JP6169378B2 - 自然風により架渉線機材に生じる繰り返し荷重の確率密度分布を予測する方法 - Google Patents

自然風により架渉線機材に生じる繰り返し荷重の確率密度分布を予測する方法 Download PDF

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Description

本発明は、自然風により架渉線機材に生じる繰り返し荷重の確率密度分布を予測する方法に関する。
配電線の支持機材における強度評価は、機材が経験しうる最悪状況を想定し、その状況下において発生する終極荷重について、機材の応力評価を行うことが一般的である。
詳しくは、この終極荷重での発生応力に対して機材の材料の機械的特性が満足するか否かにより機材の強度評価がなされる。このような設計を耐力設計という。この耐力設計では、大きな力に対して材料が塑性破壊する現象について、機材の安全性を評価する手法として用いられる。
一方、機材・構造物の破壊現象として挙げられるのが、疲労損傷破壊である。この破壊は、材料の耐力を超過しない範囲で生じる繰り返し応力により部材に小さな損傷が蓄積し、最終的に部材の破壊に至るものである。従来から、繰り返し応力によって機材等に疲労損傷破壊が生じることは知られており、この疲労損傷破壊に対向すべく種々の方策が講じられてきた。
例えば、特許文献1では、溶接により製造された鋼構造物の溶接部と母材との境界面が疲労損傷に弱く、疲労破壊の起点となる点に着目し、鋼構造物における溶接箇所の溶接止端部に対し、当該溶接止端部の温度が100℃以上400℃未満で超音波ピーニング処理を行い、かつピーニング処理部を徐冷することによって、塑性加工による硬度上昇に伴う疲労強度の上昇効果を、より向上させることができる鋼構造物の高耐久化処理方法が開示されている。
特開2013−006215号公報
しかしながら、機材等の疲労損傷破壊に対する評価を正確に行うことはできていない。疲労損傷破壊に対する評価を正確に行うためには、機材に作用する繰り返し荷重を的確に把握する必要があるが、配電線の支持機材に作用する疲労損傷に影響を及ぼすこの繰り返し荷重について的確に把握できておらず、正確な評価が行えていないのが現状である。
そこで本発明は、上記問題点に対処するため、機材等に作用する繰り返し荷重を的確に把握することが可能な繰り返し荷重の確率密度分布予測方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1の発明では、
地上高20m未満の柱に架渉された配電線を当該柱に支持する支持機材において、
前記配電線の線路方向に作用する繰り返し荷重Tuと風速Vの相関関係を、前記配電線の架線条件である電線外径B、径間S、弛度Dに基づいて、風速Vと空気密度ρに相当する圧力である風圧荷重の係数Cuの式
として導出し、
当該導出した風圧荷重の係数Cuの確率密度分布f Cu を、対象地域の代表的な風速の乱れ強さの情報から特定し、
当該特定した風圧荷重の係数Cuの確率密度分布f Cu と、対象地域の風速の確率密度分布f V から、任意の地点に架渉された前記支持機材に対して作用する前記繰り返し荷重Tuの確率密度分布を予測する、繰り返し荷重の確率密度分布予測方法とした。
請求項2の発明では、
前記対象地域の風速の確率密度分布については、複数の気象観測所に係る代表的な風速の頻度分布に基づいて、統計処理により、土地利用状況により影響される架渉された配電線高さにおける任意の地点の自然風の確率密度分布を算出する、請求項1に記載の繰り返し荷重の確率密度分布予測方法とした。
本発明によれば、繰り返し荷重の確率密度分布を的確に予測することができるようになるため、架渉線機材の疲労損傷破壊に対する評価を正確に行うことができ、機材の長期信頼性設計を合理的に行うことができる。
本発明は、地上高20m未満の柱に架渉された配電線を当該柱に支持する支持機材において、前記配電線の線路方向に作用する繰り返し荷重Tuと風速Vの相関関係を、前記配電線の架線条件である電線外径B、径間S、弛度Dに基づいて、風速Vと空気密度ρに相当する圧力である風圧荷重の係数Cuの式
として導出し、当該導出した風圧荷重の係数Cuの確率密度分布f Cu を、対象地域の代表的な風速の乱れ強さの情報から特定し、当該特定した風圧荷重の係数Cuの確率密度分布f Cu と、対象地域の風速の確率密度分布f V から、任意の地点に架渉された前記支持機材に対して作用する前記繰り返し荷重Tuの確率密度分布を予測する構成とすることにより、架渉線機材の疲労損傷破壊に対する評価を正確に行うことができ、機材の長期信頼性設計を合理的に行うことができる。
なお、本発明中の風速とは、人工的な風ではなく自然風の速度を意味する。また、本発明中の風速は、所定の期間における自然風の速度の平均成分を扱う。この所定の期間の代表的な期間として、気象観測所のデータでは、「10分間」とするのが一般的である。
本発明の一実施例である実施例1の情報処理装置のハードウェア構成を模式的に示した概念図である。 本発明の一実施例である実施例1の情報処理装置の形状係数・尺度係数記憶領域の構造を模式的に示した図である。 本発明の一実施例である実施例1の情報処理装置の乱れ強さ関連情報記憶領域内のべき指数の構成を模式的に示した図である。 本発明の一実施例である実施例1の情報処理装置が用いる風力係数に係る架線状態を概念的に示す説明図である。 本発明の一実施例である実施例1の情報処理装置が実行する処理の流れを示す流れ図である。 本発明の一実施例である実施例1の情報処理装置が実行する処理の内、任意の地点のワイブル係数c,kの算出例である。 本発明の一実施例である実施例1の情報処理装置が実行する処理の内、風速の確率密度分布の算出例である。 本発明の一実施例である実施例1の情報処理装置が実行する処理の内、風力係数Cuの確率密度分布の特定例である。 本発明の一実施例である実施例1の情報処理装置が実行する処理の内、繰り返し変動荷重の確率密度分布の算出例である。 本発明の一実施例である実施例1の情報処理装置が実行する処理の内、繰り返し変動荷重の頻度分布の算出例である。
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施例を詳細に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<情報処理装置100の構成>
情報処理装置100は、任意の地点に架渉された前記支持機材に対して電線の線路方向に作用する繰り返し荷重の確率密度分布を予測するものである。情報処理装置100は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)やワークステーション(WS)等で実現される。
次に、情報処理装置100のハードウェア構成について、図1を参照して説明する。図1は、情報処理装置100のハードウェア構成を模式的に示したブロック図である。
外部記録媒体接続手段103は、メディアへのアクセスを実現するためのものであり、メディア(記録媒体)104に記憶されたプログラム等を情報処理装置100にロードすることができる。
記憶手段105は、大容量メモリとして機能する、例えばHDD(ハードディスクドライブ)を有しており、記憶手段105には、アプリケーションプログラム、OS、制御プログラム、関連プログラム等が記憶される。
また、この記憶手段105には形状係数・尺度係数記憶領域151、乱れ強さ関連情報記憶領域152、風力係数の確率密度分布式記憶領域153、風速の確率密度分布記憶領域154、風力係数の確率密度分布記憶領域155、繰り返し荷重の確率密度分布式記憶領域156、繰り返し荷重の確率密度分布記憶領域157、架線条件情報記憶領域158が設けられている。ただし、この構成に限定されるわけではなく、例えば、形状係数・尺度係数記憶領域151、乱れ強さ関連情報記憶領域152、風力係数の確率密度分布式記憶領域153、風速の確率密度分布記憶領域154、風力係数の確率密度分布記憶領域155、繰り返し荷重の確率密度分布式記憶領域156、繰り返し荷重の確率密度分布記憶領域157、架線条件情報記憶領域158をメディア104に設ける構成としてもよい。
<形状係数・尺度係数記憶領域151の構成>
形状係数・尺度係数記憶領域151には、図2に示すように、各観測地点の緯度・経度、形状係数k、及び尺度係数cが記憶されている。なお、各観測地点とは、既存の各気象観測所が設置されている地点であって、図2では各観測所名が表示されている。従って、形状係数・尺度係数記憶領域151には、各気象観測所における緯度・経度、形状係数k、及び尺度係数cが記憶されていることとなる。なお、本発明での対象となる機材は配電線支持物であり、当該機材は自然風が土地の利用状況によって大きく影響される地上高20m未満に設置されている。このような高さでの風の頻度分布を予測するために既存の観測データは地上高20m未満で観測されているものを用いる。例えば、気象庁所有の観測データなどは地上高20m未満の観測データが多く含まれている。また、「形状係数k」は、分布の起伏の変化に影響を及ぼすパラメータであり、「尺度係数c」は、分布の累積頻度が63.2%になるときの確率変数の値(風速)を示したものであり、分布の平均的な値を示すパラメータである。
<乱れ強さ関連情報記憶領域152の構成>
乱れ強さ関連情報記憶領域152には、乱れ強さ関連情報として、図3に示すように、地表面粗度区分1〜5に対応して、べき指数が記憶されている。この粗度区分、べき指数は、例えば、日本建築学会出版の建築物荷重指針・同解説(2004)によって公開されているものを流用する。また、乱れ強さ関連情報として、機材の設置場所の地上高Z(m)の風速の乱れ強さIzを算出するための数1及び数2が記憶されている。この数1及び数2は、例えば、日本建築学会出版の建築物荷重指針・同解説(2004)によって公開されているものを流用する。なお、「乱れ強さIz」とは、風速の乱れ強さ(=所定の時間で平均値に対してどれだけ風がばらつくか)を示したものである。
<風力係数の確率密度分布式記憶領域153の構成>
風力係数の確率密度分布式記憶領域153には、風力係数の確率密度分布fcu特定するための数3が記憶されている。

なお、数3の中で示される風力係数Cuは、数4にて導出される。また、風力係数Cuは、電線の線路方向に作用する繰り返し荷重の変動分に対するもの(=電線の線路方向に作用する繰り返し変動荷重)であって、風速との相関関係に基づき、風速に相当する圧力である風圧荷重の係数として導出される。
なお、実際の架線状態の概念図である図4に示すように、数4中の「Tu」は、「所定の不平衡張力の値(N)」であり、「D」は、「電線の弛みの長さを示す弛度(m)」であり、「S」は、「電柱の間隔を示す径間(m)」であり、「ρ」は、「空気密度(kg/m3)」であり、「B」は、「電線の外径(m)」であり、「v」は、「10分間平均風速(m/s)」である。なお、空気密度のρの値としては、標準大気密度の「1.225(kg/m3)」の値を用いる。
<風速の確率密度分布記憶領域154の構成>
風速の確率密度分布記憶領域154には、ユーザによって入力された任意の地点に係る形状係数k及び尺度係数cに基づいて算出された風速の確率密度分布fv(=ワイブル分布関数)が記憶される。
<風力係数の確率密度分布記憶領域155の構成>
風力係数の確率密度分布記憶領域155には、上述した数3によって特定された風力係数の確率密度分布fcuが記憶される。
<繰り返し荷重の確率密度分布式記憶領域156の構成>
繰り返し荷重の確率密度分布式記憶領域156には、繰り返し荷重の確率密度分布fTuを算出するための数5が記憶されている。
<繰り返し荷重の確率密度分布記憶領域157の構成>
繰り返し荷重の確率密度分布記憶領域157には、上述した数5によって算出された繰り返し荷重の確率密度分布fTuが、機材の設置場所に関連付けて記憶される。
<架線条件情報記憶領域158の構成>
架線条件情報記憶領域158には、ユーザによって入力された弛度D(m)、径間S(m)、電線外径B(m)といった架線条件が記憶される。
なお、記憶手段105に、基本I/Oプログラム等のプログラム、基本処理において使用する各種の情報を記憶する、ROM(Read Only Memory)等を有する構成としても良い。また、記憶手段105に、各種の情報を一時記憶するための制御手段110の主メモリ、ワークエリア等として機能する、RAM(Random Access Memory)等を有する構成としても良い。
入力手段106は、例えば、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、タッチパネルである。この入力手段106を用いて、ユーザは、情報処理装置100に対して情報処理装置100を制御するコマンド等を入力指示する。特に、ユーザは入力手段106を用いて、機材の設置場所(=機材の設置場所の緯度・経度)や、機材の設置場所の地上高Z(m)や、1〜5のいずれかの粗度区分や、弛度D(m)、径間S(m)、電線外径B(m)といった架線条件を入力する。
表示手段107は、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTであり、入力手段106から入力されたコマンドや、それに対する管理装置600の応答出力等を表示するものである。例えば、表示手段107は、算出された風速の確率密度分布fvや、特定された風力係数の確率密度分布fcuや、算出された繰り返し荷重の確率密度分布fTuを表示する。
バス109は、情報処理装置100内の情報の流れを司るものであり、情報処理装置100内の制御手段110や記憶手段105等の各装置を接続する信号線である。108は通信手段であり、この通信手段108を介して外部装置との情報のやり取りを行う。
制御手段110は、例えばCPU(Central Processing Unit)であって、記憶手段105に記憶されているアプリケーションプログラム、オペレーティングシステム(OS)や制御プログラム等を実行し、記憶手段105にプログラムの実行に必要な情報、ファイル等を一時的に記憶する制御を行う。
また、制御手段110は、入力手段106を通じて、機材の設置場所(=機材の設置場所の緯度・経度)の入力を受け付けると、形状係数・尺度係数記憶領域151に記憶されている各気象観測所の緯度・経度と比較して、当該機材の設置場所に最も近い2つの地点に係る形状係数k及び尺度係数cを夫々特定する制御を行う。例えば、制御手段110は、機材の設置場所を基準として、上下あるいは左右方向に最も近い2つの地点に係る形状係数k及び尺度係数cを夫々特定する。あるいは、例えば、制御手段110は、主に風が吹く方向に対して、機材の設置場所を基準として、最も近い上流側の地点と、下流側の地点に係る形状係数k及び尺度係数cを夫々特定する。
なお、本実施例では、ユーザによって入力された機材の設置場所の緯度・経度と、各気象観測所の緯度・経度とを比較して、当該機材の設置場所に最も近い2つの地点に係る形状係数k及び尺度係数cを夫々特定する構成を示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、形状係数kと尺度係数cの分布をコンター(等値線)図化し、あらかじめ記憶手段105等に記憶させておく。そして、機材の設置場所に最も近い2つの地点に係る形状係数k及び尺度係数cを特定する際には、制御手段110は、表示手段107上に当該コンター図を表示させ、入力手段106を通じてユーザから機材の設置場所の入力を受け付けると、入力された機材の設置場所と同一の等値線上にある2つの地点に係る形状係数k及び尺度係数cを夫々特定する制御を行う。
また、制御手段110は、2つの地点に係る形状係数kと尺度係数cについて線形補間を行い、機材の設置場所に係る形状係数kおよび尺度係数cを算出する制御を行う。また、制御手段110は、機材の設置場所に係る形状係数k及び尺度係数cに基づいて、機材の設置場所に係る風速の確率密度分布fv(=ワイブル分布関数)を算出する制御を行う。そして、制御手段110は、算出した機材の設置場所の風速の確率密度分布fvを風速の確率密度分布記憶領域154に記憶させる制御を行う。
また、制御手段110は、乱れ強さ関連情報記憶領域152を参照して、風速の乱れ強さIzを算出する制御を行う。詳しくは、制御手段110は、乱れ強さ関連情報記憶領域152を参照し、ユーザによって入力された粗度区分に対応するべき指数を特定し、特定されたべき指数と、ユーザによって入力された機材の設置場所の地上高Z(m)を用いて風速の乱れ強さIzを算出する。
また、制御手段110は、入力手段106を通じて、弛度D(m)、径間S(m)、電線外径B(m)といった架線条件情報の入力を受け付けると、当該情報を架線条件情報記憶領域158に記憶させる制御を行う。
また、制御手段110は、風力係数の確率密度分布式記憶領域153を参照して、風力係数の確率密度分布fcu特定する制御を行う。詳しくは、制御手段110は、風速の乱れ強さIzを、数3に代入して風力係数の確率密度分布fcu特定する。そして、制御手段110は、特定した風力係数の確率密度分布fcuを風力係数の確率密度分布記憶領域155に記憶させる制御を行う。
また、制御手段110は、繰り返し荷重の確率密度分布式記憶領域156を参照して、繰り返し荷重の確率密度分布fTuを算出する制御を行う。詳しくは、制御手段110は、架線条件情報記憶領域158から弛度D(m)、径間S(m)、電線外径B(m)を呼び出して、風力係数Cuと不平衡張力Tuの関係を示す数4から由来される下記の数6に代入し、当該算出結果に、風速の確率密度分布記憶領域154から呼び出した機材の設置場所の風速の確率密度分布fvと、風力係数の確率密度分布記憶領域155から呼び出した風力係数の確率密度分布fcuを乗算して、乗算結果を積分して、繰り返し荷重の確率密度分布fTuを算出する。そして、制御手段110は、算出した繰り返し荷重の確率密度分布fTuを繰り返し荷重の確率密度分布記憶領域157に記憶させる制御を行う。
また、制御手段110は、繰り返し荷重の確率密度分布記憶領域157に記憶されている繰り返し荷重の確率密度分布fTuを機材の設置場所に関連付けて表示させる制御を行う。制御手段110は、図10に示すように、このfTuに基づいて、指定の階級幅に区分された各Tu(不平衡張力)に対して指定した期間中の出現頻度を表示させることができる。
以上の各手段と同等の機能を実現するソフトウェアにより、ハードウェア装置の代替として構成することもできる。
本実施例では、メディア104から本実施例に係るプログラム及び関連する情報を直接記憶手段105のRAM等にロードして実行させる例を示しているが、これ以外にも、本実施例に係るプログラムを動作させる度に、既にプログラムがインストールされている記憶手段105のHDD等から記憶手段105のRAM等にロードするようにしてもよい。加えて、本実施例に係るプログラムを記憶手段105のROM等に記憶しておき、これをメモリマップの一部をなすように構成し、直接制御手段110で実行することも可能である。
さらに、本実施例では、説明の便宜のため、情報処理装置100を1つの装置で実現した構成について述べているが、複数の装置にリソースを分散した構成によって実現してもよい。例えば、記憶や演算のリソースを複数の装置に分散した形に構成してもよい。あるいは、情報処理装置100上で仮想的に実現される構成要素毎にリソースを分散し、並列処理を行うようにしてもよい。
<情報処理装置100が実行する処理の流れ>
次に、情報処理装置100が実行する処理の流れを、図5を用いて説明する。情報処理装置100は、入力手段106を通じて、機材の設置場所の入力を受け付けると、形状係数・尺度係数記憶領域151を参照して、当該機材の設置場所に最も近い2つの地点に係る形状係数k及び尺度係数cを夫々特定する。情報処理装置100は、特定された2つの地点に係る形状係数k及び尺度係数cを線形補間し、機材の設置場所に係る形状係数kおよび尺度係数cを算出する(ステップS501)。そして、情報処理装置100は、機材の設置場所に係る形状係数k及び尺度係数cに基づいて、機材の設置場所の風速の確率密度分布fv(=ワイブル分布関数)を算出する(ステップS502)。情報処理装置100は、算出した機材の設置場所の風速の確率密度分布fvを風速の確率密度分布記憶領域154に記憶させる。
例えば、図6に示すように、予測地点Eの緯度、経度を入力すると、その地点の近傍にある既存の観測所の中から、予測地点Eを基準として、上下あるいは左右方向に最も近い地点に在る2つの観測所を選択する。なお、図6では、予測地点Eを基準として、左右方向に最も近い地点に在る観測所A及び観測所Bを選択する。この2カ所のデータから求めたワイブル係数(形状係数kと尺度係数c)について線形補間を行うことによって、予測地点Eの形状係数k「0.95」の値および尺度係数c「1.7」の値が算出され、この形状係数k及び尺度係数cの値に基づいて、図7に示すように、風速の確率密度分布fvが算出される。
情報処理装置100は、乱れ強さ関連情報記憶領域152を参照し、ユーザによって入力された粗度区分に対応するべき指数を特定し、特定されたべき指数と、ユーザによって入力された機材の設置場所の地上高Z(m)を用いて風速の乱れ強さIzを算出する(ステップS503)。情報処理装置100は、風力係数の確率密度分布式記憶領域153を参照して、風力係数の確率密度分布fcu特定する(ステップS504)。
例えば、ユーザによって入力された予測地点Eの粗度区分が「3」(α=0.2)であり、ユーザによって入力された予測地点Eの地上高Zの値が「10m」の場合は、数1と数2の関係から、風速の乱れ強さIzは「0.26」と算出され、数3により風力係数の確率密度分布fcuが図8に示すように特定される。なお、図8では、ユーザによって入力された予測地点Eの粗度区分は、ギリシャ文字の「3」で表示されている。情報処理装置100は、特定した風力係数の確率密度分布fcuを風力係数の確率密度分布記憶領域155に記憶させる。
情報処理装置100は、入力手段106を通じて、弛度D(m)、径間S(m)、電線外径B(m)といった架線条件情報の入力を受け付けると、当該情報を架線条件情報記憶領域158に記憶させる。そして、情報処理装置100は、繰り返し荷重の確率密度分布式記憶領域156と、架線条件情報記憶領域158を参照して、繰り返し荷重の確率密度分布fTuを算出する(ステップS505)。例えば、図7の風速の確率密度分布fvおよび図8の風力係数の確率密度分布fcuから、数5により繰り返し荷重の確率密度分布fTuが、図9で示されるように算出される。
このように、繰り返し荷重の確率密度分布fTuを算出(=予測)する構成としたことによって、架渉線機材の疲労損傷破壊に対する評価を正確に行うことができ、機材の長期信頼性設計を合理的に行うことができる。
本実施例では、形状係数・尺度係数記憶領域151に記憶させた形状係数kと尺度係数cとを利用する構成を示したが、この構成に限定されるわけではない。
例えば、前述のワイブル分布関数による風況予測においても、観測所間の形状係数k及び尺度係数cから補間する構成だけでなく、粗度区分や地形情報等を因子として、形状係数kや尺度係数cを補正する構成等も当該実施例として含まれる。
またワイブル分布関数による予測以外にも、「風速比解析」などがある。この解析は基準位置の風速と対象地域の風速との同時刻歴での風速観測データの比をとり、その比をエリア的にまとめるものである。その場合、形状係数・尺度係数記憶領域151の代わりに、記憶手段105内等に風速比記憶領域(図示省略)を設け、情報処理装置100は、当該風速比記憶領域に各観測所の風速比を記憶させる。そして、情報処理装置100は、風速の確率密度分布領域154に風速の確率密度分布fvを記憶させる。
またさらには、年間の風速頻度をワイブル分布関数以外の他の分布関数(例えば対数正規分布など)で示し、当該関数の係数について補間する手法なども考えられる。その場合、形状係数・尺度係数記憶領域151の代わりに、記憶手段105内等に当該他の分布関数の係数を記憶する記憶領域を設ける。そして、情報処理装置100は、風速の確率密度分布領域154に風速の確率密度分布fvを記憶させる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様を取ることが可能である。
また、本発明は、上述した実施例の機能を実現するプログラムを、システムあるいは装置に、直接あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが供給された当該プログラムからプログラムコードを読み出して実行することによって達成される場合を含む。
したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、このコンピュータにインストールされるプログラム自体も本発明の技術的範囲に含まれる。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含む。この場合、プログラムの提供方法としては、CD−ROM、DVD等の記憶媒体を用いて提供する方法や、電気通信回線を介して提供する方法等が含まれる。
100:情報処理装置、103:外部記憶媒体接続手段、104:メディア、105:記憶手段、106:入力手段、107:表示手段、108:通信手段、109:バス、110:制御手段、151:形状係数・尺度係数記憶領域、152:乱れ強さ関連情報記憶領域、153:風力係数の確率密度分布式記憶領域、154:風速の確率密度分布記憶領域、155:風力係数の確率密度分布記憶領域、156:繰り返し荷重の確率密度分布式記憶領域、157:繰り返し荷重の確率密度分布記憶領域、158:架線条件情報記憶領域

Claims (2)

  1. 地上高20m未満の柱に架渉された配電線を当該柱に支持する支持機材において、
    前記配電線の線路方向に作用する繰り返し荷重Tuと風速Vの相関関係を、前記配電線の架線条件である電線外径B、径間S、弛度Dに基づいて、風速Vと空気密度ρに相当する圧力である風圧荷重の係数Cuの式
    として導出し、
    当該導出した風圧荷重の係数Cuの確率密度分布f Cu を、対象地域の代表的な風速の乱れ強さの情報から特定し、
    当該特定した風圧荷重の係数Cuの確率密度分布f Cu と、対象地域の風速の確率密度分布f V から、任意の地点に架渉された前記支持機材に対して作用する前記繰り返し荷重Tuの確率密度分布を予測することを特徴とする、繰り返し荷重の確率密度分布予測方法。
  2. 前記対象地域の風速の確率密度分布については、複数の気象観測所に係る代表的な風速の頻度分布に基づいて、統計処理により、土地利用状況により影響される架渉された配電線高さにおける任意の地点の自然風の確率密度分布を算出することを特徴とする、請求項1に記載の繰り返し荷重の確率密度分布予測方法。
JP2013049489A 2013-03-12 2013-03-12 自然風により架渉線機材に生じる繰り返し荷重の確率密度分布を予測する方法 Active JP6169378B2 (ja)

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