JP6170921B2 - フィルムロール用コア、フィルムロール及びフィルムロールの製造方法 - Google Patents

フィルムロール用コア、フィルムロール及びフィルムロールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6170921B2
JP6170921B2 JP2014528085A JP2014528085A JP6170921B2 JP 6170921 B2 JP6170921 B2 JP 6170921B2 JP 2014528085 A JP2014528085 A JP 2014528085A JP 2014528085 A JP2014528085 A JP 2014528085A JP 6170921 B2 JP6170921 B2 JP 6170921B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
film roll
film
tube
roll core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014528085A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014021146A1 (ja
Inventor
悦希 野田
悦希 野田
弘治 笹井
弘治 笹井
修 風藤
修 風藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Publication of JPWO2014021146A1 publication Critical patent/JPWO2014021146A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6170921B2 publication Critical patent/JP6170921B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H75/00Storing webs, tapes, or filamentary material, e.g. on reels
    • B65H75/02Cores, formers, supports, or holders for coiled, wound, or folded material, e.g. reels, spindles, bobbins, cop tubes, cans, mandrels or chucks
    • B65H75/04Kinds or types
    • B65H75/08Kinds or types of circular or polygonal cross-section
    • B65H75/10Kinds or types of circular or polygonal cross-section without flanges, e.g. cop tubes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H75/00Storing webs, tapes, or filamentary material, e.g. on reels
    • B65H75/02Cores, formers, supports, or holders for coiled, wound, or folded material, e.g. reels, spindles, bobbins, cop tubes, cans, mandrels or chucks
    • B65H75/18Constructional details
    • B65H75/185End caps, plugs or adapters
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H75/00Storing webs, tapes, or filamentary material, e.g. on reels
    • B65H75/02Cores, formers, supports, or holders for coiled, wound, or folded material, e.g. reels, spindles, bobbins, cop tubes, cans, mandrels or chucks
    • B65H75/18Constructional details
    • B65H75/30Arrangements to facilitate driving or braking

Landscapes

  • Storage Of Web-Like Or Filamentary Materials (AREA)
  • Winding Of Webs (AREA)

Description

本発明は、フィルムロール用コア、当該フィルムロール用コアを用いたフィルムロール、当該フィルムロールの製造方法、及びフィルムの巻取装置に関する。
フィルムロールとしては長尺のフィルムを筒状のコアに巻き付けたものが存在する。具体的には、例えば偏光フィルムを製造するための原反などとして用いられるポリビニルアルコール系重合体フィルム(以下、「ポリビニルアルコール系重合体」を「PVA」と略記することがある)を筒状のコアに巻き付けたものが存在する。このPVAフィルムから形成される偏光フィルムは、例えばフラットパネルディスプレイ(液晶ディスプレイ等)に用いられている。昨今、フラットパネルディスプレイの大型化に伴ってPVAフィルムも幅が広いものが求められている。
このようなPVAフィルムのフィルムロールの大型化に伴ってフィルムロール用コアの軽量化及び強度の向上を図るために、炭素繊維強化プラスチック製のフィルムロール用コアが提案されている(特開2006−205536号公報参照)。
特開2006−205536号公報
しかしながら、上記公報所載のフィルムロール用コアは強度やコストの点でさらなる改良の余地があった。すなわち、通常、フィルムロール用コアにフィルムを巻き取ったり、フィルムロールからフィルムを巻き出す作業においては、筒状のフィルムロール用コアに巻取装置や巻出装置が有する棒状部材を挿入し、フィルムロール用コア内部で棒状部材を介してこれらの装置に固定することにより、巻き取りや巻き出しの作業が行われる。また、フィルムロールを搬送用の架台に載せたり架台から降ろす作業においても同様に、筒状のフィルムロール用コアに支持棒を挿入し、その支持棒を介して行われることがある。ところが、特に、フラットパネルディスプレイのさらなる大型化によってより広い幅のPVAフィルムが求められた場合や、フィルムロール使用時におけるフィルムロール交換作業の煩雑さを低減する観点からフィルムの巻き長をより長くした場合、フィルムロール用コアの軸方向の長さを長くする必要が生じたり、フィルムロールの重量が一層増大したりすることにより、上記公報所載のフィルムロール用コアでは、PVAフィルムに対しては許容される範囲内であったとしても単位長あたりにわずかに撓みが生じるため、この単位長あたりのわずかな撓みが加算されて上記棒状部材や支持棒のフィルムロール用コアへの挿入が困難になったり、棒状部材や支持棒によってフィルムロール用コア内部に傷が付いたりする不具合が生じやすい。また、特に上記棒状部材はフィルムロール用コア内部で固定できるようにするため比較的複雑な構造を有していることから、より長い棒状部材はその製造が困難である。
このような問題を解消する手段としては、棒状部材や支持棒を使用せずにフィルムロール用コアの両端部を保持する方法が考えられ、例えばフィルムロール用コアの両端から内側にそれぞれ軸方向に所定長さ分だけ保持部材(のチャック部)を挿入することによりフィルムロール用コアの両端部を保持する方法が考えられる。
しかしながら、軸方向に内径変化のない一般的な円筒状のフィルムロール用コアを用いた場合には、これを保持する両端部が破損したり変形したりしやすいという問題が生じる。この問題を解消するため、単にフィルムロール用コア全体の厚みを厚くした場合には、炭素繊維強化プラスチック製のフィルムロール用コアにあってはコスト高につながり、金属製のフィルムロール用コアにあってはその重量が過度に大きくなってフィルムロール用コア自体やそれを用いたフィルムロールの取り扱い性が低下する。
また、上記方法では、特にフィルムロールの重量が一層増大した際などにおいて、フィルムロール用コアを複数回使用すると比較的大きな力が加わる保持部材と接する部分でフィルムロール用コアの摩耗・破損・変形等が生じやすいという問題が生じる。また、たとえ棒状部材や支持棒といった保持部材を使用できたとしても、やはり両端部においてフィルムロール用コアが摩耗等しやすい。フィルムロール用コアにこのような摩耗等が生じた場合には、フィルムロール用コア全体を初めから製造し直す必要が生じるため、煩雑であったり、材料が無駄になったり、コスト高になったりする。
さらに、上述のようにフィルムロールの重量が一層増大した際などにおいて、保持部材とフィルムロール用コアとの間で滑りが生じやすく、保持部材の回転動力がフィルムロール用コアに十分に伝わらない、あるいは、フィルムロール用コアが意図しない回転をする、等の問題を生じやすい。また、たとえ棒状部材や支持棒といった保持部材を使用できたとしても、やはりこれらの保持部材とフィルムロール用コアとの間で滑りが生じやすい。
また、冬季の寒冷地などにおいて、空調されていない保管場所から空調された加工場へフィルムロールを搬入すると、フィルムロールの表面に結露が発生することがある。特に最近では既述のようにフィルムロールの重量が増してきたことから、フィルムロールの熱容量の増加とそれに伴うフィルムロール全体の温度変化速度の低下に起因して、結露がより発生しやすくなってきている。このような結露は、フィルムの温度の影響を受けやすい筒状のフィルムロール用コアの内周面において特に発生しやすい。フィルムロール用コアの内周面に結露が発生すると、フィルムロール搬送時の振動やフィルムロール使用時の回転などによって結露による水がフィルムロール用コアの内部から外部に流れ出てフィルムに達し、フィルムの品質が低下する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の第一の課題は、両端部が十分な強度を有していて両端部で保持することができ取り扱い性に優れるとともに、軽量化及び低コスト化が図られていて、しかもフィルムロール用コアの内周面に結露が発生したとしても外部に流れ出にくいフィルムロール用コア、取り扱い性に優れ、軽量及び低コストで、結露の影響を受けにくいフィルムロール、及び、当該フィルムロールの製造方法を提供することにある。
また、本発明の第二の課題は、フィルムロール用コアに摩耗等が生じた場合にあっても、摩耗等した古い部材以外の部材を再利用することができてフィルムロール用コア全体を初めから製造し直す必要のないフィルムロール用コア、フィルムロール、及びフィルムロールの製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の第三の課題は、巻取装置や巻出装置などが有するフィルムロール用コアを保持するための保持部材とフィルムロール用コアとの間で滑りが生じにくく、安定してフィルムの巻き付けや巻き出しなどを行うことのできるフィルムロール用コア、フィルムロール、フィルムロールの製造方法、及びフィルムの巻取装置を提供することを課題とする。
上記第一の課題を解決すべく、本発明に係るフィルムロール用コアは、
フィルムが巻き付けられる筒状の芯管を備えるフィルムロール用コアであって、
芯管が、軸方向中央部に両端部より内径が大きい肉薄部を有するものである。
当該フィルムロール用コアは、両端部が十分な強度を有していて、フィルムロール用コアの軸方向の長さがより長い場合や、フィルムロールの重量が一層増大する場合であっても、その両端部を保持するように巻取装置や巻出装置などが有する回転可能な保持部材に安定して装着することができて、この保持部材の回転によって、フィルムロール用コアにフィルムを巻き付けたり、フィルムロールからフィルムを巻き出したりすることができる。また、当該フィルムロール用コアは、芯管の軸方向中央部に肉薄部を有するので、軽量化及び低コスト化が図られる。
さらに、当該フィルムロール用コアは、芯管の軸方向中央部(肉薄部)が両端部より内径が大きく設けられているので、フィルムロール用コアの内周面に結露が発生してもそれによる水は肉薄部の内周面上に溜まり、外部に流れ出にくい。このため、当該フィルムロール用コアに巻き付けたフィルムの品質低下が生じにくい。
当該フィルムロール用コアは、芯管が、筒状の管本体と、この管本体の両端部に配設され、肉薄部の内周面の両端に隣接する境界壁を形成する壁部材とを有することが好ましい。これにより、両端より内径が大きい肉薄部を芯管の軸方向中央部に容易且つ確実に形成することができる。
上記壁部材は、管本体に嵌入着される内嵌部材であることが好ましい。これにより、管本体と壁部材(内嵌部材)との固定状態がより確実となる。
当該フィルムロール用コアは、芯管が金属製であることが好ましい。これにより芯管の強度や加工性をより高めることができる。特に、この金属は炭素鋼であることが好ましい。これにより芯管の強度をさらに高めることができる。
当該フィルムロール用コアは、肉薄部の内周面にメッキが施されていることが好ましい。これにより、当該部分の耐食性が向上し、例えばフィルムロール用コアの内周面に発生した結露による水が肉薄部の内周面上に溜まった場合にあってもフィルムロール用コアの内周面の腐食を防止することができる。
当該フィルムロール用コアは、芯管が、その両端部に、脱着可能に取り付けられた筒状のエッジ部材を有することが好ましい。フィルムロール用コアの両端部を保持するようにしてこれを複数回使用すると、この両端部に摩耗・破損・変形等を生じやすいが、上記のような構成とすることにより、摩耗等した古いエッジ部材を、管本体や壁部材など芯管を構成するエッジ部材以外の部材から離脱し、代わりに新しいエッジ部材を取り付けることによって、これらエッジ部材以外の部材を再利用することができる。
当該フィルムロール用コアは、その両端部に、フィルムロール用コアを保持するための保持部材に対する相対回転を規制するための係合部を有することが好ましい。これにより当該フィルムロール用コアを巻取装置に装着した際やフィルムロールを巻出装置に装着した際などに、当該フィルムロール用コアの係合部が、巻取装置や巻出装置などが有する回転可能な保持部材側に設けられた対応する係合部と係合することができ、この保持部材に対するフィルムロール用コアの相対回転が規制され、フィルムロール用コアと保持部材とをともに回転させることができ、あるいは、フィルムロール用コアの意図しない回転を防止することができる。また、フィルムロール用コアの上記係合部は凹状であることが好ましい。これにより、当該フィルムロール用コアやそれを用いたフィルムロールを搬送する際に係合部が破損するのを抑制することができる。
当該フィルムロール用コアは、上記係合部を形成するキー部材をさらに備えることが好ましい。これにより、例えば複数回の使用によって係合部が摩耗等した場合に、摩耗等した古いキー部材を芯管から離脱し、代わりに新しいキー部材を取り付けることによって、芯管を再利用することができる。
また、本発明に係るフィルムロールは、上記のフィルムロール用コアと、このフィルムロール用コアに巻き付けられた長尺のフィルムとを備える。
当該フィルムロールにあっては、既述のように、上記フィルムロール用コアにおいて両端部が十分な強度を有していて、フィルムロール用コアの軸方向の長さがより長い場合や、フィルムロールの重量が一層増大する場合であっても、その両端部を保持するように巻出装置が有する回転可能な保持部材に安定して装着することができて、この保持部材の回転によって、フィルムロールからフィルムを巻き出すことができ、また軽量化及び低コスト化が図られていて、さらにフィルムロール用コアの内周面に結露が発生してもそれによる水が外部に流れ出にくいため、フィルムロールについても、取り扱い性に優れ、軽量及び低コストで、結露の影響を受けにくいものとなる。
当該フィルムロールにあっては、フィルムがPVAフィルムであることが好ましい。PVAフィルムは、偏光フィルムを製造するための原反として使用される場合などにおいてより高い品質が要求され、水による影響も大きいため、本発明の効果がより顕著に奏される。
また、本発明に係るフィルムロールの製造方法は、上記のフィルムロール用コアを巻取装置に装着する工程、及び上記巻取装置に装着されたフィルムロール用コアを回転させることで長尺のフィルムを当該フィルムロール用コアに巻き付ける工程を含む。
当該フィルムロールの製造方法にあっては、既述のように、上記フィルムロール用コアにおいて軽量化が図られているため、巻取装置に装着する工程を比較的容易に行うことができ、また巻取装置から容易に離脱することができる。また、フィルムロール用コアにおいて低コスト化も図られている。したがって、当該製造方法によれば、フィルムロールを円滑に低コストで製造することができる。
当該フィルムロールの製造方法にあっては、上記装着する工程において、巻取装置が有する対向する一対の回転可能な保持部材がフィルムロール用コアの両端部を保持することでフィルムロール用コアを巻取装置に装着することが好ましい。これにより、既述のような問題を生じやすい棒状部材を使用せずにフィルムロール用コアを巻取装置の保持部材に安定して装着することができて、この保持部材の回転によって、フィルムロール用コアにフィルムを円滑に巻き付けることができる。
当該フィルムロールの製造方法にあっては、フィルムがPVAフィルムであることが好ましい。PVAフィルムは、偏光フィルムを製造するための原反として使用される場合などにおいてより高い品質が要求され、水による影響も大きいため、本発明の効果がより顕著に奏される。
上記第二の課題を解決すべく、本発明に係るフィルムロール用コアは、
フィルムが巻き付けられる筒状の芯管を備えるフィルムロール用コアであって、
芯管が、その両端部に、脱着可能に取り付けられた筒状のエッジ部材を有するものである。
当該フィルムロール用コアは、摩耗等が生じた場合にあっても、摩耗等した古いエッジ部材を、芯管を構成するエッジ部材以外の部材から離脱し、代わりに新しいエッジ部材を取り付けることによって、エッジ部材以外の部材を再利用することができてフィルムロール用コア全体を初めから製造し直す必要がない。
当該フィルムロール用コアは、芯管が金属製であることが好ましい。これにより芯管の強度や加工性をより高めることができる。特に、この金属は炭素鋼であることが好ましい。これにより、芯管の強度をさらに高めることができる。
当該フィルムロール用コアは、芯管の内周面にメッキが施されていることが好ましい。冬季の寒冷地などにおいて、空調されていない保管場所から空調された加工場へフィルムロールを搬入すると、フィルムロールの表面に結露が発生することがある。特に最近では既述のようにフィルムロールの重量が増してきたことから、フィルムロールの熱容量の増加とそれに伴うフィルムロール全体の温度変化速度の低下に起因して、結露がより発生しやすくなってきている。このような結露は、フィルムの温度の影響を受けやすい筒状のフィルムロール用コアの内周面において特に発生しやすい。これに対し、芯管の内周面にメッキが施されていると、当該部分の耐食性が向上し、例えばフィルムロール用コアの内周面に結露が生じた場合にあってもフィルムロール用コアの内周面の腐食を防止することができる。
また、本発明に係るフィルムロールは、上記のフィルムロール用コアと、このフィルムロール用コアに巻き付けられた長尺のフィルムとを備える。これにより、既述のフィルムロール用コアと同様の利点を奏することができる。
当該フィルムロールにあっては、フィルムがPVAフィルムであることが好ましい。PVAフィルムは、偏光フィルムを製造するための原反として使用される場合などにおいてより高い品質が要求されるため、フィルムの品質に悪影響を与える可能性のある摩耗等が生じたフィルムロール用コアを無理に継続して使用する必要のない本発明において特に適する。
また、本発明に係るフィルムロールの製造方法は、上記のフィルムロール用コアを巻取装置に装着する工程、及び巻取装置に装着されたフィルムロール用コアを回転させることで長尺のフィルムをフィルムロール用コアに巻き付ける工程を含む。これにより、既述のフィルムロール用コアと同様の利点を奏することができる。
当該フィルムロールの製造方法にあっては、上記装着する工程において、巻取装置が有する対向する一対の回転可能な保持部材がフィルムロール用コアの両端部を保持することでフィルムロール用コアを巻取装置に装着することが好ましい。これにより、既述のような問題を生じやすい棒状部材を使用せずにフィルムロール用コアを巻取装置の保持部材に安定して装着することができて、この保持部材の回転によって、フィルムロール用コアにフィルムを円滑に巻き付けることができる。
当該フィルムロールの製造方法にあっては、フィルムがPVAフィルムであることが好ましい。PVAフィルムは、偏光フィルムを製造するための原反として使用される場合などにおいてより高い品質が要求されるため、フィルムの品質に悪影響を与える可能性のある摩耗等が生じたフィルムロール用コアを無理に継続して使用する必要のない本発明において特に適する。
上記第三の課題を解決すべく、本発明に係るフィルムロール用コアは、
フィルムが巻き付けられる筒状の芯管を備えるフィルムロール用コアであって、
両端部に、フィルムロール用コアを保持するための保持部材に対する相対回転を規制するための係合部を有するものである。
当該フィルムロール用コアは、フィルムロールの重量が一層増大する場合であっても、フィルムロール用コアを巻取装置に装着した際やフィルムロールを巻出装置に装着した際などに、当該フィルムロール用コアの係合部が、巻取装置や巻出装置などが有する保持部材側に設けられた対応する係合部と係合することができ、この保持部材に対するフィルムロール用コアの相対回転が規制され、フィルムロール用コアと保持部材とをともに回転させることができ、あるいは、フィルムロール用コアの意図しない回転を防止することができる。
上記係合部は凹状であることが好ましい。これにより、当該フィルムロール用コアやそれを用いたフィルムロールを輸送する際に係合部が破損するのを抑制することができる。
当該フィルムロール用コアは、上記係合部を形成するキー部材をさらに備えることが好ましい。これにより、例えば複数回の使用によって係合部が摩耗等した場合に、摩耗等した古いキー部材を芯管から離脱し、代わりに新しいキー部材を取り付けることによって、芯管を再利用することができる。
当該フィルムロール用コアは、芯管が金属製であることが好ましい。これにより芯管の強度や加工性をより高めることができる。特に、この金属は炭素鋼であることが好ましい。これにより、芯管の強度をさらに高めることができる。
当該フィルムロール用コアは、芯管の内周面にメッキが施されていることが好ましい。冬季の寒冷地などにおいて、空調されていない保管場所から空調された加工場へフィルムロールを搬入すると、フィルムロールの表面に結露が発生することがある。特に最近では既述のようにフィルムロールの重量が増してきたことから、フィルムロールの熱容量の増加とそれに伴うフィルムロール全体の温度変化速度の低下に起因して、結露がより発生しやすくなってきている。このような結露は、フィルムの温度の影響を受けやすい筒状のフィルムロール用コアの内周面において特に発生しやすい。これに対し、芯管の内周面にメッキが施されていると、当該部分の耐食性が向上し、例えばフィルムロール用コアの内周面に結露が生じた場合にあってもフィルムロール用コアの内周面の腐食を防止することができる。
当該フィルムロール用コアは、芯管が、その両端部に、脱着可能に取り付けられた筒状のエッジ部材を有することが好ましい。フィルムロール用コアの両端部を保持するようにしてこれを複数回使用すると、この両端部に摩耗・破損・変形等を生じやすいが、上記のような構成とすることにより、摩耗等した古いエッジ部材を、芯管を構成するエッジ部材以外の部材から離脱し、代わりに新しいエッジ部材を取り付けることによって、エッジ部材以外の部材を再利用することができる。
また、本発明に係るフィルムロールは、上記のフィルムロール用コアと、このフィルムロール用コアに巻き付けられた長尺のフィルムとを備える。これにより、既述のフィルムロール用コアと同様の利点を奏することができる。
当該フィルムロールにあっては、フィルムがPVAフィルムであることが好ましい。PVAフィルムは、偏光フィルムを製造するための原反として使用される場合などにおいてより高い品質が要求されるため、安定してフィルムの巻き付けや巻き出しなどを行うことができる本発明において特に適する。
また、本発明に係るフィルムロールの製造方法は、上記のフィルムロール用コアを巻取装置に装着する工程、及び巻取装置に装着されたフィルムロール用コアを回転させることで長尺のフィルムをフィルムロール用コアに巻き付ける工程を含み、装着する工程において、フィルムロール用コアが有する係合部を、これに対応する係合部であって巻取装置が有する保持部材に形成された係合部と係合させる。これにより、既述のフィルムロール用コアと同様の利点を奏することができる。
当該フィルムロールの製造方法にあっては、上記装着する工程において、巻取装置が有する対向する一対の回転可能な保持部材がフィルムロール用コアの両端部を保持することでフィルムロール用コアを巻取装置に装着することが好ましい。これにより、既述のような問題を生じやすい棒状部材を使用せずにフィルムロール用コアを巻取装置の保持部材に安定して装着することができて、この保持部材の回転によって、フィルムロール用コアにフィルムを円滑に巻き付けることができる。
当該フィルムロールの製造方法にあっては、フィルムがPVAフィルムであることが好ましい。PVAフィルムは、偏光フィルムを製造するための原反として使用される場合などにおいてより高い品質が要求されるため、安定してフィルムの巻き付けを行うことができる本発明において特に適する。
また、上記課題を解決すべく、本発明に係るフィルムの巻取装置は、
フィルムが巻き付けられる筒状の芯管を備えるフィルムロール用コアを装着可能なフィルムの巻取装置であって、
フィルムロール用コアを保持するための回転可能な保持部材を備え、
保持部材は、フィルムロール用コアの保持部材に対する相対回転を規制するためにフィルムロール用コアに設けられた係合部と係合可能な対応する係合部を有する。これにより、既述のフィルムロール用コアと同様の利点を奏することができる。
当該フィルムの巻取装置にあっては、対向する一対の保持部材を備えることが好ましい。これにより、既述のような問題を生じやすい棒状部材を使用せずにフィルムロール用コアをその両端部を保持するように巻取装置の保持部材に安定して装着することができて、この保持部材の回転によって、フィルムロール用コアにフィルムを円滑に巻き付けることができる。
当該フィルムの巻取装置にあっては、フィルムがPVAフィルムであることが好ましい。PVAフィルムは、偏光フィルムを製造するための原反として使用される場合などにおいてより高い品質が要求されるため、安定してフィルムの巻き付けを行うことができる本発明において特に適する。
以上説明したように、本発明に係るフィルムロール用コアは、芯管が軸方向中央部に両端部より内径が大きい肉薄部を有することで、両端部が十分な強度を有していて両端部で保持することができ取り扱い性に優れるとともに、軽量化及び低コスト化が図られていて、しかもフィルムロール用コアの内周面に結露が発生したとしても外部に流れ出にくい。また、このようなフィルムロール用コアを用いることで、本発明に係るフィルムロールは、取り扱い性に優れ、軽量及び低コストで、結露の影響を受けにくい。さらに本発明に係るフィルムロールの製造方法は、円滑で低コストなフィルムロールの製造を可能とする。
また、本発明に係るフィルムロール用コアは、芯管が、その両端部に、脱着可能に取り付けられた筒状のエッジ部材を有することで、フィルムロール用コアに摩耗等が生じた場合にあっても、摩耗等した古いエッジ部材以外の部材を再利用することができてフィルムロール用コア全体を初めから製造し直す必要がない。また、本発明に係るフィルムロール、及びフィルムロールの製造方法においても上記と同様の利点を奏することができる。
さらに、本発明に係るフィルムロール用コアは、両端部に、フィルムロール用コアを保持するための保持部材に対する相対回転を規制するための係合部を有することで、巻取装置や巻出装置などが有するフィルムロール用コアを保持するための保持部材とフィルムロール用コアとの間で滑りが生じにくく、安定してフィルムの巻き付けや巻き出しなどを行うことができる。また、本発明に係るフィルムロール、フィルムロールの製造方法、及びフィルムの巻取装置においても上記と同様の利点を奏することができる。
本発明の第一実施形態に係るフィルムロール用コアの概略的側面図である。 図1のA−A線矢視断面図(概略的断面図)である。 図1のフィルムロール用コアの芯管の壁部材(内嵌部材)の説明図であって、(a)は概略的側面図、(b)は(a)のB−B線矢視断面図(概略的断面図)である。 図1のフィルムロール用コアのキー部材の説明図であって、(a)は概略的側面図、(b)は(a)のC−C線矢視断面図(概略的断面図)である。 図1のフィルムロール用コアと巻取装置の保持部材との関係を説明するための概略的断面図(図1のA−A線に相当する部位における概略的断面図)である。 本発明の第二実施形態に係るフィルムロール用コアの概略的側面図である。 図6のD−D線矢視断面図(概略的断面図)である。 図6のフィルムロール用コアの芯管のエッジ部材の説明図であって、(a)は概略的側面図、(b)は(a)のE−E線矢視断面図(概略的断面図)である。 図6のフィルムロール用コアの芯管の内嵌部材の説明図であって、(a)は概略的側面図、(b)は(a)のF−F線矢視断面図(概略的断面図)である。 図6のフィルムロール用コアのキー部材の説明図であって、(a)は概略的側面図、(b)は(a)のG−G線矢視端面図(概略的断面図)である。 図6のフィルムロール用コアと巻取装置の保持部材との関係を説明するための概略的断面図(図6のD−D線に相当する部位における概略的断面図)である。
以下、適宜図面を参照しつつ、具体的な実施形態を例示して本発明を詳説するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
[第一実施形態]
まず本発明に係る第一実施形態のフィルムロール用コア1(以下、単にコア1ということがある)について、図1から図5を参酌しつつ以下説明する。
<コア1>
図1及び図2に示すコア1は、円筒状の芯管10と、この芯管10の両端部に付設される、各端部につき一対のキー部材70とを備えている。
(芯管10)
芯管10は、図1及び図2に示すように、外周面にフィルムが巻き付けられる円筒状の管本体11と、この管本体11の両端部に配設され、後述の肉薄部10aの内周面の両端に隣接する境界壁16を形成する円筒状の壁部材とを備えている。コア1において、壁部材は管本体11に嵌入着される内嵌部材15であり、管本体11と内嵌部材15とは同心軸上に配設されている。この芯管10は、上述のような管本体11と内嵌部材15とを有するので、軸方向中央部に両端部より内径が大きい肉薄部10a(管本体11のみからなる部分)を有している。なお、以下説明において、肉薄部10aの両端側に位置する、肉薄部10aより内径が小さい部分を肉厚部10bということがある。コア1においてこの肉厚部10bは、管本体11と内嵌部材15とが積層構造をなす部位であり、肉厚部10bの外層部位を管本体11が構成し、肉厚部10bの内層部位を内嵌部材15が構成している。管本体11の外径は軸方向に沿って略同径に設けられ、このため芯管10の肉厚部10bと肉薄部10aとは外周面が略面一に形成されている。
ここで、芯管10の外径(管本体11の外径)は、特に限定されるものではないが例えば30cm程度とすることができる。この芯管10の外径は、10cm以上であることが好ましく、20cm以上であることがより好ましく、25cm以上であることがさらに好ましい。芯管10の外径が上記範囲にあることにより、コア1の撓みをより効果的に抑制することができるとともに、フィルムの巻き付けも容易になる。また、芯管10の外径の上限は特に限定されるものではないが、芯管10が大型化すると重量が増大したり巻取装置や巻出装置への装着が困難になる傾向があることから、芯管10の外径は50cm以下が好ましく、35cm以下がより好ましい。
上記芯管10の軸方向の長さは、例えば5m程度とすることができる。なお、この芯管10の軸方向の長さは、巻き付けられるフィルムの幅に応じて適宜定めることができ、芯管10は、フィルムの幅よりも、好ましくは0.1cm以上40cm以下の範囲内、より好ましくは0.5cm以上35cm以下の範囲内、さらに好ましくは1cm以上30cm以下の範囲内でさらに長いものが好適に用いられる。ここで、広い幅のフィルムが要求されている現状を鑑みると、上記芯管10の軸方向の長さは、3m以上であることが好ましく、4m以上であることがより好ましく、5m以上であることがさらに好ましく、5.3m以上であることが特に好ましい。また、上記芯管10の軸方向の長さがあまりに長いと特殊な巻取装置や巻出装置が必要になる場合があることから、8m以下であることが好ましく、7m以下であることがより好ましく、6m以下であることがさらに好ましい。
管本体11は、内嵌部材15の先端面(芯管10の軸方向中央部側の面)と当接する当接面12を有しており、この管本体11の当接面12と内嵌部材15の先端面とは、芯管10の軸心に対して略垂直な面内に設けられている。具体的には、管本体11は、軸方向に略同一厚みで形成されているが、両端部(肉厚部10bの外層部位)が中央部よりも若干薄く形成されている。つまり、管本体11には、その内周側に両端から軸方向の一定距離分の段部がそれぞれ形成されている。そして、この管本体11の段部に上記内嵌部材15が装着されることで、管本体11の当接面12と内嵌部材15の先端面とが芯管10の軸心に対して略垂直な面内で当接している。当該当接面12と内嵌部材15の先端面とが芯管10の軸心に対して略垂直な面内で当接することによって、内嵌部材15をより確実に固定することができる。
また、上記管本体11の段部は、軸方向の長さが内嵌部材15の軸方向の長さと略同一に形成されている。このため、芯管10の両端のそれぞれにおいて、管本体11の外端面17(芯管10の両端側の面)と内嵌部材15の外端面18(芯管10の両端側の面)とは略面一に形成されている。この管本体11の段部及び内嵌部材15の軸方向の長さは、例えば25cm程度とすることができ、これらの軸方向の長さは、10cm以上50cm以下であることが好ましく、20cm以上30cm以下であることがより好ましい。これらの軸方向の長さが上記下限以上であることによって巻取装置100に装着した際のコア1の強度をより高めることができ、一方上記上限以下であることによってより軽量で低コストのコア1となる。
さらに、上記内嵌部材15は先端面全体が略面一に形成されているとともに、内嵌部材15の肉厚は上記管本体11の段部の深さ(径方向の幅)よりも厚く設けられている。このため、管本体11の段部から軸心に向けて突出した内嵌部材15の先端面の部分によって、肉薄部10aの内周面の両端に隣接する境界壁16が芯管10の内周面周方向に沿って形成されることになる。また、この境界壁16(内嵌部材15の先端面)は、周方向に連続するとともに、軸心に対して略垂直な面内に形成されることになる。境界壁が周方向に連続していない場合であっても、芯管が軸方向中央部に肉薄部を有することによって、フィルムロール用コアの両端部の強度を向上させたり、フィルムロール用コアの軽量化や低コスト化を達成することができ、また、フィルムロール用コアの向きを適切に管理することによって結露による水がフィルムロール用コアの内部から外部に流れ出るのを抑制することもできる。しかしながら、境界壁16が周方向に連続しているコア1にあっては、両端部の強度をより高めることができ、より十分に軽量化や低コスト化が達成でき、さらに、コア1の向きを特に管理せずとも結露による水がコア1の内部から外部に流れ出るのを抑制することができる。また、境界壁16が軸心に対して略垂直な面内に形成されることによって、結露による水がコア1の内部から外部に流れ出るのをより効果的に抑制することができる。
管本体11は、軸方向中央部(肉薄部10a)において厚みが1.5cm程度、内径が27cm程度、外径が30cm程度に設けることができる。また管本体11は、両端部(肉厚部10bの外層部位)において厚みが1cm程度、内径が28cm程度に設けることができる。したがって管本体11の段部の深さ(径方向の幅)は0.5cm程度とすることができる。一方、内嵌部材15は、厚み(径方向の幅)が3cm程度、内径が22cm程度、外径が28cm程度に設けることができる。したがって芯管10の肉厚部10bの厚み(管本体11の両端部の厚みと内嵌部材15の厚みとの和)は4cm程度とすることができる。また上記境界壁16の高さ(径方向の幅)は2.5cm程度とすることができる。
ここで、肉薄部10aの厚み(管本体11の軸方向中央部における厚み)は、0.5cm以上3cm以下であることが好ましく、1cm以上2cm以下であることがより好ましい。この肉薄部10aの厚みが上記下限以上であることによって、芯管10の軸方向中央部の強度が向上する。一方、肉薄部10aの厚みが上記上限以下であることによって、より軽量で低コストのコア1となる。
上記肉厚部10bの厚みは、上記肉薄部10aの厚みの1.5倍以上5倍以下であることが好ましく、2倍以上4倍以下であることがより好ましく、2.5倍以上3.5倍以下であることがさらに好ましい。肉厚部10bの厚みが上記下限以上であることによって、コア1の両端部の強度が向上する。一方、肉厚部10bの厚みが上記上限以下であることによって、より軽量で低コストのコア1となる。肉厚部10bの具体的な厚みは、2cm以上8cm以下であることが好ましく、2.5cm以上6cm以下であることがより好ましく、3cm以上5cm以下であることがさらに好ましい。
上記管本体11の段部の深さは、肉薄部10aの厚みの0.1倍以上0.6倍以下であることが好ましく、0.25倍以上0.45倍以下であることがより好ましく、0.3倍以上0.43倍以下であることがさらに好ましい。管本体11の段部の深さが上記下限以上であることによって、内嵌部材15をより確実に固定することができる。一方、管本体11の段部の深さが上記上限以下であることによって、内嵌部材15の嵌入着による管本体11の両端部の変形や破損をより効果的に防止することができる。管本体11の段部の深さは、0.1cm以上0.8cm以下であることが好ましく、0.3cm以上0.5cm以下であることがより好ましい。
コア1において芯管10は金属製であり、上記管本体11及び内嵌部材15は何れも金属製である。本発明においては芯管が炭素繊維強化プラスチックなど金属以外の素材によって形成されていてもよいが、金属製であると既述のように芯管の強度や加工性をより高めることができる。ここで、金属としては、鉄;炭素鋼、ステンレス鋼等の鋼;アルミニウム、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属などを採用可能であるが、十分な強度を有するとともに成形がしやすく低コストでもある炭素鋼が好ましい。
コア1において、上記管本体11の段部は、内径が内嵌部材15の外径と略同一に形成されており、内嵌部材15は管本体11(の段部)に圧入されている。当該圧入によって、内嵌部材15と管本体11とをより確実に固定することができる。ここで、管本体11への内嵌部材15の圧入は、焼嵌め又は冷やし嵌めによって行うことができる。なお、本発明において内嵌部材はボルト等の締結手段によって管本体に嵌入着されていてもよいし、溶接によって嵌入着されていてもよい。
管本体11及び内嵌部材15はともに同一素材から構成されていてもよいが、例えば内嵌部材15が管本体11を構成する素材よりも強度の高い素材から構成されるなど、異なる素材から構成されていてもよい。例えば管本体11をSTKM13Aなどの機械構造用炭素鋼管から製造し、内嵌部材15を機械構造用炭素鋼のうちS25C、S35C又はS45Cから製造することができる。
コア1において、上記芯管10の外周面(管本体11の外周面)は、硬質クロムメッキが施され、その後にさらにバフ仕上げがなされている。この硬質クロムメッキのメッキ層(図示省略)は、例えば平均厚みを40μm程度とすることができ、この平均厚みは1μm以上200μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。
上記の硬質クロムメッキ及びバフ仕上げなどによって、芯管10の外周面の表面粗さを調整するのが好ましい。具体的には芯管10の外周面の表面粗さ(Ra)は5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上2μm以下であることがさらに好ましい。芯管10の外周面の表面粗さ(Ra)が上記範囲にあることによって、フィルムロール用コアにフィルムを巻き付ける際の巻き付け開始作業をより円滑に行うことができる。
また、上記芯管10の肉薄部10aの内周面には、無電解ニッケルメッキが施されている。この無電解ニッケルメッキは、電気を用いずに化学反応によってニッケルメッキを施すものである。芯管の肉薄部の内周面に無電解ニッケルメッキ等のメッキが施されていることにより、既述のように、メッキ部分の耐食性が向上し、例えばフィルムロール用コアの内周面に発生した結露による水が肉薄部の内周面上に溜まった場合にあってもフィルムロール用コアの内周面の腐食を防止することができる。なお、上記の観点から、芯管の肉薄部の内周面に加えて、上記境界壁及び肉厚部の内周面のうちの何れか一方又は両方にもメッキが施されていることが好ましい。
上記内嵌部材15には、内周面に内側に向けて突設された係合用突起20が形成されている。この係合用突起20は、後述する巻取装置100の保持部材105における凹部114に係合することができる。
コア1において、上記芯管10の両端部には、当該芯管10の両端面に形成された溝部30と各端部につき一対ずつ付設された後述するキー部材70とによって、コア1を保持するための保持部材105に対する相対回転を規制するための凹状の係合部71が形成されている。具体的に、まず上記芯管10の両端面にはキー部材70を装着するための溝部30が刻設されている。この溝部30は、図3(a)に示すように軸心を中心として周方向に沿って内嵌部材15の外端面18に形成されており、この溝部30は全周に亘る周溝から構成されている。そしてキー部材70が図1に示すように各端部につき一対ずつ互いに対向するように上記溝部30に装入着されることにより、全周に亘る溝部30がキー部材70によって分隔され、結果として溝部30のうちキー部材70が装入着されていない部分に、芯管10の両端面に開口する凹状の係合部71が形成されることになる。なお、溝部30の深さは例えば1cm以上3cm以下とすることができる。また、溝部30の幅(径方向の長さ)は、強度などを勘案すると、内嵌部材15の厚みの0.3倍以上0.8倍以下であることが好ましく、0.5倍以上0.7倍以下であることがより好ましい。
また、内嵌部材15には図2及び図3に示すように上記キー部材70を固定するためのキー部材固定用雌螺子孔35が形成されており、このキー部材固定用雌螺子孔35は上記溝部30の底部に形成されている。このキー部材固定用雌螺子孔35は、各キー部材70に対して複数(図示例では3個)形成されている。この複数のキー部材固定用雌螺子孔35は軸心に対して略等角度間隔に配設され、例えば15°間隔で配設される。
コア1が有する上記係合部71が、巻取装置、巻出装置、フィルムロール搬送装置などが有する保持部材側に設けられた、上記係合部71に対応する係合部と係合することによって、この保持部材に対するコア1の相対回転が規制され、コア1と保持部材とをともに回転させることができ、あるいは、コア1の意図しない回転を防止することができる。コア1において係合部71は凹状であるため、これに対応する係合部は凸状であることが好ましいが、本発明のフィルムロール用コアが有する係合部は必ずしも凹状である必要はなく、例えばこの係合部が凸状である場合には、これに対応する係合部は凹状であることが好ましい。また対応する係合部は、フィルムロール用コアが有する係合部に対して相補的な形状を有していてもよいが、フィルムロール用コアが有する係合部の形状の一部にのみ係合するような形状であってもよい。またコア1においては各端部につき2つの係合部71が形成されているが、保持部材は、このようなフィルムロール用コアが各端部につき複数有する係合部のうちの少なくとも一方に係合するように対応する係合部を有していればよい。
コア1を巻取装置100に装着する場合を例にとって説明すると、図5に示すように、コア1が有する上記係合部71は、巻取装置100が有する対向する一対の回転可能な保持部材105側に設けられた、上記係合部71に対応する凸状の係合部111と係合している。ここで各保持部材105にはそれぞれ1つの係合部111が設けられている。そしてこの係合によって、保持部材105に対するコア1の相対回転が規制され、保持部材105の回転動力がコア1に確実に伝わるようになっている。
(キー部材70)
コア1において、キー部材70は図1及び図4(a)に示すように側面視円弧状形状に形成されている。キー部材70には図4に示すように上記キー部材固定用雌螺子孔35に対応する箇所にキー部材固定用貫通孔72が形成されている。そして、図2に示すようにボルト等の締結手段(図示省略)の雄螺子部が挿通されキー部材固定用雌螺子孔35に螺着されることで、締結手段(ボルト等)の頭部によってキー部材70が内嵌部材15側に圧接されることになり、キー部材70が芯管10の両端部(端面側)に脱着可能に固定される。キー部材70には芯管10の両端側の側面に溝73が形成されており、締結手段(ボルト等)の頭部がコア1の両端面より外部に突出しないようになっている。溝73の深さは例えば0.5cm以上2.5cm以下とすることができる。また、溝73の幅(径方向の長さ)は溝部30の幅の0.5倍以上0.9倍以下であることが好ましく、0.65倍以上0.8倍以下であることがより好ましい。
キー部材70は、金属製であることが好ましく、この金属は炭素鋼であることが好ましい。具体的には、キー部材70は機械構造用炭素鋼(例えばS55C)から製造することができる。また、このキー部材70は、窒化硬化処理が施されていることが好ましく、具体的には塩浴軟窒化処理(タフトライド処理)が施されていることが好ましい。なお、このキー部材70の周方向の長さは、例えば溝部30の長さの0.05倍以上0.3倍以下とすることができる。
(フィルム)
コア1に巻き付けるフィルムに特に制限はなく、PVAフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、セルロースエステルフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム等の樹脂フィルムが挙げられるが、偏光フィルムを製造するための原反などとしてより高い品質が要求され、水による影響も大きいPVAフィルムである場合に本発明の効果がより顕著に奏される。このPVAとしては、例えば酢酸ビニル等のビニルエステルを重合して得られたポリビニルエステルのエステル基のすべて又は一部を水酸基に変換することにより製造したものを用いることができる。
当該フィルムは、フィルムロールとするために長尺のフィルムであることが好ましく、その長さとしては、例えば、50m以上40,000m以下の範囲内であることが好ましく、100m以上30,000m以下の範囲内であることがより好ましい。特にフィルムの長さが8,000m以上であってフィルムロールの質量がより大きい場合において、本発明の効果がより顕著に奏される。
フィルムの幅は、芯管10の軸方向の長さよりも、好ましくは0.1cm以上40cm以下の範囲内、より好ましくは0.5cm以上35cm以下の範囲内、さらに好ましくは1cm以上30cm以下の範囲内で短く設定することができ、具体的にはフィルムの幅は、例えば4.8mとすることができる。
フィルムの厚みとしては、フィルムの材質や用途などにもよるが、10μm以上150μm以下であることが好ましく、15μm以上120μm以下であることがより好ましく、20μm以上80μm以下であることがさらに好ましい。
<フィルムロール>
本発明のフィルムロールは、上記のコア1と、このコア1に巻き付けられた長尺のフィルムとを備える。当該長尺のフィルムとしては、上記したフィルム(PVAフィルム等)のうち長尺のものを用いることができる。
<フィルムロールの製造方法>
次に、上記のコア1を用いたフィルムロールの製造方法について説明する。
当該フィルムロールの製造方法は、上記のコア1を巻取装置100に装着する装着工程と、当該巻取装置100に装着された当該コア1を回転させることで長尺のフィルムを当該コア1に巻き付ける巻付工程とを含む。上記装着する工程において、コア1が有する係合部71を、これに対応する係合部111であって上記巻取装置100が有する保持部材105に形成された係合部111と係合させると、この保持部材105に対するコア1の相対回転が規制され、コア1と保持部材105とをともに回転させることができ、あるいは、コア1の意図しない回転を防止することができる。この巻付工程の終了後に当該コア1を巻取装置100から離脱することにより、目的に応じてフィルムロールを搬送することができる。
上記装着工程において用いられる巻取装置100は、対向するとともに接近・離反可能な一対の回転可能な保持部材105を有している。この一対の保持部材105は、同軸で互いに同一方向に回転可能に設けられている。この保持部材105は、コア1の両端から内側に挿入脱可能なチャック部110を有している。このチャック部110は、回転軸径方向に拡径・縮径可能な爪部113を有している。なお、この爪部113の拡径・縮径の動作はエアーによって行うことができるよう設けることが可能である。また、この爪部113は、側周面(回転軸径方向の面)に凹部114を有しており、コア1の両端部の内側に爪部113が挿入された後に拡径されることによって凹部114が芯管10の内周面の係合用突起20と係合するよう設けられている。さらに、この爪部113は、側周面に芯管10の内周面と当接する弾性部位115を有しており、この弾性部位115は上記凹部114より端部側(巻取装置100本体側)に付設され、ゴム等の弾性素材から構成されている。また、この保持部材105は、芯管10の端面と対向する端面を有し、この保持部材105の端面から上記係合部71に対応する係合部111が突設されている。
そして、上記装着工程においては、離反状態の一対の保持部材105の間にコア1を配設し、その後、一対の保持部材105を接近させてチャック部110をコア1の両端から内側に挿入する一方、コア1が有する係合部71を、保持部材105に形成されたこれに対応する係合部111と係合させ、その後爪部113を拡径することでチャック部110の凹部114を係合用突起20に係合させ、これにより一対の保持部材105がコア1の両端部を保持することでコア1が巻取装置100に装着される。
上記巻付工程においては、巻取装置100に装着されたコア1を回転させることで長尺のフィルムをコア1に巻き付ける。コア1の回転は巻取装置100が有する保持部材105を回転させることにより行うことができる。特に、コア1が有する係合部71と、対応する係合部111とが係合していれば、保持部材105に対するコア1の相対回転が規制され、保持部材105の回転動力がコア1に確実に伝わるようになる。当該長尺のフィルムとしては、上記したフィルム(PVAフィルム等)のうち長尺のものを用いることができる。
巻付工程の終了後に、爪部113を縮径して爪部113の凹部114と係合用突起20との係合状態を解除し、その後、一対の保持部材105を離間させることで、巻取装置100から当該フィルムロールを離脱することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る第二実施形態のフィルムロール用コア2(以下、単にコア2ということがある)について、図6から図11を参酌しつつ以下説明する。なお、第二実施形態のコア2の説明に際して、第一実施形態と同様の構成及び/又は機能を有する部材・部位等については同一符号を用いてその説明を省略することがある。
<コア2>
図6及び図7に示すコア2は、円筒状の芯管10と、この芯管10の両端部に付設される、各端部につき一対のキー部材70とを備えている。
コア2の芯管10も、コア1と同様に、管本体11と、この管本体11の両端部に配設され、肉薄部10aの内周面の両端に隣接する境界壁16を形成する円筒状の壁部材とを備えており、当該壁部材は管本体11の段部に圧入によって嵌入着された内嵌部材15である。コア2においては、図7に示すように、内嵌部材15の外端側(管本体11の外端側)に、脱着可能に取り付けられた円筒状のエッジ部材50が配設され、これによって、芯管10がその両端部に脱着可能に取り付けられた筒状のエッジ部材50を有するようになっている。
このコア2において肉厚部10bは、管本体11と内嵌部材15とが積層構造をなす部位とエッジ部材50が位置する部位とからなり、管本体11と内嵌部材15とが積層構造をなす部位において肉厚部10bの外層部位を管本体11が構成し、肉厚部10bの内層部位を内嵌部材15が構成している。コア2においても管本体11には、その内周側に両端から軸方向の一定距離分の段部がそれぞれ形成されている。そして、当該管本体11の段部は、軸方向の長さが内嵌部材15の軸方向の長さ(外周面における長さ)と略同一に形成されている。このため、管本体11の外端面17(芯管10の両端側の面)と内嵌部材15の外端面18(芯管10の両端側の面)とは、後述する切欠15a以外の部分において略面一に形成されている。
芯管は、外径及び内径がそれぞれ軸方向に略同径の円筒状のもの(外径及び内径がそれぞれ軸方向に略同径の円筒状の部材の両端にこれと略同径の外径及び内径を有する円筒状のエッジ部材が取り付けられたものなど)であってもよいが、上記のように、芯管が軸方向中央部に両端部より内径が大きい肉薄部を有すると、両端部が十分な強度を有していて、フィルムロール用コアの軸方向の長さがより長い場合や、フィルムロールの重量が一層増大する場合であっても、その両端部を保持するように巻取装置や巻出装置などが有する回転可能な保持部材に安定して装着することができて、この保持部材の回転によって、フィルムロール用コアにフィルムを巻き付けたり、フィルムロールからフィルムを巻き出したりすることができる。また、当該フィルムロール用コアは、芯管の軸方向中央部に肉薄部を有するので、軽量化及び低コスト化が図られる。さらに、当該フィルムロール用コアは、芯管の軸方向中央部(肉薄部)が両端部より内径が大きく設けられているので、フィルムロール用コアの内周面に結露が発生してもそれによる水は肉薄部の内周面上に溜まり、外部に流れ出にくい。このため、当該フィルムロール用コアに巻き付けたフィルムの品質低下が生じにくい。
また、上記のように、芯管が、筒状の管本体と、この管本体の両端部に配設され、肉薄部の内周面の両端に隣接する境界壁を形成する壁部材とを有すると、両端より内径が大きい肉薄部を芯管の軸方向中央部に容易且つ確実に形成することができる。
さらに、上記のように、壁部材が、管本体に嵌入着される内嵌部材であると、管本体と壁部材(内嵌部材)との固定状態がより確実になる。
図6、図7及び図10に示すように、コア2においても、芯管10の両端部には、当該芯管10の両端面に形成された溝部30と各端部につき一対ずつ付設されたキー部材70とによって、コア2を保持するための保持部材に対する相対回転を規制するための凹状の係合部71が形成されているが、この溝部30は内嵌部材15の外端面18ではなく、エッジ部材50の外端面19(芯管10の両端側の面)に、軸心を中心として周方向に沿って形成されている。そして、図7に示すようにボルト等の締結手段(図示省略)の雄螺子部が挿通されキー部材固定用雌螺子孔35に螺着されることで、締結手段(ボルト等)の頭部によってキー部材70がエッジ部材50側に圧接されることになり、キー部材70が芯管10の両端部(端面側)に脱着可能に固定される。
エッジ部材50は管本体11及び内嵌部材15と同心軸上に配設されている。また、エッジ部材50の内径は内嵌部材15の内径と略同一に設けられ、このためエッジ部材50と内嵌部材15とは内周面が略面一に形成されている。同様に、エッジ部材50の外径は管本体11の外径と略同一に設けられ、このためエッジ部材50と管本体11とは外周面が略面一に形成されている。すなわち、芯管10の肉厚部10bと肉薄部10aとは外周面が略面一に形成されている。
エッジ部材50の軸方向の長さ(後述する筒状突起51部分を除いた長さ)は、例えば5cm程度とすることができ、この長さは、3cm以上15cm以下であることが好ましく、4cm以上10cm以下であることがより好ましい。この長さが上記下限以上であることによって後述する溝部30において十分な深さを得ることができ、一方上記上限以下であることによってエッジ部材50を交換した際の材料ロスを低減することができる。
コア2において、内嵌部材15の軸方向の長さ(外周面における長さ)は、例えば24cm程度とすることができる。またエッジ部材50が肉厚部10bとなり得るため、内嵌部材15の軸方向の長さとエッジ部材50の軸方向の長さとの和(肉厚部10bの軸方向の長さ)が、コア1の説明において上記した内嵌部材15の軸方向の長さについての好適な範囲内にあるのが好ましい。すなわち、上記和は、10cm以上50cm以下であることが好ましく、20cm以上30cm以下であることがより好ましい。当該和が上記下限以上であることによって巻取装置100に装着した際のコア2の強度をより高めることができ、一方上記上限以下であることによってより軽量で低コストのコア2となる。
また、コア2の内嵌部材15には、図7及び図9に示すように内周側に外端面18から先端面に向けて切欠15aが形成されている。この切欠15aは、内嵌部材15の内周側に周方向に沿って形成されている。一方、上記エッジ部材50の側には、図7及び図8に示すように内端面(芯管10の軸方向中央部側の面)から突出する筒状突起51が形成されており、この筒状突起51が切欠15aと嵌合するようになっている。
筒状突起51の軸方向の長さと内嵌部材15の切欠15aの軸方向の長さとは略同一に設けられ、例えば0.5cm以上3cm以下程度とすることができる。また、筒状突起51の厚み(径方向の幅)と内嵌部材15の切欠15aの深さ(径方向の幅)は略同一に設けられ、内嵌部材15の厚みの0.1倍以上0.5倍以下であることが好ましく、0.2倍以上0.3倍以下であることがより好ましい。
この内嵌部材15には、図9に示すように外端面18にエッジ部材50を取り付けるための複数(図示例では12個)のエッジ部材固定用雌螺子孔34が形成されている。この複数のエッジ部材固定用雌螺子孔34は、周方向全域に亘って軸心に対して略等角度間隔(図示例では30°)で形成されている。また、上記溝部30は既述のようにエッジ部材50の外端面19に形成されており、この溝部30の底部には、図8に示すように上記内嵌部材15のエッジ部材固定用雌螺子孔34に対応した位置にエッジ部材固定用貫通孔31及びこのエッジ部材固定用貫通孔31よりも径が大きくボルト等の締結手段の頭部を収容するための収容凹部32が形成されている。このため、エッジ部材50は、締結手段(ボルト等)によって内嵌部材15に脱着可能に取り付けられている。
また、図7及び図8に示すようにエッジ部材50の溝部30の底部には、コア1の内嵌部材15の溝部30と同様、キー部材70を固定するためのキー部材固定用雌螺子孔35が形成されている。図示例では各キー部材70に対して2つのキー部材固定用雌螺子孔35が形成されている。また、エッジ部材50の溝部30の底部には、エッジ部材50を内嵌部材15から離脱するための離脱用雌螺子孔33が形成されている。この離脱用雌螺子孔33は、ボルトが螺着されることによりそのボルトの先端部が内嵌部材15の外端面18と当接することでエッジ部材50が離脱方向に付勢されるよう設けられている。なお、この離脱用雌螺子孔33は、溝部30の底部の対向する位置に各エッジ部材50につき2箇所ずつ形成されている。
また、コア1においては巻取装置100の保持部材105における凹部114に係合する係合用突起20は、内嵌部材15の内周面に形成されていたが、コア2においてはエッジ部材50の内周面に形成されている。なお、この係合用突起は、エッジ部材の内周面ではなく内嵌部材の内周面に形成されていてもよい。
コア2においてエッジ部材50は金属製である。エッジ部材を炭素繊維強化プラスチックなど金属以外の素材によって形成することもできるが、エッジ部材50が金属製であることにより芯管の強度や加工性をより高めることができる。この金属としては、鉄;炭素鋼、ステンレス鋼等の鋼;アルミニウム、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属などを採用可能であるが、十分な強度を有するとともに成形がしやすく低コストでもある炭素鋼が好ましい。具体的には、エッジ部材50は機械構造用炭素鋼(例えばS55C)から製造することができる。また、管本体11、内嵌部材15及びエッジ部材50はともに同一素材から構成されていてもよいが、異なる素材から構成されていてもよい。例えば管本体11をSTKM13Aなどの機械構造用炭素鋼管から製造し、内嵌部材15を機械構造用炭素鋼のうちS25C、S35C又はS45Cから製造し、エッジ部材50を機械構造用炭素鋼のうちS55Cから製造することができる。エッジ部材50の内周面には窒化硬化処理が施されていることが好ましく、具体的には塩浴軟窒化処理(タフトライド処理)が施されていることが好ましい。なお、エッジ部材50の外周面は、硬質クロムメッキが施され、その後にさらにバフ仕上げがなされている。
また、第二実施形態のコア2を用いたフィルムロール及びその製造方法は、第一実施形態と略同様の構成であるため、説明を省略する。
[その他の実施形態]
第一実施形態及び第二実施形態について上記したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内において適宜設計変更可能である。
つまり、上記実施形態では、芯管10が管本体11と壁部材とを備えるとともに、壁部材が管本体11に嵌入着される内嵌部材15であるものについて説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
例えば、外径及び内径がそれぞれ軸方向に略同径の円筒状の部材の軸方向中央部の内周面を切削することで肉薄部が形成された芯管(具体例としては、外径及び内径がそれぞれ軸方向に略同径の円筒状の部材の軸方向中央部の内周面を切削することで肉薄部を形成し、その両端に当該両端と略同径の外径及び内径を有する円筒状のエッジ部材が取り付けられた芯管など)を備えるフィルムロール用コア(両端部に係合部を有していてもよい)も本発明の意図する範囲内である。また、既述のように、外径及び内径がそれぞれ軸方向に略同径の円筒状である部材の両端にこれと略同径の外径及び内径を有する円筒状のエッジ部材が取り付けられた芯管を備えるフィルムロール用コア(両端部に係合部を有していてもよい)なども本発明の意図する範囲内である。また、外径及び内径がそれぞれ軸方向に略同径の円筒状の芯管を備えるフィルムロール用コア(両端部に係合部を有する)なども本発明の意図する範囲内である。
また、壁部材を備える場合にあっても、上記のように壁部材が内嵌部材15であるものに限定されるものではない。例えば、外径及び内径がそれぞれ軸方向に略同径の円筒状の管本体の両端に、外径及び内径がそれぞれ軸方向に略同径であるとともにこの外径が管本体の外径と略同一であり、この内径が管本体の内径よりも小さい円筒状の壁部材をボルト等の締結手段や溶接等によって固着してなる芯管を備えるフィルムロール用コアなども採用可能である。さらには、上記のような円筒状の壁部材の両端(フィルムロール用コアの両端側の端)にこの壁部材と略同径の外径及び内径を有する円筒状のエッジ部材を取り付けてなる芯管を備えるフィルムロール用コアや、外径及び内径がそれぞれ軸方向に略同径の円筒状の管本体の両端に、上記のような円筒状の壁部材をエッジ部材として用いてボルト等の締結手段によって脱着可能に取り付けてなる芯管を備えるフィルムロール用コアなども採用可能である。
また巻取装置100等が有する保持部材についても、上記実施形態のものに限定されるものではなく、例えば軸心を含む平面での断面の形状が略台形状のチャック部を有する保持部材を用いることも可能である。このような保持部材によれば、チャック部の先端(先細りした先端)をフィルムロール用コアの内側に挿入するとともに一対の当該保持部材によってフィルムロール用コアを両端から挟持することでフィルムロール用コアの両端部を保持することも可能である。
また、第二実施形態においては内嵌部材15に切欠15aが形成され、エッジ部材50に筒状突起51が形成されているが、切欠をエッジ部材の側に形成し、筒状突起を内嵌部材の側に形成することも適宜設計変更可能な事項である。
1、2 フィルムロール用コア
10 芯管
10a 肉薄部
10b 肉厚部
11 管本体
12 当接面
15 内嵌部材
15a 切欠
16 境界壁
20 係合用突起
30 溝部
31 エッジ部材固定用貫通孔
32 収容凹部
33 離脱用雌螺子孔
34 エッジ部材固定用雌螺子孔
35 キー部材固定用雌螺子孔
50 エッジ部材
51 筒状突起
70 キー部材
71 係合部
72 キー部材固定用貫通孔
100 巻取装置
105 保持部材
110 チャック部
111 対応する係合部
113 爪部
114 凹部
115 弾性部位

Claims (12)

  1. フィルムが巻き付けられる筒状の芯管を備えるフィルムロール用コアであって、
    芯管が、その両端部に、脱着可能に取り付けられ、エッジ部材固定用貫通孔が形成された筒状のエッジ部材を有し、
    両端部に、フィルムロール用コアを保持するための保持部材に対する相対回転を規制するための係合部を有し、
    係合部を形成するキー部材をさらに備えるフィルムロール用コア。
  2. 芯管が金属製である、請求項1に記載のフィルムロール用コア。
  3. 金属が炭素鋼である、請求項2に記載のフィルムロール用コア。
  4. 芯管の内周面にメッキが施されている、請求項1から請求項3の何れか1項に記載のフィルムロール用コア。
  5. 芯管が軸方向中央部に両端部より内径が大きい肉薄部を有する、請求項1に記載のフィルムロール用コア。
  6. 芯管が、筒状の管本体と、この管本体の両端部に配設され、肉薄部の内周面の両端に隣接する境界壁を形成する壁部材とを有する、請求項5に記載のフィルムロール用コア。
  7. 壁部材が、管本体に嵌入着される内嵌部材である、請求項6に記載のフィルムロール用コア。
  8. 請求項1から請求項7の何れか1項に記載のフィルムロール用コアと、
    このフィルムロール用コアに巻き付けられた長尺のフィルムと
    を備えるフィルムロール。
  9. フィルムがポリビニルアルコール系重合体フィルムである、請求項8に記載のフィルムロール。
  10. 請求項1から請求項7の何れか1項に記載のフィルムロール用コアを巻取装置に装着する工程、及び
    巻取装置に装着されたフィルムロール用コアを回転させることで長尺のフィルムをフィルムロール用コアに巻き付ける工程を含む
    フィルムロールの製造方法。
  11. 装着する工程において、巻取装置が有する対向する一対の回転可能な保持部材がフィルムロール用コアの両端部を保持することでフィルムロール用コアを巻取装置に装着する、請求項10に記載のフィルムロールの製造方法。
  12. フィルムがポリビニルアルコール系重合体フィルムである、請求項10又は請求項11に記載のフィルムロールの製造方法。
JP2014528085A 2012-07-30 2013-07-23 フィルムロール用コア、フィルムロール及びフィルムロールの製造方法 Active JP6170921B2 (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012169008 2012-07-30
JP2012169006 2012-07-30
JP2012169006 2012-07-30
JP2012169007 2012-07-30
JP2012169008 2012-07-30
JP2012169007 2012-07-30
PCT/JP2013/069940 WO2014021146A1 (ja) 2012-07-30 2013-07-23 フィルムロール用コア、フィルムロール、フィルムロールの製造方法、及びフィルムの巻取装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017092677A Division JP6359725B2 (ja) 2012-07-30 2017-05-08 フィルムロール用コア、フィルムロール及びフィルムロールの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014021146A1 JPWO2014021146A1 (ja) 2016-07-21
JP6170921B2 true JP6170921B2 (ja) 2017-07-26

Family

ID=50027826

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014528085A Active JP6170921B2 (ja) 2012-07-30 2013-07-23 フィルムロール用コア、フィルムロール及びフィルムロールの製造方法
JP2017092677A Active JP6359725B2 (ja) 2012-07-30 2017-05-08 フィルムロール用コア、フィルムロール及びフィルムロールの製造方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017092677A Active JP6359725B2 (ja) 2012-07-30 2017-05-08 フィルムロール用コア、フィルムロール及びフィルムロールの製造方法

Country Status (5)

Country Link
JP (2) JP6170921B2 (ja)
KR (1) KR102234044B1 (ja)
CN (1) CN104661943B (ja)
TW (1) TWI567017B (ja)
WO (1) WO2014021146A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017165588A (ja) * 2012-07-30 2017-09-21 株式会社クラレ フィルムロール用コア、フィルムロール及びフィルムロールの製造方法
JP2020121823A (ja) * 2019-01-29 2020-08-13 三菱ケミカル株式会社 フィルムロール用芯管

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107848696B (zh) * 2015-08-06 2020-07-24 株式会社可乐丽 芯用栓、薄膜卷、包装体及芯用栓的拆卸方法
DE102016206656A1 (de) * 2016-04-20 2017-10-26 Krones Ag Perforierte Etiketten durch Drehbewegung ausrichten und greifen
WO2020031452A1 (ja) * 2018-08-08 2020-02-13 林テレンプ株式会社 巻取装置
JP7243374B2 (ja) * 2019-03-27 2023-03-22 東レ株式会社 フィルムロール

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1046160A (en) * 1965-08-16 1966-10-19 Berta Kampf Improvements in or relating to winding devices
DE2832361A1 (de) * 1978-07-22 1980-01-31 Agfa Gevaert Ag Vorrichtung zum achslosen spannen von pappwickelhuelsen in axial spannenden auf- und abrollungen
JPS5945843B2 (ja) * 1978-08-03 1984-11-09 東レ株式会社 金属ロ−ル
JPS6288754A (ja) * 1985-10-15 1987-04-23 Toray Ind Inc 高分子フイルムの巻き取り方法
JPH02175572A (ja) * 1988-12-26 1990-07-06 Mitsubishi Paper Mills Ltd シャフトレス方式用巻取コア
EP0747314B1 (en) * 1995-06-07 1999-08-25 Eastman Kodak Company Core for winding a web of deformable material
US5615845A (en) * 1996-04-03 1997-04-01 Kewin; Daniel D. Tubular core assembilies for rolls of paper or other sheet material
JP2000118879A (ja) * 1998-10-09 2000-04-25 Somar Corp フィルム巻取り用巻芯
CN2420240Y (zh) * 2000-04-26 2001-02-21 张友新 防止塑料薄膜卷芯管端面被碰坏的保护套
JP3708421B2 (ja) * 2000-09-28 2005-10-19 天龍工業株式会社 フィルム、シート等の原反のための巻芯
JP2002172704A (ja) * 2000-12-06 2002-06-18 Tenryu Ind Co Ltd 中空材、及びその製造方法
JP2006168277A (ja) * 2004-12-17 2006-06-29 Brother Ind Ltd インクシート巻回用円筒体及び中間連結体
JP4195017B2 (ja) 2005-01-28 2008-12-10 日本合成化学工業株式会社 ポリビニルアルコール系フィルムロール
CN2771157Y (zh) * 2005-02-22 2006-04-12 糜正伟 塑钢组合芯管
CN2769032Y (zh) * 2005-03-02 2006-04-05 甘国工 制造增强复合塑料管材的装置
CA2545130C (en) * 2005-10-03 2011-03-15 Cascades Canada Inc. Paper roll and paper roll dispenser
FI7452U1 (fi) * 2006-12-20 2007-03-21 Metsae Tissue Oyj Hylsytulppa
JP4370587B2 (ja) * 2008-03-19 2009-11-25 東洋ライト株式会社 巻取りコアの製造方法
JP2010265118A (ja) * 2010-06-17 2010-11-25 Ube Ind Ltd 巻芯
KR102234044B1 (ko) * 2012-07-30 2021-03-30 주식회사 쿠라레 필름 롤용 코어, 필름 롤, 필름 롤의 제조 방법, 및 필름의 권취 장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017165588A (ja) * 2012-07-30 2017-09-21 株式会社クラレ フィルムロール用コア、フィルムロール及びフィルムロールの製造方法
JP2020121823A (ja) * 2019-01-29 2020-08-13 三菱ケミカル株式会社 フィルムロール用芯管
JP7363038B2 (ja) 2019-01-29 2023-10-18 三菱ケミカル株式会社 フィルムロール用芯管

Also Published As

Publication number Publication date
TW201418134A (zh) 2014-05-16
JPWO2014021146A1 (ja) 2016-07-21
JP2017165588A (ja) 2017-09-21
TWI567017B (zh) 2017-01-21
CN104661943B (zh) 2017-06-09
KR20150039779A (ko) 2015-04-13
CN104661943A (zh) 2015-05-27
JP6359725B2 (ja) 2018-07-18
WO2014021146A1 (ja) 2014-02-06
KR102234044B1 (ko) 2021-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6359725B2 (ja) フィルムロール用コア、フィルムロール及びフィルムロールの製造方法
US8973304B2 (en) Jig for holding thin cylindrical work
CN102112314B (zh) 印刷机用印版安装装置及印刷机
US20170036215A1 (en) Guide Roller Of A Pair Of Feed Rollers Of A Granulating Device
JP2018188311A (ja) 圧延装置の巻取デバイスの駆動ローラ、及びそれの生産のための方法
JP2013166454A (ja) 船舶の舵装置およびこれを備えた船舶
JP5941140B2 (ja) 柔軟コアを有する高張力で細径ワイヤを巻き付けるためのスプール
KR101625094B1 (ko) 경량 스테인리스 스틸 파이프 롤러 제조 방법 및 그 롤러
JP6312491B2 (ja) ウェブ製造用ロール
JP7363038B2 (ja) フィルムロール用芯管
JP4767622B2 (ja) 連続鋳造用ロール及びその製造方法
CN204211277U (zh) 用于卷绕膜的卷芯
JP2006315836A (ja) フリクション巻軸
JP3109602U (ja) 支持筒体及び交換用インクリボン
JP2020007605A (ja) 接圧ロール
KR101576482B1 (ko) 복합롤러
JP2014124181A (ja) 釣竿用竿体とそれを備えた釣竿
KR102275292B1 (ko) 금속박막 필름 권취용 롤의 제조방법 및 이에 의해 제조된 필름 권취용 롤
JP2017186120A (ja) フィルムを巻装するコア
JP2023088086A (ja) ウェブ巻取用巻芯コア及びウェブの巻き取り方法
TWM642020U (zh) 樞環軸心軸保護裝置
JP2003136133A (ja) 巻取りまたは巻戻しコイル内径調節用2重ゴムスリーブ
JP2012197150A (ja) 金属線条体用リールおよびそれの使用方法
JP2008189438A (ja) ライニングローラー及びライニングローラーの製造方法
JP2018065185A (ja) 圧延ロールの使用方法、圧延ロール、鋼板の圧延方法、および鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170703

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6170921

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150