JP6169029B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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この発明は、扉を前方に引き出すことによって、加熱室内に収納された受皿を前方に引き出す構成の加熱調理器に関する。
従来の加熱調理器としては、例えば、以下の特許文献1に示すように、ロースター扉の開閉を円滑にするために、スライドレールを用いたものが知られている。従来では、可動レールに設置された磁石と固定レールに設置された磁石とを利用して、ロースター扉を閉鎖位置に引き込み、且つ閉鎖位置でロースター扉を保持していた。
特開2008−25903号公報(第3頁、図3)
しかしながら、従来の加熱調理器では、可動レール側の磁石および固定レール側の磁石が、可動レールおよび固定レールに交差する方向に突出して設置されていたため、磁石が配置されたスライドレール周りのスペースを有効利用できない問題点があった。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、扉を閉鎖位置に戻す際に、磁石の吸引力を利用して、扉を閉鎖位置に引き込み、且つ扉を閉鎖位置に保持することができ、さらに、スライドレール周りのスペースを有効に利用することができる加熱調理器を得ることである。
この発明に係る加熱調理器は、加熱室の前面開口部を閉鎖する扉と、前記加熱室内に収納される受皿と、前記扉に接続され、前後方向に移動自在な一対のスライドレールと、前記一対のスライドレールを後方で連結し、且つ前記受皿が載置される後方受皿保持部材と、前記後方受皿保持部材に固定され、前記加熱室の背面板に吸着させる磁石と、を備え、前記後方受皿保持部材は、前記受皿の下面を支持する第1面と、前記第1面から上側に曲げられて前記受皿の背面を支持する第2面とを含み、前記磁石は、左右方向に配置され、前記第2面の前記背面板側にネジ固定された一対の磁石であり、前記受皿の背面は、前記第2面から前記受皿の背面側に突出したネジ頭部で支持されることを特徴とする。
この発明によれば、後方受皿保持部材に固定された磁石と加熱室の背面板との間に作用する吸引力を利用して、扉を閉鎖位置に引き込み、且つ扉を閉鎖位置に保持することができる。さらに、この発明では、磁石が後方受皿保持部材に固定されているので、スライドレール周りのスペースを有効に利用することができる。
この発明の実施の形態1に係る加熱調理装置の設置状態を示す斜視図である。 図1に記載の加熱調理装置の斜視図である。 図2に記載のロースターを引き出した状態を示す斜視図である。 図1に記載のロースターの断面を概略的に記載した概略断面図である。 図1に記載のロースターの加熱庫の斜視図である。 図5に記載の加熱庫に扉を取り付けて、受皿および焼き網を載置した状態を示す斜視図である。 図5に記載のスライドレールの動作を説明するための模式図である。 図7に記載の扉を閉鎖位置に移動させた状態を示す模式図である。 図5に記載の後方受皿保持部材の部分について、断面を概略的に記載した概略断面図である。 図9に記載の固定部材の斜視図である。 図5に記載の後方受皿保持部材を背面側から見た斜視図である。 図4に記載のロースターの概略平面図である。 図4に記載のロースターの他の例を示す概略平面図である。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略または簡略化する。
実施の形態1.
この実施の形態に係る加熱調理装置5は、図1に示すように、キッチンキャビネット1に組み込まれるビルトインタイプのものである。キッチンキャビネット1は、例えば、前面側にキャビネット扉2を有するキャビネット本体3と、キャビネット本体3の上に設置されたキッチンカウンタートップ4とを含む。以下の説明では、キッチンキャビネット1にビルトインされる加熱調理装置5について説明するが、この実施の形態に係る加熱調理装置は、据置タイプのものであっても良い。
加熱調理装置5は、図1〜図3に示すように、天板6を有する上部ユニット7と、ロースター8、操作部9および表示部11を有する下部ユニット10と、を含む。なお、ロースター8は、この発明における「加熱調理器」に対応する。ユーザは、操作部9を操作して、例えば、調理メニューの選択および加熱手段の制御等を行うことができる。表示部11は、加熱調理装置5の動作状態、操作部9への入力内容等を表示するとともに、ユーザに加熱調理装置5の状態等を報知する報知手段である。なお、操作部および表示部は、上部ユニット7に設けられても良い。
上部ユニット7は、天板6の下側に、図示を省略してある加熱手段を有する。加熱手段は、例えば誘導加熱コイルである。天板6の加熱手段に対応した位置には、調理容器の載置部12、13、14が設けられている。ユーザは、載置部12、13、14に調理容器を載置して、調理を行うことができる。天板6の後方には、図2および図3に示すように、吸気口24および排気口25が設けられており、これらの上面には、図1に示すように、スリット形状のカバー15が設置されている。
下部ユニット10のロースター8は、前面に扉30を有する。ユーザは、図3に示すように、扉30を前方に引き出すことによって、加熱室20内に収納された受皿31および受皿31の上に載置された焼き網40を引き出すことができる。また、ユーザは、扉30を後方に押し込むことによって、受皿31および焼き網40を、加熱室20内に収納することができる。扉30を後方に押し込んで、受皿31および焼き網40を加熱室20内に収納すると、扉30は加熱室20の前面開口部を閉鎖する。
図4に示すように、この実施の形態に係るロースター8は、上ヒータ21、下ヒータ22および庫内温度検出手段23を有する。加熱手段である上ヒータ21および下ヒータ22は、例えば、抵抗発熱体のシーズヒータであり、加熱室20の内部に設置されている。上ヒータ21および下ヒータ22は、例えば、ON状態(通電状態)とOFF状態(非通電状態)とを切り替えて通電率(デューティー比)を変更することによって、火力を調整することができる。なお、上ヒータ21および下ヒータ22の火力調整は、電圧を変更することによって行っても良い。
上ヒータ21は、焼き網40の上方に設置され、加熱室20を上方から加熱するものである。下ヒータ22は、焼き網40の下方に設置され、加熱室20を下方から加熱するものである。上ヒータ21および下ヒータ22は、幅方向および奥行き方向に複数回折り曲げられた形状を有しており、加熱室20内を広範囲に好適に加熱することができる。なお、上ヒータ21および下ヒータ22は、それぞれ単一のヒータによって構成される必要はなく、その何れか、または双方が複数のヒータによって構成されても良い。
庫内温度検出手段23は、加熱室20内の温度を検出するものである。庫内温度検出手段23は、例えば、熱電対で構成され、上ヒータ21と下ヒータ22との間で、加熱室20の背面側から扉30に向かって突出するように設置される。庫内温度検出手段23は、好適には、高さ方向に、被加熱物が載置される焼き網40の載置面の上側で、被加熱物と同じ高さ位置に設置される。
加熱室20の背面板54には、排気ダクト25Aに連通する開口部55が形成されている。排気ダクト25Aは、図2および図3等に記載の排気口25に連通している。図4に示すように、加熱室20の背面板54の開口部55には、排気を浄化するための触媒56および触媒56を加熱するための触媒ヒータ27が設けられている。触媒56は、触媒ヒータ27で加熱されることによって活性化され、酸化分解によって、排気に含まれる油煙および臭気成分等を分解・浄化することができる。触媒ヒータ27が触媒56を加熱することによって、加熱室20から排出される煙の浄化作用が促進される。
図5に示すように、加熱室20は、下面板51、左側面板52、右側面板53、背面板54および図示を省略してある上面板で形成されている。加熱室20の下部の両側には、加熱室20の前後方向に延びる一対のスライドレール72A,72Bが設置されている。スライドレール72A,72Bは、前方受皿保持部材80および後方受皿保持部材90で連結されている。
前方受皿保持部材80は、スライドレール72A,72Bの前方で、スライドレール72A,72Bを連結している。前方受皿保持部材80は、受皿31の下面を保持する受皿保持面82と、その前面側で上方に折り曲げられた扉固定部84を有する。扉固定部84には、図6に示すように、扉30が固定される。
図5に示すように、後方受皿保持部材90は、スライドレール72A,72Bの後方で、スライドレール72A,72Bを連結している。後方受皿保持部材90は、受皿31の下面を保持する第1面92と、第1面92の後方で上側に折り曲げられて受皿31の背面を支持する第2面94と、第2面94から背面板54側に突出した第3面96とを有する。
図6に示すように、前方受皿保持部材80および後方受皿保持部材90の上に、受皿31が載置され、受皿31の上に、焼き網40が載置される。
スライドレール72Aは、図7に示すように、左側面板52の加熱室20側の側面に固定された固定ガイドレール62Aに、前後方向に移動自在に取り付けられている。固定ガイドレール62Aは、左側面板52に溶接等によって固定されている。
図5に示す右側面板53の加熱室20側の側面には、固定ガイドレール62B(図5では、図示を省略してある)が、溶接等によって固定されている。スライドレール72Bは、固定ガイドレール62Bに、前後方向に移動自在に取り付けられている。
ユーザは、例えば、図7に示すように、扉30に設けられた取っ手30Aを持って、扉30を前方に引き出す。扉30を前方に引き出すと、扉30に固定されたスライドレール72A,72Bおよびスライドレール72A,72Bの上に載置された受皿31が加熱室20から引き出される。また、図7に示すように、扉30を後方に押し込むと、扉30とともにスライドレール72A,72Bおよび受皿31が加熱室20内に収容される。
後方受皿保持部材90の第2面94には、図9に示すように、磁石100が取り付けられている。磁石100は、固定部材110によって、後方受皿保持部材90の第2面94の背面板54側(背面側)に固定される。固定部材110は、図10に示すように、磁石100を収容する収容部112と、2つのネジ穴114を有する。図9に示す第2面94には、図示を省略してある貫通孔が形成されており、ネジ120を貫通孔に通して、ネジ穴114に係合させることによって、磁石100が後方受皿保持部材90に固定される。
図11に示すように、この実施の形態では、2個の磁石100が、後方受皿保持部材90の第2面94の背面側に設置されている。図9および図11に示すように、この実施の形態では、4つのネジ120のネジ頭部122が、後方受皿保持部材90の第2面94から前方に突出している。図9に示すように、受皿31が後方受皿保持部材90に載置されると、受皿31の背面は、4つのネジ頭部122に当接して支持される。なお、好適には、受皿31は、鉄または鉄を含む合金等の強磁性体で構成されており、磁石100と受皿31との間に吸引力が作用する。
受皿31は、その外周面から外側に突出する鍔部31Aを有する。受皿31が前方受皿保持部材80および後方受皿保持部材90の上に載置されると、鍔部31Aは、磁石100の上側を覆う。鍔部31Aと磁石100との間には間隙が形成される。
磁石100は、好適には、前後方向に沿って極が配置されるように固定されている。例えば、磁石100は、背面板54側がN極であり、受皿31側がS極である。または、磁石100は、背面板54側がS極であり、受皿31側がN極である。
上記のように、この実施の形態では、スライドレールの後方を連結する後方受皿保持部材に磁石が取り付けられている。このため、扉が押し込まれると、磁石と背面板との間に吸引力が作用するため、ユーザは、軽い力で、扉を押し込むことができる。
さらに、扉が押し込まれて、扉が閉鎖位置に到達すると、磁石と背面板との間の吸引力(吸着力)によって、扉は閉鎖位置に保持される。
好適には、磁石の極が前後方向に沿って配置されている。さらに、背面板は、好適には、鉄または鉄を含む合金等の強磁性体で構成されている。したがって、磁石と背面板との間に好適に吸引力が作用する。
なお、背面板54に磁石を設置した構成であっても良い。背面板54に磁石を設置することによって、背面板54に設置された磁石と後方受皿保持部材90に設置された磁石100との間に、吸引力が発生する。
さらに、好適には、受皿は、鉄または鉄を含む合金等の強磁性体で構成されており、磁石と受皿との間に吸引力が作用する。このため、この実施の形態では、受皿が磁石に吸引されることによって、受皿のがたつきが抑制されている。
また、この実施の形態では、後方受皿保持部材に磁石が設置される構成であるため、スライドレール周りのスペースを有効に利用することができる。例えば、図4および図12に示すように、この実施の形態に掛かるロースター8は、背面側に排気ユニット16を有する構成である。図12に示すように、スライドレール72A,72Bが、背面板54から後方に突出している場合には、スライドレール周りのスペースを有効に利用することができるため、排気ユニット16を好適に設置することができる。
なお、スライドレールが加熱室内に収容され、スライドレールが背面板から突出しない構成の場合には、加熱室の容積を大きくすることができる。
また、この実施の形態では、後方受皿保持部材の上に受皿が載置されると、受皿の鍔部が磁石の上側を覆って、鍔部と磁石との間に間隙が形成される。さらに、受皿の背面側では、ネジ頭部が受皿を支持しているため、磁石が設置された後方受皿保持部材と受皿との接触面積が小さくなるように構成されている。したがって、この実施の形態では、磁石に熱が伝わり難いように構成されているため、熱によって磁石の磁力が減少し難い構成である。
この発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々に改変することができる。すなわち、上記の実施の形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成に代替させてもよい。さらに、その配置について特に限定のない構成要件は、実施の形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
例えば、上記の実施の形態では、背面側に排気ユニットを有するロースターについての説明を行ったが、ロースターの背面側には、他の構成が設置されても良い。例えば、図13に示すように、ロースター8Aの背面には、加熱室に熱風を供給するコンベクションユニット16Aが設置される。この場合においても、上記の実施の形態と同様に、後方受皿保持部材に磁石が設置される構成であるため、スライドレール周りのスペースを有効に利用して、コンベクションユニット16Aを好適に取り付けることができる。
1 キッチンキャビネット、2 キャビネット扉、3 キャビネット本体、4 キッチンカウンタートップ、5 加熱調理装置、6 天板、7 上部ユニット、8 ロースター、8A ロースター、9 操作部、10 下部ユニット、11 表示部、12 載置部、13 載置部、14 載置部、15 カバー、16 排気ユニット、16A コンベクションユニット、20 加熱室、21 上ヒータ、22 下ヒータ、23 庫内温度検出手段、24 吸気口、25 排気口、25A 排気ダクト、27 触媒ヒータ、30 扉、30A 取っ手、31 受皿、31A 鍔部、40 焼き網、51 下面板、52 左側面板、53 右側面板、54 背面板、55 開口部、56 触媒、62A 固定ガイドレール、62B 固定ガイドレール、72A スライドレール、72B スライドレール、80 前方受皿保持部材、82 受皿保持面、84 扉固定部、90 後方受皿保持部材、92 第1面、94 第2面、96 第3面、100 磁石、110 固定部材、112 収容部、114 ネジ穴、120 ネジ、122 ネジ頭部。

Claims (5)

  1. 加熱室の前面開口部を閉鎖する扉と、
    前記加熱室内に収納される受皿と、
    前記扉に接続され、前後方向に移動自在な一対のスライドレールと、
    前記一対のスライドレールを後方で連結し、且つ前記受皿が載置される後方受皿保持部材と、
    前記後方受皿保持部材に固定され、前記加熱室の背面板に吸着させる磁石と、
    を備え
    前記後方受皿保持部材は、前記受皿の下面を支持する第1面と、前記第1面から上側に曲げられて前記受皿の背面を支持する第2面とを含み、
    前記磁石は、左右方向に配置され、前記第2面の前記背面板側にネジ固定された一対の磁石であり、
    前記受皿の背面は、前記第2面から前記受皿の背面側に突出したネジ頭部で支持されることを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記受皿は、その外周面から外側に突出し、前記磁石の上側を覆う鍔部を有し、
    前記鍔部と前記磁石との間に間隙が形成されていることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  3. 前記磁石は、前後方向に沿って極が配置されるように固定されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  4. 前記背面板は、強磁性体で形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項の何れか1項に記載の加熱調理器。
  5. 前記スライドレールの後端が、前記背面板から突出していることを特徴とする請求項1〜請求項の何れか1項に記載の加熱調理器。
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