JP2017093828A5 - - Google Patents

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吸収性物品
本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品に係り、詳しくは2層のシート間に高吸水性ポリマーが配置されたポリマーシートを備えた吸収性物品に関する。
従来より、前記吸収性物品として、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などの不透液性裏面シートと、不織布または透液性プラスチックシートなどの透液性表面シートとの間に、体液を吸収・保持する機能を備えた吸収体を介在したものが知られている。
前記吸収性物品は取扱いの便宜や装着感等を考慮して薄型化が求められており、構成体の1つである吸収体も当然のことながら薄型化が求められている。しかしながら、薄型化やコンパクト化が成されても吸水量を落とすことは出来ないため、必然的に高吸水性ポリマーの配合比率を上げることになる。このことに鑑みて、近年では、2層のシート間に高吸水性ポリマーを介在させたパルプなどの繊維状吸収材を有さないポリマーシートを備えた吸収性物品が提案されている。
ところが、前記ポリマーシートは、吸水時に膨潤したポリマー粒子間の空隙が極端に低下する、所謂「ゲルブロッキング」が発生しやすく、所要の吸水力を発現出来なくなる問題が指摘されている。また、これに伴って、ポリマー粒子間の結合によって経血や尿の浸透が阻害され、浸透を阻害された経血や尿が再び逆戻りして肌側に流出する現象も問題となっている。
これらの問題を解決する技術として、例えば下記特許文献1においては、第1シートと第2シートとの間に、吸水性シートの長手方向に延び且つ吸水性シートの幅方向に所定間隔を置いて並列に配された、吸水性樹脂粉末の存在域が複数形成されており、隣接する前記存在域の間、及び前記吸水性シートの幅方向両端部は、前記吸水性樹脂粉末の存在しない非存在域となっており、該非存在域において前記第1シートと第2シートとが接合されており、前記非存在域の一部がシート剥離領域となっており、該シート剥離領域は、前記第1シートと第2シートとが吸水性樹脂粉末の吸液・膨潤によって剥がれるようになされている吸収性物品が開示されている。
また、下記特許文献2においては、吸水性樹脂及び接着剤を含有してなる吸収層が親水性不織布により挟持された構造を有する吸水シートであって、通気性を有する基材の2層以上が接着剤により接着され積層されてなる基材層により、該吸収層が1次吸収層と2次吸収層とに分画されてなる構造を有する吸水シートが開示されている。
特開2009−61230号公報 国際公開第WO2010/143635号
上記特許文献1記載の吸収性物品では、吸水性シートの長手方向に延びる、吸水性樹脂粉末の存在域と非存在域とが、吸水性シートの幅方向に交互に配されているため、排泄領域にて吸収された経血や尿は、非存在域を通って吸水性シートの面方向に拡散されつつ、吸水性樹脂粉末に吸収されることにより、吸水性樹脂粉末が多量に含まれていても吸収阻害やゲルブロッキングを起こし難いとされているが、吸水性シートが1層からなるため、この層の吸水性樹脂粉末が吸水して膨潤することによりポリマー粒子間の空隙が低下すると、その後の通水性が低下し、ゲルブロッキングを生じやすかった。また、吸水性シートが1層からなるため、吸水量を確保するために、隣り合う吸水性樹脂粉末の存在域同士の離間幅(非存在域の幅)を狭くせざるを得ず、吸水性樹脂粉末が吸水して膨潤し吸水性樹脂粉末の非存在域の一部が剥離したとき、隣接する存在域の吸水性樹脂同士が結合してゲルブロッキングを起こしやすい構造となっていた。
また、上記特許文献2記載の吸水シートでは、基材層によって吸収層が1次吸収層(上層)と2次吸収層(下層)とに隔てられ、前記基材層において体液が滞留するとともに適度に拡散・浸透することによってゲルブロッキングが回避できるとされているが、上下層の吸水性樹脂が厚み方向に重なる位置に設けられているため、上層の吸水性樹脂が吸水して膨潤することによりゲルブロッキングを生じた場合、下層に体液が浸透しなくなる問題が生じ得る。
そこで本発明の主たる課題は、薄型化を図りながらも、吸水量を確保しつつ、ゲルブロッキングを防止した吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、2層のシート間に高吸水性ポリマーが介在されたポリマーシートを備えた吸収性物品であって、
前記ポリマーシートが複数積層された多層構造を有し、各ポリマーシートに、前記高吸水性ポリマーが配置されたポリマー配置領域と、前記高吸水性ポリマーが配置されないポリマー無配置領域とが形成され、少なくとも積層方向に隣接する前記ポリマーシート間において、前記ポリマー配置領域同士が厚み方向に重ならない位置に設けられ
各ポリマーシートは、前記2層のシートが前記ポリマー無配置領域のうち前記ポリマー配置領域と隣接する部分に形成された圧搾溝によって接合され、前記ポリマー無配置領域に、前記2層のシートが接合されず積層されただけの状態の部分が存在していることを特徴とする吸収性物品が提供される。
上記請求項1記載の発明では、体液吸収体として2層のシート間に高吸水性ポリマーが介在されたポリマーシートを備えているため、吸収性物品の薄型化が図れるようになる。また、前記ポリマーシートが複数積層された多層構造を有しているため、全体として所望の吸水量が得られる高吸水性ポリマー量が確保されていれば、1層当たりの高吸水性ポリマー量を少なくできるため、吸水して膨潤した高吸水性ポリマーが各ポリマーシートの2層のシート間を流れるポリマーの流動性が良くなり、膨潤したポリマーが滞留してポリマー同士が結合するゲルブロッキングが起こりにくくなる。
また、本発明に係る吸収性物品では、各ポリマーシートに、前記高吸水性ポリマーが配置されたポリマー配置領域と、前記高吸水性ポリマーが配置されないポリマー無配置領域とが形成され、少なくとも積層方向に隣接する前記ポリマーシート間において、前記ポリマー配置領域同士が厚み方向に重ならない位置に設けられているため、高吸水性ポリマーと体液との接触が良好になり、体液が高吸水性ポリマーに吸収されやすくなる。また、上層の高吸水性ポリマーが吸水して膨潤することにより体液の透過性が低下した場合でも、上層のポリマー無配置領域を通って体液が下層のポリマー配置領域に配置された高吸水性ポリマーに吸水されるため、全体としての吸水量を確保することができるようになる。更に、高吸水性ポリマーの吸水量が増加して、各ポリマーシートの高吸水性ポリマーが平面方向に流動して高吸水性ポリマーの存在域が吸収性物品の厚み方向に重なったとしても、各層の高吸水性ポリマーの間にポリマーシートを構成するシート材が介在するため、このシート材を通して体液が拡散でき、ゲルブロッキングが生じにくくなるとともに、例え局所的にゲルブロッキングが生じても他の領域の高吸水性ポリマーに吸収されるため、肌側への逆戻りが生じなくなる。
更に、本発明では、各ポリマーシートは、前記2層のシートが前記ポリマー無配置領域のうち前記ポリマー配置領域と隣接する部分に形成された圧搾溝によって接合されているため、ホットメルト接着剤等で接着した場合に比べて、体液の拡散性や浸透性を阻害せず、吸水量を増加させることができるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記ポリマー配置領域は、吸収性物品の長手方向に沿って延びるとともに幅方向に間隔をあけて並列配置されている請求項1記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項2記載の発明では、前記ポリマー配置領域が、吸収性物品の長手方向に沿って延びるとともに幅方向に間隔をあけて並列配置された縦縞状に設けられているため、このポリマー配置領域に沿って体液が吸収性物品の長手方向に拡散しやすくなり、体液の横漏れが防止できるようになる。
請求項3に係る本発明として、前記ポリマー配置領域を吸収性物品の長手方向に複数に区画する区画用圧搾部が形成され、前記区画用圧搾部の接合強度が前記2層のシートを接合する前記圧搾溝の接合強度より低く設定されている請求項2記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記ポリマー配置領域を吸収性物品の長手方向に沿う縦縞状に配置した場合において、高吸水性ポリマーの偏りを防止するため、このポリマー配置領域に、該ポリマー配置領域を吸収性物品の長手方向に対して複数に区画する区画用圧搾部を形成している。この区画用圧搾部は、接合強度が前記2層のシートを接合する前記圧搾溝の接合強度より低く設定されているため、高吸水性ポリマーが吸水して膨潤したときに前記区画用圧搾部が優先的に剥離し、高吸水性ポリマーの流動性が確保できるようになる。
請求項4に係る本発明として、前記ポリマー配置領域は、吸収性物品の長手方向及び幅方向に間隔をあけて正格子状又は千鳥格子状に配置されている請求項1記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項4記載の発明では、前記ポリマー配置領域が吸収性物品の長手方向及び幅方向に間隔をあけて正格子状又は千鳥格子状に配置されているため、吸収性物品の長手方向及び幅方向に対して、前記ポリマー無配置領域を通って下層側へ体液が良好に浸透できるようになる。
請求項5に係る本発明として、前記圧搾溝が吸収性物品の長手方向及び幅方向に沿う格子状に形成されるとともに、前記圧搾溝で囲まれた部分に前記ポリマー配置領域が設けられ、吸収性物品の幅方向に沿って形成された前記圧搾溝の接合強度が吸収性物品の長手方向に沿って形成された前記圧搾溝の接合強度より低く設定されている請求項4記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項5記載の発明では、前記ポリマー配置領域を正格子状又は千鳥格子状に配置した場合において、前記ポリマーシートの2層のシートを接合する前記圧搾溝が吸収性物品の長手方向及び幅方向及び幅方向に沿う格子状に形成されている。また、前記ポリマー配置領域は、前記圧搾溝で囲まれた部分に設けられている。そして、吸収性物品の幅方向に沿って形成された前記圧搾溝の接合強度が吸収性物品の長手方向に沿って形成された前記圧搾溝の接合強度より低く設定されている。このため、前記ポリマー配置領域の高吸水性ポリマーが吸水して膨潤したときに、吸収性物品の幅方向に沿って形成された前記圧搾溝が優先的に剥離し、膨潤した高吸水性ポリマーが吸収性物品の長手方向に沿って流動するようになる。これに伴って、吸収性物品の長手方向に沿った体液の拡散が促進できる。
以上詳説のとおり本発明によれば、薄型化を図りながらも、吸水量を確保しつつ、ゲルブロッキングが防止できるようになる。
本発明に係る生理用ナプキン1の一部破断展開図である。 図1のII−II線矢視図である。 ポリマーシート4の一部破断分解斜視図である。 (A)は吸水前、(B)は吸水後、(C)は更に吸水した後を示す、積層したポリマーシート4の断面図である。 変形例に係るポリマーシート4の平面図である。 変形例に係るポリマー配置領域13部分の拡大断面図である。 (A)、(B)は、変形例に係るポリマーシート4の平面図である。 ポリマーシート4の間に拡散性シート19を配置した断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔生理用ナプキン1の基本構成〕
本発明に係る生理用ナプキン1は、図1及び図2に示されるように、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、経血や尿を速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2,3間に介在された、2層のシート(上層シート10及び下層シート11)間に高吸水性ポリマー12が介在されてなるポリマーシート4と、表面両側部にそれぞれ長手方向に沿って配設されたサイド不織布7,7とから構成されている。また、前記吸収体4の周囲において、そのナプキン長手方向の前後端縁部では、前記不透液性裏面シート2、透液性表面シート3の外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4の側縁よりも側方に延出している前記不透液性裏面シート2と前記サイド不織布7とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、外周にポリマーシート4の存在しない外周フラップ部が形成されている。
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートなどの少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
次いで、前記透液性表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、スパンボンド法はドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法及びエアスルー法は嵩高で圧縮復元性が高い点で優れている。不織布の繊維は、長繊維または短繊維のいずれでもよいが、好ましくはタオル地の風合いを出すため短繊維を使用するのがよい。また、エンボス処理を容易とするために、比較的低融点のポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系繊維のものを用いるのがよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド−バイ−サイド型繊維、分割型繊維等の複合繊維を好適に用いることもできる。
前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との間に介在されるポリマーシート4は、肌側に配置された上層シート10と非肌側に配置された下層シート11との間に高吸水性ポリマー12が配置された構造を有している。前記ポリマーシート4の上層シート10と下層シート11との間には前記高吸水性ポリマー12のみが介在され、パルプなどの繊維状吸収材が介在していない。このため、前記ポリマーシート4の厚みが薄くなり、生理用ナプキン1の薄型化を図ることが可能となる。このポリマーシート4については、後段で詳細に説明する。
一方、本生理用ナプキン1の表面側の両側部にはそれぞれ、長手方向に沿ってかつナプキン1のほぼ全長に亘ってサイド不織布7,7が設けられ、このサイド不織布7,7の一部が側方に延在されるとともに、同じく側方に延在された不透液性裏面シート2の一部とによってウイング状フラップW、Wが形成されている。
前記サイド不織布7としては、重要視する機能の点から撥水処理不織布または親水処理不織布を使用することができる。たとえば、経血や尿が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの機能を重視するならば、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いることが望ましい。また、前記ウイング状フラップW、Wにおける経血や尿の吸収性を重視するならば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不織布を用いるようにすることが望ましい。
前記サイド不織布7の内方側は、図2に示されるように、前記サイド不織布7をほぼ二重に折り返すとともに、この二重シート内部に、その高さ方向中間部に両端または長手方向の適宜の位置が固定された1または複数の、図示例では2本の糸状弾性伸縮部材8,8が配設され、その収縮力によって前記二重シート部分を肌側に起立させた立体ギャザーBS、BSが形成されている。
〔ポリマーシート4について〕
以下、前記ポリマーシート4について詳細に説明する。前記ポリマーシート4を構成する前記上層シート10及び下層シート11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、前記透液性表面シート3と同様に、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができる。前記不織布の加工法は問わないが、高吸水性ポリマー12の脱落を防止するため、エアスルー法、スパンボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法など、得られた製品の繊維密度が大きくなる加工法とするのが好ましい。前記多孔性プラスチックシートの開孔径は、高吸水性ポリマー12の脱落を防止するため、高吸水性ポリマー12の外形より小さくするのが好ましい。
前記高吸水性ポリマー12としては、たとえばポリアクリル酸塩架橋物、自己架橋したポリアクリル酸塩、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体架橋物のケン化物、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体架橋物、ポリスルホン酸塩架橋物や、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミドなどの水膨潤性ポリマーを部分架橋したもの等が挙げられる。これらの内、吸水量、吸水速度に優れるアクリル酸またはアクリル酸塩系のものが好適である。前記吸水性能を有する高吸水性ポリマーは製造プロセスにおいて、架橋密度および架橋密度勾配を調整することにより吸水力と吸水速度の調整が可能である。
本生理用ナプキン1では、前記ポリマーシート4が生理用ナプキン1の厚み方向に複数積層された多層構造を有している。図2に示される例では、肌側に配置されたポリマーシート4Aと非肌側に配置されたポリマーシート4Bとからなる2層構造を有しているが、3層以上の多層構造としてもよい。前記ポリマーシート4を積層する数としては、あまり多くし過ぎると薄型化が図れないとともに、製造に手間がかかるため、2層〜7層が好ましく、2層〜4層がより好ましい。積層されたポリマーシート4同士は、高吸水性ポリマー12が介在する部分でホットメルト接着剤などによって接合するのは好ましくなく、積層した状態のままとするか、前記高吸水性ポリマー12が介在しない部分、例えばポリマーシート4の周縁部などで接合するのが好ましい。これにより、前記接着剤層によって体液の拡散性・透過性が低下するのが防止できる。
各ポリマーシート4(4A、4B)は、前記上層シート10と下層シート11との間に高吸水性ポリマー12が介在された構造を成している。これによって、各層の高吸水性ポリマー12とこれに隣接する層の高吸水性ポリマー12との間は、各ポリマーシート4のシート10、11によって隔てられ、各層の高吸水性ポリマー12が互いに接触しないように配置されている。つまり、図3に示されるように、肌側のポリマーシート4Aに配置された高吸水性ポリマー12と、非肌側のポリマーシート4Bに配置された高吸水性ポリマー12との間は、肌側のポリマーシート4Aの下層シート11及び非肌側のポリマーシート4Bの上層シート10によって隔てられるようになる。
上述の構成からなる本生理用ナプキン1では、前記ポリマーシート4が多層構造を成しているため、全体として所要の吸水量に見合ったポリマー量が確保されていれば、1層当たりのポリマー量は全体のポリマー量を層の数で分割した量となるので、1層当たりのポリマー量を少なくすることができるようになる。従って、高吸水性ポリマー12が吸水して膨潤したときに、高吸水性ポリマー12が各層の2層のシート10、11間を平面方向に流動しやすくなり、膨潤した高吸水性ポリマー12が滞留して高吸水性ポリマー12同士が結合するゲルブロッキングが起こりにくくなる。
各層のポリマーシート4は、ほぼ同じ外形状で形成するのが好ましく、積層した状態で各層のポリマーシート4の外形線がほぼ一致するように配置するのが好ましい。図1及び図3に示される例では、前記ポリマーシート4の平面形状は、生理用ナプキン1の長手方向に長い長方形に形成されているが、楕円形や長円形、小判形、砂時計形など生理用ナプキンに用いられる吸収体として公知の外形状で形成することが可能である。
本生理用ナプキン1では、各ポリマーシート4に、前記高吸水性ポリマー12が配置されたポリマー配置領域13と、前記高吸水性ポリマー12が配置されないポリマー無配置領域14とが形成されている。前記ポリマー配置領域13は、2層のシート10、11間に高吸水性ポリマー12が所定の目付以上で介在する領域である。前記ポリマー無配置領域14は、前記ポリマー配置領域13に隣接する前記ポリマー配置領域13以外の領域であり、2層のシート10、11間に高吸水性ポリマー12が全く介在しないか、前記ポリマー配置領域13に高吸水性ポリマー12を散布する際にこぼれ落ちるなどして若干高吸水性ポリマー12が存在するが、その量が前記ポリマー配置領域13と比較して極端に少ない領域である。前記ポリマー配置領域13は、上層シート10及び下層シート11の外縁まで達しない上層シート10及び下層シート11の中間領域に配置されている。
また、本生理用ナプキン1では、図4(A)に示される吸水前の状態で、積層方向に隣接する少なくとも2層のポリマーシート4、4(4A、4B)間において、各ポリマーシート4に設けられる前記ポリマー配置領域13、13同士が生理用ナプキン1の厚み方向に重ならない位置に設けられている。すなわち、肌側のポリマーシート4Aに設けられたポリマー配置領域13の全ては、非肌側のポリマーシート4Bに設けられたポリマー配置領域13とナプキンの厚み方向に重ならない位置であって、ポリマー無配置領域14と重なる位置に設けられ、非肌側のポリマー配置領域13の全ては、肌側のポリマーシート4Aに設けられたポリマー配置領域13とナプキンの厚み方向に重ならない位置であって、ポリマー無配置領域14と重なる位置に設けられている。なお、各層のポリマー無配置領域14は、一部が積層方向に隣接するポリマーシート4のポリマー配置領域13とナプキンの厚み方向に重なるとともに、残りの一部が積層方向に隣接するポリマーシート4のポリマー無配置領域14と重なるように設けるのが好ましい。
前記ポリマーシート4が3層以上積層された多層構造を有する場合、前記ポリマー配置領域13、13同士をナプキンの厚み方向に重ならせないようにするのは、積層方向に隣接する2層のポリマーシート4、4の間のみで成されるようにしてもよいし、3層以上のポリマーシート4、4…の間で成されるようにしてもよい。例えば、3つのポリマーシート4が積層された3層構造からなる場合、肌側から第1層目と第2層目、第2層目と第3層目のポリマー配置領域13、13同士がそれぞれナプキンの厚み方向に重ならないように設けられていれば、第1層目と第3層目のポリマー配置領域13、13同士がナプキンの厚み方向に重なる位置に設けられていてもよいし、重ならない位置に設けられていてもよい。前者の場合、第1層目と第3層目のポリマーシート4のポリマー配置領域13を同一のパターンで形成することができる利点がある。
前記ポリマー配置領域13に配置される高吸水性ポリマー12の目付は、10〜300g/m、好ましくは30〜100g/mとするのがよい。前記高吸水性ポリマー12の目付は、各ポリマーシート4に設けられる複数のポリマー配置領域13で一定としてもよいし、部位によって異なるようにしてもよい。また、複数積層されたポリマーシート4で一定としてもよいし、各層で異なるようにしてもよい。例えば、肌側層より非肌側層のポリマーシート4を漸次高い目付とすることにより、高吸水性ポリマー12が吸水して膨潤した際に、肌側への隆起を低く抑えるようにしてもよい。
図3に示されるように、各ポリマーシート4において、前記上層シート10と下層シート11とが、前記高吸水性ポリマー12が配置されない部分に形成された圧搾溝15によって接合されるとともに、前記上層シート10及び下層シート11の周縁部に設けられた外周シール部16によって接合されている。また、前記高吸水性ポリマー12は、少なくとも前記圧搾溝15で区画された部分に配置するのが好ましい。これによって、前記高吸水性ポリマー12を上層シート10と下層シート11との間に配置する際に、接着剤などによって基材シートに対する固定やポリマー同士の固定を図らなくても前記圧搾溝15で区画された領域内に高吸水性ポリマー12が定着できるようになる。従って、接着剤などで固定した場合に生じる体液の浸透性や拡散性の低下が防止できるようになるとともに、前記高吸水性ポリマー12が吸水して膨潤した際のポリマーの流動性が確保でき、ゲルブロッキングが生じにくくなる。
前記圧搾溝15は、前記上層シート10及び下層シート11を一体的に圧搾して熱又は超音波によって融着させたシール部である。前記上層シート10と下層シート11とを接合するためのエンボス付与は、上層シート10側から行っても良いし、下層シート11側から行っても良いが、圧搾溝内に流れ込んだ体液の拡散性を付与するため、上層シート10側から行うのが好ましい。前記圧搾溝15は、ポリマー配置領域13の近傍に連続的又は間欠的に設けることが可能である。図3に示される例では、生理用ナプキン1の長手方向に沿って帯状に設けられたポリマー配置領域13の両側にそれぞれ、生理用ナプキン1の長手方向に沿って連続的な線状の圧搾溝15が形成され、この線状の圧搾溝15の前後端部がそれぞれ前記外周シール部16に接続している。これによって、高吸収性ポリマー12は、生理用ナプキン1の長手方向の両側がそれぞれ前記圧搾溝15によって区画されるとともに、生理用ナプキン1の長手方向の両端がそれぞれ前記外周シール部16によって区画された領域内に封入されている。
前記圧搾溝15は、図3に示されるように、連続する圧搾溝が形成された連続線としてもよいし、圧搾部と非圧搾部とが交互に複数形成された間欠線としてもよい。間欠線とした場合の非圧搾部の長さ(隣り合う圧搾部同士の離間長さ)は、この非圧搾部を通って高吸水性ポリマー12が移動するのを防止するため、0.5〜5mm程度とするのが好ましい。
前記外周シール部16は、前記上層シート10及び下層シート11を、ホットメルト等の接着剤による接着またはヒートシールや超音波シール等による溶着、あるいはこれらの組み合わせによって接合したシール部である。前記外周シール部16は、前記上層シート10及び下層シート11の外縁より若干内側を周方向に沿って連続的又は間欠的に設けられた線状のシール部である。
前記上層シート10及び下層シート11は、前記圧搾溝15及び外周シール部16以外で接合されず、前記ポリマー無配置領域14において上層シート10と下層シート11とが積層されただけの状態とするのが好ましい。これにより、ポリマー無配置領域14での体液の拡散性及び透過性がホットメルト接着剤等によって低下するのが防止できるようになる。
前記圧搾溝15と外周シール部16とは、図3に示されるように、接続するように設けてもよいし、図示しないが、離間するように設けてもよい。離間する場合の離間距離は、この離間部を通って高吸水性ポリマー12が移動するのを防止するため、0.5〜8mm程度とするのが好ましい。
前記圧搾溝15の接合強度は、前記高吸水性ポリマー12が吸水して膨潤したときに上層シート10と下層シート11とが離間する方向に作用する力によって、全部又は一部が剥離可能な程度とするのが好ましい。また、前記外周シール部16の接合強度は、前記高吸水性ポリマー12が吸水して膨潤したときに上層シート10と下層シート11とが離間する方向に作用する力によって剥離しない強度とするのが好ましい。つまり、前記圧搾溝15の接合強度は、前記外周シール部16の接合強度より低く設定するのが好ましい。これにより、高吸水性ポリマー12が吸水して膨潤したときに、この膨潤した高吸水性ポリマー12が前記圧搾溝15より外側の領域に流動することが可能となり、膨潤した高吸水性ポリマー12同士が結合するゲルブロッキングが防止できるようになる。
前記圧搾溝15の接合強度は、0.2〜2N/25mm程度が好ましい。前記接合強度の測定は、25mmの幅に切り取った前記接合部によって接合されたシート材を300mm/minの速度で引っ張る引張試験を行ったときの引張強度から得ることができる。
前記ポリマー配置領域13は、図3に示されるように、生理用ナプキン1の長手方向に沿って延びるとともに幅方向に間隔をあけて並列配置するのが好ましい。このように長手方向に延びる縦縞状のパターンで配置することにより、ポリマー配置領域13に沿った体液の拡散が、生理用ナプキン1の長手方向に生じやすくなり、体液の横漏れが防止できるようになる。また、前記圧搾溝15が、生理用ナプキン1の長手方向に延びるように形成されるため、この圧搾溝15に沿った体液の流れが生理用ナプキン1の長手方向に生じやすくなる。
図3に示されるように、ナプキンの長手方向に延びる帯状パターンで形成された前記ポリマー配置領域13の幅S1は、ポリマー無配置領域14の幅S2(隣り合うポリマー配置領域13、13の離間幅)より小さな幅で形成するのが好ましい。これにより、肌側のポリマーシート4Aのポリマー配置領域13と、非肌側のポリマーシート4Bのポリマー配置領域13とをほぼ等幅に形成したとき、ポリマー配置領域13、13同士がナプキンの厚み方向に重ならずに設けられるようになる。
前記ポリマー配置領域13の幅S1は、5〜10mm程度とするのが好ましい。また、前記ポリマー無配置領域14の幅S2は、7〜20mm程度とするのが好ましい。ポリマー配置領域13の幅S1は、各ポリマーシート4に設けられる複数のポリマー配置領域13の全部が一定の寸法としてもよいし、位置によって異なるようにしてもよい。例えば、幅方向中央部に設けられる高吸水性ポリマー12の量を多くするため、この部分のポリマー配置領域13の幅を広くすることができる。また、ポリマー配置領域13の幅S1は、全てのポリマーシート4で一定の寸法としてもよいし、ポリマーシート4毎に異なるようにしてもよい。例えば、高吸水性ポリマー12の膨潤による肌側への隆起を低く抑えるため、肌側より非肌側に配置されるポリマーシート4のポリマー配置領域13の幅を漸次狭くすることができる。肌側のポリマー配置領域13の幅が広い方が、高吸水性ポリマー12が吸水して膨潤したときに面方向の広い範囲に均されるので、肌側への隆起が抑えられるようになる。
また、各ポリマーシート4に設けられる前記ポリマー配置領域13の数は、2本〜10本とするのが好ましく、2本〜5本とするのがより好ましい。2本より少ないと、ポリマー配置領域13の1箇所当たりに配置される高吸水性ポリマー12の量が多くなり、吸水して膨潤した高吸水性ポリマー12の流動性が低下するおそれがある。また、10本より多くすると、ポリマー配置領域13同士の間隔が狭くなって製造が難しくなる。
前記ポリマーシート4を複数積層した状態で、ある層のポリマーシート4のポリマー配置領域13と、これに隣接するポリマーシート4において、平面視で前記ポリマー配置領域13と隣り合う関係にあるポリマー配置領域13との離間幅は、1〜10mm程度とするのが好ましい。この離間幅が1mmより小さいと、高吸水性ポリマー12の偏りによりポリマー配置領域13、13同士がナプキンの厚み方向に重なってしまうおそれがあり、10mmより大きいと、高吸水性ポリマー12と体液との接触機会が低減して、体液が高吸水性ポリマー12に吸収されにくくなる。
以上の構成からなるポリマーシート4による体液の吸収要領について、図4に基づいて説明する。図4(A)は吸水前の積層したポリマーシート4の断面図、(B)は吸水後の積層したポリマーシート4の断面図、(C)は更に吸水した後の積層したポリマーシート4の断面図である。同図4(A)に示されるように、積層されたポリマーシート4A、4Bでポリマー配置領域13同士がナプキンの厚み方向に重ならない位置に設けられているため、排出された体液は、肌側のポリマーシート4Aにおいて、ポリマー配置領域13の高吸水性ポリマー12と接触して吸収されるとともに、ポリマー無配置領域14を平面方向に拡散しつつ非肌側に透過して、非肌側のポリマーシート4Bにおいて、ポリマー配置領域13の高吸水性ポリマー12と接触して吸収されるようになる。
また、吸水して膨潤した高吸水性ポリマー12は、上層シート10と下層シート11との間を平面方向に流動して、前記圧搾溝15で囲まれた領域内に広がるようになる(図4(B))。この状態では、図4(B)に示されるように、高吸水性ポリマー12が吸水して膨潤しているためポリマー粒子間の空隙が小さくなってポリマー配置領域13の透液性が低下するが、図中の矢印で示されるように、肌側のポリマーシート4Aのポリマー無配置領域14を通過した体液が、肌側の高吸水性ポリマー12と非肌側の高吸水性ポリマー12との間に介在する上層シート10及び下層シート11の積層部分を拡散して、非肌側のポリマーシート4Bに達するようになる。従って、体液の吸水性・拡散性が低下することがなく、ゲルブロッキングが起こりにくくなる。
更に吸水が進むと、図4(C)に示されるように、膨潤した高吸水性ポリマー12の圧力によって前記圧搾溝15が外れ、高吸水性ポリマー12が各ポリマーシート4の2層のシート10、11間を平面方向に更に流動してポリマー無配置領域14の大半が高吸水性ポリマー12で埋め尽くされるようになる。この状態においても、各ポリマーシート4の下層シート11と上層シート10との積層部分を通じて体液が拡散するため、体液の吸水性・拡散性が低下することがなく、ゲルブロッキングが起こりにくくなる。
前述のように生理用ナプキン1の長手方向に延びる帯状のポリマー配置領域13を形成した場合、図5に示されるように、このポリマー配置領域13を生理用ナプキン1の長手方向に複数に区画する区画用圧搾部17を形成するのが好ましい。前記区画用圧搾部17を設けることにより、製品搬送時や装着時に高吸水性ポリマー12が移動して偏るのが防止できるようになる。前記区画用圧搾部17は、前記ポリマー配置領域13を長手方向に完全に仕切るのではなく、図5に示されるように、ポリマー配置領域13の幅方向中央部に、ポリマー配置領域13の幅より小さな長さを有する線状やドット状などの圧搾部によって形成するのが好ましい。これにより、ポリマー配置領域13に沿った体液の拡散が前記区画用圧搾部17によって抑制されるのが防止できる。
また、前記区画用圧搾部17の接合強度は、前記上層シート10及び下層シート11を接合する圧搾溝15の接合強度より低く設定するのが好ましい。これにより、前記高吸水性ポリマー12が吸水して膨潤したときに区画用圧搾部17が優先的に剥離するようになり、前記区画用圧搾部17によって高吸水性ポリマー12の流動性が阻害されるのが防止できる。
一方、前記高吸水性ポリマー12の偏りを防止する他の手段として、図6に示されるように、予め前記高吸水性ポリマー12の最大吸水量の約5%程度を吸水させておいた吸水ポリマー層18を、高吸水性ポリマー12の非肌側に設けることができる。前記吸水ポリマー層18を設けることにより、吸水前に高吸水性ポリマー12が移動するのが防止でき、高吸水性ポリマー12の偏りが生じにくくなる。前記吸水ポリマー層18の目付としては、5〜100g/m、好ましくは5〜10g/m程度とするのがよい。
前記ポリマー配置領域13の他のパターンとしては、図7に示されるように、ポリマー配置領域13’が生理用ナプキン1の長手方向及び幅方向に間隔をあけて正格子状(同図7(A))又は千鳥格子状(同図7(B))に配置されるようにしてもよい。図7では、ポリマーシート4が2層構造からなり、肌側のポリマーシート4に配置されるポリマー配置領域13’を実線で示し、非肌側のポリマーシート4に配置されるポリマー配置領域13’を点線で示している。図7(A)では、肌側及び非肌側のポリマーシート4にそれぞれ、正格子状に配置されたポリマー配置領域13’が設けられ、前記肌側のポリマーシート4の隣り合う4つのポリマー配置領域13’の中央に、前記非肌側のポリマーシート4のポリマー配置領域13’が位置するように配されている。一方、図7(B)では、肌側及び非肌側のポリマーシート4にそれぞれ、千鳥格子状に配置されたポリマー配置領域13’が設けられ、前記肌側のポリマーシート4の隣り合う4つのポリマー配置領域13’の中央に、前記非肌側のポリマーシート4のポリマー配置領域13’が位置するように配されている。なお、前記ポリマー配置領域13’は、図示例では円形状に形成してあるが、矩形状や楕円形状など任意の形状で形成することが可能である。
前記ポリマー配置領域13’を正格子状又は千鳥格子状に配置することにより、生理用ナプキン1の長手方向及び幅方向に対して、前記ポリマー無配置領域14を通って下層側へ体液が良好に浸透できるようになる。
前記ポリマー配置領域13’を格子状に配置した形態においても、前記2層のシート10、11が高吸水性ポリマー12が配置されない部分に形成された圧搾溝15によって接合されている。本形態例では、前記圧搾溝15が生理用ナプキン1の長手方向及び幅方向に沿う格子状に形成されるとともに、前記圧搾溝15で囲まれた部分に前記ポリマー配置領域13’が設けられるようにすることができる。このときの圧搾溝15の接合強度は、全て一定としてもよいが、生理用ナプキン1の幅方向に沿って形成された圧搾溝15aの接合強度が生理用ナプキン1の長手方向に沿って形成された圧搾溝15bの接合強度より低く設定されるようにするのが好ましい。前記圧搾溝15aの接合強度を前記圧搾溝15bの接合強度より低くすることによって、ポリマー配置領域13’の高吸水性ポリマー12が吸水して膨潤したときに、生理用ナプキン1の幅方向に沿って形成された前記圧搾溝15aが優先的に剥離し、膨潤した高吸水性ポリマー12が生理用ナプキン1の長手方向に沿って流動しやすくなる。これに伴って、生理用ナプキン1の長手方向に沿った体液の拡散が促進できるようになる。
前記ポリマーシート4を製造するには、下層シート11の所定領域に高吸水性ポリマー12を散布し、上層シート10で被覆した後、エンボスロール間を通過させることにより前記圧搾溝15及び必要に応じて外周シール部16を施す。
〔他の形態例〕
(1)多層構造からなるポリマーシート4、4間に、図8に示されるように、親水性の不織布やクレープ紙などからなる拡散性シート19を配置してもよい。前記拡散性シート19を配置することにより、ポリマーシート4、4間を体液が拡散しやすくなる。
(2)図示しないが、多層構造からなる前記ポリマーシート4の非肌側に隣接して、パルプなどからなる繊維集合層を設けてもよい。これにより、前記ポリマーシート4を非肌側に透過した体液を前記繊維集合層によって吸収することができるようになる。
1…生理用ナプキン、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート、4…ポリマーシート、7…サイド不織布、8…糸状弾性伸縮部材、10…上層シート、11…下層シート、12…高吸水性ポリマー、13…ポリマー配置領域、14…ポリマー無配置領域、15…圧搾溝、16…外周シール部、17…区画用圧搾部

Claims (5)

  1. 2層のシート間に高吸水性ポリマーが介在されたポリマーシートを備えた吸収性物品であって、
    前記ポリマーシートが複数積層された多層構造を有し、各ポリマーシートに、前記高吸水性ポリマーが配置されたポリマー配置領域と、前記高吸水性ポリマーが配置されないポリマー無配置領域とが形成され、少なくとも積層方向に隣接する前記ポリマーシート間において、前記ポリマー配置領域同士が厚み方向に重ならない位置に設けられ
    各ポリマーシートは、前記2層のシートが前記ポリマー無配置領域のうち前記ポリマー配置領域と隣接する部分に形成された圧搾溝によって接合され、前記ポリマー無配置領域に、前記2層のシートが接合されず積層されただけの状態の部分が存在していることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記ポリマー配置領域は、吸収性物品の長手方向に沿って延びるとともに幅方向に間隔をあけて並列配置されている請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記ポリマー配置領域を吸収性物品の長手方向に複数に区画する区画用圧搾部が形成され、前記区画用圧搾部の接合強度が前記2層のシートを接合する前記圧搾溝の接合強度より低く設定されている請求項2記載の吸収性物品。
  4. 前記ポリマー配置領域は、吸収性物品の長手方向及び幅方向に間隔をあけて正格子状又は千鳥格子状に配置されている請求項1記載の吸収性物品。
  5. 前記圧搾溝が吸収性物品の長手方向及び幅方向に沿う格子状に形成されるとともに、前記圧搾溝で囲まれた部分に前記ポリマー配置領域が設けられ、吸収性物品の幅方向に沿って形成された前記圧搾溝の接合強度が吸収性物品の長手方向に沿って形成された前記圧搾溝の接合強度より低く設定されている請求項4記載の吸収性物品。
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