JP6168667B2 - チェーンテンショナ - Google Patents

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Description

この発明はチェーンテンショナに関し、より特定的にはカム軸駆動用チェーンの張力を一定に保持するチェーンテンショナに関する。
この種の従来技術の一例が特許文献1において開示されている。特許文献1では、ハウジングに対してプランジャを初期位置に保持するチェーンテンショナが開示されている。このチェーンテンショナでは、プランジャに固定されたロックピンと、ハウジングに取り付けられた支持ピンを中心に回動可能に取り付けられたロックレバーとが係合することによって、プランジャが初期位置に保持される。そして、プランジャを後退させることによって、ロックピンとロックレバーとの係合が解除されて初期セット状態が解除される。このような構造では、エンジンへの取り付けの利便性を有するものの、レジスタリングの誤組を生じるおそれがある。
そこで、特許文献2では、レジスタリングの誤組防止構造が提案されている。特許文献2では、ハウジング内径面に設けられたリング収容溝のロック面とプランジャ外周面に設けられた係合溝のロック面との隙間がレジスタリングの線径よりも小さくされている。これにより、初期セット状態で、誤組によりレジスタリングがプランジャの最も突出端寄りの係合溝ではなく、その隣の係合溝に嵌まってしまうことを防止しようとしている。
特開2005−98420号公報 特開2006−29377号公報
このような特許文献2においては、ハウジングとプランジャとのロック面の隙間は小さいほど初期セット状態でレジスタリングが隣の係合溝に嵌りにくくなるため、当該ロック面の隙間を小さくすべくハウジングのリング収容溝を小さく形成することが好ましい。その一方、ハウジングのリング収容溝は、初期セット状態を解除するためのプランジャの初期ストローク量(初期セット状態を解除するためのプランジャの移動量)を確保する必要があるため、所定の大きさを確保しなければならない。なぜなら、ハウジングのリング収容溝の長手方向の寸法(幅)が初期ストローク量よりも小さいと、初期セット状態を解除するためにプランジャを押し込んだ(後退させた)ときレジスタリングがリング収容溝のロック面に当接してしまい、初期セット状態を解除させることができなくなってしまうからである。
このため、特許文献2では、ハウジングとプランジャとのロック面の隙間がレジスタリングの線径よりも小さく、かつハウジングのリング収容溝の長手方向の寸法がプランジャの初期ストローク量よりも大きくなるように、すなわちこれらの2つの条件を同時に満たすように、ハウジングのリング収容溝を形成しなければならず、製造時における誤差等を高度に管理する必要があるので、所望のチェーンテンショナが得られないおそれがある。
それゆえにこの発明の主たる目的は、初期セット状態を解除するためのプランジャの初期ストローク量を確保した上でレジスタリングの誤組を防止できる、チェーンテンショナを提供することである。
上述の目的を達成するために、開口された第1端部および閉塞された第2端部を有する筒状の本体部と、本体部の内周面に設けられる第1対向面と、第1対向面よりも第1端部側において第1対向面に連接される第1ロック面を有しかつ本体部の内周面に形成されるリング収容溝とを含むハウジング、長手方向において間隔をあけて外周面に設けられかつそれぞれ第2ロック面および拡径部を有する複数の係合溝と、複数の係合溝のうち最も突出端側に位置する第1溝と第1溝に隣り合う第2溝との間に設けられる第2対向面とを含み、ハウジングに収容されるプランジャ、ハウジングの第2端部とプランジャとの間に配置され、プランジャをハウジングの第1端部方向へ付勢する付勢手段、第1ロック面と第2ロック面との間に挟まれることによって第2端部方向へのプランジャの移動を制限するレジスタリング、ならびに付勢手段による付勢力に抗してプランジャが初期位置に保持された状態でプランジャの移動を制限し、付勢力に抗してプランジャを初期位置からさらに第2端部方向へ所定ストローク量以上押し込むことによって制限を解除してプランジャの移動を許容する初期位置設定機構とを備え、第1溝にレジスタリングが収容された状態でプランジャが第2端部方向にスライドするとき、プランジャの初期位置からレジスタリングがハウジングの第1ロック面に接触するまでのプランジャの移動距離が、所定ストローク量以上であり、プランジャが初期位置にあるとき第1対向面と第2対向面とはプランジャの移動方向に直交する方向に重なり、重なっているときの第1対向面と第2対向面との隙間はレジスタリングの線径よりも小さい箇所を有する、チェーンテンショナが提供される。
この発明では、プランジャが初期位置にあるとき第1対向面と第2対向面とがプランジャの移動方向に直交する方向に重なり、かつそのときの第1対向面と第2対向面との隙間がレジスタリングの線径よりも小さい箇所を有するように、ハウジングの第1対向面とプランジャの第2対向面とを形成することによって、レジスタリングの誤組を防止できる。また、第1対向面はハウジングのリング収容溝の一部ではなく、第1対向面とリング収容溝とはハウジングにおける別個の部位であるので、第1対向面に影響されず、リング収容溝を小さくすることなく任意に形成できる。したがって、第1溝にレジスタリングが収容された状態でプランジャが第2端部方向にスライドするとき、プランジャの初期位置からレジスタリングがハウジングの第1ロック面に接触するまでのプランジャの移動距離が、所定ストローク量以上となるように、リング収容溝を容易に形成できる。その結果、初期セット状態を解除するためのプランジャの初期ストローク量を確保した上でレジスタリングの誤組を防止できるチェーンテンショナを容易に得ることができる。
好ましくは、第2対向面の長手方向の長さは、第2溝および第2溝より第2端部側に位置する係合溝において相互に隣り合う係合溝間の長手方向の長さよりも大きい。この場合、第2対向面をプランジャの移動方向により延ばすことによって、第1対向面と第2対向面とを容易に重ねることおよびその重なりの範囲をより広くすることができるので、誤組をより確実に防止できる。
また好ましくは、第1対向面および第2対向面はそれぞれプランジャの移動方向に平行に延びるように設けられる。この場合、第1対向面はプランジャの移動方向に平行に延びるように設けられるので、ハウジングの本体部の内周面をプランジャの移動方向に延びるように形成すれば、その一部を第1対向面として用いることができる。また、第2対向面もプランジャの移動方向に平行に延びるように設けられるので、プランジャの外周面をプランジャの移動方向に延びるように形成すれば、その一部を第2対向部として用いることができる。このように、第1対向面および第2対向面はそれぞれ、ハウジングの内周面およびプランジャの外周面に容易かつ任意に設けることができる。したがって、プランジャが初期位置にあるとき第1対向面と第2対向面とがプランジャの移動方向に直交する方向に重なり、かつそのときの第1対向面と第2対向面との隙間がレジスタリングの線径よりも小さい箇所を有するように、ハウジングの第1対向面とプランジャの第2対向面とを容易に形成できる。その結果、レジスタリングの誤組を防止できるチェーンテンショナをさらに容易に得ることができる。
さらに好ましくは、第2対向面の長手方向の長さは、レジスタリングの線径よりも大きい。第2対向面の長さはある程度以上なければ第1対向面と重ね合わせられない。また、第2対向面の長さが短ければ、第1対向面と重ね合わせるためにはレジスタリングの初期位置がハウジングの第1ロック面に近づいた位置になるので、初期ストローク量の確保が難しくなる。レジスタリングの線径が大きい場合には尚更である。第2対向面の長手方向の長さをレジスタリングの線径よりも大きくすることによって、このような弊害を防止できる。
好ましくは、第2対向面の長手方向の長さは、係合溝の幅よりも大きい。上述のように、第2対向面の長さはある程度以上なければ第1対向面と重ね合わせられない。また、第2対向面の長さが短ければ、第1対向面と重ね合わせるためにはレジスタリングの初期位置がハウジングの第1ロック面に近づいた位置になるので、初期ストローク量の確保が難しくなる。第2対向面の長手方向の長さを係合溝の幅よりも大きくすることによって、このような弊害を防止できる。
なお、各部材について初期位置とは、プランジャが初期セット状態にあるときの各部材の位置をいう。
この発明によれば、初期セット状態を解除するためのプランジャの初期ストローク量を確保した上でレジスタリングの誤組を防止できる、チェーンテンショナが得られる。
この発明の一実施形態におけるチェーンテンショナを示す端面図解図である。 図1のチェーンテンショナの要部を示す側面図である。 リング収容溝、係合溝およびレジスタリング付近を示す拡大断面図である。 初期セット状態のプランジャを押し込む様子を示す図解図である。 初期セット状態のプランジャを外方向に移動させる様子を示す図解図である。 図5の続きの様子を示す図解図である。 レジスタリングがプランジャの突出端側から2番目の係合溝に係合された状態からプランジャを押し込む様子を示す図解図である。
以下、図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。
図1および図2を参照して、この発明の一実施形態のチェーンテンショナ10は、ハウジング12、プランジャ14、チェックバルブ16、付勢手段としてのばね18、レジスタリング20および初期位置設定機構22を含む。
ハウジング12は、有底筒状の本体部24を含む。本体部24は、開口された第1端部26と、閉塞された第2端部28と、略円筒状の中空部30とを有する。本体部24の内周面には、第1対向面32と、第1対向面32よりも第1端部26側に設けられるリング収容溝34とが形成される。第1対向面32は、プランジャ14の長手方向に延びるように形成される。リング収容溝34は、第1対向面32に連接される第1ロック面36を有する。第1ロック面36は、第1端部26に向けて拡径するように形成される。また、本体部24内には、中空部30から第2端部28方向に延びる給油通路38が形成される。本体部24の第2端部28寄りの外周面には、取り付け用のフランジ40が設けられる。本体部24の第1端部26側の側面には、レジスタリング20の摘まみ70(後述)を露出させるための切欠42が形成される。また、本体部24の第1端部26側の外周下部には、ハウジング12の長手方向に延びる支持部44が設けられ、支持部44にはピン孔46が形成される。
プランジャ14は、ハウジング12の中空部30にスライド可能に収容される。プランジャ14は、有底円筒状に形成され、ばね18を収容する中空部48と、閉塞された前端部50と、開口された後端部52とを有する。ハウジング12から突出している前端部50の先端が突出端となる。図3を参照して、プランジャ14の外周面には長手方向に間隔をあけて複数の係合溝54,56,58,60が設けられる。したがって、係合溝54,56,58,60の各溝間には、プランジャ14の長手方向に延びる外周面が存在する。係合溝54,56,58,60はそれぞれレジスタリング20と係合可能である。係合溝54は第2ロック面54aと拡径部54bとを有し、係合溝56は第2ロック面56aと拡径部56bとを有し、係合溝58は第2ロック面58aと拡径部58bとを有し、係合溝60は第2ロック面60aと拡径部60bとを有する。第2ロック面54a,56a,58a,60aはそれぞれ、プランジャ14の後端部52に向けて小径となり、拡径部54b,56b,58b,60bはそれぞれ、第2ロック面54a,56a,58a,60aの小径側端部に連接され、プランジャ14の後端部52に向けて拡径される。この実施形態では、第2ロック面54a,56a,58a,60aと対応する拡径部54b,56b,58b,60bとは、曲面状に接続される。また、プランジャ14の長手方向に対して、第2ロック面54a,56a,58a,60aの傾斜角はそれぞれ、拡径部54b,56b,58b,60bの傾斜角より大きく設定される。最も突出端側に位置する第1溝としての係合溝54と、係合溝54に隣り合う第2溝としての係合溝56との間の外周面が第2対向面62となる。
図1および図2に戻って、チェックバルブ16は、給油通路38の開口部38a近傍に設けられ、チェックボール64とリテーナ66とを含む。チェックボール64は、給油通路38の開口部38aに接触離反自在とされ、接触時に開口部38aを閉鎖し、リテーナ66は、チェックボール64の開閉量を規制する。チェックバルブ16によって中空部30内の作動油が給油通路38内に逆流することが防止される。
ばね18は、その両端がチェックバルブ16のリテーナ66とプランジャ14の前端部50とによって挟まれるように、プランジャ14の中空部48に収容される。すなわち、ばね18は、ハウジング12の第2端部28とプランジャ14との間に配置され、プランジャ14をハウジング12の第1端部26方向へ、すなわち第2端部28から第1端部26に向けて付勢する。
リング収容溝34に収容されるレジスタリング20は、径方向に弾性変形可能なリング部68と、リング部68の両端においてプランジャ14の長手方向かつ前端部50方向に延びるように設けられる一対の摘まみ70とを含む。リング部68は、リング収容溝34に収容される。摘まみ70は、ハウジング12の切欠42から外部に露出し、一対の摘まみ70を両者が近づくように両側から押圧することによって、リング部68を拡径できる。係合溝54〜60の拡径部54b〜60bはそれぞれ、レジスタリング20のリング部68を拡径するように作用するので、第1端部26方向へのプランジャ14の移動(前進)が許容される。一方、レジスタリング20のリング部68が第1ロック面36と第2ロック面54a〜60aのいずれかとの間に挟まれることによって、第2端部28方向へのプランジャ14の移動(後退)が制限される。
初期位置設定機構22は、チェーンテンショナ10をテンショナ取り付け対象に取り付けるまでの間、プランジャ14を初期位置に保つものである。初期位置設定機構22は、ばね18による付勢力に抗してプランジャ14が初期位置に保持された状態でプランジャ14の移動を制限し、ばね18の付勢力に抗してプランジャ14を初期位置からさらに第2端部28方向へ所定ストローク量以上押し込むことによって制限を解除してプランジャ14の移動を許容する。初期位置設定機構22は、プランジャ14の前端部50の外周下部に設けられるロックピン72と、ハウジング12の支持部44に設けられるロックレバー74とを含む。ロックレバー74は、略コ字状に形成され、相互に平行な一対の側片76と、一対の側片76の端部を連結する係合片78とを含み、一対の側片76にはそれぞれ、貫通する長孔80が形成される。一対の側片76によって支持部44を挟みかつピン孔46と一対の長孔80とが対応するようにロックレバー74が位置決めされ、支持ピン82がピン孔46および一対の長孔80に挿通される。これによって、ロックレバー74は、支持部44に対して支持ピン82を支点として揺動自在に支持部44に支持される。図1に示すように、ロックピン72とロックレバー74とが係合することによって、プランジャ14はハウジング12の中空部30内に押し込まれた状態に保持される。この状態がプランジャ14の初期セット状態となる。なお、プランジャ14の初期セット状態では、レジスタリング20は、プランジャ14の最も突出端側に位置する係合溝54に係合される。
図3を参照して、チェーンテンショナ10において注目すべきは、以下のような構成を有することである。
第1溝である係合溝54にレジスタリング20が収容された状態でプランジャ14が第2端部28方向にスライドするとき、プランジャ14の初期位置からレジスタリング20がハウジング12の第1ロック面36に接触するまでのプランジャ14の移動距離A(プランジャ14の長手方向における移動距離)が、所定ストローク量以上である。ここで、所定ストローク量とは、初期セット状態を解除するためのプランジャ14の初期ストローク量B(初期セット状態を解除するためのプランジャの移動量)(図1参照)に相当する。
また、プランジャ14が初期位置にあるとき、第1対向面32と第2対向面62とはプランジャ14の移動方向(矢印X方向)に直交する方向(矢印Y方向)に重なり、重なっているときの第1対向面32と第2対向面62との隙間Gはレジスタリング20の線径Dよりも小さい。
さらに、第2対向面62の長手方向の長さLは、第2溝である係合溝56および係合溝56より第2端部28側に位置する係合溝58,60において、相互に隣り合う係合溝間の長手方向の長さMよりも大きい。言い換えれば、係合溝54と56との間隔は、係合溝56と58との間隔、および係合溝58と60との間隔よりも大きい。ここで、係合溝56,58間の長手方向の長さMと、係合溝58,60間の長手方向の長さMとは略等しい。言い換えれば、係合溝56,58,60は略等間隔に形成される。
また、第1対向面32および第2対向面62はそれぞれプランジャ14の移動方向に平行に延びるように設けられ、第2対向面62の長手方向の長さLは、レジスタリング20の線径Dよりも大きく、かつ係合溝の幅Wよりも大きい。この実施形態では、線径D<幅W<長さLの関係を有する。
チェーンテンショナ10は、油圧式テンショナであるので、初期セット状態解除後の通常運転中においてチェーン(後述)を押し込む力は、ばね18の反力によるものではなく、油圧によるものがメインになる。ばね18は、油圧がかかっていない初期状態や長期放置等によって油圧が途切れた際には、チェーンのコマ飛び(チェーンが緩んでギアのコマを飛び越すこと)を防止し、通常運転中には補助的な役割を担う。
このようなチェーンテンショナ10は、プランジャ14を初期セット状態で保持しつつ(プランジャ14を図4(a)に示す初期位置に保持した状態で)、テンショナ取り付け対象に取り付けられる。チェーンテンショナ10は、たとえば周知のエンジンカバーに取り付けられる。ここで、エンジンカバー内にはカム軸駆動用のチェーンと、そのチェーン押圧用の揺動可能チェーンガイドとが設けられ(図示せず)、プランジャ14の前端部50がチェーンガイドに当接される。
そのとき、チェーンが緊張状態にありプランジャ14に対する押し込み力がばね18による付勢力より大きい場合、チェーンの張力によってチェーンガイドを介してプランジャ14に押し込み力が付加されてプランジャ14が後退する。プランジャ14が所定ストローク量(初期ストローク量B)以上後退すると、ロックピン72はロックレバー74の係合片78から離反するため、ロックレバー74は自重によって支持ピン82を中心に下方向に揺動し、ロックピン72とロックレバー74との係合が解除される。ロックレバー74は、図1において実線で示す状態から一点鎖線で示す状態を経て二点鎖線で示す状態まで揺動する。その係合解除により、プランジャ14はチェーンからプランジャ14に付加される押し込み力とばね18による付勢力とが釣り合う位置まで移動して停止し、チェーンに一定の張力が付加される。図4(b)に示すように、レジスタリング20がリング収容溝34の第1ロック面36に接触するまでプランジャ14が後退すると、レジスタリング20が第1ロック面36と第2ロック面54aとによって挟まれて、プランジャ14の後退動が阻止される。したがって、チェーンを緊張状態に保持できる。なお、図示しないタンクから給油通路38を介して中空部30内に作動油が供給され、初期セット状態の解除後には、その作動油による油圧によってチェーンからプランジャ14に付加される押し込み力が緩衝される。
また、初期セット状態が解除された後のチェーンの張力調整状態において、チェーンに弛みが生じ、プランジャ14の押し込み力が油圧およびばね18による付勢力より小さくなった場合、油圧およびばね18による付勢力によってプランジャ14が外方向に移動し、チェーンガイドを介してチェーンが押圧されるため、チェーンの弛みが吸収される。このとき、レジスタリング20は、図5(a)に示すように最も突出端側に位置する係合溝54に係合した状態から図5(b),(c)、図6(a),(b)に示す状態を経て、図6(c)に示すようにその隣の係合溝56に係合される。
チェーンに経時的な伸びが生じてプランジャ14の外方向への移動量が大きくなると、レジスタリング20は後方の係合溝に係合するように上述と同様に動作する。
また、図7(a)に示すようにレジスタリング20が係合溝56に係合した状態において、チェーンが緊張状態にありプランジャ14に対する押し込み力が油圧およびばね18による付勢力より大きくなると、図7(b)に示すようにチェーンの張力によってチェーンガイドを介してプランジャ14に押し込み力が付加されてプランジャ14が後退する。
このようなチェーンテンショナ10によれば、プランジャ14が初期位置にあるとき第1対向面32と第2対向面62とがプランジャ14の移動方向に直交する方向に重なり、かつそのときの第1対向面32と第2対向面62との隙間Gがレジスタリング20の線径Dよりも小さい箇所を有するように、ハウジング12の第1対向面32とプランジャ14の第2対向面62とを形成することによって、レジスタリング20の誤組を防止できる。また、第1対向面32はハウジング12のリング収容溝34の一部ではなく、第1対向面32とリング収容溝34とはハウジング12における別個の部位であるので、第1対向面32に影響されず、リング収容溝34を小さくすることなく任意に形成できる。したがって、第1溝である係合溝54にレジスタリング20が収容された状態でプランジャ14が第2端部28方向にスライドするとき、プランジャ14の初期位置からレジスタリング20がハウジング12の第1ロック面36に接触するまでのプランジャ14の移動距離Aが、所定ストローク量以上となるように、リング収容溝34を容易に形成できる。その結果、初期セット状態を解除するためのプランジャ14の初期ストローク量Bを確保した上でレジスタリング20の誤組を防止できるチェーンテンショナ10を容易に得ることができる。
第2対向面62の長手方向の長さLが、係合溝56,58間の長手方向の長さM、および係合溝58,60間の長手方向の長さMよりも大きくなるように、第2対向面62をプランジャ14の移動方向に延ばすことによって、第1対向面32と第2対向面62とを容易に重ねることおよびその重なりの範囲をより広くすることができるので、誤組をより確実に防止できる。
第1対向面32はプランジャ14の移動方向に平行に延びるように設けられるので、ハウジング12の本体部24の内周面をプランジャ14の移動方向に延びるように形成すれば、その一部を第1対向面32として用いることができる。また、第2対向面62もプランジャ14の移動方向に平行に延びるように設けられるので、プランジャ14の外周面をプランジャ14の移動方向に延びるように形成すれば、その一部を第2対向部62として用いることができる。このように、第1対向面32および第2対向面62はそれぞれ、ハウジング12の内周面およびプランジャ14の外周面に容易かつ任意に設けることができる。したがって、プランジャ14が初期位置にあるとき第1対向面32と第2対向面62とがプランジャ14の移動方向に直交する方向に重なり、かつそのときの第1対向面32と第2対向面62との隙間Gがレジスタリング20の線径Dよりも小さい箇所を有するように、ハウジング12の第1対向面32とプランジャ20の第2対向面62とを容易に形成できる。その結果、レジスタリング20の誤組を防止できるチェーンテンショナ10をさらに容易に得ることができる。
第2対向面62の長さはある程度以上なければ第1対向面32と重ね合わせられない。また、第2対向面62の長さが短ければ、第1対向面32と重ね合わせるためにはレジスタリング20の初期位置がハウジング12の第1ロック面36に近づいた位置になるので、初期ストローク量Bの確保が難しくなる。レジスタリング20の線径Dが大きい場合には尚更である。第2対向面62の長手方向の長さLをレジスタリング20の線径Dよりも大きくすることによって、このような弊害を防止できる。第2対向面62の長手方向の長さLを係合溝54の幅Wよりも大きくすることによっても、このような弊害を防止できる。
なお、重なっているときの第1対向面32と第2対向面62との隙間Gはレジスタリング20の線径Dよりも小さい箇所を有していればよい。すなわち、第1対向面32と第2対向面62との隙間Gの少なくとも一部に、線径Dよりも小さい箇所があればよい。また、隙間Gが線径Dより小さい箇所を有している限りにおいて、第1対向面32および第2対向面62の少なくともいずれか一方が階段状に形成されてもよい。
また、隣り合う係合溝間の長手方向の長さは、第2端部28に近づくほど小さく設定されてもよい。この場合、相互に隣り合う係合溝の間隔が第2端部28に近づくほど小さくなるので、プランジャ14が伸びた状態ほどより細かな調整が可能となる。
第2対向面62の長手方向の長さLは、リング収容溝34の幅Nより小さいことが好ましい。
10 チェーンテンショナ
12 ハウジング
14 プランジャ
18 ばね
20 レジスタリング
22 初期位置設定機構
24 本体部
26 第1端部
28 第2端部
32 第1対向面
34 リング収容溝
36 第1ロック面
54,56,58,60 係合溝
54a,56a,58a,60a 第2ロック面
54b,56b,58b,60b 拡径部
62 第2対向面
72 ロックピン
74 ロックレバー
A プランジャの移動距離
B プランジャの初期ストローク量
D レジスタリングの線径
G 第1対向面と第2対向面との隙間
L 第2対向面の長手方向の長さ
M 相互に隣り合う係合溝間の長手方向の長さ
N リング収容溝の幅
W 係合溝の幅
X プランジャの移動方向
Y プランジャの移動方向に直交する方向

Claims (5)

  1. 開口された第1端部および閉塞された第2端部を有する筒状の本体部と、前記本体部の内周面に設けられる第1対向面と、前記第1対向面よりも前記第1端部側において前記第1対向面に連接される第1ロック面を有しかつ前記本体部の内周面に形成されるリング収容溝とを含むハウジング、
    長手方向において間隔をあけて外周面に設けられかつそれぞれ第2ロック面および拡径部を有する複数の係合溝と、前記複数の係合溝のうち最も突出端側に位置する第1溝と前記第1溝に隣り合う第2溝との間に設けられる第2対向面とを含み、前記ハウジングに収容されるプランジャ、
    前記ハウジングの前記第2端部と前記プランジャとの間に配置され、前記プランジャを前記ハウジングの前記第1端部方向へ付勢する付勢手段、
    前記第1ロック面と前記第2ロック面との間に挟まれることによって前記第2端部方向への前記プランジャの移動を制限するレジスタリング、ならびに
    前記付勢手段による付勢力に抗して前記プランジャが初期位置に保持された状態で前記プランジャの移動を制限し、前記付勢力に抗して前記プランジャを前記初期位置からさらに前記第2端部方向へ所定ストローク量以上押し込むことによって制限を解除して前記プランジャの移動を許容する初期位置設定機構とを備え、
    前記第1溝に前記レジスタリングが収容された状態で前記プランジャが前記第2端部方向にスライドするとき、前記プランジャの前記初期位置から前記レジスタリングが前記ハウジングの前記第1ロック面に接触するまでの前記プランジャの移動距離が、前記所定ストローク量以上であり、
    前記プランジャが前記初期位置にあるとき前記第1対向面と前記第2対向面とは前記プランジャの移動方向に直交する方向に重なり、重なっているときの前記第1対向面と前記第2対向面との隙間は前記レジスタリングの線径よりも小さい箇所を有する、チェーンテンショナ。
  2. 前記第2対向面の長手方向の長さは、前記第2溝および前記第2溝より前記第2端部側に位置する前記係合溝において相互に隣り合う前記係合溝間の長手方向の長さよりも大きい、請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記第1対向面および前記第2対向面はそれぞれ前記プランジャの移動方向に平行に延びるように設けられる、請求項1または2に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記第2対向面の長手方向の長さは、前記レジスタリングの線径よりも大きい、請求項1から3のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記第2対向面の長手方向の長さは、前記係合溝の幅よりも大きい、請求項1から4のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
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