図2は、本実施形態における画像形成装置と、シート処理装置とからなる画像形成システム4のシステム構成を示す図である。本実施形態の画像形成システム4では、画像形成装置3の後段に、シート後処理装置である中綴じ製本装置2が設けられている。
画像形成装置3は、入力された画像データまたは読み取った画像の画像データに基づいて、シートに画像を形成するものである。例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいは、これらの機能のうち少なくとも2つの機能を備えたデジタル複合機などがこれに相当する。画像形成装置3は、例えば電子写真方式や液滴射出方式など公知の方式のものであり、画像形成方式は何れでも良い。なお、本実施形態においては、電子写真方式の複写機を用いている。
図3は、画像形成装置3について説明する図である。
画像形成装置本体400は、画像形成部の下部に、記録媒体であるシートを収納する給送カセットが配置されている。給送カセットに収納されたシートは、それぞれ、給送ローラ414a,414bによって給送された後、所定の搬送路に沿って上方へ搬送され、レジストローラ対413へ到達する。
画像形成部は、像担持体としての感光体ドラム401と、帯電装置402と、露光装置410と、現像装置404と、転写装置405と、クリーニング装置406とを備えている。
帯電装置402は、感光体ドラム401の表面を一様に帯電する帯電手段である。露光装置410は、画像読取装置100で読み取った画像情報に基づいて感光体ドラム401上に静電潜像を形成する潜像形成手段である。現像装置404は、感光体ドラム401上の静電潜像にトナーを付着させて可視像化する現像手段である。転写装置405は、感光体ドラム401上のトナー画像をシートに転写する転写手段である。クリーニング装置406は、転写後の感光体ドラム401上に残留したトナーを除去するクリーニング手段である。
また、画像形成部のシート搬送方向下流側には、トナー画像をシートに定着する定着手段としての定着装置407が配置されている。
露光装置410は、図示しない制御部の制御の下で画像情報に基づくレーザー光を発射するレーザーユニット411と、レーザーユニット411からのレーザー光を感光体ドラム401の回転軸方向(主走査方向)に走査するポリゴンミラー412を具備する。
また、画像読取装置100の上部には、自動原稿搬送装置500が接続されている。この自動原稿搬送装置500は、原稿テーブル501、原稿分離給送ローラ502、搬送ベルト503、原稿排紙トレイ504を具備している。
原稿テーブル501に原稿がセットされて読み取り開始指示を受けると、自動原稿搬送装置500では、原稿テーブル501上の原稿が原稿分離給送ローラ502により1枚ずつ送り出される。そして、その原稿は搬送ベルト503によりプラテンガラス309上に案内され、一時停止する。
そして、プラテンガラス309上に一時停止した原稿は、画像読取装置100によりその画像情報が読み取られる。その後、搬送ベルト503が原稿の搬送を再開し、その原稿は原稿排紙トレイ504に排出される。
次に、画像読取動作と画像形成動作について説明する。
自動原稿搬送装置500によりプラテンガラス309上に原稿が搬送されるか、ユーザーによりプラテンガラス309上に原稿が載置されて、図示しない操作パネルにコピー開始操作がなされると、第一走行体303上の光源301が点灯する。また、これとともに、第一走行体303及び第二走行体306を、不図示のガイドレールに沿って移動させる。
そして、プラテンガラス309上の原稿に光源301からの光が照射され、その反射光が、第一走行体303上のミラー302、第二走行体306上のミラー304,305、レンズ307に案内されて、CCD308で受光される。これにより、CCD308は原稿の画像情報を読み取り、その画像情報は図示しないA/D変換回路によってアナログデータからデジタルデータに変換される。この画像情報は、図示しない情報出力部から画像形成装置本体400の制御部へ送られる。
一方、画像形成装置本体400は、感光体ドラム401の駆動を開始し、感光体ドラム401が所定速度で回転したら、帯電装置402により感光体ドラム401の表面を一様に帯電させる。そして、この帯電した感光体ドラム401の表面に、画像読取装置で読み取った画像情報に基づいた静電潜像が露光装置410により形成する。
その後、感光体ドラム401の表面上の静電潜像は、現像装置404により現像されてトナー画像となる。また、給送カセットに収納されたシートは、給送ローラ414a,414bによって給送され、レジストローラ対413で一時停止させる。
そして、感光体ドラム401の表面に形成されたトナー画像の先端部分が転写装置405と対向する転写部に到達するタイミングに合わせて、レジストローラ対413により転写部に送り込まれる。転写部をシートが通過する際、転写電界の作用によって感光体ドラム401の表面に形成されたトナー像がシート上に転写される。
その後、トナー像を載せたシートは、定着装置407に搬送され、定着装置407により定着処理を受けた後、後段の中綴じ製本装置2に排出される。なお、転写部においてシートに転写されることなく感光体ドラム401の表面に残留した転写残トナーは、クリーニング装置406により除去される。
図4は、中綴じ製本装置2について説明する図である。中綴じ製本装置2は、画像形成装置3で画像が形成され排出されたシート束SBを受け取り、中綴じ処理や中折り処理をシート束に施して、中綴じ折り冊子を作成するものである。
中綴じ製本装置2は、入口搬送路241、シートスルー搬送路242、及び、中折り搬送路243などを備えている。入口搬送路241のシート搬送方向最上流部には、入口ローラ対201が設けられており、画像形成装置3から排出されたシート束SBを、入口ローラ対201により中綴じ製本装置2内に向けて搬送する。
入口搬送路241内における入口ローラ対201の下流側には、分岐爪202が回動可能に設けられている。この分岐爪202は、図4において水平方向に設置され、シート束SBの搬送方向をシートスルー搬送路242または中折り搬送路243に分岐する。
シートスルー搬送路242は、入口搬送路241から水平に延び、不図示の排紙トレイまたは不図示の後段のシート処理装置にシート束SBを導く搬送路である。そして、シートスルー搬送路242を搬送されるシート束SBは、上側排紙ローラ203によって前記排紙トレイまたは前記後段のシート処理装置に排紙される。
中折り搬送路243は、分岐爪202の位置から垂直下方に延び、シート束SBに対して中綴じ処理や中折り処理などを行うための搬送路である。
中折り搬送路243には、シート束SBに対して中折りするための折りプレート215が設けられている。また、折りプレート215の上方でシート束SBを案内する上側シート束搬送ガイド板207や、折りプレート215の下方でシート束SBを案内する下側シート束搬送ガイド板208なども設けられている。
上側シート束搬送ガイド板207には、上から順に、上側シート束搬送ローラ205、後端叩き爪221及び下側シート束搬送ローラ206が設けられている。
後端叩き爪221は、図示しない駆動モータによって駆動される後端叩き爪駆動ベルト222に立設されている。そして、後端叩き爪221は、後端叩き爪駆動ベルト222の往復回転動作により、シート束SBの後端を後述の可動フェンス側に叩き(押圧し)、シート束SBの整合動作を行う。また、シート束SBが搬入される際や、シート束SBを中折りのために上昇させる際には、中折り搬送路243から退避する(図2破線位置)。
後端叩き爪ホームポジションセンサ294は、後端叩き爪221のホームポジションを検出するためのものであり、中折り搬送路243から退避した図2中の破線位置(図4中の実線位置)をホームポジションとして検出する。なお、後端叩き爪221は、このホームポジションを基準に制御される。
下側シート束搬送ガイド板208には、上から順に、中綴じステープラ250、中綴じジョガーフェンス225及び可動フェンス210が設けられている。
下側シート束搬送ガイド板208は、上側シート束搬送ガイド板207を通って搬送されてきたシート束SBを受け入れるガイド板である。下側シート束搬送ガイド板208の幅方向には、一対の中綴じジョガーフェンス225が設置され、下方にはシート束先端が当接する、上下動可能な可動フェンス210が設けられている。
中綴じステープラ250は、シート束SBの中央部を綴じる綴じ具である。可動フェンス210は、シート束SBの先端部が当接した状態で上下方向に移動し、シート束SBの中央位置を中綴じステープラ250と対向する位置に位置させる。そして、その位置でシート束SBにステープル針などの綴じ部材を用いて綴じ処理すなわち中綴じが行われる。
可動フェンス210は、可動フェンス駆動機構210aによって支持されるともに、上は可動フェンス駆動機構210aの可動フェンスホームポジションセンサ292の位置から、下は可動フェンス駆動機構210aの最下方位置まで移動可能である。
シート束SBの先端が当接する可動フェンス210の可動範囲は、中綴じ製本装置2の処理可能な最大サイズから最小サイズまで処理可能な範囲が確保されている。なお、可動フェンス駆動機構210aとしては、例えばラックアンドピニオン機構が使用される。
上側シート束搬送ガイド板207と下側シート束搬送ガイド板208との間、すなわち中折り搬送路243のほぼ中央部には、折りプレート215や折りローラ対230や増し折りローラユニット260や下側排紙ローラ231などが設けられている。
増し折りローラユニット260には、折りローラ対230及び下側排紙ローラ231の間の排紙搬送路を挟んで、一対のローラ対である増し折りローラ対266を構成する上側増し折りローラ261aと下側増し折りローラ262aとが設けられている。
折りプレート215は、図中水平方向に往復動可能であり、折り動作を行う際の移動方向下流側には、折りローラ対230のニップが位置しており、その延長上に排紙搬送路244が設置されている。
下側排紙ローラ231は、排紙搬送路244の最下流に設けられており、後段に折り処理されたシート束SBを排紙する。
上側シート束搬送ガイド板207の下端側には、シート束検知センサ291が設けられており、中折り搬送路243に搬入され、中折り位置を通過するシート束SBの先端を検知する。また、排紙搬送路244には、折り目部通過センサ293が設けられており、中折りされたシート束SBの先端を検知して、シート束SBの通過を認識する。
図2に示すように構成された中綴じ製本装置2では、図5〜図9の動作説明図に示すようにして、中綴じ動作や中折り動作が行われる。すなわち、画像形成装置3の図示しない操作パネルから中綴じ中折りが選択されると、当該中綴じ中折りが選択されたシート束SBは、分岐爪202の図中反時計まわり方向の回動動作によって入口搬送路241から中折り搬送路243に導かれる。なお、本実施形態では分岐爪202をソレノイドによって駆動させるが、ソレノイドに代えてモータ駆動でも良い。
中折り搬送路243内に搬入されたシート束SBは、入口ローラ対201と上側シート束搬送ローラ205とによって、中折り搬送路243を下方に搬送される。そして、シート束検知センサ291によりシート束SBの先端の通過が確認された後、図5に示すように下側シート束搬送ローラ206によって、可動フェンス210にシート束SBの先端が当接する位置まで搬送される。
その際、画像形成装置3からのシートサイズ情報、ここでは、各シート束SBの搬送方向のサイズ情報に応じて可動フェンス210は異なる停止位置で待機している。このとき、図5では、下側シート束搬送ローラ206はニップにシート束SBを挟持し、後端叩き爪221はホームポジション位置に待機している。
この状態で、図6に示すように下側シート束搬送ローラ206の挟持が解除され(図中矢印a方向)、可動フェンス210にシート束SBの先端が当接し、シート束SBの後端がフリーになった状態でスタックされる。そして、後端叩き爪221を駆動して、シート束SBの後端を後端叩き爪221で叩いてシート束SBの搬送方向における最終的な揃えを行う(図中矢印c方向)。
次いで、中綴じジョガーフェンス225によりシート束SBに対して幅方向(シート搬送方向に対して直交する方向)の揃え動作が行われる。このようにして、シート束SBに対して幅方向と搬送方向との揃え動作がそれぞれ実行され、シート束SBの幅方向及び搬送方向の整合動作が完了する。このとき、シートのサイズ情報やシート束SBの枚数情報やシート束厚み情報などによって、後端叩き爪221や中綴じジョガーフェンス225の押し込み量を最適な値に変更して整合動作が行われる。
また、シート束SBの厚みが厚くなるほど中折り搬送路243内の空間が減少するため、一度の整合動作ではシート束SBを整合しきれない場合が多い。そこで、このような場合には、シート束SBの整合回数を増加させる。これにより、より良い整合状態を実現することができる。
なお、可動フェンス210の待機位置は、通常、シート束SBの中綴じ位置が中綴じステープラ250の綴じ位置に対向する位置に設定される。この位置でシート束SBを整合すると、可動フェンス210をシート束SBの中綴じ位置に移動させることなく、シート束SBが中折り搬送路243内にスタックされた位置で、そのまま綴じ処理が可能となるからである。そこで、この待機位置でシート束SBの中央部に中綴じステープラ250のステッチャを図6中矢印b方向に移動させることで、クリンチャとの間で綴じ部材による綴じ処理が行われ、シート束SBは中綴じされる。
可動フェンス210は可動フェンスホームポジションセンサ292からのパルス制御により位置決めされ、後端叩き爪221は後端叩き爪ホームポジションセンサ294からのパルス制御により位置決めされる。可動フェンス210及び後端叩き爪221の位置決め制御は、中綴じ製本装置2の図示しない制御回路のCPUによって実行される。
図6に示した状態で中綴じされたシート束SBは、図7に示すように下側シート束搬送ローラ206による挾持が解除された状態で、可動フェンス210の上方移動に伴って中綴じ位置が折りプレート215に対向する位置まで移送される。なお、この位置も可動フェンスホームポジションセンサ292の検出位置を基準に制御される。また、前記中綴じ位置としては、シート束SBの搬送方向の中央位置である。
図7に示す位置にシート束SBが達すると、図8に示すように折りプレート215が折りローラ対230のニップ方向に向かって移動し、シート束SBの綴じられた針部近傍の箇所に対して略直角方向から当接し、折りローラ対230のニップ側に押し出す。
シート束SBは折りプレート215により押されて折りローラ対230のニップへと導かれ、予め回転していた折りローラ対230のニップに押し込まれる。折りローラ対230は、ニップに押し込まれたシート束SBを加圧しながら搬送する。この加圧搬送動作によりシート束SBの中央に折りが施され、簡易製本されたシート束SBが形成される。なお、図8では、シート束SBの折り目部SB1の先端が、折りローラ対230のニップに挟持され、加圧されているときの状態を示している。
図8に示す状態で、中央部が2つ折りされたシート束SBは、図9に示すように折りローラ対230によって搬送され、さらに下側排紙ローラ231で搬送されて後段に排出される。このとき、シート束SBの後端が折り目部通過センサ293に検知されると、折りプレート215及び可動フェンス210はホームポジションに戻り、下側シート束搬送ローラ206は加圧状態に戻って、次のシート束SBの搬入に備える。
また、次のジョブのシート束SBが同サイズ同枚数であれば、可動フェンス210を再び図5に示す位置に移動させて待機させておくようにしても良い。なお、これらの制御も前記制御回路のCPUによって実行される。
次に、本実施形態に係る画像形成システムに設けられた中綴じ製本装置2の特徴部について説明する。
図10は増し折りローラユニット260と折りローラ対230との要部の正面図であり、図11は図10を図中左側から見た要部の側面図である。
増し折りローラユニット260は、折りローラ対230と下側排紙ローラ231との間の排紙搬送路244に設置されており、ユニット移動機構263、案内部材264、押圧機構265及び増し折りローラ対266などを備えている。
折りローラ対230は、軸方向で間隔をあけて複数のローラが配設された団子ローラの構成となっている。
ユニット移動機構263は、図示しない駆動源及び駆動機構により案内部材264に沿って増し折りローラユニット260を図中奥行き方向(シート搬送方向に対して直交する方向)に往復移動させる。
押圧機構265は、増し折りローラ上ユニット261と増し折りローラ下ユニット262とを備えており、増し折りローラ上ユニット261と増し折りローラ下ユニット262とによって上下方向から圧を加えてシート束SBを押圧する機構である。
増し折りローラ上ユニット261は、ユニット移動機構263に対して支持部材265bによって上下方向に移動可能に支持されている。増し折りローラ下ユニット262は、押圧機構265の支持部材265bの下端に移動不能に取り付けられている。
増し折りローラ上ユニット261の上側増し折りローラ261aは、増し折りローラ下ユニット262の下側増し折りローラ262aに対して圧接可能となっている。そして、上側増し折りローラ261aと下側増し折りローラ262aとからなる増し折りローラ対266のニップ間に、シート束SBを挟んで加圧する。この際の加圧力は、増し折りローラ上ユニット261を弾性力で加圧する加圧ばね265cによって付与される。そして、押圧機構265によってシート束SBを加圧した状態で、後述のようにシート束SBの幅方向(図11中矢印D1方向)に移動し、折り目部SB1に対して増し折りを実行する。
図12は、案内部材264の詳細を示す図である。案内部材264は、増し折りローラユニット260をシート束SBの幅方向に案内する案内経路270を備えている。この案内経路270には、第一案内経路271と、第二案内経路272と、第三案内経路273と、第四案内経路274と、第五案内経路275と、第六案内経路276との六つの経路が設定されている。
第一案内経路271は、往移動時に押圧機構265を押圧解除状態で案内する経路である。第二案内経路272は、往移動時に押圧機構265を押圧状態で案内する経路である。第三案内経路273は、往移動時に押圧機構265を押圧解除から押圧状態に切り替える経路である。第四案内経路274は、復移動時に押圧機構265を押圧解除状態で案内する経路である。第五案内経路275は、復移動時に押圧機構265を押圧状態で案内する経路である。第六案内経路276は、復移動時に押圧機構265を押圧解除から押圧状態に切り替える経路である。
図13及び図14は、図12の要部を拡大して示す図である。なお、図14における矢印は、押圧機構265のガイドピン265aの移動軌跡を示している。
図13及び図14に示すように、第三案内経路273と第二案内経路272との交点、及び、第六案内経路276と第五案内経路275との交点には、それぞれ第一経路切り替え爪277及び第二経路切り替え爪278が設置されている。
押圧機構265が案内経路270に沿って移動するのは、押圧機構265のガイドピン265aが案内経路270内にゆるみばめ状態で移動可能に嵌合しているからである。すなわち、案内経路270がカム溝として機能し、ガイドピン265aがこのカム溝に沿って移動する間に位置を変えるカムフォロワとして機能する。
そして、第一経路切り替え爪277は、押圧機構265のガイドピン265aによって上方から押し下げられることで、図14に示すように第三案内経路273から第二案内経路272へ案内経路を切り替えるように回動する。また、第二経路切り替え爪278は、押圧機構265のガイドピン265aによって上方から押し下げられることで、第六案内経路276から第五案内経路275へ案内経路を切り替えるように回動する。
一方、第一経路切り替え爪277による第二案内経路272から第三案内経路273への案内経路の切り替えは不能であり、第二経路切り替え爪278による第五案内経路275から第六案内経路276への案内経路の切り替えは不能となっている。すなわち、逆方向には案内経路を切り替えられないように第一経路切り替え爪277と第二経路切り替え爪278とが構成されている。
図15〜図25は、比較例として従来の中綴じ製本装置2に設けられた増し折りローラユニット260による増し折り動作の動作説明図である。なお、各図において、案内経路270に設けられた、第一案内経路271、第二案内経路272、第三案内経路273、第四案内経路274、第五案内経路275及び第六案内経路276は、図12と同じであり、図を見やすくするため図示を省略している。
図15は、折りローラ対230にて折られたシート束SBが、予め設定された増し折り位置まで搬送されて停止し、増し折りローラユニット260が待機位置にいる状態を表している。この状態が増し折り動作の初期位置である。
図15に示す初期位置から増し折りローラユニット260が、図16に示すように図中右方向(矢印D2方向)に往移動を開始する。その際、増し折りローラユニット260内の押圧機構265は、ガイドピン265aの作用により案内部材264の案内経路270に沿って移動し、動作開始直後は第一案内経路271に沿って移動する。このとき、上側増し折りローラ261aと下側増し折りローラ262aとは押圧解除状態にある。
ここで、「押圧解除状態」とは、上側増し折りローラ261aと下側増し折りローラ262aとシート束SBとは接触しているが、シート束SBにほとんど圧力がかかっていない状態である。または、上側増し折りローラ261aと下側増し折りローラ262aとシート束SBとが離れている状態である。
図17に示すように、増し折りローラユニット260がシート束SBの中央付近で第三案内経路273にかかると、押圧機構265はガイドピン265aの作用により第三案内経路273に沿って下降を開始する。そして、図18に示すように、ガイドピン265aが第一経路切り替え爪277を押しのけて第二案内経路272に入る。このとき、押圧機構265は増し折りローラ上ユニット261を押圧している状態となり、増し折りローラ上ユニット261はシート束SBに当接し、上側増し折りローラ261aと下側増し折りローラ262aとで挟まれたシート束SBが押圧された状態となる。
このようにシート束SBを押圧したままの状態で、図19に示すように増し折りローラユニット260はさらに図中矢印D2方向に移動する。その際、第二経路切り替え爪278は逆方向へは移動できないので、押圧機構265のガイドピン265aは第六案内経路276に案内されることなく、第二案内経路272に沿って移動する。そして、図20に示すように、増し折りローラ対266がシート束SBを抜け、往移動の最終位置に増し折りローラユニット260が位置する。
ここまで増し折りローラユニット260が移動すると、押圧機構265のガイドピン265aは、第二案内経路272から上部の第四案内経路274に移行する。その結果、第二案内経路272の上面によるガイドピン265aの位置規制が解除されるので、上側増し折りローラ261aは下側増し折りローラ262aから離れ、押圧解除状態となる。
次いで、図21に示すようにユニット移動機構263によって増し折りローラユニット260は、復移動を開始する。復移動では、押圧機構265は第四案内経路274に沿って図21中左方向(矢印D3方向)に移動する。この移動によって、図22に示すように押圧機構265が第六案内経路276に至ると、第六案内経路276の形状に沿って第二経路切り替え爪278がガイドピン265aによって下方向に押される。すると、図23に示すように押圧機構265は押圧解除状態から押圧状態に移行する。
そして、図24に示すように増し折りローラユニット260が第五案内経路275に入ると、押圧機構265は完全な押圧状態となり、第五案内経路275を図中矢印D3方向にそのまま移動して、図25に示すように増し折りローラ対266がシート束SBを抜ける。
このようにして、増し折りローラユニット260を案内経路270内で往復移動させて、増し折りローラ対266によりシート束SBに増し折りを施す。その際、シート束SBの中央部からシート幅方向の一方への増し折りを開始し、シート束SBの一方の端部を抜ける。その後、増し折りしたシート束SBの上を通り、シート束SBの中央部からシート幅方向の他方への増し折りを開始し、他方の端部を抜けるという動作によって増し折りを行う。
このように動作させると、増し折りを開始するとき、あるいは一方を抜けた後、他方に戻るとき、シート束SBの端部にシート束SBの外側から上側増し折りローラ261a及び下側増し折りローラ262aが接触することも、加圧することもない。言い換えれば、増し折りローラ対266がシート束SBの端部を、端部の外側から通過するときには押圧機構265は押圧解除状態にある。そのため、シート束SBの端部へのダメージは発生しない。
また、シート束SBの中央部付近から端部にかけて増し折りするので、増し折りローラ対266が増し折り時のシート束SBと接触して走行する距離が短くなり、しわ等の原因になる縒れも蓄積され難い。よって、シート束SBの折り目を増し折りする際に、シート束SBの端部にダメージが生じることがなく、縒れの蓄積による折り目及びその近傍の捲れやしわの発生も抑制することができる。
なお、本実施形態における増し折りローラユニット260では、増し折りローラ下ユニット262を設けて上側増し折りローラ261aと下側増し折りローラ262aからなる増し折りローラ対266によってシート束SBを挟み込んで増し折りを行っている。これに対し、増し折りローラ下ユニット262を設けず、増し折りローラ上ユニット261と、それに対向するような当接面を有する図示しない受け部材を設けて、両者間でシート束SBを押圧するように構成しても良い。
さらに、本実施形態における増し折りローラユニット260では、増し折りローラ上ユニット261を上下方向に可動に構成し、増し折りローラ下ユニット262は上下方向には不動の構成であったが、これに限るものではない。すなわち、増し折りローラ下ユニット262も上下方向に可動に構成することもできる。このように構成すると、上側増し折りローラ261aと下側増し折りローラ262aとが、増し折り位置に対して等間隔で対称に接離動作する。そのため、増し折り位置がシート束SBの厚みに関係なく一定となり、さらにシート束SBに傷等のダメージを与えるのを抑制することができる。
本実施形態の中綴じ製本装置2においては、図1に示すように、案内部材264の第二案内経路272及び第五案内経路275それぞれに、シート束SBを綴じている2つの綴じ部材50a,50bに対応させて、切り欠き部264a,264bを設けている。
図26〜図36は、本実施形態に係る中綴じ製本装置2に設けられた増し折りローラユニット260による増し折り動作の動作説明図である。なお、各図において、案内経路270に設けられた、第一案内経路271、第二案内経路272、第三案内経路273、第四案内経路274、第五案内経路275及び第六案内経路276は、図12と同じであり、図を見やすくするため図示を省略している。
図26は、折りローラ対230にて折られたシート束SBが、予め設定された増し折り位置まで搬送されて停止し、増し折りローラユニット260が待機位置にいる状態を表している。この状態が増し折り動作の初期位置である。
図26に示す初期位置から増し折りローラユニット260が、図27に示すように図中右方向(矢印D2方向)に往移動を開始する。その際、増し折りローラユニット260内の押圧機構265は、ガイドピン265aの作用により案内部材264の案内経路270に沿って移動し、動作開始直後は第一案内経路271に沿って移動する。このとき、上側増し折りローラ261aと下側増し折りローラ262aとは押圧解除状態にある。
図28に示すように、増し折りローラユニット260がシート束SBの中央付近で第三案内経路273にかかると、押圧機構265はガイドピン265aの作用により第三案内経路273に沿って下降を開始する。そして、第一経路切り替え爪277を押しのけて、図29に示すように第二案内経路272に入る。
このとき、押圧機構265は増し折りローラ上ユニット261を押圧している状態となり、増し折りローラ上ユニット261はシート束SBに当接し、上側増し折りローラ261aと下側増し折りローラ262aとで挟まれたシート束SBが押圧された状態となる。
このようにシート束SBを押圧したままの状態で、図30に示すように増し折りローラユニット260はさらに図中矢印D2方向に移動する。その際、第二経路切り替え爪278は逆方向へは移動できないので、押圧機構265のガイドピン265aは第六案内経路276に案内されることなく、第二案内経路272に沿って移動する。
そして、押圧機構265のガイドピン265aが、案内部材264の第二案内経路272に設けられた切り欠き部264aに到達すると、ガイドピン265aが上方に変位し加圧ばね265cが伸びて上側増し折りローラ261aを付勢する付勢力が弱まる。
これにより、シート束SBの綴じ部材50a付近で、上側増し折りローラ261aによってシート束SBの折り目を押し付ける押圧力が弱まる。よって、その分、綴じ部材50aにかかる力が弱まり、増し折りローラ対266による増し折り動作で、綴じ部材50aが上側増し折りローラ261aに押されて変形するのを抑制することができる。また、綴じ部材50aによって上側増し折りローラ261aや下側増し折りローラ262aが損傷するのを抑制することもできる。
その後、押圧機構265のガイドピン265aが切り欠き部264aを通過すると、案内部材264に押されてガイドピン265aが下方に変位し加圧ばね265cが圧縮され、上側増し折りローラ261aを付勢する付勢力が強まる。これにより、上側増し折りローラ261aによるシート束SBの折り目を押し付ける押圧力が、再度高まって増し折りが強まる。
その後、図31に示すように、増し折りローラ対266はシート束SBを抜け、往移動の最終位置に増し折りローラユニット260が位置する。
ここまで増し折りローラユニット260が移動すると、押圧機構265のガイドピン265aは、第二案内経路272から上部の第四案内経路274に移行する。その結果、第二案内経路272の上面によるガイドピン265aの位置規制が解除されるので、上側増し折りローラ261aは下側増し折りローラ262aから離れ、押圧解除状態となる。
次いで、図32に示すようにユニット移動機構263によって増し折りローラユニット260は、復移動を開始する。復移動では、押圧機構265は第四案内経路274に沿って図32中左方向(矢印D3方向)に移動する。この移動によって、図33に示すように押圧機構265が第六案内経路276に至ると、第六案内経路276の形状に沿って第二経路切り替え爪278がガイドピン265aによって下方向に押される。すると、図34に示すように押圧機構265は押圧解除状態から押圧状態に移行する。
そして、図35に示すように増し折りローラユニット260が第五案内経路275に入ると、押圧機構265は完全な押圧状態となり、第五案内経路275を図中矢印D3方向にそのまま移動する。
その際、第一経路切り替え爪277は逆方向へは移動できないので、押圧機構265のガイドピン265aは第三案内経路273に案内されることなく、第五案内経路275に沿って移動する。
そして、押圧機構265のガイドピン265aが、案内部材264の第五案内経路275に設けられた切り欠き部264bに到達すると、ガイドピン265aが上方に変位し加圧ばね265cが伸びて上側増し折りローラ261aを付勢する付勢力が弱まる。
これにより、シート束SBの綴じ部材50b付近で、上側増し折りローラ261aによってシート束SBの折り目を押し付ける押圧力が弱まる。よって、その分、綴じ部材50bにかかる力が弱まり、増し折りローラ対266による増し折り動作で、綴じ部材50bが上側増し折りローラ261aに押されて変形するのを抑制することができる。また、綴じ部材50bによって上側増し折りローラ261aや下側増し折りローラ262aが損傷するのを抑制することもできる。
その後、押圧機構265のガイドピン265aが切り欠き部264bを通過すると、案内部材264に押されてガイドピン265aが下方に変位し加圧ばね265cが圧縮され、上側増し折りローラ261aを付勢する付勢力が強まる。これにより、上側増し折りローラ261aによるシート束SBの折り目を押し付ける押圧力が、再度高まって増し折りローラ対266による増し折りが強まる。
その後、図36に示すように、増し折りローラ対266がシート束SBを抜け、増し折りローラユニット260が前記初期位置に到達し、増し折り動作を終了する。
このように、本実施形態においては、増し折りローラ対266が綴じ部材50a,50bのある部分を通過するときに、綴じ部材50a,50bのある部分を通過する直前よりも、上側増し折りローラ261aを折り目に押し付ける付勢力を弱める。これにより、十分な増し折り効果が得られる程度の強さの付勢力で、常に上側増し折りローラ261aを折り目に押し付けて増し折りを行う場合よりも、綴じ部材50a,50bにかかる力を弱めることができる。よって、その分、増し折りローラ対260による増し折り動作で、綴じ部材50a,50bが上側増し折りローラ261aに押されて変形するのを抑制することができる。
また、増し折りローラ対266が綴じ部材50a,50bのある部分を通過するときにだけ加圧ばね265cからの付勢力を弱める。このことで、綴じ部材50a,50bが変形するのを抑制できる程度の弱い付勢力で常に上側増し折りローラ261aを折り目に押し付けて増し折りを行う場合よりも、増し折り効果を確保することができる。
なお、本実施形態では、綴じ部材50a,50bの位置で上側増し折りローラ261aがシート束SBから完全に離間しているが、これに限るものではない。すなわち、綴じ部材50a,50bの位置で上側増し折りローラ261aが、通常の押圧力よりも弱い押圧力でシート束SBと接触するように、切り欠き部264a,264bを案内部材264に設けても良い。
また、本実施形態においては、切り欠き部264a,264bのシート幅方向の幅を、綴じ部材50a,50bのシート幅方向の幅よりも大きくしている。これにより、シート幅方向でシート束SBの位置がずれても、綴じ部材50a,50bの変形や、上側増し折りローラ261aや、下側増し折りローラ262aの損傷を抑制することができる。
図37は、増し折りローラユニット260(増し折りローラ対266)の速度制御に関するポイントの説明図である。
増し折りローラユニット260(増し折りローラ対266)は、押圧機構265のガイドピン265aが前記初期位置である位置P0に位置する状態から速度V0にて移動を開始する。ガイドピン265aが、第二案内経路272内の切り欠き部264aよりも増し折りローラユニット移動方向上流側に位置する位置P1近傍に到達すると、増し折りローラユニット260の移動速度をV1<V0なる速度V1に減速し切り欠き部264aを通過する。
そして、ガイドピン265aが、第二案内経路272内の切り欠き部264aを通過直後の位置P2に到達すると、増し折りローラユニット260の移動速度を速度V0に戻し、往移動の最終位置まで移動させる。
往移動の最終位置に到達後は、増し折りローラユニット260を一旦停止し、第四案内経路274、第六案内経路276、第五案内経路275を通して前記初期位置に向けて、速度V0で増し折りローラユニット260の移動を開始する。
そして、ガイドピン265aが、第五案内経路275内の切り欠き部264bよりも増し折りローラユニット移動方向上流側に位置する位置P3近傍に到達すると、V1<V0なる速度V1に減速し切り欠き264bを通過する。
ガイドピン265aが、第五案内経路275内の切り欠き部264bを通過直後の位置P4に到達すると、増し折りローラユニット260の移動速度をV0に戻し、前記初期位置まで移動させて停止する。
このように本実施形態の中綴じ製本装置2では、案内部材264に設けられた切り欠き部264a,264bをガイドピン265aするときと、その前後とで、増し折りローラユニット260の移動速度を変更する制御が実行可能となっている。
すなわち、押圧機構265のガイドピン265aが切り欠き部264a,264bを通過する直前に、増し折りローラユニット260の移動速度を速度V0よりも遅い速度V1に変更し、切り欠き部264a,264bを通過させる。これにより、ガイドピン265aが切り欠き部264a,264bに入ったり出たりするときに切り欠き部264a,264bで生じる衝撃を緩和することができる。このため、ユニット移動機構263の駆動源として、例えばステッピングモータを用いた場合、脱調によるモータ停止を抑制することができる。
また、ガイドピン265aが切り欠き部264a,264bを通過した後に、増し折りローラユニット260の移動速度を速度V1から速度V0に戻す。これにより、切り欠き通過時の遅い速度(速度V1)で、そのまま増し折りローラユニット260を移動させ続けて、増し折り処理にかかる時間が長くなるのを抑制することができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
シート束SBなどのシート束の綴じ部材50a,50bなどの綴じ部材で綴じられた綴じ部近傍を折り位置として、シート束を挟み込みシート束に対して折り処理を施す折りローラ対230などの折り手段と、前記折り手段により折られたシート束を挟むように、シート幅方向に対して直交する方向の軸を持つ上側増し折りローラ261aや下側増し折りローラ262aなどの一対のローラ部材を配置した、シート幅方向に移動しながらシート束の折り目を増し折りする増し折りローラ対266などの増し折りローラ対と、増し折りローラ対の少なくとも一方のローラ部材を折り目に押し付ける付勢力をローラ部材に付与する押圧機構265などの付勢手段とを備えた中綴じ製本装置2などのシート処理装置において、増し折りローラ対がシート幅方向に移動して、綴じ部材がある部分を通過するときの前記付勢力を、綴じ部材が無い部分を通過するときの前記付勢力よりも弱くなるように変更するガイドピン265aや案内部材264などで構成される付勢力変更手段を有する。
(態様A)においては、増し折りローラ対がシート束の折り目を移動して綴じ部材のある部分を通過するときに、前記綴じ部材のない部分を通過するときよりも、増し折りローラ対のローラ部材を折り目に押し付ける付勢力を付勢力変更手段によって弱める。これにより、十分な増し折り効果が得られる程度の強さの付勢力で、常にローラ部材を折り目に押し付けて増し折りを行う場合よりも、綴じ部材にかかる力を弱めることができる。よって、その分、増し折りローラ対による増し折り動作で、綴じ部材がローラ部材に押されて変形するのを抑制することができる。
また、増し折りローラ対が前記綴じ部材のある部分を通過するときにだけ付勢力を弱めることで、綴じ部材が変形するのを抑制できる程度の弱い付勢力で常にローラ部材を折り目に押し付けて増し折りを行う場合よりも、増し折り効果を確保することができる。
(態様B)
(態様A)において、前記付勢手段は加圧ばね265cなどのバネ部材を有しており、前記付勢力変更手段は、前記バネ部材によって前記ローラ部材を折り目に押し付ける方向に変位可能でありバネ部材を伸縮させる押圧機構265などの変位部材と、変位部材に設けられたガイドピン265aなどの被ガイド部と接触し被ガイド部材のシート幅方向への移動をガイドする案内部材264などのガイド部材とを有しており、前記シート束における前記綴じ部材のシート幅方向の位置に対応させて、前記ガイド部材に切り欠き部264a,264bなどの凹部を設けた。これによれば、上記実施形態について説明したように、ガイド部材の凹部に被ガイド部が到達した際にバネ部材を伸ばして付勢力を小さくし、ローラ部材によるシート束の綴じ部材を押し付けを弱めることができる。
(態様C)
(態様B)において、前記シート束が複数の綴じ部材によって綴じられており、該複数の綴じ部材それぞれに対応させて前記ガイド部材に前記凹部を複数設けるのが望ましい。
(態様D)
(態様B)または(態様C)において、前記凹部のシート幅方向の幅は、前記綴じ部材のシート幅方向の幅よりも大きい。これによれば、上記実施形態について説明したように、シート幅方向でシート束の位置がずれても、綴じ部材の変形や、ローラ部材の損傷を抑制することができる。
(態様E)
(態様B)、(態様C)または(態様D)において、前記増し折りローラ対をシート幅方向に移動させる際、前記被ガイド部が前記凹部を通過するときに、増し折りローラ対の移動速度を、被ガイド部が凹部を通過する前よりも遅くする。これによれば、上記実施形態について説明したように、被ガイド部が凹部に入ったり出たりするときに生じる衝撃を緩和することができる。
(態様F)
(態様E)において、前記増し折りローラ対をシート幅方向に移動させる際、前記被ガイド部が前記凹部を通過した後、増し折りローラ対の移動速度を被ガイド部が凹部を通過する前の速度に戻す。これによれば、上記実施形態について説明したように、被ガイド部が凹部を通過するときの遅い速度で、そのまま増し折りローラ対を移動させ続けて、増し折り処理にかかる時間が長くなるのを抑制することができる。
(態様G)
シート上に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置によって画像が形成されたシートに対して所定の処理を施すシート処理装置とを備えた画像形成システムにおいて、前記シート処理装置として、(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)または(態様F)のシート処理装置を用いた。これによれば、上記実施形態について説明したように、綴じ部材の変形や増し折りローラの損傷を抑制しつつ、良好な画像形成を行うことができる。