JP6172253B2 - リードフレーム、リードフレームの多面付け体、樹脂付きリードフレーム、樹脂付きリードフレームの多面付け体、光半導体装置 - Google Patents
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Description
このような光半導体装置は、多面付けされたリードフレーム(リードフレームの多面付け体)に樹脂層を形成して樹脂付きリードフレームの多面付け体を作製し、光半導体素子を電気的に接続し、透明樹脂層を形成して、パッケージ単位に切断することによって製造される。ここで、製造された光半導体装置は、その外周が樹脂層によって覆われているため、特にその角部の強度が低くなる。そのため、光半導体装置の角部は、他の物品に接触したり、衝撃が加えられたりすることにより破損してしまう場合があった。
第2の発明は、第1の発明のリードフレーム(10)において、前記金属補強部(T1)は、前記端子部(11、12)よりも薄く形成されていること、を特徴とするリードフレームである。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明のリードフレーム(10)において、前記金属補強部(T1)は、前記角部に対応する前記端子部(11、12)の角に沿うようにして形成されていること、を特徴とするリードフレームである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのリードフレーム(10)において、前記金属補強部(T1)は、前記端子部(11、12)を囲むようにして形成されること、を特徴とするリードフレームいずれかのである。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかのリードフレーム(10)において、前記金属補強部(T1)は、前記光半導体装置(1)の外形を画定するパッケージ領域の外形よりも内側に設けられること、を特徴とするリードフレームである。
第6の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかのリードフレーム(10)において、前記金属補強部(T1)は、平面視において、前記金属補強部の外縁の一部と前記光半導体装置(1)の外形を画定するパッケージ領域の外形の一部とが重なるようにして設けられること、を特徴とするリードフレームの多面付け体である。
第8の発明は、第7の発明のリードフレームの多面付け体(MS)において、前記金属補強部(T1)は、接続部により前記枠体(F)に接続されていること、を特徴とするリードフレームの多面付け体である。
第10の発明は、第9の発明の樹脂付きリードフレームにおいて、前記樹脂層(20)は、前記リードフレーム(10)の光半導体素子(2)が接続される側の面に突出して形成されるリフレクタ樹脂部(20a)を有すること、を特徴とする樹脂付きリードフレームである。
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の光半導体装置1の全体構成を示す図である。
図1(a)は、光半導体装置1の平面図を示し、図1(b)は、光半導体装置1の側面図を示し、図1(c)は、光半導体装置1の裏面図を示す。図1(d)は、図1(a)のd−d断面図を示す。
図2は、第1実施形態のリードフレームの多面付け体MSを示す図である。図2(a)は、リードフレームの多面付け体MSの全体を模式化した平面図である。図2(b)は、図2(a)のb部詳細を示す図である。図2(c)は、図2(b)の裏面を示す図である。図2(d)は、図2(b)のd−d断面図である。
図3は、第1実施形態の樹脂付きリードフレームの多面付け体Rを示す図である。図3(a)は、樹脂付きリードフレームの多面付け体Rの全体を模式化した平面図である。図3(b)は、図3(a)のb部詳細を示す図である。図3(c)は、図3(b)の裏面を示す図である。図3(d)は、図3(b)のd−d断面図である。
図1〜図3において、リードフレームの多面付け体MS及び樹脂付きリードフレームの多面付け体Rの平面図における左右方向をX方向、上下方向をY方向、厚み方向をZ方向とする。
光半導体装置1は、多面付けされたリードフレーム10(図2参照)に光反射樹脂層20を形成して樹脂付きリードフレームの多面付け体R(図3参照)を作製し、LED素子2を電気的に接続し、透明樹脂層30を形成して、パッケージ単位に切断(ダイシング)することによって製造される(詳細は後述する)。
LED素子2は、発光層として一般に用いられるLED(発光ダイオード)の素子であり、例えば、GaP、GaAs、GaAlAs、GaAsP、AlInGaP等の化合物半導体単結晶、又は、InGaN等の各種GaN系化合物半導体単結晶からなる材料を適宜選ぶことにより、紫外光から赤外光に渡る発光波長を選択することができる。
端子部11、12は、それぞれ導電性のある材料、例えば、銅、銅合金、42合金(Ni40.5%〜43%のFe合金)等により形成されており、本実施形態では、熱伝導及び強度の観点から銅合金から形成されている。
端子部11、12は、互いに対向する辺の間に空隙部Sが形成されており、電気的に独立している。端子部11、12は、1枚の金属基板(銅板)をプレス又はエッチング加工することにより形成されるため、両者の厚みは同等である。
端子部12は、その表面にLED素子2のボンディングワイヤ2aが接続されるLED端子面12aが形成され、また、その裏面に外部機器に実装される外部端子面12bが形成される、いわゆるリード側端子部を構成する。
端子部11、12は、その表面及び裏面にめっき層Cが形成されており(図4(e)参照)、表面側のめっき層Cは、LED素子2の発する光を反射する反射層としての機能を有し、裏面側のめっき層Cは、外部機器に実装されるときの半田の溶着性を高める機能を有する。
凹部Mは、リードフレーム10の裏面側から見て、各端子部11、12の外周部に形成された窪みであり、その窪みの厚みは、端子部11、12の厚みの1/3〜2/3程度に形成されている。
連結部13は、図2に示すように、端子部11、12のそれぞれに1つずつ設けられており、各端子部を、隣接する他のリードフレームの端子部に連結する。具体的には、端子部11に設けられた連結部13は、端子部11とそれに隣接する他のリードフレーム10の端子部12とを連結し、端子部12に設けられた連結部13は、その端子部12とそれに隣接する他のリードフレーム10の端子部11とを連結している。また、枠体Fに隣接する端子部の連結部13については、端子部と枠体Fとを連結している。
また、光反射樹脂層20が形成されたリードフレーム10の裏面には、図3(c)に示すように、矩形状の外部端子面11b、12bが表出することとなり、光半導体装置1の外観を向上させることができることに加え、半田で基板に実装する場合に、基板側への半田印刷を容易にしたり、半田を均一に塗布したり、リフロー後に半田内へのボイドの発生を抑制したりすることができる。また、光半導体装置1の面内(XY平面内)の中心線に対して線対称であることから、熱応力等に対する信頼性を向上させることができる。
補強部T1は、端子部11、12の上側(+Y側)及び下側(−Y側)のそれぞれにおいて、端子部11、12を挟み込むようにして形成されたコの字状の部材であり、パッケージ領域の角部、すなわち個片化された光半導体装置1の光反射樹脂層20が形成される領域の角部に設けられている。より具体的には、補強部T1は、パッケージ領域の角部に対応する端子部の角に沿うようにして、図2(b)に示すように、パッケージ領域の外形(図2(b)の破線)よりも内側に形成されている。なお、パッケージ領域の角部に対応する端子部の角は、リードフレーム10の外形を形成する端子部の角と一致するものである。
このように、補強部T1は、パッケージ領域の角部に対応する端子部の角に沿うように形成されることによって、主に光反射樹脂層20で形成される光半導体装置1の角部の強度を向上させることができ、角部の樹脂が欠けたり変形したりするのを防ぐことができる。
また、補強片Tがパッケージ領域の外形(図2(b)の破線)よりも内側に形成されることにより、光半導体装置1の側面から補強片Tの補強部T1が表出してしまうのを防ぐことができ、光半導体装置1の外観を良好に保つことができる。
具体的には、枠体Fの外周枠体部F1(後述する)に隣接する補強片Tは、接続部T2によってその外周枠体部F1に接続され、枠体Fの中間枠体部F2(後述する)に隣接する補強片Tは、接続部T2によってその中間枠体部F2に接続されている。
ここで、接続部T2は、補強部T1の長手(X)方向の幅寸法が、補強部T1に比べ十分に狭い寸法(例えば、10分の1)で形成されている。そのため、パッケージ領域の外形でダイシングする場合に、切断する金属部の加工面積を極力減らすことができ、切断加工の効率が低減してしまうのを抑制することができる。また、図1(b)に示すように、製造された光半導体装置1の側面から表出する補強片Tの接続部T2の断面が小さくなるので、補強片Tは、外部から浸入する水分等の浸入経路となる金属部材と樹脂との境界を最小限にすることができ、光半導体装置1の製品の信頼性を向上させることができる。
また、接続部T2を形成する位置は、光反射樹脂層20を形成する樹脂の種類(樹脂の硬化後の硬さ)に応じて変更するようにしてもよい。例えば、樹脂の硬化後の硬さが所定の値(損失弾性率が109Paかつ貯蔵弾性率が108Pa)以上の場合、その樹脂は外力に対してクラックが入り易くなるため、接続部T2は、空隙部Sの延長上に設けられていることが望ましい。
また、図3(c)及び図3(d)に示すように、補強片Tの裏面にも樹脂が流れ込むので、リードフレーム10と樹脂との密着面積が増え、光反射樹脂層20がリードフレーム10から剥離してしまうのを抑制することができる。さらに、製造された光半導体装置1の裏面から、補強片Tが表出してしまうのを防ぐことができ、光半導体装置1の外観を向上させることができる(図3(b)参照)。
枠体Fは、リードフレーム10を多面付けした状態で固定する部材である。枠体Fは、集合体Gの外周を囲むようにして形成される外周枠体部F1と、端子部11、12の配列方向(X方向)とは直交する方向(Y方向)に配列する各リードフレーム10間に形成される中間枠体部F2とを備える。中間枠体部F2は、リードフレーム10が多面付けされる集合体G内に形成されている。
中間枠体部F2は、端子部11、12の配列方向に垂直な方向(Y方向)に配列されるリードフレーム10間に延在して設けられており、その両端部が外周枠体部F1に接続されている。中間枠体部F2は、パッケージ領域の外形(図2(b)の破線内)の外側に形成されている。
光反射樹脂層20を形成する樹脂は、凹み部分への樹脂充填に関しては、樹脂形成時には流動性が高いことが、凹み部分での接着性に関しては、分子内に反応基を導入しやすいためにリードフレームとの化学接着性を得られることが必要なため、熱硬化性樹脂が望ましい。
例えば、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリフタルアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリエーテルサルホン、ポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン等を用いることができる。
また、熱硬化性樹脂としては、シリコーン、エポキシ、ポリエーテルイミド、ポリウレタン及びポリブチレンアクリレート等を用いることができる。
さらに、これらの樹脂中に光反射材として、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素のうちいずれかを添加することによって、光の反射率を増大させることができる。
また、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂を成形した後に、電子線を照射することで架橋させる方法を用いた、いわゆる電子線硬化樹脂を用いてもよい。
透明樹脂層30は、光の取り出し効率を向上させるために、LED素子2の発光波長において光透過率が高く、また、屈折率が高い材料を選択するのが望ましい。例えば、耐熱性、耐光性、及び機械的強度が高いという特性を満たす樹脂として、エポキシ樹脂や、シリコーン樹脂を選択することができる。特に、LED素子2に高輝度LED素子を用いる場合、透明樹脂層30は、強い光にさらされるため、高い耐光性を有するシリコーン樹脂からなることが好ましい。また、波長変換用の蛍光体を使用してもよく、透明樹脂に分散させてもよい。
図4は、リードフレーム10の製造過程を説明する図である。
図4(a)は、レジストパターンを形成した金属基板100を示す平面図と、その平面図のa−a断面図とを示す。図4(b)は、エッチング加工されている金属基板100を示す図である。図4(c)は、エッチング加工後の金属基板100を示す図である。図4(d)は、レジストパターンが除去された金属基板100を示す図である。図4(e)は、めっき処理が施された金属基板100を示す図である。
なお、図4においては、1枚のリードフレーム10の製造過程について図示するが、実際には、1枚の金属基板100からリードフレームの多面付け体MSが製造される。
次に、図4(b)に示すように、レジストパターン40a、40bを耐エッチング膜として、金属基板100に腐食液でエッチング処理を施す。腐食液は、使用する金属基板100の材質に応じて適宜選択することができる。本実施形態では、金属基板100として銅板を使用しているため、塩化第二鉄水溶液を使用し、金属基板100の両面からスプレーエッチングすることができる。
エッチング処理により金属基板100には、図4(c)に示すように、凹部Mが形成された端子部11、12と、補強片Tとが形成され、金属基板100上にリードフレーム10が形成される。
そして、図4(e)に示すように、リードフレーム10が形成された金属基板100にめっき処理を行い、端子部11、12にめっき層Cを形成する。めっき処理は、例えば、シアン化銀を主成分とした銀めっき液を用いた電界めっきを施すことにより行われる。
なお、めっき層Cを形成する前に、例えば、電解脱脂工程、酸洗工程、銅ストライク工程を適宜選択し、その後、電解めっき工程を経てめっき層Cを形成してもよい。
以上により、リードフレーム10は、図2に示すように、枠体Fに多面付けされた状態で製造される。なお、図2において、めっき層Cは省略されている。
図5は、光半導体装置1の製造過程を説明する図である。
図5(a)は、光反射樹脂層20が形成されたリードフレーム10の断面図であり、図5(b)は、LED素子2が電気的に接続されたリードフレーム10の断面図を示す。図5(c)は、透明樹脂層30が形成されたリードフレーム10の断面図を示す。図5(d)は、ダイシングにより個片化された光半導体装置1の断面図を示す。
図6は、第1実施形態の光半導体装置1の多面付け体を示す図である。図6(a)は、それぞれ光半導体装置の多面付け体の全体を模式化した平面図である。図6(b)は、図6(a)のb部詳細を示す図である。図6(c)は、図6(b)の裏面を示す図である。図6(d)は、図6(b)のd−d断面図である。図6(e)は、図6(b)のe−e断面図である。
なお、図5においては、1台の光半導体装置1の製造過程について図示するが、実際には、多面付けされた光半導体装置1が製造されるものとする。また、図5(a)〜(d)は、それぞれ図4(a)の断面図に基づくものである。
以上により、図3に示す樹脂付きのリードフレームの多面付け体Rが形成される。
最後に、図5(d)に示すように、パッケージ領域(図6(b)の破線)に合わせて、光反射樹脂層20及び透明樹脂層30とともに、リードフレーム10の連結部13を切断(ダイシング、パンチング、カッティング等)して、1パッケージに分離(個片化)された光半導体装置1(図1参照)を得る。
図7(a)は、光半導体装置1の平面図を示し、図7(b)は、光半導体装置1の側面図を示し、図7(c)は、光半導体装置1の裏面図を示す。
上述の説明では、リードフレーム10の表面にリフレクタ20aが形成される、いわゆるカップ型の光半導体装置1の例で説明したが、図7に示すように、リフレクタ20aを有さず、リードフレーム10と光反射樹脂層20との厚みがほぼ同等となる、いわゆるフラット型の光半導体装置1に適用してもよい。
ここで、補強片Tは、その表面が端子部11、12のLED端子面11a、12aから窪むように形成してもよい。こうすることにより、図7(a)に示すように、光半導体装置1の表面及び裏面から補強片Tが視認されないようすることができ、光半導体装置1の外観を良好に維持することができる。
(1)リードフレーム10は、光反射樹脂層20が形成される領域(パッケージ領域)の角部であって、その角部に対応する各端子部の角に沿うようにして形成された補強片Tを備えているので、光半導体装置1の角部の強度を向上させることができ、角部の樹脂が欠けたり変形したりするのを防ぐことができる。
(2)リードフレーム10は、補強部T1が端子部11、12よりも薄く形成されているので、リードフレーム10に光反射樹脂層20を形成した場合に光反射樹脂層20の裏面から補強部T1が表出するのを防ぐことができる。これにより、光半導体装置1を外部機器に接続する場合に、半田が補強部T1に付着してしまうのを防ぐことができる。
(3)リードフレーム10は、補強片Tが端子部11、12の外周を囲むようにして形成されているので、光半導体装置1の外形の温度変化による収縮や伸びを低減することができる。更に、光半導体装置の多面付け体(図6参照)から光半導体装置1を個片化する場合において、ダイシング(切断)による衝撃等により、製造される光半導体装置が歪んでしまうのを抑制することもできる。また、光半導体装置1の外部機器への実装時等における熱応力によって、光半導体装置が歪んでしまうのも抑制することができる。
(4)補強片Tは、補強部T1がパッケージ領域の外形(図2(b)の破線)よりも内側に設けられるので、リードフレームの多面付け体MSに樹脂が充填され光反射樹脂層20が形成された場合に、補強片Tが、光半導体装置1の側面から表出する表出面積を最小限にすることができる。これにより、光半導体装置1の外観を良好に保つとともに、水分等が光半導体装置1の内部に浸入する経路を減らすことができ、不具合を有する光半導体装置が製造されてしまうのを抑制することができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、第2実施形態の枠体Fに多面付けされたリードフレーム210を示す図である。図8(a)は、リードフレームの多面付け体の平面図であり、図2(b)に対応する図である。図8(b)は、図8(a)の裏面を示す図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態のリードフレーム210は、1つのリードフレーム210に対して異なる形状の補強片Tが3つ設けられている点と、端子部211に連結部213が2つ設けられている点で、第1実施形態のリードフレーム10と相違する。
より具体的には、端子部211に設けられた連結部213は、端子部211に対して2つ設けられており、端子部211の左側(−X側)と上側(+Y側)とにそれぞれ設けられている。端子部211の左側の連結部213は、端子部211の左側に隣接する他のリードフレームの端子部212又は外周枠体部F1に接続される。端子部211の上側の連結部213は、その端子部211の上側に隣接する外周枠体部F1又は中間枠体部F2に接続される。
上述のように、端子部211に設けられた連結部213は、端子部211に対して2つ設けられており、X方向だけでなくY方向からも枠体Fに連結している。そのため、連結部213は、外形が大きく形成された端子部211(ダイパッド)を枠体Fに対してより強固に連結することができる。
また、リードフレーム210の下側(−Y側)には、補強片Tcが設けられている。補強片Tcは、各端子部を挟み込むようにコの字状に形成されており、空隙部Sの延長上を横切り、かつ、端子部211の左下側の角と端子部212の右下側の角とに沿うように形成される。
補強片Ta及び補強片Tbは、L字状に形成された補強部Ta1、Tb1と、その補強部を枠体Fに接続する接続部Ta2、Tb2とからそれぞれ構成されている。
補強片Tcは、上述したように、コの字状に形成された補強部Tc1と、その補強部を枠体Fに接続する接続部Tc2とから構成される。
また、リードフレーム210の上側の補強片Tが左右2つ(補強片Ta、Tb)に分離されているので、端子部211を2つの連結部213により連結することができる。これにより、外形が大きく形成された端子部211の連結強度を向上させることができ、リードフレームの多面付け体のハンドリング時等において、端子部211が枠体Fに対して変形したり、外れたりするのを抑制することができる。
更に、リードフレームの多面付け体MSは、補強片Tb及び補強片Tcが、各端子部間の空隙部Sの延長上を横切るように形成されているので、製造された光半導体装置の空隙部Sの強度を向上させることができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図9は、第3実施形態のリードフレームの多面付け体MSを示す図である。図9(a)は、リードフレームの多面付け体MSの詳細を示す図であり、図2(b)に対応する図である。図9(b)は、図9(a)の裏面を示す図である。
枠体Fは、図9に示すように、リードフレーム10を多面付けした状態で固定する部材である。枠体Fは、集合体の外周を囲むようにして形成される外周枠体部F1と、端子部311、312の配列方向(X方向)とは直交する方向(Y方向)に配列する各リードフレーム310間に形成される中間枠体部F2と、端子部311、312の配列方向と平行な方向に配列する各リードフレーム310間に形成される中間枠体部F3とを備える。
中間枠体部F3は、中間枠体部F2と同様に、その表面が端子部311、312の表面と同一平面内に形成され、かつ、その裏面が、補強片Tの裏面と同一平面内に形成されている。これにより、光反射樹脂層とリードフレームの多面付け体MSとの密着面積を増やすことができ、光反射樹脂層がリードフレームの多面付け体MSから剥離してしまうのを抑制することができる。
なお、中間枠体部F2及び中間枠体部F3は、パッケージ領域の外形の外側に形成される。
リードフレーム310は、パッケージ領域(図9(a)の破線)の角部に対応する各端子部の角のそれぞれに沿うようにして分離した4つの補強片Ta〜Tdが形成されている。すなわち、補強片Taは、リードフレーム310の左上側(−X側であって+Y側)に設けられており、補強片Tbは、リードフレーム310の右上側(+X側であって+Y側)に設けられている。また、補強片Tcは、リードフレーム310の左下側(−X側であって−Y側)に設けられており、補強片Tdは、リードフレーム310の右下側(+X側であって−Y側)に設けられている。
各補強片Ta〜Tdは、パッケージ領域の角部に対応する各端子部の角に沿うようにして形成されるL字状の補強部Ta1〜td1と、各補強部を枠体Fに接続する接続部Ta2〜Td2とから構成される。
また、補強片Tがパッケージ領域の外形よりも内側に設けられるので、補強片Tが、光半導体装置の側面から表出する表出面積を最小限にすることができる。これにより、光半導体装置の外観を良好に保つとともに、水分等が光半導体装置の内部に浸入する経路を減らすことができ、不具合を有する光半導体装置が製造されてしまうのを抑制することができる。
更に、リードフレームの多面付け体MSは、補強片Tをパッケージ領域の中心に対して点対称に形成するので、光半導体装置1の収縮や伸びを平面(XY平面)方向に均一にすることができる。
また、パッケージ領域の各角部に、分離した4つの補強片Ta〜Tdを設けているので、端子部311、312に設けられる連結部313の数を増やすことができる。これにより、枠体Fにする各端子部311、311の連結強度を向上させることができ、リードフレームの多面付け体MSのハンドリング時等において、各端子部が枠体Fに対して変形したり、外れたりするのを抑制することができる。
上述の説明では、パッケージ領域の各角部に設けられた補強片は、パッケージ領域の中心に対して点対称に設けられる例で説明したが、これに限定されない。例えば、図10(a)及び図10(b)に示すように、パッケージ領域の外形を形成する辺の中心線に対して線対称に設けるようにしてもよい。
具体的には、図10(a)に示すように、補強片Ta、Tbを、リードフレーム410の上側(+Y側)において、それぞれ接続部Ta2、Tb2により外周枠体部F1又は中間枠体部F2と接続し、また、補強片Tc、Tdを、リードフレーム410の下側(−Y側)において、それぞれ接続部Tc2、Td2により外周枠体部F1又は中間枠体部F2と接続するようにしてもよい。
また、上述の説明と同様に、リードフレームは、第3実施形態のリードフレームと同様の効果を奏することができる。
これにより、各補強片Ta〜Tdは、パッケージ領域の中心に対して点対称となるので、上述の第3実施形態のリードフレームの多面付け体MSと同様の効果を奏することができる。また、光半導体装置が多面付け体から個片化された場合において、光半導体装置の角部には、各補強片の接続部Ta2〜Td2の断面が表出するので、光半導体装置の角部の強度を向上させることができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図12は、第4実施形態のリードフレームの多面付け体MSを示す図であり、図2(b)に対応する図である。
第4実施形態のリードフレームの多面付け体MSは、端子部411、412の形態と、補強片Tの形態とが、第1実施形態のリードフレームの多面付け体MSと主に相違する。
枠体Fは、図12に示すように、リードフレーム710を多面付けした状態で固定する部材である。枠体Fは、多面付けされるリードフレームの端子部411、412の外周を囲むようにして形成される外周枠体部F1と、上下方向(Y方向)に配列する各リードフレーム10間に形成される中間枠体部F2と、左右方向(X方向)に配列する各リードフレーム10間に形成される中間枠体部F3とを備える。
端子部711は、L字状に形成された端子であり、端子部712に比してその外形が大きく形成されている。
端子部712は、それぞれが矩形状に形成された端子であり、L字状に形成された端子部711の上側に2つ、下側に3つ設けられている。
端子部711は、隣接する各端子部712との間に空隙部が形成されており、電気的に独立している。また、各端子部712は、隣接する他の端子部712との間にも空隙部が形成されており、電気的に独立している。
端子部711に設けられた連結部713は、1つの端子部711に対し3つ設けられており、その1つは、端子部711の上端部を外周枠体部F1又は中間枠体部F2に連結し、残り2つがそれぞれ端子部711の左右両端部を外周枠体部F1及び又は中間枠体部F3に連結する。
端子部712に設けられた連結部713は、各端子部712に対して1つずつ設けられており、端子部712の上端部又は下端部を外周枠体部F1又は中間枠体部F2に連結する。
各補強片Ta〜Tdは、パッケージ領域の角部に対応する各端子部の角に沿うようにして形成されたL字状の補強部Ta1〜Td1と、各補強部を枠体Fに接続する接続部Ta2〜Td2とから構成される。ここで、各補強片Ta〜Tdは、パッケージ領域(図12の破線)を形成する辺の中心線に対して線対称に設けられている。具体的には、補強片Ta、Tcを、リードフレーム710の左側(−X側)において、それぞれ接続部Ta2、Tc2により外周枠体部F1又は中間枠体部F3と接続し、また、補強片Tb、Tdを、リードフレーム710の右側(+X側)において、それぞれ接続部Tb2、Td2により外周枠体部F1又は中間枠体部F3と接続している。
また、補強片Tがパッケージ領域の外形よりも内側に設けられるので、補強片Tが、光半導体装置の側面から表出する表出面積を最小限にすることができる。これにより、光半導体装置の外観を良好に保つとともに、水分等が光半導体装置の内部に浸入する経路を減らすことができ、不具合を有する光半導体装置が製造されてしまうのを抑制することができる。
更に、リードフレーム710は、各補強片Tがパッケージ領域の外形を形成する辺の中心線に対して線対称に設けられることにより、光半導体装置の上下(Y)方向、左右(X)方向の温度変化等による伸縮を均一にすることができる。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
図13は、第5実施形態のリードフレームの多面付け体MSを示す図である。図13(a)は、第5実施形態のリードフレームの多面付け体MSの詳細を示す図であり、図2(b)に対応する図である。図13(b)〜図13(d)は、第5実施形態のリードフレームの多面付け体MSの補強片Tの他の形態を示す図である。なお、図13(b)〜図13(d)は、それぞれ図13(a)のb部詳細に対応する図である。
連結部813は、端子部811、812の互いに向かい合う辺を除いた辺に設けられており、各端子部を枠体Fに連結する。
補強片Tは、パッケージ領域(図13(a)の破線)の角部に設けられており、補強部T1と、その補強部T1を枠体Fに接続する接続部T2とから構成されている。また、補強片Tは、パッケージ領域の外形よりも内側に形成されている。
補強部T1は、円形状又は略円形状に形成されており、パッケージ領域の上側又は下側において、接続部T2によって枠体Fに接続される。
また、補強片Tがパッケージ領域の外形よりも内側に設けられるので、補強片Tが、光半導体装置の側面から表出する表出面積を最小限にすることができる。これにより、光半導体装置の外観を良好に保つとともに、水分等が光半導体装置の内部に浸入する経路を減らすことができ、不具合を有する光半導体装置が製造されてしまうのを抑制することができる。
また、パッケージ領域の各角部に4つの補強片Tを設けているので、各端子部811、812に設けられる連結部813の数を増やすことができる。これにより、枠体Fにする各端子部811、811の連結強度を向上させることができ、リードフレームの多面付け体MSのハンドリング時等において、各端子部が枠体Fに対して変形したり、外れたりするのを抑制することができる。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
図14は、第6実施形態の枠体Fに多面付けされたリードフレーム910を示す図である。図14(a)は、リードフレームの多面付け体MSを説明する図であり、図2(b)に対応する図である。図14(b)は、図14(a)の裏面を示す図である。
図15は、第6実施形態の光半導体装置901の全体構成を示す図である。図15(a)は、光半導体装置901の平面図を示し、図15(b)は、光半導体装置901の側面図を示し、図15(c)は、光半導体装置901の裏面図を示す。図15(d)は、図15(a)のd−d断面図を示す。
補強片Tは、図14に示すように、端子部11、12の上側(+Y側)及び下側(−Y側)のそれぞれにおいて、端子部11、12を挟み込むようにして形成されたコの字状の部材であり、パッケージ領域の角部に対応する各端子部の角に沿うようにして形成される。補強部T1は、図14(a)に示すように、その外縁の一部が、パッケージ領域の外形(図14(a)の破線)の一部に重なるようにして形成されている。
リードフレームの多面付け体MSは、補強片Tが端子部911、912の外周を囲むようにして形成されているので、光半導体装置901の外形の温度変化による収縮や伸びを低減することができる。更に、光半導体装置の多面付け体(図6参照)から光半導体装置901を個片化する場合において、ダイシング(切断)による衝撃等により、製造される光半導体装置が歪んでしまうのを抑制することもできる。また、光半導体装置901の外部機器への実装時等における熱応力によって、光半導体装置が歪んでしまうのも抑制することができる。
更に、本実施形態のリードフレームの多面付け体MSは、補強片Tの外縁の一部がパッケージ領域の外形の一部に重なるように形成されているので、多面付け体の状態から光半導体装置が個片化された場合に、図15に示すように、光半導体装置901の側面に補強部T1が表出することとなる。これにより、光半導体装置901の外形を形成する角部を含む側面部の強度を、上述の実施形態に比して更に向上させることができる。
(1)各実施形態において、リードフレームの多面付け体MSは、パッケージ領域の外形を形成する4つの角部の全てに補強片Tを設ける例を示したが、これに限定されるものでない。補強片Tの数は、光半導体装置の用途や、LED素子2の配置等の設計上の事情などに応じて適宜変更することができ、例えば4つの角部のうち少なくとも1つに設けるようにしてもよい。
(2)各実施形態において、リードフレームの多面付け体MSは、パッケージ領域(光半導体装置の外形)が矩形状に形成される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、パッケージ領域は、その外形が矩形以外の多角形に形成されていてもよく、補強片Tは、その外形に応じて適宜増減して設けるようにしてもよい。
(4)各実施形態(第4実施形態を除く)においては、リードフレーム10は、端子部11及び端子部12を備える例を示したが、リードフレームは、2以上の端子部を備えていてもよい。例えば、端子部を3つ設け、その1つにはLED素子を実装し、他の2つにはボンディングワイヤを介してLED素子と接続してもよい。
(6)各実施形態においては、リードフレーム10は、LED素子2等の光半導体素子を接続する光半導体装置1に使用する例を示したが、光半導体素子以外の半導体素子を用いた半導体装置にも使用することができる。
2 LED素子
10 リードフレーム
11 端子部
12 端子部
13 連結部
20 光反射樹脂層
20a リフレクタ
30 透明樹脂層
F 枠体
F1 外周枠体部
F2 中間枠体部
M 凹部
MS リードフレームの多面付け体
R 樹脂付きリードフレームの多面付け体
S 空隙部
T 補強片
T1 補強部
T2 接続部
Claims (11)
- 光半導体素子が載置されるダイパッドと、端子部とを有し、光半導体装置に用いられるリードフレームにおいて、
樹脂層の形成される領域の角部のうち少なくとも1つに、前記ダイパッド及び前記端子部と離間した金属補強部を備え、
前記金属補強部は、前記ダイパッド及び前記端子部よりも薄く形成されていること、
を特徴とするリードフレーム。 - 光半導体素子が載置されるダイパッドと、端子部とを有し、光半導体装置に用いられるリードフレームにおいて、
樹脂層の形成される領域の角部のうち少なくとも1つに、前記ダイパッド及び前記端子部と離間した金属補強部を備え、
前記金属補強部は、前記ダイパッド及び前記端子部の角に沿うようにして形成されていること、
を特徴とするリードフレーム。 - 光半導体素子が載置されるダイパッドと、端子部とを有し、光半導体装置に用いられるリードフレームにおいて、
樹脂層の形成される領域の角部のうち少なくとも1つに、前記ダイパッド及び前記端子部と離間した金属補強部を備え、
前記金属補強部は、前記ダイパッド及び前記端子部を囲むようにして形成されること、
を特徴とするリードフレーム。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のリードフレームにおいて、
前記金属補強部は、前記光半導体装置の外形を画定するパッケージ領域の外形よりも内側に設けられること、
を特徴とするリードフレーム。 - 光半導体素子が載置されるダイパッドと、端子部とを有し、光半導体装置に用いられるリードフレームにおいて、
樹脂層の形成される領域の角部のうち少なくとも1つに、前記ダイパッド及び前記端子部と離間した金属補強部を備え、
前記金属補強部は、平面視において、前記金属補強部の外縁の一部と前記光半導体装置の外形を画定するパッケージ領域の外形の一部とが重なるようにして設けられること、
を特徴とするリードフレーム。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のリードフレームが枠体に多面付けされていること、
を特徴とするリードフレームの多面付け体。 - 請求項6に記載のリードフレームの多面付け体において、
前記金属補強部は、接続部により前記枠体に接続されていること、
を特徴とするリードフレームの多面付け体。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のリードフレームと、
前記リードフレームの前記ダイパッド及び前記端子部の外周、及び、前記ダイパッドと前記端子部との間に形成される樹脂層と、
を備える樹脂付きリードフレーム。 - 請求項8に記載の樹脂付きリードフレームにおいて、
前記樹脂層は、前記リードフレームの光半導体素子が接続される側の面に突出して形成されるリフレクタ樹脂部を有すること、
を特徴とする樹脂付きリードフレーム。 - 請求項8又は請求項9に記載の樹脂付きリードフレームが枠体に多面付けされていること、
を特徴とする樹脂付きリードフレームの多面付け体。 - 請求項8又は請求項9に記載の樹脂付きリードフレームと、
前記ダイパッドに載置される光半導体素子と、
前記樹脂付きリードフレームの前記光半導体素子が載置される側の面に形成され、前記光半導体素子を覆う透明樹脂層と、
を備える光半導体装置。
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