JP6167694B2 - テンプレート基板、ナノインプリント用テンプレート、および、ナノインプリント用テンプレートの製造方法 - Google Patents
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それゆえ、スピン乾燥に加えて、熱乾燥の工程が必要になるが、窪み部の壁面と底面とが接続する部分に残存する液体はメニスカスを形成するため、液体の表面積が小さくなり、熱乾燥工程の時間は長くなってしまう。
そして、熱乾燥を含めた乾燥工程の時間が長くなると、それに伴って、テンプレートの製造時間や、洗浄に出したテンプレートを再び用いるまでの待機時間が、長くなってしまうという問題がある。
まず、本発明に係るテンプレート基板およびナノインプリント用テンプレートについて、図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係るテンプレート基板の一例を示す説明図であり、(a)は概略平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
そして、凹構造13は、メサ状の凸構造11の主面12に対して平行な底面14を有しており、底面14は、平面視において凸構造11を包含し、凹構造13の壁面15は、底面14から開口端16に向かうに従って開口が広がる傾斜面を有している。
そして、上記の所定の範囲とは、反応性プラズマを用いたドライエッチングにより、メサ状の凸構造11の主面12に凹凸形状の転写パターンを形成する工程において、メサ状の凸構造11の主面12と凹構造13の底面14の間のテンプレート基板10を構成する材料の厚みの分布によって生じる誘電率の分布が、転写パターンの形状等に影響を及ぼさない範囲である。
上記範囲は、ドライエッチング条件等によっても変化するが、本発明においては、例えば、上記厚みの範囲を設計値に対し±3%以内とすることができる。
また、凹構造13は、例えば機械的な研削の手法を用いて形成することができる。より具体的には、例えば、回転軸の先端に研削ディスクを有する研削治具を用いて研削する方法を挙げることができる。上記の凹構造13の深さは、数mm程度の範囲であり、典型的には5mm程度である。
それゆえ、テンプレート基板10およびテンプレート20の洗浄後の乾燥工程において、凹構造13の壁面15と底面14とが接続する部分に残存する液体を、スピン乾燥で除去することができる。
ここで、図3は、スピン乾燥における残存液体の動きを示す説明図であり、(a)は本発明に係るテンプレートをスピン乾燥した場合を、(b)は従来のテンプレートをスピン乾燥した場合を、それぞれ示す。
なお、上述のように、テンプレートの洗浄工程においては、主に、酸性水溶液等の洗浄液が用いられ、その後のリンスには、主に、超純水が用いられることから、スピン乾燥によって除去される液体は、主に洗浄液と置換されたリンス液であり、典型的には水であるが、これに限らず、アルコールなどの親水性溶媒であってもよい。
また、スピン乾燥に加えて熱乾燥の工程を施す場合でも、従来に比べて、スピン乾燥後に残存する液体の量は少ないため、乾燥工程の時間を大幅に短縮することができ、テンプレートの製造時間や、洗浄に出したテンプレートを再び転写に用いるまでの待機時間を、短くすることができる。
すなわち、本発明に係るテンプレート基板10においては、凹構造13の壁面15は、底面14から開口端16に向かうに従って開口が広がる傾斜面を有しているが、転写パターン21が形成される領域の肉厚は、どの場所でも所定の範囲内の厚さであるため、反応性プラズマを用いたドライエッチングによって転写パターン21を形成する際に、そのエッチング分布を均一にすることができ、形状等が均一な転写パターンを形成することができる。
そして、この場合は、凹凸形状の転写パターンは上記の第1の側の平坦面に形成されることになるが、転写パターンが形成される領域は、平面視において、凹構造の底面に包含される範囲内になる。
また、この場合は、上記の第1の側の平坦面に対して、凹構造の底面が平行の関係になる。
凹構造13の傾斜面が上記のような形態であれば、テンプレート基板10の平面中心を通る垂線を回転中心とするスピン乾燥によって、テンプレート基板10に残存する液体を効率よく除去することができるからである。
例えば、図4(a)に示すように、P1、P2、P3、P4を頂点とする台形であって、P1とP2を結ぶ辺と、P3とP4を結ぶ辺とが、互いに平行であり、P1とP2を結ぶ辺と、P2とP3を結ぶ辺となす角が90°であり、P1とP2を結ぶ辺の長さが、P3とP4を結ぶ辺の長さよりも短い台形31を、P2とP3を結ぶ線を回転軸として回転させれば、回転体として、P1とP4を結ぶ辺から構成される壁面を有する円錐台が得られる。
図5は、本発明に係るテンプレート基板における凹構造の壁面が底面と接続する接続部の形態例を示す説明図である。
本発明においては、例えば、図5(a)に示すように、凹構造13の壁面15が底面14と角度θ1で接続するような形態であっても良いし、図5(b)に示すように、凹構造13の壁面15が底面14と接続する接続部が、断面視において、丸みを帯びたラウンド形状であっても良い。
テンプレートの材質、テンプレートの表面状態や表面粗さ、および、リンス液の種類等にも依存するが、角度θ1が120°未満である場合、短時間では液体が除去しきれず、乾燥に長時間を要してしまうおそれがあり、また、角度θ1が150°より大きい場合、湾曲を要する領域以外も広範囲に肉薄となってしまい、テンプレート基板の強度が損なわれるおそれがあるためである。
また、図5(b)に示すように、壁面15が底面14と接続する接続部が、断面視において、丸みを帯びたラウンド形状である場合も、断面視における、底面14の輪郭線の接線51と壁面15の輪郭線の接線52で形成される角度θ2は、上記と同様に、120°以上150°以下であることが好ましい。
その材料としては、例えば、合成石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどが挙げられる。中でも合成石英ガラスはフォトマスク用基板の材料として実績があり、高品質な基板を安定して入手できることから好ましい。
ナノインプリント技術としては、この光インプリント技術の他に、熱インプリント技術が知られているが、熱インプリント技術では加熱と冷却のサイクルが必要となり、テンプレートや被転写基板が熱によって寸法変化が生じるおそれがある。
一方、光インプリント技術は、上記の加熱と冷却のサイクルが不要であることから、熱による寸法変化を防止できる。すなわち、光インプリント技術を用いることで、熱インプリントに比べて、解像性、アライメント精度、生産性等の点で優れた転写を達成することができる。
次に、本発明に係るナノインプリント用テンプレートの製造方法について説明する。
本発明に係るナノインプリント用テンプレートの製造方法は、上述のテンプレート基板を準備するテンプレート基板準備工程と、前記テンプレート基板の前記主面に凹凸形状の転写パターンを形成する転写パターン形成工程と、液体を用いた洗浄工程と、前記液体を乾燥させる乾燥工程を有しており、
前記乾燥工程が、前記凹構造に残存する前記液体を遠心力により除去するスピン乾燥工程であることを特徴とするものである。
従来のテンプレートにおいては、窪み部の壁面が、窪み部の底面に対して略垂直に形成されているため、テンプレートを洗浄した後の乾燥工程にスピン乾燥を用いても、窪み部の壁面と底面とが接続する部分に液体が残存してしまい、スピン乾燥だけで残存した液体を除去することは困難であった。
10a・・・第1の側
10b・・・第2の側
11・・・凸構造
12・・・主面
13・・・凹構造
14・・・底面
15・・・壁面
16・・・開口端
20・・・テンプレート
21・・・転写パターン
31・・・台形
32・・・平面図形
41・・・回転軸
51、52・・・接線
110a・・・第1の側
110b・・・第2の側
111・・・凸構造
112・・・主面
113・・・窪み部
114・・・底面
115・・・壁面
120・・・テンプレート
121・・・転写パターン
141・・・回転軸
Claims (7)
- 凹凸形状の転写パターンを有するナノインプリント用テンプレートを製造するためのテンプレート基板であって、
第1の側と、前記第1の側に対向する第2の側とを有し、
前記第1の側に、前記転写パターンが形成される主面を有し、
前記第2の側に、前記第2の側に向かって開口する凹構造が形成されており、
前記凹構造は、前記主面に対して平行な底面を有しており、
前記凹構造の壁面は、断面視において、前記凹構造の底面から開口端に向かうに従って開口が広がる傾斜面および前記凹構造の底面と前記傾斜面を接続する接続部を有し、
前記接続部は、断面視において、ラウンド形状であることを特徴とするテンプレート基板。 - 凹凸形状の転写パターンを有するナノインプリント用テンプレートを製造するためのテンプレート基板であって、
第1の側と、前記第1の側に対向する第2の側とを有し、
前記第1の側に、前記転写パターンが形成される主面を有し、
前記第2の側に、前記第2の側に向かって開口する凹構造が形成されており、
前記凹構造は、前記主面に対して平行な底面を有しており、
前記凹構造の壁面は、断面視において、前記凹構造の底面から開口端に向かうに従って開口が広がる傾斜面を有し、
断面視において、前記傾斜面が曲線部分および直線部分を含み、前記直線部分と凹構造の底面による直線とのなす角度が120°以上150°以下の範囲であることを特徴とするテンプレート基板。 - 凹凸形状の転写パターンを有するナノインプリント用テンプレートを製造するためのテンプレート基板であって、
第1の側と、前記第1の側に対向する第2の側とを有し、
前記第1の側に、前記転写パターンが形成される主面を有し、
前記第2の側に、前記第2の側に向かって開口する凹構造が形成されており、
前記凹構造は、前記主面に対して平行な底面を有しており、
前記凹構造の壁面は、断面視において、前記凹構造の底面から開口端に向かうに従って開口が広がる傾斜面を有し、
断面視において、前記傾斜面が曲線部分のみから構成されていることを特徴とするテンプレート基板。 - 前記凹構造の壁面は、前記凹構造の底面と前記傾斜面を接続する接続部を有し、
前記接続部は、断面視において、ラウンド形状であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のテンプレート基板。 - 前記凹構造の傾斜面が、前記テンプレート基板の平面中心を通る垂線を回転軸とする仮想の回転体の壁面と一致する形態であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のテンプレート基板。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のテンプレート基板の前記主面に、凹凸形状の転写パターンを有することを特徴とするナノインプリント用テンプレート。
- ナノインプリント用テンプレートの製造方法であって、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のテンプレート基板を準備するテンプレート基板準備工程と、
前記テンプレート基板の前記主面に凹凸形状の転写パターンを形成する転写パターン形成工程と、
液体を用いる洗浄工程と、
前記液体を乾燥させる乾燥工程と、
を備えており、
前記乾燥工程が、前記凹構造に残存する前記液体を遠心力により除去するスピン乾燥工程であることを特徴とするナノインプリント用テンプレートの製造方法。
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