JP6171267B2 - ゴム架橋物および導電性部材 - Google Patents

ゴム架橋物および導電性部材 Download PDF

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Description

本発明は、ゴム架橋物および導電性部材に関し、より詳しくは、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物および導電性部材に関する。
プリンタ、電子写真複写機、およびファクシミリ装置などの画像形成装置において、半導電性が必要とされる機構には、導電性ロール、導電性ブレード、導電性ベルトなどの導電性部材が用いられている。
このような導電性部材は、その用途に応じて、所望の範囲の導電性(電気抵抗値とそのばらつき、環境依存性、電圧依存性)、非汚染性、低硬度、および寸法安定性などの種々の性能が要求されている。
このような導電性部材の一部を構成するゴムに導電性を付与する方法としては、カーボンブラックなどの導電性付与剤をゴム中に少量練りこみ、分散させることにより、導電性部材の電気抵抗を制御する方法が周知である。しかし、この方法では、練りこむ少量の導電性付与剤の分散性をコントロールすることが難しく、また、成形・架橋時のゴム流動によって、導電性付与剤の分散状態が変化し、その結果、電気抵抗値がばらつき、鮮明な画像を得にくいという問題があった。
そこで、電気抵抗値のばらつきを解決する方法として、導電性付与剤を配合しなくてもゴム自体に半導電性を有する、ポリエーテルゴムなどが導電性部材用途に用いられてきた。しかしながら、近年、画像形成装置においては高速化が要求され、導電性部材、特に、導電性ロールには更なる低電気抵抗化が望まれている。電気抵抗値を低くする方法としては、ポリエーテルゴムの構成単位の一つであるエチレンオキサイド単量体単位量を増やすことが有効であるが、エチレンオキサイド単量体単位量を増やすと、ゴム自体が水溶性になり、製造が困難になる場合がある。また、感光体への汚染を引き起こすという問題があった。そのため、従来の方法では、ポリエーテルゴム中のエチレンオキサイド単量体単位をある一定量までしか増加することができず、低電気抵抗化の要求を十分満たすことができなかった。
また、従来より、導電性部材に電圧を印加すると、連続使用により導電性部材が通電劣化し、導電性部材の電気抵抗値が上昇し、これにより、画像品質が低下するという問題があった。この問題に対し、たとえば、特許文献1では、n−ブチルジメチルアミンやトリメチルアミンなどの脂肪族アミンをオニウム化剤として用いて導入されたオニウムイオンを有する単量体の単位を、0.1モル%以上30モル%未満含有するポリエーテルゴムが開示されている。しかしながら、この特許文献1に記載のポリエーテルゴムを用いて得られるゴム架橋物は、電気抵抗値のばらつきが少なく、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されているものの、硬度が高く、そのため、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたものが望まれていた。
国際公開第2011/081152号
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物および導電性部材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、カチオン化された特定のイミダゾール環を有している単位を特定割合含有するポリエーテルゴムと、特定量の金属酸化物とを含むゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物により、前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、下記一般式(1)で表される単位を0.1〜30モル%含有するポリエーテルゴム100重量部に対し、金属酸化物0.01〜20重量部を含むゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物が提供される。
Figure 0006171267
(上記一般式(1)中において、R は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。Xは任意の対アニオンである。)
好ましくは、前記金属酸化物が酸化亜鉛である。
また、本発明によれば、上記いずれかに記載のゴム架橋物を有してなる導電性部材が提供される。
さらに、本発明によれば、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴムに、下記一般式(2)で表される化合物を、前記エピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子1モルに対し、0.001〜50モルの割合で混合し、40〜200℃で反応させることにより、上記一般式(1)で表される単位を0.1〜30モル%含有するポリエーテルゴムを得た後、前記一般式(1)で表される単位を0.1〜30モル%含有するポリエーテルゴム100重量部に対し、少なくとも金属酸化物0.01〜20重量部を混合してゴム組成物を得、さらに前記ゴム組成物を架橋させることを特徴とするゴム架橋物の製造方法が提供される。
Figure 0006171267
(上記一般式(1)中において、R は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。Xは任意の対アニオンである。)
Figure 0006171267
(上記一般式(2)中において、R は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
本発明によれば、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物および導電性部材を提供することができる。
本発明のゴム架橋物は、後述する一般式(1)で表される単位を0.1〜30モル%以下含有するポリエーテルゴム100重量部に対し、金属酸化物0.01〜20重量部を含むゴム組成物を架橋してなることを特徴とする。
以下においては、まず、本発明のゴム架橋物を形成するためのゴム組成物を構成する各成分について説明する。
<ポリエーテルゴム>
本発明で用いるポリエーテルゴム(以下、「カチオン化ポリエーテルゴム」ともいう。)は、下記一般式(1)で表される単位を0.1〜30モル%含有するゴムである。
Figure 0006171267
(上記一般式(1)中において、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。Xは任意の対アニオンである。)
上記一般式(1)で表される単位は、通常、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴム(カチオン化される前のポリエーテルゴムであり、以下、「ベースポリエーテルゴム」ともいう。)中の、エピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子の少なくとも一部を、下記一般式(3)で表されるカチオン化されたイミダゾール環を含有する基(以下、「オニウムイオン含有基」と記す場合がある。)に置換することで得られる。
Figure 0006171267
(上記一般式(3)中において、RおよびRは、上記一般式(1)と同様。)
エピハロヒドリン単量体単位を構成するエピハロヒドリン単量体としては、特に限定されないが、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、エピフルオロヒドリンなどが挙げられる。これらのなかでも、エピクロロヒドリンが好ましい。エピハロヒドリン単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるポリエーテルゴムは、上記一般式(1)で表される単位に加えて、エピハロヒドリン単量体単位を含有していることが好ましい。本発明で用いるポリエーテルゴム中における、エピハロヒドリン単量体単位の含有割合は、全単量体単位中、通常、0〜99.9モル%であり、10〜78.5モル%であることが好ましく、15〜57.3モル%であることがさらに好ましい。エピハロヒドリン単量体単位の含有割合が前記範囲内にあると、得られるゴム架橋物を、電気抵抗値が低く、かつ、体積固有抵抗値の通電上昇を抑制可能なものとすることができる。
一方、エピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子の少なくとも一部を、上記一般式(3)で表されるカチオン化されたイミダゾール環を含有する基に置換する前の、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴム(ベースポリエーテルゴム)中における、エピハロヒドリン単量体単位の含有割合は、全単量体単位中、通常、0.1〜100モル%であり、10〜79モル%であることが好ましく、15〜58モル%であることがさらに好ましい。また、ベースポリエーテルゴム中における、エピハロヒドリン単量体単位以外のその他単量体単位(上記一般式(1)で表される単位は含まない)の含有割合は、後述する本発明で用いるポリエーテルゴムの単量体単位の割合と同様である。
また、上記一般式(1)で表される単位中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、炭素数1〜10のアルキル基としては、特に限定されないが、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびペンチル基などが挙げられる。なかでも、Rは、水素原子またはメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましく、また、Rは、水素原子であることが好ましい。
本発明で用いるポリエーテルゴム中における、上記一般式(1)で表される単位の含有割合は、全単量体単位中、0.1〜30モル%であり、0.5〜25モル%であることが好ましく、0.7〜12モル%であることがより好ましい。上記一般式(1)で表される単位の含有割合が前記範囲内にあると、得られるゴム架橋物を、低硬度で圧縮永久歪率が小さく、電気抵抗値が低く、かつ、体積固有抵抗値の通電上昇を抑制可能なものとすることができる。一方、上記一般式(1)で表される単位の含有割合が少なすぎると、得られるゴム架橋物の体積固有抵抗値が高くなり、連続して電圧を印加した場合に電気抵抗値が上昇する場合がある。また、上記一般式(1)で表される単位の含有割合が多すぎると、得られるゴム架橋物が硬くなり、ゴム弾性体としての特質が失われる場合がある。
エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴム中の、エピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子の少なくとも一部を、上記一般式(3)で表されるカチオン化されたイミダゾール環を含有する基に置換するために用いられる化合物としては、特に限定されないが、たとえば、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006171267
(上記一般式(2)中において、RおよびRは、上記一般式(1)と同様。)
上記一般式(2)で表される化合物の具体例としては、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールなどを挙げることができる。これらのなかでも、架橋を十分に進行させることができ、かつ、得られるゴム架橋物の体積固有抵抗値の低減効果が高いという点より、1−メチルイミダゾールがより好ましい。
エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴム中の、エピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子の少なくとも一部を、上記一般式(2)で表される化合物を用いて、上記一般式(3)で表されるカチオン化されたイミダゾール環を含有する基に置換する方法としては、特に限定されないが、具体的には、上記一般式(2)で表される化合物と、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴムとを混合し反応させることで、置換することができる。なお、この際においては、上記一般式(2)で表される化合物を、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴムのエピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子1モルに対し、0.001〜50モルの割合、好ましくは0.01〜10モルの割合、より好ましくは0.02〜2モルの割合で混合し、40〜200℃で反応させる。上記一般式(2)で表される化合物の割合が前記範囲内にあると、ベースポリエーテルゴムの置換反応を十分に進行させることができ、所望の組成のイミダゾリウムイオン含有基を有するポリエーテルゴムが得られる。
また、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴムと、上記一般式(2)で表される化合物とを混合し、反応させる際における混合方法としては、特に限定されないが、溶媒を用いて、溶媒を介してこれらを混合する方法や、実質的に溶媒を介さずに混合する方法が挙げられる。これらの方法のうち、溶媒を用いる方法では、上記一般式(2)で表される化合物をオニウム化剤として用いる場合、反応条件によってはオニウム化反応が進行しにくいことがある。その一方で、実質的に溶媒を介さずに混合する方法によれば、上記一般式(2)で表される化合物をオニウム化剤として用いる場合でも、オニウム化反応が進行し易く、反応時間を短縮することができ、さらには、反応に用いるベースポリエーテルゴムおよびオニウム化剤を溶媒に溶解させる必要がなく、作業性に優れるため好ましい。
このような実質的に溶媒を介さずに混合する方法としては、たとえば、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴムと、上記一般式(2)で表される化合物とを、実質的に溶媒を介さずに混練し、かつ、上記温度に制御することによりこれらを反応させる方法が挙げられる。なお、本明細書において、「オニウム化反応を実質的に溶媒を介さずに行なう」とは、溶媒を一切使用しないでオニウム化反応を行なうという限定的意味ではなく、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴムと、上記一般式(2)で表される化合物とを混練できる程度に、溶媒が使用されていてもよいことを含んだ意味である。
また、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴムと、上記一般式(2)で表される化合物との混練方法は、特に限定されないが、ニーダー、バンバリー、オープンロール、カレンダーロール、二軸混練機などの任意の乾式混練機を一つまたは複数組合せて、均一に混合することが好ましい。
さらに、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴムと、上記一般式(2)で表される化合物とのオニウム化反応は、混練と同時に行なってもよいし、混練後に別途行なってもよい。別途反応させる場合は、上述した任意の乾式混練機をそのまま継続して用いてもよいし、オーブン、プレス成形機などの加熱機を用いて反応させてもよい。
反応時の温度は、40〜200℃であり、好ましくは60〜190℃、より好ましくは80〜180℃である。反応温度が低すぎると、置換反応が遅く、所望の組成のイミダゾリウムイオン含有基を有するポリエーテルゴムが得られなくなるおそれがあり、一方、反応温度が高すぎると、用いるベースポリエーテルゴムの分解や上記一般式(2)で表される化合物の揮発が起こるおそれがある。また、反応時間は、特に限定されず、通常、1分〜10日、好ましくは5分〜1日である。反応時間が短すぎると、反応が不完全となり、所望の組成のイミダゾリウムイオン含有基を有するポリエーテルゴムが得られなくなるおそれがあり、一方、反応時間が長すぎると、用いるベースポリエーテルゴムの分解が起こるおそれがある。
あるいは、溶媒を用いて混合を行う方法において、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴムと、上記一般式(2)で表される化合物とを混合する方法としては、特に限定されず、例えば、ベースポリエーテルゴムを溶媒に溶解してなる溶液に上記一般式(2)で表される化合物を添加し混合する方法、上記一般式(2)で表される化合物を溶媒に溶解してなる溶液にベースポリエーテルゴムを添加し混合する方法、上記一般式(2)で表される化合物とベースポリエーテルゴムの両方を溶媒に溶解して溶液として調製しておき、両溶液を混合する方法などが挙げられる。なお、ベースポリエーテルゴムや上記一般式(2)で表される化合物は、溶媒中に分散していてもよく、ベースポリエーテルゴムや上記一般式(2)で表される化合物が溶媒に溶解しているか、分散しているかは問わない。
溶媒としては、不活性の溶媒が好適に用いられ、非極性であっても極性であってもよい。非極性溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−へキサンなどの鎖状飽和炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式飽和炭化水素;などが挙げられる。極性溶媒としては、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチルエーテルなどのエーテル;酢酸エチル、安息香酸エチルなどのエステル;アセトン、2−ブタノン、アセトフェノンなどのケトン;アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;エタノール、メタノール、水などのプロトン性極性溶媒;などが挙げられる。溶媒としては、これらの混合溶媒も好適に用いられる。溶媒の使用量は、特に限定されないが、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴムの濃度が1〜50重量%となるように用いることが好ましく、3〜40重量%になるように用いることがより好ましい。
溶媒を用いた場合の反応時の温度は、好ましくは20〜170℃であり、反応時間は、好ましくは1分〜500時間である。
上記一般式(1)中において、Xで表される任意の対アニオンとは、イオン結合にて、カチオン化されたイミダゾール環と結合している負の電荷を有する化合物または原子であり、負の電荷を持つこと以外は特に限定されないが、通常、ベースポリエーテルゴムに含有されるエピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子に由来するハロゲン化物イオンであり、好ましくは塩化物イオンである。また、本発明においては、このような対アニオンの少なくとも一部を、公知のイオン交換反応により、任意の対アニオンにアニオン交換してもよい。アニオン交換反応は、カチオン化されたイミダゾール環を有するポリエーテルゴムに対し、電離性を有するイオン性化合物を混合することで行うことができる。アニオン交換反応を行う条件は、特に限定されないが、用いるイオン性化合物やポリエーテルゴムの構造、目的とする対アニオンの置換率などに応じて決定すればよい。反応は、イオン性化合物と、カチオン化されたイミダゾール環を有するポリエーテルゴムとのみで行っても構わないし、有機溶媒などのその他の化合物を含んでいても構わない。イオン性化合物の使用量は、特に限定されないが、用いるエピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子1モルに対し、通常、0.01〜100モル、好ましくは0.02〜50モル、より好ましくは0.03〜10モルの範囲である。イオン性化合物の量が少なすぎると、置換反応が進行しにくくなるおそれがあり、一方、多すぎると、イオン性化合物の除去が困難になるおそれがある。
アニオン交換反応時の圧力は、通常、0.1〜50MPaであり、好ましくは0.1〜10MPaであり、より好ましくは0.1〜5MPaである。反応時の温度は、通常、−30〜200℃、好ましくは−15〜180℃、より好ましくは0〜150℃である。反応時間は、通常、1分〜1000時間であり、好ましくは3分〜100時間であり、より好ましくは5分〜10時間であり、さらに好ましくは5分〜3時間である。
対アニオンのアニオン種は、特に限定されないが、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオン;硫酸イオン;亜硫酸イオン;水酸化物イオン;炭酸イオン;炭酸水素イオン;硝酸イオン;酢酸イオン;過塩素酸イオン;リン酸イオン;アルキルオキシイオン;トリフルオロメタンスルホン酸イオン;ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン;ヘキサフルオロリン酸イオン;テトラフルオロホウ酸イオン;などが挙げられる。
また、本発明で用いるポリエーテルゴム中における、上記一般式(1)で表される単位の含有割合(以下、「オニウムイオン単位含有率」とも記す。)を調べる方法としては、公知の方法を用いればよい。オニウムイオン単位含有率を簡便かつ定量的に求めるためには、本発明で用いるポリエーテルゴムをH−NMR測定することにより、オニウムイオン含有基の含有量を定量することができる。具体的には、まず、カチオン化されたイミダゾール環を有するポリエーテルゴムの主鎖であるポリエーテル鎖に由来するプロトンの積分値から、ポリマー中の全単量体単位(オニウムイオン単位を含む)のモル数B1を算出する。次に、オニウムイオン含有基に由来するプロトンの積分値から、導入されているオニウムイオン単位(上記一般式(1)で表される単位)のモル数B2を算出する。導入されているオニウムイオン単位(上記一般式(1)で表される単位)のモル数B2を、ポリマー中の全単量体単位(オニウムイオン単位を含む)のモル数B1で除することにより、オニウムイオン単位含有率を、以下の一般式(4)により算出することが出来る。
オニウムイオン単位含有率(モル%)=100×B2/B1・・(4)
また、オニウム化剤として用いる上記一般式(2)で表される化合物が、上述した反応条件において、オニウムイオン含有基の置換反応以外の反応で消費されない場合には、オニウム化剤として用いる上記一般式(2)で表される化合物の消費モル量は、ハロゲン原子のオニウムイオン含有基の置換モル量と等しくなる。そのため、オニウム化剤として用いる上記一般式(2)で表される化合物の消費モル量を、反応開始前の添加モル量A1から反応終了後の残留モル量A2を減じることにより算出し、これを上記一般式(2)で表される化合物と反応させる前のポリエーテルゴム(ベースポリエーテルゴム)の全単量体単位のモル量Pにて除することにより、オニウムイオン単位含有率を、以下の一般式(5)により算出することも出来る。
オニウムイオン単位含有率(モル%)=100×(A1−A2)/P・・(5)
消費モル量の測定に関しては、公知の測定方法を用いて構わないが、例えば、その反応率をキャピラリーカラムと水素炎イオン化型検出器(FID)とを装備したガスクロマトグラフィー(GC)を用いて測定することができる。
また、本発明で用いるポリエーテルゴムは、上記一般式(1)で表される単位に加えて、不飽和オキサイド単量体単位を含有していることが好ましい。不飽和オキサイド単量体単位を形成する不飽和オキサイド単量体としては、分子内に少なくとも一つの炭素−炭素不飽和結合(芳香環の炭素−炭素不飽和結合は除く)と、少なくとも一つのエポキシ基とを含有する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテルなどのアルケニルグリシジルエーテル類;3,4−エポキシ−1−ブテン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−9−デセンなどのアルケニルエポキシド類;などが挙げられる。これらのなかでも、アルケニルグリシジルエーテル類が好ましく、アリルグリシジルエーテルがより好ましい。不飽和オキサイド単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるポリエーテルゴム中における、不飽和オキサイド単量体単位の含有割合は、全単量体単位中、0〜15モル%であることが好ましく、1〜12モル%であることがより好ましく、2〜10モル%であることが特に好ましい。不飽和オキサイド単量体単位の含有割合が前記範囲内にあると、得られるゴム架橋物を、電気抵抗値が低く、かつ、体積固有抵抗値の通電上昇を抑制可能なものとすることができる。
また、本発明で用いるポリエーテルゴムは、低電気抵抗性の観点から、上記一般式(1)で表される単位に加えて、エチレンオキサイド単量体単位を含有していることが好ましい。エチレンオキサイド単量体単位は、エチレンオキサイド単量体により形成される単位である。本発明で用いるポリエーテルゴム中における、エチレンオキサイド単量体単位の含有割合は、全単量体単位中、0〜90モル%であることが好ましく、20〜80モル%であることがより好ましく、40〜75モル%であることが特に好ましい。エチレンオキサイド単量体単位の含有割合が前記範囲内にあると、得られるゴム架橋物は低電気抵抗性に優れるものとすることができる。
本発明で用いるポリエーテルゴムは、上記一般式(1)で表される単位、エピハロヒドリン単量体単位、不飽和オキサイド単量体単位、およびエチレンオキサイド単量体単位を含有する共重合体であることが好ましい。
さらに、本発明で用いるポリエーテルゴムは、上記一般式(1)で表される単位、エピハロヒドリン単量体単位、不飽和オキサイド単量体単位、およびエチレンオキサイド単量体単位以外に、これらと共重合可能なその他の単量体単位を含有していてもよい。その他の単量体単位としては、たとえば、エチレンオキサイドを除いたアルキレンオキサイド単量体単位が好ましく挙げられる。エチレンオキサイドを除いたアルキレンオキサイド単量体単位を形成するアルキレンオキサイド単量体としては、特に限定されないが、たとえば、プロピレンオキサイド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシ−4−クロロペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエイコサン、1,2−エポキシイソブタン、2,3−エポキシイソブタンなどの直鎖状または分岐鎖状アルキレンオキサイド;1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデカンなどの環状アルキレンオキサイド;ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテルなどのアルキル直鎖または分岐鎖を有するグリシジルエーテル;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどのオキシエチレン側鎖を有するグリシジルエーテル;などが挙げられる。これらのなかでも、直鎖状アルキレンオキサイドが好ましく、プロピレンオキサイドがより好ましい。これらエチレンオキサイドを除いたアルキレンオキサイド単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるポリエーテルゴム中における、エチレンオキサイドを除いたアルキレンオキサイド単量体単位の含有割合は、全単量体単位中、30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。エチレンオキサイドを除いたアルキレンオキサイド単量体単位の含有割合が多すぎると、得られるゴム架橋物の体積固有抵抗値が上昇するおそれがある。
また、アルキレンオキサイド単量体を除く、その他の共重合可能な単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテルなどのアリールエポキシド類;などが挙げられる。本発明で用いるポリエーテルゴム中における、アルキレンオキサイド単量体を除く、その他の共重合可能な単量体単位の含有割合は、全単量体単位中、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、5モル%以下がさらに好ましい。
オニウム化剤としての上記一般式(2)で表される化合物と反応させる前のポリエーテルゴム(ベースポリエーテルゴム)は、溶液重合法または溶媒スラリー重合法などにより、前記各単量体を開環重合することにより得ることができる。
重合に用いる重合触媒としては、一般のポリエーテル重合用触媒であれば、特に限定されない。重合触媒としては、例えば、有機アルミニウムに水とアセチルアセトンを反応させた触媒(特公昭35−15797号公報);トリイソブチルアルミニウムにリン酸とトリエチルアミンを反応させた触媒(特公昭46−27534号公報);トリイソブチルアルミニウムにジアザビシクロウンデセンの有機酸塩とリン酸とを反応させた触媒(特公昭56−51171号公報);アルミニウムアルコキサイドの部分加水分解物と有機亜鉛化合物とからなる触媒(特公昭43−2945号公報);有機亜鉛化合物と多価アルコールとからなる触媒(特公昭45−7751号公報);ジアルキル亜鉛と水とからなる触媒(特公昭36−3394号公報);トリブチル錫クロライドとトリブチルホスフェートとからなる触媒(特許第3223978号公報);などが挙げられる。
重合溶媒としては、不活性溶媒であれば、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−へキサンなどの直鎖状飽和炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状飽和炭化水素類;などが用いられる。これらのなかでも、溶液重合法により開環重合する場合は、ベースポリエーテルゴムの溶解性の観点から、芳香族炭化水素を用いることが好ましく、トルエンがより好ましい。
重合反応温度は、20〜150℃が好ましく、50〜130℃がより好ましい。重合様式は、回分式、半回分式、連続式などの任意の方法で行うことができる。
ベースポリエーテルゴムは、ブロック共重合、ランダム共重合のいずれの共重合タイプでも構わないが、特に、単量体にエチレンオキサイドを用いる場合、ランダム共重合体の方がよりポリエチレンオキサイドの結晶性を低下させ、ゴム弾性を損ないにくいために好ましい。
ベースポリエーテルゴムを溶媒から回収する方法は、特に限定されないが、例えば、凝固・ろ別・脱水・乾燥方法を適宜組合せることにより行う。ベースポリエーテルゴムが溶解している溶液から、ベースポリエーテルゴムを凝固させる方法としては、例えば、常法であるスチームストリッピングや貧溶媒を用いた析出方法などを用いることができる。また、ベースポリエーテルゴムを含むスラリーから、ベースポリエーテルゴムをろ別する方法としては、必要に応じて、例えば、回転式スクリーン、振動スクリーンなどの篩を用いる方法などを挙げることができる。更に、ベースポリエーテルゴムの脱水方法としては、例えば、遠心分離機;ロール、バンバリー式脱水機、スクリュー押出機式脱水機などの圧縮水絞機;などを用いて脱水する方法を挙げることができる。更に、ベースポリエーテルゴムの乾燥方法としては、ニーダー型乾燥機、エキスパンダー乾燥機、熱風乾燥機、減圧乾燥機などの乾燥機を用いる方法;などを挙げることができる。これら上述した方法および用いる機器などは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明で用いるポリエーテルゴムの重量平均分子量は、20万〜200万であることが好ましく、40万〜150万であることがより好ましい。重量平均分子量が高すぎると、ムーニー粘度が高くなり、成形加工が難しくなるおそれがある。一方、重量平均分子量が低すぎると、得られるゴム架橋物の圧縮永久歪が悪化するおそれがある。
本発明で用いるポリエーテルゴムのムーニー粘度(ポリマームーニー粘度・ML1+4,100℃)は、10〜120であることが好ましく、20〜90であることがより好ましい。ムーニー粘度が高すぎると、成形加工性に劣り、導電性部材用途への成形がし難くなる。更に、スウェル(押し出し成形時にダイの径より押出物の径が大きくなること)が発生し、寸法安定性が低下するおそれがある。一方、ムーニー粘度が低すぎると、得られるゴム架橋物の機械的強度が低下するおそれがある。
<金属酸化物>
本発明で用いるゴム組成物は、上述したカチオン化ポリエーテルゴムに加えて、金属酸化物を含有してなる。本発明で用いる金属酸化物は、特に限定されないが、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化カルシウム、鉛酸化物、酸化鉄、酸化銅、酸化錫、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化コバルト、および酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらのなかでも、得られるゴム架橋物が低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れるという点より、酸化亜鉛が好ましい。金属酸化物は、それぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
金属酸化物の配合量は、本発明で用いるポリエーテルゴム100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、好ましくは0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.5〜10重量部である。金属酸化物の配合量が前記範囲内にあると、カチオン化ポリエーテルゴムの架橋を十分に進行させることができ、さらに、得られるゴム架橋物は、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたものとなる。一方、金属酸化物の配合量が多すぎると、得られるゴム架橋物が硬くなり、ゴム弾性体としての特質が失われる場合がある。また、配合量が少なすぎると、架橋反応が不十分となり、ゴム架橋物を得られない場合がある。
本発明においては、上述した一般式(1)で表される単位を0.1〜30モル%含有するポリエーテルゴムに、金属酸化物を配合することにより、公知の架橋剤を用いることなく、カチオン化ポリエーテルゴムの架橋反応を十分に進行させることができる。さらに、得られるゴム架橋物は、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたものとなる。
また、本発明で用いるゴム組成物は、上述したカチオン化ポリエーテルゴムおよび金属酸化物に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、およびこれらゴムの部分水素添加物(例えば、水素化ニトリルゴム)などのジエン系ゴム;エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、ポリエーテルゴム(本発明で用いるポリエーテルゴムを除く)、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどのジエン系ゴム以外のゴム;オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー;ポリ塩化ビニル、クマロン樹脂、フェノール樹脂などの樹脂;を含有していてもよい。これらのゴム、熱可塑性エラストマー、および樹脂は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ、これらの合計配合量は、本発明で用いるポリエーテルゴム100重量部に対して、100重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましく、20重量部以下が特に好ましい。
さらに、本発明で用いるゴム組成物には、上述した各成分以外に、公知のゴムに通常配合されるその他の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラックなどの充填剤;ステアリン酸などの架橋促進助剤(本発明で用いる金属酸化物は除く);架橋促進剤;受酸剤;補強剤;老化防止剤;紫外線吸収剤;耐光安定剤;粘着付与剤;界面活性剤;導電性付与剤;電解質物質;着色剤(染料・顔料);難燃剤;帯電防止剤;などが挙げられる。
本発明で用いるゴム組成物中における、カーボンブラックなどの充填剤の配合割合は、本発明で用いるポリエーテルゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部であり、より好ましくは1〜20重量部である。充填剤の配合量が上記範囲内であると、得られるゴム架橋物の補強効果が得られやすくなる。また、本発明で用いるゴム組成物中における、ステアリン酸などの架橋促進助剤(本発明で用いる金属酸化物は除く)の配合割合は、本発明で用いるポリエーテルゴム100重量部に対して、好ましくは0.01〜15重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。架橋促進助剤の配合量が上記範囲内であると、架橋を十分に進行させることができる。
本発明で用いるゴム組成物は、上述したカチオン化ポリエーテルゴムに、金属酸化物、および必要に応じて用いられる各添加剤を、所望の方法により調合、混練することにより混合し、調製することができる。混合に際しては、例えば、ニーダー、バンバリー、オープンロール、カレンダーロール、押出機など任意の混練成形機を一つあるいは複数組み合わせて用いて混練成形してもよい。混練温度は、0〜100℃が好ましく、20〜80℃がより好ましく、その混練時間は、30秒〜30分が好ましい。
<ゴム架橋物>
本発明のゴム架橋物は、上述した、カチオン化ポリエーテルゴムおよび金属酸化物を含有するゴム組成物を架橋することにより得られる。なお、この場合において、ゴム組成物としては、ポリエーテルゴムおよび金属酸化物に加えて、必要に応じて用いられる各添加剤を含有してなるものを用いてもよい。
ゴム組成物を架橋して、ゴム架橋物を得る方法は、特に限定されないが、成形と架橋を同時に行っても、成形後に架橋してもよい。成形時の温度は、20〜200℃が好ましく、40〜180℃がより好ましい。架橋時の加熱温度は、130〜200℃が好ましく、140〜200℃がより好ましい。架橋時の温度が低すぎると、架橋時間が長時間必要となったり、得られるゴム架橋物の架橋密度が低くなったりするおそれがある。一方、架橋時の温度が高すぎると、成形不良となるおそれがある。架橋時間は、架橋方法、架橋温度、形状などにより異なるが、1分以上、5時間以下の範囲が架橋密度と生産効率の面から好ましい。加熱方法としては、プレス加熱、オーブン加熱、蒸気加熱、熱風加熱、およびマイクロ波加熱などの方法を適宜選択すればよい。
また、ゴム架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。二次架橋を行う際における、加熱温度は、100〜220℃が好ましく、130〜210℃がより好ましい。加熱時間は、30分〜5時間が好ましい。
このようにして得られる本発明のゴム架橋物の体積固有抵抗値は、温度23℃、湿度50%とした測定環境にて、印加電圧を1000Vとし、電圧印加開始から30秒後の値において、通常、1×104.0〜1×109.5Ω・cmであり、好ましくは1×104.5〜1×108.0Ω・cmであり、より好ましくは1×105.0〜1×107.2Ω・cmである。ゴム架橋物の体積固有抵抗値が前記範囲内にあると、低電気抵抗性に優れた導電性部材が得られる。一方、ゴム架橋物の体積固有抵抗値が高すぎると、同じ電流を流すためにより高い電圧を印加しなければならず、消費電力量が多くなることから導電性部材には不向きである。また、ゴム架橋物の体積固有抵抗値が低すぎると、電圧印加方向以外の意図しない方向に電流が流れてしまい、導電性部材として用いた場合に、導電性部材としての機能を損ねるおそれがある。
本発明のゴム架橋物の体積固有抵抗値の通電上昇値は、前記体積固有抵抗値の測定条件において、電圧印加開始から10分後のlog10(体積固有抵抗値)から、電圧印加開始から30秒後のlog10(体積固有抵抗値)を減じたものにおいて、0〜0.50の範囲にあることが好ましい。
本発明のゴム架橋物は、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたものであり、そのため、このような特性を活かして、各種工業ゴム製品用材料として有用であり、例えば、複写機や印刷機などに使用される、導電性ロール、導電性ブレード、導電性ベルトなどの導電性部材;靴底やホース用材料;コンベアーベルトやエスカレータのハンドレールなどのベルト用材料;シール、パッキン用材料;などとして用いることができる。これらのなかでも、複写機や印刷機などに使用される導電性部材として用いることが好ましく、特に、導電性ロールに好適に用いることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の「部」および「%」は、特に断りのない限り、重量基準である。
オニウムイオン単位含有率の測定、および各種の物性については、以下の方法に従って評価した。
[ムーニー粘度]
ムーニー粘度は、JIS K6300に従って、100℃で測定した。
[オニウムイオン単位含有率]
実施例におけるオニウムイオン単位含有率の測定は、核磁気共鳴装置(H−NMR)を用いて、以下のように行った。オニウム化反応後、凝固乾燥して得られたカチオン化ポリエーテルゴム30mgを、1.0mlのジメチルスルホキシドに加え、1時間振とうすることにより均一に溶解させた。この溶液を、H−NMR測定することによりオニウムイオン単位含有率を算出した。まず、カチオン化ポリエーテルゴムの主鎖であるポリエーテル鎖に由来するプロトンの積分値から、ポリマー中の全単量体単位(オニウムイオン単位を含む)のモル数B1を算出した。次に、オニウムイオン含有基に由来するプロトンの積分値から、導入されているオニウムイオン単位(上記一般式(1)で表される単位)のモル数B2を算出した。そして、導入されているオニウムイオン単位(上記一般式(1)で表される単位)のモル数B2を、ポリマー中の全単量体単位(オニウムイオン単位を含む)のモル数B1で除することにより、オニウムイオン単位含有率を、以下の一般式(4)により算出した。
オニウムイオン単位含有率(モル%)=100×B2/B1・・(4)
[体積固有抵抗値(23℃、50%RH)]
得られたシート状のゴム架橋物(縦15cm、横10cm、厚さ2mm)を用いて、体積固有抵抗値を測定した。なお、体積固有抵抗値の測定は、JIS K6271の2重リング電極法に準拠して行い、測定条件は、温度23℃、湿度50%とし、印加電圧は1000Vとし、電圧の印加を開始してから30秒後の値を測定した。体積固有抵抗値は、数値が小さいほど、導電性に優れている。
[体積固有抵抗値の通電上昇値(23℃、50%RH)]
体積固有抵抗値の通電上昇値は、上記の体積固有抵抗値の測定条件にて、電圧の印加を開始してから10分後のlog10(体積固有抵抗値)から、電圧の印加を開始してから30秒後のlog10(体積固有抵抗値)を減じたものとした。体積固有抵抗値の通電上昇値は、数値が小さいほど、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されることを示す。
[圧縮永久歪率の測定]
JIS K6262に従い、得られた円柱状のゴム架橋物(直径29mm、高さ12.7mmの円柱型)を25%圧縮させた状態で、70℃の環境下で22時間放置した後、圧縮を解放して圧縮永久歪率を測定した。圧縮永久歪み率は、その数値が小さいほど、ゴム弾性を保持しており、ゴムとして優れていると判断することができる。
[硬度の測定(23℃、50%RH)]
硬度の測定は、JIS K6253に従い、タイプAデュロメータを使用し測定した。
(製造例1、重合触媒の製造)
密閉した耐圧ガラス容器を窒素置換して、トルエン200部およびトリイソブチルアルミニウム60部を供給した。このガラスボトルを氷水に浸漬して冷却後、ジエチルエーテル230部を添加し、攪拌した。次に、氷水で冷却しながら、リン酸13.6部を添加し、さらに攪拌した。この時、トリイソブチルアルミニウムとリン酸との反応により、容器内圧が上昇するので適時脱圧を実施した。次いで、得られた反応混合物を60℃の温水浴内で1時間熟成反応させて触媒溶液を得た。
(製造例2、ポリエーテルゴムAの製造)
オートクレーブにエピクロロヒドリン223.5部、アリルグリシジルエーテル27.5部、エチレンオキサイド19.7部、トルエン2585部を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら内溶液を50℃に昇温し、上記で得た触媒溶液11.6部を添加して反応を開始した。次に、反応開始からエチレンオキサイド129.3部をトルエン302部に溶解した溶液を5時間かけて等速度で連続添加した。また、反応開始後30分毎に触媒溶液6.2部ずつを5時間にわたり添加した。次いで、水15部を添加して攪拌し、反応を終了させた。ここに更に、老化防止剤として4,4’−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)の5%トルエン溶液45部を添加し、攪拌した。スチームストリッピングを実施してトルエンを除去し、上澄み水を除去後、60℃にて真空乾燥し、ポリエーテルゴムA 400部を得た。このポリエーテルゴムAの単量体組成比は、エピクロロヒドリン単量体単位40モル%、エチレンオキサイド単量体単位56モル%、アリルグリシジルエーテル単量体単位4モル%であった。また、ムーニー粘度は60であった。
〔実施例1〕
(カチオン化ポリエーテルゴム1の製造)
25℃のオープンロールに、製造例2で得られたポリエーテルゴムA 100部と、1−メチルイミダゾール1部(ポリエーテルゴムA中のエピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子1モルに対し、0.02モルの割合)とを投入し、5分間混練した後、その混合物を、100℃に加熱したオーブンにセットし、24時間反応させた。その後、オーブンから、反応により得られたカチオン化ポリエーテルゴム1を、収量101部にて回収した。得られたカチオン化ポリエーテルゴム1を、上述した方法に従って、H−NMR測定することにより、オニウムイオン単位含有率を算出した。得られたカチオン化ポリエーテルゴム1のオニウムイオン単位含有率は0.7モル%、ムーニー粘度は52であった。
(ゴム組成物1、およびゴム架橋物1の製造)
40℃のオープンロールに、上記にて得られたカチオン化ポリエーテルゴム1 100部、酸化亜鉛(ZnO#1、正同化学社製)10部、充填剤としてカーボンブラック(シーストSO、東海カーボン社製)10部、架橋促進助剤としてのステアリン酸1部を投入し、10分間混練し混合することにより、ゴム組成物1を調製した。次いで、得られたゴム組成物を、170℃のプレス成形機で20分間プレス架橋して、ゴム架橋物1を得た。なお、ゴム架橋物1としては、シート状のゴム架橋物(縦15cm、横10cm、厚さ2mm)および円柱状のゴム架橋物(直径29mm、高さ12.7mmの円柱型)の2種類のゴム架橋物を得た(後述する各実施例、比較例においても同様。)。そして、得られたゴム架橋物1について、上述した方法にしたがって、各種の物性評価(体積固有抵抗値、体積固有抵抗値の通電上昇値、圧縮永久歪み率、および硬度の各評価)を行った。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
(カチオン化ポリエーテルゴム2の製造)
1−メチルイミダゾールの配合量を1部から2部(エピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子1モルに対し、0.04モルの割合)に変更した以外は、実施例1と同様にして、カチオン化ポリエーテルゴム2を製造した(収量102部)。そして、得られたカチオン化ポリエーテルゴム2について、実施例1と同様にしてオニウムイオン単位含有率を測定したところ、オニウムイオン単位含有率は1.5モル%、ムーニー粘度は54であった。
(ゴム組成物2、およびゴム架橋物2の製造)
カチオン化ポリエーテルゴム1 100部を用いる代わりに、上記にて得られたカチオン化ポリエーテルゴム2 100部を用いた以外は実施例1と同様にして、ゴム組成物2およびゴム架橋物2を得て、同様にして各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
(カチオン化ポリエーテルゴム3の製造)
1−メチルイミダゾールの配合量を1部から3.5部(エピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子1モルに対し、0.07モルの割合)に変更した以外は、実施例1と同様にして、カチオン化ポリエーテルゴム3を製造した(収量103.5部)。そして、得られたカチオン化ポリエーテルゴム3について、実施例1と同様にしてオニウムイオン単位含有率を測定したところ、オニウムイオン単位含有率は2.5モル%、ムーニー粘度は54であった。
(ゴム組成物3、およびゴム架橋物3の製造)
カチオン化ポリエーテルゴム1 100部を用いる代わりに、上記にて得られたカチオン化ポリエーテルゴム3 100部を用い、酸化亜鉛の配合量を10部から5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物3およびゴム架橋物3を得て、同様にして各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
(カチオン化ポリエーテルゴム4の製造)
1−メチルイミダゾールの配合量を1部から6部(エピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子1モルに対し、0.12モルの割合)に変更した以外は、実施例1と同様にして、カチオン化ポリエーテルゴム4を製造した(収量106部)。そして、得られたカチオン化ポリエーテルゴム4について、実施例1と同様にしてオニウムイオン単位含有率を測定したところ、オニウムイオン単位含有率は4.8モル%、ムーニー粘度は50であった。
(ゴム組成物4、およびゴム架橋物4の製造)
カチオン化ポリエーテルゴム1 100部を用いる代わりに、上記にて得られたカチオン化ポリエーテルゴム4 100部を用い、酸化亜鉛の配合量を10部から2部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物4およびゴム架橋物4を得て、同様にして各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例5〕
(カチオン化ポリエーテルゴム5の製造)
1−メチルイミダゾールの配合量を1部から16部(エピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子1モルに対し、0.32モルの割合)に変更した以外は、実施例1と同様にして、カチオン化ポリエーテルゴム5を製造した(収量116部)。そして、得られたカチオン化ポリエーテルゴム5について、実施例1と同様にしてオニウムイオン単位含有率を測定したところ、オニウムイオン単位含有率は10.2モル%、ムーニー粘度は49であった。
(ゴム組成物5、およびゴム架橋物5の製造)
カチオン化ポリエーテルゴム1 100部を用いる代わりに、上記にて得られたカチオン化ポリエーテルゴム5 100部を用い、酸化亜鉛の配合量を10部から2部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物5およびゴム架橋物5を得て、同様にして各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
(ゴム組成物6の製造)
実施例3で得られたカチオン化ポリエーテルゴム3を用い、酸化亜鉛を配合しなかった以外は、実施例3と同様にして、ゴム組成物6を得た。そして、得られたゴム組成物6を用いて、実施例3と同様に架橋させるための操作を行ったが、架橋反応が進行せず、各種の物性評価が行えるようなゴム架橋物を得ることができなかった。
〔比較例2〕
(ゴム組成物7、およびゴム架橋物7の製造)
40℃のオープンロールに、製造例2で得られたポリエーテルゴムA 100部、架橋剤として硫黄(サルファックスPMC、鶴見化学工業社製)0.5部、架橋促進剤としてテトラエチルチウラムジスルフィド(ノクセラーTET、大内新興化学工業社製)1部、充填剤としてカーボンブラック(シーストSO、東海カーボン社製)10部、架橋促進助剤として、酸化亜鉛(ZnO#1、正同化学社製)5部、およびステアリン酸1部を投入し、10分間混練し混合することにより、ゴム組成物7を調製した。次いで、得られたゴム組成物7を、170℃のプレス成形機で20分間プレス架橋して、ゴム架橋物7を得た。そして、得られたゴム架橋物7について、実施例1と同様にして各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
(ゴム組成物8、およびゴム架橋物8の製造)
40℃のオープンロールに、製造例2で得られたポリエーテルゴムA 100部、架橋剤として4,4’−ジチオジモルホリン(バルノックR、大内新興化学工業社製)0.5部、架橋促進剤としてテトラエチルチウラムジスルフィド(ノクセラーTET、大内新興化学工業社製)1.5部、ジベンゾチアジルジスルフィド(ノクセラーDM、大内新興化学工業社製)1.5部、充填剤としてカーボンブラック(シーストSO、東海カーボン社製)10部、架橋促進助剤として、酸化亜鉛(ZnO#1、正同化学社製)5部、およびステアリン酸1部を投入し、10分間混練し混合することにより、ゴム組成物8を調製した。次いで、得られたゴム組成物8を、170℃のプレス成形機で20分間プレス架橋して、ゴム架橋物8を得た。そして、得られたゴム架橋物8について、実施例1と同様にして各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例4〕
(ゴム組成物9、およびゴム架橋物9の製造)
実施例3で得られたカチオン化ポリエーテルゴム3を用い、酸化亜鉛5部の代わりに、水酸化カルシウム5部を用いた以外は、実施例3と同様にして、ポリエーテルゴム組成物9およびゴム架橋物9を得て、同様にして各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006171267
表1より、本発明所定の一般式(1)で表される単位を0.1〜30モル%含有するポリエーテルゴムと、金属酸化物とを含むゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物は、いずれも、体積固有抵抗値が低く、体積固有抵抗値の通電上昇値も抑制されており、さらには、低硬度であり、圧縮永久歪み率も小さくなる結果となった(実施例1〜5)。
一方、金属酸化物を配合しない場合には、架橋反応が進行せず、各種の物性評価が行えるようなゴム架橋物を得ることができなかった(比較例1)。
また、ポリエーテルゴムとして、本発明所定の一般式(1)で表される単位を含有しないものを用いた場合には、得られるゴム架橋物は、体積固有抵抗値が高く、また、体積固有抵抗値の通電上昇値も大きくなる結果となった(比較例2,3)。
さらに、金属酸化物の代わりに、水酸化カルシウムを用いた場合には、得られるゴム架橋物は、硬度が高くなり、さらには、圧縮永久歪み率も大きくなる結果となった(比較例4)。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される単位を0.1〜30モル%含有するポリエーテルゴム100重量部に対し、金属酸化物0.01〜20重量部を含むゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。
    Figure 0006171267
    (上記一般式(1)中において、R は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。Xは任意の対アニオンである。)
  2. 前記金属酸化物が酸化亜鉛である請求項1に記載のゴム架橋物。
  3. 請求項1または2に記載のゴム架橋物を有してなる導電性部材。
  4. エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴムに、下記一般式(2)で表される化合物を、前記エピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子1モルに対し、0.001〜50モルの割合で混合し、40〜200℃で反応させることにより、下記一般式(1)で表される単位を0.1〜30モル%含有するポリエーテルゴムを得た後、
    前記一般式(1)で表される単位を0.1〜30モル%含有するポリエーテルゴム100重量部に対し、少なくとも金属酸化物0.01〜20重量部を混合してゴム組成物を得、さらに前記ゴム組成物を架橋させることを特徴とするゴム架橋物の製造方法。
    Figure 0006171267
    (上記一般式(1)中において、R は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。Xは任意の対アニオンである。)
    Figure 0006171267
    (上記一般式(2)中において、R は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
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