JP6174946B2 - 創傷部感染防止用部材 - Google Patents

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Description

本発明は手術時の切開部や、熱傷、褥瘡、皮膚潰瘍、擦り傷、切り傷等、創傷部ないしその周辺部の細菌やウイルスを不活化できる生分解性を有する創傷部感染防止用部材の提供を目的とする。
従来から、創傷部の保護や治療には、絆創膏やガーゼ等の創傷被覆材を直接創傷部に被覆する方法が使用されている。しかし、絆創膏やガーゼなどを用いた方法では、細菌による感染を防ぐために定期的に取り替える必要があったり、傷口が乾燥することで治癒が遅れたりするなどの問題があった。
このような問題を解決するために、ウェットドレッシング療法と呼ばれる湿潤性を有する樹脂基材に抗生物質などを混合することで、創傷部の乾燥を防ぎつつ細菌による感染症を予防する創傷被覆材や(特許文献1)スルファジアジン銀など、耐性がつきにくいとされる銀と抗生剤との複合薬と生体親和性材料を複合させた創傷被覆剤などが多数開発されている(特許文献2)。さらに殺菌性のある物質として知られているポピドンヨードを放射線グラフト重合で固定した殺菌性部材についても報告されている(特許文献3)。
特開2012−080916号公報 特開2001−212227号公報 WO2000/64264号公報
しかし、特許文献1、2のように抗生剤を用いると、院内感染などの原因となっているMRSAや薬剤耐性菌などの出現が問題となるため、長期における使用には適していない。また特許文献3のようにポピドンヨードを用いる場合は、ポピドンヨードが水溶性のため、ある期間以上、効果を持続させることができない。
そこで本発明は、上記課題を解決するために、より確実に創傷部や切開部からの細菌及び/又はウイルスの感染を防止することができる創傷部感染防止用部材を提供する。
すなわち第1の発明は、生体親和性を有する基材と、該基材表面に導入されたイオン交換能を有する官能基と、該官能基に結合する金属イオンと、を備えることを特徴とする創傷部感染防止用部材である。
また第2の発明は、前記第1の発明において、前記生体親和性を有する高分子材料が生分解性を有する樹脂であることを特徴とする創傷部感染防止用部材である。
また第3の発明は、前記第1または第2の発明において、前記イオン交換能を有する官能基が、スルホン酸基、アミノ基、リン酸基、カルボキシル基、アンモニウム基、アミドキシム基から少なくとも1種選択されることを特徴とする創傷部感染防止用部材である。
さらにまた第4の発明は、上記第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記金属イオンが銅、銀、亜鉛、金、白金、コバルト、ニッケル、スズ、アルミニウム、パラジウムから少なくとも1種選択されることを特徴とする創傷部感染防止用部材である。
本発明によれば、より確実に創傷部や切開部からの細菌及び/又はウイルスの感染を防止する創傷部感染防止用部材を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳述する。
本実施形態の創傷部感染防止用部材は、熱傷、褥瘡、皮膚潰瘍、擦り傷、切り傷等の創傷部や、手術時の切開部にあてて、細菌及び/又はウイルスの感染を防ぐ創傷被覆部材である。本実施形態の創傷部感染防止用部材は、基材となる生体親和性を有する高分子材料(樹脂等)と、イオン交換能を有する官能基と、官能基にイオン交換にて固定された金属イオンからなるものである。さらに手術などで体内に留置して用いる場合は、創傷部感染防止用部材の基材として生体親和性を有しかつ生分解性を有する生分解性樹脂等の生分解性の高分子材料を用いることが好ましい。生分解性樹脂を用いることで創傷部が治癒した後には生体内で分解吸収される。本実施形態の創傷部感染防止用部材の形態は特に限定されないが、たとえば、創傷部にあてて使用する用途であれば、パッド状あるいはシート状の部材とすることができる。
なお、本明細書において創傷部は、上述のように熱傷、褥瘡、皮膚潰瘍、擦り傷、切り傷等の損傷部や、手術における切開部など、皮膚や筋肉等が裂けたり破れたりしている部分全般を指しており、創傷部感染防止用部材は、それらの創傷部全般に対して用いることができるものである。また、使用方法としては、たとえば、創傷部を創傷部感染防止用部材で被覆するように当てたり、切開部の断面に挟んだりして用いられる。創傷部を被覆したり断面等に挟んで当てたりすることにより、創傷部を保護し、創傷部からの細菌及び/又はウイルスの感染を防止することができる。
本実施形態において「生体親和性」とは、生体組織、生体細胞との馴染みが良く、生体がその材料を異物として認識しない性質のことを言う。また、生体親和性を有する樹脂等の高分子材料とは、そのような生体親和性を有する樹脂等の高分子材料のことであり、生体為害性のない材料のことを指す。
また、生分解性とは、一般的には微生物により、水と二酸化炭素まで分解されることの出来る性質を指すが、本実施形態において「生分解性」とは、生体内で分解し、代謝及び吸収される生体内分解吸収性という意味で用いる。生分解性高分子材料とは、そのような生分解性を有する材料であり、生体内に置かれた場合に生体内で分解される高分子材料である。基材が生体親和性があり、かつ生分解性がある場合には、時間の経過によって分解されるので生体内に創傷部感染防止用部材を留めてそのまま取り出さないという利用方法もとることができる。
このような生体親和性を有する樹脂としては限定されるものではないが、上述の性質を持つ樹脂であり、例えば以下のような樹脂が挙げられる。PTFE、ETFE、PFA等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリウレタン、エステル系樹脂としてポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチルテレフタレート、それらの共重合体及び配合物)、アミド系樹脂としてポリアミド(ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン61)、及びそれらの共重合体及び配合物)、ポリエーテルナイロン樹脂、親水性高分子として、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ジメチルアクリルアミド−グリシジルメタアクリレート共重合体などのアクリルアミド−アクリレート共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホネート、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオシジド、ポリエチレンイミン等の水溶性合成高分子、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性半合成高分子、タンニン、リグニン、アルギン酸、アラビアゴム、グアーガム、トラガントガム、ゼラチン、カゼイン、コラーゲンなどの水溶性天然高分子など、また、天然高分子として、コットン、絹、などを挙げることができる。
また、生体親和性を有する生分解性樹脂としては、上述の生体親和性を有する樹脂のうち、ポリエステル、多糖、ポリアミドなどがある。化学合成系では、脂肪族ポリエステル系樹脂やポリアミノ酸系樹脂などを含む。親水性高分子としては、グリコリド(グリコール酸)、ポリグリコール酸、ポリ酪酸、ポリカブロン酸、ポリアラキドン酸、ポリパラドキ酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクチネート、ポリビニルアルコール、ポリアミノ酸、ポリエチレングリコール、ヒドロキシバレレートなどの水溶性高分子や、ポリ乳酸、ラクチド(乳酸d−,l−、及びメソ乳酸が含まれる)のホモポリマー及び共重合体、カプロラクトン系樹脂(ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−デカラクトン)、乳酸−カプロラクトン共重合体、乳酸−グリコール酸共重合体、グリコール酸−カプロラクトン共重合体、ポリメチレン・カーボネート、ポリジオキサノン、ジオキサノン(ρ−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)、トリメチレンカーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン))、トリメチレンカーボネートのアルキル誘導体、1,4−ジオキセパン−2−オン(そのダイマー1,5,8,12−テトラオキサシクロテトラデカン−7,14−ジオンを含む)、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2−オン、及びそれらのポリマー配合物のホモポリマー及び共重合体等の化学合成高分子、バイオポリエステルでは、ポリヒドロキシブチレート、ヒドロキシブチレートなど、天然高分子系では、ヒアルロン酸、コラーゲン、アルブミン、ゼラチン、分解生産物アミロース、アミロペクチン、デキストリン、合成アミロースなど、多糖頬としては、キチン、キトサン、澱粉、セルロース等、カルボキシメチルセルロース(CMC)、トリメチレンカーボネートなどの水溶性半合成高分子などが挙げられるが、量産に適した強度と生体での吸収性に優れたポリグリコール酸が特に好ましい。
なお、本実施形態の創傷部感染防止用部材を生体組織の創傷部に密着させるためには、生体組織に接着する側の材料表面が、生体組織の少量の水分を吸水し、ヒドロゲル状になる層が存在することが好ましい。このような層としては、たとえば親水性材料からなる多孔質層があげられる。すなわち、材料表面に吸水を容易にする微少な孔などが多数存在しているような構造であればよい。このような構造としては、編物、織物、不織布のような繊維構造であってもよいし、スポンジのような多孔質構造であってもよい。
本実施形態の基材は、15μm〜15000μmの厚みであることが好ましく、50μm〜10000μmの範囲であることが特に好ましい。厚みが15μm未満であると材料が壊れやすく、一方で15000μmを超えると材料が硬くなり創傷部に密着しなくなってしまうためである。
さらに本実施形態の基材は、さらに活性物質を含んでもよい。「活性物質」とは、わずかな量で生き物の生理や行動に何らかの特有な作用を示し、身体の働きを調節する役割をもった物質のことである。このような活性物質を含むことにより、生体内で吸収分解される際に、創傷部に活性成分が放出され、創傷治癒を促進したり、癒着を防止したり、拒絶反応を抑えたりすることができるからである。
このような活性成分としては、消毒剤、抗炎症剤、組織成長促進剤、消炎・鎮痛剤、鎮痒剤、抗潰瘍剤、抗アレルギー剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗生物質、皮膚軟化剤、褥瘡・皮膚治療剤、ビタミン剤、漢方薬、抗発熱剤、麻酔薬、抗てんかん剤、抗ヒスタミン剤、診断薬剤、交感神経用剤、コリン作用剤、抗ムスカリン剤、鎮痙薬、ホルモン剤、成長因子、筋肉弛緩剤、アドレナリン作用ニューロンブロッカー、免疫原性薬剤、免疫抑制剤、胃腸管薬物、利尿薬、ステロイド、脂質、リポ多糖、多糖、酵素などが例示できる。また、止血成分(血液凝固因子により止血するためのフィブリンなど)、細胞増殖促進作用、血管新生作用及び/又は細胞接着作用を有するポリペプチド又はその塩などは手術などでできた切開部に用いるには好適である。
本発明の創傷部感染防止用部材はさらに基材表面にイオン交換能を有する官能基と殺菌性及び/又は抗ウイルス性を有する金属イオンを有する。これらの官能基についてはイオン交換能を有していれば特に限定されるものではないが、スルホン酸基、アミノ基、リン酸基、カルボキシル基、アンモニウム基、アミドキシム基などが好適に用いられ、1種の官能基のみ基材に導入してもよいし、2種以上組み合わせて導入してもよい。イオン交換能を有する官能基は、導入されていればよく、基材に直接導入されてもよいし、後述するようにグラフト鎖などの高分子鎖を介して導入されてもよい。
これらの官能基を基材に導入する方法としては、導入したい官能基を含む物質を基材と接触させる方法が挙げられる。例えばスルホン酸基を導入する場合を例にすると、無水硫酸、濃硫酸、クロロスルホン酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、スルファミン酸、亜硫酸ナトリウム、またはこれらを組み合わせたものに接触させる。特に、発煙硫酸、亜硫酸ナトリウムなどが好適に用いられる。接触させる方法については、水溶液については、浸漬や塗布など公知の方法が用いられるが、無水硫酸など気化しやすいものについては、気化したガスと基材を接触させる方法を用いることもできる。
また、イオン交換能を有する官能基を基材に導入する別の方法として、例えば、イオン交換基を有するモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどを用いて放射線グラフト重合を行うことにより、基材に直接、イオン交換能を有する官能基を導入することもできる。
また、放射線グラフト重合法による別の方法としては、放射線グラフト重合によってグラフト鎖を導入後に、更に2次反応を行ってグラフト鎖にイオン交換基を導入することで、基材にイオン交換基を導入してもよい。この場合にグラフト重合に用いられるモノマーとしては、アクリロニトリル、アクロレイン、ビニルピリジン、スチレン、クロロメチルスチレン、メタクリル酸グリシジルなどが挙げられる。例えば、メタクリル酸グリシジルを放射線グラフトによって基材に導入し、次に、亜硫酸ナトリウムなどのスルホン化剤を反応させてスルホン酸基をグラフト鎖に導入することにより、イオン交換基を有する基材を得ることができる。また、メタクリル酸グリシジルを介して、ジエタノールアミンなどによって4級アンモニウムや3級アミノ基などのイオン交換基を導入することもできる。
なお、本実施形態の基材と、イオン交換能を有する官能基を含む物質を接触させる前に、つまり、イオン交換基導入処理の前処理として、α、γ、β線などの放射線や、電子線、紫外線、コロナ放電、プラズマ照射などにより、基材表面(のポリマー部)にラジカルを発生させてもよい。ラジカルを発生させることにより、官能基とラジカルが容易に化学結合するので、官能基を導入し難い高分子材料の劣化を抑制しつつ容易に官能基を導入でき、且つ、より強固に官能基を固定できたり、官能基を導入したい部分にのみ、導入できるようになるなどのメリットがある。
以下、本発明の創傷部感染防止用部材に用いる基材にラジカルを生成させる方法について詳述する。
基材にラジカルを生成させる方法としては、窒素、アルゴン、ヘリウムガスなどの不活性ガス中で、基材へ、α線や、β線や、γ線や、電子線を照射する方法(放射線照射法)や、紫外線を照射する方法(紫外線(UV)法)、または、コロナ放電を照射する方法(コロナ放電法)や、グロー放電により発生するプラズマを照射する方法(プラズマ法)、あるいは、これらを組み合わせた方法などを挙げることができる。本発明では、特に、電子線やコロナ放電を照射する放射線照射法やコロナ放電法が適している。
また、基材にラジカルを生成させる方法として、基材をイソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール類に含浸させた状態で、α線や、β線や、γ線や、電子線や、紫外線を基材へ照射する方法、または、コロナ放電を照射する方法や、グロー放電により発生するプラズマを照射する方法を用いても良い。
また、UV法の場合には光開始剤が用いられるが、光開始剤としてはたとえばベンゾフェノン、アントラキノンなどがある。光開始剤が吸収した光のエネルギーが、基材を構成するポリマーへ移動してラジカルを作る場合と、光開始剤ラジカルがポリマーの水素を引き抜いて、ポリマーにラジカルを作る場合とがある。また、プラズマ法では、プラズマ中の電子がポリマーにラジカルをつくる場合と、ラジカルを酸素と反応させて過酸化ラジカルとする方法とがある。UV法とプラズマ法とコロナ放電法の特徴は基材の表面近傍のみに限定してラジカルを発生させる点である。
本実施形態の放射線照射法には、同時照射法と前照射法がある。同時照射法はポリマーと反応物質の共存下で照射する方法である。前照射法は捕捉ラジカル法ともいわれ、放射線照射してラジカル生成後から反応物質と接触させる方法である。この放射線照射法の特徴としては、あらゆる形状のポリマーに活用でき、ポリマー内部までラジカルを生成させることができ、開始剤等の残存がない、大量生産できる等が挙げられる。
さらに、基材にラジカルを生成させる方法には、上述した放射線照射法や紫外線法(UV法)やコロナ放電法、プラズマ法などに加えて化学開始剤法がある。化学開始剤法には、連鎖移動法、乳化重合法、セリウム塩法などがある。連鎖移動法では、過酸化ベンゾイルのような過酸化物やアゾイソブチロニトリル(AIBN)などが化学開始剤として使用されている。
本実施形態では、目的、用途に応じて、ラジカル生成方法として、放射線照射法、UV法、プラズマ法、及び、コロナ放電法を適宜選択すれば良い。
本実施形態の創傷部感染防止用部材の基材に放射線を照射する方法において、電離放射線の照射線量は、イオン交換能を有する官能基を導入させるのに十分なラジカルの生成量が得られ、不必要な架橋や部分的な分解が起こらない経済的な照射線量であれば特に制限はない。ただしラジカルが均一に生成し、本発明の創傷部感染防止用部材を構成する基材の剛性や耐薬品性に及ぼす影響も少ないことから、1kGy〜1000kGyの範囲にあることが好ましく、5kGy〜500kGyの範囲にあることがより好ましく、10kGy〜300kGyの範囲にあることが特に好ましい。
上述のラジカル生成方法により生成されるラジカルについてはポリエチレンでは多くの報告があり、電子線の照射によってアルキル、アリル、ポリエニル、過酸化ラジカルが生成する。ラジカルは結晶部と非晶部に生成するが、分子鎖の運動が激しい非晶部では、ただちに再結合等の反応で消滅する。観察されるのは結晶部内のラジカルである。アルキルラジカルは反応性がきわめて高く、水素を引き抜きながら結晶部を移動し、非晶部で再結合(橋かけ)や酸化反応、グラフト反応で消費される。
ポリマーラジカルは放射線の直接一次作用と、入射した放射線ではじき出された電子による二次作用で生成するので、入射放射線の飛跡に沿ってラジカルが群をなして生成する。一つの群の大きさは数nm程度であり、この群の中でラジカルの再結合が起こる。また、生成したラジカルは水素による付加と引き抜き反応によって、分子間あるいは分子内を移動し結合相手のラジカルを探す。結晶部内ではポリマーの運動が制限されているため反応は起きにくいが、結晶部内に生成したラジカルは分子鎖が自由に運動できる非晶部に移動して反応に参画する。
本実施形態において、基材への放射線照射直後、例えば1〜2分以内に、イオン交換能を有する官能基を導入するような場合には、放射線を照射する際の温度および、照射後に基材を保存する温度については特に制限はない。しかし、ラジカルを生成した後、時間をおいてイオン交換能を有する官能基を導入する場合などにはラジカルを保存するために、照射も保存も低温で行うことが望ましい。−5℃程度に低温保存すれば、照射20日経過後でも支障なくポリマーラジカルを用いた反応が可能である。
上述のように、基材表面にラジカルを発生させた後、イオン交換能を有する官能基を含む物質を接触させ、再度、α、γ、β線などの放射線や、紫外線、電子線などを照射することで、イオン交換能を有する官能基が、モノマーを介して高分子材料の基材表面に導入されることとなる。
また官能基の導入方法については、上述のように、基材に直接官能基を導入する方法と、グラフト鎖を介して導入する方法を説明したが、後者の場合、基材によっては基材への変色が起きるため、変色を防止したい場合は、前者の方法の方が特に好ましい。さらに、外科手術などでできた切開部に挟み込んで本発明の創傷部感染防止用部材を用いる場合、自然治癒力を阻害しないためにも厚みは薄い方が好ましく、後者のグラフト鎖を介して官能基を導入する場合は、グラフト鎖を導入する事による厚みと重量の増加が起きるため、前者の直接官能基を導入する方法が好ましい。
本実施形態の創傷部感染防止用部材は、さらに殺菌効果と抗ウイルス効果の少なくとも一方を有する成分として少なくとも1種の金属イオンを含むことを特徴とする。本実施形態では、金属イオンは上述のイオン交換能を有する官能基であるイオン交換基と結合して導入されている。
具体的な殺菌効果や抗ウイルス性効果を有する金属イオンとしては、たとえばAg、Zn、Cu、Co、Ni、Al、Pt、Au、Pd、Snなどが挙げられ、それぞれの目的に応じて1種あるいは2種以上を組合せて用いる事ができる。特にAg、Pt、Auなどは生体への安全性がより高いため好ましい。
また本実施形態の創傷部感染防止用部材において不活化できる細菌については、グラム陽性、陰性に関わらず殺菌することができる。例えば、大腸菌、腸管細菌(エンテロバクター、バクテロイデス、糞便レンサ球菌、緑膿菌など)、表皮常在菌:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、黄色ぶどう球菌、表皮ぶどう球菌、肺炎桿菌などが挙げられる。
さらに本実施形態の創傷部感染防止用部材において不活性化できるウイルスについては特に限定されず、ゲノムの種類や、エンベロープの有無等に係ることなく、様々なウイルスを不活化することができる。例えば、ライノウイルス・ポリオウイルス・口蹄疫ウイルス・ロタウイルス・ノロウイルス・エンテロウイルス・ヘパトウイルス・アストロウイルス・サポウイルス・E型肝炎ウイルス・A型、B型、C型インフルエンザウイルス・パラインフルエンザウイルス・ムンプスウイルス(おたふくかぜ)・麻疹ウイルス・ヒトメタニューモウイルス・RSウイルス・ニパウイルス・ヘンドラウイルス・黄熱ウイルス・デングウイルス・日本脳炎ウイルス・ウエストナイルウイルス・B型、C型肝炎ウイルス・東部および西部馬脳炎ウイルス・オニョンニョンウイルス・風疹ウイルス・ラッサウイルス・フニンウイルス・マチュポウイルス・グアナリトウイルス・サビアウイルス・クリミアコンゴ出血熱ウイルス・スナバエ熱・ハンタウイルス・シンノンブレウイルス・狂犬病ウイルス・エボラウイルス・マーブルグウイルス・コウモリリッサウイルス・ヒトT細胞白血病ウイルス・ヒト免疫不全ウイルス・ヒトコロナウイルス・SARSコロナウイルス・ヒトポルボウイルス・ポリオーマウイルス・ヒトパピローマウイルス・アデノウイルス・ヘルペスウイルス・水痘帯状発疹ウイルス・EBウイルス・サイトメガロウイルス・天然痘ウイルス・サル痘ウイルス・牛痘ウイルス・モラシポックスウイルス・パラポックスウイルスなどを挙げることができる。
また、本実施形態の創傷部感染防止用部材は、殺菌又は滅菌して用いることが好ましい。殺菌、滅菌方法としては、種々の殺菌・滅菌方法を用いることができる。例えば、湿熱蒸気滅菌、電子線滅菌、ガンマ線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、薬剤殺菌、紫外線殺菌などが例示できる。これらの方法のうち、ガンマ線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、電子線滅菌は、滅菌効率と材料に与える影響が少なく好ましい。
本実施形態の創傷部感染防止用部材は、上記の様に、生体親和性と殺菌及び/又は抗ウイルス性を兼ね備えているため、シート状の創傷部感染防止用部材を形成し、どちらか一方の面に、フィブリン糊などを塗布し、剥離フィルムなどを積層する事で、創傷被覆材としての使用や、切開部の傷を縫合ではなく、本実施形態の創傷部感染防止用部材にて貼付けるように閉鎖することもできるため、治癒後の瘢痕が残りにくくすることができる。さらに、手術などでできた切開部の断面に創傷部感染防止用部材を直接挟んで切開部の内部に留めたまま縫合することで、切開部に付着した細菌やウイルスを不活化できるため、感染症を直接防止することができる。
以上の本実施形態によれば、殺菌及び/又は抗ウイルス性を有する金属イオンが、基材の表面に導入された官能基に結合して固定されているため、金属イオンが比較的少量であっても効率良く基材表面に導入される。従って、少量でも高い殺菌及び/又は抗ウイルスの効果が得られ、効果的に細菌やウイルスの感染を防止する創傷部感染防止用部材を提供することができる。また、抗生剤等を使用せず金属イオンによって殺菌あるいはウイルスの不活化処理を行うため、耐性菌等の問題も生じることなく効果的に感染を防止できる。さらに、金属イオンが官能基を介して固定されているため、水等によって流れることも抑制され、より長期的に安定して殺菌及び/又は抗ウイルス性を発揮する創傷部感染防止用部材を提供することができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<創傷部感染防止用部材の作製>
以下、実施例の電子線照射には、エレクトロカーテン型電子線照射装置(岩崎電気(株)製 CB250/15/180L)を用いた。創傷部感染防止用部材の実施例および比較例は以下の通り作製した。
(実施例1)
創傷部感染防止用部材の基材として、生体親和性基材であるPP(ポリプロピレン)不織布(クラレクラフレックス(株)社製)を窒素雰囲気下にて、電子線を200kVの加速電圧で5Mrad照射した。ついでこの不織布を、窒素雰囲気下にて、30%発煙硫酸に1時間さらしスルホン化を行った。得られたスルホン化PP不織布を、1%硫酸銀水溶液に20分間浸漬し、水洗及び乾燥し、銀イオン担持スルホン化不織布を得た。
(実施例2)
実施例1と同様の方法にてスルホン化したPP不織布を、1%硝酸亜鉛水溶液に20分間浸漬し、水洗及び乾燥し、亜鉛イオン担持スルホン化不織布を得た。
(実施例3)
実施例1と同様の方法にてスルホン化したPP不織布を、1%硝酸銅水溶液に20分間浸漬し、水洗及び乾燥し、銅イオン担持スルホン化不織布を得た。
(実施例4)
創傷部感染防止用部材の基材として、生体親和性基材であるNy(ナイロン)不織布(ユニチカ(株)社製 ナイエース(登録商標))を窒素雰囲気下にて、電子線を200kVの加速電圧で5Mrad照射した。ついでこの不織布を、窒素雰囲気下にて、30%発煙硫酸に1時間さらしスルホン化を行った。得られたスルホン化Ny6不織布を、1%硫酸銀水溶液に20分間浸漬し、水洗及び乾燥し、銀イオン担持スルホン化不織布を得た。
(実施例5)
創傷部感染防止用部材の基材として、生体親和性基材であるPE(ポリエチレン)不織布(シンワ(株)社製)を窒素雰囲気下にて、電子線を200kVの加速電圧で5Mrad照射した。ついでこの不織布を、窒素雰囲気下にて、30%発煙硫酸に1時間さらしスルホン化を行った。得られたスルホン化PE不織布を、1%硫酸銀水溶液に20分間浸漬し、水洗及び乾燥し、銀イオン担持スルホン化不織布を得た。
(実施例6)
実施例1と同じPP不織布に、窒素雰囲気下にて、電子線を200kVの加速電圧で20Mrad照射した。ついでこの不織布を10%のメタクリル酸グリシジル溶液に浸漬し、グラフト重合反応を行い、さらに、亜硫酸水素ナトリウム水溶液でスルホン化を行った。得られたスルホン化PP不織布を1%硫酸銀水溶液に20分間浸漬し、水洗及び乾燥し、グラフト鎖導入による銀イオン担持スルホン化不織布を得た。
(実施例7)
実施例6と同様の方法にてグラフト重合とスルホン化を行ったPP不織布を、1%硝酸銅水溶液に20分間浸漬し、水洗及び乾燥し、グラフト鎖導入による銅イオン担持スルホン化不織布を得た。
(実施例8)
実施例1と同じPP不織布に、実施例6と同様にグラフト重合反応を行い、さらに、ジエチルアミン溶液にグラフト重合反応を行った不織布を浸漬しアミノ化を行った。得られたアミノ化PP不織布を1%塩化金酸水溶液に20分間浸漬し、水洗及び乾燥し、金錯体担持アミノ化不織布を得た。
(実施例9)
創傷部感染防止用部材の基材として、生分解性基材であるポリ乳酸(PLA)不織布(ユニチカ株式会社製・TERRAMAC(登録商標) 20目付け)を、窒素雰囲気下にて、電子線を200kVの加速電圧で5Mrad照射した。ついでこの不織布を、窒素雰囲気下にて、30%発煙硫酸に1時間さらしスルホン化を行った。得られたスルホン化PLA不織布を、1%硝酸銀水溶液に20分間浸漬し、水洗及び乾燥し、銀イオン担持スルホン化不織布を得た。
(実施例10)
生分解性基材である厚さ15μmのポリ乳酸(PLA)フィルム(ユニチカ株式会社製・TERRAMAC(登録商標) TF-15)に対し、実施例1と同様の方法にてスルホン化及び銀イオン担持を行い、銀イオン担持スルホン化PLAフィルムを得た。
(実施例11)
生分解性基材である厚さ18μmのポリグリコール酸(PGA)フィルム(株式会社クレハ製・Kuredux(登録商標))に対し、実施例1と同様の方法にてスルホン化及び銀イオン担持を行い、銀イオン担持スルホン化PGAフィルムを得た。
(比較例1)
実施例1で用いたPP不織布の未加工品を比較例1とした。
(比較例2)
実施例1と同様の方法にて作成したスルホン化PP不織布を比較例2とした。
(比較例3)
実施例4で用いたNy不織布の未加工品を比較例3とした。
(比較例4)
実施例4と同様の方法にて作成したスルホン化Ny不織布を比較例4とした。
(比較例5)
実施例5で用いたPE不織布の未加工品を比較例5とした。
(比較例6)
実施例5と同様の方法にて作成したスルホン化PE不織布を比較例6とした。
(比較例7)
実施例9と同じPLA不織布の未加工品を比較例7とした。
(比較例8)
実施例9と同様の方法にて作成したスルホン化PLA不織布を比較例8とした。
(比較例9)
実施例10と同じPLAフィルムの未加工品を比較例9とした。
(比較例10)
実施例10と同様の方法にて作成したスルホン化PLAフィルムを比較例10とした。
(比較例11)
実施例11と同じPGAフィルムの未加工品を比較例11とした。
(比較例12)
実施例11と同様の方法にて作成したスルホン化PGAフィルムを比較例12とした。
(比較例13)
殺菌性能を有する微粒子として、ヨウ化銀(I)粉末(和光純薬工業株式会社製、化学用)を、乾式粉砕機を用いて平均粒子径1.6μmの微粒子に粉砕した。この微粒子を、アクリル塗料(武蔵塗料製・プラエースK1760)をシンナー(武蔵塗料製・Z-27855)と同重量となるように混合した塗液に対し、銀重量として0.78wt%になるよう添加した。これを、厚さ15μmのPLAフィルム(ユニチカ株式会社製、TERRAMAC(登録商標)TF-15)に、バーコーターを用いて塗工し、室温で一晩乾燥させた。この塗工PLAフィルムを比較例13とした。
上記、実施例の性能評価の方法として、以下の方法を用いて殺菌性を評価した。
<殺菌性の評価>
各サンプルの殺菌性評価は、大腸菌(Escherichia coli)を用いて評価を行った。大腸菌の懸濁液 100μLをプラスチックシャーレ上に滴下し、その上から、2cm×2cmに切り取った各サンプルを載せて、懸濁液をサンプル全面に延ばした後、室温で60分間作用させた。60分後、20mg/mLのブイヨンタンパク質液(SCDLP培地)1900μLを添加し、ピペッティングにより細菌を洗い出し、上清液を回収した。その後、SCDLP培地を用いて、回収した上清液の10倍段階希釈系列を作製し、回収した上清液と各希釈段階液をそれぞれ1mLずつシャーレにとり、溶解したNB寒天培地を加えて、混和した。寒天培地が固化した後、37℃にて培養を行った。形成されたコロニー数をカウントし、生菌数(log CFU,Log10);(CFU:colony-forming unit)を算出することで、それぞれの大腸菌に対する殺菌性を評価した。コントロールには、接種した菌懸濁液中に存在する菌数を用いた。結果を表1に示す。
<抗ウイルス性の評価>
各サンプルの抗ウイルス性評価は、MDCK細胞で培養したインフルエンザウイルス(influenza A/北九州/159/93(H3N2))を用いた。ウイルスの懸濁液100μLをプラスチックシャーレ上に滴下し、その上から2cm×2cmに切り取った各サンプルを載せて、懸濁液をサンプル全面に延ばした後、室温で60分間作用させた。60分後、SCDLP培地 1900μLを添加し、ピペッティングによりウイルスを洗い出し、上清液を回収した。その後、細胞培養培地(MEM)を用いて、回収した上清液の10倍段階希釈系列を作製した。回収した上清液と各希釈段階液0.1mLをMDCK細胞を培養した6穴細胞培養プレートに接種した。60分間静置しウイルスを細胞へ吸着させた後、0.7%寒天培地を重層し、48時間、34℃、5%CO2インキュベータにて培養後、ホルマリン固定、メチレンブルー染色を行い、形成されたプラーク数をカウントして、ウイルスの感染価(PFU/0.1mL,Log10);(PFU:plaque-forming units)を算出した。コントロールには、接種したウイルス懸濁液中に存在するウイルス数を用いた。結果を表1に示す。
<銀担持量の測定(原子吸光測定)>
各サンプルの銀担持量は、Z-2310形 偏光ゼーマン原子吸光光度計(株式会社日立ハイテクノロージズ製)を用いて測定した。まず、各サンプルを、4×4cmに切り取り、1% HClを3 mL添加した。次にローテーター(ファインPCR社製)で攪拌しながら、一晩室温下で溶出させた後、適宜希釈を行い、原子吸光測定を行った。銀の標準液(和光純薬工業株式会社製、原子吸光分析用)は1%HClで希釈したものを用いた。検量線も同時に測定を行い、この検量線を用いて単位面積あたりの銀担持量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006174946
以上の結果より、本発明の実施例1〜11では、殺菌性については検出限界値以下、抗ウイルス性についても、99.997%〜検出限界値以下という高い効果が確認できたのに対し、金属イオンを固定していない比較例1〜12については効果が確認できなかった。また、ヨウ化銀の塗膜を形成した比較例13では、銀担持量が1307.6μg/cm2という高い値にも関わらず、殺菌性は99.84%、抗ウイルス性は92.057%と本実施例よりも低い値となった。これは有効成分であるヨウ化銀の多くが塗膜中に存在しているため、効果を発揮できなかったためであると推測される。これに対し、本発明の創傷部感染防止用部材は銀担持量が比較例13の1/100程度にも関わらず、殺菌性、抗ウイルス性ともに効果が高いことから、有効成分である金属イオンがイオン交換能を有する官能基に固定されることによって、効率良く金属イオンを部材表面に固定でき、それによって効率良く殺菌及び/又は抗ウイルス効果が発揮されていることが確認できた。そのため、本発明によって金属イオンが非常に少量でも効率よく効果を発揮し、かつ、生体への安全性も高い部材を提供できることが確認できた。

Claims (4)

  1. 生体親和性を有する基材と、
    該基材表面のみに導入されたスルホン酸基と、
    スルホン酸基に結合する金属イオンと、を備えることを特徴とする創傷部感染防止用部材。
  2. 前記生体親和性を有する基材が、生分解性を有する高分子材料であることを特徴とする請求項1に記載の創傷部感染防止用部材。
  3. 前記金属イオンが銅、銀、亜鉛、金、白金、コバルト、ニッケル、スズ、アルミニウム、パラジウムから少なくとも1種選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の創傷部感染防止用部材。
  4. 前記基材がシート状であり、
    前記金属イオンが結合した前記スルホン酸基が、シート状の前記基材の少なくとも一方の面に導入されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の創傷部感染防止用部材。
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