以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るデジタル一眼レフカメラ1(以下「カメラ1」と略記する。)について説明する。
図1〜3に示されるように、カメラ1は、撮像に関する部分として、制御部10、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)20、レンズ駆動部31、露出制御部32、レンズ41、撮像素子42、AFE(アナログフロントエンド)43、DSP(Digital Signal Processor)50、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)60、記録部70、表示部80及び操作部90を備えている。
制御部10は、EEPROM20に記録された各種プログラム及び設定データに基づいてカメラ1の動作を統合的に制御する制御回路である。
EEPROM20は、制御部10が実行又は使用する各種プログラムや各種設定データを記録する。EEPROM20に記録される設定データには、予めメーカー側で設定した初期設定データの他、ユーザが操作部90を操作することで任意に設定可能なユーザ設定データも含まれる。また、EEPROM20には、後述する撮影対決ゲームを実行するためのゲームプログラム21も記録されている。
レンズ駆動部31は、合焦及び測距を行う際に、制御部10からの信号に従ってレンズ41を駆動する。露出制御部32は、制御部10からの信号に従って、図示されないシャッター及び絞りを制御し、露出時間や絞り等の露出条件の調整を行う。
レンズ41は、周知の光学レンズ(又は複数の光学レンズが配列した光学レンズ群)であり、被写体からの光束を撮像素子42の撮像面上に結像させる。
撮像素子42は、基板上に2次元配列された光電変換素子を有する固体撮像素子であり、光電変換素子の配列面(撮像面)上に形成された光学像を電気信号(アナログ画像信号)に変換する。本実施形態では撮像素子42としてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが使用されるが、撮像素子の構成はこれに限定されず、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサ等の別の構成の撮像素子を使用してもよい。また、撮像素子42が生成したアナログ画像信号は、AFE43により、デジタル画像信号に変換される。
DSP50は、画像信号処理回路であり、制御部10からの信号に従って、AFE43が出力したデジタル画像信号に対して、ユーザが予め設定した処理条件(画像処理パラメータ)に従って各種の画像処理を施した後、ユーザが予め設定したファイル形式(JPEG形式等)の画像ファイルとして出力する。DSP50は、JPEG形式の画像ファイルを生成する場合には、画像処理に使用した画像処理パラメータを、DCF(Design rule for Camera File system)規格に準拠した形式で画像ファイルに格納する。
SDRAM60は、DSP50が処理する画像データを一時的に記録するバッファメモリである。記録部70は、DSP50から出力された画像ファイルを記憶する記憶装置である。記録部70には、フラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリが使用される。無線通信部71は、IrSimple規格に準拠した赤外線通信を行うための通信ユニットであり、IrSimple規格に対応した携帯電話やデジタル一眼レフカメラ等の外部機器との間での画像データを含む各種データの交換を可能にする。
表示部80は、カメラ1の設定内容や動作状態に関する各種情報、被写体像又は画像データの再生画像、及びゲーム等の各種付加機能に関する情報を表示する表示システムであり、光学ファインダ81、第1表示部82a及び第2表示部82bを含んでいる。
光学ファインダ81は、撮像される被写体像をユーザが肉眼で確認するための覗き窓である。ユーザが一方の眼で光学ファインダ81を覗き込むことにより、覗き込んだ眼の網膜上に、撮像素子の撮像面上に形成されているものと同じ被写体像が結像し、ユーザは撮像される被写体像を観察することができる。また、光学ファインダ81は、合焦や露出の状態及び各種設定内容の表示を被写体像に重畳する。そのため、ユーザは、光学ファインダ81を覗き込んで被写体像を見ながら、撮像条件を確認することができる。
第1表示部82aは、カメラ1の背面に配置された表示装置であり、撮像された画像(プレビュー表示に用いられる静止画像を含む)を表示する他、画像処理の設定内容に関する情報を表示する。第2表示部82bは、カメラ1の上面に配置された表示装置であり、露光条件やホワイトバランスなどの画像処理や記録に関する機能設定状態を表示する。
操作部90は、ユーザによる入力操作を受け付ける入力装置である。図1〜図3に示されるように、操作部90は、電源レバー91、レリーズボタン92、ファンクションキー93、4方向キー94、OKボタン95、及びMENUキー96を備えている。
レリーズボタン92が全押しされてレリーズスイッチ(不図示)がオン状態にされることにより、撮像素子42により、レンズ51を介して撮像素子42の撮像面上に結像した被写体像が撮像される。撮像された静止画像は、AFE43によりアナログ信号からデジタル信号に変換され、DSP50により各種の画像処理が施された後、第1表示部82aに表示される。また、撮像された静止画像のデータは、予めユーザが設定したファイル形式に変換されて、記録部70に記録される。また、レンズを通過した被写体からの光束の一部は、撮像素子42の前段に配置されたミラー(不図示)によって分岐され、分岐光は光学ファインダ81を介してユーザの網膜上に結像する。
また、電源レバー91をプレビュー指示位置(不図示)に合わせることにより、撮像素子42の撮像面上に結像した被写体像が撮像され、撮像素子42が生成した未現像の画像データ(RAW画像)がSDRAM60に一時記録される。この場合、記録部70には撮像された静止画像のデータは記録されない。但し、SDRAM60に一時記録されたRAW画像は、現像処理後に、記録部70に記録することが出来る。SDRAM60に一時記録されたRAW画像は、プレビュー表示に使用される他、画像処理パラメータ設定時の確認画像として使用される。
電源レバー91は、カメラ1の前面グリップ部分におけるレリーズボタン92の周囲に配置されたレバーであり、ユーザがカメラ1を保持した状態でユーザの右手人差し指等を使って回転させて所定位置(オン指示位置、オフ指示位置、プレビュー指示位置)にレバー指標を合わせることにより、カメラ1の電源のオンオフ、及びSDRAM60にRAW画像を一時記録するための撮像(プレビュー表示動作)が行われる。
レリーズボタン92は、押し込み量に応じて、図示されない測光スイッチ又はレリーズスイッチをオン状態にして、合焦動作又は撮像を行う。レリーズボタン92が半押しされると、測光スイッチがオン状態にされ、露出制御部47による測光やレンズ駆動部45による測距及び合焦動作が行われる。また、レリーズボタン92が全押しされると、レリーズスイッチがオン状態にされ、撮像が行われる。撮像により生成された画像データは、第1表示部82aにより再生表示され、また記録部70に記録される。レリーズボタン92の全押しに対応して撮像される画像は静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。
ファンクションキー93、4方向キー94、及びOKボタン95は、カメラ1の各種設定の入力に使用される操作キーである。これらの操作キーを使用して、例えばDSP50が行う画像処理の条件を決める画像処理パラメータの設定が行われる。MENUキー96は、カメラ1に実装された各種機能を使用するためのユーザ入力に使用される操作キーである。これらの操作キーは、後述する撮影対決ゲームを行う際の入力操作に使用される。
ファンクションキー93は、カメラ1の背面右下に配置されている。4方向キー94は、上方向キー16a、下方向キー16b、右方向キー16c、及び左方向キー16dを有し、カメラ1の背面右側に、OKボタン95を四方から囲むように配置されている。通常の撮影モードにおいて、ファンクションキー93を押下することにより、機能設定画面が第1表示部82aに表示され、さらにOKボタン95を押下することにより、画像処理パラメータ設定画面が第1表示部82aに表示される。画像処理パラメータ設定画面では、彩度、色相、コントラスト、及びシャープネスの各画像処理パラメータの設定を行うことがでる。また、メニューキー96は第1表示部82aの左側上部に配置され、
4方向キー94は、上方向キー16a、下方向キー16b、右方向キー16c、左方向キー16dを有し、OKボタン95を囲む位置関係で、カメラ1の背面右側に配置される。第1表示部82aに画像処理パラメータ設定画面を表示させた状態で、4方向キー94を操作することにより、画像処理の設定状態が変更される。
OKボタン95は、機能設定画面から画像処理パラメータ設定画面への切換、及び4方向キー94により設定された画像処理に関する設定内容(彩度、色相などの画像処理パラメータ)を確定するために使用される。画像処理パラメータ設定画面が表示された状態で、OKボタン95が押下されると、彩度、色相、コントラスト、及びシャープネスの各画像処理パラメータが確定され、画像処理パラメータ設定画面の表示が解除されて、通常の撮影モードに切り替えられる。全体的な彩度などの画像処理パラメータが変更された場合には、変更後の画像処理パラメータがEEPROM20に上書き保存される。
次に、カメラ1に実装された本発明の実施形態に係る撮影対決ゲームシステムの概要を説明する。撮影対決ゲームは、2台のカメラ1の間で、各カメラの固有情報(プロフィール情報)と各カメラで撮影した画像ファイルの画像処理パラメータ及びサムネイル画像を赤外線通信により交換し、プロフィール情報及び画像処理パラメータから所定のアルゴリズムに従って各カメラの得点を計算し、得点の大小により勝敗を決めるゲームである。
先ず、本実施形態の撮影対決ゲームシステムにおいて使用される得点計算アルゴリズムの概要を説明する。本実施形態の撮影対決ゲームでは、正規分布に従って発生させた乱数(正規乱数)が基本得点となり、この基本得点に所定の方法で計算されたボーナス得点(又はペナルティ減点)が加算されたものが最終得点となる。基本得点を与える正規乱数の平均値は、各カメラ1が撮影対戦ゲームに使用される画像ファイルを撮影した時点における各カメラ1の総撮影枚数に基づいて決定される。そのため、ユーザに長く愛用されたカメラほど高得点が期待され、延いては良い対戦成績(勝率)を修めることができる。また、本実施形態においては、基本得点の不確かさを決める標準偏差が、撮影対決ゲームで使用する画像ファイルの生成に使用された画像処理パラメータ(具体的には、彩度、色相及びコントラスト)に基づいて決定される。また、本実施形態の撮影対決ゲームは、得点の計算に使用する画像処理パラメータを変えて複数回の勝負を行い、勝数が多い方を勝者とする番勝負の形式で行われる。具体的には、彩度、色相及びコントラストの3つの画像処理パラメータのそれぞれについて1回ずつ、計3回の勝負を行い、勝数が多い方を勝者とする三番勝負の形式で行われる。また、ユーザは各画像処理パラメータを対戦に使用する順序を任意に選ぶことができる。例えば、ユーザAが(1)彩度、(2)色相、(3)コントラストの対戦順を選択し、ユーザBが(1)色相、(2)彩度、(3)コントラストの対戦順を選択した場合、第1回戦の勝敗は、ユーザAの彩度を使用して計算した得点(最終得点)とユーザBの色相を使用して計算した得点との大小で決められる。同様に、第2回戦の勝敗は、ユーザAの色相を使用して計算した得点とユーザBの彩度を使用して計算した得点との大小で決められる。また、第3回戦の勝敗は両者のコントラストを使用して計算した得点同士の大小で決められる。
以上のように、ユーザはカメラ1を多く使用するほど撮影対決ゲームに強くなるため、ゲームに勝ちたいという欲求がカメラ1を頻繁に使用するモチベーションとなる。また、カメラ1を多用して撮影対決ゲームの勝率が高くなったユーザは、自分が所有するカメラの高い勝率を誇らしく思い、カメラに対する愛着をより深めることができる。また、勝敗の要因として、単に経験値(総撮影枚数)だけでなく、画像処理パラメータに基づく不確定要素が取り入れられているため、未だ撮影枚数が多くないカメラ1を使用しても勝敗を楽しむことができる。また、カメラメーカーは、魅力のある機能や、推奨される設定が使用された場合にボーナスポイントを与えるようにゲームを構成することで、豊かなユーザ体験を提供することができる。
次に、基本得点の計算方法について具体的に説明する。上述のように、基本得点を与える正規分布の平均値は、総撮影枚数に基づいて決定される。しかしながら、勝負強さを決める平均値を単純に総撮影枚数に比例して増加させると、成長(勝負強さの変化)が単調になってユーザを退屈させてしまう。そのため、本実施形態においては、総撮影枚数に応じて成長の早さが変化するように、図4に示されるような成長曲線に従って、総撮影枚数に応じて非線形的に平均値を変化させる。総撮影枚数と平均値との関係を示すグラフを成長曲線と呼び、総撮影枚数に対して平均値を与えるテーブルを成長テーブルと呼ぶ。
また、カメラ1の成長に個性を与えるため、個体毎に異なる成長曲線が与えられる。具体的には、本実施形態では、図4に示されるXとYの2つの成長テーブル及びシリアル番号等のID情報が予めEEPROMに記録されており、カメラ1のシリアル番号の下n桁目の数字(nは所定の桁数)の偶奇に応じて成長テーブルが使い分けられる。例えば、下n桁目の数字が偶数のシリアル番号を有するカメラ1に対しては成長曲線Xが適用され、下n桁目の数字が奇数のシリアル番号を有するカメラ1に対しては成長曲線Yが適用される。図4に示されるように、成長曲線Xが適用されるカメラ1は、比較的に均一な速度で成長する。一方、成長曲線Yが適用されるカメラ1は、使い始めに急成長するが、その後は伸び悩み、使い込まれると再び大きく成長する。このようにシリアル番号に応じて異なる成長テーブルを適用することにより、成長(勝負強さの変化)の仕方に個性を与えることができる。このようなカメラ1の個性は、ユーザのカメラに対する愛着の涵養に効果がある。
また、上述のように、本実施形態では、使用する画像処理パラメータを変えた3回の対戦により勝敗を決定する三番勝負が行われるが、各対戦で使用される成長テーブルも画像処理パラメータに応じて毎回変更される。すなわち、三番勝負の各回の対戦で使用される成長テーブルは、シリアル番号及び対戦で使用される画像処理パラメータの種類(彩度、色相及びコントラストの3種類)によって決定される。具体的には、本実施形態においては、得点計算に「彩度」を使用する対戦にはシリアル番号の下1桁目の数字の偶奇に従って決定した成長テーブル(偶数の場合は成長テーブルX、奇数の場合は成長テーブルY)が適用され、「色相」を使用する対戦にはシリアル番号の下2桁目の数字の偶奇に従って決定した成長テーブルが適用され、「コントラスト」を使用する対戦にはシリアル番号の下3桁目の数字の偶奇に従って決定した成長テーブルが適用される。すなわち、上述の三番勝負では、毎回得点計算に使用する画像処理パラメータを変えることにより、基本得点(正規乱数)を与える正規乱数の平均値及び標準偏差の両方を毎回変更して勝負が争われることになる。また、本実施形態では、三番勝負の各対戦に適用する成長テーブルをそれぞれ同じ2つの成長テーブルX及びYから選択しているが、画像処理パラメータ毎に異なる成長テーブルの候補を用意してもよい。例えば、彩度、色相、及びコントラストに対して、それぞれ異なる成長テーブルの組(X1とY1、X2とY2、X3とY3)を予め用意し、画像処理パラメータ毎に必ず異なる成長テーブルが適用されるようにしてもよい。
このように、基本得点の期待値を決定する成長曲線を得点計算に使用する画像処理パラメータ毎に選択する構成により、どのような画像処理をしても強いという万能プレイヤーの出現によりゲームの面白さが阻害されることが防止される。また、カメラ1の個体毎に、勝負に強い画像処理設定と勝負に弱い画像処理設定が異なったものとなるため、より多様な個性を各個体の成長に与えることができる。これにより、ゲームの面白さと、ゲームを通じて得られるカメラ1に対するユーザの愛着を、更に深めることができる。
次に、成長曲線から正規乱数の平均値を決定する具体的な手順について、図4及び表1を参照しながら説明する。表1は、成長曲線から正規乱数の平均値を決定する際に使用されるカメラ1のパラメータ、適用される成長曲線の種類、及び計算される平均値の対応関係を示した表である。ここでは、ユーザAが所有するカメラAと、ユーザBが所有するカメラBとの間で、本発明の実施形態に係る撮影対決ゲームが行われた場合を説明する。
先ず、ゲームに使用するカメラ1のシリアル番号から、各対戦の得点計算に使用する成長テーブルを決定する。表1に示されるように、カメラAのシリアル番号は「ZZZZ−364」であり、工場出荷後の総撮影枚数は2000枚である。また、カメラBのシリアル番号は「ZZZZ−207」であり、工場出荷後の総撮影枚数は300枚である。得点計算に「彩度」が使用される対戦では、ゲームに使用するカメラ1のシリアル番号の下1桁目が偶数の場合に「成長テーブルX」が、奇数の場合に「成長テーブルY」が適用される。カメラAは、製造番号の下1桁目が偶数の「4」であるため、得点計算に「彩度」が使用される対戦では「成長テーブルX」が使用される。また、カメラBは、製造番号の下1桁目が奇数の「7」であるため、得点計算に「彩度」が使用される対戦では「成長テーブルY」が使用される。また、得点計算に「色相」が使用される対戦では、シリアル番号の下2桁目が偶数の場合に成長テーブルXが、奇数の場合に成長テーブルYが適用される。カメラAは、製造番号の下2桁目が偶数の「6」であるため、得点計算に「色相」が使用される対戦でも「成長テーブルX」が使用される。また、カメラBは、製造番号の下2桁目が偶数の「0」であるため、得点計算に「彩度」が使用される対戦では「成長テーブルX」が使用される。また、得点計算に「コントラスト」が使用される対戦では、シリアル番号の下3桁目が偶数の場合に「成長テーブルX」が、奇数の場合に「成長テーブルY」が適用される。カメラAは、製造番号の下3桁目が奇数の「3」であるため、得点計算に「コントラスト」が使用される対戦では「成長テーブルY」が使用される。また、カメラBは、製造番号の下3桁目が偶数の「2」であるため、得点計算に「コントラスト」が使用される対戦では「成長テーブルX」が使用される。
次に、決定した成長テーブルを使用して、総撮影枚数から基本得点の生成に使用する正規乱数の平均値を決定する。カメラAは、総撮影枚数が2000枚であるから、図4を参照すると、成長テーブルXを使用する場合には平均値は「70」となり、成長テーブルYを使用する場合には平均値は「60」となる。また、表1に示されるように、カメラAでは、「彩度」、「色相」及び「コントラスト」を使用する対戦では、それぞれ「成長テーブルX」、「成長テーブルX」及び「成長テーブルY」が適用される。従って、カメラAでは、「彩度」又は「色相」を使用する対戦では正規乱数の平均値は「70」に設定され、「コントラスト」を使用する対戦では正規乱数の平均値は「60」に設定される。同様に、カメラBは、総撮影枚数が300枚であるから、図4を参照すると、成長テーブルXを使用する場合には平均値は「15」となり、成長テーブルYを使用する場合には平均値は「45」となる。また、表1に示されるように、カメラBでは、「彩度」、「色相」及び「コントラスト」を使用する対戦では、それぞれ「成長テーブルY」、「成長テーブルX」及び「成長テーブルX」が適用される。従って、カメラBでは、「彩度」を使用する対戦では正規乱数の平均値は「45」に設定され、「色相」及び「コントラスト」を使用する対戦では正規乱数の平均値は「15」に設定される。
次に、画像処理パラメータに基づいて、基本得点の生成に使用する正規乱数の標準偏差を決定する具体的な手順について、図5及び表2〜表3を参照しながら説明する。
表2は、ユーザAとユーザBが対戦する撮影対決ゲームにおいて各ユーザが使用する画像ファイルが生成された際の画像処理に適用された条件(画像処理パラメータ)を示した表である。なお、画像ファイルAは、ユーザAが撮影対決ゲームに使用する画像ファイルであり、カメラAを使用して撮像及び画像処理をしたものである。また、画像ファイルBは、ユーザBが撮影対決ゲームに使用する画像ファイルであり、カメラBを使用して撮像及び画像処理をしたものである。
表3は、撮影対決ゲームに使用される画像ファイルの生成に適用された画像処理パラメータ(彩度、色相及びコントラスト)の設定値から正規乱数の標準偏差を与える標準偏差テーブルの一例を示したものである。
図5は、平均値の決定に使用する正規乱数を与える正規分布曲線を示した図であり、「彩度」に関する得点計算をする場合に、ユーザA及びBに対してそれぞれ適用される正規乱数の確率分布曲線A及びBが示されている。
「彩度」の設定値を得点計算に使用して対決する場合、基本得点の生成に使用する正規乱数の標準偏差は「彩度」の設定値に基づいて決定される。具体的には、表3の標準偏差テーブルを参照して、ゲームに使用する画像ファイルの生成に適用された「彩度」の設定値に対応する標準偏差を取得する。本実施形態では、「彩度」の設定値が大きいほど標準偏差の値が小さく(すなわち、確率分布曲線の幅が狭く)なるよう標準偏差テーブルが作成されている。なお、本実施形態のカメラ1では、「彩度」は−4〜+4の9段階に設定可能となっており、「彩度」の設定値が最小値−4のときに最大の標準偏差50が与えられ、「彩度」の設定値が最大値4のときに最小の標準偏差10が与えられ、「彩度」の設定値が0(標準値)のときに標準偏差30(標準値)が与えられる。
表2より、ユーザAが撮影対決ゲームに使用する画像ファイルAの生成(画像処理)に適用された画像処理パラメータ「彩度」の設定値は+4であるため、表3の標準偏差テーブルにより、「彩度」に基づいて得点計算を行う場合にユーザAに適用される標準偏差の値「10」が得られる。また、ユーザBが撮影対決ゲームに使用する画像ファイルBの生成に適用された「彩度」の設定値は−4であるため、表3の標準偏差テーブルにより、「彩度」に基づいて得点計算を行う場合にユーザBに適用される標準偏差の値「50」が得られる。
従って、得点計算に「彩度」が使用される対戦では、ユーザAの基本得点は、上記のように決定された平均値70及び標準偏差10により規定される正規乱数として与えられる。また、ユーザBの基本得点は、同様に決定された平均値45及び標準偏差50により規定される正規乱数として与えられる。図5(a)に示されるように、ユーザAの基本得点を与える正規乱数の確率分布曲線Aは、図中右側の破線で示される標準偏差30(標準値)の確率分布曲線と比べて、分布幅が狭く、平均値の70に近い値が出現する頻度が高くなっている。一方、ユーザBの基本得点を与える正規乱数の確率分布曲線Bは、出現確率が平準化され、分布が広範囲に広がっている。平均値の差が大きいため、各ユーザの標準偏差が標準値の30(破線)の場合は逆転できる可能性は非常に低いが、標準偏差が大きくなると逆転の可能性が高くなる。また、標準偏差が小さくい場合は、点差が少なくても逆転が難しくなる。
本実施形態のカメラ1では、「色相」及び「コントラスト」についても、上記に説明した「彩度」と同様に−4〜+4の9段階に設定可能となっており、表3の標準偏差テーブルから、各画像処理パラメータの設定値に対応する標準偏差を取得することができる。なお、「色相」に対応する標準偏差テーブルは、「色相」の設定値が原点から離れる(絶対値が大きい)ほど、標準偏差が大きくなるように設定されている。また、「コントラスト」に対応する標準偏差テーブルは、「コントラスト」の値が大きいほど、標準偏差が大きくなるように設定されている。表3に示される標準偏差テーブルは、画像処理パラメータの設定値に対して標準偏差が線形的に変化するよう設定されているが、例えば画像処理パラメータの標準設定値0付近では緩やかに変化し、標準設定から離れるほど大きく変化するように非線形的に変化するような設定としてもよい。
以上のように決定された平均値及び標準偏差により定義される正規分布に従って正規乱数を発生させ、発生した乱数を基本得点とする。この基本得点に、カメラ1の各種設定や撮像条件等に応じてボーナス得点(又はペナルティ減点)が加算されたものが最終得点となる。図5(b)は、ユーザBのみに+15点のボーナス得点が与えられた場合の各ユーザの最終得点の確率分布曲線を示したものである。図5(b)に示されるように、ユーザBの得点分布はユーザAの得点分布に近づき、最終得点でユーザBがユーザAを上回り逆転勝利する可能性が更に高くなる。また、ペナルティ減点により最終得点が基本得点よりも低くなる場合もある。
ボーナス得点は、カメラ1の様々な設定や使用状況に基づいて設定することができる。以下にボーナス得点の幾つかの例を挙げて説明する。なお、ボーナス得点は、以下に例示的に列挙するものには限定されず、また以下に列挙する全てのボーナス得点を加算する必要はない。また、総撮影枚数その他の条件に応じて、適用するボーナス得点の種類を増減させてもよい。また、カメラ1がターゲットとするユーザ層(初心者層、中級者層、
上級者層)に応じて加点と減点の基準を変えてもよい。なお、本実施形態のカメラ1は、主に初心者のユーザを対象に設計されており、以下のボーナス得点の基準も初心者による使用を想定して設定されている。
<撮像条件に関するボーナス得点>
撮影対決ゲームに使用した画像データの撮影時の条件に基づいて各種ボーナスを設定することができる。
(夜間撮影ボーナス)
画像データの撮影日時が、日没から日の出までの夜間に該当する場合に、夜間撮影ボーナスが与えられる。難しい夜間撮影に対するユーザの積極的な挑戦が促進される。なお、カメラ1は日没時刻と日の出時刻が記録された暦テーブルを有している。また、カメラ1は現在地を測位するGPS測位ユニット(不図示)を備えており、撮影時に測位された現在地情報が画像ファイルにメタ情報として記録される。暦テーブルと画像ファイルに記録された撮影時刻情報及び撮影場所情報に基づいて、撮影時が夜間か否かが判定される。なお、撮影場所や撮影日による日没時刻や日の出時刻の違いを考慮せず、すなわち暦テーブルを使用せずに、単純に午後6時から午前6時までを夜間と定義してもよい。
(ストロボ設定ボーナス)
本実施形態のカメラ1には、ユーザが手動でストロボ発光のON/OFFを設定する「マニュアル発光」設定と、撮像条件に応じてカメラ1が自動的にストロボ発光のON/OFFを制御する「オート発光」設定が用意されている。確実に高品質な画像が撮影できる「オート発光」が設定されている場合にボーナスが与えられる。
(合焦設定ボーナス)
本実施形態のカメラ1には、合焦方法の設定として、ユーザがレンズを操作して手動で合焦する手動合焦(MF: Manual Focusing)モードと、カメラ1が自動的に合焦する自動合焦(AF: Automatic Focusing)モードが用意されている。撮影技術の向上に適した手動合焦モードで撮影された場合にボーナスが与えられる。
(露出時間設定ボーナス)
シャッタースピードの設定が遅いほど、撮影が難しくなるため、高いボーナスが与えられる。
(絞り設定ボーナス)
絞り値の設定が大きいほど、高いボーナスが与えられる。
(ISO感度設定ボーナス)
撮影時のISO感度の設定が低感度なほど、高いボーナスが与えられる。
(露出補正ボーナス)
撮影時の露出補正の設定がプラス補正の場合にボーナスを与え、マイナス補正の場合にはペナルティとして得点が減点される。
(測光方式ボーナス)
本実施形態のカメラ1には、測光方式として、ファインダの開口を複数の領域に分割して領域毎に測光する分割測光と、ファインダの中央付近の明るさに重み付けをしつつ全体の明るさを測光する中央重点測光と、ファインダ中央の狭い特定領域のみを測光するスポット測光が備えられている。このうち、スポット測光の設定で撮影された場合にボーナスが与えられる。
(測光結果ボーナス)
測光センサの出力に基づいて計算された露出値(EV値)が高い(暗い)ほど、高いボーナスが与えられる。
(ホワイトバランスボーナス)
ホワイトバランスがマニュアルに設定されている場合にボーナスが与えられる。
(焦点距離ボーナス)
焦点距離の設定が長いほど、高いボーナスが与えられる。
(露出設定ボーナス)
撮影時の露出モードが全自動露出モード(Pモード)以外である場合にボーナス点を加点する。
(連写設定ボーナス)
連写設定により撮影された場合に、ボーナスが与えられる。
(レンズボーナス)
本実施形態のカメラ1には、装着されたレンズの種類を識別するレンズ識別システム(不図示)が搭載されており、各レンズが装着された期間が記録部70に記録される。記録されたレンズの装着期間と、画像の撮影日時から、各画像ファイルの画像の撮像に使用されたレンズを特定することができる。撮影時に使用されたレンズの種類が、推奨されるレンズであれば、ボーナスが与えられる。
(カメラ内温度ボーナス)
本実施形態のカメラ1は、カメラ内部の温度を測定する温度センサ(不図示)を備えており、撮影時のカメラ内部の温度を測定して記録部70等に記録することができる。撮影時のカメラ内部温度が高いほど、高いボーナスが与えられる。
(AEロックボーナス)
本実施形態のカメラ1は、撮影前の露出を記憶するAEロック機能を備えている。撮影時にAEロック機能が使用されていれば、ボーナスが与えられる。
(ダイナミックレンジ拡大ボーナス)
撮影時にダイナミックレンジ拡大機能が使用されている場合に、ボーナスが与えられる。
(高感度ノイズリダクション設定ボーナス)
本実施形態のカメラ1は、ISO感度が高感度に設定されている場合に自動的にノイズリダクション機能を実行する高感度ノイズリダクション設定機能を備えている。高感度ノイズリダクション設定機能を使用して撮影された場合に、ボーナスが与えられる。
(手振れボーナス)
本実施形態のカメラ1は、手振れを防止するための防振機構(不図示)を備えている。防振機構から取得される制御情報より、カメラ1の振動の大きさを示すパラメータが得られる。このパラメータが小さいほど、高いボーナスが与えられる。但し、パラメータが一定の値よりも小さい場合は三脚が使用されたと判断されるため、ボーナスは与えられない。
<画像処理条件に関するボーナス得点>
撮影対決ゲームに使用した画像データを生成する際に行われる画像処理の条件に基づいて各種ボーナスを設定することができる。
(彩度設定ボーナス)
彩度の設定値が高い(鮮やかな設定)ほど、高いボーナスが与えられる。
(色相設定ボーナス)
色相設定値に対応する色相環上の回転角度が大きいほど、高いボーナス点を加点する
(コントラスト設定ボーナス)
コントラストの設定値が大きい(コントラストが強い)ほど、高いボーナスが与えられる。
(キー・ボーナス)
キー(明るさ)の設定値がプラスであればボーナスが与えられ、マイナスであればペナルティとして得点が減点される。
(シャープネス設定ボーナス)
シャープネス(先鋭度:画像の輪郭の強調度合い)の設定値が大きいほど、高いボーナスが与えられる。
(精細シャープネス設定ボーナス)
通常のシャープネス設定よりも繊細な描画を可能にする精細シャープネス機能がONになっている場合に、更に高いボーナスが与えられる。
(色空間設定ボーナス)
例えばAdobeRGB等の推奨される色空間が使用されている場合に、高いボーナスが与えられる。
(後処理回数ボーナス)
撮影後に行われたデジタルフィルタ等の画像処理の回数が多いほど、高いボーナスが与えられる。
(画像仕上設定ボーナス)
本実施形態のカメラ1には、例えば典型的な撮影シーンや被写体に最適化された、「画像仕上」という予め設定された画像処理条件(画像処理パラメータセット)が複数登録されている。また、ユーザは「画像仕上」の設定を、更に各画像処理パラメータにより調整して使用することができる。このように、ユーザが調整した「画像仕上」により画像処理が行われている場合には、ボーナスが与えられる。
(クロスプロセス設定ボーナス)
本実施形態のカメラ1には、ポジフィルムをネガフィルム用現像液で現像したような色調変化を与えるクロスプロセス機能が実装されている。クロスプロセス機能が使用されている場合には、ボーナスが与えられる。
(レンズ収差補正設定ボーナス)
レンズ収差補正の画像処理が行われている場合には、ボーナスが与えられる。
(暗号化撮影ボーナス)
本実施形態のカメラ1は、撮影した画像ファイルを暗号化して記録する暗号化撮影機能を備えている。暗号化撮影機能による総撮影枚数が多いほど、高いボーナスが与えられる。
(画質設定ボーナス)
画質設定は、JPEG等の非可逆圧縮方式の画像ファイルの画像品質(画像圧縮率)の設定値であり、本実施形態のカメラ1では、1から4の5段階で設定可能になっている。設定値が高い(画像の圧縮率が低く画像品質が良い)ほど、高いボーナスが与えられる。ユーザが撮影した画像を高品質な画像ファイルで記録することを促すことにより、ユーザの撮影技術向上が促進される。
<その他のボーナス>
娯楽的要素を与えるために、次のような各種ボーナスが設定される。
(ラッキーIDボーナス)
例えば、カメラ1のシリアル番号や、撮像素子のシリアル番号の下4桁が、撮影時刻(例えば撮影時刻が20時15分であれば、「2015」)と一致する場合に、ボーナスが与えられる。或いは、3桁の乱数を発生させて、製造番号の下3桁が乱数と一致している場合に、ボーナスを与える構成にしてもよい。
上記のボーナス得点の計算に使用される各種パラメータは、撮影時又は画像処理時に、例えば記録部70に、あるいはメタ情報として画像ファイルに記録される。撮影時又は画像処理時にボーナス得点を計算して、ボーナス得点を記録してもよい。
次に、本発明の実施形態に係るカメラ1において、撮影対決ゲームを実行する手順について説明する。電源レバー91を回転させて、レバー指標をオフ指示位置からオン指示位置に合わせると、カメラ1の電源がオンになり、カメラ1が撮影モードで起動する。撮影モードにおいてファンクションキー93を押すと、図6に示される機能選択画面P1が表示される。機能選択画面P1には、機能選択画面P1において選択可能な各種機能を示すアイコンが表示されるアイコン表示領域101、選択中の機能の名称を表示する名称表示領域102、選択中の機能の概要説明を表示する説明表示領域103、及び各操作ボタンに割り当てられた機能選択画面に関する操作を表示する操作ガイド領域104が配置される。アイコン表示領域101には、選択中の機能を示すアイコンを囲む選択枠101aが表示される。機能選択画面P1の表示中にユーザが4方向キー94を操作すると、押下された方向キーに対応する方向に隣接するアイコンを囲むように選択枠101aが移動し、選択中の機能が切り替えられる。図6は、撮影対決ゲームを示すアイコン101bが選択枠101aで囲まれ、撮影対決ゲーム機能が選択されている状態を示している。名称表示領域102には撮影対決ゲームの商品名である「フォトチャレンジャー」が表示され、説明表示領域103には撮影対決ゲームの概略説明が表示されている。
また、操作ガイド領域104には、MENUキー96を示すMENUマーク104aとOKボタン95を示すOKマーク104bが表示されている。MENUマーク104aの右隣には「終了」と表示されており、MENUキー96を押すと機能選択画面P1の表示が終了して通常の撮影モードの画面表示に切り替わることが示されている。また、OKマーク104bの右隣には「決定」と表示されており、OKボタン95を押すと選択中の機能に関する処理の実行が決定されることが示されている。すなわち、図6に示される撮影対決ゲーム機能が選択された状態でユーザがOKボタン95を押すと、撮影対決ゲームを実行するためのゲームプログラム21が起動する。
図7は、本発明の実施形態に係る撮影対決ゲーム処理を説明するフローチャートである。撮影対決ゲーム処理が開始すると、先ず図8に示されるメイン画面P2が表示される(S101)。メイン画面P2には、ゲームに使用する予定の画像ファイルとして選択されている画像ファイル(以下「選択画像ファイル」という)のファイル番号が表示される選択画像ファイル番号表示領域201、選択画像ファイルのサムネイルが表示される選択画像表示領域202、選択画像ファイルの生成に使用された画像処理パラメータを棒グラフ表示する選択画像パラメータ表示領域203、他に選択可能なファイルが存在することを示す次候補表示ボタン204L及び204R、ユーザが実行する処理を選択するためのリストが表示される処理選択リスト表示領域205、及び操作ガイド領域206が配置される。
選択画像パラメータ表示領域203には、選択画像ファイルの画像処理に適用された「彩度」の設定値が棒グラフ表示される第1パラメータ表示領域203A、同じく「色相」の設定値が棒グラフ表示される第2パラメータ表示領域203B、及び同じく「コントラスト」の設定値が棒グラフ表示される第3パラメータ表示領域203Cが含まれている。
次候補表示ボタン204Lは現在の選択画像ファイルよりもファイル番号が小さい画像ファイルが存在する場合に表示され、次候補表示ボタン204Rは現在の選択画像ファイルよりもファイル番号が大きい画像ファイルが存在する場合に表示される。次候補表示ボタン204L又は204Rが表示されているときには、ユーザが対応する左方向キー94d又は右方向キー94cを押すと、選択される画像ファイルがファイル番号順に切り替わる。具体的には、選択画像切替ボタン204Lを押すと降順に選択画像ファイルが切り替わり、選択画像切替ボタン204Rを押すと昇順に選択画像ファイルが切り替わる。なお、機能選択画面P1からメイン画面P2に遷移した直後は、前回行った撮影対決ゲームで使用された画像ファイル又は最近撮影した画像ファイルが自動的に選択画像ファイルに設定される。
処理選択リスト表示領域205には、「挑戦者受付」(205a)、「他者に挑戦」(205b)、及び「対戦成績」(205c)の3つの選択可能な処理名が表示される。図8(a)においては、「挑戦者受付」(205a)が選択中の処理であるため、反転表示されている。ユーザが上方向キー16a又は下方向キー16bを押すと、押された方向キーに対応して選択中の処理が切り替わる。具体的には、「挑戦者受付」(205a)が選択された図8(a)の画面の表示中にユーザが下方向キー16bを押すと、選択が「他者に挑戦」(205b)に切り替わり、「他者に挑戦」(205b)が反転表示される(図8(b))。ユーザが更に下方向キー16bを押すと、選択が「対戦成績」(205c)に切り替わり、「対戦成績」(205c)が反転表示される(図8(c))。続いて、ユーザが上方向キー16aを押すと、選択が「他者に挑戦」(205b)に切り替わり、「他者に挑戦」(205b)が反転表示される(図8(b))。
なお、本実施形態の撮影対決ゲームにおいては、2台のカメラ1の間で対戦が行われるが、ゲームに参加する2台のカメラ1の一方は親機として動作し、他方は子機として動作する。親機は対戦相手(子機)を募り、子機からの挑戦を受け付ける。また、ゲームの勝敗判定は親機が行い、子機には親機から勝敗結果が通知される。「挑戦者受付」(205a)は、親機として撮影対決ゲームの処理を行う動作モードであり、「他者に挑戦」(205b)は子機として撮影対決ゲームの処理を行う動作モードである。
操作ガイド領域206には、MENUマーク206aとOKマーク206bが表示されている。MENUマーク206aの右隣にはリターンマーク(矢印)が表示されており、ユーザがMENUキー96を押すと、表示画面が現在のメイン画面P2から直前に表示されていた機能選択画面P1に切り替えられて(103)、撮影対決ゲーム処理が終了することが示されている。また、OKマーク206bの右隣には「決定」と表示されており、ユーザがOKボタン95を押すと、選択中の画像ファイルに関する情報を使用して選択中の処理が実行されることが示されている。
図8(c)の画面が表示されているとき、すなわち「対戦成績」(205C)が選択されているときにユーザがOKボタン95を押すと(S104:YES)、図9に示される対戦成績表示画面P3が表示される(S105)。対戦成績表示画面P3には、対戦成績表示領域301と、操作ガイド領域302が配置される。対戦成績表示領域301は、これまでにカメラ1を使用して行われた撮影対決ゲームの対戦成績が表示される領域であり、累積の勝ち数、負け数、及び引き分け数が表示される。対戦成績表示画面P3に表示される対戦成績は、記録部70に格納された累積勝敗数データ70aから読み出されたものである。操作ガイド領域302には、レリーズボタン92を示すレリーズボタンマーク302aと、OKマーク302bが表示される。レリーズボタンマーク302aの右隣には「リセット」と表示されており、レリーズボタン92を押すと(S106:YES)、対戦成績がリセットされて、勝ち数、負け数、及び引き分け数が初期値の0に戻される(S107)。また、OKマーク302bの右隣には「了解」と表示されており、OKボタン95を押すと(S108:YES)、再びメイン画面が表示される(S101)。
また、図8(a)の画面が表示されているとき、すなわち「挑戦者受付」(205A)が選択されているときにユーザがOKボタン95を押すと(S109:YES)、操作対象のカメラ1が親機として機能する親機モード処理S200が開始される。親機モード処理S200の詳細は後述する。親機モード処理S200が終了すると、再びメイン画面が表示される(S101)。
また、図8(b)の画面が表示されているとき、すなわち「他者に挑戦」(205B)が選択されているときにユーザがOKボタン95を押すと(S110:YES)、操作対象のカメラ1が子機として機能する子機モード処理S300が開始される。親機モード処理S300の詳細は後述する。子機モード処理S300が終了すると、再びメイン画面が表示される(S101)。
次に、図10のフローチャートを参照しながら、親機モード処理S200について説明する。図10は、親機モード処理S200の詳細を説明するフローチャートである。親機モード処理S200においては、カメラ1は、先ず赤外線通信により対戦相手となる子機を探索する(S201)。子機が探知されると、ユーザによって選択された画像ファイルのサムネイル画像を生成し、赤外線通信により探知した子機との間でサムネイル画像を交換する(S202)。そして、3つの画像処理パラメータ(彩度、色相、コントラスト)を対戦に使用する順序を決定する(S203)。図11は、処理S203において表示される対戦準備画面P4を示す。
対戦準備画面P4には、ユーザが選択した画像ファイル(選択画像ファイル)のサムネイル画像が表示される選択画像表示領域401、選択画像ファイルの生成に使用された画像処理パラメータを棒グラフ表示する選択画像パラメータ表示領域402、画像処理パラメータの対戦順序が全て選択されて対戦準備が完了したことを示す準備完了表示領域403、及び操作ガイド領域404が配置される。選択画像表示領域401及び選択画像パラメータ表示領域402は、それぞれ左右一対の表示領域を有しており、左側の表示領域(左側選択画像表示領域401L及び左側選択画像パラメータ表示領域402L)には自機の選択画像ファイルに関する情報が表示され、右側の表示領域(右側選択画像表示領域401R及び右側選択画像パラメータ表示領域402R)には対戦相手の選択画像ファイルに関する情報が表示される。また、各選択画像パラメータ表示領域402L、402Rには、各選択画像ファイルの画像処理に適用された「彩度」の設定値が棒グラフ表示される第1パラメータ表示領域402La、402Ra、「色相」の設定値が棒グラフ表示される第2パラメータ表示領域402Lb、402Rb、及び「コントラスト」の設定値が棒グラフ表示される第3パラメータ表示領域402Lc、402Rcがそれぞれ含まれている。なお、右側選択画像表示領域401Rには対戦相手の選択画像ファイルが表示されるが、右側選択画像パラメータ表示領域402Rには対戦相手の画像処理パラメータは表示されず、「?」マークが表示される。従って、ユーザは対戦相手の選択画像ファイルのサムネイル表示から画像処理パラメータを推測しながら、対戦に使用する自分の画像ファイルの画像処理パラメータの順序を選択することになる。また、操作ガイド領域404には、MENUマーク404aとOKマーク404bが表示される。MENUマーク404aの右隣にはリターンマーク(矢印)が表示されており、ユーザがMENUキー96を押すと(S204:YES)、カメラ1は赤外線通信により対戦中止を子機に通知し(S205)、親機モード処理S200が終了する。また、子機から対戦中止の通知を受信したときにも(S206:YES)、親機モード処理S200が終了する。
親機モード処理S200が終了すると、処理はS101に戻り、表示画面が現在の対戦準備画面P4から直前に表示されていたメイン画面P2に切り替えられる。OKマーク404bについては後述する。
第1パラメータ表示領域402La、第2パラメータ表示領域402Lb、及び第3パラメータ表示領域402Lcのうちの一つがハイライト表示される。ユーザが上方向キー16a又は下方向キー16bを押すと、押された方向キーに対応してハイライト表示される領域が切り替わる。例えば、第1パラメータ表示領域402Laがハイライト表示された図11(a)の画面表示中にユーザが下方向キー16bを押すと、第2パラメータ表示領域402Lbがハイライト表示された図11(b)の画面表示に遷移する。
ところで、操作ガイド領域404において、OKマーク404bの右隣には「選択」と表示されている。ユーザがOKボタン95を押すと、第1パラメータ表示領域402La、第2パラメータ表示領域402Lb、及び第3パラメータ表示領域402Lcのうち、ハイライト表示されているものが次に対戦する画像処理パラメータとして選択される。
次に、画像処理パラメータを対戦に使用する順序(以下、単に「対戦順序」という。)を決定する具体的な手順を説明する。図11(b)に示される画面表示の段階では、未だいずれの画像処理パラメータの対戦順序も選択されていない。このときにユーザがOKボタン95を押すと、ハイライト表示されている第2パラメータ表示領域402Lbに対応する「色相」が1回戦目に使用される画像処理パラメータとして選択される。そして、図11(c)の表示画面に遷移して、第2パラメータ表示領域402Lbには1回戦目に使用されることを示す番号「1」が表示される。次にユーザが上方向キー16aを押して、第1パラメータ表示領域402Laをハイライト表示させた状態でOKボタン95を押すと、第1パラメータ表示領域402Laに対応する「彩度」が2回戦目に使用される画像処理パラメータとして選択され、図11(d)に示されるように第1パラメータ表示領域402Laには番号「2」が表示される。次に、残りの第3パラメータ表示領域402Lcに対応する「コントラスト」が3回戦目に使用される画像処理パラメータとして自動的に選択され、図11(e)に示されるように第3パラメータ表示領域402Lcに番号「3」が表示される。次に、図11(f)に示されるように、ハイライト表示される領域が準備完了表示領域403へ自動的に切り替わる。この状態でユーザがOKボタン95を押すと、対戦順序の選択が決定され、画面表示が図12(a)の対戦開始画面P5aに切り替わる。
対戦が中止されずに対戦順序が決定すると(S204:NO、S206:NO)、対戦の準備が完了したことを赤外線通信により子機に通知する(S207)。また、子機から得点計算に使用される各種パラメータ及び対戦順序のデータを受信する(S208)。
次に、受信したデータを使用して、上記に説明した得点計算方法により、親機及び子機の得点を計算し、勝敗を決定する(S209)。次に、親機及び子機の得点の計算結果と勝敗を子機に送信する(S210)。次に、記録部70に対戦結果を記録して(具体的には、記録部70に記録された累積勝敗数(累積の勝ち数、負け数、及び引き分け数)を更新して)(S211)、対戦結果を表示した後(S212)、親機モード処理S200が終了する。
次に、図12を参照して、対戦順序の選択後に表示される対戦画面について説明する。対戦画面は表示段階に応じて、「対戦開始」画面P5a、「対戦中」画面P5b、及び「対戦結果」表示画面P5cと変化する。図12(a)は、対戦直後に所定時間(例えば1秒間)だけ表示される対戦開始画面P5aである。図12(b)は、対戦開始画面P5aが表示された後、対戦結果が表示されるまで(具体的には、処理S204〜S211)の間に表示される対戦中画面P5bである。また、図12(c)は、S211において表示される対戦結果表示画面P5cである。
図12(a)に示される対戦開始画面P5aには、ステータス表示領域501、選択画像表示領域502、スライドバー表示領域503、及び選択画像パラメータ表示領域504が配置される。ステータス表示領域501には「対戦開始」のステータスが表示される。対戦準備画面P4と同様に、選択画像表示領域502及び選択画像パラメータ表示領域504は、それぞれ左右一対の表示領域を有しており、左側の表示領域(左側選択画像表示領域502L及び左側選択画像パラメータ表示領域504L)には自機の選択画像ファイルに関する情報が表示され、右側の表示領域(右側選択画像表示領域502R及び右側選択画像パラメータ表示領域504R)には対戦相手(子機)の選択画像ファイルに関する情報が表示される。また、対戦準備画面P4と同様に、右側選択画像パラメータ表示領域504Rには対戦相手の画像処理パラメータは表示されず、「?」マークが表示される。スライドバー表示領域503は、左右2つの領域に色別されている。赤色で表示された左半分のバーの長さは対戦中の自機の得点を模擬し、青色で表示された右半分のバーの長さは対戦中の対戦相手の得点を模擬する。対戦開始画面P5aでは、対等な条件で対戦が開始されることをユーザに印象付けるために、左右のバーは均等な長さで表示される。なお、スライドバー表示領域503は、ユーザに対戦の躍動感を与えるためのアニメーション表示を行うものであり、実際に計算した得点を表示するものではない。
図12(b)に示される対戦中画面P5bは、ステータス表示領域501の表示が「対戦中」に変更される点と、選択画像表示領域502及びスライドバー表示領域503の表示形態が変更される以外は、対戦開始画面P5aと同じ画面表示である。対戦中画面P5bにおいては、ユーザに対戦の躍動感を与えるために、選択画像表示領域502及びスライドバー表示領域503では、動的な表示が行われる。例えば、選択画像表示領域502においては、各サムネイル画像の大きさが対戦中の得点変動を模擬して変動する。なお、表示されるサムネイル画像の大きさは、実際に計算した得点を反映したものではない。また、各サムネイル画像の表示位置や角度を振動させてもよいし、サムネイル画像を変形させてもよい。対戦中画面P5bにおいては、スライドバー表示領域503に表示されるスライドバーは、対戦中の得点変動を模擬して左右にランダムに振動する。すなわち、色別された左右のバーの長さが変動する。このとき、左右のバーの長さの変化は、選択画像表示領域502に表示されるサムネイル画像の大きさの変化と連動する。
図12(c)に示される対戦結果表示画面P5cには、スライドバー表示領域503の代わりに、それぞれ自機及び対戦相手の勝敗(「勝ち」、「負け」、又は「引き分け」)を表示する左側勝敗表示領域505L及び右側勝敗表示領域505Rが配置される。図12(c)は自機が処理した場合の表示例が示されている。なお、本実施形態の対戦準備画面P4と対戦画面P5a〜cには、左側選択画像表示領域502Lの左側と右側選択画像表示領域502Rの右側に、それぞれ自機及び対戦相手の選択画像であることを示す「YOU」表示及び「RIVAL」表示が配置されている。対戦結果表示画面P5cでは、自機が勝者であることを示すため「YOU」表示に星印が重畳表示されている。対戦相手が勝者となった場合は「RIVAL」表示に星印が重畳表示される。また、対戦相手が敗者となったことを示すため、右側選択画像表示領域502Rに表示される対戦相手のサムネイル画像にはひび割れが重畳表示される。なお、引き分けの場合は、星印やひび割れは表示されない。対戦結果表示画面P5cが所定時間表示された後、親機モード処理S200は終了し、処理S100に戻ってメイン画面P2が表示される。
次に、図13のフローチャートを参照しながら、子機モード処理S300について説明する。なお、子機モード処理S300における処理S301〜S306は、上述した親機モード処理S200における処理S201〜S206と同様の処理であるため、説明を省略する。また、子機モード処理S300の各ステップにおける画面表示は、親機モード処理S200の対応するステップにおける画面表示と同様のものであり、ユーザ入力の手順も同様であるため、説明は省略する。
処理S303において対戦が中止されずに対戦順序が決定すると(S304:NO、S306:NO)、処理S303において決定された対戦順序と、得点計算に使用される各種パラメータのデータを、赤外線通信により親機に送信する(S308)。なお、本実施形態では、子機モード処理S300において得点計算は行われず、子機の得点も親機が行う(図10の処理S209を参照)。親機で行われる得点計算が終了すると、親機から送信される得点の計算結果及び対戦結果を受信する(S310)。次に、記録部70に記録された累積勝敗数(累積の勝ち数、負け数、及び引き分け数)を更新して(S311)、対戦結果を表示した後(S312)、子機モード処理S300が終了する。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、特許請求の範囲の記載により表現された技術的思想の範囲内で任意に変更することができる。
上記の実施形態においては、2台のカメラ間で勝敗を競う対戦形式のゲームが行われるが、本発明の別の実施形態では、対戦形式を取らずに、1台のカメラのみを使用してユーザ自身の得点記録の更新に挑戦する単独形式のゲームを行うこともできる。この場合のゲーム処理のフローは、図10に示される親機モード処理S200より、S201、S202、S205−S208、及びS210の各処理を省略したものとなる。なお処理S209では自機のみの得点が計算される。また、この場合、典型的には、対戦準備画面P4(図11)や対戦画面P5(図12)には、対戦相手のデータを表示する右側選択画像表示領域401R、502Rや右側選択画像パラメータ表示領域402R、504Rは表示されない。また、成績画面には、例えば得点ランク上位10ゲームの得点、ゲーム日時、ゲームに使用した選択画像サムネイル、最高得点、最低得点、平均得点、今回の得点、今回得点の通算順位等が表示される。成績画面を見ることで、高得点が出やすい画像ファイルを見つけることができる。
単独形式のゲームでは、同じ強さのユーザ自身が実質的な対戦相手となるため、得点水準が拮抗し、飽きずにゲームを続けることができる。また、選択画像ファイルを変えながら単独形式のゲームを繰り返すことで、高得点が出やすい撮像条件や画像処理条件を体得することができる。そのため、画像ファイルの撮像条件や画像処理条件がユーザの撮影技術向上に適した条件である場合に高得点となるようにボーナス得点等を設定すれば、ユーザは単独形式のゲームを繰り返すことで、自然に撮影技術を上達させることができる。また、カメラに搭載された機能を多く使用するほど高得点となるようにボーナス得点等を設定すれば、ユーザは自然にカメラに搭載された多くの機能を使いこなせるようになる。また、ユーザは、その過程でカメラを使用して大量の撮影を行うため、カメラに対する愛着を深めることができる。また、このようにして高い撮影技術を身に付けたユーザは、対戦形式のゲームにも強くなり、ユーザは対戦成績の優れたカメラを所有することの喜びと誇りを感じることができる。
また、単独形式のゲームにおいて、過去にユーザが行ったゲーム内容(例えば最高得点を取得した時の内容)を再現して、仮想敵として右側選択画像表示領域401R、502Rや右側選択画像パラメータ表示領域402R、504Rに表示させてもよい。ユーザは、対戦ゲームの臨場感を感じつつ、適度な難易度のゲームを楽しむことができる。
また、上記の実施形態においては、基本得点(正規乱数)にボーナス得点を加算したものを最終得点としているが、ボーナス得点の加算方法はこれに限定されない。例えば、正規乱数を定義する平均値(成長曲線及び総撮影枚数から決定される)にボーナス得点を加算して、生成した正規乱数を最終得点としてもよい。この場合は、上記の実施形態と同じ勝敗の結果が得られる。また、総撮影枚数にボーナス得点を加算してもよい。この場合、ボーナス得点の効果が成長曲線の影響を受けて非線形的となり、最終得点に更に変化を与えることができる。
上記の実施形態においては、得点計算に正規乱数が使用されるが、一様乱数を使用してもよい。
また、上記の実施形態においては、各カメラの固有情報及び選択された画像ファイルのサムネイル画像が赤外線通信により交換されるが、データ交換の形態はこの構成に限定されない。例えば、Bluetooth(登録商標)や無線LAN等の無線通信や、USB(Universal Serial Bus)等の有線通信を使用してデータ交換をしてもよい。また、上記の実施形態では選択された画像ファイルのサムネイル画像が交換されるが、画像ファイルそのものを交換してもよい。
上記の実施形態においては、対戦順序の選択・決定(S204)の前に、S203(S303)においてサムネイル画像のみが交換されるが、処理S203又はS204の段階で得点計算に使用される各種パラメータ(カメラの固有情報や画像処理パラメータ等)の一部又は全部が送受信されても良い。この場合、サムネイル画像(又は画像ファイル)と別個のデータとして各種パラメータを送受信してもいが、メタ情報としてサムネイル画像(又は画像ファイル)に各種パラメータを埋め込んだものを子機から親機に送信して、親機が受信したサムネイル画像から子機手の固有情報や画像処理パラメータを抽出して取得する構成にしてもよい。
また、上記の実施形態においては、累積勝敗数のみが記録部70に記録されるが、各対戦の詳細な内容(例えば、対戦日時、対戦相手のID情報、勝敗、対戦に使用した画像ファイルの番号、対戦に使用した各種パラメータの値、対戦順序等)が記録される対戦記録データベースを記録部70に格納させ、対戦後に対戦結果を対戦記録データベースに追記する構成にしてもよい。
上記の実施形態においては、正規乱数の標準偏差を決定する画像処理パラメータとして、彩度、色相、及びコントラストの3つが使用されているが、他の画像処理パラメータを使用してもよい。例えば、ホワイトバランス、キー(明るさ)、シャープネス等を使用することができる。また、3種類の画像処理パラメータを一つずつ使用した三番勝負に限らず、一番勝負や五番勝負、あるいは二番勝負等の偶数番勝負にしてもよい。
また、上記の実施形態においては、画像ファイルの生成条件(撮像条件、画像処理条件)に基づいて勝敗を決定しているが、例えば選択画像ファイルに対して周知の画像解析を行い、得られた解析値(例えば、画像中の明るさや色の変化の度合い)に基づいて得点の全部又は一部を決定する構成(すなわち、画像ファイルに基づいて得点を決定する構成)としてもよい。
また、上記実施形態は、撮像機能を備えたデジタル一眼レフカメラに本発明を適用した一例であるが、本発明は撮像機能を備えない機器に適用することもできる。例えば、デジタルカメラ等の他の撮像機能を有する機器が生成した画像データを記録した携帯電話端末や携帯ゲーム機等の情報機器であっても良い。また、インターネット等のネットワークとの接続機能を有し、ネットワークを介して画像データを取得可能な情報機器に本発明を適用することもできる。この場合、例えば、デジタルカメラにより生成した画像データをサーバに保存し、インターネット接続機能を有するスマートフォン等の携帯情報端末によりサーバから保存された画像データをダウンロードして、撮影対決ゲームに使用することができる。