JP6168407B2 - タイバー回転装置 - Google Patents
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Description
図6に示すように、ダイカストマシンや射出成型機などの横型成形機では、マシンベース50上に固定プラテン51と可動プラテン52が平面を対向させた状態で配置され、固定金型53が取り付けられた固定プラテン51の4隅と、可動金型54が取り付けられた可動プラテン52の4隅には4つの貫通孔がそれぞれ連通するように設けられている。これらの貫通孔には4本のタイバー55がそれぞれ挿通されており、各タイバー55の両端に形成された雄ネジ部には、内周面に雌ネジ部を有するタイバーナット56が締結されている。なお、固定プラテン51はマシンベース50に対して固定されているのに対し、可動プラテン52は型締ハウジング57に取り付けられた型締シリンダ58に駆動されてタイバー55に沿って進退自在にマシンベース50に設置されている。
特許文献1に開示された発明は、タイバー等の締付け反力が作用するシャフトにおいて亀裂発生頻度の小さい場所に、歪み量に応じた信号を出力する歪みゲージを装着するとともに、この歪みゲージの出力信号が所定値よりも小さくなったときに亀裂が発生したと判定する手段を設けたことを特徴とする。
亀裂が生じていない場合には、シャフトの歪み量はどの部分でも同じ値を示すが、ある箇所に亀裂が生じると、この部分の歪みが大きくなり、他の部分の歪みが小さくなる。そのため、上記構造によれば、歪みゲージの出力信号が所定値よりも小さくなったことで、シャフトに亀裂が発生したことを検出できる。
特許文献2に開示された発明は、外周面に歯車を有するタイバーナットと、このタイバーナットを回転駆動するモータと、タイバーの雄ネジ部と同径かつ同ピッチの延長雄ネジ部を外周面に有し、少なくとも一方の端面をタイバーの端面に当接させた状態でタイバーに連設されタイバーに対して回転不能に連結される延長タイバーを備えた構造となっている。
このような構造のタイバーナット回転装置においては、モータに駆動されて回転するタイバーナットが、タイバーの雄ネジ部を退避した後、延長タイバーの延長雄ネジ部に螺合し、タイバーナットが延長タイバー側への移動が完了すると、タイバーナットによる固定が解除されるという作用を有する。この場合、タイバーを容易に引き抜くことができる。すなわち、本発明によれば、タイバーからのタイバーナットの取り外しを短時間で行うことができるため、タイバーの引き抜き作業の効率が向上する。
このような構造のタイバー回転装置においては、回転駆動力伝達手段を介してモータに駆動されたタイバーナットが回転すると、このタイバーナットにタイバー保持手段を介して連結されるタイバーが固定プラテンや型締ハウジングとの間の摩擦力に抗してタイバーナットと一体となって回転するという作用を有する。
このような構造のタイバー回転装置においては、モータに駆動されてチェーンホイールが回転すると、このチェーンホイールにタイバー保持手段を介して連結されるタイバーが固定プラテンや型締ハウジングとの間の摩擦力に抗してタイバーナットと一体となって回転するという作用を有する。
すなわち、上記構造のタイバー回転装置においては、請求項2に記載の発明の作用に加えて、フックの先端がノックピンに係合している場合には、チェーンホイールの回転に伴ってタイバーナットとタイバーが一体として回転し、フックの先端がノックピンに係合していない場合には、チェーンホイールが回転してもタイバーは回転せず、タイバーナットのみが回転するという作用を有する。
このような構造のタイバー回転装置においては、タイバーナットやタイバーが予め設定された角度まで回転するという作用を有する。
図1(a)は本実施例のタイバー回転装置の構成を示すブロック図であり、図1(b)はタイバー回転装置が取り付けられた型締ハウジング57の正面図である。また、図2は図1(b)におけるA−A線矢視断面図である。
なお、図2は図1(b)において、フック9が前進した状態を示している。また、図1(b)及び図2では、チェーンを破線で示している。さらに、図2では煩雑になるのを避けるため、型締ハウジング57の下部に設置されているタイバー55やタイバーナット56の図示を省略するとともに、モータ5やタイバー55については、断面であることを示すハッチングを省略している。
タイバーナット56には、チェーンホイール4がタイバー55の円柱軸を中心に一体として回転可能に連結ピン7を介して連結されている。また、4つのチェーンホイール4には、同一方向へ連動して回転するように、モータ5によって駆動されるチェーン6が懸回されている。
すなわち、チェーンホイール4、チェーン6及び連結ピン7は、モータ5の駆動力をタイバーナット56に伝達する回転駆動力伝達手段を構成している。このように、本発明のタイバー回転装置においては、回転駆動力伝達手段が簡単な構造であるため、安価に製造することができる。
さらに、本実施例では、タイバー回転装置が型締ハウジング57に設置されているが、これに限定されるものではなく、タイバー回転装置が固定プラテン51に設置された構造とすることもできる。
フックホルダ10には、駆動源(図示せず)から供給されるエアーの圧力に駆動されてフック9を駆動する駆動機構11が接続されている。そして、駆動機構11は、先端9aをノックピン8に係合可能にフック9を前進させるとともに、ノックピン8に対する先端9aの係合状態を解除可能にフック9を後退させるという機能を有している。
すなわち、ノックピン8、フック9、フックホルダ10及び駆動機構11は、タイバーナット56の回転をタイバー55に伝達するタイバー保持手段2を構成している。
本実施例では、エアーの圧力を駆動源として駆動機構11を作動させる構成となっているが、これに限らず、例えば、駆動機構11として油圧モータや電動モータを用いることもできる。また、モータ5には油圧モータや電動モータを用いても良い。
そして、このような構造によれば、駆動機構11へエアーを供給するホースのフックホルダ10に接続される箇所がタイバー55の中心軸上の近傍に配置されるため、タイバー55が回転してもホースが絡み難いという作用を有する。なお、本実施例の場合には、チェーンホイール4の回転角度を正逆いずれの方向に対しても180度以内とすれば、上述のホースの絡まりを防ぐことができる。
図3(a)は本発明のタイバー回転装置の操作盤の外観図であり、図3(b)はその操作方法を示すフローチャートである。また、図4(a)及び(b)はタイバー保持手段2の動作を説明するための図であり、図2の部分拡大図に相当する。さらに、図5(a)及び図5(b)は本実施例のタイバー回転装置の動作を説明するための図であり、図1(b)においてフック9が前進し、あるいは、チェーンホイール4が回転した状態を示している。
なお、タイバー55の正しい回転開始位置は、記憶手段13にフック9のノックピン8に対する適切な挿入角度を示すエンコーダ値として記憶されている。したがって、タイバー55の回転開始位置が正しくない場合には、図3(a)に示した位置調整ボタン15を押すことにより、モータ5が稼働し、フック9の先端9aがノックピン8に挿入可能な角度に達するまで、回転方向切替スイッチ14で示された方向へチェーンホイール4が低速で回転する。なお、この回転方向は回転方向切替スイッチ14を操作することにより切り替えられる。すなわち、ステップS4では、必要に応じて回転方向切替スイッチ14や位置調整ボタン15を操作し、ノックピン8に対するフック9の挿入角度を変化させることで、タイバー55の回転開始位置の調整を行う。
次に、ステップS6では、図3(a)に示した回転モード切替スイッチ17を「入」の状態にする。これにより、図5(a)に示すように、モータ5は矢印Cの向きに回転し、4つのチェーンホイール4は矢印Dで示す方向へ45度回転する。このとき、タイバー55はタイバー保持手段2を介してチェーンホイール4と連結されているため、タイバーナット56と一体となって45度回転し、図5(b)に示す状態となる。
すなわち、本発明のタイバー回転装置においては、フック9の先端9aがノックピン8に係合している場合には、チェーンホイール4の回転に伴ってタイバーナット56とタイバー55が一体として回転し、フック9の先端9aがノックピン8に係合していない場合には、チェーンホイール4が回転してもタイバー55は回転せず、タイバーナット56のみが回転するという作用を有する。この場合、タイバーナット56を速やかに緩めてタイバー55から容易に取り外すことができる。
このように、本発明のタイバー回転装置は、タイバー55の保守作業だけでなく、金型の交換時等に発生するタイバー55の引き抜き作業においても使用することができる。
なお、フック9の先端9aをノックピン8に係合させたままにしておくこともできるが、例えば、地震等が発生してタイバー55が振動した場合、フック9の先端9aが破損するおそれがあるため、タイバー55の回転操作が完了した場合には、フック9の先端9aを後退させて、ノックピン8との係合状態を解除しておくことが望ましい。
最後に、ステップS8において、すべてのフック9が後退したことを確認し、タイバー回転装置の電源(図示せず)を落とす。
Claims (4)
- 固定プラテンと型締ハウジングが4本のタイバーで互いに連結されるとともに平面を対向させた状態でマシンベース上に立設され、両端にそれぞれ螺合するタイバーナットによって前記固定プラテン及び前記型締ハウジングに前記タイバーが固定される横型成形機において、
前記タイバーナットに接続される回転駆動力伝達手段と、
この回転駆動力伝達手段を介して前記タイバーナットを回転駆動するモータと、
前記タイバーの端部が保持された状態とそれが解除された状態を切り換えるタイバー保持手段と、
このタイバー保持手段及び前記モータの動作を制御する制御手段と、を備え、
前記タイバー保持手段は、前記タイバーの前記端部を保持することで前記タイバーと前記タイバーナットを連結し、前記タイバーナットの回転駆動力を前記タイバーに伝達することを特徴とするタイバー回転装置。 - 前記回転駆動力伝達手段は、
前記タイバーの円柱軸を中心に前記タイバーナットと一体として回転可能に設置されるチェーンホイールと、
このチェーンホイールに巻回されるチェーンと、からなり、
前記チェーンホイールは、このチェーンを介して前記モータによって回転駆動されることを特徴とする請求項1記載のタイバー回転装置。 - 前記タイバー保持手段は、
前記チェーンホイールに固設されるとともに、
前記タイバーの前記端部に回転不能に連結されるノックピンと、
このノックピンに先端が係合可能に形成されるフックと、
このフックを前後方向へ移動可能に保持するフックホルダと、
前記フックを駆動する駆動機構と、を備え、
この駆動機構は、前記制御手段によってその動作を制御されて、前記先端が前記ノックピンに係合するように前記フックを前進させるとともに、前記ノックピンに対する前記先端の係合状態が解除されるように前記フックを後退させることを特徴とする請求項2記載のタイバー回転装置。 - 前記モータに付設されるロータリエンコーダと、
予め設定されたエンコーダ値を記憶する記憶手段と、を備え、
前記制御手段は、このエンコーダ値から算出した回転角度と前記ロータリエンコーダで検出された回転角度を比較して、両者が一致するまで前記モータの動作を制御して前記タイバーナットを回転させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のタイバー回転装置。
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