JP6171780B2 - 車両用歩行者保護装置 - Google Patents

車両用歩行者保護装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6171780B2
JP6171780B2 JP2013194947A JP2013194947A JP6171780B2 JP 6171780 B2 JP6171780 B2 JP 6171780B2 JP 2013194947 A JP2013194947 A JP 2013194947A JP 2013194947 A JP2013194947 A JP 2013194947A JP 6171780 B2 JP6171780 B2 JP 6171780B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
collision
pedestrian
time
brake
hood
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013194947A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015058862A (ja
Inventor
宗太郎 成田
宗太郎 成田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2013194947A priority Critical patent/JP6171780B2/ja
Publication of JP2015058862A publication Critical patent/JP2015058862A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6171780B2 publication Critical patent/JP6171780B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

本発明は、車両用歩行者保護装置に関し、とくにブレーキのノーズダイブを利用して車両側を下げることによりフードと車両側との間隔を確保し歩行者頭部衝撃を緩和するようにした車両用歩行者保護装置に関する。
特許文献1は、ストライカが噛み合った状態でフードロックをチルトアップすることで、フード前側を持ち上げてエネルギ吸収ストロークを確保するフード前側ポップアップ機構を開示している。
特許文献2は、歩行者との衝突を検知または予知したときに、カウルボックス、ワイパー、Aピラー下端部を覆うようにボンネット全体を上方かつ後方へ案内する構成を開示している。
欧州特許第2096007A1号公報 特開2010−235039号公報
しかし、上記の従来装置には、つぎの問題がある。
歩行者は車両との衝突時にフード側に倒れ込む。フードと車両側との上下方向間隔を確保するためにフードの前側を持ち上げる場合、フードと歩行者の大腿部や腰部との接触によりフード持ち上げに大きな力が必要となり、歩行者の頭部がフードに衝突するまでにフードが所定の位置まで持ち上がらないことが考えられる。
本発明の目的は、フードと歩行者の大腿部や腰部との接触があっても、フードと車両側との上下方向間隔を確保できる車両用歩行者保護装置を提供することにある。
本発明の車両用歩行者保護装置は、つぎの第1−第6の構成をとる。つぎの第1−第6の構成において、括弧付きの符号は図面の部品番号に対応する。
第1の構成では、車両用歩行者保護装置(10)は、車両前方の衝突対象物(以下、単に「衝突物」ともいう)(P)を検知する衝突物検知センサ(22)と、
歩行者との実際の衝突を検知する歩行者衝突検知センサ(24)と、
前側ポップアップアクチュエータと前側ポップアップアクチュエータより遅れて作動開始される後側ポップアップアクチュエータとを含むポップアップフード(以下、「PUH」ともいう)装置(60)と、
衝突判断ECU(20)と、
ブレーキECU(30)と、
衝突判断ECU(20)とブレーキECU(30)とを含む1つ以上のECUに格納された制御ルーチンと、
を備える。
制御ルーチンは、
時点T1で衝突物(P)との衝突が不可避か否かを判断する手段(104)と、
手段(104)で衝突物(P)との衝突が不可避と判断された時に、(i)時点T1以後の時点T2で自動ブレーキ(32)のフルブレーキでの減速を開始し、(ii)フルブレーキの減速完了時点T7がフードの上昇完了時点T6以後となるようにフルブレーキの1速継続時間Tfを設定する手段(116)と、
時点T2以後の時点T3で、演算上で衝突物(P)との衝突が起こったか否かを判断する手段(118)と、
手段(118)で衝突物(P)との演算上での衝突が起こったと判断された時に、時点T3以後の時点T4で歩行者衝突検知センサ(24)がONになっているか否かを判断する手段(122)と、
手段(122)で歩行者衝突検知センサ(24)がONになっていると判断された時に、順に実行される、時点T4以後の時点T5でポップアップフード装置(60)の前側ポップアップアクチュエータを作動開始させついで後側ポップアップアクチュエータを作動開始させる手段(124)、フード持ち上げ完了手段(126)、フルブレーキ減速完了手段(128)と、
を備えている。
第2の構成では、第1の構成において、歩行者衝突検知センサ(24)は衝突物検知センサ(22)とは別センサである。
衝突判断ECU(20)は、
(イ)衝突物検知センサ(22)の検知情報に基づいて、衝突物(P)との衝突が不可避か否か(104)、衝突物(P)が歩行者か否か(108)、および演算上衝突が起こったか否か(118)、を判断し、演算上衝突が起こらなかった時にはフルブレーキを解除し(120)、
(ロ)演算上衝突が起こった時には歩行者衝突検知センサ(24)の検知情報に基づいて歩行者との実際の衝突が起こったか否かを判断し(122)、歩行者との実際の衝突が起こったと判断した時にPUH装置(60)にフード(12)の上昇を指示する。
第3の構成では、第1または第2の構成において、ブレーキECU(30)は、衝突判断ECU(20)が衝突物(P)との衝突が不可避と判断した時に自動ブレーキ(32)に制動準備を行わせるように設定されている。
第4の構成では、第1−第3の何れか1つの構成において、車両用歩行者保護装置(10)がサスペンション減衰力を制御するサスペンションECU(40)を備える。
サスペンションECU(40)は、衝突判断ECU(20)が衝突物(P)が歩行者であると判断した時にサスペンション(42)の減衰力を小さくするように設定されている。
第5の構成では、第1−第4の何れか1つの構成において、車両用歩行者保護装置(10)がモータ作動のプリクラッシュシートベルト(52)の引込み動作を制御するプリクラッシュシートベルト制御ECU(50)を備える。
プリクラッシュシートベルト制御ECU(50)は、衝突物検知センサ(22)が衝突物(P)を検知した時にプリクラッシュシートベルト(52)の引込みを行うように設定されている。
第6の構成では、第1−第5の何れか1つの構成において、PUH装置(60)が前側PUHアクチュエータ(62)と後側PUHアクチュエータ(64)とを備えている。
前側PUHアクチュエータ(62)の作動開始後に後側PUHアクチュエータ(64)が作動開始するように前側PUHアクチュエータ(62)と後側PUHアクチュエータ(64)の作動開始順序が設定されている。
第1の構成によれば、ブレーキECUにおけるフルブレーキの減速完了が、フードの上昇完了以後となるように設定されているので、フードの上昇はフルブレーキによる減速中に行われる。そのため、歩行者とフードとの干渉によりフードが上昇移動し難くても、フルブレーキによるノーズダイブ(車両の前傾)を利用して車両側を下げることができ、フードと車両側との間の上下方向隙間を確保でき、歩行者頭部のフード衝突時の衝撃を緩和できる。
第2の構成によれば、PUH装置によるフード上昇が歩行者衝突検知センサが歩行者との実際の衝突を検知して行われるので、衝突判断ECUが衝突不可避と判断しても実際の歩行者衝突が検知されるまでは、PUH装置が不要に作動されることはない。
第3の構成によれば、衝突物検知センサが衝突物を検知した時に、ブレーキECUはブレーキに制動準備を行わせるように設定されているので、フルブレーキの作動開始時間を短縮できる。
第4の構成によれば、衝突判断ECUが衝突物が歩行者であると判断した時にサスペンションの減衰力を小さくするようにサスペンションECUが設定されているので、効果的にノーズダイブを起こさせることができる。
第5の構成によれば、プリクラッシュシートベルト制御ECUは、衝突物検知センサが衝突物を検知した時にプリクラッシュシートベルトの引込みを行うように設定されているので、急激なノーズダイブにより乗員が前方に振られるのを抑制できる。
第6の構成によれば、前側PUHアクチュエータの作動開始後に後側PUHアクチュエータが作動開始するように前側PUHアクチュエータと後側PUHアクチュエータの作動開始順序が設定されているので、後側ポップアップ動作による前側ポップアップ動作への悪影響を低減できる。
本発明の実施例に係る車両用歩行者保護装置の制御のフローチャートである。 本発明の実施例に係る車両用歩行者保護装置の作動タイミングを示すタイムチャートである。 本発明の実施例に係る車両用歩行者保護装置を備えた車両と衝突直前の歩行者の斜視図である。 本発明の実施例に係る車両用歩行者保護装置を備えた車両と衝突直後の歩行者の斜視図である。 図1のステップ116の一例のフローチャートである。 図1のステップ120の一例のフローチャートである。 図1のステップ124の一例のフローチャートである。 図1のステップ128の一例のフローチャートである。
本発明の実施例に係る車両用歩行者保護装置10を図面を参照して説明する。
まず、構成を説明する。
車両用歩行者保護装置10は、図3および図4に示すように、衝突判断ECU20と、自動ブレーキ(ブレーキ装置、その油圧回路、油圧回路に設けられた制御手段を含む、以下、単に「ブレーキ」ともいう)32の自動ブレーキを制御可能なブレーキECU30と、歩行者衝突検知センサ24と、PUH装置60と、を備えている。ブレーキECU30は、VSC−ECUの一部から構成されてもよい。ここで、ECUはElectronic Control Unit (電子制御装置)の略であり、VSCはVehicle Stability Control System(車両安定性制御システム)の略である。
また、自動ブレーキ32は、ブレーキECU30の指示により自動ブレーキ32のアクチュエータを作動させて発生される制動力であり、ドライバによるブレーキペダルの操作に応じて実現される制動力ではないという意味で、「自動」ブレーキと称する。
車両用歩行者保護装置10は、衝突物検知センサ22と、歩行者衝突検知センサ24と、サスペンションECU40と、プリクラッシュシートベルト制御ECU50と、をさらに備えていてもよい。
各ECU20、30、40、50はマイクロコンピュータからなり、制御プログラムを記憶するROM、入力や演算結果を一時的に記憶するRAM、入力インターフェイス、出力インターフェイスを有する。各ECU20、30、40、50は、互いに双方向性通信手段(双方向性バスである場合を含む)によって、互いに接続されている。
衝突物検知センサ22と歩行者衝突検知センサ24の出力信号は、各ECU20、30、40、50の少なくとも1つ、たとえば衝突判断ECU20、に入力される。各ECU20、30、40、50の少なくとも1つ、たとえば衝突判断ECU20、からの出力信号は、自動ブレーキ32、減衰力可変サスペンション42、プリクラッシュシートベルト52、PUH装置60の少なくとも1つに出力されてその機器、装置の作動を制御する。
図1の制御ルーチンは、ECU20、30、40、50のROMに格納された部分制御ルーチンを、ECU20、30、40、50を双方向性通信手段によって互いに結ぶことにより、合成したルーチンである。たとえば、図1のステップ(「ステップ」は「手段」と云ってもよい。以下、同じ)100、102、104、108、118、122、130、132は衝突判断ECU20に格納されており、ステップ106、116、120、128はブレーキECU30に格納されており、ステップ110、112はサスペンションECU40に格納されており、ステップ114はプリクラッシュシートベルト制御ECU50に格納されており、ステップ124、126はPUH装置60またはPUH装置制御ECU(図示せず)に格納されている。
以下、図1の制御ルーチンの各ステップ100−132を、各ステップで関連する各ECU20、30、40、50、PUH装置60、およびセンサ22、24と共に、図1のステップ順に説明する。
図1の制御ルーチンは、所定時間ΔT間隔で、ステップ100にて割り込まれる。割り込みは、割り込み毎に、ステップ132で終わる。したがって、前後の割り込みの演算が干渉することはない。
衝突物検知センサ22は、車両が衝突する可能性がある衝突物(歩行者であっても歩行者でなくてもよい)Pを検知し情報を衝突判断ECU20に送信するセンサである。衝突物検知センサ22は、たとえばレーダセンサから構成されてもよい。レーダセンサが放射する検出波は、光波(たとえば、レーザ波)や電波(たとえば、ミリ波)、音波(たとえば、超音波)であってもよい。衝突物検知センサ22は、レーダセンサに代えてCCDカメラを用いた画像センサであってもよい。衝突判断ECU20はステップ102にて衝突物検知センサ22からの信号を読み込み、衝突物を認識する。
衝突判断ECU20は、衝突物検知センサ22からの信号に基づいて衝突物Pを認識するステップ102と、衝突物Pと車両との距離、車両の速度および加減速度などに基づいて衝突物Pとの衝突が不可避か否かを判断するステップ104および衝突物Pが歩行者か否かを判断するステップ108と、演算上で衝突物Pとの衝突が起こったか否かを判断するステップ118と、歩行者衝突検知センサ24がONしているか否かを判定するステップ122、を有する。ステップ118によって判断される衝突は、衝突判断ECU20による演算上での衝突であり、歩行者衝突検知センサ24によって検知される歩行者との実
際の衝突ではない。
ブレーキECU30は、衝突物検知センサ22が衝突物Pを検知した時に、フルブレーキによる減速開始より前に自動ブレーキ32に制動準備を行わせるステップ106を有していてもよい。自動ブレーキ32の制動準備においては、ブレーキを加圧し、キャリパの隙詰めをする、または、緩ブレーキ(フルブレーキより緩い)をかける。これは、ブレーキ(とくに、油圧ブレーキ)における作動開始までの時間を短縮するための準備であり、この準備はフルブレーキによる減速開始以前に完了することが好ましい。
サスペンションECU40は、減衰力可変サスペンション42の減衰力を制御する。サスペンションECU40は、衝突判断ECU20が衝突物Pが歩行者であると判断した時に、サスペンション42の減衰力を小さくする(たとえば、最小とする)ステップ110と、衝突判断ECU20が衝突物Pが歩行者でないと判断した時に、サスペンション42の減衰力を最大とするステップ112を含んでいてもよい。これによって、衝突物Pが歩行者と判断された場合は、衝突物Pが歩行者以外と判断された場合に比べて、サスペンションの減衰力が小さくなるので、フルブレーキの減速がかかった時の車両の前傾(ノーズダイブ)が強まる。その結果、歩行者がフード12に当たってフード12の上下方向移動が困難になっても、車両側を下げてフード12と車両側との上下方向間隔を確保することができ、歩行者頭部がフード12に当たった時の頭部衝撃を緩和することが容易になる。
プリクラッシュシートベルト制御ECU50は、モータ作動のプリクラッシュシートベルト52の引込み動作を制御する。プリクラッシュシートベルト制御ECU50は、衝突物検知センサ22が衝突物Pを検知した時に自動ブレーキのフルブレーキ開始に先行してプリクラッシュシートベルト52の引込みを行うステップ114を有する。これは、急激なノーズダイブで乗員が前方へ強く振られることを抑制するためである。
ブレーキECU30は、図1に示すように、衝突判断ECU20がステップ104において衝突物Pとの衝突が不可避と判断した時に、自動ブレーキ32をフルブレーキとするステップ116をさらに有する。ブレーキECU30は、ステップ116において、図2にテイミングチャートにて示すように、フルブレーキによる減速開始T2から所定時間Tf経過後T7に減速が完了するように、フルブレーキの減速開始時間T2、減速完了時間T7、減速継続時間Tf、および減速度を設定する。減速完了は、減速度ゼロに対応し、車速一定に対応する。減速完了時の一定車速は車速ゼロとは限らない。ただし、減速完了時の一定車速は車速ゼロであってもよい。
ブレーキECU30は、フルブレーキの減速完了時間T7が、フード12の上昇完了時点T6以後となるように、また望ましくはフード12と歩行者頭部が衝突する時点T8以前となるように、減速継続時間Tfおよび減速度を設定する。この場合、フルブレーキによる減速開始時点T2から車両と衝突物Pとの演算上の衝突時点T3(ステップ118の衝突時点)までの時間間隔(T3−T2)は、衝突判断ECU20による演算によってわかる。演算上の衝突時点T3と、歩行者衝突検知センサ24によって検知される車両と歩行者Pとの実際の衝突の時点T4とは、同時かまたはほとんど同時である。また、歩行者Pとの実際の衝突時点T4からフード12が上昇開始する時点T5までの時間間隔(T5−T4)、およびフード12の上昇開始時点T5からフード12の上昇完了時点T6までの時間間隔(T6−T5)は、PUH装置60の作動試験などにより予めわかる。したがって、ステップ116の設定において、ブレーキECU30における自動ブレーキの減速完了時間T7がフード12の上昇完了時点T6以後となるように、フルブレーキの減速開始から減速完了までの減速継続時間Tfおよび減速度を演算上設定することは可能である。この場合、減速度はT2からT7まで一定であってもよいし、変化されてもよい。
衝突判断ECU20がステップ118で車両と衝突物Pとの衝突が起こったと判断すると、衝突判断ECU20はステップ122で、歩行者衝突検知センサ24からの信号に基づいて歩行者衝突検知センサ24がON(歩行者との衝突を検知)か否かを判断する。衝突判断ECU20がステップ118で車両と衝突物Pとの衝突が起こっていないと判断すると、ブレーキECU30は、ステップ120でサスペンションECU40に指示信号を送り減衰力可変サスペンション42の減衰力を元の値に復帰させ、自動ブレーキ32のフルブレーキを解除する。
衝突判断ECU20がステップ122で歩行者衝突検知センサ24がONしている(歩行者との衝突を検知)と判断すると、衝突判断ECU20からの信号がPUH装置60に送信され、ステップ124でPUH装置60が作動される。図2のタイミングチャートにおいて、PUH装置60は、時間T5でリフタが着火され、フード12の上昇展開が開始され、時間T6でリフタによるフード12の上昇展開が完了する。時間T6が図1のステップ126のフード持ち上げ完了に対応する。
PUH装置60は、前側PUHアクチュエータ62と後側PUHアクチュエータ64とを備えていてもよい。前側PUHアクチュエータ62と後側PUHアクチュエータ64とを備えている場合、前側PUHアクチュエータ62の作動開始後に後側PUHアクチュエータ64が作動開始するように前側PUHアクチュエータ62と後側PUHアクチュエータ64の作動開始順序が設定されることが好ましい。
ステップ116におけるフルブレーキの減速時間、減速度の設定により、図2に示すように自動ブレーキ減速完了時間T7はリフタによるフード12の上昇展開完了時間T6以後となる。図1のステップ128は図2の自動ブレーキ減速完了時間T7に対応する。ついで、時間T7以後の時間T8で、フード12上に倒れ込んだ歩行者Pの頭部とフード12とが当たる。
図5は、図1のステップ116の一例を示す。ただし、ステップ116は図5に示すものに限定されるものではない。図5では、ステップ116aで、自動ブレーキ32がフルブレーキになっているか否か、すなわちフルブレーキがONか否かを判定する。第1回目のステップ116a通過では、フルブレーキはまだONになっていないからステップ116bに進み、自動ブレーキ32をフルブレーキにしてフルブレーキによる減速を開始する。また、フルブレーキによる減速完了時間T7をT6≦T7≦T8となるように減速完了時間T7と減速度を設定する。ついで、ステップ116cに進み、フルブレーキ時間(フルブレーキ開始時間T2からの経過時間)Tbを1回のステップ116c通過毎にΔTづつ増していき、後述するステップ118における演算に備える。第2回目以後のステップ116a通過においては、第1回目のステップ116a通過によって自動ブレーキが既にフルブレーキになっているので、ステップ116aからステップ116bをスキップしてステップ116cに進み、フルブレーキ時間Tbを増していく。ステップ116cからはステップ118に進む。
何らかの理由でステップ118で衝突が起こらなかったと判断された場合、ステップ120に進む。
図6は、図1のステップ120の一例を示す。ただし、ステップ120は図6に示すものに限定されるものではない。図6では、ステップ120aで、フルブレーキによる減速開始からの減速時間Tbが適宜の時間、たとえばステップ116bで設定されたブレーキ減速継続時間Tf(=T7−T2)、を越えたか否かが判定される。越えていれば歩行者との衝突は回避されたと判断してステップ120bに進み、サスペンション減衰力を元の値に復帰させ、フルブレーキをOFFにし、フルブレーキ時間Tbをゼロにリセットする。ついで、次ステップ132へと進む。ステップ120aで時間Tbが適宜の時間、たとえばステップ116bで設定されたブレーキ減速継続時間Tfを越えていないと判断されれば、ステップ120aから、ステップ120bをスキップしてステップ130へ進む。ステップ120aを設けて減速解除を遅らせる理由は、ステップ116によるフルブレーキのONとステップ120によるフルブレーキのOFFが短時間の間に繰り返されるフルブレーキの作動振動が生じるのを避けるためである。
図7は、図1のステップ124の一例を示す。ただし、ステップ124は図7に示すものに限定されるものではない。図7では、ステップ124aで前側PUHアクチュエータ62を作動開始(ON)させ、所定時間Tc遅れて、ステップ124dで後側PUHアクチュエータ64を作動開始(ON)させる。前後のPUHアクチュエータ62、64の作動開始に時間ずれをもたせるために、ステップ124bで前側PUHアクチュエータ62の作動開始からの時間Tpを1回のステップ124b通過毎にΔTづつ増していき、ステップ124cでTpが所定時間Tc以上になったか否かを判定する。Tpが所定時間Tc以上になった時にステップ124dに進み後側PUHアクチュエータ64を作動開始させる。ついで、ステップ124dからステップ124eに進み、Tpをゼロにリセットする。ステップ124cでTpが所定時間Tc以上になっていない場合には、ステップ124d、124eをスキップしてステップ126に進む。
図8は、図1のステップ128の一例を示す。ただし、ステップ128は図8に示すものに限定されるものではない。図8では、ステップ128aでフルブレーキ時間(フルブレーキ開始時間T2からの経過時間)Tbが所定の減速継続時間Tf(=T7−T2)以上になったか否かが判定され、Tf以上になった場合はステップ128bに進む。この時点では、ステップ116の設定により、フルブレーキによる減速は完了するかまたは完了しており、フルブレーキの減速度はゼロになっている。もしもフルブレーキによる減速が完了していないなら、減速を完了させ、かつフルブレーキの減速度をゼロにする。ついで、ステップ128cに進み、Tbをゼロにリセットし、ステップ130へと進む。ステップ128aでTbがTfより小さいならステップ128b、128cをスキップしてステップ130へと進む。
上記の制御ルーチンの作動を、図1のフロー順に説明する。
ステップ100で所定時間間隔ΔTで割り込まれて制御がスタートし、ステップ102でプリセンシング、衝突物検知が実行され、ステップ104で衝突不可避か否かが判定される。衝突が回避される場合はステップ132に進んでその割り込みは終了し、衝突不可避の場合はステップ106に進む。ステップ106では、キャリパ隙詰め、緩ブレーキ等の制動準備が行われる。ついで、ステップ108で衝突物Pが歩行者か否かが判定され、ステップ110、112でサスペンションの減衰力が制御され、ステップ114でシートベルトが引き込まれる。ついで、ステップ116で、フルブレーキがONとされる。ついで、ステップ118で演算による衝突が起こったか否かが判定され、起こっていないならステップ120で所定時間遅れてサスペンション減衰力、フルブレーキが元に復帰される。ステップ118で演算上衝突が起こったと判定されると、ステップ122に進む。
ステップ122では歩行者衝突検知センサがONしているか否かが判定され、ONしていないならステップ132に進んでその割り込みを終了する。歩行者衝突検知センサがONしていれば、ステップ124に進み、PUHアクチュエータ62、64を作動させる。その後、フード持ち上げ完了、自動ブレーキ減速完了、頭部衝突が順に起こる。ついで、ステップ132で割り込みが終了する。
上記の制御ルーチンによる作動タイミングは、図2のようになる。
制御開始時点を時間ゼロとすると、微小時間遅れた時間T1で衝突不可避か否かが判定される。衝突不可避の場合は、フルブレーキ減速開始時点T2までに、制動準備、サスペンション減速力の最小設定、シートベルト引込みが完了される。時間T2より時間TfだけフルブレーキのONが継続され、減速中、車両はノーズダイブ(前傾)する。時間T2より時間Tf後、減速は完了しノーズダイブが完了する。減速の途中の時間T3で演算による衝突が判定される。
演算による衝突が判定されるのとほぼ同じ時間T4に車両と歩行者との衝突が検知され、T4より遅い時間T5で前側PUHアクチュエータ62が作動開始され、時間Tc遅れて後側PUHアクチュエータ64が作動開始される。時間T5より遅い時間T6でフード12は上昇完了する。PUHアクチュエータ62、64の作動中は、フルブレーキによるノーズダイブ中にある。このため、歩行者との接触によりフード12の上昇移動が困難になっていても、ノーズダイブによって車両側は下がり、フード12と車両側との上下方向間隔は、ノーズダイブが働いていない場合に比べて大きくなる。この状態で、歩行者頭部とフード12との衝突が起こっても、フード12の変形で衝突エネルギが吸収され、歩行者頭部が受ける衝撃が抑制かつ緩和される。
つぎに、効果を説明する。
ブレーキECU30におけるフルブレーキの減速完了T7が、フード12の上昇完了T6以後となるように設定されているので、フルブレーキによるノーズダイブを利用して車両側を下げることができ、フードと衝突物との接触によりフードの上昇移動が困難でも、フードと車両側との間の上下方向隙間を確保でき、歩行者の頭部衝撃を緩和できる。
PUH装置60によるフード上昇は歩行者衝突検知センサ24が歩行者との実際の衝突を検知して行われるので、衝突判断ECU20が衝突不可避と判断しても、実際の歩行者衝突が検知されるまではPUH装置60が不要に作動されることはない。
衝突物検知センサ22が衝突物Pを検知した時に、ブレーキECU30が自動ブレーキ32に制動準備を行わせるように設定されているので、自動ブレーキ32の作動開始時間を短縮できる。
衝突判断ECU20が衝突物Pが歩行者であると判断した時にサスペンション42の減衰力を小さくする(たとえば、最小にする)ようにサスペンションECU40が設定されているので、効果的にノーズダイブを起こさせることができる。
プリクラッシュシートベルト制御ECU50は、衝突物検知センサ22が衝突物Pを検知した時にプリクラッシュシートベルト52の引込みを行うように設定されているので、急激なノーズダイブにより乗員が前方に振られるのを抑制できる。
前側PUHアクチュエータ62の作動開始後に後側PUHアクチュエータ64が作動開始するように設定されているので、後側ポップアップ動作による前側ポップアップ動作への悪影響を低減できる。
10 車両用歩行者保護装置
12 フード
20 衝突判断ECU
22 衝突物検知センサ
24 歩行者衝突検知センサ
30 ブレーキECU
32 自動ブレーキ(ブレーキ)
40 サスペンションECU
42 減衰力可変サスペンション
50 プリクラッシュシートベルト制御ECU
52 プリクラッシュシートベルト
60 ポップアップフード(PUH)装置
62 前側PUHアクチュエータ
64 後側PUHアクチュエータ
104 衝突不可避判断手段
108 歩行者判断手段
P 衝突物(歩行者)

Claims (6)

  1. 車両前方の衝突物を検知する衝突物検知センサ(22)と、
    歩行者との実際の衝突を検知する歩行者衝突検知センサ(24)と、
    前側ポップアップアクチュエータと前側ポップアップアクチュエータより遅れて作動開始される後側ポップアップアクチュエータとを含むポップアップフード装置(60)と、
    衝突判断ECU(20)と、
    ブレーキECU(30)と、
    衝突判断ECU(20)とブレーキECU(30)とを含む1つ以上のECUに格納された制御ルーチンと、
    を備えた車両用歩行者保護装置(10)であって、
    前記制御ルーチンは、
    時点T1で衝突物(P)との衝突が不可避か否かを判断する手段(104)と、
    手段(104)で衝突物(P)との衝突が不可避と判断された時に、(i)時点T1以後の時点T2で自動ブレーキ(32)のフルブレーキでの減速を開始し、(ii)フルブレーキの減速完了時点T7がフードの上昇完了時点T6以後となるようにフルブレーキの減速継続時間Tfを設定する手段(116)と、
    時点T2以後の時点T3で、演算上で衝突物(P)との衝突が起こったか否かを判断する手段(118)と、
    手段(118)で衝突物(P)との演算上での衝突が起こったと判断された時に、時点T3以後の時点T4で歩行者衝突検知センサ(24)がONになっているか否かを判断する手段(122)と、
    手段(122)で歩行者衝突検知センサ(24)がONになっていると判断された時に、順に実行される、時点T4以後の時点T5でポップアップフード装置(60)の前側ポップアップアクチュエータを作動開始させついで後側ポップアップアクチュエータを作動開始させる手段(124)、フード持ち上げ完了手段(126)、フルブレーキ減速完了手段(128)と、
    を備えている、車両用歩行者保護装置(10)。
  2. 行者衝突検知センサ(24)は衝突物検知センサ(22)とは別センサであり、
    衝突判断ECU(20)は、
    (イ)衝突物検知センサ(22)の検知情報に基づいて、衝突物(P)との衝突が不可避か否か、衝突物(P)が歩行者か否か、および演算上衝突が起こったか否か、を判断し、
    演算上衝突が起こらなかった時にはフルブレーキを解除し、
    (ロ)演算上衝突が起こった時には歩行者衝突検知センサ(24)の検知情報に基づいて歩行者との実際の衝突が起こったか否かを判断し、歩行者との実際の衝突が起こったと判断した時にポップアップフード装置(60)にフードの上昇を指示する、請求項1記載の車両用歩行者保護装置(10)。
  3. ブレーキECU(30)は、衝突判断ECU(20)が衝突物との衝突が不可避と判断した時に自動ブレーキに制動準備を行わせるように設定されている請求項1または請求項2記載の車両用歩行者保護装置(10)。
  4. サスペンション減衰力を制御するサスペンションECU(40)を備え、
    サスペンションECU(40)は、衝突判断ECU(20)が衝突物が歩行者であると判断した時にサスペンションの減衰力を小さくするように設定されている請求項1−請求項3の何れか1項に記載の車両用歩行者保護装置(10)。
  5. モータ作動のプリクラッシュシートベルト引込み動作を制御するプリクラッシュシートベルト制御ECU(50)を備え、
    プリクラッシュシートベルト制御ECU(50)は、衝突物検知センサ(22)が衝突物(P)を検知した時にプリクラッシュシートベルトの引込みを行うように設定されている請求項1−請求項4の何れか1項に記載の車両用歩行者保護装置(10)。
  6. 前側ポップアップフードアクチュエータと後側ポップアップフードアクチュエータは前側ポップアップフードアクチュエータの作動開始後に後側ポップアップフードアクチュエータが作動開始するように作動順序が設定されている請求項1−請求項5の何れか1項に記載の車両用歩行者保護装置(10)。
JP2013194947A 2013-09-20 2013-09-20 車両用歩行者保護装置 Expired - Fee Related JP6171780B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013194947A JP6171780B2 (ja) 2013-09-20 2013-09-20 車両用歩行者保護装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013194947A JP6171780B2 (ja) 2013-09-20 2013-09-20 車両用歩行者保護装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015058862A JP2015058862A (ja) 2015-03-30
JP6171780B2 true JP6171780B2 (ja) 2017-08-02

Family

ID=52816721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013194947A Expired - Fee Related JP6171780B2 (ja) 2013-09-20 2013-09-20 車両用歩行者保護装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6171780B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102621552B1 (ko) * 2018-12-19 2024-01-04 현대자동차주식회사 Adas 연계 작동 액티브 후드 장치 및 제어방법
CN112918423B (zh) * 2019-03-04 2022-02-25 长沙理工大学 一种用于智能汽车保护行人的发动机罩
JP2023012108A (ja) * 2021-07-13 2023-01-25 日立Astemo株式会社 力発生機構の制御装置及び力発生機構の制御方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0446814A (ja) * 1990-06-13 1992-02-17 Nissan Motor Co Ltd 車高調整装置
JP3201092B2 (ja) * 1993-09-02 2001-08-20 トヨタ自動車株式会社 自動ブレーキ装置
JP4200440B2 (ja) * 2004-03-18 2008-12-24 株式会社デンソー 歩行者保護装置
JP2007038955A (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Toyota Motor Corp 車両用フード制御装置
JP2007320496A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Toyota Motor Corp 歩行者保護装置
JP2009101756A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Nissan Diesel Motor Co Ltd 衝突被害軽減装置
JP4873068B2 (ja) * 2009-11-20 2012-02-08 株式会社デンソー 衝突被害軽減装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015058862A (ja) 2015-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101766147B1 (ko) 능수동 안전 장치를 통합하여 작동하는 방법
US10843687B2 (en) Arrangement and method for mitigating a forward collision between road vehicles
JP4244213B2 (ja) 車両用安全装置
JP2010030396A (ja) 車両用安全制御装置
JP5644201B2 (ja) 制動制御装置
JP2009045958A (ja) 乗員保護装置
JP6171780B2 (ja) 車両用歩行者保護装置
JP2007320530A (ja) 歩行者衝突緩和装置
CN107709121B (zh) 车辆控制装置以及车辆控制方法
JP2008514496A (ja) 乗員保護手段の駆動制御方法および乗員保護手段の駆動制御装置
JP7125917B2 (ja) 車両用保護装置
JP2006298105A (ja) 乗員保護装置の作動制御装置
JP2009051241A (ja) 車両の自動ブレーキ制御装置
JP2015047980A (ja) ブレーキ制御装置
US10434906B2 (en) Method and system for controlling an actuator for a loading area adjustably mounted on a motor vehicle body
CN111252065A (zh) 驾驶辅助装置
JP2008080845A (ja) 車両の走行制御装置
JP5786699B2 (ja) 自動ブレーキ制御装置
JP2008149933A (ja) 車両後部追突時制動制御装置
JP2008174054A (ja) 車両用安全装置
EP2524847A1 (en) Vehicle control arrangement
JP2006240367A (ja) 乗員保護装置
JP6307920B2 (ja) 車両用ポップアップフード装置
JP2014118048A (ja) 運転支援装置
JP2004161191A (ja) 衝突予測制御装置、エアバッグ制御装置、及びエアバッグシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170619

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6171780

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees