JP6174745B1 - 装身具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単に身体部位の装着や取り外しができるばかりでなく、雑菌等の付着や黴の発生を防止できると共に消臭効果を有し、身体部位への衛生的な装着が可能な装身具を提供する。【解決】柔軟性材料によって形成されたチューブと、前記チューブの内部における両端部を除く部分に挿入された複数の磁石片と、前記チューブの両端部を閉鎖するキャップを備える。補色の関係にある2以上の金属酸化物がドープされ表面がペルオキソ基で修飾された二酸化チタンの微粒子と、抗菌活性のある金属イオンを担持したコロイダルシリカの微粒子とがコロイド状に分散したコーティング剤11をチューブ2の外表面に塗布する。【選択図】図1

Description

本発明は、ネックレス、ブレスレット、ベルト等のリング状となって使用される装身具に関し、特に身体への装着を簡単に行うことができるばかりでなく、抗菌性、抗黴性、抗ウィルス性、消臭性を有し衛生的に使用することが可能な装身具に関する。
一般的にネックレス等の装身具は、装身具本体部の両端に一対の留め具を備えている。一対の留め具は雌雄嵌合構造、引き輪構造、フック式構造、その他の構造によって相互に係止可能となっている。留め具が引き輪構造の場合、一対の留め具はリング体となっており、一方側のリング体を開いて他方側のリング体に通して係止させることにより装身具の装着を行うことができる。しかしながら、留め具は通常、装身具の装飾効果に影響しないように小さいものが使用されるため、健常者であっても結合や取り外しの操作がしにくいばかりでなく、高齢者や手先が不自由な人は留め具への操作がさらに難しく、長時間を要したり、他人に依頼しなければならない不便さがある
身体への装着や取り外し等の操作性を向上させるため、特許文献1には、磁石片を用いた装身具が開示されている。この従来の装身具は、中空状のチューブと、チューブ内に挿入された複数の磁石片と、磁石片を挿入した後のチューブの両端部を閉鎖するキャップと、前記チューブが挿入される筒状の外皮と、外皮の両端部を閉鎖する外キャップとを備えている。磁石片は円柱状となっており、円柱の外周の一側面にN極が配置され、N極とは180度反対側の側面にS極が配置されて構成されている。
このような従来の装身具では、チューブの長さ方向の両端部を接近させることにより内部の磁石片の磁気吸引力によってチューブの両端部が相互に吸着して重なり合った状態となる。このため装身具がリング状となるため身体部位へ巻き付けることができる。一方、チューブの両端部の重ね合わせ状態を引き離すことにより、装身具を身体部位から取り外すことができる。これにより、操作が面倒な留め具を不要とし、しかも装着や取り外しを簡単に行うことが可能な装身具とすることができる。
特許第4851780号公報
特許文献1に記載された装身具は、身体部位への装着や取り外しを簡単に行うことができるが、雑菌やウィルス等が表面に付着して繁殖したり、黴が発生することもあり、非衛生的となっている。又、これらによって臭いが発生することもあり、身体部位への装着に不愉快な事態となる問題を有している。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、簡単に身体部位の装着や取り外しができるばかりでなく、雑菌等の付着や黴の発生を防止できると共に消臭効果を有し、身体部位への衛生的な装着が可能な装身具を提供することを目的とする。
本発明の装身具は、柔軟性材料によって形成されたチューブと、前記チューブの内部における両端部を除く部分に挿入された複数の磁石片と、前記チューブの両端部を閉鎖するキャップと、前記チューブの外表面に塗布されたコーティング剤と、からなり、
前記コーティング剤は、補色の関係にある2つの金属酸化物がドープされ表面がペルオキソ基で修飾されたアナターゼ型結晶性の二酸化チタンの微粒子と、抗菌活性のある金属イオンを担持したコロイダルシリカの微粒子と、がコロイド状に分散した液体であって、
前記二酸化チタンにドープされる金属酸化物が、酸化タングステン及び酸化ネオジムであることを特徴とする。
上記構成において、前記磁石片は、前記チューブの内部の両端側に配置されていることが好ましい。又、前記チューブは前記磁石片が挿入された内側チューブと、前記内側チューブを覆う外側チューブとによって形成されていることが好ましい。又、前記アナターゼ型二酸化チタンにドープされる金属酸化物は、酸化タングステン及び酸化ネオジムであることが好ましい。さらに、前記コロイダルシリカに担持される金属イオンは、銀イオン及び/又は銅イオンであることが好ましい。さらに、前記補色の関係にある2の金属酸化物の組み合わせは、一方の金属酸化物がネオジム酸化物であり、他方の金属酸化物がタングステン酸化物又はレニウム酸化物のいずれか一方である組み合わせ若しくは一方の金属酸化物がマンガン酸化物又はニッケル酸化物のいずれか一つであり、他方の金属酸化物が銅酸化物、鉄酸化物、又はバナジウム酸化物のうちのいずれか一つの組み合わせであることが好ましい。
本発明の装身具は、留め具が不要となり、高齢者や手先が不自由な人であっても簡単に装着及び取り外すことができる。
また、チューブの外表面に塗布されたコーティング剤が補色の関係にある2以上の金属酸化物がドープされ表面がペルオキソ基で修飾されたアナターゼ型二酸化チタンの微粒子と、抗菌活性のある金属イオンを担持したコロイダルシリカの微粒子とがコロイド状に分散した液体であり、人体に有害な物質を含まないため、使用者の肌に接触する装身具1に好適に使用することができる。しかもコーティング剤はアナターゼ型二酸化チタンの微粒子及びコロイダルシリカの微粒子によって形成されているため、透明でありチューブ2の着色性や装飾性を変化或いは低下させることがない。
又、コーティング剤が抗菌活性のある金属イオンを担持したコロイダルシリカの微粒子を含むため、暗所においても金属イオンの働きにより高い抗菌作用、防黴作用、抗ウイルス作用を有することができる。さらに、コーティング剤が酸化物の色が互いに補色の関係にある金属酸化物の2つ以上をアナターゼ型二酸化チタンにドープした光触媒を含有するため、明所では紫外線領域だけでなく可視光領域の光によって、抗菌、抗ウイルス、防黴、消臭、防汚、大気浄化等の活性を有する効果を有する。従って、このコーティング剤がチューブ2の該表面に塗布された装身具は、雑菌等の付着や黴の発生を防止できると共に消臭効果を有するため、身体部位への衛生的な装着が可能となる。
さらに本発明に用いるコーティング剤は、水にコロイド状態に分散した二酸化珪素(コロイダルシリカ)を含有しており、このコロイダルシリカがアナターゼ型二酸化チタンの分散剤及びコロイド状態を維持する安定剤として作用する。このため長期間安定したコロイド状態を維持することができる。又、コロイダルシリカがチューブ2への塗布の際に接着剤として作用するため、コーティング剤のチューブ2への付着性を高めることができ、チューブ2が直接に二酸化チタンに接し光触媒によって浸食されることを緩衝するため、塗布面を長期間維持することができる。さらに、コーティング剤は表面をペルオキソ基で修飾した二酸化チタンを含有し、このペルオキソ基の分極により粒子間に斥力が働くため、分散性に優れ、チューブ2の外表面に塗装した際に光触媒として高い活性を有している。
本発明の一実施形態の装身具の全体を示す断面図である。 装身具の使用状態を示す正面図である。
図1は、本発明の一実施形態の装身具1を示す。この実施形態の装身具1はネックレスに適用した場合を示すが、ブレスレット、チョーカー、アクレット等のネックレス以外の装身具にも同様に適用することができる。図1に示すように、装身具1は、柔軟性材料によって形成されたチューブ2と、チューブ2の内部における両端部を除く部分に挿入された複数の磁石片5と、チューブ2の両端部を閉鎖するキャップ6と、チューブ2の外表面に塗布された薄膜状のコーティング剤11とによって形成されている。
チューブ2は両端部が開口されており、円筒状の内側チューブ3と、内側チューブ3を覆う外側チューブ4とによって形成される。チューブ2は全体が曲げや捩じりが容易な柔軟性材料によって形成されている。このため少なくとも内側チューブ3がゴム、可撓性合成樹脂等の柔軟性材料によって形成される。
外側チューブ4は内側チューブ3が挿入されることにより内側チューブ3の全体を覆っており、外部から視認される。外側チューブ4は、金、銀その他の貴金属線材又は光沢、色彩等を有した装飾性の可撓性線材を編組することにより形成されており、管状となって内側チューブ3を覆うことにより装身具1の全体が良好な審美性、華麗性を備えるようになっている。チューブ2の全体が柔軟性を有していることにより、装身具1の全体を曲げたり、捩ったりすることが容易であり、装身具1の装身操作を容易に行なうことができる。
複数の磁石片5は内側チューブ3内に挿入される。磁石片5は同径の円柱状又は円筒状に形成されており、長さ方向の両端面が隣接する磁石片5の端面と接触するように横並び状となって内側チューブ3内に挿入される。各磁石片5においては、径方向の半分がN極、他の半分がS極に着磁されている。又、各磁石片5は内側チューブ3内で自由に回転可能となっている。従って、各磁石片5の磁極は磁石片5が回転することにより内側チューブ3内で円周方向に任意に変位可能となっており、後述するように対向した磁石片5が磁気吸引力を相互に作用させることができる。
この実施形態に使用される磁石片5としては、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石等を選択することができる。フェライト磁石は、酸化物磁石の一つで、酸化鉄を主原料にして焼き固めて作製される。磁束密度は低いが、保磁力が高く減磁しにくい。又、電気抵抗が大きく渦電流損が低く、高周波まで適用できる。磁器なので薬品に強く、錆びることはない。焼く前は粉末のため自由な形にできるため、成形性が良好である。
サマリウムコバルト磁石は、サマリウムとコバルトとを原料として作製される。サマリウムコバルト磁石は強い磁力を持ち、高い耐腐食性と良好な温度特性(200℃程度まで使用可能)を有している。
ネオジム磁石は、ネオジム、鉄、ホウ素を主成分とした希土類磁石である。磁束密度が高く、強い磁力を持つ。鉄を含み錆びやすいため通常は表面に鍍金を施して使用される。
キャップ6はチューブ2(具体的には、外側チューブ4)の両端部に設けられてチューブ2の両端部を閉鎖する。キャップ6はチューブ2側の差し込み部6aと、差し込み部6aよりも大径となっている蓋部6bとを一体に有している。差し込み部6aは外側チューブ4の径に合わせた径となっており、外側チューブ4の両端部の開口部に差し込まれ、この差し込み状態で接着される。このことにより蓋部6bが外側チューブ4の両端部を塞いだ状態となる。
以上の構造の装身具1は、全体が曲げや捩じりが容易な柔軟性を有しているため、リング状に湾曲させることにより使用者の首の回りに巻き付けることができる。図2は巻き付け状態を示し、チューブ2の両端部を相互に重ね合わせた状態とする。この重ね合わせよりチューブ2の内部に挿入された磁石片5と重ね合った磁石片5とが磁気によってチューブ2内で回転し、対向した磁石片5が相互に異極が向き合うようになり、磁気吸引力が作用する。このため、装身具1を首回りに装着することができる。一方、重なり合っている状態を引き剥がすことにより装身具1を取り外すことができる。このような装身具1では、留め具が不要となり、高齢者や手先が不自由な人であっても簡単に装着及び取り外すことが可能となる。
なお、この実施形態においては、磁石片5がチューブ2の内部の略全長に配置されているが、磁石片5はチューブ2内部の両端側に配置するだけでも良い。この場合であっても、磁石片5の磁気吸引力による装身具1の装着を行うことができる。
コーティング剤11はチューブ2(この実施形態では、外側チューブ4)の外表面に塗布されて外側チューブ4の全表面を覆っている。このコーティング剤11は、補色の関係にある2以上の遷移金属の酸化物(金属酸化物)がドープされ表面がペルオキソ基で修飾された二酸化チタンの微粒子と、抗菌活性のある金属イオンを担持したコロイダルシリカの微粒子とがコロイド状に分散した液体が用いられる。このようなコーティング剤11は、紫外線領域だけなく可視光領域の光により励起する光触媒と高い抗菌及び抗ウィルス活性を有するものである。かかるコーティング剤11は本発明者が発明して特許出願した特願2016−34418号に記載されたものと同じコーティング剤を用いるものである。以下、コーティング剤11について説明する。
コーティング剤11はアナターゼ型二酸化チタンの微粒子と、コロイダルシリカの微粒子とを主成分とする。二酸化チタンの微粒子は補色の関係にある2以上の遷移金属からなる金属酸化物がドープされ、表面がペルオキソ基で修飾された微粒子が使用される。
補色の関係とは、色相環(color circle)で正反対に位置する関係の色の組合せをいい、二つの色を適当な割合で混合した結果、光の場合は白色光、絵の具などの場合は無彩色(灰色)になる組み合わせの関係をいう。
互いに補色の関係にある金属酸化物の組み合わせとしては、一方が、酸化ネオジムであり、他方が、酸化タングステン及び酸化レニウムからなる群から選ばれた1つ以上の組み合わせがある。この組み合わせでは酸化ネオジムである三酸化二ネオジム(Nd)の色調が青から青紫であり、一方、酸化タングステンである三酸化タングステン(WO)及び酸化レニウムである三酸化レニウム(ReO)の色が黄色であり互いに補色の関係になる。他の補色の関係にある金属酸化物の組み合わせの例としては、一方が緑色から青緑色の色調の一酸化マンガン(MgO)及び一酸化ニッケル(NiO)、他方が赤色から赤褐色の色調である酸化第一銅(CuO)、酸化第二鉄(Fe)及び五酸化二バナジウム(V)を選択することができる。
互いに補色の関係にある金属酸化物の添加量は、2つ以上の金属の合計が、二酸化チタンの0.1〜10モル%の範囲であることが好ましく、0.5〜5モル%であることがより好ましい。ドープした2つ以上の金属の合計が、二酸化チタンの0.1モル%以下であると、金属酸化物のドープによる可視光の吸収を十分に行えない虞があり、10モル%以上であると、二酸化チタンの光吸収によって生じた正孔を金属酸化物の動きやすい電子が塞いでしまい、光触媒としての効果が十分に発揮されない虞がある。
互いに補色の関係にある2つ以上の金属酸化物のそれぞれの添加量のモル比は、一方の金属の量を1としたとき、他方の金属の量が0.5〜2の範囲であることが好ましい。一方の金属の量を1としたとき、他方の金属の量が0.5以下又は2以上であると少ない配合の金属酸化物が吸収する波長の光の吸収量が少なくなり、可視光領域での光の吸収バランスが悪くなる虞がある。
これらのドープする金属は、該当金属を含み水溶液もしくはアルコールやアセトン又はエーテル等の溶液になるものであれば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等、いかなる化合物も使用することができる。
例えば、ネオジムであれば、水酸化ネオジム(Nd(OH))、塩化ネオジム(NdCl)、硫酸ネオジム(Nd(SO・8HO)等を利用できる。タングステンであれば、塩化タングステン(WCl)、タングステン酸ナトリウム(NaWO)、パラタングステン酸アンモニウム((NH10(H1242)・4HO)、フッ化タングステン(WF)、二硫化タングステン(WS)等のいずれか1つ以上を利用できる。レニウムであれば、塩化レニウム(ReCl)、三酸化メチルレニウム(CHReO)、ノナヒドリドレニウム(VII)酸カリウム(KReH)、デカカルボニル二レニウム(Re(CO)10)、二硫化レニウム(ReS)等のいずれか1つ以上を利用できる。マンガンであれば、マンガン酸ナトリウム(NaMnO)、水酸化マンガン(Mn(OH))、二塩化マンガン(MnCl)、ヨウ化マンガン(MnI)、硝酸マンガン(Mn(NО、硫酸マンガン(MnSO)、酢酸マンガン(Mn(OCOCH)、硫化マンガン(MnS)等のいずれか1つ以上を利用できる。ニッケルであれば、水酸化ニッケル(Ni(OH))、二塩化ニッケル(NiCl)、ヨウ化ニッケル(NiI)、硝酸ニッケル(Ni(NО、硫酸ニッケル(NiSO)、等のいずれか1つ以上を利用できる。銅であれば、二塩化銅(CuCl)、硝酸銅(Cu(NО)、硫酸銅(CuSO)、等のいずれか1つ以上を利用できる。鉄であれば、二塩化鉄(FeCl)、三塩化鉄(FeCl)、硝酸第一鉄(Fe(NО、硝酸第二鉄(Fe(NО、硫酸第一鉄(FeSO)、等のいずれか1つ以上を利用できる。バナジウムであれば、五酸化バナジウム(VО)、三酸化バナジウムアンモニウム(NHVО)、三酸化バナジウムナトリウム(NaVО)、四酸化バナジウム三ナトリウム(NaVО)、三塩化バナジウム(VCl)、二塩化バナジウム(VCl)、三臭化バナジウム(VBr)、四フッ化バナジウム(VF)、五フッ化バナジウム(VF)、硫酸バナジウム(III)アンモニウム((NH)V(SО)、硫酸バナジウム(II)カリウム(KV(SО)等のいずれか1つ以上を利用できる。
金属酸化物がドープされた二酸化チタンの微粒子の製造は、ドープされる金属のそれぞれの溶液が互いに混合されて、硫酸第二チタン(Ti(SО)の水溶液、又は、金属チタン、酸化チタン、水酸化チタン等のチタン原料を濃硫酸に溶解した溶液、又は、チタン鉱石よりチタンを取り出すための中間体としての硫酸第二チタン溶液に加えられ、均一に混合される。ドープ金属のそれぞれの溶液を直接硫酸第二チタンの水溶液に加えてもよい。所定量の金属が均一に混合された硫酸第二チタンの水溶液には塩基性物質の水溶液が滴下され、水酸化チタンの沈殿が生成する。
硫酸第二チタンがアルカリとの反応によって水酸化チタンになる段階で、金属が水酸化チタンにドープされる。ここでの反応に使用される塩基性物質に特に制限はなく、一般的に使用される、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を挙げることができる。中でもアンモニアは、後工程において水による洗浄以外にも気体として過剰な塩基性物質が除去されることから好ましく利用できる。ここで使用するアルカリの量はチタンのモル数の5倍以上であることが好ましく、通常5〜10倍量である。
塩基性物質の滴下により硫酸第二チタンは水酸化チタンとなって沈殿する。沈殿した水酸化チタンを濾過し、反応により生じた塩が検出されなくなるまで、十分に水洗した後、再び水に懸濁させて過酸化水素水を加え、攪拌すると、黄色のペルオキソチタン酸溶液が得られる。
過剰の過酸化水素水を加えることにより、二酸化チタンにドープされた金属はその安定な酸化物に変化する。と同時に、二酸化チタンの表面をペルオキソ基で修飾する。水中に分散したナノサイズの二酸化チタンの粒子は、その表面のペルオキソ基の分極によって粒子間の電気的斥力が働くために、凝集することなく長期にわたり安定に存在することができる。
ここで使用される過酸化水素水は、有効成分濃度が3〜50%であることが好ましい。有効成分濃度が3%以下では、二酸化チタンの表面が十分にペルオキソ基で修飾できない虞がある。又、有効成分濃度が50%を超えると急激な反応が起こることがあり、危険を伴う虞がある。
二酸化チタンに加える過酸化水素の量は、二酸化チタンの量より過剰であることがよく、通常、二酸化チタンのモル数の1.2倍から2.0倍量である。添加量が少ないと、二酸化チタンの表面が十分にペルオキソ基で修飾できない虞がある。大過剰になると、薬剤が無駄になるだけでなく、その後の過剰の過酸化水素を分解する過程に時間がかかり、無駄である。
過剰の過酸化水素を分解するためには、この反応液を一夜静置するとよい。過剰の過酸化水素を分解した後、80〜200℃において2〜40時間加熱処理することにより、表面がぺルオキソ基に修飾され、2種類以上の金属にドープされたアナターゼ型二酸化チタン結晶の水分散液を得ることができる。
この一連の水酸化チタンの生成段階において、アナターゼ型二酸化チタン結晶の一次粒子のサイズが決定され、加熱処理の段階で二次粒子のサイズが決定される。
水に分散したアナターゼ型二酸化チタン結晶の一次粒子のメジアン径は、10〜100nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましく、10〜30nmであることがさらに好ましい。100nmよりも大きくなると、微粒子に作用する重力による効果が大きくなり、分散剤を使用したとしても沈降しやすくなる。50nm〜100nmであると、分散剤の助成により長期間の分散を維持することができる。10〜50nmであると、このアナターゼ分散液は、常温において非常に安定な分散液を形成し、溶媒である水以外には特別な助剤を必要とせず、長期間安定した分散液を維持することができる。さらに、30nm以下になると、光の散乱効果により透明となるため、コーティング剤を塗布した際の仕上がりが美しくなる。
アナターゼ型二酸化チタン結晶の一次粒子の粒子径は細かくなる程、比表面積が大きくなり、光触媒の効果が上がり有利であるが、10nm未満のナノサイズになると、走査型電子顕微鏡で粒子径を測定できる限界となる。
次に、抗菌活性のある金属イオンを担持したコロイダルシリカについて説明する。
コロイダルシリカは、ケイ酸ソーダをイオン交換し、活性ケイ酸を調製後、これを加熱下において、水酸化ナトリウム(NaOH)でpH調整した微粒子含有水溶液中に添加し、粒子成長させる水ガラス法により調整したものでも、ケイ酸アルキル(テトラアルコキシシラン)を塩基性触媒の存在下で加水分解すると同時に縮合・粒子成長を行いながらシリカ粒子を製造するストーバー(Stoeber)法により合成したものでもよく、その他の方法で合成したコロイド状の二酸化珪素の何れであってもコロイダルシリカとして利用できる。又、市販のコロイダルシリカも問題なく利用できる。
抗菌活性のある金属イオンを担持したコロイダルシリカ(二酸化珪素)の一次粒子の体積分布メジアン径は10〜100nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましく、10〜30nmであることがさらに好ましい。メジアン径が100nmよりも大きくなると、微粒子に作用する重力による効果が大きくなり、沈降しやすくなる。メジアン径が50nm以下になると、このコロイダルシリカは、常温において非常に安定な分散液を形成し、溶媒である水以外には特別な助剤を必要とせず、長期間安定した分散液を維持することができる。さらに、30nm以下になると、光の散乱効果により透明となるため、コーティング剤を塗布した際の仕上がりが美しくなる。
コロイダルシリカが担持する抗菌活性のある金属イオンとしては、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、鉛(Pb),白金(Pt)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)及び鉄(Fe)から選ばれた1つ以上であることが好ましい。
コロイダルシリカに抗菌活性のある金属イオンを担持させるには、そのイオンに抗菌活性のある金属の塩化物、硝酸塩、又は硫酸塩等を水に溶解して、コロイダルシリカに混合してやればよい。例えば、銀(Ag)であれば硝酸銀(AgNО)の水溶液をコロイダルシリカに加えて、混合すればよいがこれに限定されない。この他の抗菌活性のある金属イオンについても、水に溶解し水中でその金属イオンになる金属化合物を水溶液として加えればよい。コロイダルシリカはその表面において周囲の水と水和しており、水の水素と二酸化珪素の酸素の間で分極しているため、金属イオンをその表面に担持することができる。
硝酸銀を添加した場合、残った硝酸イオンは、次工程で混合される2種以上の遷移金属のドープした二酸化チタン粒子に残留するアルカリ成分と反応して、例えば、硝酸アンモニウム等の塩を形成するが、その量は微量であるため、最終製品の物理的性状に影響を及ぼすことはない。
コロイダルシリカに加える抗菌活性のある金属イオンは、一種類だけでなく2つ以上を担持させてもよい。抗菌活性としては列記した金属イオンの中では銀イオン(Ag)が最も効果が高いが、抗ウイルス作用としては銅イオン(Cu++)の効果が高い。このため、一つのコロイダルシリカに銀イオン(Ag)と銅イオン(Cu++)を同時に担持させることにより、抗菌活性と抗ウイルス作用に優れるコロイダルシリカを提供することができる。例えば、銅(Cu)であれば、塩化第二銅(CuCl)の水溶液を添加すればよいがこれに限定されない。
コロイダルシリカに加える抗菌活性のある金属イオンのそれぞれの量は、二酸化珪素の乾燥重量を基準として0.001〜1重量%であることが好ましい。抗菌活性のある金属イオンを担持したコロイダルシリカは、上記の酸化物の色が互いに補色の関係にある遷移金属の2つ以上をドープし、表面をペルオキソ基で修飾した二酸化チタンの微粒子の水分散液と混合され、屋内の床、天井、壁等に噴霧塗装される。この塗装された面には、抗菌活性及び/又は抗ウイルス作用のある金属イオンが5〜50ppm程度含まれることがよい。
抗菌活性のある金属イオンの担持量が二酸化珪素の乾燥重量の0.001重量%以下であると、抗菌作用のある金属イオンの消失が速く、効果が長続きしない虞がある。一方、金属イオンの担持量が二酸化珪素の乾燥重量の1重量%を超えると、過剰な金属イオンが放出されることから、環境中の微生物バランスを崩す虞がある。
以上説明した互いに補色の関係にある2つ以上の金属酸化物がドープされ表面をペルオキソ基で修飾した二酸化チタンの微粒子と、抗菌活性のある金属イオンを担持したコロイダルシリカとの混合割合は、二酸化チタンの乾燥重量を1として、コロイダルシリカ(二酸化珪素)の重量が乾燥重量換算で1〜20であることが好ましい。二酸化チタンの乾燥重量1に対し、コロイダルシリカ(二酸化珪素)の重量が乾燥重量換算で1以下であると、金属イオンによる抗菌効果が弱まり、暗所での抗菌効果が不十分になる虞がある。一方、二酸化チタンの乾燥重量1に対し、コロイダルシリカ(二酸化珪素)の重量が乾燥重量換算で20を超すと、光触媒による抗菌、抗ウイルス、防黴、消臭、防汚、空気清浄の効果が不十分になる虞がある。
本発明では、以上のコーティング剤の液体に対し、装身具1を浸漬することにより、或いはコーティング剤を装身具1に噴霧やはけ塗りし、その後、室温乾燥又は加温乾燥することにより装身具1のチューブ2の害表面にコーティング剤を塗布することができる。
以上のコーティング剤は、人体に有害な物質を含まないため、使用者の肌に接触する装身具1に好適に使用することができる。しかもコーティング剤は二酸化チタンの微粒子及びコロイダルシリカの微粒子によって形成されているため、透明でありチューブ2の着色性や装飾性を変化或いは低下させることがない。
又、コーティング剤が抗菌活性のある金属イオンを担持したコロイダルシリカの微粒子を含むため、暗所においても金属イオンの働きにより高い抗菌作用、防黴作用、抗ウイルス作用を有することができる。さらに、コーティング剤が酸化物の色が互いに補色の関係にある金属酸化物の2つ以上をアナターゼ型二酸化チタンにドープした光触媒を含有するため、明所では紫外線領域だけでなく可視光領域の光によって、抗菌、抗ウイルス、防黴、消臭、防汚、大気浄化等の活性を有する効果を有する。従って、このコーティング剤がチューブ2の該表面に塗布された装身具は、雑菌等の付着や黴の発生を防止できると共に消臭効果を有するため、身体部位への衛生的な装着が可能となる。
さらに本発明に用いるコーティング剤は、水にコロイド状態に分散した二酸化珪素(コロイダルシリカ)を含有しており、このコロイダルシリカがアナターゼ型二酸化チタンの分散剤及びコロイド状態を維持する安定剤として作用する。このため長期間安定したコロイド状態を維持することができる。又、コロイダルシリカがチューブ2への塗布の際に接着剤として作用するため、コーティング剤のチューブ2への付着性を高めることができ、チューブ2が直接に二酸化チタンに接し光触媒によって浸食されることを緩衝するため、塗布面を長期間維持することができる。
さらに、コーティング剤は表面をペルオキソ基で修飾した二酸化チタンを含有し、このペルオキソ基の分極により粒子間に斥力が働くため、分散性に優れ、チューブ2の外表面に塗装した際に光触媒として高い活性を有している。
次に、コーティング剤の製造例を実施例1により説明する。
[実施例1]
(A)タングステンとネオジムをドープし、表面をペルオキソ基で修飾した二酸化チタンの製造
24mLの30%硫酸チタン(和光純薬社製)の水溶液に脱塩水を加え1000mLとした。1gの六塩化タングステン(Aldrich社製)を10mLのエーテルに溶解させた。一方、470mgの三塩化ネオジム六水和物(和光純薬社製)を10mLのエタノールに溶解させた。それぞれの溶液を同時に上記硫酸チタンの水溶液に攪拌しながら滴下した。
次いで、六塩化タングステン、三塩化ネオジム及び硫酸チタンを含む水溶液を氷冷下攪拌しながら、10%アンモニア水(日本薬局方第3塁医薬品)の25mLを250mlに希釈して滴下した。アンモニア水の滴下と共に、チタンを含む水溶液は白濁し、タングステンとネオジムをドープした状態で水酸化チタンが生成していることが観察された。水酸化チタンを分散した反応液は次第に粘性が増した。
アンモニア水の滴下終了後、1時間攪拌を続けた後、反応物を吸引濾過した。濾別した水酸化チタンは脱塩水懸濁し、吸引濾過して洗浄する作業を3回繰り返した。
洗浄後、白色固形物を集め、水300mLを加え、白色の懸濁液を調製した。この水酸化チタンの懸濁液に30%過酸化水素水(三菱ガス化学社製)20mLを加えて攪拌した。1時間攪拌を続けた後、10℃以下で、24時間静置して余剰の過酸化水素水を分解させ、黄色粘性液体400mlを得た。
次いで、得られた黄色粘性液体を95〜100℃で6時間加熱し、薄黄色半透明の分散液を得た。
(B)銀イオンと銅イオンを担持したコロイダルシリカの製造
硝酸銀(東洋化学社製)0.64g(Agとして0.4g)を水5mLに溶解し、
塩化第二銅二水和物(昭和化学社製)1.0g(Cuとして0.38g)を水5mLに溶解した液に加え、これを二酸化珪素無機コロイド(日産化学工業社製 成分:SiО 40%、商品名:スノーテックス(登録商標)、品番:N−40、粒子径:20〜30nm、)の1000mLに混合し2時間攪拌を続けた。
(C)コーティング剤の製造
タングステンとネオジウムをドープし、表面をペルオキソ基で修飾した二酸化チタンの懸濁液110mLと銀イオンと銅イオンを担持したコロイダルシリカの100mLを混合することによりコーティング剤を作製した。
次に、実施例1で製造したコーティング剤の抗菌力、抗ウィルス力、抗黴力についての試験結果を説明する。なお、以下の試験では、チューブ2に塗布される以前のコーティング剤についての試験であるが、チューブ2に塗布しても以下の試験と同様に作用することは明白である。
<抗菌力試験>
実施例1で得られたコーティング剤の抗菌活性をJIS L 1902:2008「繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果」10定量試験 10.1菌液吸収法により抗菌力試験を行った。試験菌として、黄色ぶどう球菌、肺炎かん菌、メシチリン耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)を使用し、培地には1/20濃度のニュートリエント培地を使用した。生菌数の測定は混釈平板培養法を採用した。
試験の結果を表1に示した。
Figure 0006174745
実施例1で得られたコーティング剤は、高い抗菌活性を示し、何れの試験菌も18時間後に生菌は検出されなかった。標準布(綿)の試験菌接種直後の生菌数の常用対数値(平均値)と検体の18時間培養後の生菌数の常用対数値(平均値)の差から求めた殺菌活性値は、黄色ぶどう球菌で3.2以上、肺炎かん菌で2.9以上、メシチリン耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)で3.5以上であると計算された。
<インフルエンザウイルスに対する不活化試験>
実施例1で得られたコーティング剤のインフルエンザウイルスに対する不活化試験を行った。検体にインフルエンザウイルスのウイルス浮遊液を添加混合し、作用液とした。室温で作用させ、5分、30分、1時間、24時間後に作用液のウイルス感染価を測定した。試験の詳細は以下のとおりである。
インフルエンザウイルスはInfluenza A virus(HINI) A/PR/8/34 ATCC VR−1469を使用した。イーグルMEM培地「ニッスイ」(1)(日本製薬社製)に牛胎仔血清を10%加えた増殖培地で単層培養したMDCK(NBL−2)細胞のATCC CCL−34株に上記ウイルスを摂取し、37℃の炭酸ガスインキュベータ(炭酸ガス濃度:5%)内で1〜5日間培養した。培養液を遠心分離(3000r/min、10分)し、得られた上澄み液を精製水で10倍に希釈してウイルス浮遊液とした。
実施例1で得られたコーティング剤を精製水で10倍に希釈した検体1mLにウイルス浮遊液0.1mLを添加、混合し、室温で作用させた。5分、30分、1時間、24時間後に上述の培地を用いて1000倍に希釈し、ウイルス感染価を測定した。なお、精製水について同様に処理した対照区を設けた。
ウイルス感染価の測定は、1000倍に希釈した被検査液の0.1mLを単層培養した上記細胞に添加し、37℃の炭酸ガスインキュベータ(炭酸ガス濃度:5%)内で4〜7日間培養した後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態変化を観察し、リードミュンヒ(Reed−Muench)法により50%細胞培養感染量(TCID50)を算出して作用液1mL当たりのウイルス感染価に換算した。
試験の結果を表2に示した。表2では、リードミュンヒ法により求めた50%細胞培養感染量(TCID50)を常用対数値に換算してウイルス感染価として示した。
Figure 0006174745
ウイルス感染価は、試験開始から5分後までは検体区と対照区との間に差は見られなかったが、30分後から徐々に差が現れ始め、24時間後には明確な差が認められ、実施例1で製造したコーティング剤がインフルエンザウイルスに対して不活性化作用を有することが確認された。
<ネコカリシウイルスに対する不活化試験>
実施例1で得られたコーティング剤のノロウイルスの代替ウイルスとしてのネコカリシウイルスに対する不活化試験を行った。検体希釈液にネコカリシウイルスのウイルス浮遊液を添加混合し、作用液とした。室温で作用させ、30分、1、3、24時間後に作用液のウイルス感染価を測定した。試験の詳細は以下のとおりである。
ネコカリシウイルスはFeline calicivirus F−9 ATCC VR−782を使用した。イーグルMEM培地「ニッスイ」(1)(日本製薬社製)に牛胎仔血清を10%加えた増殖培地で単層培養したCRFK細胞(日本製薬社製)に上記ウイルスを摂取し、37℃の炭酸ガスインキュベータ(炭酸ガス濃度:5%)内で1〜5日間培養した。培養液を遠心分離(3000r/min、10分)し、得られた上澄み液を精製水で10倍に希釈してウイルス浮遊液とした。
実施例1で得られたコーティング剤を精製水で10倍に希釈した検体1mLにウイルス浮遊液0.1mLを添加、混合し、室温で作用させた。30分、1時間、3時間、24時間後に上述の培地を用いて1000倍に希釈し、ウイルス感染価を測定した。なお、精製水について同様に処理した対照区を設けた。
ウイルス感染価の測定は、上記のインフルエンザウイルスに対する不活化試験と同様に行った。
試験の結果を表3に示した。
Figure 0006174745
ウイルス感染価は試験開始から30分後には検体区と対照区との間に差認められ、30分後から徐々に差が現れ始め、検体区では、1時間後から24時間後までウイルスに感染した培養細胞は検出されなかった。一方、対象区では試験期間を通じて、10個前後の感染細胞が検出され、実施例1で製造したコーティング剤がネコカリシウイルスに対して不活性化作用を有することが確認された。
なお、ネコカリシウイルスは細胞培養が不可能なノロウイルスの代替ウイルスとして広く使用されている。
<かび抵抗性試験>
実施例1で得られたコーティング剤のかび抵抗性をJIS Z 2911:2010「かび抵抗性試験方法」繊維製品の試験、乾燥法を参考に試験を行った。試験菌として、Aspergillus niger NBRC 105649、Penicillium citrium NBRC 6352、Chactomium globosum NBRC 6347、Myrothecium verrucaria NBRC 6113を使用し、それぞれをポテトデキストロース寒天培地(栄研化学社製〕を用いて26℃で10〜14日間培養し、胞子を採取し、10個/mLの単一胞子懸濁液を調製した。各単一胞子懸濁液の等量を混合し、混合胞子懸濁液を作った。この懸濁液に乾熱滅菌したろ紙(直径12cm)を浸し、室温で乾燥したものを胞子担体とした。
実施例1で得られたコーティング剤を吹付塗装したケント紙を50mm×50mmに切断し、試験片としてシャーレに入れ、その中央に胞子担体を重ね、シャーレの蓋をした。シャーレをリン酸二水素アンモニウム飽和水溶液を内部に収容したデシケータに入れ、26℃で培養した。培養1,2,3,4週間後に、試験片表面の菌糸の発育状態を肉眼で観察した。
培養1,2,3,4週間後に行った菌糸発育状態の観察結果、何れのサンプルにおいても、試験片表面に菌糸の発育は認められず、実施例1で得られたコーティング剤がかびの生育に抵抗性を示すことが確認された。
1 装身具
2 チューブ
3 内側チューブ
4 外側チューブ
5 磁石片
6 キャップ
11 コーティング剤

Claims (4)

  1. 柔軟性材料によって形成されたチューブと、前記チューブの内部における両端部を除く部分に挿入された複数の磁石片と、前記チューブの両端部を閉鎖するキャップと、前記チューブの外表面に塗布されたコーティング剤と、からなり、
    前記コーティング剤は、補色の関係にある2つの金属酸化物がドープされ表面がペルオキソ基で修飾されたアナターゼ型結晶性の二酸化チタンの微粒子と、抗菌活性のある金属イオンを担持したコロイダルシリカの微粒子と、がコロイド状に分散した液体であって、
    前記二酸化チタンにドープされる金属酸化物が、酸化タングステン及び酸化ネオジムであることを特徴とする装身具。
  2. 前記磁石片は、前記チューブの内部の両端側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の装身具。
  3. 前記チューブは前記磁石片が挿入された内側チューブと、前記内側チューブを覆う外側チューブとによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の装身具。
  4. 前記コロイダルシリカに担持される金属イオンは、銀イオン及び/又は銅イオンであることを特徴とする請求項1記載の装身具。
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