JP2014052211A - 溶接部評価装置および溶接部評価方法 - Google Patents

溶接部評価装置および溶接部評価方法 Download PDF

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Takumi Tokiyoshi
巧 時吉
Takuya Fukabori
拓也 深堀
Toshiaki Nishio
敏昭 西尾
Masatsugu Shimizu
正嗣 清水
Hiroyuki Oyama
博之 大山
Hiroshi Shiibashi
啓 椎橋
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Abstract

【課題】より高い精度で溶接部の評価を行うことを目的とする。
【解決手段】配管寿命評価システムは、断面円形の配管の軸線方向または周方向に沿って連続する溶接部の状態について評価を行う。溶接部応力解析部は、溶接部の応力解析を行うとともに、予め計測された配管の外形形状に基づいて、配管の扁平率、目違い寸法に応じて、応力解析結果を補正する。損傷評価部は、補正された応力解析結果に基づいて、溶接部の状態を評価する。
【選択図】図2

Description

本発明は、各種プラント等の設備を構成する配管において、その軸線方向または周方向に沿って連続する溶接部の状態を評価する溶接部評価装置および溶接部評価方法に関するものである。
発電所や化学プラント等の設備を構成する配管は、高温・高圧下で用いられるため、溶接部にクラックが生じることがある。溶接部にクラックが生じると、当然のことながら設備の使用に支障を来たす。したがって、溶接部にクラックが生じていない状態で設備を運用する必要がある。
ここで、溶接部の状態を評価するには、溶接部の許容応力に基づいて、常に溶接部に作用する応力が許容応力以下となるよう設備を運用手法もある。これに対し、9クロム鋼、12クロム鋼等の高クロム鋼の場合、許容応力による管理ではなく、溶接部にクラックが生じるまでの寿命により管理することが行われている。そこで、高クロム鋼からなる配管は、適宜タイミングで点検を行い、溶接部の状態を評価している。
ところで、交換用の配管を製作するには時間がかかるため、クラックが生じてから配管を交換したのでは、交換が完了するまで、設備を稼働させることができない。
そこで、適切なタイミングで交換用の配管を用意して交換作業が行えるよう、溶接部にクラックが生じる前の段階で配管の溶接部の診断を行ったり、余寿命を予測することが行われている。
これには例えば、超音波探傷法によりクリープボイドの発生や溶接部の組織形状を検出することで溶接部の状態を評価する方法(例えば、特許文献1〜3参照。)や、溶接部の結晶粒界を微小領域に分割してモデル化し、応力を与えて余寿命を予測する方法(例えば、特許文献4参照。)、配管系をモデル化して曲げモーメントを与えたときの溶接部におけるクリープ損傷を算出し、算出されたクリープ損傷の度合いから、診断を行う手法(例えば、特許文献5参照。)等がある。
特開2004−212366号公報 特開2007−232401号公報 特開2011−257384号公報 特開2012−117838号公報 特開2012−127867号公報
しかしながら、実際の配管においては、図10(a)に示すように、製造誤差や溶接変形等によって、配管1の軸線方向に直交する断面の形状が、真円でなく偏平していることがある。すると、配管1内を流れる流体の内圧によって、配管1が真円状態に戻ろうとする力が作用し、偏平した配管1の長径方向に対し短径方向において、より大きな応力が作用する。配管1は、断面半円形の配管部材2,2どうしを突き合わせて、配管1の軸線方向に沿って溶接ビード3が連続するよう溶接を行って配管1を製造することがある。この場合、配管部材2,2どうしの溶接部5に作用する応力が、配管1の断面形状によって異なる。
また、図10(b)に示すように、溶接ビード3の両側で、一方の配管部材2と他方の配管部材2とが、配管1の断面方向にズレて段違いに溶接されることがある。このような場合、配管1に内圧が作用すると、溶接ビード3の両側で応力の発生状況が異なることがある。
これらの場合、予想していた以上に溶接部5の劣化が進む可能性がある。
また、溶接部5において、配管部材2,2の開先部2a,2aの溶接ビード形状によって、配管1の肉厚方向における応力の分布が異なる。例えば、開先部2a,2aに、角部等があると、その部分に応力が集中しやすい傾向がある。
したがって、開先部2a,2aに角部がある場合、開先部2a,2aが一様な形状である場合に比較して、予想していた以上に溶接部5の劣化が進む可能性もある。
このような、溶接ビード形状を含む溶接部5の開先形状は、溶接施工法(入熱量、溶接棒の径、溶接速度)や溶接施工者の違いによって大きく変化し、溶接部5に作用する局部応力に大きな影響を与える。このため、当該部位を切断することなく非破壊検査で溶接部5の断面形状を推定できれば、上記の要因の影響を適切に評価できるため、実機における溶接部5の寿命評価精度が向上する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、より高い精度で溶接部の評価を行うことのできる溶接部評価装置および溶接部評価方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の溶接部評価装置および溶接部評価方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、断面円形の配管の軸線方向または周方向に沿って連続する溶接部の状態について評価する溶接部評価装置であって、前記溶接部の応力解析を行う応力解析手段と、予め計測された前記配管の外形形状に基づき、前記応力解析手段で得られた応力解析結果を補正する補正手段と、前記補正手段で補正された前記応力解析結果に基づき、前記溶接部の状態を評価する評価手段と、を備えることを特徴とする。
配管の実際の形状に基づいて応力解析結果を補正することで、応力解析の精度を、実際の配管の形状に合わせて高めることができる。
ここで、補正手段は、予め計測された前記配管の偏平率に基づいて、前記応力解析結果を補正することができる。
配管が楕円形状に偏平している場合、配管内の流体による内圧が作用すると、配管は真円に戻ろうとし、このときに、溶接部に応力が作用する。この応力を加味して応力解析結果を補正することで、応力解析をより高い精度で行うことができる。
また、前記補正手段は、前記溶接部の一方の側の前記配管と他方の側の前記配管の、該配管の径方向における段違い寸法に基づいて、前記応力解析結果を補正することもできる。
溶接部の両側で配管が段違いとなっていると、配管内の流体による内圧が作用したときに配管は真円に戻ろうとし、このときに、溶接部に応力が作用する。この応力を加味して応力解析結果を補正することで、応力解析をより高い精度で行うことができる。
本発明は、前記応力解析手段で行った前記溶接部の応力解析法とは異なる手法によって行われた前記溶接部の他の評価結果を、前記評価手段における評価結果と比較し、前記評価結果と前記他の評価結果とが一致しないとき、前記応力解析手段における解析条件を異ならせて、前記応接部の応力解析を行うこともできる。
本発明は、断面円形の配管の軸線方向または周方向に沿って連続する溶接部の状態について評価する溶接部評価方法であって、前記溶接部の応力解析を行うステップと、予め計測された前記配管の外形形状に基づき、前記応力解析手段で得られた応力解析結果を補正するステップと、補正された前記応力解析結果に基づき、前記溶接部の状態を評価するステップと、を備えることを特徴とする溶接部評価方法とすることもできる。
配管の実際の形状に基づいて応力解析結果を補正することで、応力解析の精度を、実際の配管の形状に合わせて高めることができる。これにより、より高い精度で溶接部の評価を行うことが可能となる。
本発明の溶接部評価装置の構成を示す図である。 本発明の溶接部評価方法の流れを示す図である。 配管の外形形状の測定方法の一例を示す図である。 配管の扁平率を示す図である。 配管の断面形状による溶接部に発生する応力分布の違いを示す図である。 目違いの生じた配管、および溶接部に発生する応力を示す図である。 配管の扁平率、目違い寸法による補正係数の例を示す図である。 (a)は溶接部の開先形状(溶接ビード形状)を推定するための超音波探傷方法の例を示す図、(b)は超音波探傷によって得られる反射エコー画像の一例を示す図である。 (a)は、反射エコー画像に基づいて推定される開先形状の例を示す図、(b)は、傾斜面の角度と補正係数の関係の例を示す図である。 (a)は扁平した配管の例を示す図、(b)は目違いの生じた配管の例を示す図である。 溶接部断面における配管外径の実測値と、設計値との差を示す図である。
以下に、本発明に係る溶接部評価装置および溶接部評価方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すものは、本実施形態に係る配管寿命評価システム(溶接部評価装置)10の構成である。配管寿命評価システム10は、配管系応力解析部11と、溶接部応力解析部12と、損傷評価部13と、結果検証部14と、入力部15と、出力部16と、を備えている。
この配管寿命評価システム10は、コンピュータ装置からなり、上記配管系応力解析部11、溶接部応力解析部(応力解析手段、補正手段)12、損傷評価部(評価手段)13、結果検証部14は、予め定められたコンピュータプログラムに基づいてコンピュータ装置のCPU(Central Processing Unit)、メモリ等が協働して所定の処理を実行することによって機能的に実現されるものである。
また、入力部15は、外部から評価処理に必要なデータ等を入力するもので、外部のデータベースや他のコンピュータ装置、キーボード、あるいはこれらが接続される入力コネクタによって実現される。
出力部16は、外部に評価結果を出力するもので、モニタやプリンタ、あるいはこれらに接続されるコネクタによって実現される。
以下、上記の配管寿命評価システム10における配管の評価方法について示す。図2は、配管の評価方法の流れを示すものである。
ここで、本実施形態では、例えば、火力発電設備の発電用ボイラに備えられた、9クロム鋼、12クロム鋼等の高クロム鋼からなる配管の評価を行う。
まず、図2に示すように、配管系応力解析部11が、発電プラントの配管系の設計データに基づき、配管系の引き回し(レイアウト)についてモデル化する(ステップS101)。ここで、設計データは、配管寿命評価システム10に備えられたデータ記憶部や、外部のデータベース等から取り込む。
また、配管系応力解析部11は、予め定められた発電プラントの運転条件に基づき、配管系内を流れる流体の温度・圧力のデータを取得する(ステップS102)。このデータには、予め設定された運転条件に基づく流体の温度・圧力の設定データ、あるいは実際の運転をモニタリングすることによって得られた流体の温度・圧力の履歴データを用いることができる。これらのデータは、配管寿命評価システム10に備えられたデータ記憶部や外部のデータベース等から取り込んでも良いし、作業者がキーボード等により入力しても良い。
そして、配管系応力解析部11は、ステップS101,S102で得られた情報に基づき、ステップS101で生成した配管系のモデルを、ステップS102で取得した運転条件で運転したときの、配管系全体の各部に作用する荷重、曲げモーメントを解析する(ステップS103)。
このような配管系応力解析部11における解析手法としては、いかなるものを用いても良く、ここでは解析内容について詳述することを避けるが、例えば、特許文献5に記載の技術を用いることができる。
次いで、溶接部応力解析部12が、配管の溶接部の応力解析を、例えば有限要素法を用いて実行する(ステップS104)。
ここで、解析対象となる配管については、事前に、断面形状を計測するとともに、超音波探傷法によって溶接部の開先部形状を推定するための超音波探傷を行う。そして、溶接部応力解析部12は、これらの計測結果・推定結果に基づき、応力解析結果を補正するための応力増加係数Wを決定する(ステップS105)。
ここで、応力増加係数Wは、
W=(係数a×偏平率φ+係数b×目違い寸法S)×係数c
とする。
以下、これについて詳述する。
図3に示すように、配管100の断面形状の計測には、配管100の外周側に環状の治具110をセットし、この治具110に、レーザー変位計やマイクロメータ等の計測器111を取り付ける。そして、計測器111を、治具110とともに回転させたり、治具110に沿って移動させることによって、断面半円形の配管部材101,101どうしが溶接部102,102に溶接された配管100の外周面に沿って移動させる。これにより、配管100の外周面の外形形状が計測される。なお、配管100の外周形状が計測できるのであれば、上記以外の手法を適宜採用しても良い。
上記のようにして得られた配管100の外周形状の計測結果のデータは、入力部15から配管寿命評価システム10に入力される。
溶接部応力解析部12は、入力された計測結果のデータに基づき、図4に示すように、計測された配管100の長径方向の最大直径d1に対する短径方向の最小直径d2から、配管100の偏平率φ=(d1−d2)/d1(%)を求める。
図5(a)に示すように、配管100が真円であれば、配管100内の流体による内圧Pによって、溶接部102に作用する応力の分布は、外周側100aから内周側100bに向けて漸次増大するものと推定される。
これに対し、図5(b)に示すように、配管100が、溶接部102,102を結ぶ方向を短径とした楕円形状に偏平している場合、内圧Pによって配管100が真円に戻ろうとするため、配管100の外周側100aには引張応力が発生し、内周側100bには圧縮応力が発生する。これによって、溶接部102に作用する応力の分布は、外周側100aから内周側100bに向けて漸次縮小するものと推定される。
図5(c)に示すように、配管100が、溶接部102,102を結ぶ方向を長径とした楕円形状に偏平している場合、内圧Pによって配管100が真円に戻ろうとするため、配管100の外周側100aには圧縮応力が発生し、内周側100bには引張応力が発生する。これによって、溶接部102に作用する応力の分布は、図5(a)に示した配管100が真円の場合よりも強い傾斜で、外周側100aから内周側100bに向けて漸次増大するものと推定される。
また、溶接部応力解析部12は、入力された計測結果のデータに基づき、図6に示すように、配管100を構成する一方の配管部材101と他方の配管部材101とが溶接部102,102の両側で段違いとなる目違い寸法(段違い寸法)Sを求める。
一方の配管部材101と他方の配管部材101とが溶接部102,102の両側で段違いとなっていると、内圧Pによって配管100が真円に戻ろうとするため、配管100の外周側100a、内周側100bで、それぞれ引張応力が発生する。この応力は、目違い寸法Sが大きければ大きいほど増大する。
溶接部応力解析部12は、得られた偏平率φと目違い寸法Sに基づき、応力増加係数Wの係数a,bを決定する。これらの係数a,bは、事前に多数のテストピース等を用いた実証実験等を積み重ねることで決定することができる。これにより、例えば図7に示すように、偏平率φおよび目違い寸法Sと、応力増加係数Wとの関係を設定しておくことができる。
また、溶接部102,102の開先部形状は、例えば、フェイズドアレイ法により行う。図8(a)に示すように、配管100の外周面に、超音波探傷装置のプローブ120を、ブロック121を介して溶接部102の両側にセットする。プローブ120は、溶接部102が連続する方向(配管100の軸線方向)に複数の探触子122を有しており、これら複数の探触子122から位相差(時間差)をもって超音波を順次出力し、その反射エコーを検出する。ブロック121により、プローブ120からは、溶接部102の両側から斜めに超音波が出力されるようになっている。
本実施形態では、溶接部102の両側に配した一対のプローブ120を、溶接部102の幅方向(配管100の周方向)に走査させることで、例えば図8(b)に示すようなエコー画像Mを得る。このエコー画像Mのデータは、入力部15から配管寿命評価システム10に入力される。
溶接部応力解析部12は、入力されたエコー画像Mに基づき、溶接部102の両側の配管部材101,101の開先部101a,101aの形状を以下のようにして推定する。
図8(a)に示すように、溶接部102は、両側の母材131,131である配管部材101,101の間に、母材131,131どうしを溶接するための溶接金属132が位置し、さらに、母材131,131と溶接金属132との間には、溶接時の熱影響により生成された熱影響部133が位置している。
ここで、母材131,131および溶接金属132に比較し、熱影響部133は、結晶粒子の粒径が小さい。そこで、このような溶接部102に超音波探傷を実施すると、結晶粒子が大きい母材131,131および溶接金属132における反射エコーよりも、熱影響部133における反射エコーの方が小さい。
したがって、溶接部応力解析部12は、溶接部102を幅方向に走査して得られたエコー画像Mを、エコー強度ごとに複数段階に諧調表示させる。すると、熱影響部133の形状を得ることができる。熱影響部133は、母材131である配管部材101の開先部101aに沿って形成されるため、これによって、開先部101aの形状を推定することができる。
図9(a)に示すように、溶接部応力解析部12は、推定される開先部101aの形状に基づき、溶接部102の幅方向に対して、予め定めた角度以下で傾斜したビード傾斜面140の傾斜角度を特定する。溶接部102の幅方向に対して予め定めた角度以下(すなわち溶接部102の厚さ方向に対して予め定めた角度以上)に傾斜したビード傾斜面140が存在する場合、ビード傾斜面140の端部には、応力分布に影響を与える角部が存在する可能性があるためである。
そして、溶接部応力解析部12は、特定されたビード傾斜面140の溶接部102の幅方向に対する傾斜角度に基づき、応力増加係数Wの係数cを決定する。この係数cは、事前に多数のテストピース等を用いた実証実験等を積み重ねることで、例えば図9(b)に示すように、ビード傾斜面140の傾斜角度と、係数cとの関係を設定しておくことで、決定することができる。なお、この図9(b)において、実線は、一定角度以下のビード傾斜面140が1つのみの場合、点線は、一定角度以下のビード傾斜面140が複数ある場合の係数の例である。
溶接部応力解析部12は、ステップS105において、上記のようにして求められた係数a,b,c、および偏平率φ、目違い寸法Sから応力増加係数Wを決定する。そして、ステップS104で行った配管100の溶接部102についての応力解析結果を、応力増加係数Wにより補正する(ステップS106)。
補正された溶接部102の応力解析結果に基づき、損傷評価部13は、溶接部102の応力、ひずみについて、予め定められた基準と比較し、基準以上の応力やひずみが生じている部分の分布を、損傷評価データとして生成する(ステップS107)。
結果検証部14は、得られた損傷評価データに基づき、溶接部102の状態を評価する(ステップS108)。この状態の評価としては、損傷の有無に限らず、溶接部102の寿命等を予測することができる。
本実施形態では、ステップS108においては、評価の精度を高めるために、ステップS107で得られた損傷評価データと、別途手法で実施した非破壊検査の検査結果(他の評価結果)との比較を行う(ステップS108〜S109)。ここで、非破壊検査の検査結果において損傷が生じているのに、ステップS107で生成された損傷評価データでは問題が生じていない場合や、逆に、非破壊検査の検査結果において問題がないのに、ステップS107で生成された損傷評価データでは損傷が生じているのとされている場合、評価精度を高めるため、ステップS101に戻り、解析に用いた各条件を見直し、再度解析を行う。実体損傷と応力解析による損傷推定値とに差が生じる要因としては、図11に示すような溶接部近傍の局部的な断面形状変化がある。さらに応力解析精度を向上させるために、図3で示したような構成を有する配管断面形状の計測装置により、周方向計測ピッチを細かくし、溶接部近傍に生じる局部形状、および非破壊検査で推定される溶接部形状を反映した詳細応力解析を行うこともある。
一方、ステップS109において、ステップS107で得られた損傷評価データと、別途手法で実施した非破壊検査の検査結果のデータとが一致している場合は、その溶接部102を有した配管100の寿命を予測して配管100の交換の必要の有無を判断し、一定期間内に交換が必要であると予測される場合は、その交換時期を設定し、配管100の評価結果として出力部16から出力する(ステップS110)。なお、この配管100の寿命の予測、交換時期の設定については、公知の適宜手法を用いることができる。
このようにして出力された評価結果に基づき、保守管理の担当者は、交換用の配管100の製作の手配等、保守管理要領を策定することができる。
上述したように、配管100の偏平率φ、目違い寸法Sに基づき、溶接部102の応力解析結果を補正するようにしたので、溶接部102の状態を、より高い精度で評価することが可能となる。
これにより、配管100の寿命の予測や、交換時期の設定等を的確に行うことができ、配管100の保守管理を効率よく確実に行うことが可能となる。
なお、上記実施形態において、結果検証部14において、評価の精度を高めるために、ステップS107で得られた損傷評価データと、別途手法で実施した非破壊検査の検査結果との比較を行ったが、比較対象となるデータは、非破壊検査の検査結果に限らず、これ以外にも、設計データに基づいて解析を行うことで得られる解析結果や、実際に破壊したサンプルのデータとの比較を行うようにしても良い。
また、ステップS107で得られた損傷評価データと、別途手法で実施した非破壊検査の検査結果との比較を行わず、ステップS107で得られた損傷評価データのみに基づいて、溶接部102の評価を行い、評価結果として出力するようにしても良い。
さらに、上記実施形態では、配管系全体についてモデル化し、配管系全体の各部に作用する荷重、曲げモーメントを解析するようにしたが、溶接部102の解析のみを行うようにしてもよい。
加えて、上記実施形態であげた、応力解析結果を補正するための係数は一例に過ぎず、適宜、他の係数を用いることができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
10 配管寿命評価システム(溶接部評価装置)
11 配管系応力解析部
12 溶接部応力解析部(応力解析手段、補正手段)
13 損傷評価部(評価手段)
14 結果検証部
15 入力部
16 出力部
100 配管
100a 外周側
100b 内周側
101 配管部材
101a 開先部
102 溶接部
110 治具
120 プローブ
121 ブロック
122 探触子
131 母材
132 溶接金属
133 熱影響部
140 ビード傾斜面

Claims (5)

  1. 断面円形の配管の軸線方向または周方向に沿って連続する溶接部の状態について評価する溶接部評価装置であって、
    前記溶接部の応力解析を行う応力解析手段と、
    予め計測された前記配管の外形形状に基づき、前記応力解析手段で得られた応力解析結果を補正する補正手段と、
    前記補正手段で補正された前記応力解析結果に基づき、前記溶接部の状態を評価する評価手段と、を備えることを特徴とする溶接部評価装置。
  2. 前記補正手段は、予め計測された前記配管の偏平率に基づいて、前記応力解析結果を補正することを特徴とする請求項1に記載の溶接部評価装置。
  3. 前記補正手段は、前記溶接部の一方の側の前記配管と他方の側の前記配管の、該配管の径方向における段違い寸法に基づいて、前記応力解析結果を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の溶接部評価装置。
  4. 前記応力解析手段で行った前記溶接部の応力解析法とは異なる手法によって行われた前記溶接部の他の評価結果を、前記評価手段における評価結果と比較し、前記評価結果と前記他の評価結果とが一致しないとき、前記応力解析手段における解析条件を異ならせて、前記応接部の応力解析を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の溶接部評価装置。
  5. 断面円形の配管の軸線方向または周方向に沿って連続する溶接部の状態について評価する溶接部評価方法であって、
    前記溶接部の応力解析を行うステップと、
    予め計測された前記配管の外形形状に基づき、前記応力解析手段で得られた応力解析結果を補正するステップと、
    補正された前記応力解析結果に基づき、前記溶接部の状態を評価するステップと、
    を備えることを特徴とする溶接部評価方法。
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