JP2014150646A - 非接触電力伝送システム - Google Patents

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浩樹 濱田
Masahiro Kusunoki
正弘 楠
Mitsuru Masuda
満 増田
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Abstract

【課題】比較的な自由な配置が可能で、高効率で電気機器への電力の伝送を実現可能な非接触電力伝送システムを提供する。
【解決手段】本発明の非接触電力伝送システム1は、電源30に接続される送電用電極11,12を有し、固定部材150に配置される送電装置10と、送電用電極との電界共振結合により、電力の伝送を受ける受電用電極21,22を有し、受電した電力を負荷40に供給する受電装置20とを備え、送電装置は、受電装置が所定の範囲内に位置する場合に、送電用電極と受電用電極との間の電界共振結合によって受電装置に対して非接触で電力を伝送する。
【選択図】図5

Description

本発明は、非接触で電力を伝送する非接触電力伝送システムに関するものである。
従来、建屋の床、壁または天井などに設けられたコンセントなどの接続器具と、有線接続することで、電気機器への電力供給が行われていた。
このような有線接続方式では、電気機器の設置位置や移動範囲は、接続に用いられる電源ケーブルや接続機器の位置に制限されていた。また、接続機器における接触不良や漏電、感電などの他、接続機器の設置により建屋の見栄えが悪くなるなど、様々な技術的な問題があった。
そこで、電気機器に設けた受電装置に対して非接触で電力の伝送を行う非接触電力伝送装置が提案された。特許文献1及び2には、建屋の床、壁、天井または棚板などに非接触電力伝送の送電機能を付加し、設置した電気機器に非接触で電力を伝送する技術が開示されている。
特開2011−151901号公報 特開2011−147513号公報
特許文献1及び2に開示の技術を用いることで、電気機器の設置箇所に近い床や壁や天井や棚板に送電装置を設けて、非接触での電力を伝送することが可能となる。しかしながら、電力の伝送の詳細な方法や用いる技術については詳細に考慮されていない。例えば、電磁誘導を用いた非接触電力伝送技術では、伝送される電力に大きな損失が生じるため、電気機器への電力供給の効率が非常に悪いという技術的な問題がある。
また、送電装置をあらかじめ床材などの内部に設置する必要があり、設置後の電気機器の配置位置の変更や移動などに対応することも困難である。
本発明は、上述した技術的な問題点に鑑みてなされたものであり、比較的自由な配置が可能で、高効率で電気機器への電力の伝送を実現可能な非接触電力伝送システムを提供することを課題とする。
本発明の非接触電力伝送システムは、固定部材に配置される送電装置と、前記送電装置から非接触で電力の伝送を受ける受電装置と、前記受電装置に接続される負荷とを備え、前記受電装置が、前記送電装置に対して所定の範囲内に位置する場合に、前記送電装置から前記受電装置に対して電力の伝送が行われる。
本発明の非接触電力伝送システムによれば、送電装置に対して、受電装置を移動させた状態で、非接触電力伝送を行うことができる。また、送電装置に対して固定された受電装置に対しても非接触電力伝送を行うことができる。よって、受電装置の配置位置の自由度を向上することができる。また、このように構成することで、負荷に電力を供給するための大容量のバッテリや、有線による電源との接続などの構成を必要としない負荷機器を構成することが可能となり、負荷機器の構成の軽量化や小型化、使用者の利便性の向上などの点で有益である。
また、磁界共振結合方式など、他の非接触電力伝送などと比較して高効率で電力を伝送することができ、且つ送電装置から電力伝送が可能な所定の範囲を広く設定することができる。
本発明の非接触電力伝送システムの一の態様では、前記送電装置は、同一平面上において所定の距離を隔てて配置された第1及び第2の送電用電極と、前記第1及び第2の送電用電極を、電源の2つの出力端子のそれぞれと電気的に接続する第1及び第2接続線と、前記第1及び第2の送電用電極と前記電源の2つの出力端子の少なくとも一方の間に挿入される第1インダクタとを備えていてもよい。このとき、前記受電装置は、同一平面上において所定の距離を隔てて配置された第1及び第2の受電用電極と、前記第1及び第2の受電用電極を、前記負荷の2つの入力端子のそれぞれと電気的に接続する第3及び第4接続線と、前記第1及び第2の受電用電極と前記負荷の2つの入力端子の少なくとも一方の間に挿入される第2インダクタとを備えていてもよい。このような場合において、前記第1及び第2の送電用電極並びに前記第1インダクタによって構成される送電用カプラの共振周波数と、前記第1及び第2の受電用電極と前記第2インダクタによって構成される受電用カプラの共振周波数が略等しくなるように設定される。
このように構成することで、送電装置及び受電装置を比較的小さいサイズで構成することができ、また、電界共振結合による高効率の電力伝送を実現することができる。
本発明の非接触電力伝送システムの他の態様では、前記第1及び第2の送電用電極と、前記第1及び第2の受電用電極との少なくとも一方は、平板または薄膜状である。
このように構成することで、送電装置と受電装置との少なくとも一方について、装置構成を小型化及び軽量化することができる。また、送電装置と受電装置との少なくとも一方について、壁紙、化粧材、畳、絨毯、タイル等と一体化させて配置したり、必要なときに展開したりすることができ、使用者の利便性を向上できる。
本発明の非接触電力伝送システムの他の態様では、前記受電装置は、前記送電装置に対して相対的に移動するように移動可能である。
この態様では、受電装置が、送電装置を基準に、電力伝送可能な所定の範囲内で移動している場合には、移動中にも常に電力が伝送される。また、受電装置が電力伝送可能な範囲外で移動している場合であっても、移動によって一時的にでも電力伝送可能な範囲内に位置する場合には、電力の伝送が開始される。したがって、給電の対象となる負荷や、使用者の利便性に応じた好適な電力の伝送を実現することができる。
このとき、前記送電用電極の長手方向の長さを、前記受電用電極の長手方向の長さよりも長く設定し、前記受電装置は、前記送電用電極の長手方向に移動可能であってもよい。
このように、受電用電極に対して送電用電極を長く設定した場合、受電装置の移動により、受電用電極の位置が送電用電極の長手方向にずれた場合であっても、電界共振結合を維持することができ、高効率での電力の伝送を継続することができる。
本発明の非接触電力伝送システムの他の態様では、前記送電用電極から非接触で電力の伝送を受け、且つ前記受電用電極へと伝送する中継用電極を備える中継装置を更に備える。
このように構成することで、中継装置を用いることで、送電装置からより遠くの受電装置にまで電力を伝送することができる。このため、負荷の配置位置について、交流電源からより遠くに配置するなど、両者の位置関係をより自由に設定することが可能となり、配置の自由度を向上することができる。
本発明の非接触電力伝送システムの他の態様は、複数の前記送電装置を備え、前記複数の送電装置は、それぞれの送電用電極が他の送電用電極に対して平行以外の任意の角度を成すように前記固定部材に配置される。
このように構成することで、一の送電装置の送電用電極と、受電装置の受電用電極との間の角度が増大して伝送効率が低下する場合においても、他の送電装置から高効率での電力伝送を行うことができる。
本発明の非接触電力伝送システムの他の態様は、複数の前記受電装置を備え、前記複数の受電装置は、それぞれの受電用電極が他の受電用電極に対して平行以外の任意の角度を成すように配置され、前記負荷に接続される。
このように構成することで、一の送電装置の送電用電極と、受電装置の受電用電極との間の角度が増大して伝送効率が低下する場合においても、他の送電装置から高効率での電力伝送を行うことができる。
本発明の非接触電力伝送システムの他の態様では、前記固定部材は、建築物の床、壁、柱及び天井を構成する部材である。
この態様によれば、建築物を新しく建築する場合や、建築後の床、壁、柱及び天井などに、送電装置を簡単に配置することができる。
本発明の非接触電力伝送システムの他の態様では、前記送電装置は、複数の前記受電装置に対して、同時に電力の供給が可能である。
この態様によれば、複数の受電装置に対する給電を同時に行うことができる。
本発明の非接触電力伝送システムの他の態様では、前記受電装置は、前記送電装置からの電力の伝送効率が最大となる位置に固定する位置決め部材により、前記送電装置に対して固定される。
この態様によれば、送電装置と受電装置との間で、高効率の電力伝送を行うための適切な位置関係を設定することができる。
本発明の非接触電力伝送システムの他の態様では、前記位置決め部材は、前記受電装置を前記送電装置に対して着脱可能に固定する。
この態様によれば、受電装置の配置位置の自由度を向上することができる。
本発明の非接触電力伝送システムの他の態様では、前記位置決め部材は、前記受電装置を前記送電装置との間の距離を調整可能に固定する。
この態様によれば、受電装置の配置位置の自由度を向上することができる。
本発明の非接触電力伝送システムの他の態様では、前記負荷は、電力の供給により動作する照明機器、送風機器、吸引機器、音声発生機器、映像表示機器及び通信機器のいずれか一つ、または組み合わせである。
この態様によれば,例示した様々な電子機器に対して、非接触電力伝送を行うことができる。
本発明の非接触電力伝送システムによれば、送電装置と受電装置との位置関係を調整することで、相互に離隔した状態においても非接触で電力を伝送できる。特に、平板または薄膜状の送受電用電極を用いることで、既存の壁面などに非接触電力伝送機能を付与することや、必要なときのみ使用することなど、使用者の用途に応じた様々な使用方法を容易に実現できる。
また、対向する送電用電極と受電用電極とが必ずしも平行でなく、ある程度の角度を有する場合であっても、良好な伝送効率を実現することができる。このため、例えば電気アイロンなど、使用に際して移動を伴う電気機器に対しても好適に電力を伝送できる。
本発明の非接触電力伝送システムの基本的な構成を示す概略図である。 本発明の非接触電力伝送システムにおける送受電装置の構成を示す図である。 図2に示す送受電装置の等価回路である。 図3に示す等価回路の伝送特性を示す図である。 本発明の非接触電力伝送システムの第1実施例を示す概略図である。 第1実施例における送受電装置の電極の配置を示す概略図である。 第1実施例を別の角度から見た概略図である。 第1実施例の変形構成例を示す図である。 本発明の非接触電力伝送システムの第2実施例を示す概略図である。 第2実施例の変形構成例を示す図である。 第2実施例の変形構成例を示す図である。 本発明の非接触電力伝送システムのその他の実施例を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(1)基本的な構成
図1を参照して、本発明の非接触電力伝送システムの基本的な構成例について説明する。
図1は、本発明の実施の形態である非接触電力伝送システム1の構成を示す概略断面図である。図示されるように、非接触電力伝送システム1は、送電装置10と、受電装置20と、交流電源30と、負荷40とを備える。
送電装置10は、交流電源30に接続されており、供給される電源を受電装置20に対して、非接触で伝送する装置である。
受電装置20は、負荷40に接続され、送電装置10から非接触で伝送された電力を受電し、負荷40に供給する装置である。
負荷40は、一般的な電気機器であるなど、電力の供給によって動作する負荷機器である。
なお、本発明の送電装置10は、送電用電極を備え、該送電用電極が受電装置20が備える受電用電極と電界共振結合することで、受電用電極に電圧を励起させ、電力を伝送する非接触電力伝送装置である。このため、送電装置10が備える送電用電極に対して、受電装置20が備える受電用電極が、電界共振結合可能な所定の範囲10’内に位置する状態において、電界共振結合によって非接触で電力が伝送される。
また、送電装置10は、建築物の床、壁、天井など、固定された部材に設けられる。受電装置20は、送電装置10に対して固定、または移動可能な態様で構成される。以下に、非接触電力伝送システム1の基本的な構成と動作原理とについて説明する。
(2)非接触電力伝送システム
図2を参照して、本発明の非接触電力伝送システムの基本的な構成と動作原理について説明する。図2は、送電装置10及び受電装置20により構成される非接触電力伝送システム1の構成例を示す概略図である。
送電装置10は、送電用電極11,12と、インダクタ13,14と、接続線15,16とを有し、交流電源30に接続される。送電用電極11,12のそれぞれは、銅など、導電性の部材によって構成される、略同一のサイズを有する矩形の平板または薄膜状の電極である。図示されるように、送電用電極11,12は、所定の距離d1を隔てて平行に配置されている。なお、距離d1を含む送電用電極11及び送電用電極12の合計幅Dは、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。インダクタ13,14は、例えば、被覆銅線など、導電性の線材を巻回した構成である。インダクタ13の一端は、送電用電極11の端部に電気的に接続され、インダクタ14の一端は、送電用電極12の端部に電気的に接続されている。なお、送電装置10において、送電用電極11,12及びインダクタ13,14は、電界共振結合による電力伝送における送電用カプラを構成する。接続線15,16は、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルなど、導電性の線材(例えば、銅線)を含む。接続線15は、インダクタ13の他端と交流電源30の一の出力端子とを接続し、接続線16は、インダクタ14の他端と交流電源30の他の出力端子とを接続する。
交流電源30は、所定の周波数の交流電力を発生し、接続線15,16を介してインダクタ13,14に供給する。なお、交流電源30は、必ずしも側壁3上に形成されている必要は無く、側壁3を介して有線で商用電源など、既知の交流電源に接続される態様であってもよい。
受電装置20は、受電用電極21,22と、インダクタ23,24と、接続線25,26とを有する。受電装置20において、各受電用電極21,22は、それぞれインダクタ23,24を介して接続線25,26によって、コイル141,142に接続されている。受電用電極21,22のそれぞれは、銅など、導電性の部材によって構成される、送電用電極11,12と略同一のサイズと形状を有する矩形の平板または薄膜状の電極である。また、受電用電極21,22は、送電装置10の送電用電極11,12と同様に、所定の距離d1を隔てて平行に配置されており、距離d1を含む受電用電極21,22の合計幅Dもまた、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。インダクタ23,24は、インダクタ13,14と同様に、被覆銅線など、導電性の線材を巻回した構成である。インダクタ23の一端は、受電用電極21の端部に電気的に接続され、インダクタ24の一端は、受電用電極22の端部に電気的に接続されている。なお、受電装置20において、受電用電極21,22及びインダクタ23,24は、電界共振結合による電力伝送における受電用カプラを構成する。接続線25,26は、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルなど、導電性の線材(例えば、銅線)を含む。例えば、接続線25は、インダクタ23の他端とコイル141の一の入力端子とを接続し、接続線26は、インダクタ24の他端とコイル142の一の入力端子とを接続する。
図3は、図2に示される非接触電力伝送システム1において、送電用電極11,12と、受電用電極21,22とが電界共振結合され、送電装置10から受電装置20への電力の伝送が行われている状態の等価回路100を示す回路図である。
図3において、インピーダンス102は、接続線15,16及び接続線25,26の特性インピーダンスを示し、Z0の値を有する。インダクタ103はインダクタ13,14に対応し、Lの素子値を有する。キャパシタ104は、送電用電極11,12の間に生じる素子値Cのキャパシタから、送電用電極11,12と受電用電極21,22の間に生じる素子値Cmのキャパシタを減じた素子値(C−Cm)を有する。キャパシタ105は、送電用電極11,12と受電用電極21,22の間に生じるキャパシタを示し、Cmの素子値を有する。キャパシタ106は、受電用電極21,22の間に生じる素子値Cのキャパシタから、送電用電極11,12と受電用電極21,22の間に生じる素子値Cmのキャパシタを減じた素子値(C−Cm)を有する。インダクタ107はインダクタ23,24に対応し、Lの素子値を有する。
図4は、送電装置10と受電装置20との間のSパラメータの周波数特性を示すグラフである。具体的には、図4の横軸は周波数を示し、縦軸は送電装置10から受電装置20への挿入損失(S21)を示している。図4に示されるように、送電装置10から受電装置20への挿入損失は、周波数fCで反共振点を有し、周波数fL及びfHで共振点を有する。ここで、周波数fCは、図3に示すインダクタ3、7のインダクタンス値Lと、送電用電極11,12または受電用電極21,22によって形成されるキャパシタのキャパシタンス値Cによって定まる。また、周波数fL及びfHは、図3に示すインダクタ3、7のインダクタンス値Lと、送電用電極11,12及び受電用電極21,22によって形成されるキャパシタのキャパシタンス値Cmと、ならびに、送電用電極11,12の間及び受電用電極21,22の間にそれぞれ生じるキャパシタのキャパシタンス値Cによって定まる。
なお、交流電源30が発生する交流電力の周波数は、図4に示されるfLまたはfHと等しくなるように設定されることが好ましい。このように、交流電源30の周波数を設定することにより、電極同士が電界共振結合されている場合の送電装置10から受電装置20への挿入損失が略0dBとなり、送電装置10から受電装置20に対して損失なく電力を送電することができる。
また、送電用電極11,12の間に形成されるキャパシタ及びインダクタ13,14による共振周波数(つまり、送電用カプラにおける共振周波数)と、受電用電極21,22の間に形成されるキャパシタ及びインダクタ23,24による共振周波数(つまり、受電用カプラにおける共振周波数)とは略等しくなるように設定されている。
このように、送電装置10の送電用電極11,12と受電装置20の受電用電極21,22は、電界共振結合されていることから、送電装置10の送電用電極11,12から受電装置20の受電用電極21,22に対して電界によって交流電力が効率よく伝送される。
なお、図2では、送電装置10の送電用電極11,12と、受電装置20の受電用電極21,22とは、距離d2を隔てて平行に対向するように配置される。例えば、送電装置10の送電用電極11,12と、受電装置20の受電用電極21,22との間の対向距離d2が、λ/2πで示される近傍界よりも短い場合など、電界共振結合が可能な位置関係にある場合に、送電装置10から受電装置20への電力の伝送が行われる。なお、その場合に送電用電極11,12と受電用電極21,22とは、必ずしも平行に対向している必要はない。
送電用電極11,12と受電用電極21,22との位置関係が、平行状態から、送受電電極間の為す角度が増大するにつれて、電力の伝送効率が低減する。言い換えれば、送電用電極11,12と受電用電極21,22とが電界共振結合され、所望の伝送効率を実現可能な範囲であれば、送受電電極は相互に角度を有していても、電力を伝送できる。例えば、発明者らの実験により、送電用電極11,12と受電用電極21,22との対向距離d2が近傍界よりも短い場合など、電界共振結合可能な位置関係にある場合において、相互に為す角度が15度であれば、95%程度の伝送効率を実現することができることが判明している。
送電装置10の送電用電極11,12と、受電装置20の受電用電極21,22とは、電界共振結合される限りにおいて、任意の位置関係で配置されていてもよい。例えば、送電装置10の送電用電極11,12と、受電装置20の電極21,22とは、互いに平行となるよう対向した状態で、所定の角度だけ相対的に回転するように配置されていてもよい。
なお、その場合において、送電用電極11,12と受電用電極21,22とが相互に90度または270度回転配置された場合には、送電装置10から受電装置20へ電力が伝送されなくなる。すなわち、受電用電極21と送電用電極11の間の容量と、受電用電極21と送電用電極12の間の容量が等しいか、または、受電用電極22と送電用電極11の間の容量と、受電用電極22と送電用電極12の間の容量が等しい場合には、受電装置20に励起された電圧が相殺される。このため、各電極がこのような位置関係となることを避けて、送電装置10及び受電装置20の配置が決定されることが好ましい。
なお、送電装置10及び受電装置20の変形構成例として、送電装置10において、送電用電極11,12と並列にコンデンサを追加し、受電装置20において、受電用電極21,22と並列にコンデンサを追加してもよい。
例えば、送電装置10内に、このようにコンデンサを追加することで、送電用カプラにおけるキャパシタンスの向上に繋がり、結果として、送電用電極間に形成されるキャパシタを軽減することができる。このため、同程度のキャパシタンスを維持した状態で、送電用電極11,12を小型化することができる。なお、受電装置においても同様の効果を享受することができる。これは、送電装置10及び受電装置20の間の電力伝送効率を低減することなく、装置構成を小型化できるという点で有益である。
(3)第1実施例
本発明の非接触電力伝送システム1を用いた電気機器への給電の例について、以下に説明する。図5は、本発明の非接触電力伝送システム1を用いて給電を行うアイロンシステム100の構成を示す概略図である。
図示されるように、アイロンシステム100は、交流電源30に接続される送電装置110を含む給電装置150と、受電装置120を含むアイロン装置140とを含む。
給電装置150は、アイロンシステム100が設置される部屋の床面などに設置可能な部材であって、アイロン装置140が配置される側に、送電用電極11,12が配置された送電装置10を備える。送電装置10は、交流電源30に接続される。
アイロン装置140は、給電装置150の送電装置10に対向する後端部またはその深さ方向近傍に受電用電極21,22が配置された受電装置20を備え、内部に変換器141、第1スイッチ142、加熱装置143、アイロン底144、有線給電接続部145、第2スイッチ146、小型電池147、制御装置148及び温度センサ149を備える、例えば、スチームアイロンなど、アイロンシステムである。
このようなアイロンシステム100では、受電装置120において受電した電力を、変換器141を介して加熱装置143へ供給し、不図示の水タンクに貯蔵される水を加熱して高温の蒸気を生成することができる。このとき、図5(a)に示されるように、第1スイッチ142は、変換器141と加熱装置143とを接続する位置に切り換えられる。
また、アイロンシステム100は、有線給電接続部145を介して、交流電源30と有線接続することで、電力の供給を受けることもできる。有線給電接続部145を介して給電された電力は、その一部が加熱装置143へ供給され、不図示の水タンクに貯蔵される水を加熱し、残りの一部が小型電池147に蓄電される。このとき、図5(b)に示されるように、第1スイッチ142は、有線給電接続部145と、加熱装置143とを接続する位置に切り換えられる。また、第2スイッチ146は、有線給電接続部145と、小型電池147とを接続する位置に切り換えられる。
温度センサ149は、加熱装置143やアイロン底144の温度を逐次測定して、制御装置148に通知する。制御装置148は、通知される温度が、所定の温度以下とならないよう、加熱装置143による加熱を制御し、アイロン底144の温度低下を抑制する。好適には、小型電池147により供給される電力で制御装置148及び温度センサ149は動作する。
なお、有線給電接続部145を介した有線による給電は、主に、アイロン装置140を用いてアイロン掛けを行う前の予熱時に用いられることが好ましい。予熱時には、加熱装置143が充分に熱せられた状態となるまでアイロン装置140を移動する必要がなく、従って、交流電源との有線接続がアイロン装置140の取り回しを妨げることがないためである。
他方で、受電装置20を介した非接触での給電は、主に、使用者がアイロン装置140を用いて、アイロン掛けをしている場合に用いられることが好ましい。このようなアイロンシステム100の構成によれば、アイロン掛けの最中(つまり、図5(a)の状態)でも、受電装置20において受電した電力で加熱装置143を加熱することができる。このため、アイロン底144の温度低下を抑制し、アイロン掛け時の予熱の頻度やその時間を軽減することができる。
従来のアイロンシステムでは、アイロン装置にケーブルなどを用いて、有線で給電することで、アイロン掛けの最中にも、加熱装置の加熱を可能としていた。しかしながら、使用者は、アイロン掛けの際に給電用のケーブルの長さを考慮してアイロン装置を移動させる必要があり、取り回しを制限されていた。
また、本体内部にバッテリを内蔵する従来のアイロンシステムは、内蔵バッテリから供給される電力により、アイロン掛けの最中においても加熱装置を加熱することができる構成である。しかしながら、加熱装置を動作させるために大容量、大型且つ大重量のバッテリを内蔵する必要があり、アイロン装置の大型化及び大重量化に繋がっていた。このように大型化、大重量化したアイロン装置は、使用者にとって取り回し難く、アイロン掛けの際の利便性に欠けていた。
他方で、アイロンシステム140によれば、大型のバッテリなどを内蔵する必要がないため、アイロン装置140の小型化や軽量化を実現することができる。また、少なくともアイロン掛け時には、有線給電用のケーブルを必要としないため、アイロン装置140の取り回しを容易とすることができる。
図6は、アイロン装置140に設けられる受電装置20の受電用電極21,22の位置と、給電装置150に設けられる送電装置10の送電用電極11,12の位置とを示した図である。
電界共振結合方式による送受電装置は、送電用電極11,12と、受電用電極21,22との位置関係によって、伝送効率が大きく変化する。特に、電極の対向面と平行な面において、送電用電極11,12と、受電用電極21,22との位置がずれると、伝送効率が大きく低下する可能性がある。そこで、図中Y方向(言い換えれば、高さ方向)における、アイロン装置140の後端部の受電用電極21,22の位置と、給電装置150における送電用電極11,12とが互いに一致するように設定することで、Y方向において電極間の位置ずれが生じることを防止することができる。また、送電用電極11,12の図中X方向における電極長を受電用電極21,22と比較して長く設定することで、アイロン装置140をX方向に移動した場合であっても、良好な送電用電極11,12と、受電用電極21,22との位置関係を維持することができ、位置ずれに強い好適な伝送効率を実現することができる。なお、送電用電極11,12の代わりに、受電用電極21,22の電極長を長く設定しても上述の効果が得られる。
図7は、図5に示したアイロンシステム100を図中上方から見た場合の図である。図7(a)に示されるようにアイロン装置140は、アイロン掛け時には、使用者の腕によって保持され、矢印Xで示される方向を含む任意の方向で移動することが想定される。
このとき、給電装置150の送電装置10と、アイロン装置140の受電装置20との間の対向距離d2が、近傍界よりも短い場合など、電界共振結合可能な位置関係にある場合において、電力の伝送が行われる。
電力の伝送時に、使用者の腕など、体の一部が送電装置10と受電装置20との間に介在する場合、伝送効率が低下する可能性がある。
そこで、送電装置10と受電装置20との間の対応距離d2が遠方界であるなど、電界共振結合可能でない位置関係にある場合、電力の伝送が行われないという非接触電力伝送システム1の性質を生かし、人体などが介在する状態では、電力の伝送が行われないよう設定してもよい。例えば、送電装置10に供給する電力を低減し、電力伝送範囲を意図的に狭めることで、送電装置10と受電装置20との間の対向距離d2が、間に人体が介在しない程度に小さい場合のみ、電力を伝送するよう設定することができる。
また、図7(b)に示されるように、アイロン装置140の後端部の代わりに、先端部に受電装置20を配置してもよい。図7(b)は、先端部に受電装置20を配置したアイロン装置140aの構成を示す図である。このとき、給電装置150は、アイロン装置140の前方であって、使用者にとっても前方となる位置に、受電装置20に対して送電装置10が対向するよう配置される。このように配置することで、送電装置10と受電装置20との間に使用者の体が介在することを抑制し、また、使用者の腕と受電装置20とを離隔することができるため、電力の伝送効率の低下を抑制することができる。
なお、アイロン装置140における受電装置20の配置位置は、後端部または先端部及びその近傍に限定される必要はない。例えば、アイロン装置140の側面に受電用電極21,22が配置されるよう構成してもよい。
平行状態と比較して、対向する送電用電極11,12と受電用電極21,22とが為す角度が増大するにつれて、伝送効率が低減することは先に説明したとおりである。しかしながら、アイロン装置140の加熱装置143を加熱させるために必要な電力を供給する場合など、所望の伝送効率を実現し得る範囲内では、送電用電極11,12と受電用電極21,22とは角度を有して対向していてもよい。つまり、図8(a)に示されるように、アイロン装置140は、給電装置150に対して、上記の範囲内の角度を有している場合でも、給電を受けることができる。これは、アイロン掛け時の使用者の取り回しの自由度を向上させることに繋がる。
また、図8(b)に示されるように、給電装置150内に2つの送電装置10a,10bを設け、送電用電極面が互いに直交するように配置してもよい。このように構成することで、例えば、移動によって、アイロン装置140の受電装置20が、送電装置10aの送電用電極面との間で為す角度が大きくなり伝送効率が低下した場合には、相対的に、送電装置10bの送電用電極面との間で為す角度が小さくなるため、送電装置10bからの伝送効率を向上させることができる。特に、アイロン装置140の受電装置20の受電用電極21,22が、送電装置10aの送電用電極と直交する場合には、送電装置10bの送電用電極と平行に対向するため、送電装置10bから高効率での電力の伝送を受けることができる。
なお、図8(b)に記載される構成に限定されることなく、例えば、給電装置内部に、電極同士が互いに所定の角度を為す複数の送電装置10を設け、アイロン装置140の受電装置20に対して電力を伝送してもよい。また、給電装置150内部に1つの送電装置10を設け、他方で、アイロン装置140内に、電極同士が互いに所定の角度を為す複数の受電装置20を設ける構成としても、同様の効果を享受することができる。
以上、説明したように、アイロンシステム100によれば、固定された送電装置10に対して、受電装置20を備えるアイロン装置140を移動させた状態で、非接触電力伝送を行うことができる。
なお、非接触電力伝送システム1の第1実施例は、アイロンシステム100に限定されることはない。例えば、建築物の床、壁、柱または天井などに設置された送電装置10に対して相対的に移動可能な可動部材を有する電気機器に対しても移動中の給電を可能とすることができる。この効果は、特に使用の際に移動を伴う電気機器や、内部に給電用のバッテリを搭載する電気機器などにとって、使用時の取り回しの向上や、装置の小型化や軽量化などの点で有益である。
(4)第2実施例
続いて、図9を参照して、本発明の非接触電力伝送システムを用いた電気機器への給電の第2実施例について説明する。非接触電力伝送システム1の第2実施例に係る表示システム200は、送電装置10から、該送電装置10上に設置される負荷機器である表示装置240へ電力を給電する。図9(a)は、この第2実施例の構成について示す概略図である。
図示されるように、表示システム200は、交流電源30に接続される送電装置10と、受電装置20を備える表示装置240とを含む。
表示装置240は、電力の供給を受け、表示画面241に画像を表示するディスプレイ装置である。また、表示装置240は、図9(b)に示されるように、表示画面241と反対側の面であって、送電装置10に対向する面またはその深さ方向近傍に受電用電極21,22が配置された受電装置20を備える。図9(b)は、図9(a)に示される表示システム200における表示装置240について、図9(a)とは反対の方向から見た場合の構成を示す概略図である。
このとき、表示装置240は、何らかの固定手段により、受電用電極21,22と送電用電極11,12とが平行に対向するように、送電装置10に対し固定可能に構成される。このとき、送電装置10に対する表示装置240の固定位置は、受電用電極21,22と送電用電極11,12とが平行に対向していれば、図9(a)のX方向のどの位置に配置されていてもよい。
送電用電極11,12のX方向(図9(a)及び(b)中X方向)の電極長l1は、表示装置240の配置位置の自由度を向上する目的で、受電用電極21,22のX方向(図9(a)及び(b)中X方向)の電極長l2、ひいては、表示装置240の図中X方向の長さに対して、相対的に長く設定されることが好ましい。
このように構成することで、建築物の床、壁または天井などに設けた送電装置10に対して、送電用電極11,12の延伸方向(つまり、図9(a)及び(b)中X方向)における所望の位置に、表示装置240の受電用電極21,22が送電用電極11,12と対向するように配置することで、送電装置10からの非接触電力伝送を行うことができる。
図10を参照して、より具体的な表示システム200の構成について説明する。表示システム200においては、送電装置10に対して、表示装置240は、送電用電極11,12と、受電用電極21,22との対向距離d2が近傍界以内であるなど、電界共振結合可能な範囲内で、所定の距離離隔して設置されていてもよい。例えば、表示装置240は、スペーサを介して、送電装置10に対して固定されることで、電極間の距離d2を調整してもよい。
図10及び図11は、スペーサを介して表示装置240を送電装置10から離隔して配置する場合の構成例を示す図である。例えば、図10(a)には、内部に受電装置20を含むスペーサ241を有する表示装置240が、送電装置10に対して固定される様子が示される。また、図10(b)には、中空構造の内部に受電装置20を固定したスペーサ242を有する表示装置240が、送電装置10に対して固定される様子が示される。
このようにスペーサ241または242を用いることで、送電装置10と受電装置20との間で、所望の電極間の対向距離d2を設定することができ、電力の伝送効率の調整などを行うことができる。また、スペーサ241または242を用いることで、受電装置20と、表示装置240とを離隔することができ、受電用電極21,22において生じた電場や磁場による表示装置240内の電気回路への干渉を軽減することができる。
なお、スペーサ241及び242は、例えば、発泡素材など、比較的誘電率の低い誘電体により構成されることが好ましい。誘電率の低い誘電体であれば、送電用電極11,12と受電用電極21,22との間に介在する場合であっても、電力の損失が比較的少なく済み、電力の伝送効率を極力高く維持することができる。
また、スペーサ241、242または表示装置240の送電装置10に対する固定は、フックや面ファスナなどの引っ掛け構造や、吸盤や磁石などの吸着構造など、既存の固定手段を適宜用いてもよい。例えば、図10(b)に示されるように、壁状部材201に固定された送電装置10に対して、壁状部材201から送電装置10に対して直交する方向延伸した突起部202にフック部材243を固定して、表示装置240を吊り下げるように固定してもよい。このとき、フック部材243を固定する突起部202上の位置を調整することで、送電装置10と受電装置20との電極間の対向距離d2を調整することができる。
図11(a)には、天井203の下面に配置した送電装置10と、表示装置240との位置関係が示されている。例えば、表示装置240を吊り下げ部材244によって天井203から吊り下げることで、送電装置10に対して固定し、送電装置10と受電装置20との電極間の対向距離d2を調整するよう構成してもよい。また、床面204上に配置した棚や台座など、何らかの支持部材245によって表示装置240を支持することで、送電装置10に対して固定し、送電装置10と受電装置20との電極間の対向距離d2を調整するよう構成してもよい。
また、図11(b)に示されるように、受電装置20と表示装置240とを、互いの位置関係を調整可能な調整手段246を介して一体化することで、送電装置10に対する、表示装置240の配置位置の自由度をより向上することができる。
以上、説明したように、表示システム200によれば、固定された送電装置10に対して、受電装置20を備える表示装置240の配置位置の自由度を向上させ、所望の位置に配置した表示装置240に対して、非接触電力伝送を行うことができる。このような表示システム200は、建築物の床、壁、柱または天井などに送電装置10を固定し、該送電装置10から電力の伝送を受けて動作する設置式、壁掛け式、吊り下げ式、引っ掛け式など、何らかの態様で固定される展示用モニタなどを構成する上で有益である。
なお、非接触電力伝送システム1の第2実施例は、モニタなど、表示手段240を備える表示システム200に限定されることはない。例えば、表示手段240の代わりの負荷40として、照明機器や、電光掲示板などを用いてもよく、そのような変更を加えた場合にも、上述した機能を享受し得るものである。
また、負荷40として、回転機構を含み、回転により送風または吸引の機能を有する送風または吸引機器、音声を発する機器、映像を映す機器、照明、音声または映像機能を有する広告用の看板または警告用の表示システム、電気器具が発する音声または写す映像のデータを非接触で受信する機器、または電気器具の稼働と非稼働との切換や、発生する音声の音量及び照明の光量などを切り替え、または調整する制御を非接触通信で行うための受信機器などであってもよい。
なお、表示装置240の送電装置10への固定手段を、繰り返しの固定と取り外しが行える態様とすることで、送電装置10上での表示装置240の配置位置の自由度の向上に係る効果を繰り返し享受することができる。
なお、表示システム200では、電界共振結合による非接触電力伝送を行う非接触電力伝送システム1の代わりに、磁界共振結合など、その他の方式による電力の伝送を行う送電装置及び受電装置を用いてもよい。例えば、スペーサなど、表示装置を送電装置に固定する部材を調整し、送電装置と受電装置との間隔を近づけることで、電磁誘導による非接触電力伝送を行うこともできる。
(5)その他の実施例
本発明の非接触電力伝送システムのその他の実施例として、送電装置10と、受電装置20との間に中継用カプラ50を配置した態様について図12を参照して説明する。
図12(a)は、図7(a)に示したアイロンシステム100に対して、中継用カプラ50を適用した場合の変形構成例を示す図である。図示されるように、アイロンシステム100の変形構成例は、給電装置150とアイロン装置140との他に、中継用カプラ50を含む中継装置160を備える。
図12(b)は、中継装置160が備える中継用カプラ50の構成を示す概略図である。図示されるように中継装置50は、電極51,52と、インダクタ53,54と、接続線55とを有する。電極51,52は、送電用電極11,12または受電用電極21,22のそれぞれと同様に銅など、導電性の部材によって構成される、略同一のサイズを有する矩形の平板または薄膜状の電極である。電極51,52は、同一平面上で所定の距離d1を隔てて並べて配置される。なお、距離d1を含む電極51及び電極52の合計幅Dは、λ/2πで示される近傍界よりも狭くなるように設定されている。インダクタ53,54は、例えば、被覆銅線など、導電性の線材を巻回した構成である。インダクタ53の一端は、電極51の端部に電気的に接続され、インダクタ54の一端は、電極52の端部に電気的に接続されている。インダクタ53,54の他端は、同軸ケーブルまたは平衡ケーブルなど、導電性の線材を含む接続線15によって、相互に接続される。なお、中継装置50においては、インダクタ53,54を1つのインダクタによって構成してもよい。中継装置50の共振周波数fCは、送電装置10及び受電装置20の共振周波数fCと略同一となるように設定される。
このような中継用カプラ50によれば、送電装置10と受電装置20との間に配置し、電極51,52が、電極11,12及び電極21,22のそれぞれと上述した電界共振結合を行うための位置関係を満たす場合に、送電装置10から中継用カプラ50を中継して受電装置20へ非接触電力伝送を行うことができる。つまり、送電装置10と中継用カプラ50との電極間の対向距離d3が、近傍界以内であるなど、電界共振結合可能な範囲内であり、且つ中継用カプラ50と受電装置20との電極間の対向距離d3が、近傍界以内であるなど、電界共振結合可能な範囲内である場合に、送電装置10から受電装置20への非接触電力伝送を行うことができる。
このような中継装置160を設けることで、単に送電装置10と受電装置20との間で電力の伝送を行う場合と比較して、より遠い距離まで効率良く電力を伝送することができる。なお、中継装置160を複数用いて、各中継装置の電極のそれぞれを電界共振結合させることで、より遠くまで電力を伝送することができる。このように、中継装置160を用いることで電力の供給を受ける負荷40を交流電源30から離隔して配置することができるため、交流電源や負荷など、各部の配置の自由度が向上し、使用者の利便性を向上することができる。
なお、アイロンシステム100など、送電装置10に対して受電装置20が移動可能な構成に限られることなく、表示システム200など、送電装置10に対して受電装置20が固定される構成に対しても、上述の中継用カプラ50を適用することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う非接触電力伝送システムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1 非接触電力伝送システム
10 送電装置
11,12 送電用電極
13,14 インダクタ
15,16 接続線
20 受電装置
21,22 受電用電極
23,24 インダクタ
25,26 接続線
30 交流電源
40 負荷機器
50 中継用カプラ
100 アイロンシステム
140 アイロン装置
150 給電装置
200 表示システム
240 表示装置

Claims (14)

  1. 電源に接続される送電用電極を有し、固定部材に配置される送電装置と、
    前記送電用電極との電界共振結合により、電力の伝送を受ける受電用電極を有し、受電した電力を負荷に供給する受電装置と、
    を備え、
    前記送電装置は、前記受電装置が所定の範囲内に位置する場合に、前記送電用電極と前記受電用電極との間の電界共振結合によって前記受電装置に対して非接触で電力を伝送することを特徴とする非接触電力伝送システム。
  2. 前記送電装置は、
    同一平面上において所定の距離を隔てて配置された第1及び第2の送電用電極と、
    前記第1及び第2の送電用電極を、電源の2つの出力端子のそれぞれと電気的に接続する第1及び第2接続線と、
    前記第1及び第2の送電用電極と前記電源の2つの出力端子の少なくとも一方の間に挿入される第1インダクタとを備え、
    前記受電装置は、
    同一平面上において所定の距離を隔てて配置された第1及び第2の受電用電極と、
    前記第1及び第2の受電用電極を、前記負荷の2つの入力端子のそれぞれと電気的に接続する第3及び第4接続線と、
    前記第1及び第2の受電用電極と前記負荷の2つの入力端子の少なくとも一方の間に挿入される第2インダクタとを備え、
    前記第1及び第2の送電用電極並びに前記第1インダクタによって構成される送電用カプラの共振周波数と、前記第1及び第2の受電用電極と前記第2インダクタによって構成される受電用カプラの共振周波数が略等しくなるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の非接触電力伝送システム。
  3. 前記第1及び第2の送電用電極と、前記第1及び第2の受電用電極との少なくとも一方は、平板または薄膜状であることを特徴とする請求項1または2に記載の非接触電力伝送システム。
  4. 前記受電装置は、前記送電装置に対して相対的に移動するように移動可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の非接触電力伝送システム。
  5. 前記送電用電極の長手方向の長さは、前記受電用電極の長手方向の長さよりも長く、
    前記受電装置は、前記送電用電極の長手方向において相対的に移動可能であることを特徴とする請求項4に記載の非接触電力伝送システム。
  6. 前記送電用電極から非接触で電力の伝送を受け、且つ前記受電用電極へと非接触で伝送する中継装置を更に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の非接触電力伝送システム。
  7. 複数の前記送電装置を備え、
    前記複数の送電装置は、それぞれの送電用電極が他の送電用電極に対して平行以外の任意の角度を成すように前記固定部材に配置されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の非接触電力伝送システム。
  8. 複数の前記受電装置を備え、
    前記複数の受電装置は、それぞれの受電用電極が他の受電用電極に対して平行以外の任意の角度を成すように配置され、前記負荷に接続されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の非接触電力伝送システム。
  9. 前記固定部材は、建築物の床、壁、柱及び天井を構成する部材であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の非接触電力伝送システム。
  10. 前記送電装置は、前記所定の範囲内に位置する複数の前記受電装置に対して、同時に電力の供給が可能であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の非接触電力伝送システム。
  11. 前記受電装置は、前記送電装置からの電力の伝送効率が最大となる位置に固定する位置決め部材により、前記送電装置に対して固定されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の非接触電力伝送システム。
  12. 前記位置決め部材は、前記受電装置を前記送電装置に対して着脱可能に固定することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の非接触電力伝送システム。
  13. 前記位置決め部材は、前記受電装置を前記送電装置との間の距離を調整可能に固定することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の非接触電力伝送システム。
  14. 前記負荷は、電力の供給により動作する照明機器、送風機器、吸引機器、音声発生機器、映像表示機器及び通信機器のいずれか一つ、または組み合わせであることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の非接触電力伝送システム。
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