JP5835060B2 - ゴム架橋物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ゴム架橋物の製造方法に関し、より詳しくは、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を製造するための方法に関する。
プリンタ、電子写真複写機、およびファクシミリ装置などの画像形成装置において、半導電性が必要とされる機構には、導電性ロール、導電性ブレード、導電性ベルトなどの導電性部材が用いられている。
このような導電性部材は、その用途に応じて、所望の範囲の導電性(電気抵抗値とそのばらつき、環境依存性、電圧依存性)、非汚染性、低硬度、および寸法安定性などの種々の性能が要求されている。
このような導電性部材の一部を構成するゴムに導電性を付与する方法としては、カーボンブラックなどの導電性付与剤をゴム中に少量練りこみ、分散させることにより、導電性部材の電気抵抗を制御する方法が周知である。しかし、この方法では、練りこむ少量の導電性付与剤の分散性をコントロールすることが難しく、また、成形・架橋時のゴム流動によって、導電性付与剤の分散状態が変化し、その結果、電気抵抗値がばらつき、鮮明な画像を得にくいという問題があった。
そこで、電気抵抗値のばらつきを解決する方法として、導電性付与剤を配合しなくてもゴム自体に半導電性を有する、ポリエーテルゴムなどが導電性部材用途に用いられてきた。しかしながら、近年、画像形成装置においては高速化が要求され、導電性部材、特に、導電性ロールには更なる低電気抵抗化が望まれている。電気抵抗値を低くする方法としては、ポリエーテルゴムの構成単位の一つであるエチレンオキサイド単量体単位量を増やすことが有効であるが、エチレンオキサイド単量体単位量を増やすと、ゴム自体が水溶性になり、製造が困難になる場合がある。また、感光体への汚染を引き起こすという問題があった。そのため、従来の方法では、ポリエーテルゴム中のエチレンオキサイド単量体単位をある一定量までしか増加することができず、低電気抵抗化の要求を十分満たすことができなかった。
また、従来より、導電性部材に電圧を印加すると、連続使用により導電性部材が通電劣化し、導電性部材の電気抵抗値が上昇し、これにより、画像品質が低下するという問題があった。この問題に対し、たとえば、特許文献1では、n−ブチルジメチルアミンやトリメチルアミンなどの脂肪族アミンをオニウム化剤として用いて導入されたオニウムイオンを有する単量体の単位を、0.1モル%以上30モル%未満含有するポリエーテルゴムが開示されている。しかしながら、この特許文献1に記載のポリエーテルゴムを用いて得られるゴム架橋物は、電気抵抗値のばらつきが少なく、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されているものの、硬度が高く、そのため、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたものが望まれていた。
国際公開第2011/081152号
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を製造するための方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴムと、特定のイミダゾール環を有する化合物0.1〜30重量部と、金属酸化物0.01〜20重量部とを含むポリエーテルゴム組成物を、130〜200℃で反応させることにより、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴム100重量部に対し、下記一般式(1)で表される化合物0.1〜30重量部、および金属酸化物0.01〜20重量部を含むポリエーテルゴム組成物を、130〜200℃で反応させることにより得られるゴム架橋物の製造方法が提供される。
Figure 0005835060
(一般式(1)中において、RおよびRは、水素または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
好ましくは、前記ポリエーテルゴム組成物が、前記ポリエーテルゴム、前記一般式(1)で表される化合物、および前記金属酸化物を0〜100℃で混練することにより得られたものである。
好ましくは、前記ポリエーテルゴムが、不飽和オキサイド単量体単位をさらに含有する。
好ましくは、前記金属酸化物が、酸化亜鉛である。
本発明によれば、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたゴム架橋物を提供することができる。
本発明のゴム架橋物の製造方法は、エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴム100重量部に対し、後述する一般式(1)で表される化合物0.1〜30重量部、および金属酸化物0.01〜20重量部を含むポリエーテルゴム組成物を、130〜200℃で反応させることを特徴とする。
以下においては、まず、本発明で用いるポリエーテルゴム組成物を構成する各成分について説明する。
<エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴム>
本発明で用いるエピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴム(以下、「ポリエーテルゴム」と略記する。)は、エピハロヒドリン単量体単位を必須の構成単位とするゴムであり、エピハロヒドリン単量体のみを重合することにより得られたものであってもよく、あるいは、エピハロヒドリン単量体と共重合可能な他の単量体とを共重合することにより得られたものであってもよい。
エピハロヒドリン単量体単位を構成するエピハロヒドリン単量体としては、特に限定されないが、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、エピフルオロヒドリンなどが挙げられる。これらのなかでも、エピクロロヒドリンが好ましい。エピハロヒドリン単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるポリエーテルゴム中における、エピハロヒドリン単量体単位の含有割合は、全単量体単位中、0.1〜100モル%であることが好ましく、10〜79モル%であることがより好ましく、15〜58モル%であることが特に好ましい。エピハロヒドリン単量体単位の含有割合が前記範囲内にあると、ポリエーテルゴムを架橋性に優れたものとすることができる。一方、少なすぎると、架橋が不十分となり、得られるゴム架橋物の形状維持が困難になる場合がある。
本発明で用いるポリエーテルゴムは、エピハロヒドリン単量体単位に加えて、不飽和オキサイド単量体単位をさらに含有していることが好ましい。不飽和オキサイド単量体単位を形成する不飽和オキサイド単量体としては、分子内に少なくとも一つの炭素−炭素不飽和結合(芳香環の炭素−炭素不飽和結合は除く)と、少なくとも一つのエポキシ基とを含有する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテルなどのアルケニルグリシジルエーテル類;3,4−エポキシ−1−ブテン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−9−デセンなどのアルケニルエポキシド類;などが挙げられる。これらのなかでも、アルケニルグリシジルエーテル類が好ましく、アリルグリシジルエーテルがより好ましい。不飽和オキサイド単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるポリエーテルゴム中における、不飽和オキサイド単量体単位の含有割合は、全単量体単位中、0〜15モル%であることが好ましく、1〜12モル%であることがより好ましく、2〜10モル%であることが特に好ましい。不飽和オキサイド単量体単位の含有割合が前記範囲内にあると、ポリエーテルゴムを架橋性に優れたものとすることができる。一方、不飽和オキサイド単量体単位の含有割合が少なすぎると、得られるゴム架橋物の圧縮永久歪が悪化する場合がある。また、不飽和オキサイド単量体単位の含有割合が多すぎると、重合反応中に、ポリマー分子中あるいはポリマー分子間のゲル化反応(3次元架橋反応)などを起こし易くなって、成形加工性が低下するおそれがある。
また、本発明で用いるポリエーテルゴムは、低電気抵抗性の観点から、エピハロヒドリン単量体単位および不飽和オキサイド単量体単位に加えて、エチレンオキサイド単量体単位をさらに含有していることが好ましい。エチレンオキサイド単量体単位は、エチレンオキサイド単量体により形成される単位である。本発明で用いるポリエーテルゴム中における、エチレンオキサイド単量体単位の含有割合は、全単量体単位中、0〜90モル%であることが好ましく、20〜80モル%であることがより好ましく、40〜75モル%であることが特に好ましい。エチレンオキサイド単量体単位の含有割合が前記範囲内にあると、得られるゴム架橋物は低電気抵抗性に優れる。一方、エチレンオキサイド単量体単位の含有割合が少なすぎると、得られるゴム架橋物の電気抵抗値の低減効果が得難くなる。また、エチレンオキサイド単量体単位の含有割合が多すぎると、ポリエーテルゴムの製造が困難になるおそれがある。
さらに、本発明で用いるポリエーテルゴムは、エピハロヒドリン単量体単位、不飽和オキサイド単量体単位、およびエチレンオキサイド単量体単位に加えて、これらと共重合可能なその他の単量体単位を含有していてもよい。その他の単量体単位としては、たとえば、エチレンオキサイドを除いたアルキレンオキサイド単量体単位が好ましく挙げられる。エチレンオキサイドを除いたアルキレンオキサイド単量体単位を形成するアルキレンオキサイド単量体としては、特に限定されないが、たとえば、プロピレンオキサイド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシ−4−クロロペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシエイコサン、1,2−エポキシイソブタン、2,3−エポキシイソブタンなどの直鎖状または分岐鎖状アルキレンオキサイド;1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロドデカンなどの環状アルキレンオキサイド;ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテルなどのアルキル直鎖または分岐鎖を有するグリシジルエーテル;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどのオキシエチレン側鎖を有するグリシジルエーテル;などが挙げられる。これらのなかでも、直鎖状アルキレンオキサイドが好ましく、プロピレンオキサイドがより好ましい。これらエチレンオキサイドを除いたアルキレンオキサイド単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるポリエーテルゴム中における、エチレンオキサイドを除いたアルキレンオキサイド単量体単位の含有割合は、全単量体単位中、30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。エチレンオキサイドを除いたアルキレンオキサイド単量体単位の含有割合が多すぎると、得られるゴム架橋物の体積固有抵抗値が上昇するおそれがある。
また、アルキレンオキサイド単量体を除く、その他の共重合可能な単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテルなどのアリールエポキシド類;などが挙げられる。本発明で用いるポリエーテルゴム中における、アルキレンオキサイド単量体を除く、その他の共重合可能な単量体単位の含有割合は、全単量体単位中、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、5モル%以下がさらに好ましい。
本発明で用いるポリエーテルゴムは、溶液重合法または溶媒スラリー重合法などにより、上述した各単量体を開環重合することにより得ることができる。
重合に用いる重合触媒としては、一般のポリエーテル重合用触媒であれば、特に限定されない。重合触媒としては、例えば、有機アルミニウムに水とアセチルアセトンを反応させた触媒(特公昭35−15797号公報);トリイソブチルアルミニウムにリン酸とトリエチルアミンを反応させた触媒(特公昭46−27534号公報);トリイソブチルアルミニウムにジアザビシクロウンデセンの有機酸塩とリン酸とを反応させた触媒(特公昭56−51171号公報);アルミニウムアルコキサイドの部分加水分解物と有機亜鉛化合物とからなる触媒(特公昭43−2945号公報);有機亜鉛化合物と多価アルコールとからなる触媒(特公昭45−7751号公報);ジアルキル亜鉛と水とからなる触媒(特公昭36−3394号公報);トリブチル錫クロライドとトリブチルホスフェートとからなる触媒(特許第3223978号公報);などが挙げられる。
重合溶媒としては、不活性溶媒であれば、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−へキサンなどの直鎖状飽和炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状飽和炭化水素類;などが用いられる。これらのなかでも、溶液重合法により開環重合する場合は、得られるポリエーテルゴムの溶解性の観点から、芳香族炭化水素を用いることが好ましく、トルエンがより好ましい。
重合反応温度は、20〜150℃が好ましく、50〜130℃がより好ましい。重合様式は、回分式、半回分式、連続式などの任意の方法で行うことができる。
本発明で用いるポリエーテルゴムは、ブロック共重合、ランダム共重合のいずれの共重合タイプでも構わないが、特に、単量体にエチレンオキサイドを用いる場合、ランダム共重合体の方がよりポリエチレンオキサイドの結晶性を低下させ、ゴム弾性を損ないにくいために好ましい。
重合反応により得られたポリエーテルゴムを溶媒から回収する方法は、特に限定されないが、例えば、凝固・ろ別・脱水・乾燥方法を適宜組合わせることにより行う。ポリエーテルゴムが溶解している溶液から、ポリエーテルゴムを凝固させる方法としては、例えば、常法であるスチームストリッピングや貧溶媒を用いた析出方法などを用いることができる。また、ポリエーテルゴムを含むスラリーから、ポリエーテルゴムをろ別する方法としては、必要に応じて、例えば、回転式スクリーン、振動スクリーンなどの篩を用いる方法などを挙げることができる。さらに、ポリエーテルゴムの脱水方法としては、例えば、遠心脱水機;ロール、バンバリー式脱水機、スクリュー押出機式脱水機などの圧縮水絞機;などを用いて脱水する方法を挙げることができる。さらに、ポリエーテルゴムの乾燥方法としては、例えば、ニーダー型乾燥機、エキスパンダー乾燥機、熱風乾燥機、減圧乾燥機などの乾燥機を用いる方法;などを挙げることができる。これら上述した方法および用いる機器等は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明で用いるポリエーテルゴムの重量平均分子量は、20万〜200万であることが好ましく、40万〜150万であることがより好ましい。重量平均分子量が高すぎると、ムーニー粘度が高くなり、成形加工が難しくなるおそれがある。一方、重量平均分子量が低すぎると、得られるゴム架橋物の圧縮永久歪みが悪化するおそれがある。
本発明で用いるポリエーテルゴムのムーニー粘度(ポリマームーニー粘度・ML1+4,100℃)は、10〜120であることが好ましく、30〜90であることがより好ましい。ムーニー粘度が高すぎると、成形加工性に劣り、導電性部材用途への成形がし難くなる。さらに、スウェル(押し出し成形時にダイの径より押出物の径が大きくなること)が発生し、寸法安定性が低下するおそれがある。一方、ムーニー粘度が低すぎると、得られるゴム架橋物の機械的強度が低下するおそれがある。
<特定のイミダゾール環を有する化合物>
本発明で用いる特定のイミダゾール環を有する化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 0005835060
(一般式(1)中において、RおよびRは、水素または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
炭素数1〜10のアルキル基としては、特に限定されないが、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、およびペンチル基などが挙げられる。
前記一般式(1)中において、Rは、水素またはメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。Rは、水素であることが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールなどを挙げることができる。これらのなかでも、ポリエーテルゴムの架橋を十分に進行させることができ、かつ、得られるゴム架橋物の体積固有抵抗値の低減効果が高いという点より、1−メチルイミダゾールがより好ましい。
本発明で用いるポリエーテルゴム組成物中における、前記一般式(1)で表される化合物の配合量は、ポリエーテルゴム100重量部に対して、0.1〜30重量部であり、好ましくは0.2〜25重量部、より好ましくは0.5〜20重量部である。前記一般式(1)で表される化合物の配合量が前記範囲内にあると、ポリエーテルゴムの架橋を十分に進行させることができ、さらに、得られるゴム架橋物は、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたものとなる。一方、前記一般式(1)で表される化合物の配合量が少なすぎると、架橋反応が不十分となり、ゴム架橋物を得られない場合がある。また、配合量が多すぎると、得られるゴム架橋物が硬くなり、ゴム弾性体としての特質が失われる場合がある。前記一般式(1)で表される化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<金属酸化物>
本発明で用いる金属酸化物は、特に限定されないが、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、および酸化カルシウムなどが挙げられる。これらのなかでも、得られるゴム架橋物が耐圧縮永久歪み性に優れるという点より、酸化亜鉛が好ましい。金属酸化物は、それぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
金属酸化物の配合量は、ポリエーテルゴム100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、好ましくは0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.5〜10重量部である。金属酸化物の配合量が前記範囲内にあると、ポリエーテルゴムの架橋を十分に進行させることができ、さらに、得られるゴム架橋物は、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたものとなる。一方、金属酸化物の配合量が多すぎると、得られるゴム架橋物が硬くなり、ゴム弾性体としての特質が失われる場合がある。また、配合量が少なすぎると、架橋反応が不十分となり、ゴム架橋物を得られない場合がある。
本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物と、金属酸化物とを併用することにより、公知の架橋剤を用いることなく、ポリエーテルゴムの架橋反応を十分に進行させることができる。さらに、得られるゴム架橋物は、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたものとなる。
また、本発明で用いるポリエーテルゴム組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、およびこれらゴムの部分水素添加物(例えば、水素化ニトリルゴム)などのジエン系ゴム;エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、ポリエーテル系ゴム(本発明のポリエーテルゴムを除く)、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどのジエン系ゴム以外のゴム;オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー;ポリ塩化ビニル、クマロン樹脂、フェノール樹脂などの樹脂;を含有していてもよい。これらのゴム、熱可塑性エラストマー、および樹脂は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ、これらの合計配合量は、ポリエーテルゴム100重量部に対して、100重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましく、20重量部以下が特に好ましい。
さらに、本発明で用いるポリエーテルゴム組成物には、上述した添加剤以外に、公知のゴムに通常配合されるその他の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラックなどの充填剤;ステアリン酸などの架橋促進助剤(本発明で用いる金属酸化物は除く);架橋促進剤;受酸剤;補強剤;老化防止剤;紫外線吸収剤;耐光安定剤;粘着付与剤;界面活性剤;導電性付与剤;電解質物質;着色剤(染料・顔料);難燃剤;帯電防止剤;などが挙げられる。
本発明で用いるポリエーテルゴム組成物中における、カーボンブラックなどの充填剤の配合割合は、ポリエーテルゴム100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部であり、より好ましくは1〜20重量部である。充填剤の配合量が上記範囲内であると、得られるゴム架橋物の補強効果が得られやすくなる。また、本発明で用いるポリエーテルゴム組成物中における、ステアリン酸などの架橋促進助剤(本発明で用いる金属酸化物は除く)の配合割合は、ポリエーテルゴム100重量部に対して、好ましくは0.01〜15重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。架橋促進助剤の配合量が上記範囲内であると、架橋を十分に進行させることができる。
本発明で用いるポリエーテルゴム組成物は、ポリエーテルゴムに、一般式(1)で表される化合物、金属酸化物、および必要に応じて用いられる各添加剤を、所望の方法により調合、混練することにより調製することができる。なお、各成分を混練する際には、後述するポリエーテルゴムの側鎖のカチオン化が起こらない温度、かつ架橋が起こらない温度で混練することが好ましく、具体的には、0〜100℃で混練を行うことが好ましく、10〜90℃で混練を行うことがより好ましい。混練時間は、30秒〜30分が好ましい。また、調合、混練に際しては、例えば、ニーダー、バンバリー、オープンロール、カレンダーロール、押出機など任意の混練成形機を用いることができ、これらは複数組み合わせて用いてもよい。
<ゴム架橋物の製造方法>
本発明の製造方法により得られるゴム架橋物は、上述したポリエーテルゴム組成物を、130〜200℃で反応させることにより製造される。本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物と、金属酸化物とを併用し、所定温度以上に加熱することにより、公知の架橋剤を用いることなく、ポリエーテルゴムの架橋反応を十分に進行させることができる。
本発明においては、上述したポリエーテルゴム組成物を、130〜200℃に加熱することにより、ポリエーテルゴムの架橋を進行させながら、ポリエーテルゴム組成物中に含まれる一般式(1)で表される化合物のうち、少なくとも一部が、ポリエーテルゴムの側鎖にカチオン化された状態で結合する反応を進行させることができる。そして、これにより、得られるゴム架橋物を構成する架橋ポリエーテルゴム中に、下記一般式(2)で示す単位を導入することができる。
Figure 0005835060
一般式(2)中において、RおよびRは、水素または炭素数1〜10のアルキル基を表す。Xは任意の対アニオンである。
なお、前記一般式(1)で表される化合物は、通常、ポリエーテルゴムに含有されるエピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子の少なくとも一部を置換することで、ポリエーテルゴムの側鎖にカチオン化された状態で結合することとなる。
上記一般式(2)中において、Rは、水素またはメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。Rは、水素であることが好ましい。
特に、本発明によれば、前記一般式(1)で表される化合物のうち、少なくとも一部が、ポリエーテルゴムの側鎖にカチオン化された状態で結合することにより、得られるゴム架橋物を、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制され、かつ低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたものとすることができる。加えて、本発明によれば、ポリエーテルゴムの架橋と、前記一般式(1)で表される化合物をポリエーテルゴムの側鎖にカチオン化された状態で結合させる反応とを同時に進行させることにより、ポリエーテルゴムの架橋およびこのような反応を別々に行う場合と比較して、簡易かつ短時間でこれらの反応を行うことができる。
本発明において、上述したポリエーテルゴム組成物を、反応させる際における加熱温度は、130〜200℃であり、好ましくは140〜190℃、より好ましくは150〜180℃である。加熱温度が低すぎると、ポリエーテルゴム組成物の架橋、およびポリエーテルゴムの側鎖のカチオン化が不十分となってしまい、得られるゴム架橋物の体積固有抵抗値が上昇したり、ゴム架橋物の形状維持が困難となる。一方、加熱温度が高すぎると、ポリエーテルゴムが分解したり、前記一般式(1)で表される化合物が揮発するおそれがある。
また、加熱時間は特に限定されないが、好ましくは1分〜6時間であり、より好ましくは5分〜3時間、さらに好ましくは10分〜1時間である。加熱方法としては、プレス加熱、オーブン加熱、蒸気加熱、熱風加熱、およびマイクロ波加熱などの方法を適宜選択すればよい。さらに、必要に応じて、通常の方法に従って二次架橋を行ってもよい。
なお、上記一般式(2)中において、Xで表される任意の対アニオンとは、イオン結合にて、カチオン化されたイミダゾール環と結合している負の電荷を有する化合物または原子であり、負の電荷を持つこと以外は特に限定されないが、通常、ポリエーテルゴムに含有されるエピハロヒドリン単量体単位を構成するハロゲン原子に由来するハロゲン化物イオンであり、好ましくは塩化物イオンである。また、本発明においては、このような対アニオンの少なくとも一部を、公知のイオン交換反応により、任意の対アニオンにアニオン交換してもよい。
また、本発明の製造方法により得られるゴム架橋物を構成する架橋ポリエーテルゴム中における、上記一般式(2)で表される単位の含有割合は、好ましくは0.1〜30モル%であり、より好ましくは0.3〜25モル%、さらに好ましくは0.5〜12モル%である。上記一般式(2)で表される単位の含有割合が前記範囲内にあると、得られるゴム架橋物を、低硬度で圧縮永久歪率が小さく、電気抵抗値が低く、かつ、体積固有抵抗値の通電上昇を抑制可能なものとすることができる。一方、上記一般式(2)で表される単位の含有割合が少なすぎると、得られるゴム架橋物の体積固有抵抗値が高くなり、連続して電圧を印加した場合に電気抵抗値が上昇する場合がある。また、上記一般式(2)で表される単位の含有割合が多すぎると、得られるゴム架橋物が硬くなり、ゴム弾性体としての特質が失われる場合がある。また、本発明の製造方法により得られるゴム架橋物において、反応前のポリエーテルゴム組成物に配合した前記一般式(1)で表される化合物のうち、好ましくは0.1〜100重量%、より好ましくは1〜100重量%が、ポリエーテルゴムの側鎖にカチオン化された状態で結合していることが好ましい。
本発明の製造方法により得られるゴム架橋物を構成する架橋ポリエーテルゴム中における、上記一般式(2)で表される単位の含有割合(以下、「オニウムイオン単位含有率」とも記す。)を調べる方法としては、公知の方法を用いればよい。たとえば、オニウムイオン単位含有率を簡便かつ定量的に求める方法としては、本発明のゴム架橋物を13C−NMR測定することにより、前記一般式(1)で表される化合物に由来するカチオン性イミダゾール環を含有する基の含有量を定量する方法が挙げられる。具体的には、まず、本発明の製造方法により得られるゴム架橋物を構成する架橋ポリエーテルゴムの主鎖であるポリエーテル鎖に由来するピークの積分値から、ポリマー中の全単量体単位(オニウムイオン単位を含む)のモル数B1を算出する。次に、カチオン性イミダゾール環を含有する基に由来するピークの積分値から、導入されているオニウムイオン単位(上記一般式(2)で表される単位)のモル数B2を算出する。そして、導入されている上記一般式(2)で表される単位のモル数B2を、ポリマー中の全単量体単位(オニウムイオン単位を含む)のモル数B1で除することにより、オニウムイオン単位含有率を、以下の式(3)により算出することができる。
オニウムイオン単位含有率(モル%)=100×B2/B1・・(3)
本発明の製造方法により得られるゴム架橋物の体積固有抵抗値は、温度23℃、湿度50%とした測定環境にて、印加電圧を1000Vとし、電圧印加開始から30秒後の値において、通常、1×104.0〜1×109.5Ω・cmであり、好ましくは1×104.5〜1×108.0Ω・cmであり、より好ましくは1×105.0〜1×107.2Ω・cmである。ゴム架橋物の体積固有抵抗値が前記範囲内にあると、低電気抵抗性に優れた導電性部材が得られる。一方、ゴム架橋物の体積固有抵抗値が高すぎると、同じ電流を流すためにより高い電圧を印加しなければならず、消費電力量が多くなることから導電性部材には不向きである。また、ゴム架橋物の体積固有抵抗値が低すぎると、電圧印加方向以外の意図しない方向に電流が流れてしまい、導電性部材として用いた場合に、導電性部材としての機能を損ねるおそれがある。
本発明の製造方法により得られるゴム架橋物の体積固有抵抗値の通電上昇値は、前記体積固有抵抗値の測定条件において、電圧印加開始から10分後のlog10(体積固有抵抗値)から、電圧印加開始から30秒後のlog10(体積固有抵抗値)を減じたものにおいて、0〜0.5の範囲にあることが好ましい。
本発明の製造方法により得られるゴム架橋物は、電気抵抗値が低く、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されており、かつ、低硬度で耐圧縮永久歪み性に優れたものであり、そのため、このような特性を活かして、各種工業ゴム製品用材料として有用であり、例えば、複写機や印刷機などに使用される、導電性ロール、導電性ブレード、導電性ベルトなどの導電性部材;靴底やホース用材料;コンベアーベルトやエスカレータのハンドレールなどのベルト用材料;シール、パッキン用材料;などとして用いることができる。これらのなかでも、複写機や印刷機などに使用される導電性部材として用いることが好ましく、特に、導電性ロールに好適に用いることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の「部」および「%」は、特に断りのない限り、重量基準である。
オニウムイオン単位含有率の測定、および各種の物性については、以下の方法に従って評価した。
[ムーニー粘度]
ムーニー粘度は、JIS K6300に従って、100℃で測定した。
[オニウムイオン単位含有率]
実施例におけるオニウムイオン単位含有率の測定は、核磁気共鳴装置(13C−NMR)を用いて、以下のように行った。具体的には、まず、ゴム架橋物を構成する架橋ポリエーテルゴムの主鎖であるポリエーテル鎖に由来するピークの積分値から、ポリマー中の全単量体単位(オニウムイオン単位を含む)のモル数B1を算出した。次に、カチオン性イミダゾール環を含有する基に由来するピークの積分値から、導入されているオニウムイオン単位(前記一般式(2)で表される単位)のモル数B2を算出した。導入されているオニウムイオン単位(前記一般式(2)で表される単位)のモル数B2を、ポリマー中の全単量体単位(オニウムイオン単位を含む)のモル数B1で除することにより、オニウムイオン単位含有率を、以下の式(3)により算出した。
オニウムイオン単位含有率(モル%)=100×B2/B1・・(3)
[体積固有抵抗値(23℃、50%RH)]
得られたシート状のゴム架橋物(縦15cm、横10cm、厚さ2mm)を用いて、体積固有抵抗値を測定した。体積固有抵抗値の測定は、K6271の2重リング電極法に準拠して行い、測定条件は、温度23℃、湿度50%とし、印加電圧は1000Vとし、電圧の印加を開始してから30秒後の値を測定した。体積固有抵抗値は、数値が小さいほど、導電性に優れている。
[体積固有抵抗値の通電上昇値(23℃、50%RH)]
体積固有抵抗値の通電上昇値は、上記の体積固有抵抗値の測定条件にて、電圧の印加を開始してから10分後のlog10(体積固有抵抗値)から、電圧の印加を開始してから30秒後のlog10(体積固有抵抗値)を減じたものとした。体積固有抵抗値の通電上昇値は、数値が小さいほど、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されることを示す。
[圧縮永久歪み率]
JIS K6262に従い、得られたゴム架橋物(直径29mm、高さ12.7mmの円柱型)を25%圧縮させた状態で、70℃の環境下で22時間放置した後、圧縮を解放して圧縮永久歪み率を測定した。圧縮永久歪み率は、その数値が小さいほど、ゴム弾性を保持しており、ゴムとして優れていると判断することができる。
[硬度の測定(23℃、50%RH)]
硬度の測定は、JIS K6253に従い、タイプAデュロメータを使用し測定した。
(製造例1、重合触媒の製造)
密閉した耐圧ガラス容器を窒素置換して、トルエン200部およびトリイソブチルアルミニウム60部を供給した。このガラスボトルを氷水に浸漬して冷却後、ジエチルエーテル230部を添加し、攪拌した。次に、氷水で冷却しながら、リン酸13.6部を添加し、さらに攪拌した。この時、トリイソブチルアルミニウムとリン酸の反応により、容器内圧が上昇するので適時脱圧を実施した。得られた反応混合物を60℃の温水浴内で1時間熟成反応して触媒溶液を得た。
(製造例2、ポリエーテルゴムの製造)
オートクレーブに、エピクロロヒドリン223.5部、アリルグリシジルエーテル27.5部、エチレンオキサイド19.7部、トルエン2585部を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら内溶液を50℃に昇温し、上記で得た触媒溶液11.6部を添加して反応を開始した。次に、反応開始からエチレンオキサイド129.3部をトルエン302部に溶解した溶液を5時間かけて等速度で連続添加した。また、反応開始後30分毎に触媒溶液を6.2部ずつ、5時間にわたり添加した。次いで、水15部を添加して攪拌し、反応を終了させた。ここに更に、老化防止剤として4,4’−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)の5%トルエン溶液45部を添加し、攪拌した。スチームストリッピングを実施してトルエンを除去し、上澄み水を除去後、60℃にて真空乾燥し、ポリエーテルゴム400部を得た。このポリエーテルゴムの単量体組成比は、エピクロロヒドリン単量体単位40モル%、エチレンオキサイド単量体単位56モル%、アリルグリシジルエーテル単量体単位4モル%であった。また、ムーニー粘度は60であった。
〔実施例1〕
40℃のオープンロールに、製造例2で得られたポリエーテルゴム100部、1−メチルイミダゾール1部、充填剤としてカーボンブラック(シーストSO、東海カーボン社製)10部、および架橋促進助剤として、酸化亜鉛(ZnO#1、正同化学社製)5部、ステアリン酸1部を投入し、10分間混練することにより、ポリエーテルゴム組成物を調製した。次いで、得られたポリエーテルゴム組成物を、170℃のプレス成形機で20分間プレスして、ゴム架橋物を得た。そして、得られたゴム架橋物について、上述した方法にしたがって、オニウムイオン単位含有率の測定、および体積固有抵抗値、体積固有抵抗値の通電上昇値、圧縮永久歪み率、および硬度の物性評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
1−メチルイミダゾールの配合量を1部から3.9部に、酸化亜鉛の配合量を5部から3.9部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエーテルゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様にオニウムイオン単位含有率の測定、および各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
1−メチルイミダゾールの配合量を1部から3.9部に、酸化亜鉛の配合量を5部から10部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエーテルゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様にオニウムイオン単位含有率の測定、および各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
1−メチルイミダゾールの配合量を1部から6.4部に、酸化亜鉛の配合量を5部から6.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエーテルゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様にオニウムイオン単位含有率の測定、および各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例5〕
1−メチルイミダゾールの配合量を1部から10部に、酸化亜鉛の配合量を5部から1部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエーテルゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様にオニウムイオン単位含有率の測定、および各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
酸化亜鉛を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリエーテルゴム組成物を得た。そして、得られたポリエーテルゴム組成物を用いて、実施例1と同様に架橋を行おうとしたが、架橋反応が進行せず、各種の物性評価が行えるような架橋物を得ることができなかった。
〔比較例2〕
1−メチルイミダゾール1部の代わりに、2−メルカプトベンゾイミダゾール(ノクラックMB、大内新興化学工業社製)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリエーテルゴム組成物を得た。そして、得られたポリエーテルゴム組成物を用いて、実施例1と同様に架橋を行おうとしたが、架橋反応が進行せず、各種の物性評価が行えるような架橋物を得ることができなかった。
〔比較例3〕
40℃のオープンロールに、製造例2で得られたポリエーテルゴム100部、架橋剤として硫黄(サルファックスPMC、鶴見化学工業社製)0.5部、架橋促進剤としてテトラエチルチウラムジスルフィド(ノクセラーTET、大内新興化学工業社製)1部、充填剤としてカーボンブラック(シーストSO、東海カーボン社製)10部、および架橋促進助剤として、酸化亜鉛(ZnO#1、正同化学社製)5部、ステアリン酸1部を投入し、10分間混練することにより、ポリエーテルゴム組成物を調製した。次いで、得られたポリエーテルゴム組成物を、170℃のプレス成形機で20分間プレスして、ゴム架橋物を得た。そして、得られたゴム架橋物について、実施例1と同様に各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例4〕
40℃のオープンロールに、製造例2で得られたポリエーテルゴム100部、架橋剤として4,4’−ジチオジモルホリン(バルノックR、大内新興化学工業社製)0.5部、架橋促進剤として、テトラエチルチウラムジスルフィド(ノクセラーTET、大内新興化学工業社製)1.5部、ジベンゾチアジルジスルフィド(ノクセラーDM、大内新興化学工業社製)1.5部、充填剤としてカーボンブラック(シーストSO、東海カーボン社製)10部、および架橋促進助剤として、酸化亜鉛(ZnO#1、正同化学社製)5部、ステアリン酸1部を投入し、10分間混練することにより、ポリエーテルゴム組成物を調製した。次いで、得られたポリエーテルゴム組成物を、170℃のプレス成形機で20分間プレスして、ゴム架橋物を得た。そして、得られたゴム架橋物について、実施例1と同様に各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例5〕
酸化亜鉛3.9部の代わりに、水酸化カルシウム9.5部を用いた以外は、実施例2と同様にして、ポリエーテルゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様にオニウムイオン単位含有率の測定、および各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005835060
表1より、ポリエーテルゴムに、本発明所定の一般式(1)で表される化合物および金属酸化物を配合してなるポリエーテルゴム組成物を、130〜200℃で反応させることにより得られるゴム架橋物は、いずれも、体積固有抵抗値が低く、体積固有抵抗値の通電上昇値も抑制されており、さらには、低硬度で圧縮永久歪み率も小さくなる結果となった(実施例1〜5)。
一方、ポリエーテルゴム組成物に、金属酸化物を配合しなかった場合、および本発明所定の一般式(1)で表される化合物に代えて、縮合複素環式化合物である2−メルカプトベンゾイミダゾールを用いた場合には、架橋反応が進行せず、各種の物性評価が行えるような架橋物を得ることができなかった(比較例1,2)。
また、本発明所定の一般式(1)で表される化合物を配合しなかった場合には、得られるゴム架橋物は、いずれも体積固有抵抗値および/または体積固有抵抗値の通電上昇値が高くなる結果となった(比較例3,4)。
さらに、金属酸化物に代えて、金属水酸化物を用いた場合には、得られるゴム架橋物は、圧縮永久歪み率が大きくなる結果となった(比較例5)。

Claims (4)

  1. エピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴム100重量部に対し、下記一般式(1)で表される化合物0.1〜30重量部、および金属酸化物0.01〜20重量部を含むポリエーテルゴム組成物を、130〜200℃で反応させることにより得られ、下記一般式(2)で表される単位を備える、ゴム架橋物の製造方法。
    Figure 0005835060
    (一般式(1)中において、R は、炭素数1〜10のアルキル基、は、水素または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
    Figure 0005835060
    (一般式(2)中において、R は、炭素数1〜10のアルキル基、R は、水素または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
  2. 前記ポリエーテルゴム組成物が、前記ポリエーテルゴム、前記一般式(1)で表される化合物、および前記金属酸化物を0〜100℃で混練することにより得られたものであることを特徴とする請求項1に記載のゴム架橋物の製造方法。
  3. 前記ポリエーテルゴムが、不飽和オキサイド単量体単位をさらに含有する請求項1または2に記載のゴム架橋物の製造方法。
  4. 前記金属酸化物が、酸化亜鉛である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム架橋物の製造方法。
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