JP6168781B2 - 非接触電力伝送システム - Google Patents

非接触電力伝送システム Download PDF

Info

Publication number
JP6168781B2
JP6168781B2 JP2013017734A JP2013017734A JP6168781B2 JP 6168781 B2 JP6168781 B2 JP 6168781B2 JP 2013017734 A JP2013017734 A JP 2013017734A JP 2013017734 A JP2013017734 A JP 2013017734A JP 6168781 B2 JP6168781 B2 JP 6168781B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
power transmission
electrode
electrodes
reception
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013017734A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014150645A (ja
Inventor
山口 文枝
文枝 山口
正弘 楠
正弘 楠
満 増田
満 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2013017734A priority Critical patent/JP6168781B2/ja
Publication of JP2014150645A publication Critical patent/JP2014150645A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6168781B2 publication Critical patent/JP6168781B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、非接触で電力を伝送する非接触電力伝送システムに関するものである。
照明機器などに代表される負荷への電力供給の有無を切り替えるために、従来、様々な種類のスイッチが用いられている。例えば、回路構成を切り替えることで、回路内での電力の伝送の有無を切り替えるスイッチなどが多く用いられている。
電化製品への電力供給の有無を切り替えるために用いられるスイッチには、使用者自身が手動で切り替えるものの他、使用者の挙動をセンサで検知して切り替えるものも存在する。例えば、特許文献1から3には、センサを用いて、使用者や車の挙動を感知し、自動的に照明などへの電力供給の有無を切り替えるスイッチに関する構成が開示されている。
特開平11−329759号公報 特開平11−225914号公報 特開2005−226242号公報
特許文献1から3に開示されるような感知センサを備えるスイッチでは、センサの駆動のために電力の供給を常時行う必要があり、消費電力量が増大するという技術的な問題がある。また、センサによる感知を行った後に、スイッチを切り換えることで、感知から照明などの負荷への電力供給までの間に時間的な感覚が生じ、例えば照明機器など即応性が求められる負荷の使用に不便が生じるおそれがある。
更に、センサやスイッチなどの構成部品を含むことから、電力伝送用の回路を構成する部品の点数が多くなる傾向があり、一部の故障によって装置全体が動作しなくなる可能性が高くなるという技術的な問題もある。
本発明は、上述した技術的な問題点に鑑みて為されたものであり、センサ類を用いることなく、好適にスイッチの切換を制御し、電力供給の有無を簡単に切り替えることが可能とする非接触電力伝送システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の非接触電力伝送システムは、電源に接続される送電用電極を有する送電装置と、前記送電用電極との電界共振結合により、電力の伝送を受ける受電用電極を有し、受電した電力を負荷に供給する受電装置とを備え、前記送電用電極と前記受電用電極は、電極面同士が向かい合う対面配置ではなく、それぞれ1の端部同士が対向するように配置され、前記送電用電極と前記受電用電極のうち、一方の電極は、他方の電極に対して、電力伝送可能となる位置関係を満たす状態と満たさない状態との間で相対的に移動可能であり、前記送電装置及び前記受電装置は、互いに隔離した非接触状態で同じ物体に取り付けられ、前記送電装置及び前記受電装置の少なくとも一方は、前記物体の可動部に取り付けられ、前記物体の可動部の移動動作は、前記負荷への電力供給及び前記負荷の作動の双方の開始及び停止を切り替えるためのスィッチ機構を兼ねる。
本発明の電力伝送システムによれば、送電装置の送電用電極と受電装置の受電用電極とが所定の位置関係にある場合に、両電極が電界共振結合され、受電装置に電力が伝送される。具体的には、送電装置が備える一対の送電用電極において生じた電界により、受電装置が備える一対の受電用電極に電圧が励起され、電力が伝送される。
電界共振結合は、送電用電極と受電用電極とが所定の位置関係になるか否かによって電力の伝送効率が大きく変化する特性を有する。送電用電極と受電用電極とが電界共振結合可能な所定の位置関係を満たす場合には、伝送効率は非常に高くなり、各電極が所定の位置関係から外れる場合には、伝送効率は非常に小さくなる。電界共振結合における電極間の位置関係に対する伝送効率の変化には即応性があることが知られている。このため、送電装置及び受電装置の少なくとも一方について、両者の位置関係が電力伝送可能となる位置関係を満たす状態と、満たさない状態との間で切り換えるように相対的に移動させることで、無給電状態と給電状態とを切り換えるスイッチとしても機能させることができる。
例えば、送電装置または受電装置を移動させ、送電用電極と受電用電極とを電力伝送可能な所定の位置関係を満たすよう配置することで、送電装置から受電装置への電力伝送を即応的に開始することができる。これにより、受電装置に接続される負荷への給電を開始し、作動させることができる。他方で、送電用電極と受電用電極とが電力伝送可能な所定の位置関係から外れるよう移動することで、送電装置から受電装置への電力の伝送を即応的に停止することができる。これにより、負荷への電力供給が途絶え、動作を停止させることができる。
なお、送電用電極と受電用電極とが電界共振結合されるための所定の位置関係とは、例えば、送電用電極と受電用電極とが垂直に配置され、一方の端部と他方の端部とが電極長に応じた所定の長さ以下の距離を隔てて配置される状態である。このような位置関係においては、送電用電極において生じた電界によって受電用電極において電圧が励起され、電力が伝送される。
なお、他の位置関係の例として、送受電用電極が相互に対向する位置関係であってもよい。このとき、対向する一対の送電用電極と一対の受電用電極とは、電極長に応じた所定の長さ以下の距離を隔てて配置される場合に、送受電用電極が電界共振結合される。なお、送電用電極間に生じる電界が、受電用電極間に生じる電界と直交する位置関係にある場合、励起される電圧が相殺され、実質的に電力の伝送が行われなくなる。このため、送電用電極間の電界方向と、受電用電極間の電界方向とは、直交しないよう配置される。
本発明の非接触電力伝送システムでは、送電用電極と受電用電極とが電界共振結合されていない場合では、送電用電極から受電用電極への電力の伝送が行われない。このため、送受電用電極が所定の位置関係にない場合には、交流電源からの電力の消費がないため、電力の節約や、使用者の意図しない負荷の誤動作を防止することなどの点で有益である。
また、交流電源などに接続される送電装置と、負荷に接続される受電装置とを所定の距離離隔した非接触の態様で構成することができるため、各構成において用いられる電気的な有線接続部位の点数を減少することができ、装置全体の構成の簡易性及び安全性を向上することができる。また、各構成における配置位置の自由度を向上することもできる。
本発明の非接触電力伝送システムでは、前記送電装置及び前記受電装置の少なくとも一方は、物体の可動部に取り付けられている。このように構成することで、送電用電極と受電用電極とが電力伝送可能な所定の位置関係を満たす状態と満たさない状態とを切り替え可能な構成を容易に実現することができる。このため、本発明の電力伝送システムを用いたスイッチ機構を比較的簡単に実現することができる。
可動部を有し、負荷機器への電力の供給を可能とする構成として、例えば、照明機器とシャッタとを設けた倉庫などにおいて、照明機器に接続した受電装置を可動部であるシャッタ上に、電源に接続した送電装置をシャッタ近傍の壁面上にそれぞれ配置した構成が考えられる。シャッタを開いた状態では送電用電極と受電用電極とが電界共振結合され、シャッタを閉じた状態では電界共振結合されないよう、両者の配置位置を調整することで、可動部であるシャッタの開閉状態に応じて照明機器への電力供給の有無を切り替え可能な構成を実現できる。具体的には、シャッタを開くことで、照明機器への電力供給を即応的に開始して点灯させることができ、シャッタを閉じることで照明機器への電力供給を即応的に停止するよう切り換えることができる。
本発明の非接触電力伝送システムでは、電極面同士が向かい合う対面配置ではなく、それぞれ1の端部同士が対向するように配置する。このように構成することで、送電用電極と受電用電極とが電界共振結合される好適な位置関係を決定することができる。よって、送電装置及び受電装置の相対的な位置関係を調整することで、電力の伝送を即応的に開始、または停止することができる。
本発明の非接触電力伝送システムの他の態様では、前記送電装置は、同一平面上において所定の距離を隔てて配置された第1及び第2の送電用電極と、前記第1及び第2の送電用電極を、交流電源の2つの出力端子のそれぞれと電気的に接続する第1及び第2接続線と、前記第1及び第2の送電用電極と前記交流電源の2つの出力端子の少なくとも一方の間に挿入される第1インダクタとを備える。前記受電装置は、同一平面上において所定の距離を隔てて配置された第1及び第2の受電用電極と、前記第1及び第2の受電用電極を、負荷の2つの入力端子のそれぞれと電気的に接続する第3及び第4接続線と、前記第1及び第2の受電用電極と前記負荷の2つの入力端子の少なくとも一方の間に挿入される第2インダクタとを備える。前記第1及び第2の送電用電極並びに前記第1インダクタによって構成されるカプラの共振周波数と、前記第1及び第2の受電用電極と前記第2インダクタによって構成されるカプラの共振周波数が略等しくなるように設定される。
この態様によれば、送電用電極と受電用電極との間の電界共振結合によって高い伝送効率での電力の伝送が可能となる送電装置及び受電装置を提供することができる。
本発明の非接触電力伝送システムにおいて用いられる負荷は、電力の供給によって作動する電気機器である。
このような負荷は、例えば、照明装置、送風装置、吸気装置、音声を発する装置、映像を表示する装置、通信装置などであって、電力の供給によって作動状態と停止状態とを切り替え可能な電気機器である。このような負荷への電力の供給を本発明の非接触電力伝送システムによって切り替え可能な態様で行うことで、作動状態の切換の即応性や、有線接続部位の点数の減少により装置構成の簡略化や、交流電源に対する負荷の配置位置の自由度の向上など、様々な利点が得られる。
本発明の非接触電力伝送システムの他の態様は、電源に接続される送電用電極を有する送電装置と、前記送電用電極との電界共振結合により、電力の伝送を受ける受電用電極を有し、受電した電力を負荷に供給する受電装置と、前記送電用電極から非接触で交流電力の伝送を受け、且つ前記受電用電極へと伝送する中継用電極を備える中継装置と、を備え、前記中継用電極は、前記送電用電極と前記受電用電極との間に配置され、前記送電用電極、前記受電用電極及び前記中継用電極のうち、一の電極は、残りの電極に対して、電力伝送可能となる位置関係を満たす状態と満たさない状態との間で相対的に移動可能であり、前記送電装置、前記受電装置及び前記中継装置は、互いに隔離した非接触状態で同じ物体に取り付けられ、前記送電装置、前記受電装置及び前記中継装置の少なくとも一つは、前記物体の可動部に取り付けられ、前記物体の可動部の移動動作は、前記負荷への電力供給及び前記負荷の作動の双方の開始及び停止を切り替えるためのスィッチ機構を兼ねる。
この態様によれば、中継装置を用いることで、送電装置からより遠くの受電装置にまで電力を伝送することができる。このため、負荷の配置位置について、交流電源からより遠くに配置するなど、両者の位置関係をより自由に設定することが可能となり、配置の自由度を向上することができる。
本発明の非接触電力伝送システムによれば、送電装置と受電装置との位置関係を調整することで、必要なときのみ電力伝送が行われるよう、電力伝送の有無を比較的簡単に切り替えることが可能となる。伝送時には、送電装置の送電用電極と受電装置の受電用電極とは、電界共振結合により、電力損失が極めて少ない高い伝送効率を実現することができる。また、送電装置と受電装置とが上述した適切な位置関係にない場合には、電力伝送が行われないため、不要な電力の消費や負荷機器の誤動作を防止することが可能となる。
本発明の非接触電力伝送システムを適用した照明付き倉庫の基本的な構成を示す概略図である。 本発明の実施形態の動作原理を説明するための図である。 図2に示す実施形態の等価回路である。 図3に示す等価回路の伝送特性を示す図である。 図1に示す照明付き倉庫における送電装置と受電装置との位置関係を示す概略図である。 図5に示す照明付き倉庫における電極間の距離に応じた伝送特性を示す図である。 照明付き倉庫の第1変形例の構成を示す概略図である。 中継装置の構成を示す概略図である。 照明付き倉庫の第2変形例の構成を示す概略図である。 照明付き倉庫の第3変形例の構成を示す概略図である。 照明付き倉庫の第4変形例の構成を示す概略図である。 送電装置と受電装置との位置関係の一例を示す概略図である。 図12に示す送電装置と受電装置との電極間の距離に応じた伝送特性を示す図である。 送電装置と受電装置とのその他の変形例の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(1)基本的な構成例
図1を参照して、本発明の非接触電力伝送システムを用いた実施例について説明する。図1は、非接触電力伝送システムを用いた一実施形態であって、送電装置10と受電装置20とを含む、可動部を有する物体としての照明付き倉庫1の構成を示す概略図である。
図1の例では、照明付き倉庫1は、シャッタ2、側壁3,4、天板5を備え、内部に照明機器6を有する、立方体または直方体形状の倉庫設備である。シャッタ2は、図中に矢印Aで示される方向(つまり、図中上下方向)に開閉可能なシャッタであって、開く際には、天板5内部に収納される。また、シャッタ2は、内面の側壁3と接する側に受電装置20を有している。側壁3は、内部のシャッタ2と接する側に、送電装置10を有している。
図2を参照して、照明付き倉庫1に用いられる本発明の非接触電力伝送システムの動作原理を説明する。図2は、照明付き倉庫1における、送電装置10及び受電装置20の構成例を示す概略図であって、図2(a)は送電装置10と、図2(b)は受電装置20をそれぞれ示している。
側壁3上に形成される送電装置10は、送電用電極11,12と、インダクタ13,14と、接続線15,16とを有し、交流電源17に接続される。また、送電装置10において、送電用電極11,12及びインダクタ13,14は送電用カプラを構成する。送電用電極11,12のそれぞれは、銅など、導電性の部材によって構成される、略同一のサイズを有する矩形の平板または薄膜状の電極である。図示されるように、送電用電極11,12は、所定の距離d1を隔てて配置されている。なお、距離d1を含む送電用電極11及び送電用電極12の合計幅Dは、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。インダクタ13,14は、例えば、被覆銅線など、導電性の線材を巻回した構成である。インダクタ13の一端は、送電用電極11の端部に電気的に接続され、インダクタ14の一端は、送電用電極12の端部に電気的に接続されている。接続線15,16は、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルなど、導電性の線材(例えば、銅線)を含む。接続線15は、インダクタ13の他端と交流電源17の一の出力端子とを接続し、接続線16は、インダクタ14の他端と交流電源17の他の出力端子とを接続する。
交流電源17は、所定の周波数の交流電力を発生し、接続線15,16を介してインダクタ13,14に供給する。なお、交流電源17は、必ずしも側壁3上に形成されている必要は無く、側壁3を介して有線で商用電源など、既知の交流電源に接続される態様であってもよい。
シャッタ2上に形成される受電装置20は、受電用電極21,22と、インダクタ23,24と、接続線25,26とを有する。受電装置20において、各受電用電極21,22は、それぞれインダクタ23,24を介して接続線25,26によって、照明機器6に接続されている。また、受電装置20において、受電用電極21,22及びインダクタ23,24は受電用カプラを構成する。受電用電極21,22のそれぞれは、銅など、導電性の部材によって構成される、略同一のサイズを有する矩形の平板または薄膜状の電極である。また、受電用電極21,22は、送信装置10の送電用電極11,12と同様に、所定の距離d1を隔てて配置されており、距離d1を含む受電用電極21,22の合計幅Dもまた、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。インダクタ23,24は、インダクタ13,14と同様に、被覆銅線など、導電性の線材を巻回した構成である。インダクタ23の一端は、受電用電極21の端部に電気的に接続され、インダクタ24の一端は、受電用電極22の端部に電気的に接続されている。接続線25,26は、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルなど、導電性の線材(例えば、銅線)を含む。接続線25は、インダクタ23の他端と照明機器6の一の入力端子とを接続し、接続線26は、インダクタ24の他端と照明機器6の他の入力端子とを接続する。
照明機器6は、交流電源17から出力され、受電装置20に有線で接続された照明機器であり、送電装置20及び受電装置10を介して伝送された交流電力の供給を受けて点灯する。なお、照明機器6は、内部に、整流装置及び二次電池などを含んでいてもよい。
送電装置10の送電用電極11,12と、受電装置20の受電用電極21,22とが所定の位置関係にある場合に、送電用電極11と12と、受電用電極21と22とが電界共振結合され、送電装置10から受電装置20への電力の伝送が行われる。
図3は、図2に示される照明付き倉庫1に適用される非接触電力伝送システムにおいて、送電用電極11,12と、受電用電極21,22とが電界共振結合され、送電装置10から受電装置20への電力の伝送が行われている状態の等価回路100を示す回路図である。
図3において、インピーダンス102は、接続線15,16及び接続線25,26の特性インピーダンスを示し、Z0の値を有する。インダクタ103はインダクタ13,14に対応し、Lの素子値を有する。キャパシタ104は、送電用電極11,12の間に生じる素子値Cのキャパシタから、送電用電極11,12と受電用電極21,22の間に生じる素子値Cmのキャパシタを減じた素子値(C−Cm)を有する。キャパシタ105は、送電用電極11,12と受電用電極21,22の間に生じるキャパシタを示し、Cmの素子値を有する。キャパシタ106は、受電用電極21,22の間に生じる素子値Cのキャパシタから、送電用電極11,12と受電用電極21,22の間に生じる素子値Cmのキャパシタを減じた素子値(C−Cm)を有する。インダクタ107はインダクタ23,24に対応し、Lの素子値を有する。
図4は、送電装置10と受電装置20との間のSパラメータの周波数特性を示すグラフである。具体的には、図4の横軸は周波数を示し、縦軸は送電装置10から受電装置20への挿入損失(S21)を示している。図4に示されるように、送電装置10から受電装置20への挿入損失は、周波数f で反共振点を有し、周波数f 及びf で共振点を有する。ここで、周波数f は、図3に示すインダクタ3、7のインダクタンス値Lと、送電用電極11,12または受電用電極21,22によって形成されるキャパシタのキャパシタンス値Cによって定まる。また、周波数f 及びf は、図3に示すインダクタ3、7のインダクタンス値Lと、送電用電極11,12及び受電用電極21,22によって形成されるキャパシタのキャパシタンス値Cmと、ならびに、送電用電極11,12の間及び受電用電極21,22の間にそれぞれ生じるキャパシタのキャパシタンス値Cによって定まる。
なお、交流電源17が発生する交流電力の周波数は、図4に示されるf またはf と等しくなるように設定されることが好ましい。このように、交流電源17の周波数を設定することにより、電極同士が電界共振結合されている場合の送電装置10から受電装置20への挿入損失が略0dBとなり、送電装置10から受電装置20に対して損失なく電力を送信することができる。
また、送電用電極11,12の間に形成されるキャパシタ及びインダクタ13,14による共振周波数と、受電用電極21,22の間に形成されるキャパシタ及びインダクタ23,24による共振周波数とは略等しくなるように設定されている。このように、送電装置10の送電用電極11,12と受電装置20の受電用電極21,22は、電界共振結合されていることから、送電装置10の送電用電極11,12から受電装置20の受電用電極21,22に対して電界によって交流電力が効率よく伝送される。
図5を参照して、側壁3上の送電装置10と、シャッタ2上の受電装置20との位置関係について説明する。図5(a),(b)は、送電装置10と受電装置20との位置関係について、特に送電用電極11,12と、受電用電極21,22とを抜き出して示した概略図である。
なお、図5(a),(b)に示される例は、いずれも、送電装置10の送電用電極11,12と、受電装置20の受電用電極21,22とが電界共振結合され、送電装置10から受電装置20へと電力の伝送が行われている場合について示すものである。
図5(a)に示される例では、側壁3上の送電装置10は、送電用電極11,12がYZ面においてZ方向(言い換えれば、図中鉛直方向)に所定の間隔d1を空けて並ぶよう配置される。また、シャッタ2上の受電装置20においては、受電用電極21,22は、送電用電極11,12が配置される側壁3上のYZ面と垂直なシャッタ2上のXZ面において、Z方向に所定の間隔d1を空けて並ぶよう配置される。
このような構成では、送電用電極11,12と受電用電極21,22とが電界共振結合される状態では、受電用電極21,22の送電用電極11,12に近い方の端部と、送電用電極11,12との間の距離d2が電力伝送可能な距離、例えば0.25D以下となるよう配置される。つまり、図1に示される照明付き倉庫1において、シャッタ2が開いた状態では、送電装置10及び受電装置20は、受電用電極21,22の送電用電極11,12に近い方の端部と、送電用電極11,12との間が距離d2離隔して配置される。後述するように、距離d2が電力伝送可能な距離、例えば0.25D以下となることで電力の伝送効率が大きく変化し、電力伝送状態となる。
他の例として、側壁3上の送電装置10と、シャッタ2上の受電装置20とは、図5(b)に示される位置関係で配置されていてもよい。具体的には、図5(b)に示されるように、側壁3上の送電装置10は、送電用電極11,12がYZ面においてY方向(言い換えれば、図中水平方向)に所定の間隔d1を空けて並ぶよう配置される。また、シャッタ2上の受電装置20においては、受電用電極21,22は、送電用電極11,12が配置される側壁3上のYZ面と垂直なシャッタ2上のXZ面において、図中X方向(言い換えれば、図中において送電用電極11,12が並ぶ方向とは垂直な水平方向)に所定の間隔d1を空けて並ぶよう配置される。
このような構成でも、距離d2が電力伝送可能な距離、例えば0.25D以下となることで電力の伝送効率が大きく変化し、電力伝送状態となる。
図5に示されるように垂直に配置される送電用電極11,12と受電用電極21,22との間のSパラメータについて、電極間の距離d2特性を図6のグラフに示す。図6の横軸は電極間の距離d2を示し、縦軸は送電装置10から受電装置20への挿入損失(S21)を示している。図示されるように、電極間の距離d2が電力伝送可能な距離、例えば0.25D以下の範囲で挿入損失が略0dBとなることから、送電装置10から受電装置20に対して損失なく電力を送信することができる。
従って、図5(a),(b)に示した構成においては、送受電用電極間の距離d2が上述の範囲内である場合、電界共振結合により、高効率での電力の伝送が可能となる。他方で、電極間の距離d2が電力伝送可能な距離、例えば0.25Dを上回る状態では、挿入損失が急激に増大するため、電力の伝送効率が極端に低下し、電力の伝送がほとんど行えなくなることを示している。
なお、上述した例では、送電用電極11,12及び受電用電極21,22について、矩形の平板または薄膜状の構造である例について説明したが、その他の形状の電極であってもよい。送電用電極11,12及び受電用電極21,22のそれぞれは、例えば、円形など矩形以外の形状の平板または薄膜電極や、球形等の立体形状や、平板ではなく湾曲または屈曲した形状の電極などであってもよい。
上述した照明付き倉庫1の構成によれば、シャッタ2を開いた状態とする(言い換えれば送電用電極11,12と受電用電極21,22との距離d2を電力伝送可能な距離、例えば0.25D以下とする)ことで、照明機器6へ電力を供給して点灯させることができる。他方で、シャッタ2を閉じた状態にする(言い換えれば送電用電極11,12と受電用電極21,22との距離d2を電力伝送可能な距離より大きくする)ことで、照明機器6への電力供給を停止することができる。
シャッタ2が閉じた状態では、送電装置10から受電装置20への電力の伝送が行われない。このため、使用者が意図しない負荷への給電など、誤動作を防止することでき、不要な電力の消費を抑制することができる。
また、本発明のように、電界共振結合による非接触電力伝送を行う場合、送電装置10の送電用電極11,12と受電装置20の受電用電極21,22との距離d2が0.25D以下となる場合、即応的に電界共振結合による電力の伝送が行われるため、給電開始時の立ち上がりには即応性がある。このため、シャッタを開いた直後に照明機器6を点灯させることができ、使用者の利便性を向上することができる。
なお、上述した例では、受電装置20から電力の供給を受ける負荷の例として、照明機器6を用いているが、実施形態はこれに限定されることはない。例えば、電力の供給によって動作を開始する送風装置、吸気装置、音声を発する装置、映像を表示する装置、通信装置などを負荷として用いてもよい。
(2)第1変形例
以下に、本発明の非接触電力伝送システムを用いた実施形態の第1変形例について、図7を参照して説明する。図7に示される、第1変形例に係る照明付き倉庫1aでは、シャッタ2上に送電装置10を備え、側壁3上には2通りの受電装置20a及び20bが備えられる。受電装置20a,20bのそれぞれは、上述した受電装置20と同様の構成を有する。
受電装置20aは、側壁3上であって、シャッタ2が閉じた状態で、受電装置20aの電極(不図示)と、送電装置10が備える送電用電極11,12とが電界共振結合される位置に配置される。また、受電装置20aの各電極は、照明付き倉庫1aの外側に設けられる照明機器6aに対して電力を供給可能な態様で接続される。
受電装置20bは、側壁3上であって、シャッタ2が開いた状態で、受電装置20bの電極(不図示)と、送電装置10が備える送電用電極11,12とが電界共振結合される位置に配置される。また、受電装置20bの各電極は、照明付き倉庫1aの内側に設けられる照明機器6bに対して電力を供給可能な態様で接続される。
このような構成によれば、シャッタ2を閉じ、送電用電極11,12と、受電装置20aの電極との距離d2を電力伝送可能な距離(例えば、0.25D以下)とすることで、照明付き倉庫1aの外側に設けられる照明機器6aへ電力を供給して点灯させることができる。他方で、シャッタ2を開き、送電用電極11,12と、受電装置20bの電極との距離d2を電力伝送可能な距離(例えば、0.25D以下)とすることで、照明付き倉庫1aの内側に設けられる照明機器6bへ電力を供給して点灯させることができる。シャッタの開閉動作によって、受電装置20aと受電装置20bとの間で電力の伝送先を切り換え、照明機器6a,6bのうち点灯させる照明機器を切り換えることができる。
なお、図示される態様に限らず、3つ以上の受電装置を備え、送電装置の位置に応じて電界共振結合する受電装置を切り換えることで、それぞれの受電装置に対して電力の伝送を行うよう構成してもよい。
(3)第2変形例
以下に、本発明の非接触電力伝送システムを用いた実施形態の第2変形例について、図8及び図9を参照して説明する。また、上述した実施形態、及び第1変形例では、送電装置10と受電装置20を設け、送電装置10から受電装置20に対して電力の伝送を行う構成について説明した。図示されるように、非接触電力伝送システムの第2変形例に係る照明付き倉庫1bは、送電装置10と受電装置20との他に、中継装置30を備える。
図8は、中継装置30の構成を示す概略図である。図示されるように中継装置30は、中継用電極31,32と、インダクタ33,34と、接続線35とを有する。中継用電極31,32は、送電用電極11,12及び受電用電極21,22のそれぞれと同様に銅など、導電性の部材によって構成される、略同一のサイズを有する矩形の平板または薄膜状の電極である。中継用電極31,32は、同一平面上で所定の距離d1を隔てて並べて配置される。なお、距離d1を含む中継用電極31及び中継用電極32の合計幅Dは、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。インダクタ33,34は、例えば、被覆銅線など、導電性の線材を巻回した構成である。インダクタ33の一端は、中継用電極31の端部に電気的に接続され、インダクタ34の一端は、中継用電極32の端部に電気的に接続されている。インダクタ33,34の他端は、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルなど、導電性の線材を含む接続線15によって、相互に接続される。なお、中継装置30においては、インダクタ33,34を1つのインダクタによって構成してもよい。中継装置30の共振周波数fCは、送電装置10及び受電装置20と略同一となるように設定される。
中継装置30を設けることで、送電装置10から受電装置20へ伝送される電力を中継することができる。具体的には、送電装置10の送電用電極11,12と、中継装置30の中継用電極31,32とが電力伝送可能な位置関係であり、且つ中継装置30の中継用電極31,32と、受電装置20の受電用電極21,22とが電力伝送可能な位置関係である場合、送電装置10から中継装置30を中継して受電装置20へ電力が伝送される。このような中継装置30を用いることで、送電装置10と受電装置20とが電力伝送可能な距離以上に離隔して配置される場合など、送受電装置の位置関係上、好適な電力の伝送が行えない場合であっても、高効率で電力を伝送することができる。
また、中継装置30において受電した電力を他の中継装置に送電することもできる。このような特性を用いることで、複数の中継装置を介した電力の伝送を行うこともできる。
図9は、中継装置を用いた非接触電力伝送システムを適用した照明付き倉庫1bの構成を示す概略図である。照明付き倉庫1bでは、側壁3上に送電装置10が、対向する側壁4上に、照明機器6に接続される受電装置20がそれぞれ設けられる。また、シャッタ2上には、中継装置30a及び30bが設けられる。
中継装置30a,30bは、それぞれが備える電極が同一平面上であり、且つ電界に平行な方向に各電極が並んで配列されるよう、配置される。具体的には、シャッタ2上に設けられる中継装置30a,30bの4つの電極は、図中左右方向に並んで配置される。また、シャッタ2が開いた状態では、中継装置30aの中継用電極と、送電装置10の送電用電極11,12とが電界共振結合され、中継装置30bの中継用電極と、受電装置20の受電用電極21,22とが電界共振結合されるよう、位置関係が調整されている。
このような構成によれば、シャッタ2が開いた状態では、送電装置10から中継装置30a,30bを中継して、受電装置20に電力が伝送され、照明機器6が点灯する。他方で、シャッタ2が閉じ、送電装置10と中継装置30a、受電装置20と中継装置30bのそれぞれが離隔する場合、電力の伝送は行われず、照明機器6は消灯する。
このように中継装置30を用いることで、送電装置10と受電装置20とが電界共振結合されないほど離れて配置される場合であっても、電力を伝送することができる。このように、中継装置30を用いることで電力の供給を受ける照明機器6などの負荷を交流電源17から離隔して配置することができるため、交流電源や負荷など、各部の配置の自由度が向上し、使用者の利便性を向上することができる。
(4)第3変形例
上述した非接触電力伝送システムの実施形態である照明付き倉庫では、シャッタ2が上下方向にスライドして開く構成について示した。図10及び図11を参照して、第3変形例について説明する。図10及び図11は、非接触電力伝送システムを適用した照明付き倉庫1の他の変形例である。図10には、矢印B方向(つまり、図中左右方向)にスライドして開く扉部2cを備える照明付き倉庫1cが、図11には、矢印C方向(つまり、図中左右方向)にスライドして開く両開きの扉部2da、2dbを備える照明付き倉庫1dがそれぞれ示されている。
図10に示される照明付き倉庫1cでは、扉部2c上に受電装置20が、側壁3上に送電装置10がそれぞれ設けられている。このような構成において、扉部2cが閉じた状態では、送電装置10と受電装置20とは、電界共振結合されない距離(例えば、遠方界に相当する距離)離隔される。他方で、扉部2cが開いた状態では、送電装置10と受電装置20とは、互いの電極が電界共振結合され、電力の伝送が行われる。このため、扉部2cを開くことで照明機器6を点灯させ、扉部2cを閉じることで照明機器6を消灯するよう切り換えることができる。
図11に示される照明付き倉庫1dでは、扉部2da上に受電装置20が設けられ、扉部2daに近い方の側壁3上に送電装置10が設けられている。このような構成において、扉部2daが閉じた状態では、送電装置10と受電装置20とは、電界共振結合されない距離(例えば、遠方界に相当する距離)離隔される。他方で、扉部2daが開いた状態では、送電装置10と受電装置20とは、互いの電極が電界共振結合され、電力の伝送が行われる。このため、扉部2daを開くことで照明機器6を点灯させ、扉部2daを閉じることで照明機器6を消灯するよう切り換えることができる。
また、例示した内容に限定されることなく、観音開きなど、その他の形式で開閉する車庫、倉庫、クローゼットなどの扉部や、トイレの便座など、可動部に対しても、本発明の非接触電力伝送システムを適用してもよい。また、扉部だけでなく、使用者の操作や、装置の駆動などによって移動する可動部を有する構成に対して、本発明の非接触電力伝送システムを適用し、給電状態と無給電状態とを切り換える構成としてもよい。
(5)第4変形例
上述した各例では、送電装置10の送電用電極11,12と、受電装置20の受電用電極21,22とが、電界共振結合される際に、直交するよう配置されている。しかしながら、このような例示に限定されず、その他の態様で配置されていてもよい。
例えば、図12に示されるように、対向する状態で電界共振結合されるよう配置されていてもよい。図12に示される例では、送電装置10と、受電装置20とは、送電用電極11と受電用電極21とが距離d3を隔てて対向するように平行に配置され、送電用電極12と受電用電極22も同じ距離d3を隔てて対向するように平行に配置される。
このように対向配置される配置される送電用電極11,12と受電用電極21,22との間のSパラメータについて、電極間の距離d3特性を図13のグラフに示す。図13の横軸は電極間の距離d3を示し、縦軸は送電装置10から受電装置20への挿入損失(S21)を示している。図示されるように、電極間の距離d3がD以下の範囲で挿入損失が略0dBとなることから、送電装置10から受電装置20に対して損失なく電力を送信することができる。
従って、図12に示した構成においては、送受電用電極間の距離d3が上述の範囲内である場合、電界共振結合により、高効率での電力の伝送が可能となる。他方で、電極間の距離d3がDを上回る状態では、挿入損失が急激に増大するため、電力の伝送効率が極端に低下し、電力の伝送がほとんど行えなくなることを示している。
なお、対向配置される送電装置10と受電装置20との間の電極間の距離d3について、電極長Dの近傍では、挿入損失が多少なりと生じる場合があり、より好適にはd3が0.8D以内となるよう調整される。
送電装置10の送電用電極11,12と、受電装置20の受電用電極21,22とは、電界共振結合される限りにおいて、任意の位置関係で配置されていてもよい。例えば、送電装置10の送電用電極11,12と、受電装置20の受電用電極21,22とは、好適には、互いに平行となるよう対向し、且つ所定の角度だけ相対的に回転するように配置されていてもよい。
なお、その場合において、送電用電極11,12と受電用電極21,22とが相互に90度または270度回転配置された場合には、送電装置10から受電装置20へ電力が伝送されなくなる。すなわち、受電用電極21と送電用電極11の間の容量と、受電用電極21と送電用電極12の間の容量が等しいか、または、受電用電極22と送電用電極11の間の容量と、受電用電極22と送電用電極12の間の容量が等しい場合には、受電装置20に励起された電圧が相殺される。このため、各電極がこのような位置関係となることを避けて、送電装置10及び受電装置20の配置が決定されることが好ましい。
また、送電用電極11,12と受電用電極21,22とは、必ずしも平行に対向する必要はない。送電用電極11,12の間の電界と、受電用電極21,22の間の電界との成す角度が垂直とならない状態であれば、両者の間に所定の角度が存在する場合であっても電界共振結合が可能となる。なお、送電側の電界と、受電側の電界との間の角度が平行状態(つまり、0度)から増大すると、送電用電極11,12から受電用電極21,22への電力の伝送効率が低下する。そこで、両電極の間の角度は、所望の伝送効率を実現可能な範囲内で決定されてよい。
(6)第5変形例
なお、上述した実施形態では、送電側、受電側のそれぞれで、略同一平面上に配置した2つの電極を用いているが、必ずしもこのような構造に限定されず、例えば送電側受電側の各装置において、電極同士を対向して配置した対向型の電極構造を採用してもよい。
図14は、対向型の電極構造を有する送電装置10’及び受電装置20’の構造を示す概略図であって、対向配置される送電用電極及び受電用電極の配列方向に対して直交する方向から見た場合の図である。
図示されるように、送電装置10’は、対向配置される外側送電用電極11’と内側送電用電極12’とを有し、受電装置20’は、対向配置される外側受電用電極21’と内側受電用電極22’とを有する。外側送電用電極11’と、内側送電用電極12’と、外側受電用電極21’と、内側受電用電極22’とのそれぞれは、略同一のサイズと形状を有する電極板であって、それぞれ所定の距離離隔して一列に対向配置される。
送電装置10’において、外側送電用電極11’と内側送電用電極12’とは、距離d4離隔して対向配置され、インダクタ13’を介して、接続線14’によって接続される。
同様に、受電装置10’において、外側受電用電極21’と内側受電用電極22’とは、距離d4離隔して対向配置され、インダクタ23’を介して、接続線24’によって接続される。
送電装置10’の内側送電用電極12'と、受電装置20’の内側受電用電極22'とは、距離d5離隔して対向配置される。
送電装置10’と受電装置20’とが、電界共振結合による電力伝送可能な位置関係となる場合に、送電装置10’から受電装置20’へ電力が伝送される。電力伝送時には、送電装置10’と受電装置20’との内側電極間の対向距離d5(言い換えれば、電力の伝送距離)は、内側及び外側電極間のd4に対して、2倍以下(つまり、d5≦2×d4)であるなど、良好な電界共振結合が可能な範囲内に位置することが好ましい。なお、上述の説明では、送電側、受電側において、外側と内側の電極を略同一のサイズを有するとしたが、例えば、外側の電極を内側と比較して大きくするなど、変更を加えてもよい。
このような対向型の電極構造を採用した場合においても、送電側と受電側で一方の電極を近接させることで、上述した実施形態と同様にスイッチとしての機能と、電力の非接触伝送機能との両方を実現することができる。なお、対向型の電極構造では、対向する電極により、送電用電極11’,12’の間及び受電用電極21’,22’の間に生じるキャパシタンスを増大することができるため、電極間距離d4及び電極長を小さくすることができる。このため、送電装置10’及び受電装置20’の設置に要するスペースを低減でき、配置位置の自由度を向上することもできる。
他方で、例えば、図5(a)に示されるように、送電装置10や受電装置20において、2つの電極(つまり、送電用電極11,12、または受電用電極21,22)が略同一平面上に配置されている場合には、対向する電極間の距離d4を0とすることができるため、型の電極構造に比べて、装置の低背化を図ることができる。このため、送電装置10及び受電装置20の電極部分を平板状またはシート状として構成し、既存のシャッタや倉庫の壁上に貼り付ける場合などにおいて、使用者の利便性を向上することができるとの利点もある。
本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う非接触電力伝送システムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1,1a,1b 照明付き倉庫
2 シャッタ
3,4 側壁
5 天板
6 照明機器
10 送電装置
11,12 送電用電極
13,14 インダクタ
15,16 接続線
17 交流電源
20 受電装置
21,22 受電用電極
23,24 インダクタ
25,26 接続線
30 中継装置

Claims (4)

  1. 電源に接続される送電用電極を有する送電装置と、
    前記送電用電極との電界共振結合により、電力の伝送を受ける受電用電極を有し、受電した電力を負荷に供給する受電装置と
    を備え、
    前記送電用電極と前記受電用電極は、電極面同士が向かい合う対面配置ではなく、それぞれ1の端部同士が対向するように配置され、
    前記送電用電極と前記受電用電極のうち、一方の電極は、他方の電極に対して、電力伝送可能となる位置関係を満たす状態と満たさない状態との間で相対的に移動可能であり、
    前記送電装置及び前記受電装置は、互いに隔離した非接触状態で同じ物体に取り付けられ、
    前記送電装置及び前記受電装置の少なくとも一方は、前記物体の可動部に取り付けられ、
    前記物体の可動部の移動動作は、前記負荷への電力供給及び前記負荷の作動の双方の開始及び停止を切り替えるためのスィッチ機構を兼ねることを特徴とする非接触電力伝送システム。
  2. 前記送電装置は、
    同一平面上において所定の距離を隔てて配置された第1及び第2の送電用電極と、
    前記第1及び第2の送電用電極を、交流電源の2つの出力端子のそれぞれと電気的に接続する第1及び第2接続線と、
    前記第1及び第2の送電用電極と前記交流電源の2つの出力端子の少なくとも一方の間に挿入される第1インダクタとを備え、
    前記受電装置は、
    同一平面上において所定の距離を隔てて配置された第1及び第2の受電用電極と、
    前記第1及び第2の受電用電極を、前記負荷の2つの入力端子のそれぞれと電気的に接続する第3及び第4接続線と、
    前記第1及び第2の受電用電極と前記負荷の2つの入力端子の少なくとも一方の間に挿入される第2インダクタとを備え、
    前記第1及び第2の送電用電極並びに前記第1インダクタによって構成されるカプラの共振周波数と、前記第1及び第2の受電用電極と前記第2インダクタによって構成されるカプラの共振周波数が略等しくなるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の非接触電力伝送システム。
  3. 前記負荷は、電力の供給によって作動する電気機器であることを特徴とする請求項1または2に記載の非接触電力伝送システム。
  4. 電源に接続される送電用電極を有する送電装置と、
    前記送電用電極との電界共振結合により、電力の伝送を受ける受電用電極を有し、受電した電力を負荷に供給する受電装置と、
    前記送電用電極から非接触で交流電力の伝送を受け、且つ前記受電用電極へと伝送する中継用電極を備える中継装置と、を備え、
    前記中継用電極は、前記送電用電極と前記受電用電極との間に配置され、前記送電用電極、前記受電用電極及び前記中継用電極のうち、一の電極は、残りの電極に対して、電力伝送可能となる位置関係を満たす状態と満たさない状態との間で相対的に移動可能であり、
    前記送電装置、前記受電装置及び前記中継装置は、互いに隔離した非接触状態で同じ物体に取り付けられ、
    前記送電装置、前記受電装置及び前記中継装置の少なくとも一つは、前記物体の可動部に取り付けられ、
    前記物体の可動部の移動動作は、前記負荷への電力供給及び前記負荷の作動の双方の開始及び停止を切り替えるためのスィッチ機構を兼ねることを特徴とする非接触電力伝送システム。
JP2013017734A 2013-01-31 2013-01-31 非接触電力伝送システム Active JP6168781B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013017734A JP6168781B2 (ja) 2013-01-31 2013-01-31 非接触電力伝送システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013017734A JP6168781B2 (ja) 2013-01-31 2013-01-31 非接触電力伝送システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014150645A JP2014150645A (ja) 2014-08-21
JP6168781B2 true JP6168781B2 (ja) 2017-07-26

Family

ID=51573206

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013017734A Active JP6168781B2 (ja) 2013-01-31 2013-01-31 非接触電力伝送システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6168781B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU178055U1 (ru) * 2017-06-16 2018-03-21 Федеральное государственное автономное образовательное учреждение высшего образования "Южно-Уральский государственный университет (национальный исследовательский университет)" (ФГАОУ ВО "ЮУрГУ (НИУ)") Расходуемый электрод для плавки тугоплавких металлов в вакуумной дуговой печи

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2645247B2 (ja) * 1992-04-14 1997-08-25 株式会社ツーデン 自動扉制御用電源装置
JP4869209B2 (ja) * 2007-11-16 2012-02-08 三菱電機株式会社 入出力装置、入出力装置の制御方法並びに誘導加熱調理器、加熱調理器、冷蔵庫、洗濯機及びジャー炊飯器
JP5640515B2 (ja) * 2010-07-15 2014-12-17 ソニー株式会社 電力伝送中継装置、電力伝送装置、及び、電力伝送中継装置の製造方法
JP5177187B2 (ja) * 2010-08-10 2013-04-03 株式会社村田製作所 電力伝送システム
JP2013159989A (ja) * 2012-02-07 2013-08-19 Panasonic Corp ドア装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU178055U1 (ru) * 2017-06-16 2018-03-21 Федеральное государственное автономное образовательное учреждение высшего образования "Южно-Уральский государственный университет (национальный исследовательский университет)" (ФГАОУ ВО "ЮУрГУ (НИУ)") Расходуемый электрод для плавки тугоплавких металлов в вакуумной дуговой печи

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014150645A (ja) 2014-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8970070B2 (en) Wireless power transmission system
JP5170054B2 (ja) 電力供給システム、及びそのための可動体と固定体
US8299877B2 (en) Resonator for wireless power transmission
EP2760108B1 (en) Non-contact power supply system
US8482159B2 (en) Wireless power apparatus and wireless power-receiving method
EP2866233B1 (en) Transformer, power supply device, and display device including the same
JP5981202B2 (ja) 電力伝送システム
JP6191562B2 (ja) 電源供給装置
US9837851B2 (en) Wireless power transmitter for supporting multiple charging schemes
EP2787603A1 (en) Wireless power transmission device
KR20160030672A (ko) 무선 전력 수신 장치 및 무선 전력 송수신 시스템
JP6168781B2 (ja) 非接触電力伝送システム
CN105391342B (zh) 压电能量收集器以及包括该压电能量收集器的无线开关
JP2008312357A (ja) 誘導電力給電システム
US11146107B2 (en) Wireless powering device and electrical apparatus
US20130106199A1 (en) Master slave radio control system
JP2014150646A (ja) 非接触電力伝送システム
JP2016013042A (ja) 電力伝送システム
WO2020241677A1 (ja) 送電装置および無線電力伝送システム
JP6094205B2 (ja) ワイヤレス電力伝送システム
WO2013153841A1 (ja) 非接触電力伝送システム
CN212566784U (zh) 一种智能烘干机网络管理设备
CN105391437B (zh) 无线开关
JP6265761B2 (ja) 非接触給電システム、送電装置および受電装置
KR102201087B1 (ko) 커패시터 구조를 활용한 무선 전력송신장치 및 무선 전력수신장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160704

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160926

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170605

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170627

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6168781

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350