JP6169451B2 - 荷電粒子線装置および荷電粒子線の計測方法 - Google Patents

荷電粒子線装置および荷電粒子線の計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子線を用いて試料を観察する荷電粒子線装置および荷電粒子線の計測方法に関する。
試料の拡大観察可能な顕微鏡として、電子やイオン等の荷電粒子線を用いた荷電粒子顕微鏡がある。特に、試料上で電子線を走査して撮像する走査型電子顕微鏡(以下SEMと略す)は、微細な表面形状の観察や局所的な組成分析などの試料解析に利用されている。SEMとは、電子源に印加された電圧によって加速された電子線を試料に照射し、その集束電子線(1次電子)を偏向器により試料上で走査することで、試料解析を行う顕微鏡である。
ここで特に、対象が絶縁体である場合、電子線照射によって試料が帯電し、画像のドリフトやシェーディングといった像障害となることがある。よって、安定かつ再現性の高い試料観察を行うためには、電子線照射による帯電の制御技術が必須となる。
また、SEMは、積層構造を持つ試料を観察する目的でも期待されている。試料の帯電電荷の量は、試料の容量や抵抗などの電気特性に依存し、さらには、積層構造において埋もれた構造や積層構造の界面を反映するものでもあるため、試料の帯電による電位コントラストを抽出することで、上記埋もれた構造や積層構造の界面の観察が可能となる。
係る技術に関連し、特許文献1には、埋もれた構造を反映する画像は、2次電子信号に差が生じる特定の時間領域に現れることに着目し、断続的に電子線を照射して試料を帯電させ、必要な試料情報を反映した2次電子信号を検出時間により選択する技術が記載されている。検出時間の例としては、パルス幅0.5msのパルス照射電子に対し0.2msを検出時間とする実施例や、パルス幅0.05msのパルスに同期して0.05msを検出時間とする実施例等が記載されている。
特開2012−252913号公報
特許文献1では、検出の時間幅により、積層構造に起因する2次電子信号を切り出すため、時間幅の制御は、より高精度な検出のために重要である。特に、より時間幅を短くすることができれば、より微細な積層構造に対応した2次電子信号を切り出すことが可能となり、より有意な情報を得ることが可能となる。
また、電子線の照射中において試料の帯電は随時進行しているため、検出の時間幅を短くすることができれば、画像のドリフトやシェーディングといった像障害を低減する点でも有利である。この点は、積層構造の観察をする場合にもしない場合にも当てはまる。
しかしながら本願発明者らは、当該時間幅を無制限に短くできるわけではない点を見出した。その詳細は実施例において説明するが、当該時間幅を短くすると、ある時間幅から、検出信号の平均値がきわめて不安定であり、測定ごとに大きくばらつくようになる。従って、係る条件を考慮した上で、当該時間幅を制御する必要がある。
以上を踏まえ、本発明の目的は、荷電粒子線装置または荷電粒子線の計測方法において、検出信号の安定性を担保しつつ、より高精度な検出を可能とすることにある。
本願発明による課題を解決する手段のうち代表的なものを例示すれば、一次荷電粒子線を発生する荷電粒子源と、試料を設置するステージと、一次荷電粒子線の加速電圧を設定する加速電圧設定部と、一次荷電粒子線を前記試料へ集束させる対物レンズと、試料から放出される二次荷電粒子を検出する検出器と、検出器で得られる検出信号を抽出する検出制御部と、検出制御部へトリガ信号を送信するトリガ信号制御部と、を有する荷電粒子線装置であって、検出制御部は、トリガ信号制御部が生成する第1のトリガ信号により、検出信号の抽出を開始する制御と、トリガ信号制御部が生成する第2のトリガ信号により、検出信号の抽出を終了する制御と、トリガ信号制御部が生成し、第1のトリガ信号と第2のトリガ信号の間隔時間Tを等分割するN回(Nは自然数)の第3のトリガ信号により、検出信号のサンプリングをN回行う制御と、間隔時間Tを等分割した分割時間ΔTのそれぞれにおいて、サンプリングされた信号を積分して平均化することによって、二次荷電粒子を計測する制御と、を行い、分割時間ΔTは、分割時間ΔTに含まれる一次荷電粒子数が、エルゴード性が満たされる最小の荷電粒子数より多くなるように制御されることを特徴とする。
または、一次荷電粒子線を発生する荷電粒子源と、試料を設置するステージと、一次荷電粒子線の加速電圧を設定する加速電圧設定部と、一次荷電粒子線を試料へ集束させる対物レンズと、試料から放出される二次荷電粒子を検出する検出器と、検出器で得られる検出信号を抽出する検出制御部と、検出制御部へトリガ信号を送信するトリガ信号制御部と、を有する荷電粒子線装置における荷電粒子線の計測方法であって、トリガ信号制御部が生成する第1のトリガ信号により、検出信号の抽出を開始するステップと、トリガ信号制御部が生成する第2のトリガ信号により、検出信号の抽出を終了するステップと、トリガ信号制御部が生成し、第1のトリガ信号と第2のトリガ信号の間隔時間Tを等分割するN回(Nは自然数)の第3のトリガ信号により、検出信号のサンプリングをN回行うステップと、間隔時間Tを等分割した分割時間ΔTのそれぞれにおいて、サンプリングされた信号を積分して平均化することによって、二次荷電粒子を計測するステップと、を有し、分割時間ΔTは、計測された二次荷電粒子の数が、エルゴード性が満たされる最小の荷電粒子数より多くなるように制御されることを特徴とする。
本願発明によれば、荷電粒子線装置または荷電粒子線の計測方法において、検出信号の安定性を担保しつつ、より高精度な検出が可能となる。
実施例1に係る荷電粒子線装置の一例を示す構成図。 本発明に係る荷電粒子線装置の制御方法を示す図。 検出電子数と検出信号の関係を示す図。 検出電子数と検出信号の関係を示す図。 実施例1に係る荷電粒子線装置のGUIの一例を示す図。 実施例1に係る荷電粒子線装置による計測の一例を示すフローチャート。 実施例1に係る荷電粒子線装置による計測の一例を示すフローチャート。 実施例1に係る計測結果の一例を示す図。 実施例2に係る荷電粒子線装置の一例を示す構成図。 実施例2に係る荷電粒子線装置による計測の一例を示すフローチャート。 試料の構造の一例を示す断面図。 実施例2に係る計測結果の一例を示す図。 実施例2に係る計測結果の画像の一例を示す図。 実施例3に係る荷電粒子線装置のGUIの一例を示す図。 実施例3に係る荷電粒子線装置による計測の一例を示すフローチャート。 実施例4に係る計測結果の一例を示す図。 実施例5に係る荷電粒子線装置の一例を示す構成図。 実施例5に係る荷電粒子線装置のGUIの一例を示す図。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
本実施例では、荷電粒子線装置のうち走査電子顕微鏡を例に、時間基準を設けた2次電子放出量の計測装置と方法について述べる。本実施例に係る走査電子顕微鏡の構成例を図1に示す。走査電子顕微鏡は、電子光学系と、ステージ機構系と、SEM制御系と、トリガ信号制御系、信号処理系と、SEM操作系と、電子照射制御系と、を有する。
電子光学系は、電子銃1と、偏向器2と、対物レンズ3と、検出器4とを備える。ステージ機構系は、試料5を設置する試料ホルダ6と、傾斜制御可能で且つXYZ軸方向に移動可能なステージ7とを備える。SEM制御系は、電子銃の加速電圧制御部8と、1次電子の電流制御部9と、偏向走査信号制御部10と、対物レンズコイル制御部11と、ステージ制御部12とを備える。トリガ信号制御系は、第1のトリガ信号制御部13、第2のトリガ信号制御部14と、第3のトリガ信号制御部15とを備える。信号処理系は、検出制御部16と、信号処理部17と、信号電圧変換部18とを備える。操作系は、計測結果表示部19と、操作インターフェース20とを備える。電子線照射制御系は、電子線を遮断するブランカ28と、ブランカ制御部29とを備える。
本発明では、2次電子放出量を安定させ、帯電を制御した電位コントラストを形成するため、時間の基準信号となる複数のトリガ信号を発生させ、電子線照射制御系や2次電子の検出制御系をトリガ信号に同期させることで、2次電子放出量計測に必要な、電子線の照射、検出、走査を制御する。
図2に、本実施例に係る走査電子顕微鏡の制御法を示す。まず、トリガ信号制御部13および14は、2次電子検出の時間基準となる第1のトリガ信号と第2のトリガ信号を、検出制御部に送信する。ここで、第1のトリガ信号と第2のトリガ信号の間隔を間隔時間Tとする。このとき、前記第1のトリガ信号と前記第2のトリガ信号の間に含まれる照射電子数Neは(1)式となる
Ne=T×Ip/e …(1)
ここで、Ipは1次荷電粒子の電流、eは素電荷である。
さらに、トリガ信号制御部15は、間隔時間Tを等分割する第3のトリガ信号を、検出制御部16に送信する。ここで、間隔時間Tに含まれる第3のトリガ信号の発生数をNとする。ここで、発生数Nを間隔時間Tに含まれる照射電子数Ne以上とすれば、第3のトリガ信号で、検出信号を取りこぼすことなく抽出することができる。
そして、検出制御部16は、前記第1のトリガ信号でゲートを開いてサンプリングを開始し、前記第3のトリガ信号に同期して前記検出器からの検出信号をN回サンプリングし、前記第2のトリガ信号でサンプリングを終了する。サンプリング終了後は、第3のトリガ信号に基づきサンプリングした検出信号を分割時間ΔTの範囲で積分して、得られる積分値を算出する。さらに、積分値を分割時間ΔTで平均化し、2次電子放出量を計測する。
ここで、図3Aに、本願発明に先駆けて本願発明者らが測定した、検出電子数と検出信号との関係を示し、図3Bに検出電子数と検出信号の平均値との関係をを示す。図3Bには、検出信号を任意の時間幅で平均化した場合の時間平均と、検出信号を任意のタイミングで複数回検出して平均化した場合の集合平均とで解析した結果を示した。図3Bからわかるように、時間平均および集合平均ともに検出電子数が所定の数(最小検出電子数)より少ない場合は、検出信号の平均値は不安定であり、測定ごとに大きくばらつく。これは、電子数が少ない条件下では、電子が量子的振る舞いをするためである。このような不安定な条件下では、得られた信号が、試料の構造に基づくものか、電子が量子的振る舞いをしたことに基づくものか区別できない。係る量子的振る舞いが収まり、一定の値に収束する条件は、エルゴード性と呼ばれ、時間平均値と、集合平均値とが等しい値となる状態を示す。ただし、等しい値から、分割時間ΔTの範囲内でサンプリングした信号数の平方根の範囲にある値までを、ばらつきの範囲として許容するものとする。試料構造に起因した信号が得られる最も短い時間幅は、エルゴード性が満たされる最少の検出電子数より決定できる。
すなわち、本実施例に係る走査電子顕微鏡を、間隔時間Tを等分割するN回(Nは自然数)の第3のトリガ信号によりサンプリングをN回行い、間隔時間Tを等分割した分割時間ΔTのそれぞれにおいてサンプリングした信号を積分して平均化することによって、二次電子を計測する制御を行ものとしたとき、分割時間ΔTに含まれる一次電子数(Ne×ΔT/T)がエルゴード性が満たされる最小の電子数より多くなるように、分割時間ΔTを制御すれば良い。
このように分割時間ΔTを決定すれば、よりより微細な構造に対応した2次電子信号を切り出すことを可能としつつ、電子の量子的振る舞いによることを防止できる。ここで、エルゴード性を満たす最少検出電子数は、装置や電子線の照射条件によって異なるため、照射制御系、検出制御系により、当該照射条件を踏まえた検出電子数の制御が必要である。
図4に、2次電子放出量計測のGUI21を示す。GUI21は、操作インターフェース20と計測結果表示部19を備えており、加速電圧設定部22と、1次電子の電流設定部23と、試料ホルダへの印加電圧設定部24と、間隔時間Tを入力する間隔時間設定部25と、発生数Nを入力する発生数設定部26と、分割時間ΔTを入力する分割時間設定部27と、2次電子放出率の測定結果表示部28と、2次電子放出量の測定結果表示部19とを有する。
図5に、走査電子顕微鏡を用いた2次電位放出量の計測フローを示す。本フローではまず、加速電圧設定部22による加速電圧Vaと(ステップS100)、1次電子の電流設定部23による1次電子の電流Ipと(ステップS101)、試料ホルダへの印加電圧設定部24による試料ホルダへの印加電圧Vrを設定する(ステップS102)。図5では、Va=3000V、Ip=20pA、Vr=−2500Vとした。さらに、間隔時間設定部25による間隔時間Tと(ステップS103)、発生数設定部26による発生数Nと(ステップS104)、分割時間設定部27による分割時間ΔTを設定する(ステップS105)。ここで、第3のトリガ信号で、検出信号を取りこぼすことなく、抽出するためには、発生数Nが、間隔時間Tに含まれる照射電子数Ne以上であることが望ましい。照射電子数Neは前記(1)式より算出できる。本実施例では、発生数Nをユーザが入力する方式を採用したが、(1)式を用いた自動設定でも構わない。図5では、T=9.6μs、N=960、ΔT=0.64μsとした。ここで上述の通り、分割時間ΔTは、2次電子放出量の時間変化を計測するための計測時間単位であるため、検出信号の集合平均と同じ平均値となるエルゴード性が満たされる時間幅以上に設定する必要がある。本実施例に用いた走査電子顕微鏡においては、エルゴード性が満たされる時間幅は実験値0.20μs以上であったため、本分割時間ΔTの設定値は、信号の平均処理においてエルゴード性を満たしている。前記加速電圧Vaと1次電子の電流Ipで電子銃1から放出した電子線は、対物レンズ3で集束され、試料ホルダへの印加電圧Vrで減衰し、試料5に照射される。ここで、試料への照射エネルギはVaとVrの絶対値の差に基づいて算出され、図5では500eVである。また、偏向器2により、電子線の試料5上における照射位置を制御する。さらに、電子線照射により試料5から放出された2次電子を検出器4で検出する。検出制御部16は、検出器4で得られるアナログの検出信号から、検出信号を抽出する。ここで、検出信号の抽出を開始するタイミングは、第1のトリガ信号制御部13から受信した第1のトリガ信号で制御する(ステップS106)。検出信号は、第3のトリガ信号制御部15から受信した第3のトリガ信号に基づいて、N回サンプリングする(ステップS107)。さらに、検出信号の抽出は、第2のトリガ信号制御部14から受信した第2のトリガ信号で終了する(ステップS108)。次に、検出制御部16によって抽出した2次電子の電圧信号を、信号処理部17で積分する。まず、2次電子放出量を計測する場合について述べる。間隔時間Tの範囲で2次電子の電圧信号を積分し、積分値を算出する(ステップS109)。次に、積分値と間隔時間Tにより、平均値を算出する(ステップS110)。さらに、平均値を電流に変換し(ステップS111)、2次電子放出量を計測する(ステップS112)。次に、2次電子放出量の時間変化を計測する場合について述べる。検出制御部16によって抽出した2次電子の電圧信号を、分割時間ΔTの範囲で積分し、積分値を算出する(ステップS113)。積分値は、間隔時間Tを分割時間ΔTで割った数だけ、算出される。本実施例では、15個の積分値が得られる。次に、積分値と分割時間ΔTにより、平均値を算出し(ステップS114)、平均値の電流変換により(ステップS115)、2次電子放出量を算出することで、時間変化が計測でき(ステップS116)、フローが終了となる(ステップS117)。
図4の2次電子放出率の測定結果表示部28に、シリコンの2次電子放出量と2次電子放出量の時間変化の計測結果を示す。図4から、エルゴード性を満たす分割時間0.64μsの時間分解能で、2次電子放出率の時間変化が計測できることが判る。このように、本実施例によれば、時間基準を定めた検出制御ができるため、より時間幅を短くしてより高精度な検出を可能とした2次電子放出量の時間変化が解析できる。
次に図6を用いて、時間基準を定めて電子線照射と検出制御した2次電位放出量の計測フローを示す。加速電圧設定部22による加速電圧Vaと(ステップS100)、1次電子の電流設定部23による1次電子の電流Ipと(ステップS101)、試料ホルダへの印加電圧設定部24による試料ホルダへの印加電圧Vrを設定する(ステップS102)。図6では、Va=10000V、Ip=10pA、Vr=−9700Vとした。さらに、間隔時間設定部25による間隔時間Tと(ステップS103)、発生数設定部26による発生数Nと(ステップS104)、分割時間設定部27による分割時間ΔTを設定する(ステップS105)。図6では、T=64μs、N=6400、ΔT=0.64μsとした。本実施例に用いた走査電子顕微鏡において、エルゴード性が満たされる時間幅は実験値0.40μs以上であり、本分割時間ΔTの設定値は、信号の平均処理においてエルゴード性を満たしている。前記加速電圧Vaと1次電子の電流Ipで電子銃1から放出した電子線は、対物レンズ3で集束され、試料ホルダへの印加電圧Vrで減衰し、試料5に照射される。ここで、電子銃1直下に設置したブランカ28により、電子線が遮断できる。電子線の照射と遮断は、ブランカ制御部29より発生させるブランカ電圧により制御する。図6では、第1のトリガ信号から第2のトリガ信号の間のみ電子線が照射されるようにブランカ28を制御することによって、電子線が時間幅Tのパルスとなる。
電子線を照射するタイミングは、第1のトリガ信号制御部13から受信した第1のトリガ信号で制御する(ステップS118)。この際、電子線照射により試料5から放出した2次電子を検出器4で検出する。検出制御部16により、検出器4で得られたアナログの検出信号から、検出信号を抽出する。ここで、検出信号の抽出を開始するタイミングは、第1のトリガ信号制御部13から受信した第1のトリガ信号で制御する(ステップS106)。
つまり、電子線を照射するタイミングと検出信号の抽出を開始するタイミングは、ともに第1のトリガ信号で制御するため、電子線を照射するタイミングと検出信号の抽出を開始するタイミングは同期がとれる。検出信号は、第3のトリガ信号制御部15から受信した第3のトリガ信号で、発生数N回、サンプリングする(ステップS107)。さらに、検出信号の抽出は、第2のトリガ信号制御部14から受信した第2のトリガ信号で終了する(ステップS108)と同時に、第2のトリガ信号で、電子線を遮断する(ステップS119)。つまり、検出信号の抽出終了とともに電子線が遮断されるため、検出時以外の過剰な照射を抑制できる。図6では2次電子放出量の時間変化を計測する。2次電子放出量の時間変化を計測するフローは、図5に示した、ステップS113からステップS116のフローと同様である。
図7に、図6のフローにおける計測結果である、SiOの2次電子放出量の時間変化を示す。絶縁体であるSiOの2次電子放出量の時間変化が、時間分解能0.64μsで計測できることが判る。また、SiOの2次電子放出量の2次電子放出量は、電子線照射の帯電によって減少し、1次電子の電流20pAと釣り合った状態で定常となっていることが判る。このように、本実施例によれば、時間基準を定めた照射と検出の制御ができるため、より時間幅を短くしてより高精度な検出を可能とした、絶縁体の2次電子放出量の時間変化が解析できる。
以上を踏まえ、本実施例に係る荷電粒子線装置は、一次荷電粒子線を発生する荷電粒子源(電子銃1)と、試料を設置するステージ(7)と、一次荷電粒子線の加速電圧を設定する加速電圧設定部(22)と、一次荷電粒子線を試料へ集束させる対物レンズ(4)と、試料から放出される二次荷電粒子を検出する検出器(4)と、検出器で得られる検出信号を抽出する検出制御部(16)と、検出制御部へトリガ信号を送信するトリガ信号制御部(13〜15)と、を有する。検出制御部は、トリガ信号制御部が生成する第1のトリガ信号により、検出信号の抽出を開始する制御と、トリガ信号制御部が生成する第2のトリガ信号により、検出信号の抽出を終了する制御と、トリガ信号制御部が生成し、第1のトリガ信号と第2のトリガ信号の間隔時間Tを等分割するN回(Nは自然数)の第3のトリガ信号により、検出信号のサンプリングをN回行う制御と、間隔時間Tを等分割した分割時間ΔTのそれぞれにおいて、サンプリングされた信号を積分して平均化することによって、二次荷電粒子を計測する制御と、を行う。そして、分割時間ΔTは、分割時間ΔTに含まれる一次荷電粒子数が、エルゴード性が満たされる最小の荷電粒子数より多くなるように制御される。
係る特徴により、検出信号の不安定な振る舞いや測定ごとのばらつきの影響を低減しつつ、より時間幅を短くしてより高精度な検出をすることができる。
ここで、エルゴード性が満たされる最小の荷電粒子数とは、計測において、検出信号の時間平均と検出信号の集合平均とが等しい値となるか、または、等しい値から、分割時間ΔTの範囲内でサンプリングした信号数の平方根の範囲にある値となる粒子数であればよい。
また、発生数Nを間隔時間Tの間に一次荷電粒子線に含まれる荷電粒子数以上とすれば、第3のトリガ信号で、検出信号を取りこぼすことなく抽出することができる。
本実施例では、時間基準を定めて、荷電粒子線の照射と2次電子の検出を制御した画像形成装置と方法について述べる。本実施例における走査電子顕微鏡の構成例を図8に示す。図8の走査電子顕微鏡は、図1の構成に加えて、画像制御系と操作系をさらに備える。画像制御系は、画像形成部30を備え、操作系は、画像表示部31と、操作インターフェース20とを備える。
観察条件の設定は、図6のステップS100、ステップS101、ステップS102と同様に、加速電圧Vaと1次電子の電流Ipと試料ホルダへの印加電圧Vrを設定する。本実施例では、Va=5000V、Ip=10pA、Vr=−4700Vとした。さらに、図6のステップS103、ステップS104、ステップS105と同様に、間隔時間Tと、発生数Nと、分割時間ΔTを設定する。
図9に、前記観察条件の設定値に基づき、照射系、検出系、偏向系を制御して画像を形成するフローを示す。図9では、T=32μs、N=3200、ΔT=0.64μsとした。本実施例に用いた走査電子顕微鏡において、エルゴード性が満たされる時間幅は実験値0.40μs以上であり、本ΔTの設定値は信号の平均処理においてエルゴード性を満たしている。前記加速電圧Vaと1次電子の電流Ipで電子銃1から放出した電子線は、対物レンズ3で集束され、試料ホルダへの印加電圧Vrで減衰し、試料5に照射される。偏向器2により、電子線は試料5上を2次元走査する。また、電子銃1直下に設置した、前記ブランカ28により、電子線が遮断できる。電子線の照射と遮断は、ブランカ制御部29より発生させるブランカ電圧により制御する。電子線を偏向するタイミングは、第1のトリガ信号制御部13から受信した第1のトリガ信号で制御する(ステップS120)。電子線を照射するタイミングは、第1のトリガ信号制御部13から受信した第1のトリガ信号で制御する(ステップS118)。この際、電子線照射により試料5から放出した2次電子を検出器4で検出する。検出制御部16により、検出器4で得られたアナログの検出信号から、検出信号を抽出する。ここで、検出信号の抽出を開始するタイミングは、第1のトリガ信号制御部13から受信した第1のトリガ信号で制御する(ステップS106)。つまり、電子線を偏向するタイミングと、電子線を照射するタイミングと、検出信号の抽出を開始するタイミングは、ともに第1のトリガ信号で制御し、同期させる。検出信号は、第3のトリガ信号制御部15から受信した第3のトリガ信号で、発生数N回、サンプリングする(ステップS107)。さらに、検出信号の抽出は、第2のトリガ信号制御部14から受信した第2のトリガ信号で終了する(ステップS108)と同時に、第2のトリガ信号で、電子線を遮断し(ステップS119)、電子線の偏向を停止する。抽出した2次電子の電圧信号から、2次電子放出量の時間変化を計測する。2次電子放出量の時間変化を計測するフローは、図5に示した、ステップS113からステップS116のフローを用いた。次に、2次電子放出量の時間変化から1つもしくは複数の時間での2次電子放出量を選択する(S122)。ここで計測した2次電子放出量は1画素の信号に相当する。所望の画像サイズとなるまで、偏向制御(S120、S121)、照射制御(S118、S119)、検出制御(S106からS108)、2次電子放出量計測(S113からS116)を繰り返し、偏向しながら時間ごとの2次電子放出量を計測する(S123)。偏向を制御する信号の電圧値と2次電子から画像を形成し(S124)、終了となる(S117)。
図10に、本実施例の試料構造の断面図を示す。図10の試料は、絶縁膜32に下層パターン33が埋め込まれた構造になっている。図11に、下層パターンのある領域(下層あり)とない領域(下層なし)で計測した2次電子放出量の時間変化を示す。図11から、下層パターンある領域(下層あり)とない領域(下層なし)の2次電子放出量の差が、10μs付近で大きくなり、その後再び小さくなることが判る。これは、帯電による2次電子の放出量の時間変化が、積層構造によって異なることに起因する。図12に、選択した時間ごとのSEM画像を示す。選択した時間は、1.28μs(図11のa)、2.56μs(図11のb)、10.24μs(図11のc)、20.48μs(図11のd)である。各画像のコントラスト値を解析した。コントラストは、(2)式で解析した。
コントラスト=(S1‐S2)/(σ1+σ2)/2 …(2)
ここで、S1およびσ1はそれぞれ、下層なし領域の画像明度と標準偏差、S2およびσ2はそれぞれ、下層あり領域の画像明度と標準偏差である。1.28μsのSEM画像34と、2.56μsのSEM画像35と、10.24μsのSEM画像36と、20.48μsのSEM画像37のコントラスト値はそれぞれ、0.1、1.0、2.3、1.7であり、10.24μsのSEM画像36が最も下層パターンのコントラストが高く、下層パターンに対する感度が高い条件である。一方、1.28μsのSEM画像34が最も下層パターンのコントラストが低く、表面の形状に対する感度が高い条件である。このように、本実施例によれば、時間基準を定めた照射、検出、偏向の検出制御により、電子線の照射帯電を制御した荷電粒子線画像が形成できる。
本実施例では、2次電子放出量による表面電位の計測装置と方法について述べる。本実施例では、荷電粒子線装置のうち走査電子顕微鏡を例に、実施の形態を述べる。本実施例における走査電子顕微鏡は、図1と同様の構成を用いた。
図13に表面計測のGUI38を示す。GUI38には、操作インターフェース20と計測結果表示部19が具備されている。加速電圧設定部22、1次電子の電流設定部23、試料ホルダへの印加電圧設定部24、第1のトリガ信号と第2のトリガ信号間の間隔時間Tを入力する間隔時間設定部25、第3のトリガ信号の発生数Nの発生数設定部26、間隔時間を等分割する分割時間設定部27、2次電子放出量の測定結果表示部39と表面電位計測結果40が備わっている。図14に表面電位計測のフローを示す。前記加速電圧と試料ホルダへの印加電圧の差から第1の照射エネルギErを算出する(ステップS125)。本実施例では加速電圧Va=3000V、試料ホルダへの印加電圧Vr=2200Vであり、第1の照射エネルギErは800Vである。本実施例の表面電位計測では、2次電子放出率(2次電子放出量を1次電子の電流で割った値)の照射エネルギ依存性(イールドカーブと呼ぶ)を用いる。図13の測結果表示部19に示したイールドカーブから判るように、照射エネルギ300eV付近で、2次電子放出率が最大となり、照射エネルギ3000eV付近で1となる。2次電子放出率が1となる照射エネルギ(E2)は1次電子が試料に与える帯電の影響を抑えることができる反面、2次電子放出率の照射エネルギ依存性が低く、電位計測には不向きである。一方、照射エネルギ300eVから、照射エネルギ3000eVまでの領域は、2次電子放出率の照射エネルギ依存性が高く、電位計測に適しているものの、1次電子による帯電の影響は避けられない。よって、電位計測には時間基準を設けた照射、検出の制御が重要となる。そこで、図6のフローにより、2次電子放出量を計測する(ステップS126)。本実施例の設定条件は、加速電圧Va=3000V、1次電子の電流Ip=20pA、試料ホルダへの印加電圧Vr=2200Vとし、間隔時間T=1.28μs、発生数N=128、分割時間ΔT=0.64μsとした。
図13の2次電子放出量の測定結果表示部39に、参照部で取得したイールドカーブを示した。次に、計測した2次電子放出量から、イールドカーブ上の照射エネルギを抽出し、第2の照射エネルギEmを解析する。表面電位は、第1の照射エネルギErと第2の照射エネルギEmとの差である。このように、本実施例によれば、絶縁体の2次電子放出量計測により、高い電位分解能で表面電位が計測できる。
本実施例では、2次電子放出量による表面電位の計測装置と方法について述べる。本実施例では、荷電粒子線装置のうち走査電子顕微鏡を例に、実施の形態を述べる。本実施例における走査電子顕微鏡は、図1と同様の構成を用いた。本実施例では、図14の表面電位計測のフローを用いた。本実施例では、電子線が試料に照射されずに反射するミラー電子となる照射エネルギから100eV程度までの超低照射エネルギ領域を用いる。導体試料で、電子線が試料に照射されずに反射するミラー電子が検出できる加速電圧Vaと試料ホルダへの印加電圧Vrを設定する。本実施例では、Va=3000Vとし、試料ホルダへの印加電圧Vr=-3005Vとし、2次電子放出量を計測する。徐々に電子線が試料に照射されるように加速電圧Vaと試料ホルダへの印加電圧Vrを設定しながら、2次電子放出量を計測する。本実施例では5VピッチでVrを変化させながら取得した。加速電圧Vaと試料ホルダへの印加電圧Vrの差から算出した超低照射エネルギ領域のイールドカーブを図15に示す。2次電子放出量が一定の閾値Thを越えた時の照射エネルギを、第1の照射エネルギErとする。次に帯電した試料で計測した、イールドカーブから、第2の照射エネルギEmを解析する。表面電位は、第1の照射エネルギErと第2の照射エネルギEmから表面電位が計測である。このように、本実施例によれば、絶縁体の2次電子放出量計測により、高い電位分解能で表面電位が計測できる。
本実施例では、2次電子放出量による表面電位分布の計測装置と方法について述べる。本実施例では、荷電粒子線装置のうち走査電子顕微鏡を例に、実施の形態を述べる。本実施例における走査電子顕微鏡を、図16に示す。
本実施例に係る走査電子顕微鏡は、画像制御系画像制御系が、2次電子放出量による画像形成部30に加えて、2次電子放出量による画像から表面電位分布への変換部41をさらに備える。
図18に表面電位分布計測のGUI42を示す。GUI42には、操作インターフェース20と画像表示部31が具備されている。加速電圧設定部22、1次電子の電流設定部23、試料ホルダへの印加電圧設定部24、第1のトリガ信号と第2のトリガ信号間の間隔時間Tを入力する間隔時間設定部25、第3のトリガ信号の発生数Nの発生数設定部26、間隔時間を等分割する分割時間設定部27、画像表示部31が備わっている。実施例4の図15と同様の表面電位計測フローにより、2次電子放出量から表面電位を計測した。本実施例の設定条件は、加速電圧Va=3000V、1次電子の電流Ip=20pA、試料ホルダへの印加電圧Vr=2700Vとし、間隔時間T=0.64μs、発生数N=64、分割時間ΔT=0.64μsとした。
図17の画像表示部31中に、絶縁膜に電界ストレスを印加した試料の表面電位分布の計測結果を示す。本実施例によれば、2次電子放出量による2次元画像から表面電位分布が計測できる。
1:電子銃、2:偏向器、3:対物レンズ、4:検出器、5:試料、6:試料ホルダ、7:ステージ、8:加速電圧制御部、9:1次電子の電流制御部、10:偏向走査信号制御部、11:対物レンズコイル制御部、12:ステージ制御部、13:第1のトリガ信号制御部、14:第2のトリガ信号制御部、15:第3のトリガ信号制御部、16:検出制御部、17:信号処理部、18:信号電圧変換部、19:計測結果表示部、20:操作インターフェース、21:GUI、22:加速電圧設定部、23:1次電子の電流設定部、24:試料ホルダへの印加電圧設定部、25:間隔時間設定部、26:発生数設定部、27:分割時間設定部、28:ブランカ、29:ブランカ制御部、30:画像形成部、31:画像表示部、32:絶縁膜、33:下層パターン、34:SEM画像、35:SEM画像、36:SEM画像、37:SEM画像、38:GUI、39:測定結果表示部、40:表面電位計測結果表示部、41:表面電位分布への変換部、42:GUI。

Claims (14)

  1. 一次荷電粒子線を発生する荷電粒子源と、
    試料を設置するステージと、
    前記一次荷電粒子線の加速電圧を設定する加速電圧設定部と、
    前記一次荷電粒子線を前記試料へ集束させる対物レンズと、
    前記試料から放出される二次荷電粒子を検出する検出器と、
    前記検出器で得られる検出信号を抽出する検出制御部と、
    前記検出制御部へトリガ信号を送信するトリガ信号制御部と、を有し、
    前記検出制御部は、
    前記トリガ信号制御部が生成する第1のトリガ信号により、前記検出信号の抽出を開始する制御と、
    前記トリガ信号制御部が生成する第2のトリガ信号により、前記検出信号の抽出を終了する制御と、
    前記トリガ信号制御部が生成し、前記第1のトリガ信号と前記第2のトリガ信号の間隔時間Tを等分割するN回(Nは自然数)の第3のトリガ信号により、前記検出信号のサンプリングを前記N回行う制御と、
    前記間隔時間Tを等分割した分割時間ΔTのそれぞれにおいて、前記サンプリングされた信号を積分して平均化することによって、前記二次荷電粒子を計測する制御と、を行い、
    前記分割時間ΔTは、前記分割時間ΔTに含まれる一次荷電粒子数が、エルゴード性が満たされる最小の荷電粒子数より多くなるように制御され
    前記エルゴード性が満たされる最小の荷電粒子数とは、前記計測において、前記検出信号の時間平均と前記検出信号の集合平均とが等しい値となるか、または、前記等しい値から、前記分割時間ΔTの範囲内で前記サンプリングした信号数の平方根の範囲にある値となる粒子数であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 一次荷電粒子線を発生する荷電粒子源と、
    試料を設置するステージと、
    前記一次荷電粒子線の加速電圧を設定する加速電圧設定部と、
    前記一次荷電粒子線を前記試料へ集束させる対物レンズと、
    前記試料から放出される二次荷電粒子を検出する検出器と、
    前記検出器で得られる検出信号を抽出する検出制御部と、
    前記検出制御部へトリガ信号を送信するトリガ信号制御部と、を有し、
    前記検出制御部は、
    前記トリガ信号制御部が生成する第1のトリガ信号により、前記検出信号の抽出を開始する制御と、
    前記トリガ信号制御部が生成する第2のトリガ信号により、前記検出信号の抽出を終了する制御と、
    前記トリガ信号制御部が生成し、前記第1のトリガ信号と前記第2のトリガ信号の間隔時間Tを等分割するN回(Nは自然数)の第3のトリガ信号により、前記検出信号のサンプリングを前記N回行う制御と、
    前記間隔時間Tを等分割した分割時間ΔTのそれぞれにおいて、前記サンプリングされた信号を積分して平均化することによって、前記二次荷電粒子を計測する制御と、を行い、
    前記分割時間ΔTは、前記分割時間ΔTに含まれる一次荷電粒子数が、エルゴード性が満たされる最小の荷電粒子数より多くなるように制御され
    前記Nは、前記間隔時間Tの間に前記一次荷電粒子線に含まれる荷電粒子数以上であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項1おいて、
    前記Nは、前記間隔時間Tの間に前記一次荷電粒子線に含まれる荷電粒子数以上であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つにおいて、
    前記一次荷電粒子線を遮断するブランカをさらに有し、
    前記ブランカは、前記第1のトリガ信号により前記一次粒子線の遮断を解除し、前記第2のトリガ信号により前記一次粒子線を遮断することを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1から3のいずれか1つにおいて、
    前記一次荷電粒子線に前記試料上を走査させる偏向器をさらに有し、
    前記偏向器は、前記第1のトリガ信号により、前記走査を開始することを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1から3のいずれか1つにおいて、
    前記一次荷電粒子線を遮断するブランカと、
    前記一次荷電粒子線に前記試料上を走査させる偏向器と、をさらに有し、
    前記検出制御部における前記検出信号の抽出の開始と、前記ブランカによる前記一次粒子線の遮断の解除と、前記偏向器による前記走査の開始とは、前記第1のトリガ信号により同期していることを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1つにおいて、
    前記一次荷電粒子線は、電子線であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 一次荷電粒子線を発生する荷電粒子源と、試料を設置するステージと、前記一次荷電粒子線の加速電圧を設定する加速電圧設定部と、前記一次荷電粒子線を前記試料へ集束させる対物レンズと、前記試料から放出される二次荷電粒子を検出する検出器と、前記検出器で得られる検出信号を抽出する検出制御部と、前記検出制御部へトリガ信号を送信するトリガ信号制御部と、を有する荷電粒子線装置における荷電粒子線の計測方法であって、
    前記トリガ信号制御部が生成する第1のトリガ信号により、前記検出信号の抽出を開始するステップと、
    前記トリガ信号制御部が生成する第2のトリガ信号により、前記検出信号の抽出を終了するステップと、
    前記トリガ信号制御部が生成し、前記第1のトリガ信号と前記第2のトリガ信号の間隔時間Tを等分割するN回(Nは自然数)の第3のトリガ信号により、前記検出信号のサンプリングを前記N回行うステップと、
    前記間隔時間Tを等分割した分割時間ΔTのそれぞれにおいて、前記サンプリングされた信号を積分して平均化することによって、前記二次荷電粒子を計測するステップと、を有し、
    前記分割時間ΔTは、前記計測された前記二次荷電粒子の数が、エルゴード性が満たされる最小の荷電粒子数より多くなるように制御され、
    前記エルゴード性が満たされる最小の荷電粒子数とは、前記計測において、前記検出信号の時間平均と前記検出信号の集合平均とが等しい値となるか、または、前記等しい値から、前記分割時間ΔTの範囲内で前記サンプリングした信号数の平方根の範囲にある値となる粒子数であることを特徴とする荷電粒子線の計測方法。
  9. 一次荷電粒子線を発生する荷電粒子源と、試料を設置するステージと、前記一次荷電粒子線の加速電圧を設定する加速電圧設定部と、前記一次荷電粒子線を前記試料へ集束させる対物レンズと、前記試料から放出される二次荷電粒子を検出する検出器と、前記検出器で得られる検出信号を抽出する検出制御部と、前記検出制御部へトリガ信号を送信するトリガ信号制御部と、を有する荷電粒子線装置における荷電粒子線の計測方法であって、
    前記トリガ信号制御部が生成する第1のトリガ信号により、前記検出信号の抽出を開始するステップと、
    前記トリガ信号制御部が生成する第2のトリガ信号により、前記検出信号の抽出を終了するステップと、
    前記トリガ信号制御部が生成し、前記第1のトリガ信号と前記第2のトリガ信号の間隔時間Tを等分割するN回(Nは自然数)の第3のトリガ信号により、前記検出信号のサンプリングを前記N回行うステップと、
    前記間隔時間Tを等分割した分割時間ΔTのそれぞれにおいて、前記サンプリングされた信号を積分して平均化することによって、前記二次荷電粒子を計測するステップと、を有し、
    前記分割時間ΔTは、前記計測された前記二次荷電粒子の数が、エルゴード性が満たされる最小の荷電粒子数より多くなるように制御され
    前記Nは、前記間隔時間Tの間に前記一次荷電粒子線に含まれる荷電粒子数以上であることを特徴とする荷電粒子線の計測方法。
  10. 請求項8おいて、
    前記Nは、前記間隔時間Tの間に前記一次荷電粒子線に含まれる荷電粒子数以上であることを特徴とする荷電粒子線の計測方法。
  11. 請求項8から10のいずれか1つにおいて、
    前記荷電粒子線装置は、一次荷電粒子線を遮断するブランカをさらに有し、
    前記第1のトリガ信号により、前記ブランカに前記一次粒子線の遮断を解除させるステップと、
    前記第2のトリガ信号により、前記ブランカに前記一次粒子線を遮断させるステップと、をさらに有することを特徴とする荷電粒子線の計測方法。
  12. 請求項8から10のいずれか1つにおいて、
    前記前記荷電粒子線装置は、一次荷電粒子線に前記試料上を走査させる偏向器をさらに有し、
    前記第1のトリガ信号により、前記偏向器に前記走査を開始させるステップをさらに有することを特徴とする荷電粒子線の計測方法。
  13. 請求項8から10のいずれか1つにおいて、
    前記荷電粒子線装置は、前記一次荷電粒子線を遮断するブランカと、前記一次荷電粒子線に前記試料上を走査させる偏向器と、をさらに有し、
    前記第1のトリガ信号により、前記検出信号の抽出の開始と、前記ブランカによる前記一次粒子線の遮断の解除と、前記偏向器による前記走査の開始とを同期して行わせるステップをさらに有することを特徴とする荷電粒子線の計測方法。
  14. 請求項8から13のいずれか1つにおいて、
    前記一次荷電粒子線は、電子線であることを特徴とする荷電粒子線の計測方法。
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