JP6171899B2 - 吸収性物品及びトップシート - Google Patents

吸収性物品及びトップシート Download PDF

Info

Publication number
JP6171899B2
JP6171899B2 JP2013249839A JP2013249839A JP6171899B2 JP 6171899 B2 JP6171899 B2 JP 6171899B2 JP 2013249839 A JP2013249839 A JP 2013249839A JP 2013249839 A JP2013249839 A JP 2013249839A JP 6171899 B2 JP6171899 B2 JP 6171899B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
region
layer sheet
upper layer
holes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013249839A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015104650A (ja
Inventor
和泉 田代
和泉 田代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Oji Holdings Corp
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Holdings Corp, Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Holdings Corp
Priority to JP2013249839A priority Critical patent/JP6171899B2/ja
Publication of JP2015104650A publication Critical patent/JP2015104650A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6171899B2 publication Critical patent/JP6171899B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は,使い捨ておむつなどの吸収性物品や,その吸収性物品の着用者の肌に直接触れる面に設けられる液透過性のトップシートに関する。具体的に説明すると,本発明は,少なくとも上層シートと下層シートを積層して形成したトップシートなどに関するものである。本発明のトップシートでは,上層シートに複数の孔を形成すると共に,上層シートと下層シートを複数の接合点によって部分的に接合することとしている。
従来から,着用者の股下に装着される吸収性物品として,使い捨ておむつや,尿パッド,パンティーライナー,軽失禁パッド,生理用ナプキン等が知られている。このような吸収性物品は,着用者の肌と対向する面(肌対向面)に液透過性のトップシートを備えている。
トップシートは,着用者の股下に常に接するシート部材であり,着用者が排泄した尿などの液体を吸収して,その下層に位置する吸収体へと導く機能を持つ。このため,トップシートとしては,一般的に,吸収性能及び通気性能が高く,また皮膚に対する刺激が低い素材が用いられる。また,トップシートにエンボス加工を施して凹凸を形成したり,トップシートに複数の孔を空けたりすることで,その構造的に,肌触りを良くしたり,吸収性能や通気性能を高めるという技術も知られている。
例えば,特許文献1には,肌側に配される第1繊維層と吸収体側に配される第2繊維層とが積層されたトップシートが開示されている。特許文献1のトップシートは,第1繊維層と第2繊維層とが所定パターンの接合部で部分的に接合されており,第1繊維層の接合部以外の部分が肌側に凸状をなしている。
また,特許文献2には,肌側に配される上層と吸収体側に配される下層とを有する積層不織布によって形成されたトップシートが開示されている。また,特許文献2のトップシートでは,上層及び下層を貫通する開孔を形成することとしている。
さらに,特許文献3には,肌側に向けられる肌側不織布の裏面に非肌側不織布を重ねることで形成されたトップシートが開示されている。特許文献3のトップシートのうち,非肌側不織布には,肌側不織布を構成する繊維よりも低い融点の合成樹脂が少なくとも表面に現れた低融点繊維が含まれている。また,特許文献2のトップシートでは,肌側不織布と非肌側不織布とを貫通する多数の孔が形成され、少なくとも孔の周囲で低融点繊維が融着されている。
特開2004−466号公報 特開2005−95209号公報 特開2005−97782号公報
上記の特許文献1〜3に示されるように,トップシートを構成する複数のシート部材にエンボス加工を施して部分的に接合したり,複数のシート部材を貫通する孔を形成したりすることで,トップシートの肌触りや,吸収性能,通気性能を高めることができる。
しかしながら,トップシートを構成する複数のシート部材をエンボス加工で部分的に接合すると,接合点の周囲に構成繊維の密度が大きくなった部分が形成されることとなる。このため,トップシートにエンボス加工を施すことで,トップシートの肌触りは良くなるものの,吸収性能や通気性能が低下するという懸念がある。
他方,トップシートを構成する複数のシート部材に複数の孔を空けると,複数のシート部材同士が分離しやすくなる。このため,トップシートに孔を形成することで,トップシートの吸収性能や通気性能は向上するものの,肌触りが低下したり,トップシートにヨレが生じたりするという懸念がある。
また,上記の問題点を解決するために,例えば,トップシートを構成する複数のシート部材にエンボス加工を施して部分接合すると共に,これらのシートに複数の孔を空けるということも考え得る。しかしながら,シート部材に複数の孔を形成した領域に,シート部材を接合するための接合点を形成すると,孔と接合点が重なって,孔が塞がれてしまったり,接合点が機能せずにシート部材が解離するといった新たな問題が発生する。このような場合,シート部材に形成した接合点や孔の機能が損なわれる恐れがあった。
このため,本発明は,上述した問題を解決して,肌触りが良好であり,しかも液吸収性と通気性の高いトップシートや,それを備えた吸収性物品を提供することを目的とする。
そこで,本発明の発明者は,上記問題点を解決する手段について鋭意検討した結果,複数の孔を持つ上層シートを,複数の接合点によって下層シートに接合すると共に,複数の孔の間隔を複数の接合点の間隔よりも狭くするという知見を得た。このように,複数のシートを接合するにあたり孔の間隔を接合点の間隔よりも狭くすることで,接合点によって孔が塞がれてしまったり,孔の影響を受けて接合点が機能しなくなる事態を回避することができる。そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の課題を解決できることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
本発明の第1の側面は,使い捨ておむつなどの吸収性物品に関する。
本発明の吸収性物品は,液透過性のトップシート10と,液不透過性のバックシート20と,トップシート10とバックシート20の間に配置された吸収体30と,を備える。
ここで,トップシート10は,少なくとも,上層シート11と,この上層シート11の肌非対向面側に配置された下層シート12と,を含む。なお,トップシートは,上層シート11と下層シート12の他に,一又は複数枚のシート部材を含んで構成されたものであってもよい。
上層シート11は,少なくとも幅方向の中央部分の一部に,厚み方向に貫通する複数の孔11aが間隔をおいて形成された開孔領域11bを有している。
上層シート11と下層シート12は,少なくとも開孔領域11bにおいて,間隔をおいて設けられた複数の接合点13により互いに接合されている。
また,上層シート11の開孔領域11bにおいて,複数の孔11a同士が離間している間隔は,複数の接合点13同士が離間している間隔よりも狭いものとなっている。
上記構成のように,本発明では,下層シート12と,複数の孔11aが形成された上層シート11とを,複数の接合点13において接合したトップシート10を備えている。このように,上層シート11には複数の孔11aが形成されているため,着用者が排泄した尿などの液体を素早く吸収体30へと落とし込むことができ,尿漏れを防止することができる。また,トップシート10に残尿が溜まりにくいことから,着用者に与える不快感を軽減できる。また,上層シート11に複数の孔11aが形成されていることで,トップシート11の通気性が向上する。さらに,上層シート11と下層シート12とが複数の接合点13で接合することにより,上層シート11の表面に凹凸が形成される。このため,上層シート11と着用者の肌の接触面積が減少し,トップシート10の肌触りが良くなり,さらっとした感触を得ることができる。
また,本発明では,複数の孔11a同士の間隔が,複数の接合点13同士の間隔よりも狭くなっている。これにより,複数の孔11aが接合点13によって塞がれてしまう事態を軽減することができる。このため,上層シート11に形成された孔11aが,その機能(液吸収性・通液性)を効果的に発揮することができる。また,孔11aが形成された上層シート11を下層シート12に接合する構造であっても,本発明では,この孔11aが形成された領域にも複数の接合点13を設けることとしているため,上層シート11と下層シート12の結合力が良好になる。これにより,上層シート11と下層シート12の位置にズレが生じたり,上層シート11にヨレが生じることを防止できる。
本発明の吸収性物品は,開孔領域11bにおいて,接合点13の接合面積は,孔11aの開口面積よりも小さいことが好ましい。
上記構成のように,接合点13の接合面積を孔11aの開口面積よりも小さく設定することで,この接合点13が孔11aを塞いでしまうという事態を効率的に防止することができる。すなわち,接合点13の面積が孔11aよりも大きいと,その接合点13において上層シート11と下層シート12を融着したときに,孔11aが潰れて,孔11aが持つ液透過性や通気性が発揮されなくなる。そこで,本発明では,孔11aの機能を阻害することを防止するために,接合点13の面積を孔11aの面積よりも小さくしている。
本発明の吸収性物品において,接合点13の長さは,複数の孔11a同士が離間している間隔よりも短いことが好ましい。すなわち,接合点13の長さは,複数の孔11aの間隔未満であることが好ましい。なお,ここでいう「接合点の長さ」とは,接合点の最も長い部分の長さを意味する。また,「複数の孔同士が離間している間隔」とは,孔と孔との最も近い距離を意味することが好ましい。
上記構成のように,接合点13の長さを孔11aの間隔よりも短くすることで,孔11aの近くに接合点13を配した場合であっても,その部分の手触りが劣化することを防止できる。すなわち,接合点13の長さが孔11aの間隔よりも大きいと,隣接する複数の孔11aに重なるように一つの接合点13が形成され部分が発生する。ここで,複数の孔11aに跨るようにして一つの接合点13が形成されている箇所においては,上層シート11の手触りが劣化するということが,本発明の発明者の研究により見出された。このため,接合点13の長さを孔11a同士の間隔よりも短く留めて,少なくとも,複数の孔11aに一つの接合点13が重畳する箇所が生じないようにすることが好ましいといえる。
本発明において,トップシート10は,幅方向における中央領域10aと,この中央領域10aの幅方向左右両側に位置する側部領域10bと,を有していることが好ましい。
この場合に,上層シート11は,中央領域10aから側部領域10bの少なくとも一部に亘って,複数の接合点13により,下層シート12に対して接合されていることが好ましい。
また,側部領域10bに位置する複数の接合点13同士が離間する間隔は,中央領域10aに位置する複数の接合点13同士が離間する間隔よりも狭いことが好ましい。
上記構成のように,トップシート10を中央領域10aと側部領域10bとに分けて,この側部領域10bに形成する接合点13同士の間隔を,中央領域10aよりも狭く設定することで,上層シート11と下層シート12の接合強度を高めることができる。これにより,上層シート11と下層シート12が分離することを防止できる。また,これと同時に,トップシート10の中央領域10aでは,接合点13の間隔が広く設けられているため,中央領域10aに位置する上層シート11の孔11aは,その機能(液吸収性・通液性)を効率的に発揮することできる。
トップシート10は,さらに,側部領域10bの幅方向外側に,トップシート10の幅方向の端縁まで達する端部領域10cを有していることが好ましい。この場合において,端部領域10cにおける摩擦係数は,側部領域10bにおける摩擦係数よりも大きいことが好ましい。
上記構成のように,トップシート10における端部領域10cの摩擦係数を,他の領域の摩擦係数より大きくすることで,トップシート10の表面を流れた排泄物の流動を阻害することができる。これにより,本発明は,トップシート10の幅方向端部からの漏れを防止することができるようになる。
本発明の第2の側面は,吸収性物品用のトップシート10に関する。
本発明のトップシート10は,吸収性物品の肌対向面側に配置される。
トップシート10は,少なくとも,上層シート11と,この上層シート11の肌非対向面側に配置された下層シート12と,含む。
上層シート11は,少なくとも幅方向の中央部分の一部に,厚み方向に貫通する複数の孔11aが間隔をおいて形成された開孔領域11bを有している。
上層シート11と下層シート12は,少なくとも開孔領域11bにおいて,間隔をおいて設けられた複数の接合点13により互いに接合されている。
また,上層シート11の開孔領域11bにおいて,複数の孔11a同士が離間している間隔は,複数の接合点13同士が離間している間隔よりも狭いものとなっている。
本発明は,肌触りが良好であり,しかも液吸収性と通気性の高いトップシートを提供することができる。また,本発明は,上記トップシートを備えた吸収性物品を提供することができる。
図1は,第1の実施形態に係る吸収性物品の展開図である。 図2は,第1の実施形態に係る吸収性物品の断面図である。 図3は,第1の実施形態に係る吸収性物品の上層シートと下層シートを概念的に抽出して示したものである。 図4は,第2の実施形態に係る吸収性物品の展開図である。 図5は,第2の実施形態に係る吸収性物品の断面図である。 図6は,第2の実施形態に係る吸収性物品の上層シートと下層シートを概念的に抽出して示したものである。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
なお,本願明細書において,吸収性物品の「長手方向」とは,基本的に,前身頃と後身頃を結ぶ方向であり,「幅方向」とは,この長手方向に平面的に直交する方向である。また,単に「長手方向」「幅方向」というときは,基本的に,吸収性物品の「長手方向」「幅方向」を意味している。
また,本願明細書において,「A〜B」とは,特に断りのない限り,「A以上B以下」であることを意味する。
(1.第1の実施形態)
(1−1.吸収性物品の全体構成)
図1は,本発明の第1の実施形態に係る吸収性物品100の展開図である。図1に示された例において,本発明の吸収性物品100は,いわゆるテープ型の使い捨ておむつを構成している。ただし,本発明の吸収性物品100は,テープ型の使い捨ておむつに限定されるものではなく,パンツ型の使い捨ておむつや,その他の尿パッド,生理用ナプキンなどにも適用することができる。
図1に示されるように,吸収性物品100は,着用者の腹部に接する前身頃1と,着用者の背部に接する後身頃2と,前身頃1と後身頃2の間に位置する股下部3と,に区分されている。股下部3は,着用者の股下に接する部分である。このため,股下部3は,着用者が排泄した尿などの液体を,主として吸収し保持する部分となる。
図1に示された例において,吸収性物品100は,後身頃2の幅方向両端部に,一対の止着テープ4を有している。また,吸収性物品100の股下部3には,幅方向内側に向かって幅の狭くなる窪みが形成されており,この窪みによって脚部周り開口部5が形成される。このため,後身頃2を着用者の背部にあてがい,股下部3を着用者の股下にあてがい,さらに前身頃1を着用者の腹部にあてがった状態で,止着テープ4を前身頃1の外面に取り付けることで,吸収性物品100を着用者に装着できるようになっている。
続いて,図2は,図1に示されたX−X線に沿って吸収性物品100を切断した状態を示す幅方向の断面図を示している。図2に示されるように,吸収性物品100は,トップシート10と,バックシート20と,吸収体30を含む。トップシート10は,吸収体30の肌対向面側に配置され,着用者の肌に直接接する液透過性のシート部材である。また,バックシート20は,吸収体30の肌非対向面側に配置される液不透過性のシート部材である。トップシート10とバックシート20は,吸収体30の周囲において,互いに接合されていることとしてもよい。このようにして,トップシート10とバックシート20の間には,吸収体30が封入されている。
トップシート10は,着用者の股下部の肌に直接接し,尿などの液体を吸収体30に透過させるための部材である。このため,トップシート10は,柔軟性が高い液透過性材料で構成される。液透過性材料とは,例えば,標準の大気圧下において,常温の水を5mlその上に載せた場合に,1分未満の時間で水を透過する材料を意味する。トップシート10を構成する液透過性材料の例は,織布,不織布,又は多孔性フィルムである。また,例えばポリプロピレンやポリエチレン,ポリエステル,ナイロンのような熱可塑性樹脂の繊維を親水化処理してさらに不織布にしたものを用いることとしてもよい。
バックシート20は,トップシート10を透過し吸収体30に吸収された液体が,外部に漏出することを防止するための部材である。このため,バックシート20は,液不透過性材料によって構成される。液不透過性材料とは,例えば,標準の大気圧下において,常温の水を5mlその上に載せた場合に,1分以上経過してもその水を透過しない材料を意味する。バックシート20を構成する液不透過材料の例は,ポリエチレン樹脂からなる液不透過性のフィルムである。特に,0.1〜4μmの微細な孔が複数形成された微多孔性ポリエチレンフィルムを用いることが好ましい。
吸収体30は,尿などの液体を吸収し,吸収した液体を保持するための部材である。吸収体30は,液透過性のトップシート10と,液不透過性のバックシート20の間に配置される。吸収体30は,吸収性コア31をコアラップシート32により被包することによって形成することができる。また,吸収性コア31は,尿などの液体を吸収する機能を有する吸収性材料により構成される。吸収性コア31を構成する吸収性材料には,公知の材料を採用できる。吸収性材料としては,例えば,粉砕パルプ(フラッフパルプ),高吸収性ポリマー,又は親水性シートのうち1種類を単独で用いてもよいし,2種類以上を併用することとしてもよい。吸収性材料は,通常,単層又は複数層のマット状に形成されて用いられる。また,吸収性コア31を被包するコアラップシート32は,例えば,ティッシュペーパーなどの公知の液透過性シートを採用すればよい。
また,図2の断面図に示されるように,トップシート10の幅方向左右両側には,一対のサイドシート40が配置されていてもよい。一対のサイドシート40は,例えば,トップシート10の肌対向面側に対し,接合線41において接合される。接合線41は,例えば,ホットメルト接着剤を塗布したり,トップシート10とサイドシート40をヒートシールや超音波シールで接合することによって形成すればよい。一対のサイドシート40の幅方向内側の先端近傍には,一又は複数の弾性伸縮部材42が長手方向に沿って固定されている。このため,一対のサイドシート40は,弾性伸縮部材42の収縮力によって立ち上がり,立体ギャザー(防漏壁)を形成する。
また,図2に示されるように,バックシート20の肌非対向面側には,カバーシート50を貼り合わせることとしてもよい。カバーシート50は,吸収性物品100の最外層に位置するシート部材であり,バックシート20を保護するとともに,バックシート20の手触りを良好なものとするために配置することができる。カバーシート50は,手触りの良い不織布などで構成することが好ましい。
また,図2に示されるように,バックシート20とサイドシート40の間に挟み込まれる位置に,一又は複数の脚部周り伸縮部材60を,長手方向に沿って固定することもできる。脚部周り伸縮部材60は,収縮したときに,吸収性物品100の脚部周りの開口部5に沿ってレッグギャザーを形成することができる。
(1−2.トップシートの具体的構成)
続いて,本発明の好ましい実施形態に係るトップシート10の構成について,より具体的に説明する。
図2の断面図に示されるように,トップシート10は,肌非対向面側に位置する上層シート11と,肌非対向面側に位置する下層シート12を,少なくとも備えている。また,上層シート11と下層シート12は,複数の接合点13において互いに接合されている。例えば,上層シート11と下層シート12を重ね合わせた状態で,エンボス加工を施し,これらの両シート11,12を部分的に融着させることで,複数の接合点13を形成することができる。エンボス加工とは,例えば,周面に複数の突起が形成されたエンボスロールと,周面が平滑に形成されたアンビルロールとの間に複数のシート部材を導入して,加熱しながら加圧することで,複数のシート部材を部分的に融着させる加工方法である。また,エンボス加工では,エンボスロールと,超音波振動する超音波ホーンとの間に複数のシート部材を導入して,複数のシート部材を部分的に超音波接合するものであってもよい。
ただし,トップシート10は,上層シート11と下層シート12だけでなく,その他のシート部材を一又は複数枚備えていてもよい。例えば,トップシート10は,3枚〜5枚のシート部材を重ね合わせて構成したものであってもよい。なお,本願明細書では,トップシート10が3枚以上のシート部材から構成される場合には,トップシート10の最上層に位置するシート部材を上層シート11と称し,上層シート11の直下に位置するシート部材を下層シート12と称する。すなわち,トップシート10が3枚以上のシート部材から構成される場合には,他のシート部材が,下層シート12の下側に配置されることとなる。
ここで,図1及び図2に示されるように,上層シート11は,厚み方向に貫通する複数の孔11aを有している。また,図1の平面図に示されるように,上層シート11に複数の孔11aが形成された領域は,開孔領域11bとなる。この開孔領域11bは,図1に示されるように,少なくとも,上層シート11の幅方向の中央部分の一部に形成される。図1に示された実施形態において,開孔領域11bは,上層シート11の長手方向及び幅方向の全域に亘って形成されている。すなわち,本実施形態において,上層シート11は,その全体に開孔領域11bが形成されていることとなる。ただし,開孔領域11bは,上層シート11の幅方向中央であって,股下部3に含まれる部分に形成されていればよい。このように,上層シート11に開孔領域11bが形成されていることで,トップシート10の液透過性及び通気性が向上する。
ここで,図3は,上層シート11に複数の孔11aが形成されるパターンと,上層シート11と下層シート12を接合するための複数の接合点13が形成されるパターンと,を概念的に抽出して示している。
図3(a)は,上層シート11に形成された複数の孔11aのパターンを示している。また,図3(b)は,複数の孔11aのパターンを拡大して示している。また,図3(c)は,下層シート12に形成される複数の接合点13のパターンを示している。また,図3(d)は,複数の接合点13のパターンを拡大して示している。さらに,図3(e)は,上層シート11と下層シート12とを重ね合わせた状態を示したものである。なお,図3の左右方向(x方向)は,吸収性物品の幅方向に相当し,図3の上下方向(y方向)は,吸収性物品の長手方向に相当している。
まず,前提として,上層シート11と下層シート12を重ね合わせたトップシート10は,図3に示されるように,幅方向において,中央領域10aと,側部領域10bと,端部領域10cとに区分される。中央領域10aは,トップシート10のうち,幅方向の中央に位置する領域である。また,側部領域10bは,中央領域10aの幅方向左右両側に位置する領域である。さらに,端部領域10cは,側部領域10bの幅方向外側に位置しており,側部領域10bからトップシート10の端縁までの間に形成される領域となる。各領域10a,10b,及び10cの幅は,適宜設計して調整することができる。例えば,中央領域10aは,トップシート10全体の幅を100%としたときに,40%〜90%,50%〜85%,又は60%〜80%を占める領域であることが好ましい。また,左右の側部領域10bは,左右の領域を合計して,トップシート10の幅に対し,5%〜40%,又は10%〜30%であることが好ましい。さらに,また,左右の端部領域10cは,左右の領域を合計して,トップシート10の幅に対し,5%〜40%,又は10%〜30%であることが好ましい。
また,主に図3(a)(c)(e)に示されるように,本実施形態において,上層シート11は,トップシート10の中央領域10aから,側部領域10bを越えて,端部領域10cの一部に至る位置に亘って,下層シート12に重ねて接合されている。ただし,上層シート11は,下層シート12よりも幅が短くなっており,下層シート12の幅方向全体に亘って積層されているものではない。つまり,上層シート11は,端部領域10cの一部において,下層シート12に接合されているものである。
ただし,図3に示した例は一例であり,上層シート11と下層シート12は同じ幅を有していてもよい。つまり,上層シート11は下層シート12の全域に亘って重なり合うものであってもよい。
続いて,孔11aと接合点13の形状を比較する。
図3(a)及び図3(b)に示されるように,上層シート11には,複数の孔11aが,長手方向と幅方向に間隔をおいて形成されている。本実施形態において,複数の孔11aは,長手方向を長軸(長径)とし,幅方向を短軸(短径)とした縦長の楕円形で形成されている。また,上層シート11に形成された複数の孔11aは,すべて同一の形状及び大きさを有している。ただし,複数の孔11aの形状や大きさは,図3に示されたものに限定されない。例えば,孔11aの形状は,三角形状,四角形状,その他多角形状であってもよいし,正円形や,横長の楕円形であってもよい。また,複数の孔11aの形状と大きさは,すべて統一されている必要はなく,複数種類の形状と大きさを組み合わせたものであってもよい。
他方,図3(c)及び図3(d)に示されるように,上層シート11と下層シート12は,長手方向と幅方向に間隔をおいて形成された複数の接合点13において接合される。本実施形態において,複数の接合点13は,正円形のドット状に形成されている。また,複数の接合点13は,全て同一の形状及び大きさを有している。ただし,複数の接合点13の形状や大きさは,図3に示されたものに限定されない。例えば,接合点13の形状は,三角形状,四角形状,その他多角形状であってもよいし,横長又は縦長の楕円形であってもよい。また,複数の接合点13の形状と大きさは,すべて統一されている必要はなく,複数種類の形状と大きさを組み合わせたものであってもよい。
続いて,複数の孔11aと複数の接合点13の間隔を比較する。
図3(b)では,隣接する孔11a同士の最小間隔が,符号Dminで示されている。図3に示された実施形態においては,斜め方向に隣接する孔11a同士の間隔が,最小のものとなる。また,複数の孔11aの長手方向の間隔が,符号Dで示されている。また,複数の孔11aの幅方向の間隔が,符号Dで示されている。
また,図3(d)では,中央領域10aにおいて隣接する接合点13同士の最小間隔が,符号Gminで示されている。また,中央領域10aに位置する複数の接合点13の長手方向の間隔が,符号Gで示されている。また,中央領域10aに位置する複数の接合点13の幅方向の間隔が,符号Gで示されている。
さらに,図3(d)では,側部領域10bにおいて隣接する接合点13同士の最小間隔が,符号Rminで示されている。また,側部領域10bに位置する複数の接合点13の長手方向の間隔が,符号Rで示されている。また,側部領域10bに位置する複数の接合点13の幅方向の間隔が,符号Rで示されている。
なお,図3(d)に示された実施形態において,端部領域10cに位置する接合点13のパターンは,中央領域10aに位置する接合点13のパターンと同一であるため,説明を省略する。
ここで,孔11a同士の最小間隔Dminは,中央領域10aにおける接合点13同士の最小間隔Gminよりも狭くなっている(Dmin<Gmin)。例えば,Dminの値は,Gminの値に対し,20%〜90%,又は30%〜80%であることが好ましい。
また,孔11aの長手方向の間隔Dについても,中央領域10aに位置する接合点13の長手方向の間隔Gよりも狭くなっている(D<G)。例えば,Dの値は,Gの値に対し,20%〜90%,又は30%〜80%であることが好ましい。
さらに,孔11aの幅方向の間隔Dについても,中央領域10aに位置する接合点13の幅方向の間隔Gよりも狭くなっている(D<G)。例えば,Dの値は,Gの値に対し,20%〜90%,又は30%〜80%であることが好ましい。
このように,複数の孔11a同士の間隔は,中央領域10aに位置する複数の接合点13同士の間隔よりも狭くなっている。このため,上層シート11に形成される複数の孔11aの密度は,中央領域10aに形成される複数の接合点13の密度よりも高くなる。すなわち,ここにいう「密度」とは,一定面積内に形成された孔11a又は接合点13の数を意味する。例えば,孔11aの密度と接合点13の密度を比較するときには,1cm四方でトップシート10を切り取り,そのトップシート10の断片内に形成された孔11aと接合点13の数を比較すればよい。この場合「密度」の単位は,個/cmとなる
このように,複数の孔11a同士の間隔を,複数の接合点13同士の間隔よりも狭く設定することで,複数の孔11aが接合点13によって塞がれてしまう事態を軽減することができる。このため,上層シート11に形成された孔11aが,その機能(液吸収性・通液性)を効果的に発揮することができる。また,このようにすることで,上層シート11と下層シート12の結合性が良好になり,上層シート11と下層シート12の間にズレが生じたり,上層シート11にヨレが生じることを防止できる。
また,図3(d)に示されるように,中央領域10aに形成された接合点13の間隔と,側部領域10bに形成された接合点13の間隔を比較すると,側部領域10bに形成された接合点13の間隔の方が狭くなっている。
具体的に説明すると,側部領域10bにおける接合点13同士の最小間隔Rminは,中央領域10aにおける接合点13同士の最小間隔Gminよりも狭くなっている(Rmin<Gmin)。例えば,Rminの値は,Gminの値に対し,20%〜90%,又は30%〜80%であることが好ましい。
また,側部領域10bに位置する接合点13の長手方向の間隔Rは,中央領域10aに位置する接合点13の長手方向の間隔Gよりも狭くなっている(R<G)。例えば,Rの値は,Gの値に対し,20%〜90%,又は30%〜80%であることが好ましい。
さらに,側部領域10bに位置する接合点13の幅方向の間隔Rは,中央領域10aに位置する接合点13の幅方向の間隔Gよりも狭くなっている(R<G)。例えば,Rの値は,Gの値に対し,20%〜90%,又は30%〜80%であることが好ましい。
このように,中央領域10aと側部領域10bを比較すると,側部領域10bの方が,中央領域10aよりも,接合点13の間隔が狭い。従って,上層シート11と下層シート12を接合する接合点13aの密度は,中央領域10aよりも,側部領域10bの方が高くなっている。
上記構成のように,側部領域10bに形成する接合点13同士の間隔を,中央領域10aよりも狭く設定することで,この側部領域10bにおける接合強度を高めることができる。図3(e)にも示されるように,トップシート10の側部領域10bには,上層シート11の幅方向端縁の近傍が位置している。このため,上層シート11の幅方向端縁部分において,下層シート12との接合強度が高まることから,両シートが剥がれたり捲れたりする事態を防止できる。他方,トップシート10の中央領域10aでは,接合点13の間隔が広く取られているため,中央領域10aに位置する上層シート11の孔11aは,その機能(液吸収性・通液性)を効率的に発揮することできる。
また,図3(d)に示されるように,側部領域10bに形成された接合点13の間隔と,端部領域10cに形成された接合点13の間隔を比較すると,端部領域10cに形成された接合点13の間隔の方が広くなっている。
すなわち,本実施例において,端部領域10cに形成された接合点13のパターンは,中央領域10aに形成された接合点13のパターンと,実質的に同じパターンとなっている。このため,接合点13の間隔の広い端部領域10cと中央領域10aの間に,接合点13の間隔の狭い側部領域10bが位置するようになっている。
このように,端部領域10cは,接合点13の間隔が側部領域10bよりも広くなっている結果,端部領域10cの摩擦係数は,側部領域10bの摩擦係数よりも大きくなる。すなわち,接合点13の間隔が狭いということは,トップシート10の表面に細かい凹凸が形成されて,接触面積が小さくなることを意味する。反対に,接合点13の間隔が広いということは,トップシート10の表面の接触面積が大きくなることを意味する。このように,トップシート10の表面の接触面積が大きい部分においては,摩擦係数も大きくなる。従って,端部領域10cの摩擦係数は,側部領域10bの摩擦係数よりも大きいといえる。例えば,端部領域10cの摩擦係数の値は,側部領域10bの摩擦係数の値に対し,110%〜300%,又は150%〜250%であることが好ましい。
トップシート10の表面特性(摩擦係数)の試験には,カトーテック株式会社製「摩擦感テスター KESSE」を用いることができる。測定には,横断面直径0.5mmのピアノ線である摩擦子が用いられる。摩擦子としては,その接触面の長さが5mmとなるものを用いる。摩擦係数の試験では,この摩擦子を,試料となるトップシートに10gの接触圧で接触させながら移動させる。この作業は,試料となるトップシートに対し,摩擦子の移動方向に沿って20g/cmの張力を与えながら行われる。そして,摩擦子を0.1cm/秒の速度で2cm移動させたときの摩擦係数の平均偏差を測定する。摩擦係数を比較するときには,この摩擦係数の平均偏差を比較すればよい。
このように,トップシート10における端部領域10cの摩擦係数を,他の領域の摩擦係数より大きくすることで,トップシート10の表面を流れた排泄物の流動を阻害することができる。これにより,本発明の吸収性物品100は,トップシート10の幅方向端部からの漏れを防止することができるようになる。
続いて,複数の孔11aと複数の接合点13の大きさを比較する。
図3(a)〜(e)から明らかなように,上層シート11と下層シート12を接合する各接合点13の接合面積は,上層シート11に形成された各孔11aの開口面積よりも小さくなっている。例えば,各接合点13の接合面積は,各孔11aの開口面積に対し,10%〜80%であることが好ましく,20%〜70%,又は30%〜60%であってもよい。特に,各接合点13の接合面積は,各孔11aの開口面積に対し,50%以下であることが好ましく,例えば,10%〜50%,15%〜40%,又は20%〜30%であることが好ましい。なお,シートに形成された孔11aの面積や接合点13の面積を測定しにくい場合には,シートに孔11aを形成する装置や,シートに接合点13を形成する装置を確認すればよい。例えば,孔の形成装置に孔をくり抜くための切断刃が備わっている場合には,シート接触する切断刃の面積を測定すればよい。また,接合点の形成装置に接合点を形成するための凸部が備わっている場合には,シートに接触する凸部の面積を測定すればよい。
このように,接合点13の接合面積を孔11aの開口面積よりも小さく設定することで,この接合点13が,孔11aを塞いでしまう事態を効率的に防止することができる。すなわち,接合点13の面積が孔11aよりも大きいと,その接合点13において上層シート11と下層シート12を融着したときに,孔11aが潰れて,孔11aが持つ液透過性や通気性が発揮されなくなる。そこで,本発明では,孔11aの機能を阻害することを防止するために,接合点13の面積を孔11aの面積よりも小さくしている。
より具体的に説明すると,各接合点13の形状及び大きさは,2つの孔11aに同時に重畳しない程度に小さく設定されていることが好ましい。すなわち,図3(d)では,一つの接合点13の長さが,符号Lで示されている。ここにいう「接合点の長さ」とは,接合点の最も長い部分の長さを意味する。図3(d)に示した例において,接合点13は正円状に形成されているため,接合点13の「長さ」は接合点13の直径に相当する。これに対し,上述したとおり,図3(b)では,隣接する孔11a同士の最小間隔が,符号Dminで示されている。ここで,接合点の長さLと孔11a同士の最小間隔Dminを比較すると,接合点の長さLの方が,孔11a同士の最小間隔Dminよりも短くなっていることが好ましい(L<Dmin)。例えば,Lの値は,Dminの値に対し,1%〜99%とすればよく,より具体的には50%〜99%,又は70%〜95%とすればよい。
上記のように,接合点13の長さを孔11aの間隔よりも短くすることで,孔11aの近くに接合点13を配置した場合であっても,その部分の手触りが劣化することを防止できる。すなわち,接合点13の長さが孔11aの間隔よりも大きいと,隣接する複数の孔11aに重なるように一つの接合点13が形成され部分が発生する。ここで,このような複数の孔11aに跨るようにして一つの接合点13が形成されている箇所においては,上層シート11の手触りが劣化するということが,本発明の発明者の研究により見出された。このため,接合点13の長さを孔11a同士の間隔よりも短く留めて,少なくとも,複数の孔11aに一つの接合点13が重畳する箇所が生じないようにすることが好ましいといえる。
また,上記のように,接合点13の長さを孔11aの間隔よりも短くすることで,孔11aと孔11aの間の領域に,接合点13を形成することができるようになる。このように,孔11a同士の間に,小さい接合点13を打ち込むことで,上層シート11と下層シート12をより確実に接合することができる。その結果,上層シート11と下層シート12が剥離することを防止できる。
上述のように,接合点13の接合面積を孔11aの開口面積よりも小さくすることで,孔11aが有する機能(液吸収性・通液性)を効果的に発揮することができる。ただし,接合点13が小さいと,接合点13が孔11aの中に入り込んでしまった部分においては,シートの接合力が弱まることも懸念される。そこで,接合点13の接合面積を小さくしつつも,上層シート11と下層シート12を効果的に接合するための工夫を行うことが好ましい。以下では,ここにいう工夫の例を幾つか説明する。
例えば,図3に示されるように,複数の接合点13を形成するパターンと,複数の孔11aを形成するパターンを,異なるパターンとすることが好ましい。これにより,孔11aの中に入り込む接合点13の数を減少させることができる。接合点13と孔11aのパターンを異ならせるためには,上述したように,接合点13同士の間隔と孔11a同士の間隔とを異なるものとすればよい。
また,例えば,複数の接合点13を形成する密度と,複数の孔11aを形成する密度とを調整することが好ましい。例えば,トップシート10の中央領域10aにおいて,複数の接合点13の密度は,複数の孔11aの密度に対し,少なくとも20%以上であり,30%以上であることが特に好ましい。例えば,複数の接合点13の密度は,20%〜90%,30%〜85%,又は40%〜80%とすることが好ましい。このように,中央領域10aでは,孔11aが10個存在する領域の中に,接合点13が2個以上,3個以上,又は4個以上存在することで,上層シート11と下層シート12とを効果的に接合できる。
また,例えば,トップシート10の側部領域10bにおいて,複数の接合点13の密度は,複数の孔11aの密度に対し,少なくとも40%以上であり,50%以上であることが特に好ましい。例えば,側部領域10bにおいて,複数の接合点13の密度は,40%〜100%,50%〜90%,又は60%〜85%とすることが好ましい。このように,側部領域10bにおいては,接合点13の密度を高めて,上層シート11と下層シート12の剥離を防止することが好ましい。このように,側部領域10bでは,孔11aが10個存在する領域の中に,接合点13が5個以上又は6個以上存在することで,上層シート11と下層シート12とを効果的に接合できる。
また,図3には示されていないが,トップシート10の側部領域10bにおいて,複数の接合点13の密度は,複数の孔11aの密度以上であってもよい。例えば,側部領域10bにおいて,複数の接合点13の密度は,100%〜150%,又は105%〜120%であってもよい。このように,側部領域10bで,接合点13の密度を高めることで,より確実に上層シート11と下層シート12を接合できる。
(2.第2の実施形態)
次に,図4〜図6を参照して,本発明の第2の実施形態に係る吸収性物品について説明する。第2の実施形態については,第1の実施形態と異なる点を中心に説明を行う。
図4は,本発明の第2の実施形態に係る吸収性物品100の展開図である。
図4の展開図に示されるように,トップシート10を構成する上層シート11は,長手方向全域に亘って,下層シート12の肌対向面側に配置されている。また,上層シート11と下層シート12は,ドット状の接合点13によって,部分的に接合されている。
ただし,第2の実施形態においては,第1の実施形態(図1)とは異なり,上層シート11に複数の孔11aが形成されている開孔領域11bが,長手方向の中央部分のみとなっている。すなわち,上層シート11は,吸収性物品100の股下域3に含まれる領域のみに,開孔領域11bを有している。このように,上層シート11には,少なくとも長手方向の中央部分に開孔領域11bが形成されていればよい。
図5は,図4に示されたX−X線に沿って吸収性物品100を切断した状態を示す幅方向の断面図を示している。図5の断面図に示されるように,第2の実施形態の吸収性物品は,第1の実施形態の吸収性物品(図2)と基本的に同じ構成要素を有している。
ただし,第2の実施形態においては,トップシート10を構成する上層シート11の幅が,下層シート12の幅よりも短くなっている。この点については,図6にさらに具体的に示されている。
図6は,第2の実施形態に係る上層シート11と下層シート12を,概念的に抽出して示している。図6(a)は,複数の孔11aが形成された上層シート11を示し,図6(b)は,複数の接合点13が形成された下層シート12を示し,図6(c)は,上層シート11と下層シート12を重ね合わせた状態を示している。
図6に示されるように,第2の実施形態において,上層シート11は,下層シート12よりも幅方向の幅が短い。具体的に説明すると,上層シート11は,トップシート10の中央領域10aと側部領域10bにおいては,下層シート12に重なり合うように配置されているものの,トップシート10の端部領域10cにおいては,下層シート12に重なり合っていない。このため,トップシート10の端部領域10cにおいては,上層シート11は存在せず,下層シート12が露出するようになっている。
この第2の実施形態においては,トップシート10の端部領域10cが比較的広く形成されることが好ましい。例えば,トップシート10の左右の端部領域10cは,左右の領域を合計して,トップシート10の全幅に対し,20%〜40%,又は25%〜35%の割合を占める領域であることが好ましい。
また,図6に示されるように,トップシート10の端部領域10cにおいて下層シート12を露出させる実施形態において,この端部領域10cにも,複数の接合点13を形成することとしてもよい。ただし,図示は省略するが,トップシート10の中央領域10aと側部領域10bのみに複数の接合点13を形成し,端部領域10cには接合点13を形成しないようにすることも可能である。
また,図6に示されるように,端部領域10cにおいて下層シート12が露出する実施形態においては,下層シート12を,上層シート11よりも摩擦係数の大きいシート部材で構成することが好ましい。すなわち,下層シート12として,上層シート11よりも摩擦係数の大きいシート部材を採用する。例えば,下層シート12として摩擦係数の高い不織布を採用することとしてもよい。また,下層シート12を構成する不織布に対して,その表面を毛羽立たせる処理を行い,下層シート12の摩擦係数を高めることもできる。このように,下層シート12として摩擦係数の大きいシート部材を採用することで,下層シート12が露出したトップシート10の端部領域10cの摩擦係数が高まる。具体的には,トップシート10は,端部領域10cの摩擦係数が,側部領域10bの摩擦係数よりも高くなる。
このように,トップシート10における端部領域10cの摩擦係数を,他の領域の摩擦係数より大きくすることで,トップシート10の表面を流れた排泄物の流動を阻害することができる。これにより,本発明の吸収性物品100は,トップシート10の幅方向端部からの漏れを防止することができるようになる。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
本発明は,使い捨ておむつなどの吸収性物品,及びその吸収性物品に用いられるトップシートに関する。このため,本発明は,使い捨ておむつなどの製造業において好適に利用し得る。
1…前身頃 2…後身頃 3…股下部
4…止着テープ 5…脚部周り開口部 10…トップシート
10a…中央領域 10b…側部領域 10c…端部領域
11…上層シート 11a…孔 11b…開孔領域
12…下層シート 13…接合点 20…バックシート
30…吸収体 31…吸収性コア 32…コアラップシート
40…サイドシート 41…接合線 42…弾性伸縮部材
50…カバーシート 60…脚部周り伸縮部材 100…吸収性物品

Claims (4)

  1. 液透過性のトップシート(10)と,液不透過性のバックシート(20)と,前記トップシート(10)と前記バックシート(20)の間に配置された吸収体(30)と,を備える吸収性物品であって,
    前記トップシート(10)は,少なくとも,
    上層シート(11)と,
    前記上層シート(11)の肌非対向面側に配置された下層シート(12)と,含み,
    前記上層シート(11)は,少なくとも幅方向の中央部分の一部に,厚み方向に貫通する複数の孔(11a)が間隔をおいて形成された開孔領域(11b)を有しており,
    前記上層シート(11)と前記下層シート(12)は,少なくとも前記開孔領域(11b)において,間隔をおいて設けられた複数の接合点(13)により互いに接合されており,
    前記開孔領域(11b)において,前記複数の孔(11a)同士が離間している間隔は,前記複数の接合点(13)同士が離間している間隔よりも狭く,
    前記トップシート(10)は,
    前記幅方向における中央領域(10a)と,
    前記中央領域(10a)の幅方向左右両側に位置する側部領域(10b)と,
    前記側部領域(10b)の幅方向外側に,前記トップシート(10)の幅方向の端縁まで達する端部領域(10c)と,を有し,
    前記上層シート(11)は,前記中央領域(10a)から前記側部領域(10b)の少なくとも一部に亘って,前記複数の接合点(13)により,前記下層シート(12)に対して接合されており,
    前記側部領域(10b)に位置する前記複数の接合点(13)同士が離間する間隔は,前記中央領域(10a)に位置する前記複数の接合点(13)同士が離間する間隔よりも狭く,
    前記端部領域(10c)における摩擦係数は,前記側部領域(10b)における摩擦係数よりも大きい
    吸収性物品。
  2. 前記開孔領域(11b)において,前記接合点(13)の接合面積は,前記孔(11a)の開口面積よりも小さい
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記接合点(13)の長さは,前記複数の孔(11a)同士が離間している間隔よりも短い
    請求項1に記載の吸収性物品。
  4. 吸収性物品の肌対向面側に配置される液透過性のトップシート(10)であって,
    上層シート(11)と,
    前記上層シート(11)の肌非対向面側に配置された下層シート(12)と,含み,
    前記上層シート(11)は,少なくとも幅方向の中央部分の一部に,厚み方向に貫通する複数の孔(11a)が間隔をおいて形成された開孔領域(11b)を有しており,
    前記上層シート(11)と前記下層シート(12)は,少なくとも前記開孔領域(11b)において,間隔をおいて設けられた複数の接合点(13)により互いに接合されており,
    前記開孔領域(11b)において,前記複数の孔(11a)同士が離間している間隔は,前記複数の接合点(13)同士が離間している間隔よりも狭く,
    前記幅方向における中央領域(10a)と,
    前記中央領域(10a)の幅方向左右両側に位置する側部領域(10b)と,
    前記側部領域(10b)の幅方向外側に,前記トップシート(10)の幅方向の端縁まで達する端部領域(10c)と,を有し,
    前記上層シート(11)は,前記中央領域(10a)から前記側部領域(10b)の少なくとも一部に亘って,前記複数の接合点(13)により,前記下層シート(12)に対して接合されており,
    前記側部領域(10b)に位置する前記複数の接合点(13)同士が離間する間隔は,前記中央領域(10a)に位置する前記複数の接合点(13)同士が離間する間隔よりも狭く,
    前記端部領域(10c)における摩擦係数は,前記側部領域(10b)における摩擦係数よりも大きい
    トップシート。
JP2013249839A 2013-12-03 2013-12-03 吸収性物品及びトップシート Expired - Fee Related JP6171899B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013249839A JP6171899B2 (ja) 2013-12-03 2013-12-03 吸収性物品及びトップシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013249839A JP6171899B2 (ja) 2013-12-03 2013-12-03 吸収性物品及びトップシート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015104650A JP2015104650A (ja) 2015-06-08
JP6171899B2 true JP6171899B2 (ja) 2017-08-02

Family

ID=53435136

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013249839A Expired - Fee Related JP6171899B2 (ja) 2013-12-03 2013-12-03 吸収性物品及びトップシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6171899B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11925539B2 (en) 2018-08-22 2024-03-12 The Procter & Gamble Company Disposable absorbent article
JP7289193B2 (ja) * 2018-10-01 2023-06-09 花王株式会社 吸収性物品
JP7052702B2 (ja) * 2018-12-13 2022-04-12 王子ホールディングス株式会社 吸収性物品及び吸収性物品の製造方法
JP7342513B2 (ja) * 2019-08-13 2023-09-12 王子ホールディングス株式会社 吸収性物品
JP7424874B2 (ja) * 2020-03-13 2024-01-30 大王製紙株式会社 使い捨て吸収性物品

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3467376B2 (ja) * 1997-01-31 2003-11-17 ユニ・チャーム株式会社 体液処理用吸収性物品
SE521365C2 (sv) * 1999-07-09 2003-10-28 Sca Hygiene Prod Ab Fibröst vätskegenomsläppligt materiallaminat med varierande bindningsmönster samt absorberande alster innefattande laminatet
CN101132751B (zh) * 2005-03-04 2010-11-17 Sca卫生产品股份公司 包含液体转移层的吸收制品
JP4346581B2 (ja) * 2005-06-16 2009-10-21 大王製紙株式会社 吸収性物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015104650A (ja) 2015-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5306773B2 (ja) 着用物品の吸液構造体
KR101697384B1 (ko) 흡수성 물품
JP4278962B2 (ja) 吸収体及び前記吸収体を用いた吸収性物品
JP6171899B2 (ja) 吸収性物品及びトップシート
KR101728656B1 (ko) 흡수성 물품
JP2002035033A (ja) 使い捨て着用物品
JP3964611B2 (ja) 衛生物品用の体液吸収性パネル
JP2017108883A (ja) 吸収性物品
JP6356369B1 (ja) 吸収性物品
JP6153427B2 (ja) 吸収性物品
JP2016174741A (ja) 吸収性物品
JP6707335B2 (ja) 吸収性物品
JP4738181B2 (ja) 吸収性物品
JP4712533B2 (ja) 吸収性物品
JP6216139B2 (ja) おむつ用不織布、及びそれを利用したおむつ
JP7157532B2 (ja) 吸収性物品
JP2011030801A (ja) 被包装吸収性物品
CN111850819B (zh) 吸收性物品
WO2017090542A1 (ja) 吸収性物品
US20160317363A1 (en) Disposable diaper
JP2017093828A5 (ja)
JP2018196573A (ja) 吸収性物品
JPH11188055A (ja) 使い捨ておむつ
JP2017176220A (ja) 吸収性物品
JP2008264148A (ja) 吸収性物品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6171899

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees