JP6177012B2 - インピーダンス整合装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波電源と負荷とのインピーダンス整合を行うインピーダンス整合装置に関するものである。
高周波電源からプラズマ処理装置に高周波電力を供給してプラズマ処理装置内にプラズマを発生させ、そのプラズマによって半導体ウェハの薄膜形成やエッチング処理などを行うプラズマ処理システムが知られている。プラズマ処理システムでは、プラズマ処理中に高周波電源からプラズマ処理装置に効率良く高周波電力を供給するため、高周波電源とプラズマ処理装置との間に高周波電源とプラズマ処理装置とのインピーダンス整合を行うインピーダンス整合装置が設けられている。
プラズマ処理システムでは、プラズマ処理装置の入力ポートにおける高周波電圧のピークトゥピーク値Vpp(peak to peak value)(以下、「p−p値」という。)が半導体製造プロセスの指標の一つとして使用される。プラズマ処理装置の入力ポートはインピーダンス整合装置の出力ポートに直結されるため、プラズマ処理システムに用いられるインピーダンス整合装置の出力ポートには当該出力ポートからプラズマ処理装置に出力される高周波電圧voutのp−p値Vppを検出するVpp検出器を設けたものがある。
例えば、特開2008−300322号公報には、図6に示すインピーダンス整合装置が示されている。
同図に示すインピーダンス整合装置100は、1個のインダクタLと2個の可変コンデンサC1,C2をT字型に接続したT型回路101aがインピーダンス整合回路として内蔵され、可変コンデンサC2と出力端子RF−OUTとの間にVpp検出器101bとVdc検出器101cが設けられている。Vdc検出器101cは、高周波電圧voutの直流バイアスVdcを検出するデバイスである。Vpp検出器101bで検出される出力端子RF−OUTの高周波電圧voutのp−p値Vppは、出力端子RF−OUTに直結されるプラズマ処理装置での放電開始時の着火とプラズマ処理中のインピーダンス整合動作を制御するコントローラ101dに入力される。コントローラ101dは、放電開始時の着火補助動作としてVpp検出器101bから入力されるp−p値Vppをモニタしながら、当該p−p値Vppを増大させるように可変コンデンサC1,C2の各値を増減させる制御を行う。
また、特開2004−85446号公報には、インピーダンス整合装置の出力ポートに当該出力ポートにおける高周波電圧、高周波電流及び高周波電圧と高周波電流の位相差を検出する高周波検出器を設け、その検出値を用いてプラズマ処理装置における異常電圧の発生等の異常検出やプラズマ処理装置に供給される高周波電力、ガス流量、ガス圧等のプロセスパラメータの制御を行うことが記載されている。高周波検出器では、高周波電圧の瞬時値が検出されるので、高周波電圧のp−p値Vppを検出する機能を果たしている。
特開2008−300322号公報 特開2004−85446号公報
従来のインピーダンス整合装置は、出力ポートに高周波電圧voutのp−p値Vppを直接検出するVpp検出器や高周波検出器を設けているので、
(1)装置内の出力ポート周辺の構造が複雑になる
(2)インピーダンス整合装置の小型化の障害となる
(3)高周波電圧voutのp−p値Vppを検出するために、Vpp検出器以外の回路しくは高周波検出器以外の回路も必要になり、コストダウンの障害となる
(4)Vpp検出器の調整や検査をする必要がある
等の問題がある。
本発明は、Vpp検出器を設けることなく負荷に出力される高周波電圧のp−p値を検出することができるインピーダンス整合装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明によって提供されるインピーダンス整合装置は、高周波電源と負荷との間に設けられ、インピーダンス可変回路のインピーダンス値を変化させることにより、前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンス整合を行うインピーダンス整合装置であって、前記インピーダンス整合装置のTパラメータに関する情報が予め前記インピーダンス可変回路の可変値毎に取得され、各Tパラメータに関する情報が前記インピーダンス可変回路の可変値に関する情報に対応付けて記憶されたTパラメータ記憶手段と、前記インピーダンス整合装置の前記高周波電源が接続される入力ポートにおける進行波電圧と反射波電圧を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された進行波電圧及び反射波電圧と、前記Tパラメータ記憶手段に記憶された、前記進行波電圧及び反射波電圧の検出時に設定されている前記インピーダンス可変回路の可変値に対応するTパラメータに関する情報とを用いて、前記インピーダンス整合装置の前記負荷が接続される出力ポートにおける高周波電圧のp−p値を算出するp−p値算出手段と、前記検出手段で検出された進行波電圧及び反射波電圧と、前記Tパラメータ記憶手段に記憶された、前記進行波電圧及び反射波電圧の検出時に設定されている前記インピーダンス可変回路の可変値に対応するTパラメータに関する情報とを用いて、前記インピーダンス整合装置の前記負荷が接続される出力ポートにおける進行波電圧と反射波電圧を算出する出力側電圧算出手段と、前記出力側電圧算出手段で算出される前記出力ポートにおける進行波電圧及び反射波電圧と、前記Tパラメータ記憶手段に記憶された全てのTパラメータに関する情報とを用いて、前記インピーダンス可変回路を各Tパラメータに関する情報に対応する可変値に調整したと仮定した場合の前記インピーダンス整合装置の入力ポートにおける進行波電圧と反射波電圧の推定値を算出し、更にその進行波電圧及び反射波電圧を用いて入力ポートにおける入力側反射係数を算出する入力側反射係数算出手段と、前記入力側反射係数算出手段で算出された複数の入力側反射係数のうち、予め設定された目標値に最も近い入力側反射係数を抽出し、その入力側反射係数に対応する前記インピーダンス可変回路の可変値に関する情報をインピーダンス整合の調整値として特定するインピーダンス調整値特定手段と、前記p−p値算出手段によって算出された前記p−p値が閾値以下である場合に、前記インピーダンス調整値特定手段により特定された前記インピーダンス可変回路の可変値に関する情報に基づいて、前記インピーダンス可変回路のインピーダンス値を調整するインピーダンス調整手段と、を備えたことを特徴とする(請求項1)。
好ましい実施の形態によれば、前記p−p値算出手段は、前記進行波電圧及び反射波電圧の検出時に設定されている前記インピーダンス可変回路の可変値に対応するTパラメータをT11(i),T12(i),T21(i),T22(i)(iは、進行波電圧及び反射波電圧の検出時に設定されているインピーダンス可変回路の調整位置の番号。)、前記入力ポートにおける進行波電圧と反射波電圧をそれぞれvfin、vrin、前記出力ポートにおける高周波電圧voutのp−p値をVppとすると、
pp=2・|[T11(i)+T21(i)]・vfin+[T12(i)+T22(i)]・vrin
を演算することにより、前記出力ポートにおける高周波電圧のp−p値Vppを算出する(請求項2)。
更に好ましい実施の形態によれば、前記p−p値算出手段により算出される前記出力ポートにおける高周波電圧のp−p値に基づいて、前記負荷に異常が発生したことを検出する異常検出手段と、前記異常検出手段により前記異常の発生が検出されると、予め設定された安全処理を行う安全処理手段と、を更に備える(請求項3)。
更に好ましい実施の形態によれば、前前記Tパラメータ記憶手段に記憶されたTパラメータに関する情報は、実測した前記インピーダンス整合装置のSパラメータを所定の変換式によりTパラメータに変換したデータ、若しくは、実測した前記インピーダンス整合装置のSパラメータのデータと、前記Sパラメータの実測値をTパラメータに変換する変換プログラムのデータである(請求項4,5)。
更に好ましい実施の形態によれば、前記負荷は、前記インピーダンス整合装置の出力ポートに直結されるプラズマ処理装置である(請求項)。
本発明によれば、インピーダンス可変回路の可変値毎にインピーダンス整合装置のTパラメータに関する情報(Tパラメータ若しくはSパラメータとそのSパラメータをTパラメータに変換する変換プログラム等のデータ)を予め取得しておき、例えば、所定の周期でインピーダンス整合動作を行う場合、各インピーダンス整合動作時にインピーダンス整合装置の入力ポートにおける進行波電圧vfinと反射波電圧vrinを検出し、両検出値vfin,vrinと検出時にインピーダンス可変回路に設定されている可変値に対応するTパラメータT11(i),T12(i),T21(i),T22(i)を用いて、2・|[T11(i)+T21(i)]・vfin+[T12(i)+T22(i)]・vrin|の演算を行うことにより、出力ポートにおける高周波電圧のp−p値Vppが算出される。
本発明によれば、出力ポートにおける高周波電圧のp−p値Vppを検出するためのVpp検出用の回路を必要としないので、インピーダンス整合装置のコンパクト化と低コスト化が可能になる。また、Vpp検出用の回路を設けた場合の調整作業や調整用の設備が不要になるので、調整工程に要する時間やコストを削減することができる。
また、Tパラメータは、インピーダンス整合装置内部における部品とケース間の浮遊容量や配線のインダクタンス成分等を含んだ整合回路の伝送特性を示すものであるから、その浮遊容量やインダクタンス成分等のインピーダンス整合への影響を抑制することができるが、インピーダンス整合装置内にインピーダンス整合動作に直接関係しないVpp検出用の回路が含まれないので、より正確にかつ高い精度でインピーダンス整合を行うことができる。
本発明に係るインピーダンス整合装置が適用されるプラズマ処理システムの構成を示す図である。 4端子回路網のTパラメータを説明するための図である。 Tパラメータに関する情報を記憶する不揮発メモリの記憶領域のイメージ図である。 出力ポートの高周波電圧のp−p値を検出するときの処理手順を示すフローチャートである。 インピーダンス整合装置のインピーダンス整合動作と出力ポートの高周波電圧のp−p値の検出動作の処理手順を示すフローチャートである。 従来のVpp検出器を内蔵したインピーダンス整合装置の一例を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係るインピーダンス整合装置が適用されるプラズマ処理システムの構成を示す図である。
図1に示すプラズマ処理システム1は、本発明に係るインピーダンス整合装置2、高周波電源3及びプラズマ処理装置4を含む。高周波電源3は、伝送ケーブル5(例えば、特性インピーダンスZoが50[Ω]の同軸ケーブル等)によってインピーダンス整合装置2の入力ポートP1に接続され、プラズマ処理装置4は、インピーダンス整合装置2の出力ポートP2に直結されている。
プラズマ処理装置4は、例えば、フッ素系のガスと半導体ウェハや液晶基板等の被加工物をチャンバー内に封入し、そのチャンバー内に高周波電力を供給してプラズマを発生させ、そのプラズマを用いて被加工物に薄膜形成処理やエッチング処理を行う装置である。図示は省略しているが、プラズマ処理装置4は、ガスや被加工物を封入する密閉可能なチャンバーと、チャンバー内のガス圧を調整する減圧ポンプと、供給された高周波電力を放電させる一対の電極を備える。
高周波電源3は、プラズマ処理装置4に所定の高周波(プラズマ処理システムで規定されている2.00[MHz]、13.56[MHz]、40.00[MHz]等の高周波)の電力を供給する装置である。プラズマ処理システム1では、プラズマ処理における高周波電源3の出力電力のプロファイルが予め設定される。高周波電源3は、プラズマ処理を開始すると、予め設定されたプロファイルに基づいて生成した高周波電力をプラズマ処理装置4に出力する。
図示は省略しているが、高周波電源3は、内部に高周波信号(電圧信号)を発生する高周波信号発生回路と、高周波信号発生回路で発生した高周波信号を増幅するD級アンプ等のパワーアンプと、このパワーアンプに直流電源を供給するDC−DCコンバータとを備える。高周波電源3は、予め設定されたプロファイルに基づきパワーアンプに供給する直流電源の電圧を制御することによってパワーアンプから出力される高周波電力を制御する。
プラズマ処理装置4は、プラズマ処理中に被加工物の状態が変化するのに応じて一対の電極間の通電状態が変化するため、インピーダンス整合装置2の出力ポートP2からプラズマ処理装置4側を見たインピーダンスZL=RL+j・XL[Ω](以下、「負荷インピーダンスZL」という。)が変化する。インピーダンス整合装置2は、プラズマ処理中に所定の周期で高周波電源3とプラズマ処理装置4とのインピーダンス整合動作を行い、プラズマ処理装置4のインピーダンス変動の影響を受けることなく高周波電源3から出力される高周波電力がプラズマ処理装置4に効率良く供給されるようにする。
インピーダンス整合装置2は、例えば、特開2003−302431号公報や特許第4975291号に記載されたインピーダンス整合方法により高周波電源3とプラズマ処理装置4とのインピーダンス整合動作を行う。
特開2003−302431号公報に記載のインピーダンス整合方法は、所定の周期でインピーダンス整合装置2の入力ポートP1における反射係数Γin(以下、「入力側反射係数Γin」という。)を検出し、その検出値Γinが予め設定された閾値Γth(例えば、Γth=0.1等)以下となるように、インピーダンス整合装置2内の可変キャパシタVC1と可変キャパシタVC2の容量値を変化させる方法である。
可変キャパシタVC1の容量値の可変数をN、可変キャパシタVC2の容量値の可変数をMとすると、インピーダンス整合装置2には、インピーダンス整合のための調整点P(s)(sは、各調整点に付された番号。s=1,2,…N×M。以下、「インピーダンス調整点P(s)」という。)として、2つの可変キャパシタVC1,VC2の可変容量値の組み合わせによる(N×M)個のインピーダンス調整点P(s)が設けられている。なお、可変キャパシタVC1の容量値の可変数Nと可変キャパシタVC2の容量値の可変数Mは、同一でも良く、異なっていてもよい。
特許第4975291号に記載のインピーダンス整合方法は、全てのインピーダンス調整点P(s)について、インピーダンス整合装置2を各インピーダンス調整点P(s)に調整したときのTパラメータT11(s),T12(s),T21(s),T22(s)((s)は、インピーダンス整合装置2をインピーダンス調整点P(s)に調整したときの値であることを示す。以下、同じ。)を予め取得しておき、以下の(1)〜(4)の手順を所定の周期で繰り返してインピーダンス整合を行う方法である。
なお、本実施形態では、インピーダンス整合装置2の入力ポートP1では、高周波電源3からインピーダンス整合装置2側に進行する電圧とインピーダンス整合装置2から高周波電源3側に進行する電圧をそれぞれ「進行波電圧vfin」、「反射波電圧vrin」と表記し、インピーダンス整合装置2の出力ポートP2では、インピーダンス整合装置2からプラズマ処理装置4側に進行する電圧とプラズマ処理装置4からインピーダンス整合装置2側に進行する電圧をそれぞれ「進行波電圧vfout」、「反射波電圧vrout」と表記する。
(1)インピーダンス整合装置2の入力ポートP1における進行波電圧vfinと反射波電圧vrinを検出する。
(2)両検出値vfin,vrinと検出時のインピーダンス整合装置2のインピーダンス調整点P(i)のTパラメータT11(i),T12(i),T21(i),T22(i)を用いてインピーダンス整合装置2の出力ポートP2における進行波電圧vfoutと反射波電圧vroutを求める。
(3)求めた進行波電圧vfout及び波電圧vroutと全てのTパラメータT11(s),T12(s),T21(s),T22(s)(s=1,2,…N×M)、を用いて、インピーダンス整合装置2を各インピーダンス調整点P(s)に調整したと仮定した場合の入力ポートP1における進行波電圧vfin(s)と反射波電圧vrin(s)の推定値を算出し、更に反射係数Γin(s)=vrin(s)/vfin(s)を算出する。
(4)算出した全ての反射係数Γin(s)のうち、最小の反射係数Γin(j)を抽出し、その反射係数Γin(j)に対応するインピーダンス調整点P(j)をインピーダンス整合点としてインピーダンス整合装置2をインピーダンス調整点P(j)に調整する。
また、インピーダンス整合装置2は、プラズマ処理中に所定の周期で出力ポートP2における高周波電圧vout(進行波電圧vfoutと反射波電圧vroutを合成した電圧)のp−p値Vppを算出する機能を有する。このp−p値Vppは、図1では図示されていないプラズマ処理システムを監視する監視装置に出力され、プラズマ処理が繰り返される毎に、例えば、プラズマ処理システムの運転状態の監視や、異常発生の検出や、プラズマ処理の結果予測に利用される。例えば、監視装置は、p−p値Vppを予め設定された閾値Vppthと比較し、p−p値Vppが閾値Vppthを超える値に上昇すると、異常発生と判断し、メッセージ表示やアラーム音等による異常報知をしたり、高周波電源3に停止信号を出力して高周波電力の出力を停止させたりする。
インピーダンス整合装置2には、方向性結合器201と、2個の可変キャパシタVC1,VC2と1個のインダクタL1を含むインピーダンス整合回路202と、可変キャパシタVC1,VC2の各容量値を制御してインピーダンス整合動作を行う制御部203と、制御部203がインピーダンス整合動作をするために必要な可変キャパシタVC1,VC2の可変値若しくは可変位置等のデータやインピーダンス整合装置2のTパラメータに関するデータを記憶する不揮発メモリ204とが設けられている。
不揮発メモリ204としては、EEPROMが用いられるが、EEPROMに限られるものではなく、フラッシュメモリ等の他の不揮発性メモリを用いてもよい。また、本実施形態では、制御部203内に不揮発メモリ204を設けた構成にしているが、不揮発メモリ204を制御部203の外部に設けた構成でもよい。
インピーダンス整合回路202は、可変キャパシタVC2とインダクタL1を直列に接続した回路と可変キャパシタVC1とのL型回路である。インダクタL1のインダクタンス値は固定である。可変キャパシタVC1,VC2は、互いに対向している一対の電極の一方が可動電極で構成され、モータにより可動電極を回転させて電極対向面積を変化させるタイプのバリアブルコンデンサである。
可変キャパシタVC1には、可動電極を回転させるためのモータM1と可動電極の回転位置を検出するための位置検出センサPS1が設けられている。位置検出センサPS1の検出信号は制御部203に入力され、モータM1には制御部203から駆動信号(例えば、駆動電圧)が入力される。制御部203は、位置検出センサPS1の検出信号に基づいて可動電極の回転位置を検出しながらモータM1の駆動を制御し、これにより可変キャパシタVC1の容量値を予め設定されたN個の可変容量値の中の任意の容量値に制御する。
可変キャパシタVC2にも可変キャパシタVC1と同様に、可動電極を回転させるためのモータM2と可動電極の回転位置を検出するための位置検出センサPS2が設けられている。制御部203は、位置検出センサPS2の検出信号に基づいて可動電極の回転位置を検出しながらモータM2の駆動を制御し、これにより可変キャパシタVC2の容量値を予め設定されたM個の可変容量値の中の任意の容量値に制御する。
方向性結合器201は、インピーダンス整合装置2の入力ポートP1とインピーダンス整合回路202の入力端との間に設けられ、入力ポートP1からインピーダンス整合回路202に進行する進行波電圧vfinとインピーダンス整合回路202の入力端で反射して入力ポートP1側に進行からする反射波電圧vrinとを分離して制御部203に出力する。
制御部203は、上述したインピーダンス整合方法によるインピーダンス整合処理と高周波電圧voutのp−p値Vppを算出する処理を制御する。制御部203は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備えるマイクロコンピュータと不揮発メモリ204を含む。CPUがROMに記憶された処理プログラムを実行することによりインピーダンス整合処理とp−p値Vppの演算処理を行う。なお、マイクロコンピュータに代えてFPGA(Field Programmable Gate Array)で実現することも可能である。
次に、本実施形態に係るインピーダンス整合装置2の出力ポートP2における高周波電圧voutのp−p値Vppの算出方法とインピーダンス整合方法について説明する。
まず、出力ポートP2における高周波電圧voutのp−p値Vppの算出方法について説明する。
インピーダンス整合装置2を図2に示す4端子回路網として扱うと、入力ポートP1側の進行波電圧a1(4端子回路網に入っていく波)及び反射波電圧b1(4端子回路網から出てくる波)と出力ポートP2側の反射波電圧a2(4端子回路網に入っていく波)及び進行波電圧b2(4端子回路網から出てくる波)との間には、Tパラメータ(Transmission Parameter)(T11,T12,T21,T22)を用いて、
Figure 0006177012
の関係がある。
インピーダンス整合装置2の入力ポートP1と出力ポートP2は、それぞれ図2の入力ポートP1、出力ポートP2に対応し、進行波電圧a1と反射波電圧b1は、図1の進行波電圧vfinと反射波電圧vrinにそれぞれ対応し、、反射波電圧a2と進行波電圧b2は、図1の反射波電圧vroutと進行波電圧vroutにそれぞれ対応するから、出力ポートP2における進行波電圧vfoutと反射波電圧vroutは、
fout=T11・vfin+T12・vrin…(3)
rout=T21・vfin+T22・vrin…(4)
の演算式により算出することができる。
出力ポートP2における高周波電圧voutは、出力ポートP2における進行波電圧vfoutと反射波電圧vroutを加算合成したものであるから、
out=vfout+vrout
で表わされ、高周波電圧voutのp−p値Vppは、
pp=2・|vout|=2・|vfout+vrout|…(5)
=2・|[T11+T21]・vfin+[T12+T22]・vrin|…(5’)
で表わされる。
(5’)式によれば、入力ポートP1における進行波電圧vfin及び反射波電圧vrinの検出値とその検出時のインピーダンス整合装置2のTパラメータT11,T12,T21,T22を用いて(5’)式を演算すれば、高周波電圧voutのp−p値Vppを求められることが分かる。
進行波電圧vfinと反射波電圧vrinの検出時のインピーダンス調整点をP(i)とし、その時のインピーダンス整合装置2のTパラメータをT11(i),T12(i),T21(i),T22(i)と表記し、入力ポートP1における進行波電圧と反射波電圧をそれぞれvfin(i)、vrin(i)と表記し、高周波電圧voutのp−p値をVpp(i)と表記すると、p−p値Vpp(i)は、
pp(i)=2・|[T11(i)+T21(i)]・vfin(i)
+[T12(i)+T22(i)]・vrin(i)|…(6)
を演算することにより求められる。
従って、本実施形態では、全てのインピーダンス調整点P(s)(s=1,2,…N×M)について、インピーダンス整合装置2のTパラメータT11(s),T12(s),T21(s),T22(s)に関するデータを予め取得し、制御部203内の不揮発メモリ204に記憶している。
TパラメータT11(s),T12(s),T21(s),T22(s)に関するデータとは、ネットワークアナライザーを用いて、インピーダンス整合装置2を各インピーダンス調整点P(s)に調整して実測したSパラメータ(Scattering Parameter)S11(s),S12(s),S21(s),S22(s)のデータとそのSパラメータをTパラメータT11(s),T12(s),T21(s),T22(s)に変換する下記の変換式(7)の演算プログラムのデータ、若しくは各SパラメータS11(s),S12(s),S21(s),S22(s)の実測値を下記の変換式(7)によりTパラメータT11(s),T12(s),T21(s),T22(s)に変換したデータである。
Figure 0006177012
インピーダンス整合装置2は、プラズマ処理が開始されると、所定の周期で、入力ポートP1における進行波電圧vfinと反射波電圧vrinの検出し、両検出値vfin,vrinとその検出時のインピーダンス整合装置2のTパラメータをT11(i),T12(i),T21(i),T22(i)を用いて(6)式を演算することにより出力ポートP2における高周波電圧voutのp−p値Vpp(i)を算出し、監視装置に出力する。
図3は、不揮発メモリ204のインピーダンス整合処理やp−p値Vppの演算処理に必要なデータの記憶領域のイメージ図である。
不揮発メモリ204の記憶領域には、可変キャパシタVC1の調整点Xn(n=1,2…N)と可変キャパシタVC2の調整点Ym(m=1,2…M)の各組合せ(X1,Y1),(X1,Y2),…(X1,YM),(X2,Y1),(X2,Y2),…(X2,YM)…(XN,Y1),(XN,Y2),…(XN,YM)に対してN×M個の記憶領域が設けられ、各記憶領域にアドレスが設定されている。各アドレスは、例えば、(X1,Y1),(X1,Y2),…(X1,YM),(X2,Y1),(X2,Y2),…(X2,YM)…(XN,Y1),(XN,Y2),…(XN,YM)の順に調整番号s(=1,2,…N×M)が設定されているとすると、調整番号sに対応した値が設定されている。
従って、(Xn,Ym)のインピーダンス調整点P(s)に対応するアドレスには、可変キャパシタVC1の調整点Xn(可変キャパシタVC1の可動電極の回転位置)と可変キャパシタVC2の調整点Xm(可変キャパシタVC2の可動電極の回転位置)のデータが記憶されており、実測したSパラメータS11(s),S21(s),S21(s),S22(s)を変換したTパラメータT11(s),T21(s),T21(s),T22(s)のデータは、インピーダンス調整点P(s)に対応するアドレスの記憶領域に記憶される。
なお、変換式(7)の演算プログラムのデータを制御部203内のROMに記憶しておき、Sパラメータの測定値S11(s),S12(s),S21(s),S22(s)をTパラメータT11(s),T12(s),T21(s),T22(s)に変換することなく、不揮発メモリ204のインピーダンス調整点P(s)に対応する記憶領域に記憶するようにしてもよい。この場合は、p−p値Vppの演算処理で不揮発メモリ204からSパラメータS11(s),S21(s),S21(s),S22(s)を読み出し、変換式(7)の演算を行ってTパラメータT11(s),T21(s),T21(s),T22(s)に変換する処理を行うことになる。
図4は、制御部203による高周波電圧voutのp−p値Vppの演算処理の手順を示すフローチャートである。同図のフローチャートでは、算出したp−p値Vppに基づいてプラズマ処理中に異常が発生したか否かを判別する処理を含めている。従って、制御部203は、プラズマ処理が開始されると、所定の周期で、図4に示す処理手順を実行し、高周波電圧voutのp−p値Vppを算出するとともにその算出値に基づいて異常発生の有無を判定し、その判定結果を監視装置に報知する処理を行う。
なお、図4のフローチャートでは、異常発生の判定処理まで含めているが、算出したp−p値Vppを監視装置に出力し、異常発生の判断は監視装置側で行うようにしてもよい。
制御部203は、プラズマ処理が開始されると、先ず、方向性結合器201から入力される進行波電圧vfin(i)と反射波電圧vrin(i)を読み込む(S1)。vfin(i),vrin(i)の表記の(i)は、進行波電圧vfin及び反射波電圧vrinの読込時のインピーダンス整合装置2がインピーダンス調整点P(i)に調整されていることを示すものである。
続いて、制御部203は、不揮発メモリ204からインピーダンス調整点P(i)に対応するTパラメータT11(i),T12(i),T21(i),T22(i)を読み出し(S2)、(3)式と(4)式を演算することにより、出力ポートP2における進行波電圧vfout(i)と反射波電圧vrout(i)を算出する(S3)。
続いて、制御部203は、算出した進行波電圧vfout及び反射波電圧vroutを用いて(5)式を演算することにより、出力ポートP2における高周波電圧voutのp−p値Vpp(i)を算出し(S4)、そのp−p値Vpp(i)を予め設定された閾値Vppthと比較する(S5)。
そして、制御部203は、Vpp(i)≦Vppthであれば(S5:NO)、異常は発生していないとして、ステップS1に戻り、Vppth<Vpp(i)であれば(S5:YES)、異常が発生したととして、監視装置に異常発生の情報を出力して(S6)、ステップS1に戻る。
監視装置がインピーダンス整合装置2からの異常発生の情報を受けて緊急停止の指令信号を制御部203に出力すると、制御部203は、図4に示す処理手順を終了する。
図4に示す処理手順では、ステップS3,S4で(3)式と(4)式から出力ポートP2における進行波電圧vfout(i)と反射波電圧vrout(i)を求めた後、(5)式により高周波電圧voutのp−p値Vpp(i)を算出するようにしているが、進行波電圧vfout(i)及び反射波電圧vrout(i)を算出することなく、(5')式により高周波電圧voutのp−p値Vpp(i)を直接算出するようにしてもよい。
また、図4に示す処理手順では、ステップS4で算出した高周波電圧voutのp−p値Vpp(i)を監視装置に出力していないが、算出した高周波電圧voutのp−p値Vpp(i)をステップS4とステップS5の間で監視装置に出力する処理を行ってもよい。あるいはまた、監視装置が行う緊急停止や異常発生の報知等の処理を制御部203が行うようにしてもよい。
図4に示す処理手順では、p−p値Vppの演算処理をインピーダンス整合処理とは独立の処理として説明しているが、制御部203は、主たる制御としてインピーダンス整合処理を所定の周期で行うので、p−p値Vppの演算処理をインピーダンス整合処理と併せて行うようにするとよい。
この場合、上述した特許第4975291号に記載のインピーダンス整合方法は、p−p値Vpp(i)の演算処理と同様にインピーダンス整合装置2のTパラメータT11(s),T12(s),T21(s),T22(s)を用いるので、そのインピーダンス整合方法によるインピーダンス整合処理にp−p値Vpp(i)の演算処理を組み合わせるようにするとよい。
図5は、p−p値Vppの演算処理をインピーダンス整合処理と併せて行うようにした場合の処理手順を示すフローチャートである。制御部203は、プラズマ処理が開始されると、所定の周期で、図5に示す処理手順を実行し、インピーダンス整合処理を行うとともに、高周波電圧voutのp−p値Vppの演算及び異常発生の判定の処理を行う。
制御部203は、プラズマ処理が開始されると、先ず、方向性結合器201から入力される進行波電圧vfin(i)と反射波電圧vrin(i)を読み込む(S11)。続いて、制御部203は、不揮発メモリ204からインピーダンス調整点P(i)に対応するTパラメータT11(i),T12(i),T21(i),T22(i)を読み出し(S2)、(3)式と(4)式を演算することにより、出力ポートP2における進行波電圧vfout(i)と反射波電圧vrout(i)を算出する(S13)。
続いて、制御部203は、不揮発メモリ204から調整番号s=1,2,…N×Mの順にTパラメータT11(s),T12(s),T21(s),T22(s)を読み出し(S14)、各調整番号sについて、そのTパラメータT11(s),T12(s),T21(s),T22(s)と進行波電圧vfout(i)及び反射波電圧vrout(i)とを用いて、(2)式により、インピーダンス整合回路202をインピーダンス調整点P(s)に調整したと仮定した場合の入力ポートP1における進行波電圧vfin(s)と反射波電圧vrin(s)の推定値を算出し、更にvrin(s)/vfin(s)の演算をして入力側反射係数Γin(s)の推定値を算出する(S15)。
なお、TパラメータT11(s),T12(s),T21(s),T22(s)と進行波電圧vfout(i)及び反射波電圧vrout(i)とを(2)式に代入した演算式は、
Figure 0006177012
である。
また、Tパラメータの逆行列T-1の要素を(T11’,T12’,T21’,T22’)とすると、
Figure 0006177012
である。
負荷インピーダンスZLが特定の値に固定されている場合、インピーダンス整合回路202の可変キャパシタVC1,VC2を(N×M)個のインピーダンス調整点P(s)に実際に変化させたときに検出される入力側反射係数Γin(s)のうち、最小となる入力側反射係数Γin(j)のインピーダンス調整点P(j)は、その負荷インピーダンスZLに対して最もインピーダンス整合状態が良好になる点となる。
この考え方により、ステップS15では進行波電圧vfout(i)と反射波電圧vrout(i)の推定値を用いて、インピーダンス整合回路202の可変キャパシタVC1,VC2を(N×M)個のインピーダンス調整点P(s)に実際に変化させたと仮定した場合の入力ポートP1における進行波電圧vfin(s)と反射波電圧vrin(s)を算出した後、vrin(s)/vfin(s)を演算して入力側反射係数Γin(s)の推定値を算出している。
制御部203は、全てのインピーダンス調整点P(s)について、入力側反射係数Γin(s)の推定値を算出すると(S16:YES)、その算出値の中から最小の入力側反射係数Γin(j)を抽出する(S17)。また、制御部203は、ステップS13で算出した進行波電圧vfout(i)及び反射波電圧vrout(i)を用いて、(5)式を演算することにより、出力ポートP2における高周波電圧voutのp−p値Vpp(i)を算出し(S18)、そのp−p値Vpp(i)を予め設定された閾値Vppthと比較する(S19)。
そして、制御部203は、Vpp(i)≦Vppthであれば(S19:NO)、異常は発生していないとして、インピーダンス整合回路202をステップS17で抽出した入力側反射係数Γin(j)に対応するインピーダンス調整点P(j)に設定した後(S20)、ステップS1に戻る。また、制御部203は、Vppth<Vpp(i)であれば(S19:YES)、異常が発生したととして、異常発生の情報を監視装置に出力する等の所定の異常処理を行った後(S21)、ステップS1に戻る。
なお、上記実施形態では、ステップS17で、N×M個の入力側反射係数Γin(s)の推定値の中から最小の入力側反射係数Γin(j)を抽出するようにしているが、予め設定された入力側反射係数の目標値ΓCに最も近い入力側反射係数Γin(r)を抽出するようにしてもよい。入力側反射係数Γinが所定の閾値Γth以下の場合にインピーダンス整合が取れていると看做せる場合、閾値Γthを目標値ΓCに設定し、閾値Γthに最も近い入力側反射係数Γin(r)のインピーダンス調整点P(r)をインピーダンス整合点としても特に問題がないからである。
この場合は、N×M個のインピーダンス調整点P(s)を複数個のグループに分け、グループ順に入力側反射係数Γin(r)の抽出処理を行ってあるグループで閾値Γthに近似した入力側反射係数Γin(r)が見つかると、その入力側反射係数Γin(r)のインピーダンス調整点P(r)を インピーダンス整合点とするようにすれば、抽出処理の高速化が可能になる。また、反射係数Γは、0以上の値であるから、閾値Γth=0に設定した場合は、実質的にN×M個の入力側反射係数Γin(s)の推定値の中から最小の入力側反射係数Γin(j)を抽出する処理と同じとなる。
また、図5のフローチャートでもステップS18で算出した高周波電圧voutのp−p値Vpp(i)を監視装置に出力していないが、算出した高周波電圧voutのp−p値Vpp(i)をステップS18とステップS19の間で監視装置に出力する処理を行ってもよい。また、監視装置が行う緊急停止や異常発生の報知等の安全処理を制御部203が行うようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、全てのインピーダンス調整点P(s)について、実際にインピーダンス整合回路202を各インピーダンス調整点P(s)に調整したときのインピーダンス整合装置2のTパラメータに関する情報を予め取得しておき、プラズマ処理中に所定の周期で高周波電圧voutのp−p値Vppを検出する際、検出時のインピーダンス調整点P(i)と入力ポートP1の進行波電圧vfin(i)及び反射波電圧vrin(i)を用いて(5)式を演算することにより、高周波電圧voutのp−p値Vpp(i)を算出するようにしているので、出力ポートP2に高周波電圧voutのp−p値Vpp(i)を直接検出するVpp検出器などのデバイスを設ける必要がなくなる。
これにより、インピーダンス整合装置2内の回路構成が簡素により、インピーダンス整合装置2のコンパクト化と低コスト化が可能になる。また、インピーダンス整合装置2内の部品とケース間の浮遊容量や配線のインダクタンス成分等がインピーダンス整合精度に悪影響を与えるが、インピーダンス整合装置2内の回路構成が簡単になることにより浮遊容量等のインピーダンス整合精度への悪影響も抑制することができる。
更に、Vpp検出器などのデバイスで設けた場合、そのデバイスの検出精度を調整するための調整作業や調整設備が必要になるが、本実施形態では、Vpp検出器などのデバイスがなくなるので、調整作業に要する時間や調整設備に要するコストを低減することができる。
また、インピーダンス整合方法にTパラメータを用いたインピーダンス整合方法を適用した場合、インピーダンス整合装置2の周期的なインピーダンス整合処理に高周波電圧voutのp−p値Vppを算出する処理を追加してもインピーダンス整合処理の演算量に対してp−p値Vppの演算量は少ないので、インピーダンス整合処理における演算負荷を過度に増加させることがない。
従って、Tパラメータを用いたp−p値Vppの算出処理を含むインピーダンス整合処理をインピーダンス整合装置2に搭載していれば、インピーダンス整合処理のプログラムを修正するだけで、p−p値Vppの検出機能を有するインピーダンス整合装置2とp−p値Vppの検出機能を有しないインピーダンス整合装置2を簡単に作製することができる。
上記実施形態では、Tパラメータを用いたインピーダンス整合処理とp−p値Vppの算出処理を組み合わせる例について説明したが、特開2003−302431号公報に記載のインピーダンス整合方法によるインピーダンス整合処理等の他のインピーダンス整合処理とp−p値Vppの算出処理を組み合わせてもよい。
インピーダンス可変回路202として2つの可変キャパシタVC1,VC2と1個のインダクタL1をL型に接続したL型回路の例を示したが、逆L回路やT型回路やπ型回路などの他の回路構成であってもよい。また、可変素子としてバリアブルコンデンサを用いた例を説明したが、バリアブルインダクタ等の他のタイプの可変素子であってもよいことはいうまでもない。
1 プラズマ処理システム
2 インピーダンス整合装置
201 方向性結合器(検出手段の要素)
202 インピーダンス整合回路(インピーダンス可変回路)
203 制御部(入力インピーダンス算出手段、検出手段、p−p値算出手段、異常検出手段、安全処理手段、入力側反射係数算出手段、インピーダンス調整値特定手段、インピーダンス調整手段)
204 不揮発メモリ(Tパラメータ記憶手段、入力インピーダンス記憶手段)
3 高周波電源
4 プラズマ処理装置(負荷)
5 伝送ケーブル
6 ネットラーク・アナライザー
1 入力ポート
2 出力ポート
VC1,VC2 可変キャパシタ
1,M2 モータ(インピーダンス調整手段)
PS1,PS2 位置検出センサ
C キャパシタ

Claims (6)

  1. 高周波電源と負荷との間に設けられ、インピーダンス可変回路のインピーダンス値を変化させることにより、前記高周波電源と前記負荷とのインピーダンス整合を行うインピーダンス整合装置であって、
    前記インピーダンス整合装置のTパラメータに関する情報が予め前記インピーダンス可変回路の可変値毎に取得され、各Tパラメータに関する情報が前記インピーダンス可変回路の可変値に関する情報に対応付けて記憶されたTパラメータ記憶手段と、
    前記インピーダンス整合装置の前記高周波電源が接続される入力ポートにおける進行波電圧と反射波電圧を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出された進行波電圧及び反射波電圧と、前記Tパラメータ記憶手段に記憶された、前記進行波電圧及び反射波電圧の検出時に設定されている前記インピーダンス可変回路の可変値に対応するTパラメータに関する情報とを用いて、前記インピーダンス整合装置の前記負荷が接続される出力ポートにおける高周波電圧のp−p値を算出するp−p値算出手段と、
    前記検出手段で検出された進行波電圧及び反射波電圧と、前記Tパラメータ記憶手段に記憶された、前記進行波電圧及び反射波電圧の検出時に設定されている前記インピーダンス可変回路の可変値に対応するTパラメータに関する情報とを用いて、前記インピーダンス整合装置の前記負荷が接続される出力ポートにおける進行波電圧と反射波電圧を算出する出力側電圧算出手段と、
    前記出力側電圧算出手段で算出される前記出力ポートにおける進行波電圧及び反射波電圧と、前記Tパラメータ記憶手段に記憶された全てのTパラメータに関する情報とを用いて、前記インピーダンス可変回路を各Tパラメータに関する情報に対応する可変値に調整したと仮定した場合の前記インピーダンス整合装置の入力ポートにおける進行波電圧と反射波電圧の推定値を算出し、更にその進行波電圧及び反射波電圧を用いて入力ポートにおける入力側反射係数を算出する入力側反射係数算出手段と、
    前記入力側反射係数算出手段で算出された複数の入力側反射係数のうち、予め設定された目標値に最も近い入力側反射係数を抽出し、その入力側反射係数に対応する前記インピーダンス可変回路の可変値に関する情報をインピーダンス整合の調整値として特定するインピーダンス調整値特定手段と、
    前記p−p値算出手段によって算出された前記p−p値が閾値以下である場合に、前記インピーダンス調整値特定手段により特定された前記インピーダンス可変回路の可変値に関する情報に基づいて、前記インピーダンス可変回路のインピーダンス値を調整するインピーダンス調整手段と、
    を備えたことを特徴とする、インピーダンス整合装置。
  2. 前記p−p値算出手段は、前記進行波電圧及び反射波電圧の検出時に設定されている前記インピーダンス可変回路の可変値に対応するTパラメータをT11(i),T12(i),T21(i),T22(i)(iは、進行波電圧及び反射波電圧の検出時に設定されているインピーダンス可変回路の調整位置の番号。)、前記入力ポートにおける進行波電圧と反射波電圧をそれぞれvfin、vrin、前記出力ポートにおける高周波電圧voutのp−p値をVppとすると

    pp=2・|[T11(i)+T21(i)]・vfin+[T12(i)+T22(i)]・vrin
    を演算することにより、前記出力ポートにおける高周波電圧のp−p値Vppを算出する、請求項1に記載のインピーダンス整合装置。
  3. 前記p−p値算出手段により算出される前記出力ポートにおける高周波電圧のp−p値に基づいて、前記負荷に異常が発生したことを検出する異常検出手段と、
    前記異常検出手段により前記異常の発生が検出されると、予め設定された安全処理を行う安全処理手段と、
    を更に備えた、請求項1又は2に記載のインピーダンス整合装置。
  4. 前記Tパラメータ記憶手段に記憶されたTパラメータに関する情報は、実測した前記インピーダンス整合装置のSパラメータを所定の変換式によりTパラメータに変換したデータである、請求項1乃至のいずれかに記載のインピーダンス整合装置。
  5. 前記Tパラメータ記憶手段に記憶されたTパラメータに関する情報は、実測した前記インピーダンス整合装置のSパラメータのデータと、前記Sパラメータの実測値をTパラメータに変換する変換プログラムのデータである、請求項1乃至のいずれかに記載のインピーダンス整合装置。
  6. 前記負荷は、前記インピーダンス整合装置の出力ポートに直結されるプラズマ処理装置である、請求項1乃至のいずれかに記載のインピーダンス整合装置。
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