JP6173880B2 - 損傷判定装置、および損傷判定方法 - Google Patents
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また、亀裂の進展に伴う電位差の変化が非常に小さいため、配管の使用期間が長くなるにつれて電位差を検出する端子の位置が徐々に変化し、亀裂の長さを誤判定してしまう可能性がある。
本発明に係る損傷判定装置は、複数の部材が溶接により接続された配管と、前記配管の外周面に延在する溶接部の近傍に取り付けられ、予め定められた第1検出方向の歪みに応じた第1出力信号を出力する第1歪み検出部と、前記第1歪み検出部が出力する前記第1出力信号に基づいて、前記配管の損傷度を判定する損傷判定部とを備え、前記第1歪み検出部は、前記第1検出方向が、前記溶接部が延在する方向に直交する方向と一致するように前記配管に取り付けられている。
このように、本発明に係る損傷判定装置によれば、誤判定を抑制して精度良く配管の損傷度を判定することができる。
このようにすることで、配管の温度や圧力の変化等、クリープ損傷の進行以外の原因による配管の歪みに対応する第2出力信号の変化率に応じて第1出力信号を適切に補正することができる。これにより、配管の温度や圧力の変化等、クリープ損傷の進行以外の原因による配管の歪みによる誤判定を抑制することができる。
このようにすることで、周方向の溶接部を備える配管において、誤判定を抑制して精度良く配管の損傷度を判定することが可能な損傷判定装置を提供することができる。
このようにすることで、長手方向の溶接部を備える配管において、誤判定を抑制して精度良く配管の損傷度を判定することが可能な損傷判定装置を提供することができる。
このように、本発明に係る損傷判定方法によれば、誤判定を抑制して精度良く配管の損傷度を判定することができる。
このようにすることで、配管の温度や圧力の変化等、クリープ損傷の進行以外の原因による配管の歪みに対応する第2出力信号の変化率に応じて第1出力信号を適切に補正することができる。これにより、配管の温度や圧力の変化等、クリープ損傷の進行以外の原因による配管の歪みによる誤判定を抑制することができる。
このようにすることで、周方向の溶接部を備える配管において、誤判定を抑制して精度良く配管の損傷度を判定することが可能な損傷判定方法を提供することができる。
このようにすることで、長手方向の溶接部を備える配管において、誤判定を抑制して精度良く配管の損傷度を判定することが可能な損傷判定方法を提供することができる。
以下、本発明の第1実施形態の損傷判定装置100について、図1から図3を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態の損傷判定装置100の構成を示す側面図である。
配管部材40(第1配管部材)および配管部材41(第2配管部材)は、同径の部材である。配管部材40の中心軸A方向の右端部と、配管部材41の中心軸A方向の左端部とが突き合わせ溶接により溶接されており、溶接された部分が中心軸Aの周方向に延在する溶接部51となっている。配管部材40および配管部材41が溶接により接続されたものが、横断面が円筒形状の配管となっている。この配管には配管部材40,41とは異なる他の配管(不図示)も溶接により接続されている。
歪みゲージ10は、予め定められた検出方向(第1検出方向)の歪みに応じた出力電圧(第1出力信号)を出力するものである。予め定められた検出方向とは、図1に示す歪みゲージ10の長手方向である。図1および図2に示すように、歪みゲージ10は、長手方向の端部が溶接部51の端部に一致するように点溶接で取り付けられている。
図3に示すように、配管部材40,41により形成される配管の歪み量は、配管の使用時間に伴って徐々に増加する。そして、一定の使用時間T1が経過して歪み量がS1となった後、歪み量が急激に増加する。これは、歪み量がS1を超えると、熱影響部に生じた亀裂が急激に成長し、最終的には配管の破断に至るからである。本実施形態では、歪み量が急激に進展する前の歪み量S1を検出して損傷度を判定することにより、亀裂が急激に進展する前に配管の交換や修繕を促すようにする。
損傷判定部20は、CPU等の制御部(不図示)がROM等の記憶部(不図示)に格納されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行することにより、後述する損傷判定方法を実行する。
このようにすることで、周方向の溶接部51を備える配管において、誤判定を抑制して精度良く配管の損傷度を判定することができる。
次に、本発明の第2実施形態について図4および図5を用いて説明する。図4は、第2実施形態の損傷判定装置200の構成を示す側面図である。図5は、第2実施形態の配管の歪み量と使用時間の関係を示す図である。
第2実施形態は、第1実施形態の変形例であり、第1実施形態における歪みゲージ10に加え、歪みゲージ11が追加されている点が異なる。なお、第1実施形態と同一の符号を付した構成は、同一のものであるとし、その説明を省略する。
歪みゲージ11は、予め定められた検出方向(第2検出方向)の歪みに応じた出力電圧(第2出力信号)を出力するものである。予め定められた検出方向とは、図1に示す歪みゲージ11の長手方向である。図4に示すように、歪みゲージ11は、短手方向の端部が溶接部51の端部に一致するように点溶接で取り付けられている。
図5は、歪み量がS1である時間T1において配管が設置されるプラントの運転条件が変更され、その後の歪み量がS2まで増加した時間T2に至ることを示している。運転条件の変更とは、例えば、プラントの出力を上昇させる運転条件の変更である。この変更が行われると、配管を流通する蒸気の温度や圧力が上昇し、配管が中心軸A方向と周方向にそれぞれ延びる方向に歪みが発生する。図5において、グラフG1は歪みゲージ10により検出される歪み量を示すグラフであり、グラフG2は歪みゲージ11により検出される歪み量を示すグラフである。
S4′=S4−[S3・(S2−S1)/S1] (1)
式(1)において、(S2−S1)/S1は、歪みゲージ11が検出する時刻T1での歪み量S1に対する時刻T2での歪み量S2の変化率(増加率)である。そして、この変化率に歪みゲージ10が検出する時刻T1での歪み量S3を乗じることにより、時刻T2における配管の温度や圧力の変化等、クリープ損傷の進行以外の原因による中心軸A方向の配管の歪みの増加量が算出される。この増加量を時刻T2において歪みゲージ10が検出する歪み量S4から減算することにより、補正後の歪み量S4′が算出される。
このようにすることで、配管の温度や圧力の変化等、クリープ損傷の進行以外の原因による配管の歪みに対応する歪みゲージ11の出力電圧(第2出力信号)の変化率に応じて歪みゲージ10の出力電圧(第1出力信号)を適切に補正することができる。これにより、配管の温度や圧力の変化等、クリープ損傷の進行以外の原因による配管の歪みによる誤判定を抑制することができる。
次に、本発明の第3実施形態について図6および図7を用いて説明する。図6は、本発明の第3実施形態の損傷判定装置600の構成を示す側面図である。図7は、本発明の第3実施形態の配管の中心軸方向に直交する方向の断面図である。
第3実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する部分を除き、第1実施形態と同様であるものとし、説明を省略する。
このようにすることで、長手方向の溶接部62を備える配管において、誤判定を抑制して精度良く配管の損傷度を判定することができる。
第1実施形態において、歪みゲージ10は、歪みに応じた出力電圧を出力端子30,31から出力するものであったが、他の態様であってもよい。例えば、歪みエージ10に歪みに応じた出力電圧をデジタル信号に変換する機能を設け、歪みに応じたデジタル信号(出力信号)を損傷判定部20に送信するようにしてもよい。
11 歪みゲージ(第2歪み検出部)
20,21,22 損傷判定部
30,31,32,33,63,64 出力端子
40 配管部材(第1配管部材)
41 配管部材(第2配管部材)
51,62 溶接部
52 熱影響部
52a,52b,52c,52d,52e 微小亀裂
52f,52g,52h 進展亀裂
53 母材
60 配管部材(第3配管部材)
61 配管部材(第4配管部材)
100,200,600 損傷判定装置
Claims (6)
- 複数の部材が溶接により接続された配管と、
前記配管の外周面に延在する溶接部の近傍に取り付けられ、予め定められた第1検出方向の歪みに応じた第1出力信号を出力する第1歪み検出部と、
前記溶接部の近傍に取り付けられ、予め定められた第2検出方向の歪みに応じた第2出力信号を出力する第2歪み検出部と、
前記第1歪み検出部が出力する前記第1出力信号に基づいて、前記配管の損傷度を判定する損傷判定部とを備え、
前記第1歪み検出部は、前記第1検出方向が、前記溶接部が延在する方向に直交する方向と一致するように前記配管に取り付けられており、
前記第2歪み検出部は、前記第2検出方向が、前記溶接部が延在する方向と一致するように前記配管に取り付けられており、
前記損傷判定部が、前記第2歪み検出部が出力する前記第2出力信号の変化率に応じて前記第1出力信号を補正し、該補正された前記第1出力信号に基づいて前記配管の損傷度を判定する損傷判定装置。 - 前記配管が、同径の第1配管部材および第2配管部材の端部を溶接した周方向の前記溶接部を備えており、
前記第1歪み検出部が、前記溶接部が延在する前記周方向に直交する方向の前記配管の歪みに応じた前記第1出力信号を出力するように前記配管に取り付けられている請求項1に記載の損傷判定装置。 - 前記配管が、第3配管部材および第4配管部材の軸方向に延在する端面同士を溶接した長手方向の前記溶接部を備えており、
前記第1歪み検出部が、前記溶接部が延在する前記長手方向に直交する方向の前記配管の歪みに応じた前記第1出力信号を出力するように前記配管に取り付けられている請求項1に記載の損傷判定装置。 - 複数の部材が溶接により接続された配管の損傷を判定する損傷判定方法であって、
前記配管の外周面に延在する溶接部の近傍に取り付けられた第1歪み検出部が、予め定められた第1検出方向の歪みに応じた第1出力信号を出力する第1出力工程と、
前記溶接部の近傍に取り付けられた第2歪み検出部が、予め定められた第2検出方向の歪みに応じた第2出力信号を出力する第2出力工程と、
前記第1出力工程にて出力された前記第1出力信号に基づいて、前記配管の損傷度を判定する損傷判定工程とを備え、
前記第1歪み検出部は、前記第1検出方向が、前記溶接部が延在する方向に直交する方向と一致するように前記配管に取り付けられており、
前記第2歪み検出部は、前記第2検出方向が、前記溶接部が延在する方向と一致するように前記配管に取り付けられており、
前記損傷判定工程が、前記第2出力工程により出力された前記第2出力信号の変化率に応じて前記第1出力信号を補正し、該補正された前記第1出力信号に基づいて前記配管の損傷度を判定する損傷判定方法。 - 前記配管が、同径の第1配管部材および第2配管部材の端部を溶接した周方向の前記溶接部を備えており、
前記第1歪み検出部が、前記溶接部が延在する前記周方向に直交する方向の前記配管の歪みに応じた前記第1出力信号を出力するように前記配管に取り付けられている請求項4に記載の損傷判定方法。 - 前記配管が、第3配管部材および第4配管部材の軸方向に延在する端面同士を溶接した長手方向の前記溶接部を備えており、
前記第1歪み検出部が、前記溶接部が延在する前記長手方向に直交する方向の前記配管の歪みに応じた前記第1出力信号を出力するように前記配管に取り付けられている請求項4に記載の損傷判定方法。
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