子機器用筐体は、側面及び/又は内部補強フレームが、ステンレス層とアルミニウム合金層又は純アルミニウム層からなる圧延接合体を含むことができる。ここで内部補強フレームとは、スマートフォン等の電子機器の内部に位置し、電子機器全体の剛性向上や電池やプリント基板等の部品を実装する支持体としての役割を果たす支持板のことを意味する。内部補強フレームは、通常、接続やアセンブリのための穴を有する。穴は、例えばプレス等によって開けることが可能である。本実施形態においては、側面と内部補強フレームとを一体に構成することができるが、それに限定されるものではなく、側面と内部補強フレームとを一体化しなくても良い。また、側面だけに圧延接合体を適用しても良い。なお、本実施形態の電子機器用筐体についても、前記の電子機器用筐体5と同様に、電子機器の構造に応じて適宜変形することができ、上記で説明したような構造に限定されるものではない。
圧延接合体は、2層以上からなり、好ましくは2〜4層からなり、より好ましくは2層又は3層からなり、特に好ましくは2層からなる。好ましい実施形態において、圧延接合体は、金属光沢を有する外観を得るため、筐体外側をステンレス層とし、ステンレス層/アルミニウム合金層又は純アルミニウム層の2層からなる圧延接合体、又はステンレス層/アルミニウム合金層又は純アルミニウム層/ステンレス層の3層からなる圧延接合体である。また、アルマイト外観を得るために、筐体の外側をアルミニウム合金層又は純アルミニウム層として、アルミニウム合金層又は純アルミニウム層/ステンレス層の2層からなる圧延接合体、あるいはアルミニウム合金層又は純アルミニウム層/ステンレス層/アルミニウム合金層又は純アルミニウム層の3層からなる圧延接合体としても良い。本発明において、筐体における圧延接合体の構成は、筐体の用途や目的とする特性に応じて選択できる。
ステンレス層を構成するステンレスとしては、特に限定されずに、SUS304、SUS201、SUS316、SUS316L、SUS301及びSUS430等の板材を用いることができる。
アルミニウム合金層を構成するアルミニウム合金としては、アルミニウム以外の金属元素として、少なくとも1種の添加金属元素を含有する板材を用いることができる。添加金属元素は、好ましくはMg、Mn、Si及びCuである。アルミニウム合金中の添加金属元素の合計含有量は、好ましくは0.5質量%超であり、より好ましくは1質量%超である。アルミニウム合金は、好ましくはMg、Mn、Si及びCuから選ばれる少なくとも1種の添加金属元素を1質量%超の合計含有量で含有する。
アルミニウム合金としては、例えば、JISに規定のAl−Cu系合金(2000系)、Al−Mn系合金(3000系)、Al−Si系合金(4000系)、Al−Mg系合金(5000系)、Al−Mg−Si系合金(6000系)及びAl−Zn−Mg系合金(7000系)を用いることができ、強度、耐食性及び耐衝撃性の観点から3000系、5000系、6000系及び7000系のアルミニウム合金が好ましく、特にこれらのバランスとコストの観点から5000系のアルミニウム合金がより好ましい。アルミニウム合金は、好ましくはMgを0.3質量%以上含有する。
また、純アルミニウム層を構成する純アルミニウムとしては、特に限定されるものではなく、99.5質量%以上がアルミニウムである材料であれば良く、例えば、JISに規定の1000系の純アルミニウムを用いることができる。
本発明において、電子機器用筐体は、ステンレス層の表面硬度H(Hv)と、ステンレス層の厚みT(mm)と、アルミニウム合金層の表面硬度HAA(Hv)もしくは純アルミニウム層の表面硬度H(Hv)と、アルミニウム合金層の厚みTAA(mm)もしくは純アルミニウム層の厚みT(mm)とが特定の関係式を満たすことを特徴とする。
本発明者らは、筐体における、ステンレス層とアルミニウム合金層もしくは純アルミニウム層とからなる圧延接合体において、耐衝撃性への寄与が特に大きい要素について検討したところ、後述の試験条件で耐衝撃試験を行った際の「変形高さ」に影響するパラメータとして、各層の表面硬度及び厚みを特定の関係式を満たすように制御することが有効であることを見い出した。
特に、薄型化による実装容量増加が求められる電子機器用筐体において、圧延接合体の厚みが薄くとも、例えば筐体の背面の厚みが0.6mm以下であっても耐衝撃性に優れる圧延接合体の層構成を特定した。
具体的には、背面にステンレス層とアルミニウム合金層からなる圧延接合体を有する電子機器用筐体においては、ステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びにアルミニウム合金層の厚みTAA(mm)及び表面硬度HAA(Hv)が下記式(1)
+HAAAA ≧11.18 (1)
を満たすことが必要である。上記関係式を満たすことにより、耐衝撃性試験における「変形高さ」を400μm以下と小さくすることができ、耐衝撃性が高く、筐体の用途に適することが分かった。
また、上記のステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びにアルミニウム合金層の厚みTAA(mm)及び表面硬度HAA(Hv)は、下記式(2)
+HAAAA ≧14.72 (2)
を満たすことがより好ましい。これにより、「変形高さ」を340μm以下とし、厚み0.6mmのAl合金(A5052、H34材)と同等以上の高い耐衝撃性を有しながら、かつ、ステンレスの光沢外観を有することができ、モバイル電子機器用筐体の用途に特に適する。
また、背面にステンレス層と純アルミニウム層からなる圧延接合体を有する電子機器用筐体においては、ステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びに純アルミニウム層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)が、下記式(3)
+H ≧17.93 (3)
を満たすことが必要である。上記関係式を満たすことにより、耐衝撃性試験における「変形高さ」を400μm以下と小さくすることができ、耐衝撃性が高く、筐体の用途に適することが分かった。
さらに、上記のステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びに純アルミニウム層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)は、下記式(4)
+H ≧22.52 (4)
を満たすことがより好ましい。これにより、「変形高さ」を340μm以下とし、厚み0.6mmのAl合金(A5052、H34材)と同等以上の高い耐衝撃性を有しながら、かつ、ステンレスの光沢外観を有することができ、モバイル電子機器用筐体の用途に特に適する。
ステンレス層とアルミニウム合金層もしくは純アルミニウム層(「アルミニウム合金層」及び「純アルミニウム層」を総称して「アルミニウム層」という)からなる圧延接合体を有する電子機器用筐体において、ステンレス層の表面硬度、厚み、アルミニウム層の表面硬度、厚みが耐衝撃性についての重要なパラメータとなることについて、本発明者らは以下のように考察する。具体的には、ステンレスの光沢外観を有する電子機器用筐体を得ることを目的として、放熱性を得るためにステンレス層とアルミニウム層との圧延接合体を採用する場合、ステンレス層は一定の厚み以上、具体的には、光沢外観だけであれば0.015mm以上あれば問題ないが、製造工程上、ハンドリングの観点から実際には0.05mm以上の厚みが必要である。ところが、残りすべてをアルミニウム層としてしまうと、次のような問題があることが分かった。すなわち、ステンレス層とアルミニウム層との十分な接合強度を得るために、後述のような接合後の処理が必要である。しかしながら、本発明者らが試行した結果、従来のステンレス層とアルミニウム層との接合体においては、加熱処理によりアルミニウム層が軟化してしまうために耐衝撃性が著しく低下してしまうということが分かった。つまり、接合強度の向上のために所定の温度での熱処理を行うが、この熱処理温度は、ステンレス層は未再結晶温度域でありほぼ軟化しない温度であるのに対し、アルミニウム層は加工ひずみが除かれて軟化する温度域である。そして、アルミニウム層の硬度が低過ぎる場合、アルミニウム層の厚みを一定以上、具体的には0.85mm以上としなければ十分な耐衝撃性が得られないことが分かった。しかしながらアルミニウム層を0.85mm以上とすると、圧延接合体の総厚みが0.9mm以上となり、筐体の厚みが厚くなり過ぎるため、筐体内部の実装容量が大幅に低下してしまう。したがって、ステンレス層も一定の厚みが必要である。その一方で、ステンレス層が厚くなればなるほど、筐体の重量が重くなってしまう。そこで、このような課題をクリアするために、本発明者らはアルミニウム層の硬度を一定値以上とした上で、さらにアルミニウム層の厚みを厚くする、ステンレス層の硬度を高くする、ステンレス層の厚みを厚くする、のいずれか、もしくは複合的な手段をとる必要があることを見出し、各パラメータを制御す
ることによって、ステンレス層の光沢外観を有し、かつ、薄型化した電子機器用筐体を得ることができた。
電子機器用筐体における圧延接合体の総厚みに対するステンレス層の厚みTの比率は、ステンレス層とアルミニウム層の厚みが式(1)〜(4)を満たしていれば特に制限されないが、好ましくは10%以上60%以下であり、より好ましくは12%以上50%以下であり、さらに好ましくは15%以上50%以下である。ステンレス層の厚み比率がこの範囲であると、筐体の耐衝撃性を十分に確保しつつ、アルミニウム層による放熱性の効果も十分に有する筐体が得られる。なお、ステンレス層の厚み比率とは、筐体における圧延接合体にステンレス層が2層以上存在する場合、圧延接合体の総厚みに対するステンレス層の厚みの合計の比率をいう。また、アルミニウム層の厚み比率も、前記ステンレス層の厚み比率と同様に、筐体における圧延接合体にアルミニウム層が2層以上存在する場合、圧延接合体の総厚みに対するアルミニウム層の厚みの合計の比率をいう。
電子機器用筐体における圧延接合体の総厚みは、T+TAA、もしくはT+Tで表され、特に限定はされないが、筐体の背面部分等に圧延接合体を使用した場合、電子機器内部の実装容量を増加させる観点から、通常、上限が1.2mm以下、好ましくは1.0mm以下であり、より好ましくは0.8mm以下であり、さらに好ましくは0.7mm以下である。下限は0.2mm以上、好ましくは0.3mm以上であり、より好ましくは0.4mm以上である。圧延接合体の総厚みは、筐体の背面の断面の光学顕微鏡写真を取得し、その光学顕微鏡写真において任意の30点における圧延接合体の厚みを計測し、得られた値の平均値をいう。また、電子機器用筐体の背面の厚みは、筐体の背面部分の、圧延接合体を含むすべての層の厚み(ただし、図5の平面部分Aで示すような、2cm×2cm以上、例えば25mm×25mmの平面部分における厚み)をいい、好ましくは0.2mm以上1.6mm以下である。より好ましくは0.3mm以上1.2mm以下、さらに好ましくは0.4mm以上1.0mm以下である。電子機器用筐体の背面の厚みは、背面の任意の30点における厚みをマイクロメータで測定し、得られた測定値の平均値をいう。
ステンレス層の厚みTは、薄型化の際の耐衝撃性の確保の観点から、0.05mm以上0.6mm以下である。好ましくは0.1mm以上0.5mm以下であり、より好ましくは0.1mm以上0.4mm以下である。なお、ステンレス層の厚みとは、筐体における圧延接合体が2層以上のステンレス層を有する場合、各ステンレス層の厚みの合計をいう。筐体における圧延接合体のステンレス層の厚みは、圧延接合体の断面の光学顕微鏡写真を取得し、その光学顕微鏡写真において任意の10点におけるステンレス層の厚みを計測し、得られた値の平均値をいう。
ステンレス層の表面硬度H(Hv)は、マイクロビッカース硬度計(荷重200gf)を用い、JIS Z 2244(ビッカース硬さ試験−試験方法)に準じて測定することができる。好ましくは200以上であり、さらに好ましくは220以上、特に好ましくは230以上である。本発明では、他のパラメータが一定の場合、ステンレス層の硬度が高くなると変形高さは小さくなることから、耐衝撃性の高い電子機器筐体となる。したがって、筐体の耐衝撃性の観点からは、Hは高い方が好ましい。ステンレス層の硬度の上限は好ましくは380以下、より好ましくは340以下、さらに好ましくは330以下である。筐体への加工成形後に別の工程を経てステンレス層の硬度を著しく向上させるような場合は特に上限なく、例えば430以下が好ましい。筐体に成形加工する前の圧延接合体におけるステンレス層の硬度を維持したまま筐体へ適用しても良いが、少しの加工硬化(研削、研磨等によりHvは10〜30程度向上する)を加えても良い。
アルミニウム合金層の厚みTAAは、通常0.1mm以上1.1mm以下であれば適用可能である。筐体の耐衝撃性を向上させ、また、放熱性を確保し軽量化も図る観点から、好ましくは0.12mm以上0.9mm以下、より好ましくは0.15mm以上0.72mm以下である。なお、筐体における圧延接合体のアルミニウム合金層の厚みとは、圧延接合体が2層以上のアルミニウム合金層を有する場合、各アルミニウム合金層の厚みの合計をいう。圧延接合体のアルミニウム合金層の厚みは、筐体における圧延接合体の断面の光学顕微鏡写真を取得し、その光学顕微鏡写真において任意の10点におけるアルミニウム合金層の厚みを計測し、得られた値の平均値をいう。
アルミニウム合金層の表面硬度HAA(Hv)は、特に制限されないが、硬くなる程、耐衝撃性は向上する。そのため、上限は特にないが、好ましくは85Hv以下である。下限としては40Hv以上が好ましく、さらに好ましくは50Hv以上あれば良好な耐衝撃性が得られる。本発明において、アルミニウム合金層の表面硬度HAAは、マイクロビッカース硬度計(荷重50gf)を用い、JIS Z 2244(ビッカース硬さ試験−試験方法)に準じて測定することができる。
純アルミニウム層の厚みTは、アルミニウム合金層と同様に、通常0.1mm以上1.1mm以下であれば適用可能である。筐体の耐衝撃性を向上させ、また、放熱性を確保し軽量化も図るためには、好ましくは0.12mm以上0.9mm以下、より好ましくは0.15mm以上0.72mm以下である。なお、筐体における圧延接合体の純アルミニウム層の厚みとは、圧延接合体が2層以上の純アルミニウム層を有する場合、各純アルミニウム層の厚みの合計をいう。圧延接合体の純アルミニウム層の厚みは、筐体における圧延接合体の断面の光学顕微鏡写真を取得し、その光学顕微鏡写真において任意の10点における純アルミニウム層の厚みを計測し、得られた値の平均値をいう。
純アルミニウム層の表面硬度H(Hv)は、特に制限されないが、アルミニウム合金と同様に、硬くなる程、耐衝撃性は向上する。そのため、上限は特にないが、好ましくは50Hv以下である。下限としては20Hv以上であることが好ましく、さらに好ましくは25Hv以上である。本発明において、純アルミニウム層の表面硬度Hは、マイクロビッカース硬度計(荷重50gf)を用い、JIS Z 2244(ビッカース硬さ試験−試験方法)に準じて測定することができる。
3.電子機器用圧延接合体及び電子機器用筐体の製造方法
電子機器用圧延接合体は、ステンレス板とアルミニウム合金板又は純アルミニウム板を用意し、以下のような圧延接合方法により圧延接合を行って製造することができる。また、電子機器用筐体は、その圧延接合体を筐体の背面として用い、必要に応じて別途用意した金属材料もしくはプラスチック材料等と積層させ、プレス加工や削り出し等の成形加工を経ることによって得ることができる。
電子機器用圧延接合体を冷間接合法により製造する場合、ステンレス板とアルミニウム合金板又は純アルミニウム板の接合面にブラシ研磨等を施した後、両者を重ねあわせて冷間圧延しながら接合し、さらに焼鈍処理を施すことで製造することができる。冷間圧延の工程は多段階で行ってもよく、また焼鈍処理後に調質圧延を加えてもよい。この方法では、最終的な圧下率(接合前原板と圧延接合体の厚みより算出される圧下率)として20〜90%の範囲で圧延接合される。冷間接合法で製造する場合、上記圧下率を考慮すると、原板の厚みは、ステンレス板は0.0125〜6mm、好ましくは0.056〜5mm、より好ましくは0.063〜4mm、アルミニウム合金板は0.063〜25mm、好ましくは0.13〜17mm、より好ましくは0.25〜11mm、純アルミニウム板は0.063〜25mm、好ましくは0.13〜17mm、より好ましくは0.25〜11mmである。
温間接合法の場合、冷間接合法と同様に接合面にブラシ研磨等を施した後、両者あるいは片方を200〜500℃に加熱して重ねあわせて温間圧延し接合することで製造することができる。この方法では、最終的な圧下率は15〜40%程度となる。温間接合法で製造する場合、上記圧下率を考慮すると、原板の厚みは、ステンレス板は0.012〜1mm、好ましくは0.053〜0.83mm、より好ましくは0.059〜0.067mm、アルミニウム合金板は0.059〜4.2mm、好ましくは0.19〜2.8mm、より好ましくは0.24〜1.8mm、純アルミニウム板は0.059〜4.2mm、好ましくは0.19〜2.8mm、より好ましくは0.24〜1.8mmである。
真空表面活性化接合法(以下、表面活性化接合法も同義)の場合、ステンレス板及びアルミニウム合金板又は純アルミニウム板の接合面をスパッタエッチングする工程と、スパッタエッチングした表面同士を、ステンレス層の圧下率が0%〜25%の軽圧延となるように圧接して接合する工程と、200℃〜400℃でのバッチ熱処理又は300℃〜890℃での連続熱処理を行う工程とを含む方法によって製造できる。この製造方法では、スパッタエッチング処理工程及び接合工程を行う回数に応じて、得られる圧延接合体が有する層の数を変えることができ、例えば、2層からなる圧延接合体は、スパッタエッチング処理工程及び接合工程の組み合わせを1回行った後、熱処理を行うことで製造することができ、3層からなる圧延接合体は、スパッタエッチング処理工程及び接合工程の組み合わせを2回繰り返した後、熱処理を行うことで製造することができる。
以上のように、電子機器用圧延接合体を得る接合方法は限られないが、ステンレスの硬度が高くなり過ぎると靱性が低下し、ステンレスに割れが生じやすくなる上に、アルミニウム合金又は純アルミニウムとステンレスとの接合体においては、接合後の焼鈍においてステンレスの軟化焼鈍が困難なため、いずれの接合方法においても最終的な圧下率は40%以下が好ましい。より好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下である。特にステンレス層は圧下率が高くなり過ぎると著しい加工硬化が生じ、靱性が低下するため、圧延接合時やそのハンドリング、又は筐体として使用する際にステンレス層に割れが生じる恐れがあり、そのためステンレス層の圧下率は35%以下が好ましい。以下、圧下率が低くとも接合しやすい表面活性化接合の製造方法について説明する。
接合前のステンレス板の厚みは、通常0.045mm以上であれば適用可能であり、下限は圧延接合体としたときのハンドリング性やある程度ステンレスの厚みがあった方が耐衝撃性の観点から好ましく、また筐体にした後、加飾や鏡面加工時の研磨代を確保するという観点から、好ましくは0.06mm以上、より好ましくは0.1mm以上である。上限はステンレス比率が高い方が耐衝撃性がより高くなるので特に制限はないが、ステンレス厚みが厚くなり過ぎると重くなるため、筐体としたときに軽量にする観点から、好ましくは0.6mm以下、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.4mm以下である。接合前のステンレス板の厚みは、マイクロメータ等によって測定可能であり、ステンレス板の表面上からランダムに選択した10点において測定した厚みの平均値をいう。
接合前のステンレス板の表面硬度(Hv)は、好ましくは160以上であり、より好ましくは180以上である。本発明では、圧延接合体におけるステンレス層の硬度が耐衝撃性に影響するが、前記の通り、接合直前の状態及び接合時に入るひずみによるステンレスの硬化の影響が大きいと考えられるため、接合前のステンレス板においてもその硬度をある程度制御することが好ましい。よって、ステンレス層の表面(Hv)は、好ましくは350以下であり、より好ましくは330以下である。
接合前のアルミニウム合金板の厚みは、通常0.05mm以上であれば適用可能であり、下限は好ましくは、0.1mm以上、さらに好ましくは0.2mm以上である。上限は、軽量化やコストの観点から通常3.3mm以下であり、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下である。接合前のアルミニウム合金板の厚みは、前記のステンレス板と同様にして決定することができる。
接合前の純アルミニウム板の厚みは、通常0.05mm以上であれば適用可能であり、下限は好ましくは、0.1mm以上、さらに好ましくは0.2mm以上である。上限は、軽量化やコストの観点から通常3.3mm以下であり、好ましくは2.2mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。接合前の純アルミニウム板の厚みは、前記のステンレス板と同様にして決定することができる。
スパッタエッチング処理では、ステンレス板の接合面とアルミニウム合金板もしくは純アルミニウム面の接合面をそれぞれスパッタエッチングする。
スパッタエッチング処理は、具体的には、ステンレス板とアルミニウム合金板もしくは純アルミニウム板を、幅100mm〜600mmの長尺コイルとして用意し、接合面を有するステンレス板とアルミニウム合金板もしくは純アルミニウム面をそれぞれアース接地した一方の電極とし、絶縁支持された他の電極との間に1MHz〜50MHzの交流を印加してグロー放電を発生させ、且つグロー放電によって生じたプラズマ中に露出される電極の面積を前記の他の電極の面積の1/3以下として行う。スパッタエッチング処理中は、アース接地した電極が冷却ロールの形をとっており、各搬送材料の温度上昇を防いでいる。
スパッタエッチング処理では、真空中でステンレス板とアルミニウム合金板又は純アルミニウム板の接合する面を不活性ガスによりスパッタすることにより、表面の吸着物を完全に除去し、且つ表面の酸化膜の一部又は全部を除去する。酸化膜は必ずしも完全に除去する必要はなく、一部残存した状態であっても十分な接合力を得ることができる。酸化膜を一部残存させることにより、完全に除去する場合に比べてスパッタエッチング処理時間を大幅に減少させ、筐体の生産性を向上させることができる。不活性ガスとしては、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトン等や、これらを少なくとも1種類含む混合気体を適用することができる。ステンレス板とアルミニウム合金板又は純アルミニウム板のいずれについても、表面の吸着物は、エッチング量約1nm程度(SiO換算)で完全に除去することができる。
ステンレス板についてのスパッタエッチング処理は、例えば単板の場合、真空下で、例えば100W〜1KWのプラズマ出力で1〜50分間行うことができ、また、例えばライン材のような長尺の材料の場合、真空下で、例えば100W〜10KWのプラズマ出力、ライン速度1m/分〜30m/分で行うことができる。この時の真空度は、表面への再吸着物を防止するため高い方が好ましいが、例えば1×10−5Pa〜10Paであればよい。スパッタエッチング処理において、ステンレス板の温度は、アルミニウム合金板の軟化を防止する観点から、好ましくは常温〜150℃に保たれる。
表面に酸化膜が一部残存するステンレス板は、ステンレス板のエッチング量を、例えば1nm〜10nmにすることによって得られる。必要に応じて、10nmを超えるエッチング量としても良い。
アルミニウム合金板についてのスパッタエッチング処理は、例えば単板の場合、真空下で、例えば100W〜1KWのプラズマ出力で1〜50分間行うことができ、また、例えばライン材のような長尺の材料の場合、100W〜10KWのプラズマ出力、ライン速度1m/分〜30m/分で行うことができる。この時の真空度は、表面への再吸着物を防止するため高い方が好ましいが、1×10−5Pa〜10Paであれば良い。
表面の酸化膜が一部残存するアルミニウム合金板は、アルミニウム合金板のエッチング量を、例えば1nm〜10nmにすることによって得られる。必要に応じて、10nmを超えるエッチング量としても良い。
純アルミニウム板についてのスパッタエッチング処理は、例えば単板の場合、真空下で、例えば100W〜1KWのプラズマ出力で1〜50分間行うことができ、また、例えばライン材のような長尺の材料の場合、100W〜10KWのプラズマ出力、ライン速度1m/分〜30m/分で行うことができる。この時の真空度は、表面への再吸着物を防止するため高い方が好ましいが、1×10−5Pa〜10Paであれば良い。
表面の酸化膜が一部残存する純アルミニウム板は、純アルミニウム板のエッチング量を、例えば1nm〜10nmにすることによって得られる。必要に応じて、10nmを超えるエッチング量としても良い。
以上のようにしてスパッタエッチングしたステンレス板及びアルミニウム合金板又は純アルミニウム板の接合面を、ステンレス層の圧下率が0%〜25%、好ましくは0%〜15%の軽圧延となるように、例えばロール圧接により圧接して、ステンレス板とアルミニウム合金板又は純アルミニウム板を接合する。
ステンレス層の圧下率は、接合前のステンレス板の厚みと最終的な圧延接合体のステンレス層の厚みから求める。すなわち、ステンレス層の圧下率は、以下の式:(接合前の材料のステンレス板の厚み−最終的な圧延接合体のステンレス層の厚み)/接合前の材料のステンレス板の厚み、により求められる。
ステンレス層とアルミニウム合金層又は純アルミニウム層の接合においては、アルミニウム合金層又は純アルミニウム層の方が変形しやすい場合が多く、ステンレス層の圧下率はアルミニウム合金層又は純アルミニウム層の圧下率よりも低くなる。ステンレス層は圧下率が高いと加工硬化が生じやすくなるため、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは8%以下である。なお、圧接の前後で厚みが変わらなくても良いため、圧下率の下限値は0%であるが、ステンレス板の硬度が低い場合、あえて加工硬化をさせることにより耐衝撃性を向上させることも可能である。この場合、好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは2%以上であり、さらに好ましくは3%以上である。ステンレス層の圧下率は、耐衝撃性及び加工硬化の抑制との両立の観点から、好ましくは0〜15%、特に好ましくは0.5〜10%である。また、表面活性化接合法においては特に10%以下とすることが可能であり、よりステンレスの硬化の抑制が可能となる。
本発明において、アルミニウム合金層の圧下率は、特に制限されないが、拡散熱処理前の接合力確保のために5%以上が好ましく、より好ましくは6%以上であり、より好ましくは8%以上である。アルミニウム合金層の圧下率は、接合前のアルミニウム合金板の厚みと最終的な圧延接合体のアルミニウム合金層の厚みから求める。すなわち、アルミニウム合金層の圧下率は、以下の式:(接合前の材料のアルミニウム合金板の厚み−最終的な圧延接合体のアルミニウム合金層の厚み)/接合前の材料のアルミニウム合金板の厚み、により求められる。
アルミニウム合金層の圧下率の上限は、特に限定されずに、例えば表面活性化接合法に限らず70%以下であり、好ましくは50%以下であり、より好ましくは40%以下である。アルミニウム合金層の圧下率の上限がこの範囲であると厚み精度を保ちつつ、接合力を確保しやすい。また、表面活性化接合法においては特に18%以下とすることが可能であり、よりアルミニウム合金層の平坦性を維持することが可能となる。
本発明において、純アルミニウム層の圧下率は、特に制限されないが、拡散熱処理前の接合力確保のために5%以上が好ましく、より好ましくは10%以上であり、より好ましくは12%以上である。純アルミニウム層の圧下率は、接合前の純アルミニウム板の厚みと最終的な圧延接合体の純アルミニウム層の厚みから求める。すなわち、純アルミニウム層の圧下率は、以下の式:(接合前の材料の純アルミニウム板の厚み−最終的な圧延接合体の純アルミニウム層の厚み)/接合前の材料の純アルミニウム板の厚み、により求められる。
純アルミニウム層の圧下率の上限は、特に限定されずに、例えば表面活性化接合法に限らず70%以下であり、好ましくは50%以下であり、より好ましくは40%以下である。純アルミニウム層の圧下率の上限がこの範囲であると厚み精度を保ちつつ、接合力を確保しやすい。また、表面活性化接合法においては特に18%以下とすることが可能であり、より純アルミニウム層の平坦性を維持することが可能となる。
圧延接合体の圧下率は、表面活性化接合法の場合も40%以下が好ましく、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは14%以下である。なお、下限は、特に制限はないが、接合強度の観点から、好ましくは4%以上、より好ましくは5%以上、さらに好ましくは6%以上、特に好ましくは7.5%以上である。表面活性化接合法においては特に上限を15%以下、下限を4%以上とすることが可能であり、より安定的に特性を得やすい。圧延接合体の圧下率は、接合前の材料のステンレス板及びアルミニウム合金板又は純アルミニウム板の総厚みと、最終的な圧延接合体の厚みから求める。すなわち、圧延接合体の圧下率は、以下の式:(接合前の材料のステンレス板及びアルミニウム合金板又は純アルミニウム板の総厚み−最終的な圧延接合体の厚み)/接合前の材料のステンレス板及びアルミニウム合金板又は純アルミニウム板の総厚み、により求められる。
ロール圧接の圧延線荷重は、特に限定されずに、圧延接合体の所定の圧下率を達成するように設定し、例えば、表面活性化接合の場合、1.6tf/cm〜10.0tf/cmの範囲に設定することができる。例えば圧接ロールのロール直径が100mm〜250mmのとき、ロール圧接の圧延線荷重は、好ましくは1.9tf/cm〜4.0tf/cmであり、より好ましくは2.3tf/cm〜3.0tf/cmである。ただし、ロール直径が大きくなった場合や接合前のステンレス板やアルミニウム合金板又は純アルミニウム板の厚みが厚い場合等には、所定の圧下率を達成するために圧力確保のために圧延線荷重を高くすることが必要になる場合があり、この数値範囲に限定されるものではない。
接合時の温度は、特に限定されずに、例えば表面活性化接合の場合、常温〜150℃である。
表面活性化接合の場合、接合は、ステンレス板とアルミニウム合金板又は純アルミニウム板表面への酸素の再吸着によって両者間の接合強度が低下するのを防止するため、非酸化雰囲気中、例えばAr等の不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。
以上のようにしてステンレス板とアルミニウム合金板又は純アルミニウム板を接合して得た圧延接合体について、熱処理を行う。熱処理によって、各層の間の密着性を高めて十分な接合力とできる。
熱処理温度は、例えばバッチ熱処理の場合、200℃〜400℃であり、好ましくは200℃〜370℃であり、さらに好ましくは250℃〜345℃である。また、例えば連続熱処理の場合、300〜890℃であり、好ましくは300℃〜800℃であり、さらに好ましくは350℃〜550℃である。この熱処理温度では、ステンレスは未再結晶温度域でありほぼ軟化せず、アルミニウム合金及び純アルミニウムでは加工ひずみが除かれて軟化する温度域である。なお、熱処理温度とは、熱処理を行う圧延接合体の温度をいう。
また、この熱処理では、少なくともステンレスに含まれる金属元素(例えば、Fe、Cr、Ni)がアルミニウム合金層又は純アルミニウム層に熱拡散する。また、ステンレスに含まれる金属元素と、アルミニウムとを相互に熱拡散させても良い。
熱処理時間は、熱処理方法(バッチ熱処理又は連続熱処理)、熱処理温度や熱処理を行う圧延接合体のサイズに応じて適宜設定することができる。例えば、バッチ熱処理の場合、圧延接合体の温度が所定の温度になってから圧延接合体を0.5〜10時間均熱保持し、好ましくは2〜8時間均熱保持する。なお、金属間化合物が形成されなければ10時間以上のバッチ熱処理を行っても問題ない。また、連続熱処理の場合、圧延接合体の温度が所定の温度になってから圧延接合体を20秒〜5分間均熱保持する。なお、熱処理時間とは、熱処理を行う圧延接合体が所定の温度になってからの時間をいい、圧延接合体の昇温時間は含まない。熱処理時間は例えば、A4版(用紙サイズ)程度の小さい材料については、バッチ熱処理では1〜2時間程度で十分あるが、長尺もの、例えば幅100mm以上、長さ10m以上のコイル材などの大きい材料については、バッチ熱処理では2〜8時間程度必要である。以上の工程を経て、本発明に係る電子機器用圧延接合体を製造することができる。
電子機器用圧延接合体のアルミニウム合金層又は純アルミニウム層の表面硬度が所定の関係式を満たすように制御するための手段として、例えば、目標とする圧延接合体の厚みに対して、アルミニウム合金層又は純アルミニウム層が厚い圧延接合体を一旦作製した後、圧延接合体のアルミニウム合金層又は純アルミニウム層を研削して厚みを薄くし、目標とする厚みに仕上げる方法が挙げられる。アルミニウム合金層又は純アルミニウム層を研削することにより、アルミニウム合金層又は純アルミニウム層が硬化し、硬度を向上させることができる。また、接合し熱処理を行って得られた圧延接合体について、1〜2%程度の伸び率になるようにテンションレベラーによる形状修正を実施しても良い。この形状修正により、厚みが1〜2%程度減少し、アルミニウム合金層又は純アルミニウム層を硬化させ、表面硬度を向上させることができる。これらの手段は、適宜組み合わせても良く、例えば、テンションレベラーによる形状修正を実施した後に、アルミニウム合金層又は純アルミニウム層の研削を行うことができる。
また、電子機器用圧延接合体のステンレス層の表面硬度を高めて所定の関係式を満たすように制御するための手段として、例えば、表面硬度の高い原材料(硬さが高い順に、調質記号H>3/4H>1/2H>BA)を用意し、これを接合して圧延接合体を作製する方法が挙げられる。ただし、ステンレス層の表面硬度が高過ぎると筐体への加工が困難となるため留意するものとする。あるいは、圧延接合する際の荷重を高くすることで、接合後の圧延接合体のステンレス層の表面硬度を高めても良い。例えば、ステンレス層の圧下率が0.5〜10%になるように接合することで、ステンレス層の表面硬度は160〜200(Hv)から270(Hv)程度まで増加し、耐衝撃性を向上させることができる。
製造した電子機器用圧延接合体は、プレス加工や内面の削り出し等の成形加工を経て電子機器用筐体の背面として用いることができる。その他、厚さが薄く且つ高い耐衝撃性を活かして、内部補強部材等の電子機器に用いられる圧延接合体として広く利用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.ステンレス層/アルミニウム合金層からなる電子機器用圧延接合体
(実施例1)
原板として以下の種類の材料を用意し、表面活性化接合法により、電子機器用圧延接合体を製造した。
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.25mm)を用い、アルミニウム合金材としてアルミニウム合金A5052 H34(厚み0.8mm)を用いた。
SUS304及びA5052の接合する各々の面に対してスパッタエッチング処理を実施した。SUS304についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.1Pa下で、プラズマ出力4800W、ライン速度4m/分の条件にて実施し、A5052についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.1Pa下で、プラズマ出力6400W、ライン速度4m/分の条件にて実施した。
スパッタエッチング処理後のSUS304とA5052を、常温で、圧延線荷重3.0tf/cm〜6.0tf/cmにてロール圧接により接合し、SUS304とA5052の圧延接合体を得た。この圧延接合体に対し、320℃、8時間の条件でバッチ熱処理を行った。
続いて、上記圧延接合体についてテンションレベラーによる伸び率1〜2%程度の形状修正を実施した。これによって、圧延接合体の総厚みを1〜2%程度減少させ、アルミニウム合金層を硬化させた。その後、上記圧延接合体のA5052面を、エメリー紙を用いて研削し、圧延接合体の総厚みが0.561mmになるようにして電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例2)
原板として以下の種類の材料を用意し、表面活性化接合法により、電子機器用圧延接合体を製造した。
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.05mm)を用い、アルミニウム合金材としてアルミニウム合金A5052 H34(厚み0.8mm)を用いた。
SUS304及びA5052の接合する各々の面に対してスパッタエッチング処理を実施した。SUS304についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.3Pa下で、プラズマ出力700W、12分間の条件にて実施し、A5052についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.3Pa下で、プラズマ出力700W、12分間の条件にて実施した。
スパッタエッチング処理後のSUS304とA5052を、常温で、圧延ロール径100mm〜250mm、圧延線荷重0.5tf/cm〜5.0tf/cmの加圧力で、ステンレス層の圧下率0〜5%にてロール圧接により接合し、SUS304とA5052の圧延接合体を得た。この圧延接合体に対し、300℃、1時間の条件でバッチ熱処理を行い、総厚み0.800mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例3)
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.15mm)を用い、アルミニウム合金材としてアルミニウム合金A5052 H34(厚み0.5mm)を用い、さらに、圧延接合体の総厚みが0.457mmになるように切削した以外は、上記実施例1と同様にして電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例4)
ステンレス材としてSUS316L BA(厚み0.1mm)を用い、アルミニウム合金材としてアルミニウム合金A5052 H34(厚み0.5mm)を用い、さらに、テンションレベラーによる形状修正とアルミニウム合金層の研削を行わない以外は、上記実施例1と同様にして総厚み0.579mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例5)
ステンレス材としてSUS316L BA(厚み0.1mm)を用い、アルミニウム合金材としてアルミニウム合金A5052 H34(厚み0.5mm)を用い、さらに、アルミニウム合金層の研削を行わない以外は、上記実施例1と同様にして総厚み0.579mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例6)
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.2mm)を用い、アルミニウム合金材としてアルミニウム合金A5052 H34(厚み0.4mm)を用いた以外は、上記実施例2と同様にして総厚み0.552mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例7)
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.15mm)を用い、アルミニウム合金材としてアルミニウム合金A5052 H34(厚み0.5mm)を用い、さらに、アルミニウム合金層の研削を行わない以外は、上記実施例1と同様にして総厚み0.595mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例8)
ステンレス材としてSUS304 3/4H(厚み0.15mm)を用い、アルミニウム合金材としてアルミニウム合金A5052 H34(厚み0.47mm)を用い、上記実施例1と同様にして総厚み0.560mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例9)
ステンレス材としてSUS304 H(厚み0.2mm)を用い、アルミニウム合金材としてアルミニウム合金A5052 H34(厚み0.25mm)を用い、上記実施例1と同様にして総厚み0.403mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例10)
ステンレス材としてSUS304 1/2H(厚み0.25mm)を用い、さらに、圧延接合体の総厚みが0.601mmになるように切削した以外は、上記実施例1と同様にして電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例11)
ステンレス材としてSUS316L 1/2H(厚み0.05mm)を用いた以外は、上記実施例2と同様にして総厚み0.801mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例12)
ステンレス材としてSUS304 1/2H(厚み0.1mm)を用いた以外は、上記実施例2と同様にして総厚み0.798mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例13)
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.1mm)を用いた以外は、上記実施例2と同様にして総厚み0.803mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例14)
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.2mm)を用いた以外は、上記実施例2と同様にして総厚み0.952mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例15)
ステンレス材としてSUS304 1/2H(厚み0.2mm)を用いた以外は、上記実施例2と同様にして総厚み0.907mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例16)
アルミニウム合金層の研削を行わない以外は、上記実施例1と同様にして総厚み0.970mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例17)
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.5mm)を用い、アルミニウム合金材としてA5052 H34(厚み0.3mm)を用いた以外は、上記実施例2と同様にして総厚み0.768mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例18)
ステンレス材としてSUS304 1/2H(厚み0.25mm)を用い、アルミニウム合金層の研削を行わない以外は、上記実施例1と同様にして総厚み0.984mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(比較例1)
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.1mm)を用い、アルミニウム合金材としてA5052 H34(厚み0.3mm)を用いた以外は、上記実施例2と同様にして総厚み0.400mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(比較例2)
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.15mm)を用い、アルミニウム合金材としてA5052 H34(厚み0.5mm)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして総厚み0.363mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
[ステンレス層・アルミニウム合金層の厚み]
実施例1〜18及び比較例1〜2で得られた圧延接合体の断面の光学顕微鏡写真を取得し、その光学顕微鏡写真において任意の10点におけるステンレス層及びアルミニウム合金層の厚みを計測し、得られた値の平均値を算出した。
[圧延接合体の厚み(総厚み)]
圧延接合体上の任意の30点における厚みをマイクロメータで測定し、得られた測定値の平均値を算出した。
[表面硬度]
マイクロビッカース硬度計(荷重200gf)を用い、ステンレス層の表面硬度(Hv)をJIS Z 2244(ビッカース硬さ試験−試験方法)に準じて測定した。また、マイクロビッカース硬度計(荷重50gf)を用い、アルミニウム合金層の表面硬度(Hv)をJIS Z 2244(ビッカース硬さ試験−試験方法)に準じて測定した。
[変形高さの測定]
実施例1〜18及び比較例1〜2で得られた圧延接合体の上に固定した鋼球に、重りを所定の高さから落下させ、圧延接合体の変形量から耐衝撃性を評価した。具体的には、図1に示すように、ドーナツ状のプラスチック製台座10(外径17mm、内径10mm、高さ5mm)の上に、測定対象の圧延接合体1(サイズ:25mm×25mm)をアルミニウム合金層が下側になるように載置した。その圧延接合体1の上に、鋼球20(SUJ2、直径6mm)を置き、20gの重り40を、L=500mmの高さからアクリル管30に沿って落下させた。そして、図2に示すように、アルミニウム合金層2が上側、ステンレス層3が下側になるようにし、落下試験前後の圧延接合体の厚みをデジタルゲージ(PEACOCK社製 DG−205)で測定し、その差d(μm)を変形高さとして耐衝撃性の指標とした。
[評価結果]
実施例1〜18及び比較例1〜2の圧延接合体について測定したステンレス層及びアルミニウム合金層の厚み及び表面硬度、圧延接合体の総厚み、並びにそれらの値に基づき求められるH 、HAAAA 、H +HAAAA の各値を表1にまとめて示す。また、測定した変形高さ(μm)の値も表1に示す。さらに、図3に、実施例1〜18及び比較例1〜2の圧延接合体についての、H +HAAAA と変形高さ(μm)の関係を示す。
Figure 0006382434
[評価結果]
表1及び図3の結果から、ステンレス層とアルミニウム合金層からなる圧延接合体については、下記式(1)
+HAAAA ≧11.18 (1)
を満たすことにより、変形高さを400μm以下に抑制できることが分かった。400μm以下の変形高さは、圧延接合体を電子機器の筐体として使用した場合に、筐体内部に実装される部品に悪影響を与えることがない範囲であると評価することができる。
また、下記式(2)
+HAAAA ≧14.72 (2)
を満たすことにより、変形高さがさらに小さくなり、340μm以下に抑制できることが分かった。340μm以下の変形高さは、圧延接合体を電子機器の筐体として使用した場合に、筐体内部に実装される部品に悪影響を与えることが全くない範囲であり、電子機器全体の薄型化、電池容量の増加、実装容量の増加等を図ることができる。
2.ステンレス層/純アルミニウム層からなる電子機器用圧延接合体
(実施例19)
原板として以下の種類の材料を用意し、表面活性化接合法により、電子機器用圧延接合体を製造した。
ステンレス材としてSUS304 3/4H(厚み0.2mm)を用い、純アルミニウム合金材として純アルミニウムA1050 H18(厚み0.85mm)を用いた。
SUS304及びA1050の接合する各々の面に対してスパッタエッチング処理を実施した。SUS304についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.3Pa下で、プラズマ出力700W、12分間の条件にて実施し、A1050についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.3Pa下で、プラズマ出力700W、12分間の条件にて実施した。
スパッタエッチング処理後のSUS304とA1050を、常温で、圧延ロール径100mm〜250mm、圧延線荷重0.5tf/cm〜5.0tf/cmの加圧力で、ステンレス層の圧下率0〜5%にてロール圧接により接合し、SUS304とA1050の圧延接合体を得た。この圧延接合体に対し、300℃、1時間の条件でバッチ熱処理を行い、総厚み0.883mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例20)
原板として以下の種類の材料を用意し、表面活性化接合法により、電子機器用圧延接合体を製造した。
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.25mm)を用い、純アルミニウム材として純アルミニウムA1050 H18(厚み0.85mm)を用いた。
SUS304及びA1050の接合する各々の面に対してスパッタエッチング処理を実施した。SUS304についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.1Pa下で、プラズマ出力4800W、ライン速度4m/分の条件にて実施し、A1050についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.1Pa下で、プラズマ出力6400W、ライン速度4m/分の条件にて実施した。
スパッタエッチング処理後のSUS304とA1050を、常温で、圧延線荷重3.0tf/cm〜6.0tf/cmにてロール圧接により接合し、SUS304とA1050の圧延接合体を得た。この圧延接合体に対し、300℃、8時間の条件でバッチ熱処理を行った。
続いて、上記圧延接合体についてテンションレベラーによる伸び率1〜2%程度の形状修正を実施した。これによって、圧延接合体の総厚みを1〜2%程度減少させ、アルミニウム合金層を硬化させ、総厚みが0.995mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例21)
ステンレス材としてSUS316L BA(厚み0.25mm)を用いた以外は、上記実施例20と同様にして総厚み0.988mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例22)
ステンレス材としてSUS304 1/2H(厚み0.27mm)を用い、純アルミニウム材として純アルミニウムA1100 H18(厚み0.85mm)を用いた以外は、上記実施例20と同様にして総厚み1.01mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(実施例23)
ステンレス材としてSUS304 3/4H(厚み0.3mm)を用いた以外は、上記実施例19と同様にして総厚み1.012mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
(比較例3)
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.2mm)を用い、純アルミニウム材として純アルミニウムA1050 H34(厚み0.4mm)を用いた以外は、上記実施例19と同様にして総厚み0.550mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
[ステンレス層・純アルミニウム層の厚み等の測定]
実施例19〜23及び比較例3で得られた圧延接合体について、アルミニウム合金層を純アルミニウム層に置き換えて説明を適用する以外は、上述のステンレス層/アルミニウム合金層からなる電子機器用圧延接合体の測定方法と同様にして、ステンレス層及び純アルミニウム層の厚み、圧延接合体の総厚み、ステンレス層及び純アルミニウム層の表面硬度、並びに耐衝撃性の指標としての変形高さを測定した。その結果を表2にまとめて示す。さらに、図4に、実施例19〜23及び比較例3の圧延接合体についての、H +H と変形高さ(μm)の関係を示す。
Figure 0006382434
[評価結果]
表2及び図4の結果から、ステンレス層と純アルミニウム層からなる圧延接合体については、下記式(3)
+H ≧17.93 (3)
を満たすことにより、変形高さを400μm以下に抑制できることが分かった。400μm以下の変形高さは、圧延接合体を電子機器の筐体として使用した場合に、筐体内部に実装される部品に悪影響を与えることがない範囲であると評価される。
また、下記式(4)
+H ≧22.52 (4)
を満たすことにより、変形高さがさらに小さくなり、340μm以下に抑制できることが明らかとなった。340μm以下の変形高さは、圧延接合体を電子機器の筐体として使用した場合に、筐体内部に実装される部品に悪影響を与えることが全くない範囲であり、電子機器全体の薄型化、電池容量の増加、実装容量の増加等を図ることができる。
3.ステンレス層/アルミニウム合金層よりなる圧延接合体から成形加工された電子機器用筐体
(実施例24)
まず、原板として以下の種類の材料を用意し、表面活性化接合法により、圧延接合体を製造した。
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.25mm)を用い、アルミニウム合金材としてアルミニウム合金A5052 H34(厚み0.8mm)を用いた。
SUS304及びA5052の接合する各々の面に対してスパッタエッチング処理を実施した。SUS304についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.1Pa下で、プラズマ出力4800W、ライン速度4m/分の条件にて実施し、A5052についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.1Pa下で、プラズマ出力6400W、ライン速度4m/分の条件にて実施した。
スパッタエッチング処理後のSUS304とA5052を、常温で、圧延線荷重3.0tf/cm〜6.0tf/cmにてロール圧接により接合し、SUS304とA5052の圧延接合体を得た。この圧延接合体に対し、320℃、8時間の条件でバッチ熱処理を行った。
続いて、上記圧延接合体についてテンションレベラーによる伸び率1〜2%程度の形状修正を実施した。これによって、圧延接合体の総厚みを1〜2%程度減少させ、アルミニウム合金層を硬化させ、総厚み0.970mmの圧延接合体を製造した。
続いて、得られた圧延接合体について、縦150mm×横75mm、深さ10mmで深絞り加工を行った。次に、ステンレス層を研磨し、アルミニウム合金層を研削して、電子機器の背面となる総厚み0.551mmの筐体を製造した。
[ステンレス層・純アルミニウム層の厚み等の測定]
得られた筐体背面の中央部を25mm×25mmのサイズに切り出した後、上述のステンレス層/アルミニウム合金層からなる電子機器用圧延接合体の測定方法と同様にして、ステンレス層及びアルミニウム合金層の厚み、ステンレス層及びアルミニウム合金層の表面硬度、並びに耐衝撃性の指標としての変形高さを測定した。その結果を表3にまとめて示す。
Figure 0006382434
[評価結果]
表3に示すように、ステンレス層とアルミニウム合金層からなる圧延接合体を成形加工して得られた実施例24の電子機器用筐体は、下記式(1)ないしは式(2)
+HAAAA ≧11.18 (1)
+HAAAA ≧14.72 (2)
を満たしており、これによって変形高さを258μmまで抑制できることが分かった。この耐衝撃性は、電子機器の筐体背面として使用した場合に、筐体内部に実装される部品に悪影響を与えることが全くない範囲であり、電子機器全体の薄型化、電池容量の増加、実装容量の増加等を図ることができる。
4.アルミニウム合金層/ステンレス層/アルミニウム合金層からなる電子機器用圧延接合体
(実施例25)
原板として以下の種類の材料を用意し、表面活性化接合法により、電子機器用圧延接合体を製造した。
ステンレス材としてSUS304 BA(厚み0.3mm)を用い、アルミニウム合金材としてアルミニウム合金A5052 H34(厚み0.16mm)を用いた。
SUS304及びA5052の接合する各々の面に対してスパッタエッチング処理を実施した。SUS304についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.3Pa下で、プラズマ出力700W、12分間の条件にて実施し、A5052についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.3Pa下で、プラズマ出力700W、12分間の条件にて実施した。
スパッタエッチング処理後のSUS304とA5052を、常温で、圧延ロール径100mm〜250mm、圧延線荷重0.5tf/cm〜5.0tf/cmの加圧力で、ステンレス層の圧下率0〜5%にてロール圧接により接合し、SUS304とA5052から成る2層の圧延接合体を得た。
次に、前記の2層圧延接合体のSUS304の面と、アルミニウム合金A5052 H34(厚み0.3mm)の接合する面に対してスパッタエッチング処理を実施した。2層圧延接合体のSUS304面についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.3Pa下で、プラズマ出力700W、12分間の条件にて実施し、A5052についてのスパッタエッチングは、スパッタガスとしてArを流入し、0.3Pa下で、プラズマ出力700W、12分間の条件にて実施した。
スパッタエッチング処理後の2層圧延接合体のSUS304面とA5052を、常温で、圧延ロール径100mm〜250mm、圧延線荷重0.5tf/cm〜5.0tf/cmの加圧力で、ステンレス層の圧下率0〜5%にてロール圧接により接合し、A5052/SUS304/A5052の3層圧延接合体を得た。
この圧延接合体に対し、300℃、1時間の条件でバッチ熱処理を行い、総厚み0.583mmの電子機器用圧延接合体を製造した。
[ステンレス層・アルミニウム合金層の厚み]
実施例25で得られた圧延接合体の断面の光学顕微鏡写真を取得し、その光学顕微鏡写真において任意の10点におけるステンレス層及び各アルミニウム合金層の厚みを計測し、得られた値の平均値を算出した。
[圧延接合体の厚み(総厚み)]
圧延接合体上の任意の30点における厚みをマイクロメータで測定し、得られた測定値の平均値を算出した。
[表面硬度]
マイクロビッカース硬度計(荷重200gf)を用い、ステンレス層の表面硬度(Hv)をJIS Z 2244(ビッカース硬さ試験−試験方法)に準じて測定した。
マイクロビッカース硬度計(荷重50gf)を用い、各アルミニウム合金層の表面硬度(Hv)をJIS Z 2244(ビッカース硬さ試験−試験方法)に準じて測定した。その結果を表4にまとめて示す。
Figure 0006382434
[評価結果]
表4の結果から、ステンレス層とアルミニウム合金層からなる3層圧延接合体については、下記式(1)
+HAAAA ≧11.18 (1)
を満たすことにより、変形高さを400μm以下に抑制できることが分かった。400μm以下の変形高さは、圧延接合体を電子機器の筐体として使用した場合に、筐体内部に実装される部品に悪影響を与えることがない範囲であると評価することができる。
また、下記式(2)
+HAAAA ≧14.72 (2)
を満たすことにより、変形高さがさらに小さくなり、340μm以下に抑制できることが分かった。340μm以下の変形高さは、圧延接合体を電子機器の筐体として使用した場合に、筐体内部に実装される部品に悪影響を与えることが全くない範囲であり、電子機器全体の薄型化、電池容量の増加、実装容量の増加等を図ることができる。
1 圧延接合体
2 アルミニウム合金層
3 ステンレス層
5 電子機器用筐体
10 台座
20 鋼球
30 アクリル管
40 重り
50 背面
51 側面
A 平面部分

Claims (15)

  1. 金属を主体とする電子機器用圧延接合体であって、
    ステンレス層とアルミニウム合金層からなり、
    前記ステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びに前記アルミニウム合金層の厚みTAA(mm)及び表面硬度HAA(Hv)が下記式(1)
    11.18≦ +HAAAA ≦53.14 (1)
    を満たし、ただし、
    0.2≦T+TAA≦1.6
    0.05≦T0.4
    0.1≦TAA≦1.1
    である電子機器用圧延接合体。
  2. 下記式(2)
    14.72≦ +HAAAA ≦53.14 (2)
    を満たす請求項1に記載の電子機器用圧延接合体。
  3. 金属を主体とする電子機器用圧延接合体であって、
    ステンレス層と純アルミニウム層からなり、
    前記ステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びに前記純アルミニウム層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)が下記式(3)
    17.93≦ +H ≦50.18 (3)
    を満たし、ただし、
    0.2≦T+T≦1.6
    0.05≦T0.4
    0.1≦T≦1.1
    である電子機器用圧延接合体。
  4. 下記式(4)
    22.52≦ +H ≦50.18 (4)
    を満たす請求項3に記載の電子機器用圧延接合体。
  5. 前記圧延接合体の総厚みに対する前記ステンレス層の厚みTの比率が、10%以上60%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器用圧延接合体。
  6. 前記ステンレス層の表面硬度Hが、200以上380以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子機器用圧延接合体。
  7. 圧延接合体の上に固定した直径6mmの鋼球に、20gの重りを500mmの高さから落下させたときの変形高さが、400μm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子機器用圧延接合体。
  8. 電子機器筐体用である請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子機器用圧延接合体。
  9. 金属を主体とする電子機器用筐体であって、
    背面及び/又は側面がステンレス層とアルミニウム合金層からなる圧延接合体を含み、 前記ステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びに前記アルミニウム合金層の厚みTAA(mm)及び表面硬度HAA(Hv)が下記式(1)
    11.18≦ +HAAAA ≦53.14 (1)
    を満たし、ただし、
    0.2≦T+TAA≦1.2
    0.05≦T0.4
    0.1≦TAA≦1.1
    である電子機器用筐体。
  10. 下記式(2)
    14.72≦ +HAAAA ≦53.14 (2)
    を満たす請求項に記載の電子機器用筐体。
  11. 金属を主体とする電子機器用筐体であって、
    背面及び/又は側面がステンレス層と純アルミニウム層からなる圧延接合体を含み、
    前記ステンレス層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)、並びに前記純アルミニウム層の厚みT(mm)及び表面硬度H(Hv)が下記式(3)
    17.93≦ +H ≦50.18 (3)
    を満たし、ただし、
    0.2≦T+T≦1.2
    0.05≦T0.4
    0.1≦T≦1.1
    である電子機器用筐体。
  12. 下記式(4)
    22.52≦ +H ≦50.18 (4)
    を満たす請求項11に記載の電子機器用筐体。
  13. 前記圧延接合体の総厚みに対する前記ステンレス層の厚みTの比率が、10%以上60%以下である請求項12のいずれか1項に記載の電子機器用筐体。
  14. 前記ステンレス層の表面硬度Hが、200以上380以下である請求項13のいずれか1項に記載の電子機器用筐体。
  15. 圧延接合体の上に固定した直径6mmの鋼球に、20gの重りを500mmの高さから落下させたときの変形高さが、400μm以下である請求項9〜14のいずれか1項に記載の電子機器用筐体。
JP2017246462A 2017-03-29 2017-12-22 電子機器用圧延接合体及び電子機器用筐体 Active JP6382434B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201810262733.0A CN108501471B (zh) 2017-03-29 2018-03-28 电子设备用轧制接合体及电子设备用壳体
PCT/JP2018/013245 WO2018181717A1 (ja) 2017-03-29 2018-03-29 電子機器用圧延接合体及び電子機器用筐体

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017147935 2017-07-31
JP2017147935 2017-07-31

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6382434B1 true JP6382434B1 (ja) 2018-08-29
JP2019025542A JP2019025542A (ja) 2019-02-21

Family

ID=63354873

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017246462A Active JP6382434B1 (ja) 2017-03-29 2017-12-22 電子機器用圧延接合体及び電子機器用筐体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6382434B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7386694B2 (ja) * 2019-12-20 2023-11-27 住友電気工業株式会社 ステータコア、ステータ、回転電機、及びステータコアの製造方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000312979A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Sumitomo Special Metals Co Ltd アルミニウム・ステンレス鋼クラッド材およびその製造方法
JP3092598U (ja) * 2002-09-05 2003-03-20 磐田電工株式会社 小型電子機器等に用いる金属クラッド材
JP2004243360A (ja) * 2003-02-13 2004-09-02 Jfe Steel Kk 金属クラッド材の製造方法
JP2004306458A (ja) * 2003-04-08 2004-11-04 Toyo Kohan Co Ltd 硬軟積層材および硬軟積層材を用いた部品
JP2004306098A (ja) * 2003-04-08 2004-11-04 Toyo Kohan Co Ltd 硬軟積層材の製造方法および硬軟積層材を用いた部品の製造方法
JP2015164739A (ja) * 2014-03-03 2015-09-17 株式会社特殊金属エクセル 三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材を製造する方法
JP2015196179A (ja) * 2014-04-01 2015-11-09 東洋鋼鈑株式会社 金属積層材の製造方法
WO2017043360A1 (ja) * 2015-09-09 2017-03-16 新日鐵住金株式会社 クラッド板とその製造方法
WO2017057665A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 東洋鋼鈑株式会社 金属積層材及びその製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000312979A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Sumitomo Special Metals Co Ltd アルミニウム・ステンレス鋼クラッド材およびその製造方法
JP3092598U (ja) * 2002-09-05 2003-03-20 磐田電工株式会社 小型電子機器等に用いる金属クラッド材
JP2004243360A (ja) * 2003-02-13 2004-09-02 Jfe Steel Kk 金属クラッド材の製造方法
JP2004306458A (ja) * 2003-04-08 2004-11-04 Toyo Kohan Co Ltd 硬軟積層材および硬軟積層材を用いた部品
JP2004306098A (ja) * 2003-04-08 2004-11-04 Toyo Kohan Co Ltd 硬軟積層材の製造方法および硬軟積層材を用いた部品の製造方法
JP2015164739A (ja) * 2014-03-03 2015-09-17 株式会社特殊金属エクセル 三層クラッド構造を有するリチウムイオン二次電池用端子素材を製造する方法
JP2015196179A (ja) * 2014-04-01 2015-11-09 東洋鋼鈑株式会社 金属積層材の製造方法
WO2017043360A1 (ja) * 2015-09-09 2017-03-16 新日鐵住金株式会社 クラッド板とその製造方法
WO2017057665A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 東洋鋼鈑株式会社 金属積層材及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019025542A (ja) 2019-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6865172B2 (ja) 金属積層材及びその製造方法
JP2022145789A (ja) 圧延接合体及び圧延接合体の製造方法
WO2018181717A1 (ja) 電子機器用圧延接合体及び電子機器用筐体
JP6382435B1 (ja) 圧延接合体
JP6382434B1 (ja) 電子機器用圧延接合体及び電子機器用筐体
KR102306045B1 (ko) 압연 접합체 및 그 제조 방법
JP6382436B1 (ja) 電子機器用圧延接合体及び電子機器用筐体
JP6375048B1 (ja) 圧延接合体
JP7060468B2 (ja) 圧延接合体及びその製造方法
WO2018181721A1 (ja) 圧延接合体
WO2018181702A1 (ja) 電子機器用圧延接合体及び電子機器用筐体
WO2018181688A1 (ja) 圧延接合体
WO2019130684A1 (ja) 電子機器用筐体及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180703

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180801

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6382434

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250