JP3092598U - 小型電子機器等に用いる金属クラッド材 - Google Patents

小型電子機器等に用いる金属クラッド材

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JP3092598U JP2002005621U JP2002005621U JP3092598U JP 3092598 U JP3092598 U JP 3092598U JP 2002005621 U JP2002005621 U JP 2002005621U JP 2002005621 U JP2002005621 U JP 2002005621U JP 3092598 U JP3092598 U JP 3092598U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カメラ、携帯電話、携帯型情報端末、ノートパ
ソコン、携帯型音楽再生機器等の小型電子機器の筐体や
部品、化粧品,名刺,クレジットカード,文房具等を入
れるためのケース等の金属製品の強度や耐久性を低下さ
せることなく多色化を容易ならしめて、新規な外観意匠
を呈する金属製品とそのクラッド材を提供する。 【解決手段】ステンレス層3aとアルミニウム層3bを積層
したクラッド材3を用い、そのアルミニウム層3bを外側
にして筐体1a,1b、リング部材2を成形すると共に、ア
ルミニウム層3bの表面をアルマイト処理して着色を施
し、その着色面を外観意匠に用いるようにしたので、金
属製筐体1a,1bやリング部材2の多色化が容易になり、
購買者は好みの色の製品を任意に選択して購入すること
ができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、例えば写真撮影用カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電 話、PDA(Personal Digital Assistant),モバイルコンピュータ等の携帯型情 報端末、ノートパソコン、カセットテープ,CD,MD等の携帯型音楽再生機器 等の小型電子機器の筐体や部品等を構成する金属製品、さらには、化粧品,名刺 ,クレジットカード,文房具等を入れるためのケース等を構成する金属製品と、 これら金属製品の成形材料としてのクラッド材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記したような小型電子機器製品の筐体等は、軽量化等に主眼がおかれ ていたため主に硬質プラスチック材料などで成形されていたが、近年においては 、電磁妨害波の抑制、製品の耐久性の向上、金属光沢による外観意匠の向上、リ サイクル性などの観点から、これら筐体等をマグネシウム、アルミニウム、ステ ンレス等の各種金属材料で成形したものが開発されている。
【0003】 ところが、マグネシウム合金を用いて一体成型したこの種筐体等は、軽量で耐 久性に優れる、マグネシウム特有の金属光沢を外観意匠に採用することができる 等の利点を有するものの、常温加工が難しくプレス加工や溶接が困難であるため 、製造コストが高くなる、仕上げ加工が困難であるなど、改善の余地を残してい る。
【0004】 また、例えば特許文献1に記載されるように、マグネシウムやマンガンを所定 量含有したアルミニウム合金により携帯電話の外ケースや内ケースを成形して、 軽量化や耐久性に加え、プレス等による成形の容易性、内外ケースを一体化する 際の溶接作業の容易性と溶接箇所の美観性などを向上させたものも知られている 。
【0005】
【特許文献1】 特開2001−198686号公報
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、最近では、上述した各種カメラや携帯電話,携帯型情報端末,ノー トパソコン,携帯型再生機器などの小型電子機器の筐体等を金属製とすることに 加え、金属の持つ光沢表面では外観意匠のバリエーションが少なく購買者に対す るアピールが弱いため、購買者が好みの色の製品を任意に選択できるよう、これ ら金属製筐体等を多色化したいという要望がある。
【0007】 このような多色化の要望に対応するには、前記金属製筐体等を、他の金属に比 べ着色が容易なアルミニウム製とすることが考えられるが、アルミニウムは強度 や耐久性の面でステンレス、チタンなどに劣るので、アルミニウム単体での製造 には問題が残る。
【0008】 そこで本願考案者等は、例えば特許文献2、特許文献3に開示されるようなク ラッド材に着目し、このようなクラッド材を、デジタルカメラ等の各種カメラ、 携帯電話、携帯型情報端末、ノートパソコン、携帯型音楽再生機器などの小型電 子機器の筐体や部品等の成形材料として採用するにあたり、クラッド材を構成す る金属の一方を強度や耐久性に優れた材料とし、他方を着色が容易な金属とする ことで、クラッド材を有効に利用して上述の問題点を解消し得ることを知見した 。
【0009】
【特許文献2】 特開平8−24972号
【特許文献3】 特開2001−56452号
【0010】 本考案はこのような従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、 前述したような筐体、部品、ケース等の金属製品の強度や耐久性を低下させるこ となく多色化を容易ならしめて、購買者が好みの色の製品を任意に選択すること ができる新規な外観意匠を呈する小型電子機器や、化粧品,名刺,クレジットカ ード,文房具等を入れるためのケース類等を構成するための金属製品と、該金属 製品の成形材料としてのクラッド材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願考案者等は、クラッド材を構成する金属の一方 を強度や耐久性に優れたステンレスやチタン等の材料とし、他方の金属を着色が 容易なアルミニウムとすることで、前述の課題を達成することを知見して、本考 案を完成するに至った。
【0012】 すなわち本考案に係る金属製品は請求項1又は2に記載されるように、ステン レス層又はチタン層と、アルミニウム層とを積層したクラッド材からなり、該ス テンレス層又はチタン層、若しくはアルミニウム層の何れか一つを外側にして筐 体や部品等を成形し、ステンレス又はチタン若しくはアルミニウムの金属光沢を 選択的に外観意匠に用いることを特徴とする小型電子機器等の筐体や部品等を構 成する金属製品である。
【0013】 また本考案は請求項3に記載されるように、前記アルミニウム層を外側にして 前記筐体や部品等を成形すると共に、該アルミニウム層の表面に着色を施し、そ の着色面を外観意匠に用いることを特徴とする小型電子機器等の筐体や部品等を 構成する金属製品である。
【0014】 また本考案は請求項4に記載されるように、前記ステンレス層、チタン層、ア ルミニウム層の何れか一つの金属層を外側にして前記筐体や部品等を成形すると 共に、該金属層の表面に梨地処理やつや消し処理等の表面処理を施し、該表面処 理された金属層表面を外観意匠に用いることを特徴とする小型電子機器等の筐体 や部品等を構成する金属製品である。
【0015】 また本考案は請求項5に記載されるように、写真撮影用カメラ、デジタルカメ ラ、ビデオカメラ、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant),モバイル コンピュータ等の携帯型情報端末、ノートパソコン、カセットテープ,CD,M D等の携帯型再生機器等の小型電子機器の筐体や部品等、若しくは、化粧品,名 刺,クレジットカード,文房具等を入れるためのケース等を構成することを特徴 とする金属製品である。
【0016】 また本考案は請求項6に記載されるように、前述した金属製品を構成するため のクラッド材であって、ステンレス層又はチタン層と、アルミニウム層との積層 材であり、上記ステンレス層、チタン層、アルミニウム層の何れか一つの金属層 を外側にし、ステンレス、チタン、又はアルミニウムの金属光沢、若しくは着色 を施したアルミニウムを選択的に外観意匠に用いて前記金属製品を構成するクラ ッド材である。
【0017】 以上のような構成になる本考案の金属製品は、ステンレス又はチタンと、アル ミニウムとを積層したクラッド材からなるので、ステンレス又はチタンと、アル ミニウムとの何れか一方の面を外側にして成形することで、ステンレス、チタン 、アルミニウムの何れかが持つ金属光沢を任意に選択して製品化することができ 、また、アルミニウムを外側にすると共にその表面に着色を施すことで、ステン レスやチタンの持つ強度や耐久性を維持しながら、容易に多色化を実現すること ができる。さらに、ステンレスやチタン単体で用いた場合に比べ、アルミニウム を採用した分だけ軽量化を図ることができる。 よって、筐体、部品、ケース等の金属製品の強度や耐久性を低下させることな く多色化を容易ならしめて、購買者が好みの外観、色を呈する製品を任意に選択 することができる新規な外観意匠を呈する小型電子機器や、化粧品,名刺,クレ ジットカード,文房具等を入れるためのケース類等を構成するための金属製品を 提供し得る。 また本考案のクラッド材は、上記した金属製品を提供し得る成形材料として好 適に用いることができる。
【0018】
【考案の実施の形態】
以下、本考案に係る金属製品とクラッド材の実施形態の数例を図面を参照して 説明する。 図1は、本考案に係る金属製品の一例としての筐体1a,1bと部品であるリ ング部材2を採用した携帯電話Aを示す。 筐体1a,1bとリング部材2は、図2に拡大断面図で示すように、ステンレ ス層3aとアルミニウム層3bを積層したクラッド材3からなり、そのアルミニ ウム層3bが外側になるようにして所定の形状に成形されている。
【0019】 クラッド材3は、アルミニウム層3bの表面をアルマイト処理した後に任意の 色の顔料を溶かした溶液の中に含浸することで任意の着色が施されており、よっ て筐体1a,1bとリング部材2はその着色されたアルミニウム層3bが表面に なるように成形されている。
【0020】 このようにして、各種の顔料を任意に選択した溶液中にクラッド材3を含浸し て任意の色のアルミニウム層3bを得ることで、各種の色の筐体1a,1b、リ ング部材2を容易に作製することができる。
【0021】 また、着色が施されていない金属光沢の表面を持った筐体1a,1bやリング 部材2を得たい場合は、前記着色処理を施さないクラッド材3をそのまま用い、 ステンレス層3a、アルミニウム層3bの何れか一方が外側になるよう任意に選 択して所定の形状に成形することで、ステンレスの金属光沢又はアルミニウムの 金属光沢を持った筐体1a,1b、リング部材2を選択的に得ることができる。
【0022】 これら金属面を着色せずにそのまま使用する場合は、梨地処理やつや消し処理 などの表面処理を施すと良い。
【0023】 また、クラッド材3として、ステンレス層3aに代えてチタン層を積層したも のを用いることもできる。
【0024】 図3には、上記クラッド材3を用いて所定形状に成形された筐体4a,4bと 、レンズ筒部5の基部や先端部に装着する部品としてのリング部材6a,6bを 採用したカメラBを示し、図4には、上記クラッド材3を用いて所定形状に成形 された筐体7a,7bを採用したモバイルコンピュータ等の携帯型情報端末Cを 示す。
【0025】 これらカメラB、携帯型情報端末Cも、クラッド材3において前述したように 各種の色が着色されたアルミニウム層3bや、着色が施されないアルミニウム層 3b,ステンレス層3a,チタン層等の金属表面を外側にして、その筐体4a, 4b,7a,7bやリング部材2,6a,6b等を成形することで、色彩や異な る金属表面をもった各種の外観意匠を呈する製品を容易に作製することができる 。
【0026】 以上、本考案の実施形態の例を図面を参照して説明したが、本考案は図示例に 限定されるものではなく、写真撮影用カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、 携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant),モバイルコンピュータ等の携 帯型情報端末、ノートパソコン、カセットテープ,CD,MD等の携帯型再生機 器等の小型電子機器の筐体や部品等、若しくは、化粧品,名刺,クレジットカー ド,文房具等を入れるためのケース等、各種の金属製品と、該金属製品を成形す るためのクラッド材に適用可能であることは言うまでもない。
【0027】
【考案の効果】
本考案に係る小型電子機器等に用いる金属製品は以上説明したように、ステン レス又はチタンと、アルミニウムとを積層したクラッド材からなるので、それら 金属材料の何れか一つの面を外側にして成形することで、ステンレス、チタン、 アルミニウムの持つ金属光沢を任意に選択して製品化することができ、また、ア ルミニウムを外側にすると共にその表面に着色を施すことで、ステンレスやチタ ンの持つ強度や耐久性を維持しながら、容易に多色化を実現することができる。 さらに、ステンレスやチタン単体で用いた場合に比べ、アルミニウムを採用した 分だけ軽量化を図ることができる。 よって、筐体、部品、ケース等の金属製品としての強度や耐久性を低下させる ことなく多色化、多種化を容易に実現でき、購買者が好みの外観、色を呈する製 品を任意に選択して購入し得る新規な外観意匠を呈する小型電子機器や、化粧品 ,名刺,クレジットカード,文房具等を入れるためのケース類等を提供すること ができた。 また、本考案に係るクラッド材は、上記した金属製品を提供し得る成形材料と して好適に用いることができる。
【提出日】平成14年10月22日(2002.10.22)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、例えば写真撮影用カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電 話、PDA(Personal Digital Assistant),モバイルコンピュータ等の携帯型情 報端末、ノートパソコン、カセットテープ,CD,MD等の携帯型音楽再生機器 等の小型電子機器の筐体や部品等の金属製品を構成する金属クラッド材、さらに は、化粧品,名刺,クレジットカード,文房具等を入れるためのケース等の金属 製品 を構成する金属クラッド材と、これら金属製品の成形材料としてのクラッド 材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記したような小型電子機器製品の筐体等は、軽量化等に主眼がおかれ ていたため主に硬質プラスチック材料などで成形されていたが、近年においては 、電磁妨害波の抑制、製品の耐久性の向上、金属光沢による外観意匠の向上、リ サイクル性などの観点から、これら筐体等をマグネシウム、アルミニウム、ステ ンレス等の各種金属材料で成形したものが開発されている。
【0003】 ところが、マグネシウム合金を用いて一体成型したこの種筐体等は、軽量で耐 久性に優れる、マグネシウム特有の金属光沢を外観意匠に採用することができる 等の利点を有するものの、常温加工が難しくプレス加工や溶接が困難であるため 、製造コストが高くなる、仕上げ加工が困難であるなど、改善の余地を残してい る。
【0004】 また、例えば特許文献1に記載されるように、マグネシウムやマンガンを所定 量含有したアルミニウム合金により携帯電話の外ケースや内ケースを成形して、 軽量化や耐久性に加え、プレス等による成形の容易性、内外ケースを一体化する 際の溶接作業の容易性と溶接箇所の美観性などを向上させたものも知られている 。
【0005】
【特許文献1】 特開2001−198686号公報
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、最近では、上述した各種カメラや携帯電話,携帯型情報端末,ノー トパソコン,携帯型再生機器などの小型電子機器の筐体等を金属製とすることに 加え、金属の持つ光沢表面では外観意匠のバリエーションが少なく購買者に対す るアピールが弱いため、購買者が好みの色の製品を任意に選択できるよう、これ ら金属製筐体等を多色化したいという要望がある。
【0007】 このような多色化の要望に対応するには、前記金属製筐体等を、他の金属に比 べ着色が容易なアルミニウム製とすることが考えられるが、アルミニウムは強度 や耐久性の面でステンレス、チタンなどに劣るので、アルミニウム単体での製造 には問題が残る。
【0008】 そこで本願考案者等は、例えば特許文献2、特許文献3に開示されるようなク ラッド材に着目し、このようなクラッド材を、デジタルカメラ等の各種カメラ、 携帯電話、携帯型情報端末、ノートパソコン、携帯型音楽再生機器などの小型電 子機器の筐体や部品等の成形材料として採用するにあたり、クラッド材を構成す る金属の一方を強度や耐久性に優れた材料とし、他方を着色が容易な金属とする ことで、クラッド材を有効に利用して上述の問題点を解消し得ることを知見した 。
【0009】
【特許文献2】 特開平8−24972号
【特許文献3】 特開2001−56452号
【0010】 本考案はこのような従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、 前述したような筐体、部品、ケース等の金属製品の強度や耐久性を低下させるこ となく多色化を容易ならしめて、購買者が好みの色の製品を任意に選択すること ができる新規な外観意匠を呈する小型電子機器や、化粧品,名刺,クレジットカ ード,文房具等を入れるためのケース類等の金属製品を構成するための金属クラ ッド材 と、該金属製品の成形材料としてのクラッド材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願考案者等は、クラッド材を構成する金属の一方 を強度や耐久性に優れたステンレスやチタン等の材料とし、他方の金属を着色が 容易なアルミニウムとすることで、前述の課題を達成することを知見して、本考 案を完成するに至った。
【0012】 すなわち本考案に係る金属製品は請求項1又は2に記載されるように、ステン レス層又はチタン層と、アルミニウム層とを積層したクラッド材からなり、該ス テンレス層又はチタン層、若しくはアルミニウム層の何れか一つを外側にして筐 体や部品等を成形し、ステンレス又はチタン若しくはアルミニウムの金属光沢を 選択的に外観意匠に用いることを特徴とする小型電子機器等の筐体や部品等の金 属製品 を構成する金属クラッド材である。
【0013】 また本考案は請求項3に記載されるように、前記アルミニウム層を外側にして 前記筐体や部品等の金属製品を成形すると共に、該アルミニウム層の表面に着色 を施し、その着色面を外観意匠に用いることを特徴とする小型電子機器等の筐体 や部品等を構成する金属クラッド材である。
【0014】 また本考案は請求項4に記載されるように、前記ステンレス層、チタン層、ア ルミニウム層の何れか一つの金属層を外側にして前記筐体や部品等の金属製品を 成形すると共に、該金属層の表面に梨地処理やつや消し処理等の表面処理を施し 、該表面処理された金属層表面を外観意匠に用いることを特徴とする小型電子機 器等の筐体や部品等を構成する金属クラッド材である。
【0015】 また本考案は請求項5に記載されるように、写真撮影用カメラ、デジタルカメ ラ、ビデオカメラ、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant),モバイル コンピュータ等の携帯型情報端末、ノートパソコン、カセットテープ,CD,M D等の携帯型再生機器等の小型電子機器の筐体や部品等の金属製品、若しくは、 化粧品,名刺,クレジットカード,文房具等を入れるためのケース等の金属製品 を構成することを特徴とする金属クラッド材である。
【0016】 また本考案は請求項6に記載されるように、前述した金属製品を構成するため のクラッド材であって、ステンレス層又はチタン層と、アルミニウム層との積層 材であり、上記ステンレス層、チタン層、アルミニウム層の何れか一つの金属層 を外側にし、ステンレス、チタン、又はアルミニウムの金属光沢、若しくは着色 を施したアルミニウムを選択的に外観意匠に用いて前記金属製品を構成するクラ ッド材である。
【0017】 以上のような構成になる本考案の金属クラッド材は、ステンレス又はチタンと 、アルミニウムとを積層したクラッド材からなるので、ステンレス又はチタンと 、アルミニウムとの何れか一方の面を外側にして成形することで、ステンレス、 チタン、アルミニウムの何れかが持つ金属光沢を任意に選択して製品化すること ができ、また、アルミニウムを外側にすると共にその表面に着色を施すことで、 ステンレスやチタンの持つ強度や耐久性を維持しながら、容易に多色化を実現す ることができる。さらに、ステンレスやチタン単体で用いた場合に比べ、アルミ ニウムを採用した分だけ軽量化を図ることができる。 よって、筐体、部品、ケース等の金属製品の強度や耐久性を低下させることな く多色化を容易ならしめて、購買者が好みの外観、色を呈する製品を任意に選択 することができる新規な外観意匠を呈する小型電子機器や、化粧品,名刺,クレ ジットカード,文房具等を入れるためのケース類等を構成するための金属製品を 提供し得る。 また本考案のクラッド材は、上記した金属製品を提供し得る成形材料として好 適に用いることができる。
【0018】
【考案の実施の形態】
以下、本考案に係る金属製品とクラッド材の実施形態の数例を図面を参照して 説明する。 図1は、本考案に係る金属製品の一例としての筐体1a,1bと部品であるリ ング部材2を採用した携帯電話Aを示す。 筐体1a,1bとリング部材2は、図2に拡大断面図で示すように、ステンレ ス層3aとアルミニウム層3bを積層したクラッド材3からなり、そのアルミニ ウム層3bが外側になるようにして所定の形状に成形されている。
【0019】 クラッド材3は、アルミニウム層3bの表面をアルマイト処理した後に任意の 色の顔料を溶かした溶液の中に含浸することで任意の着色が施されており、よっ て筐体1a,1bとリング部材2はその着色されたアルミニウム層3bが表面に なるように成形されている。
【0020】 このようにして、各種の顔料を任意に選択した溶液中にクラッド材3を含浸し て任意の色のアルミニウム層3bを得ることで、各種の色の筐体1a,1b、リ ング部材2を容易に作製することができる。
【0021】 また、着色が施されていない金属光沢の表面を持った筐体1a,1bやリング 部材2を得たい場合は、前記着色処理を施さないクラッド材3をそのまま用い、 ステンレス層3a、アルミニウム層3bの何れか一方が外側になるよう任意に選 択して所定の形状に成形することで、ステンレスの金属光沢又はアルミニウムの 金属光沢を持った筐体1a,1b、リング部材2を選択的に得ることができる。
【0022】 これら金属面を着色せずにそのまま使用する場合は、梨地処理やつや消し処理 などの表面処理を施すと良い。
【0023】 また、クラッド材3として、ステンレス層3aに代えてチタン層を積層したも のを用いることもできる。
【0024】 図3には、上記クラッド材3を用いて所定形状に成形された筐体4a,4bと 、レンズ筒部5の基部や先端部に装着する部品としてのリング部材6a,6bを 採用したカメラBを示し、図4には、上記クラッド材3を用いて所定形状に成形 された筐体7a,7bを採用したモバイルコンピュータ等の携帯型情報端末Cを 示す。
【0025】 これらカメラB、携帯型情報端末Cも、クラッド材3において前述したように 各種の色が着色されたアルミニウム層3bや、着色が施されないアルミニウム層 3b,ステンレス層3a,チタン層等の金属表面を外側にして、その筐体4a, 4b,7a,7bやリング部材2,6a,6b等を成形することで、色彩や異な る金属表面をもった各種の外観意匠を呈する製品を容易に作製することができる 。
【0026】 以上、本考案の実施形態の例を図面を参照して説明したが、本考案は図示例に 限定されるものではなく、写真撮影用カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、 携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant),モバイルコンピュータ等の携 帯型情報端末、ノートパソコン、カセットテープ,CD,MD等の携帯型再生機 器等の小型電子機器の筐体や部品等、若しくは、化粧品,名刺,クレジットカー ド,文房具等を入れるためのケース等、各種の金属製品と、該金属製品を成形す るためのクラッド材に適用可能であることは言うまでもない。
【0027】
【考案の効果】
本考案に係る小型電子機器等に用いる金属クラッド材は以上説明したように、 ステンレス又はチタンと、アルミニウムとを積層したクラッド材からなるので、 それら金属材料の何れか一つの面を外側にして成形することで、ステンレス、チ タン、アルミニウムの持つ金属光沢を任意に選択して製品化することができ、ま た、アルミニウムを外側にすると共にその表面に着色を施すことで、ステンレス やチタンの持つ強度や耐久性を維持しながら、容易に多色化を実現することがで きる。さらに、ステンレスやチタン単体で用いた場合に比べ、アルミニウムを採 用した分だけ軽量化を図ることができる。 よって、筐体、部品、ケース等の金属製品としての強度や耐久性を低下させる ことなく多色化、多種化を容易に実現でき、購買者が好みの外観、色を呈する製 品を任意に選択して購入し得る新規な外観意匠を呈する小型電子機器や、化粧品 ,名刺,クレジットカード,文房具等を入れるためのケース類等を提供すること ができた。 また、本考案に係るクラッド材は、上記した金属製品を提供し得る成形材料と して好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る金属製品により筐体を成形した携
帯電話の一例を示す斜視図。
【図2】本考案に係るクラッド材の一例を示す拡大断面
図。
【図3】本考案に係る金属製品により筐体と部品を成形
したカメラの一例を示す斜視図。
【図4】本考案に係る金属製品により筐体を成形した携
帯情報端末機器の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
A:携帯電話 B:カメラ C:携帯型情報端末 1a,1b、4a,4b、7a,7b:筐体(金属製品) 3:クラッド材 3a:ステンレス層 3b:アルミニウム層 2,6a,6b:リング部材(金属製品)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年10月22日(2002.10.
22)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【考案の名称】 小型電子機器等に用いる金属クラッド
【実用新案登録請求の範囲】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る金属クラッド材により筐体を成形
した携帯電話の一例を 示す斜視図。
【図2】本考案に係るクラッド材の一例を示す拡大断面
図。
【図3】本考案に係る金属クラッド材により筐体と部品
を成形したカメラの一 例を示す斜視図。
【図4】本考案に係る金属クラッド材により筐体を成形
した携帯情報端末機器 の一例を示す斜視図。
【符号の説明】 A:携帯電話 B:カメラ C:携帯型情報端末 1a,1b、4a,4b、7a,7b:筐体(金属製品) 3:クラッド材 3a:ステンレス層 3b:アルミニウム層 2,6a,6b:リング部材(金属製品)

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小型電子機器等の筐体や部品等を構成す
    る金属製品であって、ステンレス層とアルミニウム層を
    積層したクラッド材からなり、該ステンレス層若しくは
    アルミニウム層の何れか一方を外側にして上記筐体や部
    品等を成形し、ステンレス若しくはアルミニウムの金属
    光沢を選択的に外観意匠に用いることを特徴とする小型
    電子機器等に用いる金属製品。
  2. 【請求項2】 小型電子機器等の筐体や部品等を構成す
    る金属製品であって、チタン層とアルミニウム層を積層
    したクラッド材からなり、該チタン層若しくはアルミニ
    ウム層の何れか一方を外側にして上記筐体や部品等を成
    形し、チタン若しくはアルミニウムの金属光沢を選択的
    に外観意匠に用いることを特徴とする小型電子機器等に
    用いる金属製品。
  3. 【請求項3】 前記アルミニウム層を外側にして前記筐
    体や部品等を成形すると共に、該アルミニウム層の表面
    に着色を施し、その着色面を外観意匠に用いることを特
    徴とする請求項1または2記載の小型電子機器等に用い
    る金属製品。
  4. 【請求項4】 前記ステンレス層、チタン層、アルミニ
    ウム層の何れか一つの金属層を外側にして前記筐体や部
    品等を成形すると共に、該金属層の表面に梨地処理やつ
    や消し処理等の表面処理を施し、該表面処理された金属
    層表面を外観意匠に用いることを特徴とする請求項1〜
    3の何れか1項記載の小型電子機器等に用いる金属製
    品。
  5. 【請求項5】 前記金属製品が、写真撮影用カメラ、デ
    ジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話、PDA(Perso
    nal Digital Assistant),モバイルコンピュータ等の携
    帯型情報端末、ノートパソコン、カセットテープ,C
    D,MD等の携帯型再生機器等の小型電子機器の筐体や
    部品等、若しくは、化粧品,名刺,クレジットカード,
    文房具等を入れるためのケース等である請求項1〜4の
    何れか1項記載の小型電子機器等に用いる金属製品。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載された
    金属製品を構成するためのクラッド材であって、ステン
    レス層又はチタン層と、アルミニウム層との積層材であ
    り、上記ステンレス層、チタン層、アルミニウム層の何
    れか一つの金属層を外側にし、ステンレス、チタン、又
    はアルミニウムの金属光沢、若しくは着色を施したアル
    ミニウムを選択的に外観意匠に用いて前記金属製品を構
    成するクラッド材。
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