JP6176259B2 - 立体選択的なエポキシケトン化合物の製造方法 - Google Patents

立体選択的なエポキシケトン化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は医薬中間体として有用なエポキシケトン化合物の製造方法に関する。
構造式(1a)、(1b)(式中、PGは保護基を、Bocはt−ブチルオキシカルボニル基を、Cbzはベンジルオキシカルボニル基を表す。以下、本明細書においても同じ。)で表されるエポキシケトン誘導体は、医薬品等の原料として重要な化合物であり(非特許文献1、特許文献3)、従来、その製造方法としては、α,β−不飽和ケトン(2a)を直接エポキシ化して製造する方法(非特許文献1)や、α,β−不飽和ケトン(2a)、(2b)を還元して得られるアリルアルコール(3a)、(3b)のエポキシ化、続くエポキシアルコール(4a)、(4b)の酸化により合成する方法(特許文献1、2及び3)が知られている。
Figure 0006176259
米国特許出願公開第US2005/0256324A1号 米国特許出願公開第US2009/0105156A1号 米国特許出願公開第US2007/0293465A1号
Bioorg.Med.Chem.Lett.,(1999),9,2283
非特許文献1に記載されたα,β−不飽和ケトン(2a)のエポキシ化反応では、立体選択性が(1a):(1’ a)=1.7:1と低く実用的な方法とは言えない。
Figure 0006176259
また、特許文献1、2及び3に記載されたアリルアルコール中間体(3a)、(3b)を経由する方法では、アリルアルコール(3a)、(3b)から立体選択的にエポキシアルコール化合物(4a)、(4b)を得ることが可能であるが、特許文献1では、α,β−不飽和ケトン(2a)(PG=Cbz)から(3a)への還元にL−Selectrideを用いた場合、選択性が(3a):(3’ a)=25:1と高いものの、二重結合が還元された(5a)が主生成物であるため、低収率となってしまい実用的ではない。CeCl/NaBHで還元すると(5a)の副生は無いが、立体選択性は(3a):(3’ a)=9:1に低下する。特許文献2に記載された方法によると、α,β−不飽和ケトン(2a)(PG=Boc)をCeCl/NaBHで還元したときの選択性は(3a):(3’ a)=4.5:1である。
Figure 0006176259
一方、特許文献3によれば、α,β−不飽和ケトン(2b)をCeCl/NaBHで還元すると(3b)と(3’b)の生成比は5:1であり、いずれの方法においても高選択性、高収率で目的とするエポキシケトン化合物を製造するのは困難である。
Figure 0006176259
さらに特許文献1、2、及び3ではエポキシアルコール化合物(4a)、(4b)から(1a)、(1b)を得るために、Swern酸化反応あるいは、Dess-Martin periodinaneを用いるなど、環境、安全の観点から工業的に適した製造方法とは言い難い。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高収率かつ高選択性でエポキシケトン化合物(1a)、(1b)が得られ、工業的に有用なエポキシケトン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するために、効率的で大量合成が可能となるエポキシケトン化合物の製造方法について鋭意検討を重ねた結果、高い立体選択性及び高収率かつ、工業的に適した反応条件で目的物が得られる製造方法を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記を提供する。
1.式(2)
Figure 0006176259
(式中、Rは、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、置換基を有してよい芳香族基または置換基を有してよい複素環基を表し、Rはアミノ基の保護基を表す。)で表される化合物を、R3N・BH3(式中、Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子又はC1-10アルキル基を表し、但し、少なくとも1つのRはC1-10アルキル基を表す。)で表されるアミンボラン錯体の存在下で還元させることを特徴とする、式(3)
Figure 0006176259
(式中、R、Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるアルコール化合物の製造方法。
2.Rがイソプロピル基である上記1記載の製造方法。
3.Rがフェニル基である上記1記載の製造方法。
4.Rがt−ブチルオキシカルボニル基またはベンジルオキシカルボニル基である上記1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.式(4)
Figure 0006176259
(式中、Rは、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、置換基を有してよい芳香族基または置換基を有してよい複素環基を表し、Rはアミノ基の保護基を表す。)で表されるアルコール化合物を、式(6)
Figure 0006176259
(式中、RXは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホ基、直鎖または分岐鎖であるC1-12アルキル基、C3-12シクロアルキル基、(C1-12アルキル)オキシ基、(C3-12シクロアルキル)オキシ基、(C1-12アルキル)チオ基、(C3-12シクロアルキル)チオ基、(C1-12アルキル)アミノ基、(C3-12シクロアルキル)アミノ基、ジ(C1-6アルキル)アミノ基、ジ(C3-6シクロアルキル)アミノ基、C1-12アルキルカルボニル基、C3-12シクロアルキルカルボニル基、(C1-12アルキル)オキシカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)オキシカルボニル基、(C1-12アルキル)チオカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)チオカルボニル基、(C1-12アルキル)アミノカルボニル基、(C3-12シクロアルキル)アミノカルボニル基、ジ(C1-6アルキル)アミノカルボニル基、ジ(C3-6シクロアルキル)アミノカルボニル基、(C1-12アルキル)カルボニルオキシ基、(C3-12シクロアルキル)カルボニルオキシ基、(C1-12アルキル)カルボニルチオ基、(C3-12シクロアルキル)カルボニルチオ基、(C1-12アルキル)カルボニルアミノ基、(C3-12シクロアルキル)カルボニルアミノ基、ジ(C1-12アルキルカルボニル)アミノ基、ジ(C3-12シクロアルキルカルボニル)アミノ基、C1-6ハロアルキル基、C3-6ハロシクロアルキル基、C2-6アルケニル基、C3-6シクロアルケニル基、C2-6ハロアルケニル基、C3-6ハロシクロアルケニル基、C2-6アルキニル基、C2-6ハロアルキニル基、Raで置換されていてもよいベンジル基、Raで置換されていてもよいベンジルオキシ基、Raで置換されていてもよいベンジルチオ基、Raで置換されていてもよいベンジルアミノ基、Raで置換されていてもよいジベンジルアミノ基、Raで置換されていてもよいベンジルカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジルチオカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジルアミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいジベンジルアミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいベンジルカルボニルオキシ基、Raで置換されていてもよいベンジルカルボニルチオ基、Raで置換されていてもよいベンジルカルボニルアミノ基、Raで置換されていてもよいジ(ベンジルカルボニル)アミノ基、Raで置換されていてもよいアリール基、Raで置換されていてもよいアリールオキシ基、Raで置換されていてもよいアリールチオ基、Raで置換されていてもよいアリールアミノ基、Raで置換されていてもよいジアリールアミノ基、Raで置換されていてもよいアリールカルボニル基、Raで置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、Raで置換されていてもよいアリールチオカルボニル基、Raで置換されていてもよいアリールアミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいジアリールアミノカルボニル基、Raで置換されていてもよいアリールカルボニルオキシ基、Raで置換されていてもよいアリールカルボニルチオ基、Raで置換されていてもよいアリールカルボニルアミノ基、Raで置換されていてもよいジ(アリールカルボニル)アミノ基から選ばれる1以上の置換基を表し、kは0〜12の整数を表し、kが2以上である場合は、それぞれのRXは同じでも異なっていてもよく、
RYおよびRZは、それぞれ独立に水素原子もしくはRXを表すか、またはRYとRZとが一緒になって1個または同一もしくは異なる2個のRXで置換されていてもよいメチレンを形成していてもよく、
Raは、ハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルキルスルフェニルC1-6アルキル基、C1-6ハロアルコキシ基、C1-6アルキルスルフェニル基、C1-6アルキルスルフィニル基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6ハロアルキルスルフェニル基、C1-6ハロアルキルスルフィニル基、C1-6ハロアルキルスルホニル基、C2-6アルケニル基、C2-6ハロアルケニル基、C2-6アルケニルオキシ基、C2-6ハロアルケニルオキシ基、C2-6アルケニルスルフェニル基、C2-6アルケニルスルフィニル基、C2-6アルケニルスルホニル基、C2-6ハロアルケニルスルフェニル基、C2-6ハロアルケニルスルフィニル基、C2-6ハロアルケニルスルホニル基、C2-6アルキニル基、C2-6ハロアルキニル基、C2-6アルキニルオキシ基、C2-6ハロアルキニルオキシ基、C2-6アルキニルスルフェニル基、C2-6アルキニルスルフィニル基、C2-6アルキニルスルホニル基、C2-6ハロアルキニルスルフェニル基、C2-6ハロアルキニルスルフィニル基、C〜Cハロアルキニルスルホニル基、NO、CN、ホルミル基、OH、SH、NH、SCN、C1-6アルコキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6ハロアルキルカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基、フェニル基、C1-6アルキルアミノ基またはジC1-6アルキルアミノ基であって、置換するRaの数は1〜5個であり、Raが2個以上の場合は、それぞれの置換基は同じでも異なっていてもよい。)で表されるN−ヒドロキシ化合物存在下、酸化剤を用いて酸化することを特徴とする、式(1)
Figure 0006176259
(式中、R、Rは前記と同じ意味を表す。)
で表されるエポキシケトン化合物の製造方法。
6.Rがイソプロピル基である上記5記載の製造方法。
7.Rがフェニル基である上記5記載の製造方法。
8.Rがt−ブチルオキシカルボニル基またはベンジルオキシカルボニル基である上記5〜7のいずれかに記載の製造方法。
9.式(7):
Figure 0006176259
(式中、Rは、−C(O)ORを表し、
は、C1-6アルキル基を表し、
Zは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルを表し、
pは、0、1、2、3、4又は5の整数を表す。)
で表されるエポキシアルコール化合物。
本発明によれば、医薬中間体として有用な式(1)で表されるエポキシケトン化合物を、穏和な条件下で高収率、高選択的にかつ大量に製造することができる。よって、本発明の製造方法は、工業的製法として利用価値が高い。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
以下において、nはノルマルを、iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリーを、cはシクロを、oはオルトを、mはメタを、pはパラを、それぞれ表す。
本発明において、アルキル基としては、直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基であれば特に限定されるものではないが、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、c−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、c−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、c−ペンチル、2−メチル−c−ブチル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、c−ヘキシル、1−メチル−c−ペンチル、1−エチル−c−ブチル、1,2−ジメチル−c−ブチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル基等が挙げられる。
Rとしては、水素原子または上記のアルキル基が好ましい。
以下、一般式(X)で示される化合物を、化合物(X)と略して説明する。
本発明の化合物(1)の製造方法を下記スキームに示す。
Figure 0006176259
式中、Rは、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、置換基を有してよい芳香族基または置換基を有してよい複素環基を表し、Rはアミノ基の保護基を表す。置換基を有していてもよい場合の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、シアノ基等が挙げられる。
Rとしては、水素原子、フェニル基、イソプロピル基等が挙げられる。
Rとしては、アミノ基の保護基として一般的に用いられるアシル基、カルバメート基、スルホニル基などが挙げられる。
具体的には、例えば、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基等のカーバメートを形成する保護基、トリフルオロアセチル基などのアミドを形成する保護基、フタロイル基などのイミドを形成する保護基、p−トルエンスルホニル基、2−ニトロベンゼンスルホニル基等のスルホンアミドを形成する保護基等が挙げられる。好ましくは、t−ブトキシカルボニル基及びベンジルオキシカルボニル基である。
次に、本願発明の製造方法である、化合物(2)をアミンボラン錯体の存在下で還元させることを特徴とする、化合物(3)の製造方法について述べる。
Figure 0006176259
N・BHで表されるアミンボラン錯体は、市販のものを用いても、公知の手法により調製したものを用いてもよい。その調製法としては、例えばR.F. Borch, S.R. Levitan; J. Org. Chem., 1972, 2347の記載を参照することができる。なお、系中でアミンボラン錯体を発生させて、そのまま反応に用いてもよい。
Nとしては、第一級、第二級、第三級のアミンを用いることができ、光学活性体およびラセミ体のいずれを使用してもよい。
第一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、c−ヘキシルアミン、2−メチル−c−ヘキシルアミン、アニリン、ベンジルアミン(フェニルメチルアミン)、1−フェニルエチルアミン、2−フェニルメチルアミン、1−フェニルプロピルアミン、1−フェニルブチルアミン、ジフェニルエチレンジアミン、ジフェニルメチルアミン、トリフェニルメチルアミン等が挙げられる。
第二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−i−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−c−ヘキシルアミン、ジフェニルアミン、ジフェニルメチルアミン、ジ−1−フェニルエチルアミン、ジ−2−フェニルメチルアミン、モルホリン、ピペリジン、ピロール 等が挙げられる。
第三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−i−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−c−ヘキシルアミン、トリフェニルアミン、ジ−i−プロピルエチルアミン、ピリジン、キノリン、トリアジン等が挙げられる。
特に、立体選択性および反応収率の点から、比較的かさ高い置換基を有するアミンを用いて得られたアミンボラン錯体を用いることが好ましい。具体的には、t−ブチルアミン−ボラン錯体、ジ−i−プロピルアミン−ボラン錯体、ジ−c−ヘキシルアミン−ボラン錯体等を用いることがより好ましい。
アミンボラン錯体の使用量は、式(2)で表される化合物の1モル当量に対して0.5〜1.4モル当量が好ましく、0.5〜1.2モル当量がより好ましく、0.7〜1.2モル当量がより一層好ましい。

反応溶媒は、当該反応条件下において安定であり、かつ不活性で反応を妨げないものであれば、特に限定されるものではない。
使用可能な溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オクタノール等)、セロソルブ類(メトキシエタノール、エトキシエタノール等)、非プロトン性極性有機溶媒類(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(ペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、デカリン、石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)、アルコキシアルカン類(ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの溶媒は反応の起こり易さに従って適宜選択すればよく、それぞれ単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。本発明においては、中でも、トルエンが特に好ましい。
反応は、−30〜30℃の範囲で実施可能であるが、反応温度は−20〜−15℃付近がより好ましい。
本反応に用いる化合物(2)は、それぞれL-ロイシンあるいはL-フェニルアラニン等のアミノ酸を出発原料として、公知の方法や非特許文献1及び特許文献3記載の方法で製造することができる。
Figure 0006176259
すなわち、式(7)で表されるアミノ酸を公知の方法でt-ブチルオキシカルボニル基(Boc基)あるいはベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)等の保護基で保護し、次いで、特許文献2記載の方法で、N,O-ジメチルヒドロキシアミンと反応させて化合物(9)を得る。次いで、特許文献2記載の方法により、化合物(9)をイソプロペニルマグネシウムブロミドと反応させることで、例えば、Rがイソプロピル基でありRがt−ブチルオキシカルボニル基である化合物(2a)や、Rがフェニル基でありRがベンジルオキシカルボニル基である化合物(2b)が得られる。
本発明に用いる化合物(2)は、精製したものを用いても、化合物(9)から得られたものを単離せずに用いてもよい。さらに、特許文献2記載の方法で合成した化合物(9)を精製せずに原料として用いて得られた化合物(2)を精製せずに用いることもできる。
Figure 0006176259
本発明で得られた化合物(3)は、特許文献1記載の方法でエポキシ化することで化合物(4)に誘導することが出来る。
Figure 0006176259
化合物(4)を酸化することにより、化合物(1)が得られる。化合物(1)は、式(6)で表されるN-ヒドロキシ化合物存在下、酸化剤を用い、化合物(4)を酸化することで、得ることが出来る。
Figure 0006176259
式(6)で表されるN−ヒドロキシ化合物としては、例えばN−ヒドロキシ−2−アザアダマンタン、N−ヒドロキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン、5位および/または7位にヒドロキシ基またはフッ素原子がそれぞれ独立して置換しているN−ヒドロキシ−2−アザアダマンタン化合物等が挙げられる。中でも、例えばN−ヒドロキシ−2−アザアダマンタン、1−フルオロ−N−ヒドロキシ−2−アザアダマンタン、5−フルオロ−N−ヒドロキシ−2−アザアダマンタン、5−フルオロ−N−ヒドロキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン、5,7−ジフルオロ−N−ヒドロキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン、N−ヒドロキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン、N−ヒドロキシ−5−ヒドロキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン、N−ヒドロキシ−5−メトキシ−1−メチル−2−アザアダマンタン、N−ヒドロキシ−5−ヒドロキシ−2−アザアダマンタン、N−ヒドロキシ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン等が好ましく、特に、N−ヒドロキシ−2−アザアダマンタンが好ましい。
これらのN−ヒドロキシ化合物は、あるものは市販品として入手可能であり、あるものは、国際特許出願公開第WO2009/145323号、国際特許出願公開第WO2006/001387号、米国特許出願公開第2008−0221331A1号および、J.Am.Chem.Soc., Vol.95, No.19, p6395-6400(1973)の記載を参考にして製造することができる。
用いるN−ヒドロキシ化合物の量は、基質の化合物(4)に対して好ましくは0.1〜50mol%、より好ましくは1〜10mol%である。
酸化剤としては、例えば、酸素含有の有機あるいは無機の化合物が挙げられる。典型的には過酢酸などの過酸素酸、過酸化水素(H2O2)、次亜ハロゲン酸塩(hypohalites)、ハロゲン塩(halites)、ハロゲン化物(halides)、ジアセトキシヨードアレン類、酸素、あるいはそれらの組み合わせたものが挙げられる。次亜ハロゲン酸塩としては、次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩、次亜ハロゲン酸アルカリ土類金属塩などが好ましく、LiOCl、NaOCl、KOCl、LiOBr、NaOBr、KOBrなどが挙げられる。具体的には酸化剤としては、次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩が好ましく、本発明においては、中でも、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
用いるN−ヒドロキシ化合物の量としては、基質のアルコールに対して1〜100mol%、好ましくは、例えば1〜50mol%である。
反応温度としては、室温で行うこともできるが、必要により、10〜40℃の範囲、0〜100℃の範囲、さらには、−10〜200℃で実施できる。また、反応圧力として、常圧(大気圧)で充分であるが、必要に応じて、0.01〜10MPaの範囲の減圧状態でも加圧状態でも実施できる。
反応時間は1分〜100時間であり、好ましくは5分〜24時間である。
酸化反応の溶媒としては、反応の進行を阻害しないものであれば制限はなく、水、非プロトン性極性有機溶媒類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドンやN,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフランやジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリンや石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンやテトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンや四塩化炭素等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンやメチルイソブチルケトン等)、低級脂肪族酸エステル(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルやプロピオン酸メチル等)、アルコキシアルカン類(例えばジメトキシエタンやジエトキシエタン等)及びニトリル類(例えばアセトニトリル、プロピオニトリルやブチロニトリル等)、カルボン酸(酢酸等)等の溶媒が挙げられる。その中でも、例えば、トルエン、ジクロロメタンおよび酢酸が好ましい。
また、溶媒として、あるいは添加物として酢酸を用いることが好ましい。
基質である(4)の溶媒中の濃度は、好ましくは1〜99質量%である。
本発明において、酸化剤となる酸素としては、酸素ガス(100%の酸素)だけでなく、空気を用いることができる。
本発明において、基質である化合物(4)の消失と、化合物(1)の生成を確認したあと、溶媒の留去、抽出、再結晶、濾過、デカント、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製操作により、化合物(1)を単離することができる。
化合物(1)は、特許文献2記載の方法で脱保護し、アンモニウム塩にした後、精製することが出来る。
Figure 0006176259
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、下記に記載の実施例1〜6及び比較例1〜4における核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)、液体クロマトグラフィー分析(LC)、液体クロマトグラフィー質量測定分析法(LC−MS)は、以下の機器および条件で測定した。
[1]H−NMR
機種:JNM−ECP300 (JEOL製、300MHz)
測定溶媒:CDCl,DMSO−d
[2]LC
(1)LC条件例1:メソッド名 LC−1
LC:島津20A
Column:Xbridge C18 4.6×150mm 3.5μm(Waters)
Oven Temp:40℃
Eluent:CHCN,5mMリン酸バッファー
CHCN=25%(0min.)→80%(25min.)→80%(30min.)→25%(30.01min.)→25%(40min.)かっこ内のタイムプログラムは分析開始からの総時間を表す
Flow rate:1.2mL/min.
Detector:UV195nm
(2)LC条件例2:メソッド名 LC−2
LC:島津20A
Column:CAPCELLPAK C18 MGII 4.6×100mm 3μm(資生堂)
Oven Temp:40℃
Eluent:CHCN,5mMリン酸バッファー
CHCN=25%(0min.)→80%(35min.)→80%(40min.)→25%(40.01min.)→25%(45min.)かっこ内のタイムプログラムは分析開始からの総時間を表す
Flow rate:1.2mL/min.
Detector:UV195nm
5mMリン酸バッファー調製方法
蒸留水4Lにリン酸水素二ナトリウム(無水)1.20gとリン酸二水素ナトリウム(無水)1.42gを溶解させ、pHメーターでpH6.5〜7.0であることを確認する。
[3]LC−MS
LC−MS:Waters2695, MICROMASS QUATTRO MICRO API
Eluent:CHCN,5mM酢酸アンモニウム水溶液
分析条件はEluentを除きLCと同様のメソッドで実施した。
実施例1:化合物(3)の合成
Figure 0006176259
化合物(2)(9.0g)のトルエン(90.0g)溶液を−20℃に冷却後、ジイソプロピルアミンボラン錯体溶液(32.9g)を滴下し、−15℃で4時間攪拌後、LCにより原料の消失を確認した。反応液に3.5%塩酸(146.9g)を−15℃〜0℃で加え25℃にて攪拌、分液を行い、水層にトルエン(100g)を加え分液した。有機層を混合し5%炭酸水素ナトリウム水溶液(150g)を加え撹拌、分液を行った。さらに有機層に水(150g×2)を加え攪拌、分液を2度繰り返した。
有機相を濃縮し、メタノール(18g)を加え25℃にて攪拌し、蒸留水(90g)を滴下した、結晶が析出したことを確認後、2℃に冷却し1時間攪拌後ろ過、乾燥を行い化合物(3)を白色結晶(8.4g)で得た。結晶得率は92.7%であり、化合物(3)と立体異性体(3’)の生成比は36.6:1であった。
LC−MS(ESI+)m/z:258(MH+)
LC−1:R.T.17.03min/化合物(3),17.56min/化合物(3’)
ジイソプロピルアミンボラン錯体溶液の調製
ジイソプロピルアミン(5.3g)のヘキサン(30.9g)溶液を0℃に冷却し、ジメチルスルフィドボラン(4.0g)を滴下し、0℃で1時間撹拌し反応に用いた。
化合物(3)と立体異性体(3’)の同定
化合物(2)を用いて特許文献2の第0465段落と同様の条件で反応を行い、LC−1にて分析を実施したところLC−MS(ESI+)m/z:258(MH+)、リテンションタイム(R.T.)17.03min、17.56minの2ピークが面積比7.7:1で生成した。特許文献2の第0465段落において、化合物(3):(3’)はLC面積比4.5:1で生成すると記載されていたため、R.T.17.03minを化合物(3)、R.T.17.56minを化合物(3’)であると同定した。
実施例2−1〜2−4および比較例1〜4:化合物(2)の還元反応
Figure 0006176259
種々の還元剤にて化合物(2)の還元を実施した際の結果を下記の表1にまとめた。各々の還元剤について(3):(3’)の比率が最も良い溶媒を用いた値である。
Figure 0006176259
注:基質である化合物(2)1モルあたりの還元剤のモル数は、上記表中の全ての例で、実施例1と同じである。
実施例3:化合物(4)の合成
Figure 0006176259
化合物(3):(3’)=36.6:1(6.8g)のジクロロメタン(267mL)溶液を0℃に冷却後、バナジウムアセチルアセトナート(70.5mg)を加え攪拌し、t−ブチルハイドロパーオキサイド70%水溶液(6.87g)を滴下し室温で1時間攪拌した。バナジウムアセチルアセトナート(70.5mg×4)を1時間おきに4度加え、LC(195nm)により原料のピーク面積が生成物と比較し5%以下となったことを確認した。反応液をセライト(6.87g)ろ過し、0℃に冷却後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(126.6g)と10%炭酸水素ナトリウム水溶液(67.3g)を加え、30分間攪拌後分液を行った。水層にジクロロメタン(200mL)を加え攪拌後分液した。有機層を混合し蒸留水(150mL)を加え撹拌、分液を2度行い、濃縮することで化合物(4)の約10%濃度のトルエン溶液を得た。
LC−MS(ESI+)m/z:274(MH+)/化合物(4)及び(4’)
LC−1:R.T.13.41min/化合物(4)
化合物(4)の同定
化合物(4)をカラムクロマトグラフィーにて単離し、実施例4の反応を実施し生成物をLC−2で分析したところ化合物(1)とR.T.が一致したため(4)の構造であると同定した。
実施例4:化合物(1)の合成
Figure 0006176259
化合物(4)のトルエン溶液(80.14g)を0℃に冷却後、N−ヒドロキシ−2−アザアダマンタン(和光純薬工業社製 AZADOL(登録商標))(410mg)を加え攪拌し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(59.6g)、13.7%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(23.8g)を滴下し3時間攪拌した。その後AZADOL(1.25g)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液(118.6g)、13.7%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(47.6g)を追加し、2時間攪拌後、LCにより原料の消失を確認し、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(87.8g)と5%塩酸水溶液(27.8g)を加え30分間攪拌後分液を行った。水層にトルエン(72.9g)を加え攪拌後分液を行った。有機層を混合し10%炭酸水素ナトリウム水溶液(150g)を加え攪拌後分液した。有機層に上水(150g)を加え撹拌、分液を2度行い、濃縮することで化合物(1)(5.96g)を得た。実施例3からの通し実験において、化合物(3)からの収率は83%であった。
H−NMR(300MHz,ppm,in CDCl)δ:0.93−0.95(d,3H),0.96−0.98(d,3H),1.15−1.20(m,1H),1.41(s,9H),1.47−1.51(m,1H),1.52(s,3H),1.70−1.77(m,1H),2.88−2.92(d,1H),3.28−3.32(d,1H),4.30−4.34(dt,1H),4.82−4.88(d,1H)
LC−MS(ESI+)m/z:272(MH+)
LC−2:R.T.27.14min
実施例5:化合物(10)の合成
Figure 0006176259
化合物(1):(1’)=28.6:1(500mg)のジクロロメタン(2g)溶液を0℃に冷却後、トリフルオロ酢酸(1.05g)を加え室温で6時間攪拌した。LCにより原料の消失を確認した後、濃縮を行い、メチル-tert-ブチルエーテル(1.5g)とヘプタン(3.6g)を加え0℃で30分間攪拌後、ろ過、ヘプタン(4g)洗浄を行い化合物(10)、(10’)混合物の白色結晶(432.1mg)を得た(生成比は実施例6で算出)。
LC−2:R.T.7.30min/化合物(10)
LC−MS(ESI+)m/z:172(MH+)
実施例6:化合物(1)の合成
Figure 0006176259
化合物(10)(10’)(51mg)のジクロロメタン(500mg)溶液を0℃に冷却後、トリエチルアミン(47.1mg)、二炭酸ジ-tert-ブチル(64.6mg)を加え室温で13時間攪拌した。LCにより原料の消失を確認し、0℃に冷却後、7%塩酸水溶液(460mg)を加え攪拌後分液を2度繰り返した。その後5%炭酸水素ナトリウム水溶液(500mg)を加え攪拌、分液を2度繰り返した。上水(500mg)を加え攪拌、分液を2度繰り返し有機層を得た(29mg)。実施例5からの通しの実験において得られた化合物(1)と立体異性体(1’)の生成比は53.5:1、収率は39%であった。
H−NMR(300MHz,ppm,in CDCl)δ:0.93−0.95(d,3H),0.96−0.98(d,3H),1.15−1.20(m,1H),1.41(s,9H),1.47−1.51(m,1H),1.52(s,3H),1.70−1.77(m,1H),2.88−2.92(d,1H),3.28−3.32(d,1H),4.30−4.34(dt,1H),4.82−4.88(d,1H)/化合物(1)
LC−MS(ESI+)m/z:272(MH+)/化合物(1)及び(1’)
LC−2:R.T.27.14min/化合物(1),25.00min/化合物(1’)
化合物(1)の同定
立体異性体である(1’)をカラムクロマトグラフィーにて単離し、X線構造解析(機種名:SMART APEXII ULTRA X線:CuKα 測定温度−50℃)を実施し、化合物(1’)の構造であることを確認した。これを踏まえ、主生成物である化合物(1)の構造は上記の立体であることが確認された。
また、化合物(1)の同定については、以下の方法に準じた決定も行った。
つまり、実施例4に記載の方法に準じて得られた化合物(1)[5.12g、化合物(1)と立体異性体である化合物(1’)の比は3.3:1である]を、カラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(1)[2.19g、立体異性体である化合物(1’)は検出されなかった]を無色透明の粘性液体として得た。精製後に−20℃で24時間冷凍保存し、スパーテルで刺激を与えることにより得られた化合物(1)の白色結晶に対しX線構造解析を行なった結果、化合物(1)の2位が「S」の立体配置であり、4位が「R」の立体配置であることを確認した。
なお、化合物(1)の同定におけるカラムクロマトグラフィー及びX線構造解析は、以下に記載の条件で行った。
カラムクロマトグラフィー;
使用カラム:使用カラム:Hi−Flash Column,40μm, 60Å, 130g
グラジエント組成:ヘキサン/酢酸エチル=100/0(5min.)→97/3(25min.)→97/3(45min.)→95/5(65min.)→95/5(95min.)(かっこ内のタイムプログラムはカラム開始からの総時間を表す。)
X線構造解析;
機種名:SMART APEXII ULTRA
X線:Cu−Kα
測定温度:−100℃
晶析による化合物(1)の精製
Figure 0006176259
実施例4に記載の方法に準じて得られた化合物(1)[1.84g、化合物(1)と立体異性体である化合物(1’)の比は45.1:1である]にエタノール(4.81g)、N,N−ジメチルホルムアミド(4.80g)及び水(4.81g)を添加した。添加終了後、該溶液を55℃付近まで昇温し、化合物(1)が添加した溶媒にすべて溶解したことを確認した後に、該溶液を2.2℃まで冷却した。冷却終了後、同温度にて、実施例6の化合物(1)の同定において得られた化合物(1)の白色結晶を種結晶(1.84g)として添加した。添加終了後、該溶液を1時間攪拌した。攪拌終了後、該溶液に水(6.72g)を添加した。添加終了後、該溶液を−8℃まで冷却した後、1時間撹拌を継続した。攪拌終了後、該溶液中に析出した化合物(1)の結晶をろ過操作によりろ別した。得られた化合物(1)の結晶を減圧下にて乾燥し、化合物(1)を微黄色結晶(1.73g)として得た。本晶析操作における化合物(1)の回収率は94.0%であった。また化合物(1)と立体異性体である化合物(1’)の比は197.8:1であった。
なお、化合物(1)と化合物(1’)の比の同定はカラムクロマトグラフィーにより行った。その分析条件を以下に記載する。
LC:島津20A
Column:YMC Pack Pro C18 RS 4.6×250mm 5.0μm(YMC)
Oven Temp:30℃
Eluent:CHCN,5mMリン酸バッファー
CHCN=10%(5min.)→80%(25min.)→80%(32min.)→10%(32.01min.)→10%(40min.)かっこ内のタイムプログラムは分析開始からの総時間を表す
Flow rate:1.2mL/min.
Detector:UV195nm
液体クロマトグラフィー分析(LC)
下記に記載の実施例7〜12における液体クロマトグラフィー分析(LC)は、上記に記載した分析条件(LC−1及びLC−2)に加え、以下の機器および条件で測定した。
(3)LC条件例3:メソッド名 LC−3
LC:島津20A
Column:YMC Pack Pro C18 RS 4.6×250mm 5.0μm(YMC)
Oven Temp:30℃
Eluent:CHCN,5mMリン酸バッファー
CHCN=10%(5min.)→80%(25min.)→80%(32min.)→10%(32.01min.)→10%(40min.)かっこ内のタイムプログラムは分析開始からの総時間を表す
Flow rate:1.2mL/min.
Detector:UV210nm
(4)LC条件例4:メソッド名 LC−4
LC:島津20A
Column:CAPCELLPAK C18 MGII 4.6×100mm 3μm(資生堂)
Oven Temp:30℃
Eluent:CHCN,5mMリン酸バッファー
CHCN=10%(5min.)→80%(25min.)→80%(32min.)→10%(32.01min.)→10%(40min.)かっこ内のタイムプログラムは分析開始からの総時間を表す
Flow rate:1.2mL/min.
Detector:UV210nm
実施例7:化合物(3b)の合成
Figure 0006176259
化合物(2b)(5.8g)のトルエン(29.2g)溶液を、ジシクロヘキシルアミンボラン錯体溶液に、温度を−10〜0℃の間に保ちながら滴下した。滴下終了後、該反応溶液を−5℃にて5時間攪拌した。攪拌終了後、LCによる分析により、原料である化合物(2b)がすべて反応していることを確認した。確認終了後、該反応液に−5℃にてアセトン(17.5g)を添加した。添加終了後、35℃にて1.5時間攪拌した後、25℃にて2N塩酸(29.2g)を添加した。添加終了後、同温度にて1時間攪拌した。攪拌終了後、該反応液中に析出したアミン塩酸塩をろ過操作によりろ別し、得られたろ液を分液した。得られた有機層に水(25g×2)を添加し、攪拌・分液の操作を2度繰り返した後、化合物(3b)(5.6g)の3.3%トルエン溶液を得た。収率は95.5%であり、化合物(3b)と立体異性体である化合物(3’b)の生成比は18.8:1であった。
なお化合物(2b)は、ジャーナル・オブ・チャイニーズ・ファーマシューチカル・サイエンス(Journal of Chinese Pharmaceutical Sciences)、2009年、33〜36ページに記載の方法に準じて合成した。
化合物(3b)の晶析
上記記載の方法によって得られた化合物(3b)(5.6g)の3.3%トルエン溶液を減圧下にて濃縮した後、ジクロロメタン(112g)を添加し、化合物(3b)のジクロロメタン溶液を調整した。該ジクロロメタン溶液に、活性炭(特性白鷺)(1.1g)を添加し、25℃にて1時間攪拌した。攪拌終了後、活性炭をろ過操作によりろ別し、得られたろ液を減圧下にて濃縮した。得られた化合物(3b)にトルエン(42g)を添加した後、60℃付近まで昇温し、トルエン中の化合物(3b)をすべて溶解させた。得られたトルエン溶液にn-ヘプタン(25.2g)を滴下し、化合物(3b)の結晶が析出したことを確認した後、該トルエン溶液を−5℃まで冷却し、1時間攪拌した。攪拌終了後、トルエン溶液中に析出した化合物(3b)をろ過操作によりろ別した。得られた化合物(3b)の結晶を減圧下にて乾燥し、化合物(3b)を白色結晶(4.9g)で得た。本晶析操作における収率は88.5%であり、化合物(3b)と立体異性体である化合物(3’b)の比は104.2:1であった。
H−NMR(300MHz,ppm,in CDCl)δ:1.34(s,9H),1.81(s,3H),2.35(s,1H),2.68−2.72(m,1H),2.89(dd,1H),3.99(s,1H),4.20(s,1H),4.65(s,1H),5.00(s,1H),5.08(s,1H),7.18−7.28(m,5H)/化合物(3b)
LC−MS(ESI+)m/z:292(MH+)/化合物(3b)及び(3’b)
LC−4:R.T.19.8min/化合物(3b),20.3min/化合物(3’b)
ジシクロヘキシルアミンボラン錯体溶液の調製
ジシクロヘキシルアミン(3.9g)のトルエン(58.4g)溶液を−5℃まで冷却した後、該トルエン溶液にジメチルスルフィドボラン錯体溶液(1.8g)を滴下した。滴下終了後、−5℃にて0.5時間攪拌した後に得られた溶液を、実施例7に記載の反応に用いた。
化合物(3b)の立体配置の同定
上記に記載の方法に準じて得られた、晶析前の化合物(3b)を、カラムクロマトグラフィーにより精製した。
精製後の化合物(3b)のX線構造解析を行なった結果、化合物(3b)の2位が「S」の立体配置であり、3位が「R」の立体配置であることを確認した。
なお、化合物(3b)の立体配置の同定におけるカラムクロマトグラフィー及びX線構造解析は、以下に記載の条件で行った。
カラムクロマトグラフィー;
使用カラム:Hi−Flash Column,40μm, 60Å, 14g
グラジエント組成:ヘキサン/酢酸エチル=100/0(4min.)→90/10(12min.)→90/10(32min.)→85/15(44min.)→85/15(68min.)→80/20(80min.)→80/20(104min.)→75/25(116min.)かっこ内のタイムプログラムは分析開始からの総時間を表す。
X線構造解析;
機種名:SMART APEXII ULTRA
X線:Cu−Kα
測定温度:−50℃
実施例8−1〜8−13:化合物(2b)の還元反応における、還元剤の検討
Figure 0006176259
化合物(2b)の還元反応において、還元剤を検討した際の収率及び異性体比に関する結果を下記の表2にまとめた。反応条件、分析条件等は、実施例7に記載の内容に準じた。下記表中のすべての例において、反応温度は−5℃とし、溶媒はトルエンとし、還元剤は化合物(2b)に対して1.05当量用いた。
Figure 0006176259
実施例9:化合物(4b)の合成
Figure 0006176259
化合物(3b)[化合物(3’b)との混合物。その比率は(3b):(3’b)=104.2:1]3.0gのジクロロメタン(24.0g)及び水(6.0g)溶液を0℃に冷却した後、バナジウムアセチルアセトナート(34.1mg)を添加した。添加終了後、さらに該反応溶液にt−ブチルハイドロパーオキサイド70重量%水溶液(2.7g)を滴下した。滴下終了後、該反応溶液を25℃にて4時間攪拌した。攪拌終了後、LCによる分析により、原料である化合物(3b)及び(3’b)のピーク面積が、生成物である化合物(4b)及び(4’b)のピーク面積と比較して5%以下となったことを確認した。確認終了後、該反応溶液に10重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液(32.0g)次いで5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液(43.0g)を添加した。添加終了後、該反応溶液を30分間攪拌した後、分液操作を行った。得られた有機層に水(37.5g×2)を添加した後、攪拌・分液操作を2度繰り返した。得られた有機層を減圧下にて濃縮することで、化合物(4b)を黄色結晶(3.03g)として得た。収率は95.2%であった。得られた化合物(4b)を、下記の分析条件によるLC−MS分析を行った結果、化合物(4b)と同じMSを示すピークを微量観察した。これは化合物(3’b)に由来する、化合物(4b)の異性体である化合物(4’b)と推定している。
H−NMR(300MHz,ppm,in CDCl)δ:1.32(s,9H),1.38(s,3H),2.46(s,1H),2.60(d,1H),2.73−2.88(m,2H),3.00(d,1H),3.85(s,1H),4.13(m,1H),4.90(d,1H),7.20−7.29(m,5H)/化合物(4b)
LC−MS(ESI+)m/z:308(MH+)/化合物(4b)及び(4’b)
LC−3:R.T.24.1min/化合物(4b),24.9min/化合物(4’b)
実施例10:化合物(1b)の合成
Figure 0006176259
実施例9に記載の方法に準じて得られた化合物(4b)[化合物(4’b)を微量含む]3.0gのジクロロメタン(35.4g)溶液を0℃に冷却した後、N−ヒドロキシ−2−アザアダマンタン[和光純薬工業社販売 AZADOL(登録商標)](147mg)を添加した。添加終了後、該反応溶液に、5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液(23.9g)次いで13.7%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(8.5g)を滴下した。滴下終了後、該反応溶液を同温度にて1時間攪拌した。攪拌終了後、LCによる分析により、原料である化合物(4b)がすべて反応したことを確認した。確認終了後、10重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液(14.9g)を添加し、30分間攪拌した後に分液を行った。得られた有機層に0.5N塩酸水溶液(20.0g)を添加し、10分間攪拌した後に分液を行った。さらに得られた有機層に5重量%炭酸水素ナトリウム水溶液(19.9g)を添加し、10分間攪拌した後に分液を行った。さらに得られた有機層に水(18.8g×2)を添加し、10分間撹拌した後に、分液を2度行った後に、化合物(1b)(3.0g)の3重量%ジクロロメタン溶液を得た。収率は102.6%であり、化合物(1b)と立体異性体である化合物(1’b)の生成比は26.4:1であった。
化合物(1b)のH−NMR(300MHz,ppm,in CDCl)δ:1.37(s,9H),1.50(s,3H),2.74(dd,1H),2.90(d,1H),3.10(dd,1H),3.29(d,1H),4.58(m,1H),4.93(d,1H),7.15−7.31(m,5H)/
化合物(1’b)のH−NMR(300MHz,ppm,in CDCl)δ:1.40(s,9H),1.49(s,3H),2.58(d,1H),2.67(d,1H),2.83(m,1H),3.01(m,1H),4.67(m,1H),4.89(m,1H),7.13−7.30(m,5H)
LC−MS(ESI+)m/z:306(MH+)/化合物(1b)及び(1’b)
LC−3:R.T.27.9min/化合物(1b),26.8min/化合物(1’b)
なお精製後の化合物(1b)の収量は、HPLCの定量分析により算出した。HPLCの分析条件等を以下に示す。
標準物質:化合物(1b)
HPLC条件:LC−3
化合物(1b)及び(1’b)の立体配置の同定
上記記載の方法によって得られた化合物(1b)及び化合物(1’b)の混合物を、カラムクロマトグラフィーにより精製・分離を行い、化合物(1’b)を単離した。得られた化合物(1’b)にX線構造解析を行なった結果、化合物(1’b)の2位が「S」の立体配置であり、4位が「S」の立体配置であることを確認した。
さらに、化合物(1’b)の立体配置が決定されたことにより、異性体である化合物(1b)の2位が「S」の立体配置であり、4位が「R」の立体配置であることが判明した。
なお、化合物(1’b)の立体配置の同定におけるカラムクロマトグラフィー及びX線構造解析は、以下に記載の条件で行った。
カラムクロマトグラフィー;
使用カラム:Hi−Flash Column,40μm, 60Å, 14g
グラジエント組成:ヘキサン/酢酸エチル=90/10(5min.)→80/20(25min.)→80/20(40min.)→50/50(50min.)かっこ内のタイムプログラムは分析開始からの総時間を表す。
X線構造解析;
機種名:SMART APEXII ULTRA
X線:Cu−Kα
測定温度:−100℃
実施例11:化合物(1b)の精製
Figure 0006176259
化合物(1b)及び化合物(1’b)の混合物[(1b):(1’b)=26.4:1]1.0gのジクロロメタン(4.0g)溶液を10℃に冷却した後、トリフルオロ酢酸(1.9g)を添加した。添加終了後、該反応溶液を20℃にて4時間攪拌した。攪拌終了後、薄層クロマトグラフィー(TLC)に1μLの該反応溶液を打ち込み、ヘキサン:酢酸エチル=3:1の溶媒を用いて展開し、リンモリブデン酸溶液の発色剤により原料である化合物(1b)及び(1’b)がすべて反応したことを確認した。確認終了後、25℃にて該反応溶液にメチル-tert-ブチルエーテル(2.7g)及びn−ヘプタン(18.8g)を添加した。添加終了後、該反応溶液を0℃に冷却し、1時間攪拌した。攪拌終了後、該反応溶液中に析出した結晶をろ過によりろ別した。得られた結晶をn−ヘプタン(10g)にて洗浄し、化合物(10b)と立体異性体である化合物(10’b)の混合物の白色結晶(951.0mg)を得た。
得られた化合物(10b)及び化合物(10’b)の混合物(100.2mg)のジクロロメタン(10g)溶液を0℃に冷却した後、トリエチルアミン(119.2mg)次いで二炭酸ジ-tert-ブチル(130mg)を添加した。添加終了後、該反応溶液を20℃にて2時間攪拌した。攪拌終了後、LCにより、原料である化合物(10b)及び(10’b)がすべて反応したことを確認した。確認終了後、化合物(1b)(97.3mg)のジクロロメタン溶液を得た。
化合物(1b)と立体異性体(1’b)の混合物からの回収率は92.2%であり、化合物(1b)と化合物(1’b)の比率は39.0:1に向上した。
また分析条件LC−3における精製後の生成物のリテンションタイム(R.T.)及びエリア面積値は以下の通りであり、精製後の主生成物のリテンションタイムが、化合物(1b)のリテンションタイムと一致した。
R.T.27.9min、80.26%/化合物(1b),26.8min、2.06%/化合物(1’b)
なお精製後の化合物(1b)の収量は、実施例10に記載の定量分析により算出した。
なお、2012年6月29日に出願された日本特許出願2012−146821号、2013年2月14日に出願された日本特許出願2013−026801号、2012年12月10日に出願された米国特許出願61/735196号および2013年3月15日に出願された米国特許出願61/789996号の明細書、特許請求の範囲および要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (7)

  1. 式(2)
    Figure 0006176259
    (式中、Rは、水素原子、直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、置換基を有してよい芳香族基または置換基を有してよい複素環基を表し、Rはアミノ基の保護基を表す。)で表される化合物を、
    ジイソプロピルアミン−ボラン錯体、ジシクロヘキシルアミン−ボラン錯体、ジ−sec−ブチルアミン−ボラン錯体、t−ブチルアミン−ボラン錯体、シクロヘキシル−イソプロピルアミン−ボラン錯体、及びN−シクロヘキシルアニリン−ボラン錯体から選ばれるアミンボラン錯体の存在下で還元させることを特徴とする、
    式(3)
    Figure 0006176259
    (式中、R、Rは前記と同じ意味を表す。)で表されるアルコール化合物の製造方法。
  2. ジイソプロピルアミン−ボラン錯体、ジシクロヘキシルアミン−ボラン錯体、及びt−ブチルアミン−ボラン錯体から選ばれるアミンボラン錯体の存在下で還元させる請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記アミンボラン錯体が、式(2)で表される化合物の1モル当量に対して、0.5〜1.4モル当量存在させる請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 温度が、−30℃〜30℃の範囲で還元する請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. がイソプロピル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. がフェニル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. がt−ブチルオキシカルボニル基又はベンジルオキシカルボニル基である請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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