以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機の一実施形態について説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機(以下、単に「遊技機」という)の遊技盤10のほぼ中央には、画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11は、例えば液晶ディスプレイである。
演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では3列)の図柄を変動表示させて行う図柄変動ゲームを含み、当該図柄変動ゲームに関連して実行される各種の遊技演出としての表示演出が表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを表示結果として導出する。演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。以下の説明では、飾り図柄を単に「飾図」と示し、演出表示装置11の図柄変動ゲームを「飾図変動ゲーム」と示す。本実施形態において演出表示装置11は、図柄変動ゲーム(飾図変動ゲーム)を表示するゲーム表示手段となる。
また、演出表示装置11の左下には、8セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、特別図柄(以下「特図」と示す)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部判定(大当り判定)の結果を示す報知用の図柄である。なお、本実施形態における大当り判定は、大当りか否かの大当り抽選としても把握できる。以下の説明では、特別図柄表示装置12の図柄変動ゲームを「特図変動ゲーム」と示す。
特別図柄表示装置12には、複数種類の特図の中から、大当り判定の判定結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特図は、大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)と、はずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)とに分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、後述する大当り遊技が付与される。本実施形態の特図変動ゲームは、特図の変動開始から確定停止表示までを1回として実行される。
一方、演出表示装置11の画像表示部GHには、上記図柄列(複数種類の飾図)を各別に変動表示させるための図柄表示領域として、第1表示領域ZR1、第2表示領域ZR2、及び第3表示領域ZR3が設定されている。各表示領域ZR1〜ZR3は、画像表示部GHにおいて、遊技者から見て左から右へ向かってこの順に並ぶように設定されている。そして、演出表示装置11の各表示領域ZR1〜ZR3では、図柄変動ゲームが開始すると、所定の変動方向に変動表示(本実施形態では縦スクロール)が開始される。図柄の変動表示とは、演出表示装置11及び特別図柄表示装置12において、図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態である。
ここで、各表示領域ZR1〜ZR3において、それぞれ変動表示される飾図について説明する。
本実施形態の遊技機では、複数の飾図から構成され、各表示領域ZR1〜ZR3において変動表示させる飾図を特定可能な図柄群としての飾図パターンが複数用意されている。本実施形態の飾図パターンには、通常飾図パターンPN、第1特殊飾図パターンPS1、第2特殊飾図パターンPS2、第3特殊飾図パターンPS3、及び第4特殊飾図パターンPS4がある。演出表示装置11では、各表示領域ZR1〜ZR3において、各飾図パターンPN,PS1〜PS4のうち何れかの飾図パターンに属する飾図をそれぞれ変動表示させることにより、飾図変動ゲームが実行される。
図2(a)に示すように、演出表示装置11に表示可能な飾図には、アラビア数字として「1」を模した第1飾図S1、「2」を模した第2飾図S2、「3」を模した第3飾図S3、「4」を模した第4飾図S4、「5」を模した第5飾図S5、「6」を模した第6飾図S6、「7」を模した第7飾図S7、及び「8」を模した第8飾図S8がある。
また、図2(b)に示すように、演出表示装置11に表示可能な飾図には、各飾図S1〜S8とは異なる特定の図柄としての特殊飾図SSがある。特殊飾図SSは、数字を模した各飾図S1〜S8とは異なる文字列(例えば「特殊」)や、所定のキャラクタを模して構成される。
本実施形態の通常飾図パターンPNは、各飾図S1〜S8を含み、第1飾図S1→第2飾図S2→第3飾図S3→第4飾図S4→第5飾図S5→第6飾図S6→第7飾図S7→第8飾図S8の順序にしがって順に変動表示される飾図パターンである。即ち、通常飾図パターンPNには、特殊飾図SSが含まれない。
第1特殊飾図パターンPS1は、各飾図S1〜S8と1つの特殊飾図SSとを含み、第1飾図S1→第2飾図S2→第3飾図S3→特殊飾図SS→第4飾図S4→第5飾図S5→第6飾図S6→第7飾図S7→第8飾図S8の順序にしがって順に変動表示される飾図パターンである。第1特殊飾図パターンPS1は、通常飾図パターンPNにおける第3飾図S3と第4飾図S4との間に特殊飾図SSを追加した(差し込んだ)飾図パターンである。
第2特殊飾図パターンPS2は、各飾図S1〜S8と1つの特殊飾図SSとを含み、第1飾図S1→第2飾図S2→第3飾図S3→第4飾図S4→特殊飾図SS→第5飾図S5→第6飾図S6→第7飾図S7→第8飾図S8の順序にしがって順に変動表示される飾図パターンである。第2特殊飾図パターンPS2は、通常飾図パターンPNにおける第4飾図S4と第5飾図S5との間に特殊飾図SSを追加した(差し込んだ)飾図パターンである。
第3特殊飾図パターンPS3は、各飾図S1〜S8と1つの特殊飾図SSとを含み、第1飾図S1→第2飾図S2→第3飾図S3→第4飾図S4→第5飾図S5→第6飾図S6→特殊飾図SS→第7飾図S7→第8飾図S8の順序にしがって順に変動表示される飾図パターンである。第3特殊飾図パターンPS3は、通常飾図パターンPNにおける第6飾図S6と第7飾図S7との間に特殊飾図SSを追加した(差し込んだ)飾図パターンである。
第4特殊飾図パターンPS4は、各飾図S1〜S8と1つの特殊飾図SSとを含み、第1飾図S1→第2飾図S2→第3飾図S3→第4飾図S4→第5飾図S5→第6飾図S6→第7飾図S7→第8飾図S8→特殊飾図SSの順序にしがって順に変動表示される飾図パターンである。第4特殊飾図パターンPS4は、通常飾図パターンPNにおける第8飾図S8と第1飾図S1との間に特殊飾図SSを追加した(差し込んだ)飾図パターンである。
本実施形態において、通常飾図パターンPNは、第1の図柄群となり、各特殊飾図パターンPS1〜PS4は、通常飾図パターンPNに特殊飾図SSが追加されているとともに該特殊飾図SSに設定された変動表示の順序が異なる複数の第2の図柄群として把握できる。
そして、演出表示装置11は、特別図柄表示装置12に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、専ら演出表示装置11に確定停止表示された飾図から大当り、又ははずれを認識し得る。
また、演出表示装置11には、特図変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特図変動ゲームで大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、各表示領域ZR1〜ZR3に停止表示された飾図が同一図柄となる図柄組み合わせ(例えば[2・2・2]や[7・7・7]など)とされている。
ここで、各飾図S1〜S8,SSのうち、アラビア数字の奇数を模した飾図S1,S3,S5,S7は、飾図による大当りの図柄組み合わせを構成した場合、大当り遊技終了後に遊技者にとって有利な有利遊技状態が付与されることを確定的に認識できる特定図柄となる。その一方で、各飾図S1〜S8,SSのうち、アラビア数字の偶数を模した飾図S2,S4,S6,S8は、飾図による大当りの図柄組み合わせを構成した場合、大当り遊技終了後に前記有利遊技状態が付与される場合と付与されない場合とがあることを認識できる非特定図柄(所謂チャンス図柄)となる。本実施形態において、有利遊技状態は、確率変動状態及び変動時間短縮状態が付与された遊技状態である。なお、有利遊技状態を構成する確率変動状態及び変動時間短縮状態については後に詳細に説明する。
また、特図変動ゲームではずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、各表示領域ZR1〜ZR3に停止表示された飾図が互いに異なる図柄組み合わせ(例えば[1・3・5]や[6・6・特殊]など)、又は各表示領域ZR1〜ZR3のうち何れかの飾図が他の2つの表示領域の飾図とは異なる図柄組み合わせ(例えば[7・6・7]など)とされている。
また、演出表示装置11では、第1表示領域ZR1→第3表示領域ZR3→第2表示領域ZR2の順に飾図(図柄列)の変動表示が停止するとともに、変動停止によって表示領域ZR1〜ZR3毎に飾図が一旦停止表示される。そして、本実施形態では、各表示領域ZR1〜ZR3のうち複数である特定の表示領域(本実施形態では表示領域ZR1,ZR3)の飾図が同一図柄となる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。なお、一旦停止表示とは、図柄がゆれ変動状態で表示されている状態であり、確定停止表示とは、図柄が確定停止されている状態である。本実施形態では、各表示領域ZR1〜ZR3のうち第1表示領域ZR1が第1停止表示領域、第3表示領域ZR3が第2停止表示領域、第2表示領域ZR2が第3停止表示領域(最終停止表示領域)となり、各表示領域ZR1,ZR3がリーチを形成するリーチ形成用の表示領域となる。
本実施形態の演出表示装置11では、飾図変動ゲームにおいてリーチが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り図柄、又ははずれ図柄)が導出される迄の間に、上記表示演出(遊技演出)の1つとしてリーチ演出が行われる場合がある。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。
図1に示すように、演出表示装置11の右下には、複数個(本実施形態では2個)の特図保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下の説明では、特図変動ゲーム用の始動保留球の記憶数を「保留記憶数」と示す。保留記憶数は、遊技盤10に配設した各始動入賞口14,15に遊技球が入球(入賞)することで1加算される一方で、特図変動ゲームの開始により1減算される。したがって、特図変動ゲーム中に各始動入賞口14,15へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の記憶上限数(本実施形態では4)まで累積される。保留記憶数は、始動条件が成立したが未だ実行されていない保留中の特図変動ゲームの回数を示す。
また、特別図柄保留表示装置13の下方には、普通図柄表示装置16が配設されている。普通図柄表示装置16では、複数種類の普通図柄(以下「普図」と示す)を変動させて行う普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が表示される。普図は、後述する第2始動入賞口15の開閉羽根17を開状態とすることにより、第2始動入賞口15への入球率が向上される普図当り遊技(普通当り遊技)を付与する普図当り(普通当り)か否かの内部判定(普図当り判定)の結果を示す報知用の図柄である。なお、本実施形態における普図当り判定は、普図当りか否かの普図当り抽選としても把握できる。
普通図柄表示装置16の右方には、複数個(本実施形態では2個)の普図保留発光部を備えた普通図柄保留表示装置16aが配設されている。普通図柄保留表示装置16aは、機内部で記憶した普図用の始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。以下、普図ゲーム用の始動保留球の記憶数を「普図保留記憶数」と示す。普図保留記憶数は、遊技盤10に配設した後述の作動ゲート19に遊技球が通過(入球)することで1加算される一方で、普図ゲームの開始により1減算される。したがって、普図ゲーム中に作動ゲート19を遊技球が通過すると、普図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。普図保留記憶数は、始動条件が成立したが未だ実行されていない保留中の普図ゲームの回数を示す。なお、本実施形態において、特図変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口としての第1入賞口14aを有する第1始動入賞口14が配設されている。第1始動入賞口14の奥方には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図3に示す)が配設されている。第1始動入賞口14は、入球した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、第1始動入賞口14の下方には、当該第1始動入賞口14とは別に、遊技球の入球口としての第2入賞口15aを有する第2始動入賞口15が配設されている。第2始動入賞口15は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図3に示す)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根17を備えている。開閉羽根17は、第2始動入賞口15へ遊技球が入球容易な開状態、及び第2始動入賞口15へ遊技球が入球困難(又は入球不能)な閉状態に動作可能である。本実施形態の遊技機において、第2始動入賞口15は、普図当り遊技中に開閉羽根17の開動作によって開放されることで遊技球の入球率が向上される。
第2始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図3に示す)が配設されている。第2始動入賞口15は、入球した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。本実施形態では、第1始動入賞口14及び第2始動入賞口15がそれぞれ始動手段として機能する。
また、演出表示装置11の左方には、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19の奥方には、通過(入球)した遊技球を検知するゲートスイッチSW3(図3に示す)が配設されている。作動ゲート19は、通過した遊技球をゲートスイッチSW3で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。
また、第2始動入賞口15の下方には、大入賞口ソレノイドSOL2(図3に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉21aを備えた大入賞口21が配設されている。大入賞口21の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW4(図3に示す)が配設されている。大入賞口21は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば9個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口21は、大当り遊技中に大入賞口扉21aの開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、大当り遊技については後述する。また、遊技盤10において大入賞口21の下方には、各始動入賞口14,15、及び大入賞口21を含む各種入球口に入球しない遊技球を機外へ排出する排出口としてアウト口22が設けられている。
また、本実施形態の遊技機では、大当り遊技の終了後に確率変動状態(以下「確変状態」と示す)が付与される場合がある。確変状態は、大当り判定で肯定判定される確率(大当り確率)が低確率から高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な遊技状態である。本実施形態において確変状態は、予め定めた確変規定回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが終了する迄の間、又は確変規定回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。本実施形態では、大当り遊技の終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りとなる。なお、以下の説明では、確変状態が付与されていない状態を「非確変状態」と示す場合がある。
また、本実施形態の遊技機では、大当り遊技の終了後に変動時間短縮状態(以下「変短状態」と示す)が付与される場合がある。変短状態では、普図当り判定の判定結果を導出する普図ゲームの変動時間が、変短状態が付与されていないとき(非変動時間短縮状態、以下「非変短状態」と示す)と比べて短縮される。また、変短状態では、普図当り判定で肯定判定される確率(普図当り確率)が低確率から高確率に変動する。また、変短状態では、普図当り判定で肯定判定された際、1回の普図当り判定で肯定判定されたことに基づく開閉羽根17の開放時間が、非変短状態中と比較して長くなる。
本実施形態において変短状態は、予め定めた変短規定回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが終了する迄の間、又は変短規定回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。上述のように変短状態は、開閉羽根17が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの第2始動入賞口15への入球個数(入球率)が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、変短状態は、開閉羽根17の単位時間当りの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態でもある。
本実施形態の遊技機における遊技状態には、非変短状態で且つ非確変状態である「変短なし非確変状態(通常状態)」、非変短状態で且つ確変状態である「変短なし確変状態」、及び変短状態で且つ確変状態である「変短あり確変状態」がある。なお、本実施形態では、変短状態で且つ非確変状態である「変短あり非確変状態(所謂、時短状態)」は生じ得ない。本実施形態では、「変短あり確変状態」が有利遊技状態となる。
次に、本実施形態の遊技機に規定する大当りについて説明する。
本実施形態の遊技機では、大当り判定の判定結果が肯定である場合、複数種類(本実施形態では2種類)の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与される。複数種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り判定で肯定判定された場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。本実施形態では、特図として1種類のはずれ図柄と、100種類の大当り図柄が設定されている。特図の大当り図柄として、特図ZAには50図柄が、特図ZBには50図柄が振分けられている。そして、大当り判定で肯定判定された場合に決定される特図の大当り図柄の割合は、特図ZA,ZBがそれぞれ「50%」に設定される。この割合は、特図振分用乱数の振分け態様によって設定される。
以下、各特図ZA,ZBの大当りに基づき付与される遊技特典(大当り遊技、確変状態、及び変短状態)について説明する。
特図ZA,ZBの大当りは、遊技特典として大当り遊技を付与する。大当り遊技は、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、その図柄変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口扉21aが開放されるラウンド遊技が予め定めたラウンド規定回数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口21の開閉動作が規定開放回数行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口21は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入球する第1終了条件、及びラウンド規定時間(上限開放時間)が経過する第2終了条件の何れかが成立する迄の間、開放される。ラウンド規定時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
本実施形態において、特図ZA,ZBに基づく大当り遊技では、ラウンド規定回数として12回(12ラウンド)が、規定開放回数として1回が、規定個数として10個が、ラウンド規定時間として25秒が設定されている。
特図ZAに基づく大当り遊技の終了後には、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態に関係なく、確変規定回数を上限とする確変状態と、変短規定回数を上限とする変短状態とが付与される。以下の説明では、特図ZAに対応する大当りを大当りZAという。本実施形態の大当りZAは、大当り遊技の終了後に有利遊技状態を付与する特定大当りとなる。
特図ZBに基づく大当り遊技の終了後には、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態が変短なし非確変状態、又は変短なし確変状態である場合、確変規定回数を上限とする確変状態が付与される一方で、変短状態が付与されない。その一方で、特図ZBに基づく大当り遊技の終了後には、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態が変短あり確変状態である場合、確変規定回数を上限とする確変状態と、変短規定回数を上限とする変短状態とが付与される。以下の説明では、特図ZBに対応する大当りを大当りZBという。本実施形態の大当りZBは、大当り遊技の終了後に有利遊技状態を付与しない場合がある非特定大当りとなる。
以上のように、本実施形態では、1回の大当り遊技を通した大入賞口21の合計開放時間、即ち遊技者が獲得し得る賞球個数の期待値は大当りZA,ZBで同一(略同一)となり得る。また、本実施形態では、大当り判定で肯定判定されたときの遊技状態に関係なく変短状態が付与されるか否かの観点によれば、大当りZB<大当りZAの順に遊技者にとって有利度の高い大当りとなる。
また、本実施形態の遊技機では、保留中の図柄変動ゲームの中に大当り表示結果が導出される大当り変動の図柄変動ゲームが含まれている可能性の高低を示す大当り信頼度(大当りの期待度)を対象となる図柄変動ゲームの開始前から遊技者に報知する特別遊技演出(所謂、先読み演出)を実行可能に構成されている。
図2に示すように、本実施形態の特別遊技演出は、複数回の図柄変動ゲームを対象とするともに、該対象とされた各図柄変動ゲームを、各表示領域ZR1〜ZR3のうち何れか1つにおける飾図パターンを通常飾図パターンPNから特殊飾図パターンPS1〜PS4の何れかに変更する態様により行われる。そして、特別遊技演出は、該特別遊技演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち、一部又は全部の図柄変動ゲームにおいて、特殊飾図SSを導出(停止表示)させる態様により実行される。
次に、遊技機の制御構成を図3にしたがって説明する。
遊技機の裏側には、遊技機の機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、遊技機の機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、遊技機の裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力する制御指令にしたがって各種の遊技演出の実行を制御する。即ち、演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)や、図示しないランプの発光態様、及びスピーカの音声出力態様を制御する。以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
まず、主制御基板30について説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30a、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30b、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30c、及び乱数生成回路30dが設けられている。なお、本実施形態の遊技機において、主制御用CPU30a、主制御用ROM30b、主制御用RAM30c、及び乱数生成回路30dは、1チップに集積されてマイクロプロセッサを構成している。主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留表示装置13、普通図柄表示装置16、及び普通図柄保留表示装置16aが接続されている。また、主制御用CPU30aには、各種ソレノイドSOL1,SOL2が接続されている。
乱数生成回路30dは、マイクロプロセッサに搭載された図示しないクロック回路から供給される内部システムクロック(例えば10MHz)の1周期毎に値を1更新することにより、ハードウェア乱数を生成する。このハードウェア乱数の取り得る数値は、0〜65535の全65536通りの整数値とされている。ハードウェア乱数は、大当り判定に用いられる大当り判定用乱数、及び普図当り判定に用いられる普図当り判定用乱数として使用される。
また、主制御用CPU30aは、各種のソフトウェア乱数の値を所定の制御周期(割込み周期)毎に更新し、主制御用RAM30cに記憶させる乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。主制御用CPU30aの制御周期は、例えば4msであり、ハードウェア乱数の値が1更新される時間よりも長い時間である。
ソフトウェア乱数は、大当り判定で肯定判定された場合に、大当りの種類(特図の大当り図柄)を決定する際に用いる特図振分用乱数として使用される。なお、特図振分用乱数の値は、0〜99の全100通りの整数値であるとともに、前述した全100種類の特図の大当り図柄に対して各別に対応付けられている。また、ソフトウェア乱数は、大当り判定で否定判定された場合に、リーチ演出の実行を許容する否かを決定するリーチ判定(リーチ抽選)に用いるリーチ判定用乱数として使用される。また、ソフトウェア乱数は、後述の変動パターンを選択する際に用いる変動パターン振分用乱数として使用される。
また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、遊技機の遊技状態が確変状態であるか否かを特定可能な値が設定される確変フラグが記憶されている。確変フラグには、確変状態でない場合は「0」が設定される一方で、確変状態である場合は「1」が設定される。また、主制御用RAM30cには、遊技機の遊技状態が変短状態であるか否かを特定可能な値が設定される作動フラグが記憶されている。作動フラグには、変短状態でない場合は「0」が設定される一方で、変短状態である場合は「1」が設定される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラムや、各種の判定値(大当り判定値、リーチ判定値、普図当り判定値など)が記憶されている。大当り判定値は、大当り判定で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。本実施形態では、非確変状態用の大当り判定値として0〜164の全165個の値が設定されており、大当り判定で肯定判定される確率は65536分の165となる。一方、本実施形態では、確変状態用の大当り判定値は、前記165個の値に165〜1484の全1485個の値を加えた合計1650個の値が設定されており、大当り判定で肯定判定される確率は65536分の1650となる。
また、リーチ判定値は、上記リーチ判定で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。普図当り判定値は、普図当り判定で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。なお、普図当り判定値は、変短状態の有無により、その数が異なっている。具体的には、非変短状態用の普図当り判定値として、0〜16383までの16384個が定められている。一方、変短状態用の普図当り判定値として、0〜65534までの65535個が定められている。
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)の変動が開始してから図柄(特図及び飾図)が確定停止表示されるまでの間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに分類される。
大当り変動は、大当り判定で肯定判定された場合に行われる変動である。そして、大当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。また、大当り変動では、飾図変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。
はずれリーチ変動は、大当り判定で肯定判定されず、リーチ判定で肯定判定された場合に行われる変動である。はずれリーチ変動では、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。また、はずれリーチ変動では、飾図変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。
はずれ変動は、大当り判定及びリーチ判定の何れも肯定判定されなかった場合に行われる変動である。はずれ変動では、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。また、はずれ変動では、飾図変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。
次に、演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、演出制御用CPU31a、演出制御用ROM31b、及び演出制御用RAM31cは、1チップに集積されてマイクロプロセッサを構成している。演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。
また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(ソフトウェア乱数の値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、演出制御用CPU31aは、各種のソフトウェア乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換える乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。そして、演出制御用CPU31aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
次に、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、特別図柄開始処理は、特別図柄入力処理の終了後に実行される。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
図4に示すように、主制御用CPU30aは、各始動入賞口14,15に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップSa1)。すなわち、ステップSa1において主制御用CPU30aは、各始動口スイッチSW1,SW2が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力したか否かを判定する。ステップSa1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップSa1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップSa2)。ステップSa2の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップSa5へ移行する。
ステップSa2の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数に1加算し、保留記憶数を書き換える(ステップSa3)。このとき、主制御用CPU30aは、1加算後の保留記憶数を表すように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。
続いて、主制御用CPU30aは、各種乱数の値を取得するとともに、該取得した各種乱数の値を保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップSa4)。詳しく説明すると、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値を乱数生成回路30dから取得するとともに、特図振分用乱数の値と、リーチ判定用乱数の値と、変動パターン振分用乱数の値とを主制御用RAM30cから読み出して取得する。このように、本実施形態では、各始動入賞口14,15に遊技球が入球したことを契機に取得され、記憶手段としての主制御用RAM30cに記憶される各種乱数の値が保留中の図柄変動ゲームを示す保留情報となり、主制御用CPU30aが記憶制御手段として機能する。
次に、主制御用CPU30aは、ステップSa4にて取得した大当り判定用乱数の値が、現在の遊技状態で大当り判定値と一致する値であるか否かを判定する(ステップSa5)。なお、ステップSa5において、主制御用CPU30aは、確変フラグに設定された値を読み出し、確変状態であるか否かを特定する。
ステップSa5の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから保留記憶数を読み出して特定するとともに、該特定した保留記憶数、及びステップSa5の判定結果が肯定であることを特定可能な制御コマンドとして事前判定コマンドE1xxHを生成し、出力バッファに設定する(ステップSa6)。その後、主制御用CPU30aは特別図柄入力処理を終了する。なお、出力バッファに設定された事前判定コマンドは、次周期以降の制御周期におけるコマンド出力処理によって演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力される。
ここで、事前判定コマンドE1xxHは、各始動入賞口14,15への入球検知を契機に取得された大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致すること、即ち該コマンド(始動保留球)に対応する図柄変動ゲームが「大当り変動」となることを特定可能である。
本実施形態において、事前判定コマンドの下位バイト(xxH)には、保留記憶数を示す値が設定される。即ち、保留記憶数=1である場合には01Hが、保留記憶数=2である場合には02Hが、保留記憶数=3である場合には03Hが、保留記憶数=4である場合には04Hが設定される。以下の説明で、事前判定コマンドに特定される保留記憶数の違いを区別しない場合には、「E1H」などのように、下位バイトを省略して記載する場合がある。
主制御用CPU30aは、ステップSa5の判定結果が否定の場合、ステップSa4で取得したリーチ判定用乱数の値がリーチ判定値と一致する値であるか否かを判定する(ステップSa7)。ステップSa7の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから保留記憶数を読み出して特定するとともに、該特定した保留記憶数、及びステップSa7の判定結果が肯定であることを特定可能な制御コマンドとして事前判定コマンドE2xxHを生成し、出力バッファに設定する(ステップSa8)。
したがって、事前判定コマンドE2Hは、各始動入賞口14,15への入球検知を契機に取得された各種乱数のうち大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致せず、且つリーチ判定用乱数の値がリーチ判定値と一致することを特定可能である。即ち、事前判定コマンドE2Hは、該コマンド(始動保留球)に対応する図柄変動ゲームが「はずれリーチ変動」となることを特定可能である。その後、主制御用CPU30aは特別図柄入力処理を終了する。
一方、ステップSa7の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから保留記憶数を読み出して特定するとともに、該特定した保留記憶数、及びステップSa7の判定結果が否定であることを特定可能な制御コマンドとして事前判定コマンドE3xxHを生成し、出力バッファに設定する(ステップSa9)。
したがって、事前判定コマンドE3Hは、各始動入賞口14,15への入球検知を契機に取得された各種乱数のうち大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致せず、且つリーチ判定用乱数の値がリーチ判定値と一致しないことを特定可能である。即ち、事前判定コマンドE3Hは、該コマンド(始動保留球)に対応する図柄変動ゲームが「はずれ変動」となることを特定可能である。その後、主制御用CPU30aは特別図柄入力処理を終了する。
以上のように、事前判定コマンドE1H〜E3Hによれば、演出制御基板31(演出制御用CPU31a)では、これらの事前判定コマンドの値から、該事前判定コマンドに対応する図柄変動ゲームの変動内容を特定可能となる。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
図5に示すように、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの開始条件が成立したか否かを判定する(ステップSb1)。ステップSb1において、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの実行中ではなく、且つ大当り遊技中ではない場合にステップSb1を肯定判定する一方で、特図変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中である場合にステップSb1を否定判定する。ステップSb1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップSb1の判定結果が肯定の場合(実行条件が成立している場合)、主制御用CPU30aは、保留記憶数を読み出し(ステップSb2)、保留記憶数が0(零)よりも大きいか否か判定する(ステップSb3)。主制御用CPU30aは、ステップSb3において、実行が保留されている図柄変動ゲーム(保留情報)が存在するか否かを判定している。ステップSb3の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップSb3の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1減算するとともに、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている各種乱数の値(大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及び変動パターン振分用乱数の値)を取得する(ステップSb4)。主制御用CPU30aは、保留記憶数を1減算した際、1減算後の保留記憶数を表すように特別図柄保留表示装置13の表示内容を制御する。
次に、主制御用CPU30aは、取得した大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致するか否かの大当り判定を行う(ステップSb5)。詳しく説明すると、ステップSb5において、主制御用CPU30aは、確変フラグに設定された値を読み出し、確変状態であるか否かを特定する。そして、主制御用CPU30aは、前述のステップSb4において読み出した値が、現在の遊技状態における大当り判定値と一致する値か否かを判定する。
ステップSb5の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、前述のステップSb4において読み出した特図振分用乱数の値に基づき、特図による大当り図柄の中から特別図柄表示装置12にて確定停止表示させる確定停止図柄を決定する(ステップSb6)。次に、主制御用CPU30aは、前述のステップSb4において読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づき大当り変動用の変動パターンを決定する(ステップSb7)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSb8へ移行する。
一方、ステップSb5の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出の実行を許容するか否かのリーチ判定を行う(ステップSb9)。詳しく説明すると、主制御用CPU30aは、前述のステップSb4において主制御用RAM30cから取得したリーチ判定用乱数の値が、リーチ判定値に一致するか否かを判定する。
ステップSb9の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12にて確定停止表示させる確定停止図柄としてはずれ図柄を決定する(ステップSb10)。次に、主制御用CPU30aは、前述のステップSb4において読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づきはずれリーチ変動用の変動パターンを決定する(ステップSb11)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSb8へ移行する。
一方、ステップSb9の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12にて確定停止表示させる確定停止図柄としてはずれ図柄を決定する(ステップSb12)。次に、主制御用CPU30aは、前述のステップSb4において読み出した変動パターン振分用乱数の値に基づきはずれ変動用の変動パターンを決定する(ステップSb13)。その後、主制御用CPU30aは、ステップSb8へ移行する。
そして、ステップSb8において、主制御用CPU30aは、演出制御基板31に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに飾図による図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特図を変動開始させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、同時に、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの変動時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、特図を指示する特図指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
なお、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理とは別の処理において、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した確定停止図柄を表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
以上のように、図柄変動ゲームの実行条件が成立したことを契機として主制御用RAM30cに記憶されている各種乱数の値(保留情報)に基づき図柄変動ゲームの変動内容を選択する主制御用CPU30aが変動内容選択手段として機能する。ここで、図柄変動ゲームの変動内容には、大当り判定やリーチ判定の各判定結果や変動パターンが含まれる。
次に、主制御用CPU30aが大当り判定で肯定判定している場合に行う大当り遊技処理について説明する。
主制御用CPU30aは、大当り変動の図柄変動ゲームが終了すると、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを生成し、出力バッファに設定する。次に、主制御用CPU30aは、各大当り遊技に設定されたオープニング演出の演出時間の経過後、ラウンド遊技を開始させる毎に、ラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを生成し、出力バッファに設定する。また、主制御用CPU30aは、各大当り遊技に設定された開放態様(パターン)にしたがって大入賞口ソレノイドSOL2を制御することにより、ラウンド遊技の開始に伴って大入賞口扉21aを開動作させて大入賞口21を開放させるとともに、各終了条件の何れかの成立を契機に大入賞口扉21aを閉動作させて大入賞口21を閉鎖させる。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを生成するとともに、出力バッファに設定する。主制御用CPU30aは、エンディング演出の演出時間の経過時にエンディング演出を終了させることによって大当り遊技を終了させる。
次に、大当り遊技終了後の遊技状態に関して主制御用CPU30aが実行する制御を説明する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後に確変状態を付与する場合には確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態であることを指示する確変コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、確変状態を付与する場合、大当り遊技の終了後、該大当りに設定された確変規定回数(本実施形態では100回)を、確変回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームが実行される毎に確変回数を1減算し、値が「0」となると、図柄変動ゲームの終了時に確変フラグに「0」を設定し、非確変コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態であることを指示する作動コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、変短状態を付与しない場合には作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態であることを指示する非作動コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合、大当り遊技の終了後、該大当りに設定された変短規定回数(本実施形態では100回)を、作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を1減算し、値が「0」となると、図柄変動ゲームの終了時に作動フラグに「0」を設定し、非作動コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数に「0」を設定する。これにより、大当り遊技中の遊技状態は、「変短なし非確変状態(通常状態)」となる。
次に、普通図柄に関して主制御用CPU30aが実行する処理を説明する。
主制御用CPU30aは、メイン制御プログラムに基づき普通図柄入力処理や普通図柄開始処理などの各種処理を実行する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に普通図柄入力処理や普通図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、普通図柄入力処理を説明する。
主制御用CPU30aは、作動ゲート19へ遊技球が入球し、該遊技球を検知したゲートスイッチSW3が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1加算し、普図保留記憶数を書き換える。
その後、主制御用CPU30aは、普図当り判定用乱数の値を乱数生成回路30dから取得し、その値を普図保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU30aは、保留判定の判定結果が否定の場合、上限数を超える普図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、普図当り判定用乱数の値も取得しない。
次に、普図ゲームに関する普通図柄開始処理を説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、普図ゲームの開始条件が成立したか否かの普図開始条件判定を行う。詳しく説明すると、主制御用CPU30aは、普図ゲームの実行中ではなく、且つ普図当り遊技中(開閉羽根17の動作中)ではない場合に普図開始条件判定を肯定判定する。その一方で、普図ゲームの実行中、又は普図当り遊技中である場合、普図開始条件判定を否定判定する。
普図開始条件判定の判定結果が否定である場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。その一方で、普図開始条件判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かの普図保留判定を行う。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
一方、普図保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1減算し、更新後(減算後)の普図保留記憶数を表示するように普通図柄保留表示装置16aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、読み出した普図当り判定用乱数の値と普図当り判定値とを比較し、両値が一致するか否かの普図当り判定を行う。このとき、主制御用CPU30aは、作動フラグを確認し、非変短状態の場合、非変短状態用の普図当り判定値を用いる一方で、変短状態の場合、変短状態用の普図当り判定値を用いる。この遊技状態に応じた普図当り判定値の選択により、変短状態中は、普図当り判定で肯定判定される確率(当選確率)が高確率に変動する。
また、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間を定めた普図用の変動パターンを選択する。このとき、主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態の場合、第1の変動時間(例えば5秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する一方で、遊技状態が変短状態の場合、第1の変動時間よりも短い第2の変動時間(例えば1秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する。この遊技状態に応じた変動時間の異なる変動パターンの選択により、変短状態中は、普図ゲームの変動時間が短縮される。
続いて、主制御用CPU30aは、決定した変動パターンに従って普通図柄表示装置16に普図ゲームを実行させる。そして、主制御用CPU30aは、普図用の変動パターンに定める変動時間の経過時に、普図当り判定を肯定判定している場合には当り図柄を普通図柄表示装置16に確定停止表示させる一方で、普図当り判定を否定判定している場合にははずれ図柄を普通図柄表示装置16に確定停止表示させる。
また、普図当り判定を肯定判定した場合、主制御用CPU30aは、普図ゲームの終了後(当り図柄の確定停止表示後)、開閉羽根17を所定の動作パターンに従って開閉動作させる。主制御用CPU30aは、非変短状態時の場合、開閉羽根17を、第1開放時間(本実施形態では0.2秒)で第1回数(本実施形態では1回)分、開放動作させる。一方、主制御用CPU30aは、変短状態時の場合、開閉羽根17を、第1開放時間よりも長い第2開放時間(本実施形態では1.5秒)で、第1回数よりも多い第2回数(本実施形態では3回)分、開放動作させる。この遊技状態に応じた異なる動作パターンによる開閉羽根17の開放動作の制御により、変短状態中は、開閉羽根17の開放時間が長くなる。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが演出制御プログラムに基づき実行する各種の制御(大当り演出処理、第1コマンド記憶処理、第2コマンド記憶処理、飾図パターン設定処理、及びゲーム実行処理)について説明する。
まず、大当り遊技が付与された際に演出制御用CPU31aが行う制御(大当り演出処理)について説明する。
大当り演出処理において、演出制御用CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出の演出内容を決定するとともに、該決定した演出内容のオープニング演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、ラウンドコマンドを入力する毎に、ラウンド演出の演出内容を決定するとともに、該決定した演出内容のラウンド演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出の演出内容を決定するとともに、該決定した演出内容のエンディング演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
次に、第1コマンド記憶処理について説明する。
第1コマンド記憶処理において、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力したか否かを判定する。演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力していない場合、コマンド記憶処理を終了する。
一方、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力している場合、該事前判定コマンドで特定可能な保留記憶数に対応する演出制御用RAM31cの記憶領域に事前判定コマンドの値を記憶させる。詳しく説明すると、演出制御用RAM31cには、保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域、保留記憶数=2に対応付けられた記憶領域、保留記憶数=3に対応付けられた記憶領域、及び保留記憶数=4に対応付けられた記憶領域が設定されている。演出制御用CPU31aは、例えば事前判定コマンドE103Hを入力した場合、該コマンドから特定可能な保留記憶数=3に対応付けられた記憶領域に事前判定コマンドE103Hを記憶させる。
次に、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている演出フラグ(情報)を参照し、前述した特別遊技演出を実行中であるか否かの演出判定を実行する。演出制御用CPU31aは、演出フラグに設定された値(情報)を参照することにより、特別遊技演出を実行中であるか否かを特定できる。演出制御用CPU31aは、演出判定の判定結果が肯定の場合(特別遊技演出を実行中である場合)、第1コマンド記憶処理を終了する。
一方、演出制御用CPU31aは、演出判定の判定結果が否定の場合(特別遊技演出を非実行中である場合)、入力している事前判定コマンドから特定可能な保留記憶数が2以上であるか否かの保留数判定を実行する。演出制御用CPU31aは、保留数判定の判定結果が否定の場合(保留記憶数が2未満の場合)、特別遊技演出の非実行を一義的に決定するとともに、第1コマンド記憶処理を終了する。即ち、本実施形態では、保留記憶数が2未満である場合、特別遊技演出が実行されない。
また、演出制御用CPU31aは、保留数判定の判定結果が肯定の場合(保留記憶数が2以上の場合)、入力している事前判定コマンドがはずれ変動を示す事前判定コマンドE3Hであるか否かの第1変動判定を実行する。演出制御用CPU31aは、第1変動判定の判定結果が肯定の場合(事前判定コマンドE3Hを入力している場合)、第1コマンド記憶処理を終了する。即ち、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドに対応する図柄変動ゲームの変動内容がはずれ変動となるか、又は大当り変動やはずれリーチ変動となるかを特別図柄開始処理の実行に先駆けて事前判定していると把握できる。
また、演出制御用CPU31aは、第1変動判定の判定結果が否定の場合(事前判定コマンドE1H,E2Hを入力している場合)、入力している事前判定コマンドから特定される保留記憶数より小さい保留記憶数に対応付けてはずれ変動を示す事前判定コマンドE3Hのみが記憶されているか否かの第2変動判定を実行する。演出制御用CPU31aは、第2変動判定の判定結果が否定の場合(事前判定コマンドE1H,E2Hが記憶されている場合)、第1コマンド記憶処理を終了する。
一方、演出制御用CPU31aは、第2変動判定の判定結果が肯定の場合(事前判定コマンドE3Hのみが記憶されている場合)、例えば所定の演出振分用乱数の値を用いた抽選などにより、特別遊技演出を実行するか否かの実行判定を行う。演出制御用CPU31aは、実行判定の判定結果が否定の場合、特別遊技演出の非実行を決定するとともに、第1コマンド記憶処理を終了する。
一方、演出制御用CPU31aは、実行判定の判定結果が肯定の場合、入力している事前判定コマンドで特定可能な保留記憶数分の図柄変動ゲームを対象として特別遊技演出を実行することを決定する。この場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている演出フラグに特別遊技演出の実行中であることを特定可能な値(情報)を記憶させる。また、演出制御用CPU31aは、特別遊技演出の対象とする図柄変動ゲームの回数を示す演出回数として、入力している事前判定コマンドから特定可能な保留記憶数を演出制御用RAM31cに記憶させる。このような構成により、本実施形態の特別遊技演出は、少なくとも2回以上の図柄変動ゲームを対象として実行され、該特別遊技演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち最終回の図柄変動ゲームがはずれリーチ変動、及び大当り変動の何れかとなることを認識できる。
そして、演出制御用CPU31aは、特別遊技演出の実行を決定すると、特別遊技演出の具体的な演出内容として、飾図パターンを変更する表示領域、及び変更先の飾図パターンを特定可能な複数種類の演出パターンEP1〜EP12の中から演出パターンを選択する。
ここで、図6を参照して、演出パターンEP1〜EP12に特定される特別遊技演出の演出内容について詳しく説明する。
演出パターンEP1〜EP4は、第1表示領域ZR1を対象として飾図パターンを変更する演出内容を、演出パターンEP5〜EP8は、第2表示領域ZR2を対象として飾図パターンを変更する演出内容を、演出パターンEP9〜EP12は、第3表示領域ZR3を対象として飾図パターンを変更する演出内容を特定している。
また、演出パターンEP1,EP5,EP9は、対象とした表示領域の飾図パターンを通常飾図パターンPNから第1特殊飾図パターンPS1へ変更する演出内容を特定している。演出パターンEP2,EP6,EP10は、対象とした表示領域の飾図パターンを通常飾図パターンPNから第2特殊飾図パターンPS2へ変更する演出内容を特定している。演出パターンEP3,EP7,EP11は、対象とした表示領域の飾図パターンを通常飾図パターンPNから第3特殊飾図パターンPS3へ変更する演出内容を特定している。演出パターンEP4,EP8,EP12は、対象とした表示領域の飾図パターンを通常飾図パターンPNから第4特殊飾図パターンPS4へ変更する演出内容を特定している。
そして、演出パターンの選択は、例えば複数種類の演出パターンEP1〜EP12に対して所定の演出振分用乱数の値を予め振り分けた演出パターン振分用テーブルを演出制御用ROM31bに記憶させておき、演出制御用RAM31cから取得した演出振分用乱数の値をもとに演出パターン振分用テーブルを参照して行うことができる。
そして、演出パターン振分用テーブルでは、演出パターンEP1〜EP4<EP5〜EP8<EP9〜EP12の順に、事前判定コマンドE1H〜E3Hが指定されたときの選択割合の全体に占める、大当りを示す事前判定コマンドE1Hが指定されたときの選択割合が高くなるように乱数の値が振り分けられている。このような構成により、特別遊技演出では、飾図パターンの変更される表示領域が第1表示領域ZR1<第3表示領域ZR3<第2表示領域ZR2である順に、特別遊技演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち最終回の図柄変動ゲームが大当り変動となる可能性の高低を示す期待度としての大当り信頼度が高くなる。即ち、演出制御用CPU31aは、事前判定の判定結果に応じて表示領域の飾図パターンを変更するとともに、特殊飾図パターンPS1〜PS4の何れかに変更された表示領域に応じて、大当り信頼度を異ならせている。
また、演出パターン振分用テーブルでは、演出パターンEP1<EP2<EP3<EP4の順に、事前判定コマンドE1H〜E3Hが指定されたときの選択割合の全体に占める、大当りを示す事前判定コマンドE1Hが指定されたときの選択割合が高くなるように乱数の値が振り分けられている。演出パターン振分用テーブルでは、演出パターンEP5<EP6<EP7<EP8の順に、事前判定コマンドE1H〜E3Hが指定されたときの選択割合の全体に占める、大当りを示す事前判定コマンドE1Hが指定されたときの選択割合が高くなるように乱数の値が振り分けられている。演出パターン振分用テーブルでは、演出パターンEP9<EP10<EP11<EP12の順に、事前判定コマンドE1H〜E3Hが指定されたときの選択割合の全体に占める、大当りを示す事前判定コマンドE1Hが指定されたときの選択割合が高くなるように乱数の値が振り分けられている。
このような構成により、特別遊技演出では、飾図パターンの変更される表示領域が同一である場合、変更後の飾図パターンが特殊飾図パターンPS1<SP2<PS3<PS4である順に、特別遊技演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち最終回の図柄変動ゲームにおける大当り信頼度が高くなる。即ち、特別遊技演出では、特殊飾図SSの差し込まれる位置(順序)が、飾図S3,S4の間<飾図S4,S5の間<飾図S6,S7の間<飾図S8,S1の間である順に大当り信頼度が高くなる。換言すれば、特殊飾図SSに設定された変動表示の順序に応じて大当り信頼度が異ならされている。
そして、演出制御用CPU31aは、演出パターンを決定すると、決定した演出パターンを特定可能な演出パターン情報を演出制御用RAM31cに記憶させる。次に、演出制御用CPU31aは、特別遊技演出の具体的な演出内容として、特別遊技演出の対象となる図柄変動ゲームのうち特殊飾図SSを導出(停止表示)させる図柄変動ゲームを特定可能な複数種類の停止パターンTP1〜TP9の中から停止パターンを選択する。
ここで、図7を参照して、停止パターンTP1〜TP9に特定される特別遊技演出の演出内容について詳しく説明する。
停止パターンTP1,TP2は、2回の図柄変動ゲームを対象とした特別遊技演出において、特殊飾図SSを停止表示させる図柄変動ゲームと、停止表示させない図柄変動ゲームとを特定可能である。停止パターンTP3〜TP5は、3回の図柄変動ゲームを対象とした特別遊技演出において、特殊飾図SSを停止表示させる図柄変動ゲームと、停止表示させない図柄変動ゲームとを特定可能である。停止パターンTP6〜TP9は、4回の図柄変動ゲームを対象とした特別遊技演出において、特殊飾図SSを停止表示させる図柄変動ゲームと、停止表示させない図柄変動ゲームとを特定可能である。例えば、停止パターンTP7には、1回目及び2回目の図柄変動ゲームにおいて特殊飾図SSを停止表示させず、3回目の図柄変動ゲームにおいて特殊飾図SSを停止表示させることが特定されている。なお、本実施形態の特別遊技演出では、対象とされた最終回の図柄変動ゲームにおいて特殊飾図SSを導出しないようになっている(図において「最終」と示す)。
このような構成により、特別遊技演出では、飾図パターンが特殊飾図パターンPS1〜PS4の何れかに変更された1回目の図柄変動ゲームから特殊飾図SSが停止表示される場合に加えて、2回目以降の図柄変動ゲームから特殊飾図SSが停止表示される場合も生じ得る。
そして、停止パターンの選択は、例えば事前判定コマンドに示される保留記憶数毎に区分して、複数種類の停止パターンTP1〜TP9に対して所定の演出振分用乱数の値が予め振り分けられた停止パターン振分用テーブルを、演出制御用RAM31cから取得した演出振分用乱数の値をもとに参照して行うことができる。なお、停止パターン振分用テーブルは、演出制御用ROM31bに予め記憶させておく。
そして、停止パターン振分用テーブルでは、停止パターンTP1<TP2の順に、事前判定コマンドE102H〜E302Hが指定されたときの選択割合の全体に占める、大当りを示す事前判定コマンドE102Hが指定されたときの選択割合が高くなるように乱数の値が振り分けられている。停止パターン振分用テーブルでは、停止パターンTP3<TP4<TP5の番に、事前判定コマンドE103H〜E303Hが指定されたときの選択割合の全体に占める、大当りを示す事前判定コマンドE103Hが指定されたときの選択割合が高くなるように乱数の値が振り分けられている。停止パターン振分用テーブルでは、停止パターンTP6<停止パターンTP7<停止パターンTP8<停止パターンTP9の順に、事前判定コマンドE104H〜E304Hが指定されたときの選択割合の全体に占める、大当りを示す事前判定コマンドE104Hが指定されたときの選択割合が高くなるように乱数の値が振り分けられている。
このような構成により、本実施形態の特別遊技演出では、該特別遊技演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち特殊飾図SSが停止表示される図柄変動ゲームの回数が多くなるほど、特別遊技演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち最終回の図柄変動ゲームが大当り変動となる可能性の高低を示す大当り信頼度が高くなる。
そして、演出制御用CPU31aは、停止パターンを決定すると、該決定した停止パターンを特定可能な停止パターン情報を演出制御用RAM31cに記憶させる。その後、演出制御用CPU31aは、第1コマンド記憶処理を終了する。
以上のように、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aが特別図柄開始処理において選択することになる変動内容が特定の変動内容としての大当り変動やはずれリーチ変動であるか否かを事前判定する事前判定手段として機能する。
次に、第2コマンド記憶処理について説明する。
第2コマンド記憶処理において、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力したか否かを判定する。演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力していない場合、第2コマンド記憶処理を終了する。
一方、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力している場合、演出制御用RAM31cにおいて、保留記憶数=n(n=2〜4)に対応付けられた記憶領域に記憶されている事前判定コマンドの値を保留記憶数=n−1に対応付けられた記憶領域に記憶させる。
詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、保留記憶数=2に対応付けられた記憶領域に記憶されている事前判定コマンドの値を保留記憶数=1に対応付けられた記憶領域に記憶する。演出制御用CPU31aは、保留記憶数=3に対応付けられた記憶領域に記憶されている事前判定コマンドの値を保留記憶数=2に対応付けられた記憶領域に記憶する。演出制御用CPU31aは、保留記憶数=4に対応付けられた記憶領域に記憶されている事前判定コマンドの値を保留記憶数=3に対応付けられた記憶領域に記憶する。このとき、演出制御用CPU31aは、保留記憶数=4に対応付けられた記憶領域に記憶されている事前判定コマンドの値を消去(クリア)する。
このような構成により、本実施形態では、各始動入賞口14,15への入球を契機として記憶された各種乱数の値(保留情報)をもとに生成された事前判定コマンドが、該各種乱数の値に基づく図柄変動ゲームが開始される迄の間、演出制御用RAM31cに保持される。
次に、ゲーム実行処理について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、演出制御用RAM31cに記憶されている演出フラグを参照し、特別遊技演出を実行中であるか否かを判定する。演出制御用CPU31aは、特別遊技演出を実行中である場合と、非実行中である場合とで異なる制御を行う。
まず、特別遊技演出を非実行中である場合の制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンがはずれ変動用の変動パターンであるか否かを判定する。演出制御用CPU31aは、はずれ変動用の変動パターンが指示されている場合、例えば所定の演出振分用乱数の値を用いた抽選などにより、今回の図柄変動ゲームを対象として、ガセの特別遊技演出を実行するか否かを決定する。
演出制御用CPU31aは、ガセの特別遊技演出の実行を決定した場合、前述した演出パターンEP1〜EP12の中からガセの特別遊技演出用の演出パターンを選択する。このとき、演出制御用CPU31aは、所定の演出振分用乱数の値を用いた抽選などにより演出パターンを選択する。そして、演出制御用CPU31aは、選択した演出パターンに示される表示領域用の飾図パターンとして、同じく選択した演出パターンに示される特殊飾図パターンを設定する。また、演出制御用CPU31aは、各表示領域ZR1〜ZR3のうち他の2つの表示領域用の飾図パターンとして通常飾図パターンPNを設定する。
一方、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドによりはずれ変動用以外の変動パターンが指示されている場合、又はガセの特別遊技演出の非実行を決定した場合、今回の図柄変動ゲームにおける各表示領域ZR1〜ZR3用の飾図パターンとして通常飾図パターンPNを設定する。
また、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾図を決定する。詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、特図として大当り図柄が指示されている場合、飾図S1〜S8の何れかにより構成される大当りの図柄組み合わせ(例えば、[7・7・7])を決定する。なお、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドにより特図ZAが指定されている場合、特定図柄となる飾図S1,S3,S5,S7、又は非特定図柄となる飾図S2,S4,S6,S8の何れかから構成される大当りの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドにより特図ZBが指定されている場合、非特定図柄となる飾図S2,S4,S6,S8の何れかから構成される大当りの図柄組み合わせを決定する。
また、演出制御用CPU31aは、特図としてはずれ図柄が指示されている場合、ガセの特別遊技演出の実行を決定したか否かにかかわらず、飾図S1〜S8の何れかにより構成されるはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、リーチ演出を含む変動内容を特定可能な変動パターンが指示されている場合、飾図として、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ(例えば、[1・2・1]など)を決定する。その一方で、演出制御用CPU31aは、リーチ演出を含まない変動内容を特定可能な変動パターンが指示されている場合、飾図として、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ(例えば、[1・2・3]など)を決定する。即ち、演出制御用CPU31aは、ガセの特定遊技演出を実行させる場合、常に特殊飾図SSを含まないはずれの図柄組み合わせを決定するようになっている。
ここで、演出制御用CPU31aは、ガセの特別遊技演出の実行を決定している場合、各表示領域ZR1〜ZR3のうち特殊飾図パターンが設定されている表示領域に停止表示させる飾図として、特殊飾図SSの次の順序が設定された飾図を決定する。例えば、演出制御用CPU31aは、第1特殊飾図パターンPS1が設定されている表示領域に停止表示させる飾図として、特殊飾図SSの次の順序が設定された第4飾図S4を含むはずれの図柄組み合わせを決定する。このような構成により、本実施形態のガセの特別遊技演出では、特殊飾図SSが飾図の表示領域を通過して、次の順番の飾図が停止表示されることになる。
そして、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンから特定可能な変動内容をもとに、同じく変動パターンから特定可能な変動時間にかけて実行させる遊技演出(飾図変動ゲーム)用の画像データを選択する。演出制御用CPU31aは、選択した画像データをもとに飾図変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、演出表示装置11の飾図変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と画像データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば16ms毎)に切り替える。
このとき、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの開始時から表示領域ZR1〜ZR3毎に、それぞれ設定されている飾図パターンに属する飾図が、該飾図パターンにそれぞれ設定された順序にしたがって変動表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
例えば、第1特殊飾図パターンPS1が設定されている表示領域では、第1飾図S1→第2飾図S2→第3飾図S3→特殊飾図SS→第4飾図S4→第5飾図S5→第6飾図S6→第7飾図S7→第8飾図S8→第1飾図S1・・・の順序にしがって、飾図が順に変動表示される。また、例えば、通常飾図パターンPNが設定されている表示領域では、第1飾図S1→第2飾図S2→第3飾図S3→第4飾図S4→第5飾図S5→第6飾図S6→第7飾図S7→第8飾図S8→第1飾図S1・・・の順序にしがって、飾図が順に変動表示される。
その後、飾図変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、演出制御用CPU31aは、決定した飾図を演出表示装置11に確定停止表示させて飾図変動ゲームを終了させる。このように、本実施形態の演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aが決定する変動内容をもとに演出表示装置11を制御し、図柄変動ゲームを実行させるゲーム制御手段として機能する。
次に、特別遊技演出を実行中である場合の制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、演出制御用RAM31cに記憶されている演出回数を読み出すとともに、読み出した演出回数から1減算した演出回数を新たな演出回数として演出制御用RAM31cに記憶させる。
次に、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている演出パターン情報を参照し、特別遊技演出用に決定した演出パターンを特定する。演出制御用CPU31aは、演出パターンを特定すると、特定した演出パターンに示される表示領域用の飾図パターンとして、同じく特定した演出パターンに示される特殊飾図パターンを設定する。また、演出制御用CPU31aは、各表示領域ZR1〜ZR3のうち他の2つの表示領域用の飾図パターンとして通常飾図パターンPNを設定する。
次に、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾図を決定する。詳しく説明すると、演出制御用CPU31aは、特図として大当り図柄が指示されている場合、設定されている飾図パターンに関係なく飾図S1〜S8の何れかにより構成される大当りの図柄組み合わせ(例えば、[7・7・7])を決定する。なお、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドにより特図ZAが指定されている場合、特定図柄及び非特定図柄の何れかから構成される飾図による大当りの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、特図指定コマンドにより特図ZBが指定されている場合、非特定図柄の何れかから構成される飾図による大当りの図柄組み合わせを決定する。
また、演出制御用CPU31aは、特図としてはずれ図柄が指示されている場合であって、リーチ演出を含む変動内容を特定可能な変動パターンが指示されている場合、設定されている飾図パターンに関係なく飾図S1〜S8の何れかにより構成され、且つリーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせを決定する。
その一方で、演出制御用CPU31aは、リーチ演出を含まない変動内容を特定可能な変動パターンが指示されている場合、演出制御用RAM31cに記憶されている停止パターン情報を参照し、特別遊技演出用に決定した停止パターンを特定する。また、演出制御用CPU31aは、特定した停止パターンと演出制御用RAM31cに記憶されている演出回数とから、今回の図柄変動ゲームが、実行中の特別遊技演出が対象とする図柄変動ゲームのうち何回目の図柄変動ゲームであるかを特定する。例えば、停止パターンTP3が特定され、且つ演出回数=1である場合には、特別遊技演出の対象となる図柄変動ゲームのうち2回目の図柄変動ゲームであることを特定できる。そして、演出制御用CPU31aは、特定した図柄変動ゲームの回数と停止パターンとをもとに、今回の図柄変動ゲームが特殊飾図SSを停止表示させる図柄変動ゲームであるか否かを特定する。
演出制御用CPU31aは、今回の図柄変動ゲームが特殊飾図SSを停止表示させる図柄変動ゲームではない場合、飾図S1〜S8の何れかにより構成され、且つリーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、演出制御用CPU31aは、各表示領域ZR1〜ZR3のうち特殊飾図パターンが設定されている表示領域に停止表示させる飾図として、特殊飾図SSの次の順序が設定された飾図を決定する。例えば、演出制御用CPU31aは、第1特殊飾図パターンPS1が設定されている表示領域に停止表示させる飾図として、特殊飾図SSの次の順序が設定された第4飾図S4を含むはずれの図柄組み合わせを決定する。このような構成により、本実施形態の特別遊技演出では、特殊飾図SSが停止表示されない場合であっても、特殊飾図SSが飾図の表示領域を通過して、次の順番の飾図が停止表示されることになる。
その一方で、演出制御用CPU31aは、今回の図柄変動ゲームが特殊飾図SSを停止表示させる図柄変動ゲームである場合、各表示領域ZR1〜ZR3のうち特殊飾図パターンが設定されている表示領域に停止表示させる飾図として特殊飾図SSを含み、且つリーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。
そして、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで指示される変動パターンから特定可能な変動内容をもとに、同じく変動パターンから特定可能な変動時間にかけて実行させる遊技演出(飾図変動ゲーム)用の画像データを選択する。また、演出制御用CPU31aは、選択した画像データをもとに飾図変動ゲームを画像表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
また、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームの開始時から表示領域ZR1〜ZR3毎に、それぞれ設定されている飾図パターンに属する飾図が、該飾図パターンにそれぞれ設定された順序にしたがって変動表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御する。なお、演出制御用CPU31aは、各表示領域ZR1〜ZR3用の飾図パターンとして特殊飾図パターンPS1〜PS4の何れかを設定すると、特別遊技演出が開始されてから終了する迄の間、常に設定した特殊飾図パターンに属する飾図を変動表示させる。したがって、特別遊技演出の対象とされた図柄変動ゲームでは、常に特殊飾図SSが変動表示されることから、該特殊飾図SSが継続的に変動表示されている状況から、遊技者が特別遊技演出の実行中であることを認識できる。
その後、飾図変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、演出制御用CPU31aは、決定した飾図を演出表示装置11に確定停止表示させて飾図変動ゲームを終了させる。そして、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶させている演出回数が0(零)である場合、演出フラグに特別遊技演出を非実行中であることを特定可能な情報を設定しクリアする。また、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶されている演出パターン情報、及び停止パターン情報を消去しクリアする。
以上のように、演出制御用CPU31aは、その事前判定の判定結果に基づいて演出パターンEP1〜EP12を決定し、図柄変動ゲームにおける飾図パターンを通常飾図パターンPNから特殊飾図パターンPS1〜PS4の何れかに変更する変更制御(第2図柄制御)を実行する図柄変更手段として機能することになる。さらに言えば、演出制御用CPU31aは、飾図パターンを変更する制御を実行することにより、結果的に各表示領域ZR1〜ZR3に表示させる図柄群に含まれる飾図を変更しているとも言える。そして、演出制御用CPU31aは、飾図パターンとして各特殊飾図パターンPS1〜PS4の何れかを設定している場合、図柄変動ゲームにおいて特殊飾図SSを導出させることになる。
次に、図8を参照して、本実施形態の遊技機における図柄変動ゲーム(飾図変動ゲーム)の具体的な実行態様の一例について説明する。
なお、図8では、はずれ変動となる直前の図柄変動ゲームの終了時点において、最先にはずれ変動と事前判定された始動保留球が、2つめにはずれ変動と事前判定された始動保留球が、3つめに大当り変動と事前判定された始動保留球が記憶されている状況を示している。そして、図8では、3つめの始動保留球の記憶を契機として特別遊技演出の実行と、演出パターンEP3及び停止パターンTP4とが決定された状況を示している。
図8(a)〜(c)に示すように、第1表示領域ZR1の飾図パターンとしては、第3特殊飾図パターンPS3が設定される。このため、演出表示装置11(画像表示部GH)では、第1表示領域ZR1において第1飾図S1→第2飾図S2→第3飾図S3→第4飾図S4→第5飾図S5→第6飾図S6→特殊飾図SS→第7飾図S7→第8飾図S8→第1飾図S1→…の順に、各飾図が変動表示される。
同様に、第2表示領域ZR2、及び第3表示領域ZR3の飾図パターンとしては、通常飾図パターンPNが設定される。このため、演出表示装置11では、各表示領域ZR2,ZR3において第1飾図S1→第2飾図S2→第3飾図S3→第4飾図S4→第5飾図S5→第6飾図S6→第7飾図S7→第8飾図S8→第1飾図S1→…の順に、各飾図が変動表示される。
そして、図8(c)に示すように、演出表示装置11では、停止パターンに1回目の図柄変動ゲームにおける特殊飾図SSの通過(非停止)が特定されていることから、第1表示領域ZR1において、特殊飾図SSがゆっくりと通過して次の順序の第6飾図S6が表示され、そのまま一旦停止表示される様子が映し出される。
次に、図8(d)に示すように、演出表示装置11では、各表示領域ZR1〜ZR3に特殊飾図SSを含まないはずれの図柄組み合わせ(ここでは[7・5・3])が一旦停止表示され、1回目の図柄変動ゲームの終了とともに確定停止表示される。
次に、図8(e)に示すように、演出表示装置11では、2回目の図柄変動ゲームにおける第1表示領域ZR1の飾図パターンとして第3特殊飾図パターンPS3が引き続き設定されることから、第1表示領域ZR1において第3特殊飾図パターンPS3に属する飾図が変動表示される。2回以上の図柄変動ゲームにまたがって特殊飾図SSが変動表示された状況から、遊技者は、特別遊技演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち、最終回の図柄変動ゲームにおいて少なくともリーチ演出が実行されることを認識できる。
また、演出表示装置11では、各表示領域ZR2,ZR3の飾図パターンとして通常飾図パターンPNが設定されることから、各表示領域ZR2,ZR3において通常飾図パターンPNに属する飾図が変動表示される。
そして、図8(f)に示すように、演出表示装置11では、停止パターンに2回目の図柄変動ゲームにおける特殊飾図SSの停止が特定されていることから、特殊飾図SSを含むはずれの図柄組み合わせ(ここでは[特殊・6・6])が一旦停止表示され、その後に確定停止表示される。特殊飾図SSを含むはずれの図柄組み合わせが導出された状況から、遊技者は、特殊飾図SSが導出されていない場合と比較して、大当り信頼度が高いことを認識できる。
図8(g)に示すように、演出表示装置11では、3回目の図柄変動ゲームにおける第1表示領域ZR1の飾図パターンとして第3特殊飾図パターンPS3が引き続き設定されることから、第1表示領域ZR1において第3特殊飾図パターンPS3に属する飾図が変動表示される。3回以上の図柄変動ゲームにまたがって特殊飾図SSが変動表示された状況から、遊技者は、大当り信頼度がさら高まっていることを認識できる。また、演出表示装置11では、各表示領域ZR2,ZR3の飾図パターンとして通常飾図パターンPNが設定されることから、各表示領域ZR2,ZR3において通常飾図パターンPNに属する飾図が変動表示される。
そして、図8(h)に示すように、演出表示装置11では、3回目(最終回)の図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組み合わせ(ここでは[7・7・7])が一旦停止表示され、その後に確定停止表示される。この状況から、遊技者は、特別遊技演出による予告内容が実現したことを認識できる。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)大当り変動となるか否かの事前判定の結果に応じて、図柄変動ゲームにおける飾図パターンが通常飾図パターンPNから特殊飾図パターンPS1〜PS4の何れかに変更される。このため、特殊飾図パターンPS1〜PS4を用いて飾図が変動表示されている間にかけて、事前判定の結果が示唆されることから、遊技者の期待感を持続させることができる。したがって、図柄変動ゲームの変動内容を事前判定して行う特別遊技演出に対する遊技者の興趣を向上できる。
(2)図柄変動ゲームにおいて特殊飾図SSが導出されることで、保留中の図柄変動ゲームに大当り変動やはずれリーチ変動となる図柄変動ゲームが含まれていることを認識できる。このため、特殊飾図パターンPS1〜PS4により図柄変動ゲームが実行される場合に、遊技者の期待感をより向上させることができる。
(3)各特殊飾図パターンPS1〜PS4において、特殊飾図SSに設定された変動表示の順序に応じて大当り信頼度が異なる。このため、図柄変動ゲームにおける特殊飾図SSの変動表示の順序、即ち特殊飾図SSが差し込まれた位置に応じて異なる期待感を遊技者に抱かせ、その興趣を向上できる。
(4)各表示領域ZR1〜ZR3のうち、特殊飾図パターンPS1〜PS4に変更された表示領域に応じて大当り信頼度が異なる。このため、特殊飾図パターンPS1〜PS4に変更された場合に、飾図の表示領域に応じて異なる期待感を遊技者に抱かせ、その興趣を向上できる。
(5)複数回の図柄変動ゲームにわたって特殊飾図パターンPS1〜PS4に変更され得ることから、さらに遊技者の期待感を持続させ、興趣を向上できる。
(6)大当り変動やはずれリーチ変動となるか否かの事前判定の判定結果に応じて飾図パターンが設定され、図柄群が変更される。このため、変更後の飾図パターン(図柄群)を用いて飾図が変動表示されている間にかけて、事前判定の結果が示唆されることから、遊技者の期待感を持続させることができる。したがって、図柄変動ゲームの変動内容を事前判定して行う特別遊技演出に対する遊技者の興趣を向上できる。
(7)図柄変動ゲームにおいて特殊飾図SSが導出されることで、保留中の図柄変動ゲームに大当り変動やはずれリーチ変動となる図柄変動ゲームが含まれていることを認識できる。このため、変更後の飾図パターンにより図柄変動ゲームが実行される場合に、遊技者の期待感をより向上させることができる。
(8)はずれ変動の変動パターンが決定された場合に、ガセの特別遊技演出を実行するようにした。したがって、特殊飾図SSが変動表示される頻度を高め、遊技者の期待感を高めることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・ 各特殊飾図パターンPS1〜PS4は、通常飾図パターンPNに含まれる飾図S1〜S8のうち1または複数の飾図が特殊飾図SSに置換されているとともに、該特殊飾図SSに置換された飾図が相互に異なる飾図パターンとしてもよい。また、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドに基づく事前判定の結果に応じて飾図パターンを特殊飾図パターンに変更することにより、図柄群に含まれる飾図を特殊飾図SSに置換した図柄群とする制御(第1図柄制御)を実行する。そして、演出制御用CPU31aは、通常飾図パターンPNに含まれる飾図S1〜S8のうち、特殊飾図SSに置換された飾図に応じて大当り信頼度を異ならせるように飾図パターンを変更する。この構成によれば、通常飾図パターンPNに含まれる飾図S1〜S8のうち特殊飾図SSに置換された飾図に応じて大当り信頼度が異なる。このため特殊飾図SSに置換された飾図に応じて異なる期待感を遊技者に抱かせ、その興趣を向上できる。また、この場合において、特殊飾図パターンPS1〜PS4は、通常飾図パターンPNに含まれる飾図のうち非特定図柄のみが置換されていてもよい。これによれば、特殊飾図SSの個数が増加するにつれて非特定図柄の個数が減少することから、遊技者が感じる見た目上の大当りZAへの期待度を高めることができる。
・ 特別遊技演出は、各表示領域ZR1〜ZR3のうち複数である一部または全部について、飾図パターンを通常飾図パターンPNから特殊飾図パターンに変更して実行してもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、特殊飾図パターンに変更された表示領域の個数が多いほど大当り信頼度が高くなるように飾図パターンを変更してもよい。
・ 特殊飾図パターンの個数は、1〜3つであってもよく、4つ以上であってもよい。
・ 各特殊飾図パターンPS1〜PS4において、特殊飾図SSを追加する(差し込む)位置、即ち特殊飾図SSに設定した順序を変更してもよい。
・ 特殊飾図パターンPS1〜PS4は、複数の特殊飾図SSが追加された(差し込まれた)飾図パターンを含んでいてもよい。この場合、演出制御用CPU31aは、特殊飾図SSが追加された個数に応じて大当り信頼度が異なるように飾図パターンを変更してもよい。
・ また、特殊飾図パターンには、通常飾図パターンPNに含まれる飾図S1〜S8のうち1または複数の飾図が特殊飾図SSに置換された飾図パターンと、通常飾図パターンPNに含まれる飾図S1〜S8に1または複数の特殊飾図SSを追加した飾図パターンとを含んでいてもよい。この構成によれば、特別遊技演出において、飾図S1〜S8のうち1又は複数の飾図が特殊飾図SSに置換される状況や、1又は複数の特殊飾図SSが追加される状況を作り出し、特別遊技演出の実行態様にバリエーションを持たせることができる。また、演出制御用CPU31aは、飾図S1〜S8が置換された場合と、特殊飾図SSが追加された場合とで、大当り信頼度が異なるように飾図パターンを変更してもよい。
・ 特別遊技演出は、事前判定コマンドで特定される保留記憶数より少ない回数の図柄変動ゲームを対象として実行してもよい。
・ 特別遊技演出では、特殊飾図SSを各表示領域ZR1〜ZR3に停止表示させなくてもよい。このような構成であっても、特殊飾図SSが変動表示されている状況から遊技者に特別遊技演出の実行中であることを認識させ、興趣を向上させることができる。
・ 演出制御用CPU31aは、大当り変動を示す事前判定コマンドE1Hが指定された場合に、特殊飾図SSを停止表示させる停止パターンを決定する一方で、はずれとなる事前判定コマンドE2H,E3Hが指定された場合に、特殊飾図SSを停止表示させない停止パターンを決定してもよい。これによれば、特殊飾図SSが停止表示された場合には、特別遊技演出の対象とされた図柄変動ゲームのうち最終回の図柄変動ゲームが大当り変動となることを確定的に認識できる。したがって、特別遊技演出に対する遊技者の興趣をより高めることができる。
・ 特別遊技演出は、大当り変動となった場合に大当りZAとなるか否かを報知する遊技演出であってもよい。この場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理において大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致することに加えて、特図振分用乱数の値に基づいた事前判定コマンドを出力するようにする。そして、演出制御用CPU31aは、事前判定コマンドの値から大当り変動となるか否かに加えて、大当り変動となる場合の特図の種類(大当りの種類)を事前判定するとともに、該事前判定の結果に応じて飾図パターンを変更するとよい。
・ 各飾図S1〜S8や、特殊飾図SSは、異なる態様の図柄に変更してもよい。例えば、各飾図S1〜S8,SSは、所定のキャラクタや風景を模した図柄であってもよい。
・ 特別遊技演出は、飾図パターンの変更に加えて、各種のキャラクタを模した画像を演出表示装置11に表示する表示演出や、所定の楽曲や効果音をスピーカから出力する音声演出、及びLEDなどの発光体による発光演出のうち1種類以上の遊技演出を組み合わせて実行してもよい。
・ 演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドの入力を契機(図柄変動ゲームの開始時)に、演出制御用RAM31cに記憶されている事前判定コマンドを参照し、保留中の図柄変動ゲームが大当り変動やはずれリーチ変動となるかの事前判定を実行してもよい。そして、演出制御用CPU31aは、この事前判定の判定結果に応じて飾図パターンを変更して特別遊技演出を実行させるとよい。即ち、演出制御用CPU31aは、各始動入賞口14,15に遊技球が入球してから実行条件が成立する迄の間に事前判定を行えばよい。
・ 主制御用RAM30cに記憶する保留情報(大当り判定用乱数及び特図振分用乱数といった各種乱数の値など保留中の図柄変動ゲームを示す情報)は、主制御用RAM30cに記憶された順番とともに、最先に記憶された保留情報が何れであるかを特定可能に記憶されておればよい。例えば、主制御用RAM30cへの保留情報の記憶の手法としては、保留情報用の記憶領域において、空いている記憶領域の前から順に保留情報を記憶していくとともに、最先に保留情報を記憶した記憶領域を指示する記憶情報を主制御用RAM30cに記憶する。そして、図柄変動ゲームの開始時には、主制御用RAM30cに記憶されている記憶情報で指示される記憶領域から保留情報を読み出すとともに、その記憶領域の記憶内容を消去する。その後、次に早く保留情報を記憶した記憶領域を指示する記憶情報を主制御用RAM30cに記憶するといった手法がある。なお、演出制御用RAM31cにおける事前判定コマンドの記憶についても同様に変更できる。
・ 大当りの種類を変更してもよい。例えば、確変規定回数と変短規定回数とを異ならせた大当りや、大当り遊技の終了後に確変状態を付与しない非確変大当りを設けてもよい。また、大当りに伴って生起される大当り遊技の内容を変更してもよい。ここで、大当り遊技の内容とは、ラウンド規定時間、ラウンド規定回数、並びに各ラウンド遊技における大入賞口21の開放時間、開放回数、及び閉鎖時間などである。
・ 第1始動入賞口14への遊技球の入球検知を契機に第1特図変動ゲームを実行する一方で、第2始動入賞口15への遊技球の入球検知を契機に第2特図変動ゲームを行ってもよい。この場合には、第2特図変動ゲームを第1特図変動ゲームに優先して実行してもよく、第1始動入賞口14、及び第2始動入賞口15への入球順に各特図変動ゲームを実行してもよい。
・ 主制御用CPU30aは、特図指定コマンドに代えて、当りの種類を特定可能な制御コマンドを出力してもよい。なお、この制御コマンドは、当りの種類毎に設定されたコマンドであって、特図の種類は特定できない。また、当りの種類毎に変動パターンを設定した場合には、演出制御用CPU31aが変動パターン指定コマンドをもとに当りの種類を把握するようにしてもよい。
・ 演出制御基板31をサブ統括制御基板とし、演出制御基板31とは別に演出表示装置11を専門に制御する表示制御基板を設けてもよい。
・ 本発明は、特図のみを用いる遊技機に具体化してもよい。この場合、演出表示装置11には特図を表示するとよい。
以下、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)前記図柄変更手段は、前記事前判定手段の判定結果に応じて前記第1図柄制御及び前記第2図柄制御のうち少なくとも一方を実行することにより、前記特定の図柄に設定された順序に応じて前記事前判定手段の判定結果が肯定である可能性の高低を示す期待度を異ならせることが好ましい。
(ロ)前記図柄変更手段は、前記事前判定手段が事前判定したときに前記記憶手段に記憶されている保留情報の個数分の図柄変動ゲームにわたって前記第1図柄制御及び前記第2図柄制御のうち少なくとも一方を実行することが好ましい。