JP5543954B2 - クリープ歪の検査方法及び検査装置 - Google Patents

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本発明は、水蒸気や燃焼ガス等で駆動されるガスタービンや蒸気タービンのように高温に晒される機械・設備等に用いられるクリープ歪の検査方法及び検査装置に関する。
ガスタービンや蒸気タービン等のタービンのロータシャフトやタービン翼、ケーシング等の構成要素は、370℃を超える高温環境に晒される。こうした高温環境下で使用される部位において長時間負荷を受け続けると、材料の組織的な劣化等によってき裂が発生して機器の故障に繋がる可能性がある。したがって、故障を未然に防止すべくタービン部品の寿命を正確に評価することが重要である。
長時間高温環境下に置かれる部材の劣化状態を評価する手法としては、評価対象部に圧子を押し込み、圧子の押し込み量とクリープ歪等との関係から評価対象部の余命を評価する方法が知られている(特許文献1等参照)。
特開昭58−92952号公報
しかし、特許文献1の方法で測定するのは圧子の押し込み量であって現実の歪ではないため、この押し込み量から得られたクリープ歪の値は必ずしも高い精度を保障するものではなかった。
本発明は上記の事情に鑑みなされたもので、高精度にクリープ歪を測定することができるクリープ歪の検査方法及び検査装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、上下半割れ構造のタービンケーシングのフランジ部を締結するボルトであってヒータ穴を備えた中空構造のスタッキングボルトのクリープ歪の検査において、スタッキングボルトをタービンケーシングに取り付けたまま上記ヒータ穴内径を測定し、その測定結果を基にスタッキングボルトの半径方向のクリープ歪を演算し、さらに軸方向クリープ歪を演算する。
本発明によれば、高精度にクリープ歪を測定することができ、プラントの安全な運転に寄与することができる。
本発明のクリープ歪検査の適用対象となるスタッキングボルトの一例を表す模式図である。 図1に示したスタッキングボルトの拡大図である。 本発明の一実施の形態に係るクリープ歪の検査方法の主要な手順を示す図である。 複数のクリープ試験をして得られたクリープ歪曲線の一例を示す図である。 三次クリープ開始点の軸方向クリープ歪を時間・温度パラメータの一つであるLarson−Millerで整理した結果を模式的に表した図である。 本発明の検査方法に用いる検査装置の一構成例をスタッキングボルトの外周面方向から見て表した概略図である。 本発明の検査方法に用いる検査装置の一構成例をスタッキングボルトの軸方向から見て表した概略図である。
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
1.検査対象
本発明のクリープ歪検査は、特に高温下で使用されるボルト等の締結部材やパイプ等の配管部材、例えば、火力発電設備のボイラから高中圧段蒸気タービンにかけての配管やバルブ、高中圧段蒸気タービンケーシング、又はガスタービンに使用されるボルト等を対象とする。ここでいう「高温」とは、金属材料がクリープ変形を起こすような温度、例えば絶対温度で0.5Tm(Tm:絶対温度における金属の融点)程度の温度である。具体例を挙げると、例えばフェライト系鋼では371℃以上であり、同材料で構成されたタービン用ボルトのように500℃以上の高温下で使用されるボルトは代表的な適用対象である。なお、ここでいうタービンには、蒸気タービン、ガスタービン、及び高温で運用されるその他のタービンが含まれる。
図1は本発明のクリープ歪検査の適用対象となるスタッキングボルトの一例を表す模式図、図2は図1に示したスタッキングボルトの拡大図である。但し、図2は上側のタービンケーシング2(図1参照)を取り外した状態を示している。
図1及び図2に示したタービン用のボルトは、上下半割れ構造のタービンケーシング2のフランジ部を締結するスタッキングボルト1である。このスタッキングボルト1は、両端近くにネジ部5を有し、両端のネジ部5はシャンク部4で連結された構成である。そして、上側のタービンケーシング2のフランジ部を貫通して下側のタービンケーシング2のフランジ部に一方のネジ部5がねじ込まれ、上側のフランジ部の上部に突出した他方のネジ部5にナット3が締め込まれることによって、上下のタービンケーシング2を強固に連結する。また、このスタッキングボルト1は、ネジ部5よりもシャンク部4が小径であり、タービン運転中のタービンケーシング2とのメタル温度の差が小さくなるようにヒータ穴6を備えた中空構造をしている。
このようなネジ部5よりもシャンク部4が細いスタッキングボルト1は、長時間高温下で荷重を受けると小径のシャンク部4にクリープ変形が集中し、また、断面内においてメタル温度はほぼ一様であるため断面におけるクリープ変形もほぼ一様となる傾向がある。本発明は、このように断面の温度勾配が小さく断面におけるクリープ変形がほぼ一様となる締結部材、或いは配管用部材に好適に適用し得る。以下、スタッキングボルト1を検査対象部材として説明する。
2.検査方法
図3は本発明の一実施の形態に係るクリープ歪の検査方法の主要な手順を示す図である。
本実施の形態に係る検査方法は、軸方向クリープ歪の評価用データを予め取得する手順100、スタッキングボルト1の断面に関する寸法を測定する手順110、スタッキングボルト1の軸方向クリープ歪を演算する手順120、及びスタッキングボルト1の継続使用の可否判断をする手順130を有している。各手順について以下に説明する。
〔手順100:歪評価用データの取得〕
手順100には、クリープ歪や破断時間(破断寿命)のデータを取得しておく手順101、手順130でスタッキングボルト1の継続使用の可否判断に用いる使用限界クリープ歪を決定しておく手順102、及びスタッキングボルト1の半径方向クリープ歪と軸方向クリープ歪の関係を設定しておく手順103が含まれる。なお、手順100については、測定の度に予め実行する必要はなく、予めデータを得ていれば取得したデータはその後の測定にも適用できる。また、文献その他から得たデータを手順100で取得するデータとして利用することもできる。したがって、手順100は場合によっては省略することができる。
〔手順101:クリープ歪・破断時間のデータ取得〕
手順101では、スタッキングボルト1と同じ材料を用いて該材料について温度(材料温度)及び応力(材料にかかる応力)の条件を変えて複数のクリープ試験をしてクリープ歪曲線7(図4参照)や破断時間のデータを取得しておく。この手順で行うクリープ試験はより多くの条件について行うことが好ましく、スタッキングボルト1の使用時間と同等の試験時間のデータが取れれば理想的である。
〔手順102:使用限界クリープ歪の決定〕
手順102では、手順101の複数のクリープ試験で得られたクリープ歪のデータの結果(クリープ歪曲線7)を基にスタッキングボルト1の継続使用の可否判断に用いる使用限界クリープ歪εcfを決定しておく。図4に示すように、一般的にクリープ歪曲線7は、クリープ歪速度が低下する一次(遷移)クリープ、クリープ歪速度が一定となる二次(定常)クリープ、そしてクリープ歪速度が増加していく三次(加速)クリープを経て、最終的に破断に至る。蒸気タービンのケーシングやバルブに用いられるボルトの場合、クリープ破断まで至っていなくても、軸方向クリープ歪の増加によって締結力が低下し、蒸気漏れ等の不具合を招来させることがある。特に、三次クリープ域にあるボルトを使用した場合、クリープ歪の加速的な増加によって短期間でボルトが緩む可能性が高い。よって、使用限界クリープ歪εcfは三次クリープ開始時のクリープ歪量(三次クリープ開始歪)、破断時間は三次クリープ開始時間に設定することが好ましい。クリープ歪曲線7における三次クリープ開始点は、図2に示すように二次クリープ域のクリープ歪曲線の傾き10を任意の歪量(一般的には0.2%)だけ上にオフセットして得られる直線9とクリープ歪曲線7との交点のクリープ歪量で定義することができる。
図5は三次クリープ開始点の軸方向クリープ歪を時間・温度パラメータの一つであるLarson−Millerで整理した結果を模式的に表した図である。
図5に示されるように、三次クリープ開始点におけるクリープ歪と時間・温度パラメータの関係から、任意の時間・温度における使用限界クリープ歪εcfを算出することができる。なお、ここで用いる時間・温度パラメータとしては、Larson−Millerの他、Orr−Sherby−Dorn、Manson−Haferd等、様々なものが知られているが、クリープ試験結果に対してできるだけ近似精度の高いものを材料に応じて選択すれば良い。
〔手順103:半径方向歪と軸方向歪の関係の設定〕
手順103では、スタッキングボルト1の半径方向クリープ歪εcaxと軸方向クリープ歪εcrの関係を設定しておく。
例えば、式(1)に示すように、材料の半径方向(荷重方向と直交する方向)の弾性歪εerは、軸方向(荷重方向)の弾性歪εeaxとポアソン比νの積で求められる。
εer=−ν×εeax・・・(1)
ここで、通常の固体金属における非弾性変形では体積が一定と考えられることから、ポアソン比は0.5と定義される。したがって、スタッキングボルト1については、軸方向クリープ歪εcaxと半径方向のクリープ歪εcrとの間には式(2)の関係が成立する。
εcr=−0.5×εcax・・・(2)
よって、半径方向のクリープ歪εcrを測定することで、式(2)から荷重負荷方向(軸方向)のクリープ歪εcaxを算出することができる。
なお、有限要素クリープ解析を用いることでも、スタッキングボルト1の半径方向のクリープ歪εcrと軸方向クリープ歪εcaxの関係を求めることができる。また、クリープ解析に修正θ投影法やMonkman−Grantの関係を用いた近似精度の高いクリープ歪式を用いることでより精度が高まり得る。
〔手順110:検査対象の測定〕
手順110では、スタッキングボルト1の断面に関する寸法(本実施の形態では外径)を測定し、この測定値から半径方向のクリープ歪εcrを求める。具体的には、火力発電所や工場等においてタービンの運転を停止して行う定期点検時等にスタッキングボルト1の外径を測定し、その測定値と未使用時に測定しておいた対応寸法(初期値)とを用いることで、式(3)のようにεcrを求めることができる。
εcr=(測定値/初期値−1) ・・・(3)
なお、ここではスタッキングボルト1の断面に関する寸法として外径を測定する場合を例示しているが、スタッキングボルト1の外周長を測定し、使用前後のスタッキングボルト1の外周長の値を式(3)に当てはめることによってもεcrは求められる。図2に示したようにスタッキングボルト1にヒータ穴6がある場合には、内径(ヒータ穴6の径)や肉厚(外周面から内周面までの距離)を測定し、使用前後の値を式(3)に当てはめることによってもεcrは求められる。また、寸法の測定方法は、外径や内径を測定する場合にはノギス等を用いることもできるが、肉厚を測定する場合には超音波を用いることもできる。さらに、図6及び図7に示したようなスタッキングボルト1の軸方向への移動が可能な駆動機構を有する測定機(後述)を用いれば、スタッキングボルト1のシャンク部4の外径等を軸方向に連続的に測定することができ、より精度の高い検査をすることができる。
〔手順120:軸方向クリープ歪の演算〕
手順120では、予め設定されたスタッキングボルト1の半径方向クリープ歪と軸方向クリープ歪との関係(式(2))を基に、手順110の寸法測定の結果(半径方向クリープ歪εcr)からスタッキングボルト1の軸方向クリープ歪εcaxを演算する。
〔手順130:継続使用の可否判断〕
手順130では、軸方向クリープ歪に対して予め手順102で設定しておいた使用限界クリープ歪εcfと手順120で演算した軸方向クリープ歪εcaxとを比較して検査したスタッキングボルト1の継続使用の可否を判定する。
スタッキングボルト1の寿命消費率Dcは、上記で求めた軸方向クリープ歪εcaxと使用限界クリープ歪εcfとから、式(4)のように求められる。
Dc=(εcf−εcax)/εcf ・・・式(4)
使用限界クリープ歪εcfは、図5で説明したように、スタッキングボルト1の使用条件から時間・温度パラメータより求められる。検査の結果、寿命を消費しきっていない(例えば、次回運転期間中に寿命消費率Dcが1を超えない)と判断されたスタッキングボルト1は継続使用可能、実質的に寿命を消費しきっている(例えば、次回運転期間中に寿命消費率Dcが1を超える)と判断されたスタッキングボルト1は継続使用不可と判定される。なお、寿命消費率Dcが1を超える場合、図5においては測定結果が関係線11よりも上の領域になる。
3.検査装置
図6は本発明の検査方法に用いる検査装置の一構成例をスタッキングボルトの外周面方向から見て表した概略図、図7はスタッキングボルトの軸方向から見て表した概略図である。但し、図6においては制御装置を図示省略している。
図6及び図7に示すように、スタッキングボルト1の外周長を測定する測定装置20と、この測定装置20との間で信号を授受する制御装置30とを備えている。
測定装置20は、スタッキングボルト1の外周面にローラ13、このローラ13を先端に連結したロッド14、及びこのロッド14を通しロッド14の移動量を測定するストローク測定器12を備えている。ローラ13、ロッド14及びストローク測定器12は複数セット(本実施の形態では4セット)設けられていて、各セットのストローク測定器12がリング状のフレーム15で連結されている。
ロッド14はスタッキングボルト1の径方向に延在しており、ストローク測定器12に対してスタッキングボルト1の径方向に進退するとともに、バネ(図示せず)等でスタッキングボルト1側に付勢されている。このロッド14の先端に取り付けられたローラ13は、スタッキングボルト1の軸方向に測定装置20を移動させる移動手段であり、走行方向がスタッキングボルト1の軸方向に一致している。また、ローラ13、ロッド14及びストローク測定器12のセットは、スタッキングボルト1の周方向に90度間隔で設置されている。ストローク測定器12は、スタッキングボルト1の外周面にローラ13が接触することによってローラ13とともに移動するロッド14のストローク量を検出し、検出信号を制御装置30に出力する。
制御装置30は、スタッキングボルト1の半径方向クリープ歪と軸方向クリープ歪との関係を記憶した第1の記憶手段31、軸方向クリープ歪に対して予め設定された使用限界クリープ歪を記憶した第2の記憶手段32、軸方向クリープ歪に対して設定されたスタッキングボルト1の継続使用の可否判断のための情報を記憶した第3の記憶手段33、第1の記憶手段31に記憶された上記関係を基に測定装置による測定結果からスタッキングボルト1の軸方向クリープ歪を演算する演算手段34、第2の記憶手段32に記憶された使用限界クリープ歪と演算手段34で演算した軸方向クリープ歪とを比較して第3の記憶手段33の記憶情報を基にスタッキングボルト1の継続使用の可否を判定する判定手段35、測定装置2との間で信号を授受する入出力部36及び各種操作をするための操作手段37を備えている。
第1の記憶手段31の記憶情報は、例えば、上記手順103で設定するスタッキングボルト1の半径方向クリープ歪と軸方向クリープ歪との関係(上記の式(2))である。第2の記憶手段32の記憶情報は、例えば、上記手順102で設定した使用限界クリープ歪εcf(図4参照)である。第3の記憶手段33の記憶情報は、例えば、前述したスタッキングボルト1の寿命消費率Dc(上記の式(4))やそれに対して設定したしきい値である。また、演算手段34が実行する演算内容は、上記手順110,120で説明した演算内容(式(3)による半径方向クリープ歪の演算、式(2)による軸方向クリープ歪の演算)である。判定手段35が実行する判定内容は、上記手順130で説明した判定内容(上記の式(4)等)である。
また、特に図示していないが、制御装置30には表示装置、印刷装置等の出力手段が接続されており、演算結果を含む各種測定結果や判定結果を出力することができる。
4.効果
本検査方法によれば、タービン運転中にスタッキングボルト1のクリープ歪を連続的に測定する必要はなく、点検等でタービンが停止している時に室温環境下で軸方向クリープ歪が測定可能であり、その測定結果を基に測定したスタッキングボルト1の継続使用の可否を容易に判定することができる。このとき、スタッキングボルト1の部位のうち最も軸方向クリープ歪が顕著なシャンク部4、言い換えればスタッキングボルト1の部位で最も顕著なシャンク部4の半径方向のクリープ歪を測定することで、例えばスタッキングボルト1の材料の硬さからクリープ歪を推定する場合に比べて高精度にスタッキングボルト1の軸方向歪を測定することができる。よって、プラントの安全な運用に寄与することができる。
また、この種の長時間高温環境下に置かれる部材の劣化状態を評価する手法としては、検査対象の組織上に発生する微視欠陥の形状、例えば欠陥の長さや面積を計測し、予め設定してある欠陥形状とクリープ損傷量との相関関係を基に損傷を検出する方法もあるが、例えば近年高温部材に多用される高Cr鋼等はクリープ損傷による組織変化が少なく粒界に微小欠陥が発生し難いため適用が困難である。その点、本検査方法においては、組織変化の多少に関わらず測定することができるため高Cr鋼等の高温部材への適用にも好適である。
また、スタッキングボルト1の軸方向クリープ歪を直接測定する場合、使用前後のスタッキングボルト1の長さ寸法を測定し比較する必要があることから、タービンケーシング2からスタッキングボルト1を取り外さなければならないが、本実施の形態の場合、長さ寸法を測定する必要がない(例えば図6参照)。そのため、スタッキングボルト1をタービンケーシング2に取り付けたままクリープ歪の測定や継続使用の可否判断が行え、作業性の面においても優れている。
また、この種の長時間高温環境下に置かれる部材の劣化状態を評価する手法としては、実際に検査対象から試験片を切出して破壊試験をする方法もあるが、本検査方法によればスタッキングボルト1を非破壊で検査することができることもメリットである。
また、図6及び図7に示したような検査装置を用いてスタッキングボルト1の外径等をスタッキングボルト1の軸方向に連続的に又は複数箇所測定すれば、スタッキングボルト1の“くびれ”の度合いを検出することができる。“くびれ”は三次クリープ域で起こる現象であり、“くびれ”の検出をもってクリープ歪が三次クリープ域まで進行していることを判断することができる。
1 スタッキングボルト(検査対象部材)
2 タービンケーシング
4 シャンク部
5 ネジ部
6 ヒータ穴
7 クリープ歪曲線
9 直線
10 傾き
11 関係線
12 ストローク測定器
13 ローラ
14 ロッド
15 フレーム
20 測定装置
30 制御装置
31 第1の記憶手段
32 第2の記憶手段
33 第3の記憶手段
34 演算手段
35 判定手段
36 入出力部
37 操作手段
εcf 使用限界クリープ歪

Claims (10)

  1. 上下半割れ構造のタービンケーシングのフランジ部を締結するボルトであってヒータ穴を備えた中空構造のスタッキングボルトのクリープ歪の検査方法において、
    前記スタッキングボルトを前記タービンケーシングに取り付けたまま前記ヒータ穴内径寸法を測定する測定手順と、
    前記スタッキングボルトの半径方向クリープ歪と軸方向クリープ歪との予め設定された関係を基に前記寸法測定の結果から当該スタッキングボルトの軸方向クリープ歪を演算する歪演算手順と、
    軸方向クリープ歪に対して予め設定された使用限界クリープ歪と前記演算した軸方向クリープ歪とを比較して前記スタッキングボルトの継続使用の可否を判定する判定手順と
    を有することを特徴とするクリープ歪の検査方法。
  2. 前記スタッキングボルトと同じ材料を用いて該材料について温度及び応力の条件を変えて複数のクリープ試験をしてクリープ歪及び破断時間のデータを取得しておく手順を有することを特徴とする請求項1のクリープ歪の検査方法。
  3. 前記破断時間が三次クリープ開始時間であることを特徴とする請求項のクリープ歪の検査方法。
  4. 前記複数のクリープ試験で得られたクリープ歪のデータの結果を基に前記スタッキングボルトの継続使用の可否判断に用いる使用限界クリープ歪を決定しておく手順を有することを特徴とする請求項のクリープ歪の検査方法。
  5. 前記使用限界クリープ歪が三次クリープ開始時の歪量であることを特徴とする請求項のクリープ歪の検査方法。
  6. 前記スタッキングボルトの半径方向クリープ歪と軸方向クリープ歪の関係を設定しておく手順を有することを特徴とする請求項のクリープ歪の検査方法。
  7. 前記スタッキングボルトの半径方向クリープ歪と軸方向クリープ歪の関係を有限要素解析により算出することを特徴とする請求項のクリープ歪の検査方法。
  8. 前記測定手順において、前記ヒータ穴内径を当該スタッキングボルトの軸方向に連続的に測定することを特徴とする請求項1のクリープ歪の検査方法。
  9. 上下半割れ構造のタービンケーシングのフランジ部を締結するボルトであってヒータ穴を備えた中空構造のスタッキングボルトのクリープ歪の検査装置において、
    前記スタッキングボルトを前記タービンケーシングに取り付けたまま前記ヒータ穴内径寸法を測定する測定手段と、
    前記スタッキングボルトの半径方向クリープ歪と軸方向クリープ歪との予め設定された関係を記憶する第1の記憶手段と、
    前記第1の記憶手段に記憶された前記関係を基に前記寸法測定手段による測定結果から当該スタッキングボルトの軸方向クリープ歪を演算する演算手段と、
    軸方向クリープ歪に対して予め設定された使用限界クリープ歪を記憶した第2の記憶手段と、
    前記第2の記憶手段に記憶された前記使用限界クリープ歪と前記演算手段で演算した軸方向クリープ歪とを比較して前記スタッキングボルトの継続使用の可否を判定する判定手段と
    を備えたことを特徴とするクリープ歪の検査装置。
  10. 前記測定手段は、前記スタッキングボルトの軸方向に移動する移動手段を備えていることを特徴とする請求項のクリープ歪の検査装置。
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