JP6167805B2 - 黒色組成物および黒色塗膜 - Google Patents
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Description
[一般式(1)中、Qは有機色素残基を表し、Xは直接結合、−CONH−Y2−、−SO2NH−Y2−、または−CH2NHCOCH2NH−Y2−(但し、Y2は置換基を有してもよいアルキレン基または置換基を有してもよいアリーレン基を表す。)を表し、Y1は−NH−または−O−を表し、Zは、nが1の場合には水酸基、アルコキシ基、下記一般式(2)で示される置換基、または−NH−X−Q(但し、Q及びXは前記のとおりである。)を表し、nが2〜4の場合には水酸基、アルコキシ基、または下記一般式(2)で示される置換基を表し、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基を表し、R1とR2とが互いに結合して少なくとも窒素原子を含むヘテロ環を形成してもよく、mは1から6の整数を表し、nは1から4の整数を表す。
[一般式(2)中、Y3は−NH−または−O−を表す。また、m、R1およびR2は前記のとおりである。]]
(T1):400nm≦λmin<500nm
(T2):500nm≦λmin<600nm
(T3):600nm≦λmin<700nm
[式(T1)、(T2)、および(T3)中、
λminは、波長400nm〜700nmにおける光透過率が最小となる波長である。]
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデクッス(C.I.)を意味する。
《黒色組成物》
本発明の黒色組成物は、カーボンブラック(A)、少なくとも2種類の有機顔料(B)、下記一般式(1)で表される色素誘導体(C)、およびバインダ樹脂(D)を含有する黒色組成物であって、かつ該黒色組成物を膜厚1.0μmとなる条件で塗膜を形成したときに、波長400〜700nmの光透過率の最大値が10%以下であり、波長400〜700nmの光透過率の標準偏差が3%未満であることを特徴とする黒色組成物である。
こうした分光特性を有する塗膜を形成することができる黒色組成物を用いることで、遮光性および美観にも優れた塗膜を得ることが可能となる。
本発明の黒色組成物は、タッチパネルの配線部の隠蔽に必要な遮光性を付与することを目的として、カーボンブラックを含む。カーボンブラックは特に規定がなくどのようなカーボンブラックを使用してもよく、樹脂などで表面処理されていてもよい。カーボンブラックの種類は単独でもよく、2種類以上のカーボンブラックを併用して用いてもよい。
カーボンブラック(A)の種類を単独で選定する場合、平均一次粒子径の好ましい範囲は8nm以上40nm以下であり、より好ましくは10nm以上35nm以下であり、更に好ましくは15nm以上30nm以下である。
とくに、平均一次粒子径Dが40nmを超えるカーボンブラックを含有しない組成物が特に好ましい。
それぞれのカーボンブラックを用いた黒色組成物においては、以下に示すような傾向がある。
まず、黒色組成物を、黒色組成物に含まれる溶剤を用いて約100倍に希釈し、希釈物を得る。次いで希釈物を試料台上にて風乾させ、得られたカーボンブラックについて電子顕微鏡で数万倍の写真を数視野撮影する。カーボンブラックの粒子最大径を2000〜3000個程度計測し、計測値を単純平均して平均一次粒子径Dを求める。2種類以上のカーボンブラックが含まれている黒色組成物については、まず、黒色組成物に含まれるカーボンブラック全体の個数基準の粒子径分布を求める。次いで、2種類以上のカーボンブラックの各粒子径分布が正規分布に従うとして、粒子径分布の形状およびピークの本数から予想されるガウス関数の項数にてカーブフィッティングを行い、各分布関数を決定する。得られた分布関数のパラメータからそれぞれのカーボンブラックの平均一次粒子径Dを求める。平均一次粒子径Dは、通常、小数第一位を四捨五入した値(nm)として表す。
混合前のカーボンブラックの平均一次粒子径についても、前述と同様の電子顕微鏡を用いる方法により測定することができる。8nm≦D1≦20nmとなるカーボンブラック、21nm≦D2≦40nmとなるカーボンブラックのいずれも市販のカーボンブラックを用いることができる。
本発明の黒色組成物は、少なくとも2種の有機顔料を含む。用いることの出来る有機顔料としては、本発明の作用効果を損なわない範囲で、さまざまな顔料が使用可能であり、たとえば以下のものが挙げられる。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、266、272、276などが挙げられる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213などが挙げられる。
橙色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、81などが挙げられる。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7、10、36、58などが挙げられる。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80などが挙げられる。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50などが挙げられる。
黒色顔料としてはC.I.ピグメントブラック 1,31,32などが挙げられる。
より好ましくは、遮光性・美観に優れた塗膜が得られるよう、少なくとも赤色顔料および青色顔料を含む場合が好ましい。
また、有機顔料(B)の含有量は、黒色組成物の全固形分重量を基準(100重量%)として、好ましくは合計して5〜50重量%、より好ましくは合計して10〜40重量%の量で用いることができる。
色素誘導体(C)は、下記一般式(1)で示されるものである。また、後述するように最適な分光透過率を有する色素誘導体を選択することにより遮光性や美観に優れた加飾塗膜を得ることが可能となる。色素誘導体(C)は、1種を単独で使用してもよく、任意の比率で2種以上混合して使用してもよい。
[一般式(1)中、Qは有機色素残基を表し、Xは直接結合、−CONH−Y2−、−SO2NH−Y2−、または−CH2NHCOCH2NH−Y2−(但し、Y2は置換基を有してもよいアルキレン基または置換基を有してもよいアリーレン基を表す。)を表し、Y1は−NH−または−O−を表し、Zは、nが1の場合には水酸基、アルコキシ基、下記一般式(2)で示される置換基、または−NH−X−Q(但し、Q及びXは前記のとおりである。)を表し、nが2〜4の場合には水酸基、アルコキシ基、または下記一般式(2)で示される置換基を表し、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基を表し、R1とR2とが互いに結合して少なくとも窒素原子を含むヘテロ環を形成してもよく、mは1から6の整数を表し、nは1から4の整数を表す。
[一般式(2)中、Y3は−NH−または−O−を表す。また、m、R1およびR2は前記のとおりである。]]
併用する事のできる色素誘導体としては、例えば特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用できる。
本発明の黒色組成物においては、下記式(T1)、(T2)、および(T3)をそれぞれ満たす、有機顔料(B)および/または色素誘導体(C)を含み、かつ少なくとも1つは色素誘導体(C)であるとき、特定の波長領域の光が偏って透過することを防ぐことができ、その結果、遮光性・美観を高めることができるため好ましい。
(T1):400nm≦λmin<500nm
(T2):500nm≦λmin<600nm
(T3):600nm≦λmin<700nm
[式(T1)、(T2)、および(T3)中、
λminは、波長400nm〜700nmにおける光透過率が最小となる波長である。]
有機顔料または色素誘導体を10重量%、透明性の高い顔料分散剤(ビックケミー社製BYK-167など)あるいはアクリル樹脂(固形分)10重量%、および溶剤80重量%の分散体を、波長400〜700nmにおける透過率の最小値が1%よりも高くなるように塗布した塗膜について、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した透過スペクトルより求めることができる。
式(T1)を満たす有機顔料(B)および色素誘導体(C)としては、例えば、アゾ系、キノフタロン系、イソンドリン系、イソインドリノン系エロー顔料などの有機顔料(B)、またはこれらの有機顔料を母体骨格とする色素誘導体(C)が挙げられる。
本発明の樹脂組成物に含まれるバインダ樹脂(D)は、着色材即ちカーボンブラック(A)と有機顔料(B)を分散するものであって、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。バインダ樹脂(B)は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の透明樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型感光性着色組成物の形態で用いる場合には、酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
リレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3
−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールメタアクリレートが好ましい。
以下、これらの材料について例示する。
光重合開始剤(E)としては、フォトリソ方式で使用する露光装置から発生する光を吸収してラジカルまたはイオンを発生する化合物であれば特に限定しない。
光重合開始剤(E)としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,−1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−2−(O−ベンゾイルオキシム)、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4'−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに、下記一般式(12)で表されるオキシムエステル系化合物の光重合開始剤が好ましく、特に、下記化学式(13)で表される化合物であることがより好ましい。
[一般式(12)中、R51〜R54は、水素原子、C1〜C6のアルキル基、または置換基を有しても良いフェニル基を示す。]
さらに、本発明の黒色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系化合物を併用することもできる。これらの増感剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
また、増感剤の中でも4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましく、より好ましくは4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンである。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体(F)には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。
エチレン性不飽和単量体(F)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートおよびこはく酸とのモノエステル化物、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
これらのエチレン性不飽和単量体は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
W1+W2が0.10以上であれば、実用的な紫外線感度を得ることができ、0.45以下であればパタ−ン形状の直線性不良が生じがたい。
また、W2/W3が0.10以上であれば、実用的な紫外線感度を得ることができ、1.10以下であればパタ−ン形状の直線性不良が生じがたい。
なお、感光性黒色組成物が増感剤を含む場合、増感剤の重量比もW1に含み、また樹脂型分散剤の重量はW2には含まないものとする。
黒色組成物には塗膜に耐熱性・耐光性を付与することを目的として酸化防止剤を添加することが好ましい。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものとしては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である。
さらに、本発明の感光性黒色組成物には、感度を調整する目的で連鎖移動剤を添加することができる。連鎖移動剤としては多官能チオールが好ましい。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。
黒色組成物には、色素を充分に色素担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントやブラックマトリクスを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いることができる。
黒色組成物は、各有機顔料またはカーボンブラックと色素誘導体(C)を、バインダ樹脂などの色素担体および/または溶剤中に、好ましくは分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、各有機顔料とカーボンブラックは、同時に色素担体に分散しても良いし、別々に色素担体に分散したものを混合しても良い。樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等の分散助剤は、有機顔料やカーボンブラックの分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きい。
本発明の黒色組成物により形成される黒色塗膜は、ガラス基板・プラスチック基板などの基材上に、スクリーン印刷などの印刷法やフォトリソグラフィー法により形成し、遮光膜として用いることができる。
特に、タッチパネルのカバーガラスや保護フィルム基板の外周部に枠状に形成することにより遮光性・美観に優れたタッチパネルの加飾用塗膜として使用することができる。
現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(アクリル樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、ベンジルメタクリレート20.0部、n−ブチルメタクリレート17.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMACを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。重量平均分子量(Mw)は26000であった。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、ベンジルメタクリレート20.0部、n−ブチルメタクリレート7.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸22.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMACを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。重量平均分子量(Mw)は25000であった。
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸20部、ベンジルメタクリレート20部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)20部、メタクリル酸メチル25部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5部、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)6.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液3を調製した。重量平均分子量(Mw)は18000であった。
(赤色微細化顔料(R1))
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメントレッド 254(PR254、BASF社製「IRGAZIN RED 2030」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部のジケトピロロピロール系の微細化顔料(R1)を得た。
アントラキノン系赤色顔料C.I.ピグメントレッド 177(PR177、BASF社製「クロモフタルレッド A2B」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部のアントラキノン系の微細化顔料(R2)を得た。
イソインドリノン系黄色顔料3C.I.ピグメントイエロー 139(PY139、BASF社製「PALIOTOL YELLOW D1819」)100部、粉砕した食塩800部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩及び溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、96部の微細化顔料(Y1)を得た。
イソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー 185(PY185、BASF社製「パリオゲンイエロー D1155」)100部、粉砕した食塩800部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩及び溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、96部の黄色微細化顔料(Y2)を得た。
(黄色微細化顔料(Y3))
アゾ系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー 150(PY150、ランクセス社製「E−4GN」)100部、粉砕した食塩500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩及び溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、490部の微細化顔料(Y3)を得た。
キノフタロン系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー 138(PY138、BASF社製「パリオトールイエロー K0960−HD」):500部、塩化ナトリウム:500部、およびジエチレングリコール:250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、120℃で2時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、490部の微細化顔料(Y4)を得た。
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメントグリーン 36(PG36、トーヨーカラー株式会社製「リオノールグリーン 6YK」)500部、塩化ナトリウム1500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、緑色微細化顔料(G1)を得た。
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメントグリーン 7(PG7、トーヨーカラー株式会社製「リオノールグリーン 6YK」)500部、塩化ナトリウム1500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、緑色微細化顔料(G2)を得た。
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー 15:6(PB15:6、トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE ES」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、青色微細化顔料(B1)を得た。
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー 15:3(PB15:3、トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE FG−7351)200部、塩化ナトリウム600部、およびジエチレングリコール600部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、120℃に加熱しながら8時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の青色微細化顔料(B2)を得た。
微細化顔料または表1に記載の色素誘導体10部をアクリル樹脂溶液1の50部と混合し、メトキシプロピルアセテート20部を均一に撹拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した。得られた組成物を5μmのフィルタで濾過した分散体をバーコーターにてガラス基板に塗工し、400〜700nmにおける透過率を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定し、透過率が最小となる波長(λmin)を求めた。λminの値を表2に示す。
(顔料分散体GP−1の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した。その後メトキシプロピルアセテートを30.0部加えた後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体GP−1を得た。
緑色微細化顔料(G1) :12.6部
C.I.ピグメントグリーン 36
色素誘導体C2 : 1.4部
アクリル樹脂溶液1 :30.0部
メトキシプロピルアセテート :26.0部
表3記載の組成、および配合量(重量部)に変更した以外は、顔料分散体GP−1と同様にして、顔料分散体GP−2、YP1〜5、BP−1〜3、KP−1、RP−1〜2を得た。
(カーボンブラック分散体CP−1の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した。その後メトキシプロピルアセテートを30.0部加えた後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体CP−1を得た。
カーボンブラック(CB−2) :12.6部
CABOT社製「Regal250R」
色素誘導体C2 : 1.4部
アクリル樹脂溶液1 :30.0部
メトキシプロピルアセテート :26.0部
表5記載の組成、および配合量(重量部)に変更した以外は、顔料分散体CP−1と同様にして、カーボンブラック分散体CP−2〜8を得た。なお、用いたカーボンブラックの詳細を表4にまとめた。
(感光性黒色組成物BLK−1の製造)
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、感光性黒色組成物BLK−1を得た。
顔料分散体RP−1(PR254) :16.32部
顔料分散体BP−1(PB15:6) :16.32部
カーボン分散体CP−9 :15.74部
アクリル樹脂溶液2 :20.85部
エチレン性不飽和単量体 : 3.24部
東亞合成株式会社製「アロニクスM402」
(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート/ペンタアクリレート混合物)
光重合開始剤 : 0.90部
BASF社製「イルガキュア OXE−02」
(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H
−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム))
レベリング剤溶液 : 1.50部
東レ・ダウコーニング社製「FZ−2122」
((不揮発分100重量%))1部をシクロヘキサノン99部で希釈した溶液
メトキシプロピルアセテート :25.14部
( 感光性黒色組成物B L K − 2 〜 3 3 の製造)
表6 、および7 記載の組成、および配合量( 重量部) に変更した以外は、感光性黒色組成物B L K − 1 と同様にして、感光性黒色組成物BLK−2〜33を得た。
ただし、実施例19、20、26は参考例である。
光重合開始剤としては、BASF社製「イルガキュア OXE−02」(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム))またはBASF社製「イルガキュア369」(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン)を用い、表6中のエチレン性不飽和単量体としては、東亞合成株式会社製「アロニクスM402」(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート/ペンタアクリレート混合物)、東亞合成株式会社製「TO-1382」(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ならびにジペンタエリスリトールペンタアクリレートおよびこはく酸とのモノエステル化物の混合物)、レベリング剤溶液としては、東レ・ダウコーニング社製「FZ−2122」(不揮発分100重量%))1部をシクロヘキサノン99部で希釈した溶液である。
得られた黒色組成物の膜厚1.0μmとなる条件で塗膜を形成したときに、波長400〜700nmの光線透過率の最大値(Tmax)、および光透過率の標準偏差(σ(T))および、用いた有機顔料および色素誘導体の光透過率を表8に示す。
実施例・比較例の黒色組成物を、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃のオーブンで20分乾燥し、超高圧水銀ランプを用いて、実施例18、21〜23を除き積算露光量150mJ/cm2(実施例18、21〜23は300mJ/cm2)で紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行いイオン交換水で洗浄し、ついで220℃で30分間加熱、放冷後し、膜厚1.0μmの塗膜基板を得た。
得られた塗膜基板について、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて波長400〜700nmの光透過率を測定し光透過率の最大値(Tmax)と標準偏差σ(T)を求めた。
実施例・比較例の黒色組成物を、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃のオーブンで20分乾燥し、超高圧水銀ランプを用いて、実施例18、21〜23を除き積算露光量150mJ/cm2(実施例18、21〜23は300mJ/cm2)で紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行いイオン交換水で洗浄し、ついで220℃で30分間加熱、放冷後し、膜厚1.0μmの塗膜基板を得た。得られた塗膜基板について、260℃のオーブンで60分加熱した後、顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて波長400〜700nmの光透過率を測定し、光透過率の最大値(Tmax2)を求めた。この(Tmax2)と(Tmax)とを比較し、X=|(Tmax2)−(Tmax)|/(Tmax)の値を求めた。Xの値が小さいほど、耐熱性が良好であるといえる。Xの値を表8に示す。
(T1)〜(T3)は、波長400nm〜700nmにおける光透過率が最小となる波長を有する微細化顔料または、色素誘導体をまとめたものである。
実施例および比較例で得られた感光性黒色組成物について、安定性、残膜感度、および直線性、を下記のように評価した。評価結果を表9に示す。
実施例および比較例で得られた黒色組成物について、作製後24時間後の粘度(V1)と23度の条件で30日保存後の粘度(V2)を評価し、粘度変化率(V2−V1)/V1を評価した。粘度変化率≦0.10であれば安定性良好(○)、粘度変化率>0.10であれば安定性不良(×)とした。
実施例および比較例で得られた黒色組成物を、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に塗布し、70℃で20分乾燥したあとの膜厚が、2.5μmとなる塗膜を作製した。
超高圧水銀ランプを用いて、フォトマスクを介し積算光量150mJ/cm2と300mJ/cm2の2種の露光量で紫外線露光を行ったあと、未露光部分を23℃のアルカリ現像液で現像を行いイオン交換水で洗浄した。作製したパターン形成基板のパターン形成部分の膜厚(t1)を塗工膜厚(2.5μm)で割った値(残膜率)を求めた。残膜率が0.90以上の場合は紫外線により光重合単量体を十分に硬化させることができたと判定し、より優れた組成物であるということがいえる。
また、上記の方法で得られた黒色パターン形成部分の直線性を顕微鏡にて確認し、直線性の良否を評価した。直線性の良否は顕微鏡にて図1に示すパターンの線幅の最大値(PW1)と最小値(PW2)の差PW1−PW2を評価することにより判定した。PW1−PW2の優劣により下記の判定基準により直線性を評価した。
PW1−PW2≦2μmの場合は精密加工されたタッチパネルの電極配線パターンを精度良く被覆することができると判定し、より優れた組成物であるということがいえる。
実施例および比較例で得られた黒色組成物を、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃のオーブンで20分乾燥し、超高圧水銀ランプを用いて、実施例18・21〜23を除き積算露光量150mJ/cm2(実施例18、21〜23は300mJ/cm2)で紫外線露光を行い、23℃のアルカリ現像液で現像を行いイオン交換水で洗浄し、ついで220℃で30分間加熱、放冷後し、膜厚2.5μmの塗膜基板を得た。
また、得られた塗膜の裏面から日亜化学社製LED光源NSPW300BSを点灯・消灯させたときの視認性・美観を下記の判定基準により評価した。なお、評価は白色蛍光灯を点灯した照度770Lxの室内環境にて実施した。
遮光性○:LED光源消灯時にLED光源が殆ど見えず良好な遮光性が得られている。
遮光性△:LED光源消灯時にLED光源がわずかに見える。
(実用上は問題ない遮光性が得られている。)
遮光性×:LED光源消灯時にもLED光源が見える。
美観○:LED光源点灯・消灯時の色味の差が小さく良好な美観が得られている。
美観△:LED光源点灯・消灯時の色味の差が僅かに見える。
(実用上は問題ない美観が得られている。)
美観×:LED光源点灯・消灯時の色味の差が大きく、点灯時に色が大きく異なって見える。
少なくとも2種類の有機顔料(B)を含まない比較例3の黒色組成物においては、光源点灯時に塗膜が赤みがかっており美観が悪く、光源消灯時も光源が見え遮光性が悪かった。
カーボンブラック(A)を含まない比較例4の黒色組成物においては、遮光性が小さく、また塗膜のσ(T)≧3%となり美観評価において光源点灯時に塗膜が紫色に見え美観が悪かった。
また有機顔料およびカーボンブラックの濃度が低くTmax≦10%を満たさない比較例5の黒色組成物においても光源点灯時に紫色に見え美観が悪く、光源消灯時も光源が見え遮光性が悪かった。
Claims (7)
- カーボンブラック(A)、少なくとも2種類の有機顔料(B)、少なくとも2種類の色素誘導体、およびバインダ樹脂(D)を含有する黒色組成物であって、かつ該黒色組成物を膜厚1.0μmとなる条件で塗膜を形成したときに、波長400〜700nmの光透過率の最大値が10%以下であり、波長400〜700nmの光透過率の標準偏差が3%未満であって、
少なくとも1種類の有機顔料(B)が、下記式(T3)を満たし、
少なくとも2種類の色素誘導体が、下記条件(A)または(B)を満たすことを特徴とする黒色組成物。
条件(A):
下記式(T1)を満たし、かつ下記一般式(1)で表される色素誘導体(C)と、
下記式(T2)または(T3)を満たし、かつ下記一般式(1)で表される色素誘導体(C)とを含有する
条件(B):
下記式(T1)を満たし、かつ下記一般式(1)で表される色素誘導体(C)と、
下記式(T2)を満たし、かつ下記一般式(1)で表される色素誘導体(C)以外の色素誘導体とを含有する
(T1):400nm≦λmin<500nm
(T2):500nm≦λmin<600nm
(T3):600nm≦λmin<700nm
[式(T1)、(T2)、および(T3)中、λminは、波長400nm〜700nmにおける光透過率が最小となる波長である。]
[一般式(1)中、Qは有機色素残基を表し、Xは直接結合、−CONH−Y2−、−SO2NH−Y2−、または−CH2NHCOCH2NH−Y2−(但し、Y2は置換基を有してもよいアルキレン基または置換基を有してもよいアリーレン基を表す。)を表し、Y1は−NH−または−O−を表し、Zは、nが1の場合には水酸基、アルコキシ基、下記一般式(2)で示される置換基、または−NH−X−Q(但し、Q及びXは前記のとおりである。)を表し、nが2〜4の場合には水酸基、アルコキシ基、または下記一般式(2)で示される置換基を表し、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を有してもよいアルキル基を表し、R1とR2とが互いに結合して少なくとも窒素原子を含むヘテロ環を形成してもよく、mは1から6の整数を表し、nは1から4の整数を表す。]
- カーボンブラック(A)が、粒子径の異なる少なくとも2種類のカーボンブラックを含み、平均一次粒子径が最小のカーボンブラック(a1)の平均一次粒子径をD1、平均一次粒子径が最大のカーボンブラック(a2)の平均一次粒子径をD2としたとき、8nm≦D1≦20nm、かつ21nm≦D2≦40nmであることを特徴とする請求項1記載の黒色組成物。
- さらに、光重合開始剤(E)、およびエチレン性不飽和単量体(F)を含み、黒色組成物中の固形分の重量を基準(1.0)としたときの、光重合開始剤(E)、エチレン性不飽和単量体(F)、およびバインダ樹脂(D)の重量比を、それぞれW1、W2、およびW3としたとき、0.10≦W1+W2≦0.45、0.10≦W2/W3≦1.10となることを特徴とする請求項1または2記載の黒色組成物。
- 光重合開始剤(E)が、オキシムエステル系開始剤を含有することを特徴とする請求項3記載の黒色組成物。
- さらに酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の黒色組成物。
- 請求項1ないし5いずれか1項記載の黒色組成物を用いて形成されることを特徴とする黒色塗膜。
- タッチパネル加飾用であることを特徴とする請求項6に記載の黒色塗膜。
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