JP5835060B2 - ゴム架橋物の製造方法 - Google Patents
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好ましくは、前記ポリエーテルゴムが、不飽和オキサイド単量体単位をさらに含有する。
好ましくは、前記金属酸化物が、酸化亜鉛である。
以下においては、まず、本発明で用いるポリエーテルゴム組成物を構成する各成分について説明する。
本発明で用いるエピハロヒドリン単量体単位を含有するポリエーテルゴム(以下、「ポリエーテルゴム」と略記する。)は、エピハロヒドリン単量体単位を必須の構成単位とするゴムであり、エピハロヒドリン単量体のみを重合することにより得られたものであってもよく、あるいは、エピハロヒドリン単量体と共重合可能な他の単量体とを共重合することにより得られたものであってもよい。
本発明で用いる特定のイミダゾール環を有する化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
本発明で用いる金属酸化物は、特に限定されないが、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、および酸化カルシウムなどが挙げられる。これらのなかでも、得られるゴム架橋物が耐圧縮永久歪み性に優れるという点より、酸化亜鉛が好ましい。金属酸化物は、それぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明の製造方法により得られるゴム架橋物は、上述したポリエーテルゴム組成物を、130〜200℃で反応させることにより製造される。本発明においては、前記一般式(1)で表される化合物と、金属酸化物とを併用し、所定温度以上に加熱することにより、公知の架橋剤を用いることなく、ポリエーテルゴムの架橋反応を十分に進行させることができる。
オニウムイオン単位含有率(モル%)=100×B2/B1・・(3)
オニウムイオン単位含有率の測定、および各種の物性については、以下の方法に従って評価した。
ムーニー粘度は、JIS K6300に従って、100℃で測定した。
実施例におけるオニウムイオン単位含有率の測定は、核磁気共鳴装置(13C−NMR)を用いて、以下のように行った。具体的には、まず、ゴム架橋物を構成する架橋ポリエーテルゴムの主鎖であるポリエーテル鎖に由来するピークの積分値から、ポリマー中の全単量体単位(オニウムイオン単位を含む)のモル数B1を算出した。次に、カチオン性イミダゾール環を含有する基に由来するピークの積分値から、導入されているオニウムイオン単位(前記一般式(2)で表される単位)のモル数B2を算出した。導入されているオニウムイオン単位(前記一般式(2)で表される単位)のモル数B2を、ポリマー中の全単量体単位(オニウムイオン単位を含む)のモル数B1で除することにより、オニウムイオン単位含有率を、以下の式(3)により算出した。
オニウムイオン単位含有率(モル%)=100×B2/B1・・(3)
得られたシート状のゴム架橋物(縦15cm、横10cm、厚さ2mm)を用いて、体積固有抵抗値を測定した。体積固有抵抗値の測定は、K6271の2重リング電極法に準拠して行い、測定条件は、温度23℃、湿度50%とし、印加電圧は1000Vとし、電圧の印加を開始してから30秒後の値を測定した。体積固有抵抗値は、数値が小さいほど、導電性に優れている。
体積固有抵抗値の通電上昇値は、上記の体積固有抵抗値の測定条件にて、電圧の印加を開始してから10分後のlog10(体積固有抵抗値)から、電圧の印加を開始してから30秒後のlog10(体積固有抵抗値)を減じたものとした。体積固有抵抗値の通電上昇値は、数値が小さいほど、連続使用した場合でも電気抵抗値の上昇が抑制されることを示す。
JIS K6262に従い、得られたゴム架橋物(直径29mm、高さ12.7mmの円柱型)を25%圧縮させた状態で、70℃の環境下で22時間放置した後、圧縮を解放して圧縮永久歪み率を測定した。圧縮永久歪み率は、その数値が小さいほど、ゴム弾性を保持しており、ゴムとして優れていると判断することができる。
[硬度の測定(23℃、50%RH)]
硬度の測定は、JIS K6253に従い、タイプAデュロメータを使用し測定した。
密閉した耐圧ガラス容器を窒素置換して、トルエン200部およびトリイソブチルアルミニウム60部を供給した。このガラスボトルを氷水に浸漬して冷却後、ジエチルエーテル230部を添加し、攪拌した。次に、氷水で冷却しながら、リン酸13.6部を添加し、さらに攪拌した。この時、トリイソブチルアルミニウムとリン酸の反応により、容器内圧が上昇するので適時脱圧を実施した。得られた反応混合物を60℃の温水浴内で1時間熟成反応して触媒溶液を得た。
オートクレーブに、エピクロロヒドリン223.5部、アリルグリシジルエーテル27.5部、エチレンオキサイド19.7部、トルエン2585部を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら内溶液を50℃に昇温し、上記で得た触媒溶液11.6部を添加して反応を開始した。次に、反応開始からエチレンオキサイド129.3部をトルエン302部に溶解した溶液を5時間かけて等速度で連続添加した。また、反応開始後30分毎に触媒溶液を6.2部ずつ、5時間にわたり添加した。次いで、水15部を添加して攪拌し、反応を終了させた。ここに更に、老化防止剤として4,4’−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)の5%トルエン溶液45部を添加し、攪拌した。スチームストリッピングを実施してトルエンを除去し、上澄み水を除去後、60℃にて真空乾燥し、ポリエーテルゴム400部を得た。このポリエーテルゴムの単量体組成比は、エピクロロヒドリン単量体単位40モル%、エチレンオキサイド単量体単位56モル%、アリルグリシジルエーテル単量体単位4モル%であった。また、ムーニー粘度は60であった。
40℃のオープンロールに、製造例2で得られたポリエーテルゴム100部、1−メチルイミダゾール1部、充填剤としてカーボンブラック(シーストSO、東海カーボン社製)10部、および架橋促進助剤として、酸化亜鉛(ZnO#1、正同化学社製)5部、ステアリン酸1部を投入し、10分間混練することにより、ポリエーテルゴム組成物を調製した。次いで、得られたポリエーテルゴム組成物を、170℃のプレス成形機で20分間プレスして、ゴム架橋物を得た。そして、得られたゴム架橋物について、上述した方法にしたがって、オニウムイオン単位含有率の測定、および体積固有抵抗値、体積固有抵抗値の通電上昇値、圧縮永久歪み率、および硬度の物性評価を行った。結果を表1に示す。
1−メチルイミダゾールの配合量を1部から3.9部に、酸化亜鉛の配合量を5部から3.9部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエーテルゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様にオニウムイオン単位含有率の測定、および各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
1−メチルイミダゾールの配合量を1部から3.9部に、酸化亜鉛の配合量を5部から10部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエーテルゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様にオニウムイオン単位含有率の測定、および各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
1−メチルイミダゾールの配合量を1部から6.4部に、酸化亜鉛の配合量を5部から6.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエーテルゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様にオニウムイオン単位含有率の測定、および各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
1−メチルイミダゾールの配合量を1部から10部に、酸化亜鉛の配合量を5部から1部に変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリエーテルゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様にオニウムイオン単位含有率の測定、および各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
酸化亜鉛を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリエーテルゴム組成物を得た。そして、得られたポリエーテルゴム組成物を用いて、実施例1と同様に架橋を行おうとしたが、架橋反応が進行せず、各種の物性評価が行えるような架橋物を得ることができなかった。
1−メチルイミダゾール1部の代わりに、2−メルカプトベンゾイミダゾール(ノクラックMB、大内新興化学工業社製)1部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリエーテルゴム組成物を得た。そして、得られたポリエーテルゴム組成物を用いて、実施例1と同様に架橋を行おうとしたが、架橋反応が進行せず、各種の物性評価が行えるような架橋物を得ることができなかった。
40℃のオープンロールに、製造例2で得られたポリエーテルゴム100部、架橋剤として硫黄(サルファックスPMC、鶴見化学工業社製)0.5部、架橋促進剤としてテトラエチルチウラムジスルフィド(ノクセラーTET、大内新興化学工業社製)1部、充填剤としてカーボンブラック(シーストSO、東海カーボン社製)10部、および架橋促進助剤として、酸化亜鉛(ZnO#1、正同化学社製)5部、ステアリン酸1部を投入し、10分間混練することにより、ポリエーテルゴム組成物を調製した。次いで、得られたポリエーテルゴム組成物を、170℃のプレス成形機で20分間プレスして、ゴム架橋物を得た。そして、得られたゴム架橋物について、実施例1と同様に各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
40℃のオープンロールに、製造例2で得られたポリエーテルゴム100部、架橋剤として4,4’−ジチオジモルホリン(バルノックR、大内新興化学工業社製)0.5部、架橋促進剤として、テトラエチルチウラムジスルフィド(ノクセラーTET、大内新興化学工業社製)1.5部、ジベンゾチアジルジスルフィド(ノクセラーDM、大内新興化学工業社製)1.5部、充填剤としてカーボンブラック(シーストSO、東海カーボン社製)10部、および架橋促進助剤として、酸化亜鉛(ZnO#1、正同化学社製)5部、ステアリン酸1部を投入し、10分間混練することにより、ポリエーテルゴム組成物を調製した。次いで、得られたポリエーテルゴム組成物を、170℃のプレス成形機で20分間プレスして、ゴム架橋物を得た。そして、得られたゴム架橋物について、実施例1と同様に各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
酸化亜鉛3.9部の代わりに、水酸化カルシウム9.5部を用いた以外は、実施例2と同様にして、ポリエーテルゴム組成物およびゴム架橋物を得て、同様にオニウムイオン単位含有率の測定、および各種の物性評価を行った。結果を表1に示す。
また、本発明所定の一般式(1)で表される化合物を配合しなかった場合には、得られるゴム架橋物は、いずれも体積固有抵抗値および/または体積固有抵抗値の通電上昇値が高くなる結果となった(比較例3,4)。
さらに、金属酸化物に代えて、金属水酸化物を用いた場合には、得られるゴム架橋物は、圧縮永久歪み率が大きくなる結果となった(比較例5)。
Claims (4)
- 前記ポリエーテルゴム組成物が、前記ポリエーテルゴム、前記一般式(1)で表される化合物、および前記金属酸化物を0〜100℃で混練することにより得られたものであることを特徴とする請求項1に記載のゴム架橋物の製造方法。
- 前記ポリエーテルゴムが、不飽和オキサイド単量体単位をさらに含有する請求項1または2に記載のゴム架橋物の製造方法。
- 前記金属酸化物が、酸化亜鉛である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム架橋物の製造方法。
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