JP6177545B2 - 化粧料の充填装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載された充填装置は、挿入孔(充填孔)に当接するインジェクション(ノズル)と、吸引装置(吸引ヘッド)とを備え、インジェクションに化粧材(化粧料)を吐出させることによって、化粧材を容器に充填している。
そこで、特許文献1に記載された充填装置では、容器の挿入孔を化粧料の吐出方向に対して傾斜するように形成することによって、ノズルから吐出された化粧料の流れを変えて化粧料が正面から吸引ヘッドに衝突してしまうことのないようにしている。また、特許文献2に記載された容器や特許文献3に記載された中皿(容器)においても特許文献1に記載された容器と同様に充填孔の形状を特殊な形状に加工することによって、ノズルから吐出された化粧料の流れを変えている。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る化粧料の充填装置の概略構成を示す模式図である。
充填装置1は、図1に示すように、スラリー状の化粧料Cを皿状の容器としての化粧皿10の底面に形成された充填孔10Aを介して化粧皿10に充填するバック充填によって、化粧料Cを充填する装置である。
ここで、スラリー状の化粧料とは、ファンデーション、フェイスパウダー、アイシャドウなどの固形粉末化粧料の化粧料基材と、エタノール、水、流動パラフィン、イソパラフィン、イソプロピルアルコールなどの揮発性溶剤とを混合した流動物である。
なお、吸引ヘッド3は、吸収シート4を介して化粧料Cの揮発性溶剤を吸引する。
ポンプ22およびノズル23は、チューブを介して互いに接続されている。なお、チューブは、パイプなどの硬質なものであってもよく、ホースなどの軟質なものであってもよい。
吸引ヘッド3は、図2に示すように、化粧皿10の底面と同一形状の上面および下面を有する矩形板状に形成されている。この吸引ヘッド3は、下面に形成された傾斜部5を備えている。
充填装置1は、メモリ等に記憶された所定のプログラムに従って、図3に示すように、ステップS1〜S3を実行することによって、化粧皿10に化粧料Cを充填する。
以下、ステップS1〜S3の詳細について、図面を参照して説明する。
まず、充填装置1は、図4に示すように、化粧料Cの充填を開始する(S1:充填ステップ)。
具体的には、化粧料Cの充填を開始する前に、充填装置1は、吸引ヘッド3を下降させることによって、化粧皿10の表面の開口を閉塞させる(図4下向矢印)。また、充填装置1は、ノズル23を充填孔10Aの中程まで嵌め込む(図4上向矢印)。これによって、化粧皿10は、密閉された空間として形成される。そして、充填装置1は、ポンプ22に化粧料Cを吐出させることによって、ノズル23を介して化粧料Cを化粧皿10に充填する。
なお、図4では、化粧皿10に充填された化粧料Cを斜線の領域で示している。以下の図においても同様である。
具体的には、傾斜部5は、化粧皿10の底面に近づくに従って、化粧料Cの流路に近接していくように形成された2つの傾斜面51,52を有しているので(図2参照)、ノズル23から吐出された化粧料Cは、2つの傾斜面51,52のそれぞれに沿って2つの方向(図4左右方向矢印)に分散して流れていくことになる。
次に、図5に示すように、所定の量目の化粧料Cが化粧皿10に充填されると、充填装置1は、化粧料Cの充填満了を検知する(S2:検知ステップ)。具体的には、充填装置1は、化粧皿10に充填された化粧料Cの圧力に基づいて、所定の量目の化粧料Cが化粧皿10に充填されたか否かを検知することができる。
そして、充填装置1は、化粧料Cの充填満了を検知した場合に、ポンプ22に化粧料Cの吐出を停止させることによって、化粧料Cの充填を停止する(S3:停止ステップ)。
充填装置1は、化粧料Cの充填を停止した後、図6に示すように、吸引ヘッド3を上昇させるとともに(図6上向矢印)、ノズル23を化粧皿10の充填孔10Aから引き抜く(図6下向矢印)。
ここで、傾斜部5は、化粧皿10の充填孔10Aに向かって突出するように形成されているので、吸引ヘッド3を上昇させると、化粧皿10に充填された化粧料Cの表面には、窪むようにして傾斜部5の跡が残ることになる。
そこで、本実施形態では、図7に示すように、プレスヘッド20を下降させて化粧皿10に充填された化粧料Cに対してプレス処理を施すなどの後処理を行うことによって、化粧料Cの表面を均している。
なお、傾斜部5の跡を立体的な模様として利用することができるような場合には、化粧料Cの表面は均さなくてもよい。
(1)充填装置1は、化粧料Cの流路上に位置する吸引ヘッド3の所定の領域に形成されるとともに、化粧料Cの吐出方向に対して傾斜する傾斜部5を備えるので、ノズル23から吐出された化粧料Cは、吸引ヘッド3に形成された傾斜部5に向かって流れていくことになる。そして、傾斜部5は、自己の傾斜に沿ってノズル23から吐出された化粧料Cの流れを変えることができる。したがって、本実施形態の充填装置1によれば、充填孔10Aの形状を特殊な形状に加工することなく、化粧料Cの表面に色むらやフローマークなどを生じにくくすることができ、化粧料Cの外観不良を抑制することができる。
(3)ノズル23から吐出された化粧料Cは、2つの傾斜面51,52のそれぞれに沿って2つの方向に分散して流れていくことになるので、1つの方向に集中して流れていく場合と比較して、化粧料Cが傾斜部5に衝突したときの力を更に小さくすることができる。したがって、本実施形態の充填装置1によれば、化粧料Cの表面に色むらやフローマークなどを更に生じにくくすることができ、化粧料Cの外観不良を更に抑制することができる。
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る吸引ヘッド3Aと、化粧皿10との関係を示す拡大図である。
前記第1実施形態では、吸引ヘッド3は、下面に形成された傾斜部5を備え、この傾斜部5は、2つの傾斜面51,52を有していた。
これに対して、本実施形態では、吸引ヘッド3Aは、図8に示すように、下面に形成された円錐状の傾斜部5Aを備えている点で異なる。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
(4)ノズル23から吐出された化粧料Cは、円錘状に形成された傾斜部5Aの側面に沿って複数の方向に分散して流れていくことになるので、1つの方向に集中して流れていく場合と比較して、化粧料Cが傾斜部5Aに衝突したときの力を更に小さくすることができる。したがって、本実施形態の充填装置1によれば、化粧料Cの表面に色むらやフローマークなどを更に生じにくくすることができ、化粧料Cの外観不良を更に抑制することができる。
以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
図9は、本発明の第3実施形態に係る化粧料Cの充填を開始した状態を示す模式図である。図10は、所定の量目の化粧料Cを化粧皿10に充填した状態を示す模式図である。
前記第1実施形態では、吸引ヘッド3は、下面に形成された傾斜部5を備え、この傾斜部5の形状は、化粧料Cの充填を開始したときと、化粧料Cの充填を満了したときとで同じであった。
これに対して、本実施形態では、吸引ヘッド3Bは、図9および図10に示すように、下面に形成された傾斜部5Bを備え、この傾斜部5Bの形状は、化粧料Cの充填を開始したときと(図9参照)、化粧料Cの充填を満了したときと(図10参照)で相違している点で異なる。
以下、本実施形態の充填装置1にて化粧皿10に化粧料Cを充填する方法について、図9および図10に加え、図3のフローチャートを参照して説明する。
ここで、傾斜部5Bは、ノズル23から吐出された化粧料Cの流路上に位置する吸引ヘッド3Bの所定の領域に形成されるとともに、化粧料Cの吐出方向に対して傾斜している。したがって、傾斜部5Bは、自己の傾斜に沿ってノズル23から吐出された化粧料Cの流れを変えることができる。
なお、本実施形態では、傾斜部5Bをウレタン製とすることによって、このような変形を可能にする構造としているが、バネなどの他の弾性体を利用してもよい。
そして、充填装置1は、化粧料Cの充填満了を検知した場合に、ポンプ22に化粧料Cの吐出を停止させることによって、化粧料Cの充填を停止する(S3:停止ステップ)。
(5)化粧料Cの充填を満了したときには、傾斜部5Bは、化粧料Cの吐出方向に対して直交するように変形しているので、充填後の化粧料Cの表面には傾斜部5Bの痕跡が残りにくくなる。したがって、本実施形態の充填装置1によれば、化粧料Cの外観不良を更に抑制することができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、容器は、一体的に構成された化粧皿10としていたが、底面部と、枠状の側面部とを組み合わせることによって、皿状の容器を構成してもよい。要するに、容器は、皿状であればよい。
2 充填機
3,3A,3B 吸引ヘッド(閉塞部)
4 吸収シート(閉塞部)
5,5A,5B 傾斜部
10 化粧皿
10A 充填孔
20 プレスヘッド
21 貯留槽
22 ポンプ
23 ノズル
51,52 傾斜面
C 化粧料
S1 充填ステップ
S2 検知ステップ
S3 停止ステップ
Claims (5)
- スラリー状の化粧料を皿状の容器の底面に形成された充填孔を介して前記容器に充填する化粧料の充填装置であって、
前記充填孔に当接するとともに、前記化粧料を前記容器に吐出するノズルと、
前記容器の表面の開口を閉塞することによって、前記容器内を密閉された空間として形成する閉塞部と、
前記ノズルから吐出された前記化粧料の流路上に位置する前記閉塞部の所定の領域に形成されるとともに、前記化粧料の吐出方向に対して傾斜する傾斜部とを備え、
前記傾斜部は、前記容器の底面に近づくに従って、前記化粧料の流路に近接していくように形成されることを特徴とする化粧料の充填装置。 - 請求項1に記載された化粧料の充填装置において、
前記閉塞部は、
前記容器の表面の開口を閉塞するとともに、前記化粧料に含まれる溶剤を吸引して除去する吸引ヘッドを備え、
前記傾斜部は、前記吸引ヘッドに形成されることを特徴とする化粧料の充填装置。 - 請求項2に記載された化粧料の充填装置において、
前記傾斜部は、
前記ノズルから吐出された前記化粧料の流路上に形成された複数の傾斜面を有し、
前記複数の傾斜面のそれぞれは、前記容器の底面に近づくに従って、前記化粧料の流路に近接していくように形成されることを特徴とする化粧料の充填装置。 - 請求項2に記載された化粧料の充填装置において、
前記傾斜部は、前記ノズルから吐出された前記化粧料の流路上に頂点を有する錐状に形成されるとともに、前記化粧料の吐出方向に対して対向するように突出して形成されることを特徴とする化粧料の充填装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載された化粧料の充填装置において、
前記傾斜部は、前記容器内に充填された前記化粧料の増加に伴って、前記化粧料の吐出方向に対して直交するように徐々に変形していくことを特徴とする化粧料の充填装置。
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