JP6167378B2 - 車両用無段変速制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、2つのプーリ間にかけ渡されたベルト及び電動アクチュエータを含む無段変速装置と、電動アクチュエータの駆動を制御する制御装置とを備える車両用無段変速制御システムに関する。
従来から、車両の動力源の動力を車輪に伝達する動力伝達機構にベルト式無段変速装置を組み込んだ構造が知られている。ベルト式無段変速装置では、動力伝達方向に関して動力源側の駆動プーリと、車輪側の従動プーリとの間にベルトがかけ渡される。駆動プーリ及び従動プーリのうち、少なくとも一方のプーリは、固定シーブと、固定シーブに対し軸方向に移動可能な移動シーブとを含む。ベルト式無段変速装置には、移動シーブを油圧で移動させる油圧式と、トルクカムを含む押圧力発生機構で移動させる機械式と、電動アクチュエータにより移動させる電動式とがあり、これらの形式の複合型も知られている。
特許文献1には、変速レバーに連結されたカム部材と、変速レバーの操作力をアシストする電動モータと、電動モータ制御用の制御部とを含む電動式の無段変速装置が記載されている。
特許文献2には、ボールねじ式アクチュエータを用いた電動式と油圧式との複合型のベルト式無段変速装置が記載されている。
特許文献3には、エンジンのクランク軸に連結された駆動部と、駆動部の所定回転速度以上で駆動部に連結される従動部とを有する遠心クラッチと、従動部に連結された駆動プーリを有するベルト式無段変速装置とを含む自動二輪車用のエンジン始動システムが記載されている。
特開平9−329232号公報 特開2005−36855号公報 特開2003−74446号公報
ベルト式無段変速装置を組み込んだ車両において、アクセルペダルを非操作とした後、ブレーキペダルを操作して制動指示を行った場合に、車輪側の従動プーリの減速と、動力源側の駆動プーリの減速との間でずれが生じる場合がある。この場合に、動力源と駆動プーリとの間に遠心クラッチが設けられる構造では、遠心クラッチでの動力伝達が遮断されることにより、駆動プーリの各シーブとベルトとの間の摩擦を抑制してベルトの摩耗を抑制できる場合がある。しかしながら遠心クラッチが必要となるので、部品点数が増えて、製造コストが増大する要因となる。
本発明の目的は、遠心クラッチを必要とすることなく、ベルトの摩耗を抑制できる車両用無段変速制御システムを提供することである。
本発明に係る車両用無段変速制御システムは、動力源側の駆動プーリ及び車輪側の従動プーリの間にかけ渡されたベルトと、電動アクチュエータとを含む無段変速装置であって、前記駆動プーリ及び前記従動プーリのうち、少なくとも一方の前記プーリは、固定シーブと、前記固定シーブに対し移動可能に配置された移動シーブとを含み、前記電動アクチュエータは、前記移動シーブの移動によりシーブ間距離を変更する前記無段変速装置と、前記電動アクチュエータの駆動を制御する制御装置と、制動操作部がユーザによって操作されたことを取得して、車両の制動の指示を表す制動指示信号を前記制御装置に送信する制動指示手段とを備え、前記制御装置は、前記制動指示手段から前記制動指示信号が入力された場合、または、前記制動指示手段からの制動指示信号の入力と、予め設定された特定条件の成立とがあった場合に、前記動力源の回転速度の低下と前記車輪の減速との間でずれが生じる場合における、前記一方のプーリと前記ベルトとの間の摩擦を抑制するように、前記シーブ間距離を所定量以上に大きくし、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟み込みを解除することを特徴とする。また、本発明に係る車両用無段変速制御システムは、動力源側の駆動プーリ及び車輪側の従動プーリの間にかけ渡されたベルトと、電動アクチュエータとを含む無段変速装置であって、前記駆動プーリ及び前記従動プーリのうち、少なくとも一方の前記プーリは、固定シーブと、前記固定シーブに対し移動可能に配置された移動シーブとを含み、前記電動アクチュエータは、前記移動シーブの移動によりシーブ間距離を変更する前記無段変速装置と、前記電動アクチュエータの駆動を制御する制御装置と、制動操作部がユーザによって操作されたことを取得して、車両の制動または制動維持の指示を表す制動指示信号を前記制御装置に送信する制動指示手段とを備え、前記制御装置は、前記制動指示手段から前記制動指示信号が入力された場合、または、前記制動指示手段からの制動指示信号の入力と、予め設定された特定条件の成立とがあった場合に、前記シーブ間距離を所定量以上に大きくし、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟み込みを解除し、さらに、ユーザの手動操作に応じてオンとオフとが切り替えられ、オンオフ状態を表す信号を制御装置に送信する始動停止指示部と、前記制御装置に電力を供給する電源と、前記電源と前記制御装置との間に接続され、前記制御装置からのオン指令信号の維持によりオンが維持され、前記オン指令信号の遮断によりオフされる制御装置給電リレーとを備え、前記制御装置は、前記始動停止指示部がオンからオフに切り替えられた場合において、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟み込みが維持された動力伝達状態では、前記制御装置給電リレーへの前記オン指令信号を維持し、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟みこみが解除された動力伝達遮断状態では、前記制御装置給電リレーへの前記オン指令信号を遮断することを特徴とする。また、本発明に係る車両用無段変速制御システムは、動力源側の駆動プーリ及び車輪側の従動プーリの間にかけ渡されたベルトと、電動アクチュエータとを含む無段変速装置であって、前記駆動プーリ及び前記従動プーリのうち、少なくとも一方の前記プーリは、固定シーブと、前記固定シーブに対し移動可能に配置された移動シーブとを含み、前記電動アクチュエータは、前記移動シーブの移動によりシーブ間距離を変更する前記無段変速装置と、前記電動アクチュエータの駆動を制御する制御装置と、制動操作部がユーザによって操作されたことを取得して、車両の制動または制動維持の指示を表す制動指示信号を前記制御装置に送信する制動指示手段とを備え、前記制御装置は、前記制動指示手段から前記制動指示信号が入力された場合、または、前記制動指示手段からの制動指示信号の入力と、予め設定された特定条件の成立とがあった場合に、前記シーブ間距離を所定量以上に大きくし、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟み込みを解除し、さらに、ユーザの手動操作に応じてオンとオフとが切り替えられ、オンオフ状態を表す信号を前記制御装置に送信する始動停止指示部と、前記制御装置に電力を供給する電源と、電力供給により前記動力源であるエンジンを始動させるエンジン始動部と、前記電源と前記エンジン始動部との間に接続され、前記制御装置からのオン指令信号の遮断によりオフされ、前記制御装置からの前記オン指令信号の入力によりオンされる始動部給電リレーとを備え、前記制御装置は、前記始動停止指示部がオフからオンに切り替えられた場合において、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟み込みが維持された動力伝達状態では、前記始動部給電リレーへの前記オン指令信号を遮断し、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟みこみが解除された動力伝達遮断状態では、前記始動部給電リレーへ前記オン指令信号を入力することを特徴とする。
本発明に係る車両用無段変速制御システムによれば、制御装置に制動指示手段から制動指示信号が入力された場合、または、制動指示手段から制御装置への制動指示信号の入力と、予め設定された特定条件の成立とがあった場合に、駆動プーリ及び従動プーリの一方のプーリでのベルトの挟み込みが解除される。このため、ユーザが制動操作を行う場合のベルトの摩耗を抑制でき、しかも、遠心クラッチを設ける必要がない。
本発明に係る実施形態の車両用無段変速制御システムを搭載する車両の全体構成を示す概略図である。 図1の車両に搭載される無段変速制御システムの構成を示すブロック図である。 図1の無段変速制御システムを構成する無段変速装置において、通常最大減速比が実現される場合の断面図である。 (a)は、図3の無段変速装置で通常最大減速比を実現する場合の2つのプーリ間でのベルトの巻きかけ状態を示す概略断面図であり、(b)は(a)を上方から見た図である。 (a)は、図3の無段変速装置で最小減速比を実現する場合の2つのプーリ間でのベルトの巻きかけ状態を示す概略断面図であり、(b)は(a)を上方から見た図である。 図3のA部で、駆動プーリでのベルトの挟み込みが解除された状態を示す図である。 無段変速装置の別例において、図6に対応する図である。 (a)は、図3の無段変速装置で駆動プーリのシーブ間でベルトの挟み込みが解除された状態を示す概略断面図であり、(b)は(a)を上方から見た図である。 本発明に係る実施形態で走行中にアクセルペダルの非操作でブレーキペダルを操作する場合において、CVT入力軸及びCVT出力軸の回転速度と、ベルト張力との時間的変化を示す図である。 本発明に係る実施形態の別例の車両用無段変速制御システムの目的を説明するための、坂路上での車両の停止状態を示す概略図である。 本発明に係る実施形態の別例の車両用無段変速制御システムで、車両停止後でブレーキ解除後の減速比制御方法を示すフローチャートである。 図11の減速制御方法を実施した場合の車速と減速比との関係の1例を示す図である。 本発明に係る実施形態の別例の第2例の車両用無段変速制御システムで、車両走行中のアクセルペダルの非操作後の減速比制御方法を示すフローチャートである。 本発明に係る実施形態の別例の第3例の車両用無段変速制御システムで、変速レバーが後進位置に切り替えられた場合の減速比制御方法を示すフローチャートである。 (a)は、実施形態の別例の第3例で後進時の最小減速比を実現する場合の2つのプーリ間でのベルトの巻きかけ状態を示す概略断面図であり、(b)は(a)を上方から見た図である。 実施形態の別例の第3例で、前進車速及び後進車速と無段変速装置の減速比との関係を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下では、車両用無段変速制御システムを搭載する車両が、必要な場合に牽引作業を行うための作業用部材である牽引部材を持つ場合を説明するが、これは例示である。例えば、車両は、牽引部材を持たず、荒地、岩山等の不整地を走行するオフロード車、または除雪作業、掘削作業、土木作業、農作業のいずれか1つ以上の作業を行う作業用部材を有する作業車両、またはオフロード車及び作業車両の両方の機能を有するオフロード型多用途車両(Utility Vehicle)としてもよい。また、車両の駆動方式として、前輪のみまたは後輪のみの駆動でもよい。なお、以下ではすべての図面において同様の要素には同一の符号を付して説明する。
(車両の全体構成)
図1から図8は、実施形態を示す図である。図1は、本実施形態の車両用無段変速制御システム12を搭載する作業車両である車両10の全体構成を示す概略図を示している。図2は、図1の車両10に搭載される無段変速制御システム12の構成をブロック図で示している。
図1に示す車両10は、車体の前後に支持された車輪である前輪14及び後輪16と、車室内に設けられた図2に示す操作要素群18と、エンジン20と、無段変速制御システム12と、動力伝達機構22とを備える。なお、作業時に必要な場合には、車両10に牽引部材17を設けることもできる。
牽引部材17は、車体の後部に後方に延出して設けられたアーム23と、アーム23上側に設けられたヒッチボール25とを含む。ヒッチボール25は、負荷であるトレーラ150の前側に設けられた被牽引部152を上下方向の軸を中心とする回動を可能に係合させて、車両10でトレーラ150を牽引する牽引作業を可能に構成される。
操作要素群18は、図示しない運転席の前側に設けられたアクセルペダル24及び制動操作部であるブレーキペダル26と、車両10の左右方向中央付近に設けられた第2制動操作部であり、上下に揺動変位可能なパーキングブレーキレバー28と、図示しないステアリング操作子と、図2に示す変速指示部である変速レバー30とを有する。
ブレーキペダル26は、前輪14及び後輪16の一方または両方に設けられた油圧式の制動装置に油圧を供給するマスタシリンダのピストンにリンクまたはロッドで連結され、ユーザの操作である踏み込みにより制動装置を作動させ、車輪を制動するように構成される。パーキングブレーキレバー28は、前輪14及び後輪16の一方または両方に設けられた制動維持装置にリンクまたはワイヤで連結され、ユーザの操作である引き上げにより制動維持装置を作動させ、車輪の制動または制動維持を行うように構成される。なお、図1の後述するプロペラ軸32のPで示す位置に、パーキングブレーキレバー28に連動してプロペラ軸32の回転を停止させるセンターブレーキ装置を制動維持装置として設けてもよい。ステアリング操作子は、例えばステアリングホイールにより構成され、アッカーマン方式の操舵機構により前輪14を操舵可能に連結される。
変速レバー30は、前進位置であるF位置と、中立位置であるN位置と、後進位置であるR位置とのいずれかへの切替を可能とするように、前後への揺動変位を可能に車体に支持される。なお、変速レバー30として、前進の低速段位置であるFL位置と、前進の高速段位置であるFH位置と、中立位置であるN位置と、後進位置であるR位置とのいずれかへの切替を可能とする構成を用いて、前進速度を2段階に切替可能としてもよい。
エンジン20は、前輪14及び後輪16の動力源として用いられ、後述するエンジン始動部34によって始動される。エンジン20は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンを含む複数種類の形式のいずれを用いてもよい。また、車両にエンジン20とエンジン20により駆動され発電する発電機と、発電機で発電した電力を直接またはバッテリを介して供給することで駆動するモータとを搭載したハイブリッド型としてもよい。エンジン20の吸入空気量はスロットル弁の開度で調節され、スロットル弁の開度が大きくなるほど吸入空気に混入される燃料の量が増大してエンジン20の回転速度が上昇する。スロットル弁の開度は、後述のエンジン制御部で制御されるが、通常はエンジン効率のよい予め設定された一定回転速度で回転するように制御される。アクセルペダル24のペダル位置の検出信号が後述する制御装置70に送信される。制御装置70は、ペダル位置が表すアクセルペダル24の踏み込み量の増大に応じて、後述する無段変速装置68の減速比を最大減速比から最小減速比に向けて小さくするように制御する。
無段変速制御システム12は、エンジン20の出力軸21に連結されたCVT入力軸36の動力を変速してCVT出力軸38に出力するためのものであり、エンジン20と前輪14及び後輪16との間の動力伝達経路のエンジン20側に設けられる。無段変速制御システム12の詳細構造は後述する。
動力伝達機構22は、動力伝達経路の前輪14及び後輪16側に設けられ、無段変速制御システム12のCVT出力軸38の動力が入力されて、前輪14に連結された左右の前車軸40,42及び後輪16に連結された左右の後車軸44,46のそれぞれに動力を出力する。動力伝達機構22は、変速歯車装置48、後車軸44,46、第1動力変換機構50、プロペラ軸32、第2動力変換機構52、前側差動歯車装置54、及び前車軸40,42を含む。
変速歯車装置48は、ケース55内で第1変速軸49の周囲に配置された駆動歯車群56と、ケース55に第1変速軸49と平行でかつ回転可能に支持された第2変速軸58と、ケース55内で第2変速軸58の周囲に配置された従動歯車群60と、後側差動歯車装置62とを有する。第1変速軸49は、CVT出力軸38に同軸に固定される。駆動歯車群56は、第1変速軸49に固定された駆動側前進歯車及び駆動側後進歯車を有する。従動歯車群は60、第2変速軸58の周囲に相対回転可能に配置された従動側前進歯車及び従動側後進歯車を有する。
従動側前進歯車は駆動側前進歯車に噛合され、従動側後進歯車は、図示しない後進歯車軸に固定された中間歯車を介して駆動側後進歯車に噛合される。第2変速軸58の周囲で従動側前進歯車及び従動側後進歯車の間には、図示しないクラッチスライダが配置される。クラッチスライダは、第2変速軸58または第2変速軸58に固定されたスプラインハブに、相対回転不能で軸方向の摺動可能にスプライン係合される。クラッチスライダは、図示しないクラッチフォーク及びリンク機構を介して変速レバー30に連結される。変速レバー30の操作に伴いクラッチスライダが軸方向に移動することで、従動側前進歯車または従動側後進歯車にクラッチスライダが係合して、従動側前進歯車または従動側後進歯車が第2変速軸58に固定される。
後側差動歯車装置62は、第2変速軸58に固定された中間出力歯車と噛合する出力歯車と、差動歯車とを有し、出力歯車の回転を左右の後車軸44,46に伝達するとともに、車両10の旋回に応じて左右の後車軸44,46の回転を変化させる。
第1動力変換機構50は、複数の歯車を含み、ケース55から突出した第2変速軸58の回転を、車両10の前後方向に沿った軸を中心とする回転方向に変換してプロペラ軸32に伝達する。プロペラ軸32はエンジン20の下側を通過して、第2動力変換機構52に連結される。第2動力変換機構52は、複数の歯車を含み、プロペラ軸32の回転を車両10の左右方向に沿った軸を中心とする回転方向に変換して、前車軸40と前側差動歯車装置54の入力軸とに伝達する。前側差動歯車装置54は、車両の旋回に応じて入力軸及び前車軸42の回転を変化させる。なお、前側差動歯車装置54は、第2動力変換機構52と前車軸42との間に設けてもよい。また、第2動力変換機構52の出力軸の回転を前側差動歯車装置54に入力し、前側差動歯車装置54に出力軸として左右の前車軸40,42を連結してもよい。
この構成により、変速レバー30の変位によりF位置が選択された場合に、クラッチスライダが従動側前進歯車と係合して車両10の前進が可能となり、R位置が選択された場合に、クラッチスライダが従動側後進歯車と係合して車両の後進が可能となる。変速レバー30の変位によりN位置が選択された場合、クラッチスライダが従動側前進歯車と従動側後進歯車との間に配置され、従動側前進歯車及び従動側後進歯車のいずれとも係合しないニュートラル状態となる。この場合には、CVT出力軸38の回転は前車軸40,42及び後車軸44,46のいずれにも伝達されない。このため、エンジン20の駆動中でも車両10は駆動停止状態となる。
なお、変速歯車装置48の構成は上記の構成に限定するものではなく、種々の構成を採用できる。例えば、変速歯車装置48で前進の2段階変速の切替を可能に構成する場合に、第1変速軸49に駆動側低速歯車及び駆動側高速歯車を固定し、第2変速軸58の周囲に従動側低速歯車及び従動側高速歯車を第2変速軸58に対する相対回転可能に配置してもよい。従動側低速歯車は駆動側低速歯車に噛合され、従動側高速歯車は駆動側高速歯車に噛合される。この場合、第2変速軸58の周囲で従動側低速歯車と従動側高速歯車との間に、図示しないクラッチフォーク及びリンク機構を介して変速レバー30に連結された第2クラッチスライダが配置される。第2クラッチスライダは、第2変速軸58または第2変速軸58に固定されたスプラインハブに、相対回転不能で軸方向の摺動可能にスプライン係合される。この構成により、変速レバー30の移動により低速前進を表すFL位置が選択された場合にクラッチスライダが従動側低速歯車と係合して、車両10の低速段での前進が可能となる。一方、変速レバー30で高速前進を表すFH位置が選択された場合にクラッチスライダが従動側高速歯車と係合して、車両10の高速段での前進が可能となる。なお、変速レバー30は、図2のように前後方向にのみ移動可能な構成ではなく、H形またはクランク形に移動可能な構成を採用してもよい。
(無段変速制御システムの全体構成)
図2に示すように、無段変速制御システム12は、操作側センサスイッチ群64と、電源であるバッテリ66と、エンジン始動部34と、駆動側センサスイッチ群67と、無段変速装置68と、ECU(Electronic Control Unit)と呼ばれる制御装置70と、表示機71と、アクチュエータドライバ72とを含んでいる。
操作側センサスイッチ群64は、始動停止指示部であるキースイッチ74、アクセルペダルセンサ76、制動指示手段であるブレーキペダルスイッチ78、第2制動指示手段であるパーキングレバースイッチ80、及び変速指示位置検出手段である変速レバースイッチFS,NS,RSを含む。
キースイッチ74は、ユーザがキーを差し込んだ状態で、そのキーをひねる手動操作に応じてオンとオフとが切り替えられ、オンオフ状態を表す信号を制御装置70に出力する。始動停止指示部として、キースイッチ74以外に、キーを必要とせずにオンオフの切り替え可能なスイッチ、または押圧ごとにオンオフが切り替わる押しボタンを用いてもよい。
アクセルペダルセンサ76は、アクセルペダル24のペダル位置を検出する。ブレーキペダルスイッチ78は、ブレーキペダル26がユーザによって操作される、すなわち踏み込まれる場合にオンされ、ブレーキペダル26がユーザによって操作されたことを取得する。ブレーキペダルスイッチ78は、ブレーキペダル26が非操作、すなわち踏み込まれない場合にオフされる。なお、ブレーキペダルスイッチ78の代わりに、またはこれとともに、ブレーキペダル26の踏み込み量を測定するセンサを用いて、このセンサによりブレーキペダル26が操作されたか否かを検出し、それを表す信号に応じて後述する無段変速装置68のシーブ間距離を制御することもできる。
パーキングレバースイッチ80は、パーキングブレーキレバー28が上側に操作された場合にオンされ、下側に戻された場合にオフされる。変速レバースイッチFS,NS,RSは、変速レバー30の複数の操作位置のF,N,R位置にそれぞれ対応して設けられた複数のスイッチを含む。各変速レバースイッチスイッチFS,NS,RSは、変速レバー30が対応する操作位置に操作された場合にオンされ、異なる位置に操作された場合にオフされることで、変速レバー30の操作位置を検出する。
図2に示すように、アクセルペダルセンサ76は、検出ペダル位置を表す信号を制御装置70に送信する。キースイッチ74及び変速レバースイッチFS,NS,RSのそれぞれは、それぞれのオンオフ状態を表す信号を制御装置70に送信する。ブレーキペダルスイッチ78は、ブレーキペダル26がユーザによって操作されたことを取得した場合に、車両の制動の指示を表す制動指示信号を制御装置70に送信する。パーキングレバースイッチ80は、パーキングブレーキレバー28がユーザによって操作されたことを取得した場合に、車両10の制動または制動維持の指示を表す制動指示信号を制御装置70に送信する。なお、以下では、アクセルペダル24が操作されることをアクセルオンとし、アクセルペダル24が非操作となることをアクセルオフとする。同様に、ブレーキペダル26またはパーキングブレーキレバー28が操作されることをブレーキオンとし、ブレーキペダル26またはパーキングブレーキレバー28が非操作となることをブレーキオフとする。
バッテリ66は、制御装置給電リレー82を介して制御装置70に接続される。電源としてバッテリ66以外に、キャパシタを使用してもよい。制御装置給電リレー82は、バッテリ66と制御装置70との間に接続され、そのオンオフ状態が、制御装置70の後述する第1リレー制御部84により制御される。制御装置給電リレー82は、制御装置70からのオン指令信号の維持によりオンが維持され、オン指令信号の遮断によりオフされる。
エンジン始動部34は、セルモータを含み、バッテリ66からセルモータに電力が供給された場合に駆動され、エンジン20を始動する。エンジン始動部34は、始動部給電リレー86を介してバッテリ66に接続される。始動部給電リレー86は、バッテリ66とエンジン始動部34との間に接続され、そのオンオフ状態が、制御装置70の後述する第2リレー制御部88により制御される。始動部給電リレー86は、制御装置70からのオン指令信号が遮断されることによりオフされ、制御装置70からのオン指令信号の入力によりオンされる。
駆動側センサスイッチ群67は、エンジン回転センサであるCVT入力軸回転センサ90と、ニュートラルスイッチ92と、CVT出力軸回転センサ94と、後述するシーブ位置センサ96とを含む。CVT入力軸回転センサ90は、CVT入力軸36と一体に回転するエンジン20の出力軸21の回転速度を、CVT入力軸回転速度として検出し、その回転速度を表す信号を制御装置70に送信する。ニュートラルスイッチ92は、変速歯車装置48でニュートラル状態となった場合に、そのニュートラル状態の成立を検出し、その成立を表す信号を制御装置70に送信する。CVT出力軸回転センサ94は、図1に示す従動プーリ98の出力軸であるCVT出力軸38の回転速度を検出し、その回転速度の検出値を表す信号を制御装置70に送信する。なお、「回転速度」の意味には、単位時間当たり、例えば毎分当たりの回転速度である回転数も含まれる。
(無段変速装置の構造)
図3は、無段変速装置68において、通常最大減速比が実現される場合の断面図を示している。無段変速装置68は、変速機ケース100に回転可能に支持されたCVT入力軸36及びCVT出力軸38と、CVT入力軸36の外径側に設けられた駆動プーリ102と、CVT出力軸38の外径側に設けられた従動プーリ98と、駆動プーリ102及び従動プーリ98にかけ渡された金属製のベルト104と、電動アクチュエータ106とを含む。
CVT入力軸36は、エンジン20の出力軸21と同軸に固定される。CVT出力軸38は、CVT入力軸36と平行に配置される。駆動プーリ102は、変速機ケース100内に設けられた第1固定シーブ108及び第1移動シーブ110を含む。第1固定シーブ108は、CVT入力軸36の一端部外周面に径方向に突出するように一体形成される。第1移動シーブ110は、第1固定シーブ108に対して軸方向の移動可能で、かつ、相対回転不能にCVT入力軸36の軸部112の周囲に配置される。第1移動シーブ110は、変速機ケース100との間にバネ114を取り付けることにより軸方向に関して第1固定シーブ108から離れる方向に付勢される。図1、図2に示すシーブ位置センサ96は、第1移動シーブ110の軸方向位置を検出し、その軸方向位置を表す信号を制御装置70に送信する。なお、エンジン20の出力軸21とCVT入力軸36とをトルクコンバータを介して連結してもよい。この場合、CVT入力軸回転センサ90は、CVT入力軸36及び出力軸21のうち、CVT入力軸36の回転速度を検出するように設ける。
従動プーリ98は、変速機ケース100内に設けられた第2固定シーブ116及び第2移動シーブ118を含む。第2固定シーブ116は、CVT出力軸38の一端部外周面に径方向に突出するように一体形成される。第2移動シーブ118は、第2固定シーブ116に対して軸方向に移動可能で、かつ、相対回転不能にCVT出力軸38の軸部120の周囲に配置される。第2移動シーブ118は変速機ケース100との間に設けられたバネ122により軸方向に関して第2固定シーブ116に近づく方向に付勢される。この構成により、駆動プーリ102及び従動プーリ98からベルト104に張力が付与され、しかもその張力が一定に維持される。CVT出力軸38は、外周面において、第2固定シーブ116の根元部に設けられた移動制限部である段差面124を有する。段差面124は、CVT出力軸38の軸方向に対し直交する平面上に位置し、第2移動シーブ118が第2固定シーブ116に近づく場合に、第2移動シーブ118の一端部が突き当たることで軸方向移動を制限する。なお、移動制限部はこのような構成に限定するものではなく、CVT出力軸38またはCVT出力軸38に固定の部材に形成されて、第2移動シーブ118の第2固定シーブ116に対する接近を制限するものであればよい。
電動アクチュエータ106は、両方向に回転可能な電動モータ126と、電動モータ126の回転に応じて、第1移動シーブ110を軸方向に移動させるボールねじ機構128とを有する。ボールねじ機構128は、電動モータ126の回転軸に固定された小歯車130と、外周面に小歯車130と噛合する歯車部を有する外側ねじ部材132と、外側ねじ部材132の内径側に配置された内側ねじ部材134と、内側ねじ部材134及び外側ねじ部材132の間に配置された複数のボール136とを含む。内側ねじ部材134は、変速機ケース100に固定される。複数のボール136は、外側ねじ部材132の内周面の螺旋溝と内側ねじ部材134の外周面の螺旋溝との間に配置される。外側ねじ部材132と第1移動シーブ110との間に軸受138が配置される。電動モータ126は、後述する制御装置70により制御される。
電動モータ126の一方向の回転により小歯車130と噛合する外側ねじ部材132が一方向に回転しながら図3の左側に移動した場合に、第1移動シーブ110もバネ114により図3の左側に移動し、固定シーブ108及び移動シーブ110同士のシーブ間距離は大きくなる。この場合、駆動プーリ102でのベルト104の巻きかけ長さは小さくなり、第2移動シーブ118は、バネ122の付勢力により第2固定シーブ116に近づくように図3の左側に移動する。このため、駆動プーリ102に対するベルト104の巻きかけ位置が内径側に移動し、逆に従動プーリ98に対するベルト104の巻きかけ位置は外径側に移動する。この場合、駆動プーリ102の回転が減速されて従動プーリ98に伝達される。
図4(a)(b)は、通常最大減速比が実現される場合の駆動プーリ102及び従動プーリ98のベルト104の巻きかけ位置を示している。「通常最大減速比」は、プーリ102,98間でベルト104の滑りがなく動力が伝達される場合の最大減速比である。一方、後述するように通常最大減速比状態から駆動プーリ102のシーブ間距離が離れることで、減速比が大きくなるが、この場合はベルトがプーリ102,98に対し滑り、プーリ102,98間でほとんど動力が伝達されなくなる。図4では駆動プーリ102のシーブ間距離d1は大きくなり、従動プーリ98のシーブ間距離d2は小さくなる。この場合、CVT出力軸38の回転速度V2に対するCVT入力軸36の回転速度V1の比である、無段変速装置68の減速比V1/V2は最大になるので、エンジン20の回転が最大に減速されてCVT出力軸38に伝達される。
一方、図3において、電動モータ126の他方向の回転により外側ねじ部材132が回転しながら図3の右側に移動した場合、外側ねじ部材132は軸受138を介して第1移動シーブ110をベルト104側に押圧しシーブ間距離は小さくなる。この場合、駆動プーリ102でのベルト104の巻きかけ長さは大きくなり、第2移動シーブ118はバネ122の付勢力に抗して第2固定シーブ116から離れるように図3の右側に移動する。このため、駆動プーリ102に対するベルト104の巻きかけ位置が外径側に移動し、従動プーリ98に対するベルト104の巻きかけ位置は内径側に移動する。この場合、駆動プーリ102の回転は増速されて、すなわち減速比が1よりも小さくなって従動プーリ98に伝達される。
図5(a)(b)は、最小減速比が実現される場合の駆動プーリ102及び従動プーリ98のベルト104の巻きかけ位置を示している。図5では駆動プーリ102のシーブ間距離d1は小さくなり、従動プーリ98のシーブ間距離d2は大きくなる。この場合、無段変速装置68の減速比V1/V2は最小になるので、エンジン20の回転が最大に増速されてCVT出力軸38に伝達される。
一方、駆動プーリ102では図3のように通常最大減速比が実現された後、第1移動シーブ110が第1固定シーブ108からさらに離れて、シーブ間距離が予め設定された所定量以上となり、第1移動シーブ110の一端部がCVT入力軸36の一部またはCVT入力軸36に固定された部材に突き当てられた状態で、図6に示す状態となる。この状態で、駆動プーリ102での第1移動シーブ110と第1固定シーブ108との間でのベルト104の挟み込みが解除されて、ベルト104の内周面がCVT入力軸36の軸部112の外周面に接触する。この状態でCVT入力軸36及び従動プーリ98からベルト104に付与される張力が0となるようにベルト104及びベルト104がかけ渡される部分の寸法が規制される。この状態で、CVT入力軸36の回転はベルト104に伝達されず、ベルト104に対しCVT入力軸36は空回りする。また、図3の従動プーリ98では、第2移動シーブ118の一端部がCVT出力軸38の段差面124に突き当たるまで、第2移動シーブ118がバネ122の付勢力により移動制限部である第2固定シーブ116に接近する。「通常最大減速比」は、駆動プーリ102でのシーブ間距離が所定量未満となり、駆動プーリ102と従動プーリ98との間でベルト104によってすべりがなく動力が伝達される場合の最大減速比である。
なお、図7に示す別例のように、CVT入力軸36の軸部112の外周面とベルト104との間に樹脂等の円筒スリーブ140を配置して、駆動プーリ102でのベルト104の挟み込みが解除された場合に、ベルト104に対するCVT入力軸36の空回りをさらに容易にする構成を採用してもよい。
(制御装置の構成)
図2に戻って、制御装置70は、CPU、メモリ等の記憶部を有するマイクロコンピュータを含み、車速算出部141と、図示しないエンジン制御部と、変速制御部142と、判定部144と、ベルト挟み込み解除部146と、第1リレー制御部84及び第2リレー制御部88とを有する。
車速算出部141は、CVT出力軸回転センサ94で検出された従動プーリ98の出力軸回転速度と、変速レバースイッチFS,NS,RSで検出された変速レバー30の操作位置とから車速を算出する。変速制御部142は、アクセルペダル24の検出ペダル位置に応じて、または検出ペダル位置とエンジン20の回転速度の検出値とに応じて予め設定された変速パターンにしたがって、電動アクチュエータ106の電動モータ126の駆動を、アクチュエータドライバ72を介して制御する。アクチュエータドライバ72は、インバータを有し、制御装置70からの制御信号に応じて電動モータ126の駆動電流を発生して、電動モータ126を駆動する。変速パターンでは、車速が増大するのにしたがって減速比が小さくなる。なお、エンジン20では、運転時に効率のよい一定回転速度での回転が維持するように制御される。
判定部144は、ブレーキペダルスイッチ78またはパーキングレバースイッチ80から制動指示信号が入力されたか否か、すなわちブレーキオンがされたか否かを判定する。
ベルト挟み込み解除部146は、判定部144によりブレーキオンがされたと判定された場合に、図6または図7に示したように、駆動プーリ102のシーブ間距離を予め設定された所定量以上に大きくし、固定シーブ108と移動シーブ110とによるベルト104の挟み込みを解除する。一方、制御装置70は、ブレーキオフでは変速パターンにしたがって第1移動シーブ110が第1固定シーブ108に近づいて、ベルト104を挟み込み状態とする。
第1リレー制御部84は、ユーザの操作によりキースイッチ74がオンからオフに切り替えられた場合において、駆動プーリ102でのベルト104の挟みこみが維持された動力伝達状態では、制御装置給電リレー82へのオン指令信号を維持し、オン状態を維持する。この構成により、駆動プーリ102と従動プーリ98との間でのベルト104による動力伝達の継続状態では、ブレーキオフ状態であるので、キースイッチ74がオンからオフに切り替えられた場合でも、制御装置70はオン状態のままである。
一方、第1リレー制御部84は、キースイッチ74がオンからオフに切り替えられた場合において、ブレーキオンにより、駆動プーリ102でのベルト104の挟み込みが解除された動力伝達遮断状態では、車両の走行停止を条件として、制御装置70がエンジン20を停止させる。その後、制御装置70は、制御装置給電リレー82へのオン指令信号を遮断し、オフ状態とする。この構成により、キースイッチ74がオンからオフに切り替えられた場合で、プーリ102,98間でのベルト104による動力伝達が遮断された場合に、車両の走行停止を条件として、制御装置70がエンジン20を停止させた後、制御装置70への給電が停止される、すなわちオフされる。
第2リレー制御部88は、キースイッチ74がオフからオンに切り替えられた場合において、駆動プーリ102でのベルト104の挟み込みが維持された動力伝達状態では、始動部給電リレー86へのオン指令信号を遮断し、オフ状態とする。この構成により、プーリ102,98間でのベルト104による動力伝達の継続状態では、キースイッチ74がオフからオンに切り替えられた場合でも、エンジン20は始動されない。
一方、第2リレー制御部84は、キースイッチ74がオフからオンに切り替えられた場合において、駆動プーリ102でのベルト104の挟み込みが解除された動力伝達遮断状態では、始動部給電リレー86へオン指令信号を入力し、オン状態とする。この構成により、駆動プーリ102と従動プーリ98との間でのベルト104による動力伝達の遮断状態では、キースイッチ74がオフからオンに切り替えられることにより、エンジン20が始動される。
また、制御装置70は、キースイッチ74がオンからオフに切り替えられた場合でも、変速レバースイッチFS,NS,RSからの検出信号によるN位置への切り替えと、ニュートラルスイッチ92からの検出信号によるニュートラル状態の成立との両方が検出されない場合には、制御装置給電リレー82をオフしないようにすることもできる。また、制御装置70は、キースイッチ74がオフからオンに切り替えられた場合でも、変速レバースイッチFS,NS,RSからの検出信号によるN位置への切り替えと、ニュートラルスイッチ92からの検出信号によるニュートラル状態の成立との両方が検出されない場合には、始動部給電リレー86をオンしないようにすることもできる。
表示機71は、運転席周辺部に設けられ、液晶表示部または変速レバー位置を表す複数の点灯部を有する。制御装置70は、変速レバースイッチFS,NS,RSの検出信号の入力に応じて変速レバー30の操作位置をユーザに知らせるように、または異常時の異常個所を表示機71で表示または点灯させる。
(無段変速制御システムの作用及び効果)
上記の無段変速制御システム12によれば、制御装置70にブレーキペダルスイッチ78またはパーキングレバースイッチ80から制動指示信号が入力された場合に、第1移動シーブ110と第1固定シーブ108とによるベルト104の挟み込みが解除される。図8で(a)は、図3の無段変速装置68で駆動プーリ102のシーブ間でベルト104の挟み込みが解除された状態を示す概略断面図であり、(b)は(a)を上方から見た図である。ベルト104の挟みこみが解除された状態で、エンジン20の駆動によりCVT入力軸36及び駆動プーリ102が図8(a)の矢印α方向に回転しても、CVT入力軸36及び従動プーリ98からベルト104に付与される張力Tは0となり、ベルト104が撓んだ状態となるので、CVT入力軸36の動力はベルト104に伝達されない。このため、ブレーキオンで車両が減速する場合に、エンジン20の回転速度の低下と車輪の減速との間でずれが生じる場合でも、CVT入力軸36及び駆動プーリ102とベルト104との間の摩擦を抑制できる。
図9は、本実施形態で走行中にアクセルオフでブレーキオンとする場合において、CVT入力軸36及びCVT出力軸38の回転速度V1,V2と、ベルト張力Tとの時間的変化を示している。アクセルオンでCVT入力軸36及びCVT出力軸38が回転している走行中に、アクセルオフとした後、ブレーキオンとすると、エンジン20の回転速度の低下に伴ってCVT入力軸36が早期に減速する。しかしながら、CVT出力軸38に連動する車輪の減速がブレーキペダル26の操作量に影響されて緩やかに減速する場合があり、図9のようにCVT入力軸36とCVT出力軸38との間で回転速度の差が生じる場合がある。この場合でも、ブレーキオフでベルト104の張力が時間t1以降でほぼ0となるので、t1以降での速度領域Sで回転速度V1,V2間に差があっても制動時のベルト104の摩耗を抑制できる。しかも、遠心クラッチを設ける必要がないので、部品点数及び製造コストを低減できる。
また、バッテリ66と制御装置70との間に制御装置給電リレー82が接続され、制御装置70は、キースイッチ74がオンからオフに切り替えられた場合において、駆動プーリ102でのベルト104の挟み込みが維持された動力伝達状態で、制御装置給電リレー82へのオン指令信号を維持する。また、駆動プーリ102でのベルト104の挟み込みが解除された動力伝達遮断状態では、制御装置給電リレー82へのオン指令信号を遮断する。このため、キースイッチ74がオンからオフに切り替えられた場合に駆動プーリ102及び従動プーリ98の間の動力伝達が継続される状態で制御装置70の起動が継続する。ブレーキペダル26またはパーキングブレーキレバー28が操作され、駆動プーリ102でのベルト104の挟み込みが解除された状態でのみ、制御装置給電リレー82がオフされ、バッテリ66から制御装置70への給電が停止され、車両のシステムがオフされる。このため、変速レバースイッチFS,NS,RSまたはニュートラルスイッチ92の故障時で変速歯車装置48がニュートラル状態である場合にエンジン20が誤って始動されても、無段変速装置68での動力伝達が遮断されているので意図しない車両10の突然の動き出しを防止できる。
また、バッテリ66とエンジン始動部34との間に始動部給電リレー86が接続され、制御装置70は、キースイッチ74がオフからオンに切り替えられた場合において、駆動プーリ102でのベルト104の挟み込みが維持された動力伝達状態で、始動部給電リレー86へのオン指令信号を遮断する。また、駆動プーリ102でのベルト104の挟み込みが解除された動力伝達遮断状態では、始動部給電リレー86へオン指令信号を入力する。このため、キースイッチ74がオフからオンに切り替えられる場合に駆動プーリ102及び従動プーリ98間の動力伝達が維持された状態でエンジン20が始動することはない。このため、変速レバースイッチFS,NS,RSまたはニュートラルスイッチ92の故障時でも、エンジン20と前輪14及び後輪16との間での動力伝達の維持状態でエンジン20が始動することはなく、意図しない車両の突然の動き出しを防止できる。
なお、上記の実施形態の別例として、無段変速制御システム12の判定部144が、ブレーキペダルスイッチ78またはパーキングレバースイッチ80からの制動指示信号の入力と、特定条件として、算出された車速が予め設定された所定値以下であることの成立との有無を判定する構成を採用してもよい。この場合、ベルト挟み込み解除部146は、制動指示信号の入力と、算出された車速が所定値以下であることの成立とがある場合にのみ、駆動プーリ102でのベルト104の挟み込みを解除するように無段変速装置68を制御する。
このような構成を採用した場合、車両10の車速がエンジンブレーキを含む手段により所定値以下になるまでは、ブレーキペダル26またはパーキングブレーキレバー28が操作されても駆動プーリ102でのベルト104の挟み込みは解除されない。このため、車速が高い状態でブレーキペダル26またはパーキングブレーキレバー28が操作される場合にエンジンブレーキを効果的に利かせることができ、車両10を効率よく減速させることができる。
(別例の制御内容)
図10は、本発明に係る実施形態の別例の車両用無段変速制御システム12の目的を説明するための、坂路148上での車両10の停止状態を示す概略図である。車両10には上記の実施形態の無段変速制御システム12が搭載されており、ユーザが坂路148上でブレーキペダル26またはパーキングブレーキレバー28を操作して車両10を停止させた後、再発進しようとしてブレーキペダル26またはパーキングブレーキレバー28を解除した場合に、アクセルオフでエンジン20の回転速度がアイドル速度、すなわち低速度である場合でも、重力の作用で車両が図9のβ方向にずり下がって車速が上昇する。この場合、車速の上昇にしたがって無段変速装置68の減速比が低下する。このため、エンジンブレーキを効果的に利かせて車速を低く維持することが困難になる場合がある。
本例の構成では、上記の図2に示した実施形態と同様に、CVT出力軸回転センサ94と制御装置70とを有する。また、制御装置70の判定部144は、ブレーキオンで車両が停止する、すなわち車速算出部141で算出される算出車速が0になったことが確認された後のブレーキオフ後で、かつ、アクセルオフで、算出車速が予め設定された所定車速Va以上か否かを判定する。この場合、所定車速Vaは、無段変速装置68で通常最大減速比が実現される車速Vfよりも高い。変速制御部142は、車両停止後のブレーキオフ後で、かつ、アクセルオフで、算出車速が所定車速Va以上である場合に、無段変速装置68で通常最大減速比Naが実現されるように第1移動シーブ110を移動させる。
図11は、本例の構成で、車両停止後でブレーキ解除後の減速比制御方法をフローチャートで示している。フローチャートで示すように、ステップS10(以下、ステップSは単にSという。)で制御装置70の判定部144は、ブレーキオンで車両を停止させた後にブレーキオフとなっているか否かを判定する。S10の判定結果が肯定であれば、S12でアクセルオフか否かを判定する。S12の判定結果が肯定であれば、S14で算出車速を確認し、算出車速が無段変速装置68の通常最大減速比Naに対応する車速Vfよりも高い予め設定された所定車速Va以上に上昇したか否かを判定する。S14で算出車速が所定車速Va以上に上昇したと判定された場合に、S18に移行する。S18では、制御装置70の変速制御部142は、ブレーキオンオフ状態とは無関係に無段変速装置68で通常最大減速比Naが実現されるように、電動アクチュエータ106を含む無段変速装置68を制御して第1移動シーブ110を移動させ(S18)、S12へ戻る。一方、S12の判定結果が否定の場合には、S16で、車速の上昇にしたがって無段変速装置68の減速比が小さくなる通常制御に戻る。また、S14の判定結果が否定の場合には、S18を経ずにS12に戻る。
この構成によれば、上記のように車両10が坂路148上でブレーキオンで停止した後にブレーキオフした場合に、坂路148の傾斜に応じて車両10がずり下がり車速が上昇する場合でも、その車速を低く維持することが容易になる。図12は、図11の減速制御方法を実施した場合の車速と減速比との関係の1例を示している。坂路上で車両を停止させた車速0の状態からブレーキオフによって車速が上昇し、車速の上昇にしたがって、無段変速装置68の減速比が通常最大減速比Naよりも低下する。一方、車速が所定車速Va以上となると、図12のP1からP2に移行して、無段変速装置68の減速比が通常最大減速比Naまで戻る。このため、車輪の回転速度に対するエンジン20の回転速度変動の影響が大きくなり、エンジンブレーキを効果的に利かせて車速を低く維持することが容易になる。一方、アクセルオンでは無段変速装置68の制御が通常制御に戻る。その他の構成及び作用は、上記の図1から図9の構成と同様である。
(別例の第2例の制御内容)
図13は、本発明に係る実施形態の別例の第2例の車両用無段変速制御システム12で、車両走行中のアクセルオフ後の減速比制御方法をフローチャートで示している。本例の構成では、車両10が坂路を走行中にアクセルオフとなった場合で、算出車速が予め設定された所定車速Vb以上である場合にエンジンブレーキを効果的に利かせることを目的とする。
本例の構成では、図2を参照して、判定部144は、アクセルオフであり、かつ、算出車速が予め設定された所定車速Vb以上か否かを判定する。変速制御部142は、その判定結果が肯定である場合に、無段変速装置68で通常最大減速比Naが実現されるように第1移動シーブ110を移動させる。
図13のフローチャートで示すように、S20で判定部144は、アクセルオフか否かを判定し、アクセルオフの場合にS22で算出車速を確認し、算出車速が予め設定された所定車速Vb以上に上昇したか否かを判定する。S22で算出車速が所定車速Vb以上に上昇したと判定された場合に、S26に移行する。S26で変速制御部142は、ブレーキオンオフ状態とは無関係に無段変速装置68で通常最大減速比Naが実現されるように無段変速装置68を制御して第1移動シーブ110を移動させる(S26)。一方、S20の判定結果が否定の場合には、S24で、車速の上昇にしたがって無段変速装置68の減速比が小さくなる通常制御に戻る。また、S22の判定結果が否定の場合には、S26を経ずにS20に戻る。
この構成によれば、車両10の坂路上での走行中にアクセルオフでも重力の作用で車速が上昇するが、その車速の上昇を抑制することが容易になる。その他の構成及び作用は、上記の図1から図9の構成または図11、図12の構成と同様である。
(別例の第3例の制御内容)
図14は、本発明に係る実施形態の別例の第3例の車両用無段変速制御システム12で、変速レバー30が後進位置であるR位置に切り替えられた場合の減速比制御方法を示すフローチャートである。図15は、別例の第3例で後進時の最小減速比を実現する場合のプーリ102,98間のベルト104の巻きかけ状態を示している。本例の構成では、図1、図2を参照して示すように、無段変速装置68の出力を変速する変速歯車装置48に使用する前進用及び後進用の各歯車に同じ減速比の歯車を使用して、変速歯車装置48の製造コストの低減を図れる構成で、後進時の最高速を前進時の最高速よりも低くすることを目的とする。
本例の構成では、制御装置70の判定部144は、変速レバースイッチFS,NS,RSの検出信号から変速レバー30の操作位置がR位置であるか否かを判定する。変速制御部142は、変速レバー30の操作位置がR位置であることが検出された場合に、最初に無段変速装置68で通常最大減速比Naが実現されるように第1移動シーブ110を移動させるとともに、記憶部に設定される無段変速装置68の減速比の最小値を、予め設定された所定後進減速比に変更するように設定する。所定後進減速比は、前進時の最小減速比である所定前進減速比と通常最大減速比Naとの間で設定される。例えば、所定後進減速比は、所定前進減速比の約2倍である。通常最大減速比Naは前進時と後進時とで同じである。
図14のフローチャートで示すように、S30で判定部144は、変速レバー30の操作位置がR位置であるか否かを判定し、R位置である場合に変速制御部142は、無段変速装置68で通常最大減速比Naが実現されるように無段変速装置68を制御して、第1移動シーブ110を移動させる(S32)。この場合、プーリ102,98間のベルト104の巻きかけは、図15の破線U1位置となる。S32の制御後では、変速制御部142は、無段変速装置68の減速比の最小値を所定後進減速比に設定する。一方、S30の判定結果が否定の場合には、変速制御部142は、無段変速装置68の減速比の最小値を所定前進減速比に設定する。そして、S36で通常制御が実行される。
この構成によれば、ユーザが変速レバー30を操作してR位置に切り替えた場合に、最初に無段変速装置68で上記の図4の通常最大減速比Naが実現されるように第1移動シーブ110が移動する。その後、車速の上昇にしたがって減速比は小さくなるが、その場合の減速比の最小値は、所定前進減速比よりも大きい所定後進減速比となる。この場合、ベルト104の巻きかけ位置は、図15に実線U2で示す位置となる。一方、前進時で最小減速比となる場合、ベルト104の巻きかけ位置は、図15の一点鎖線U3で示す位置となる。このため、図16のように減速比と前進及び後進の車速との関係において、後進時の最高車速VRmaxは、前進時の最高車速VFmaxよりも小さくなる。また、変速歯車装置48で、前進時と後進時との歯車の減速比を異ならせずにこのような効果を得られる。このため、変速歯車装置48に使用する前進用及び後進用の各歯車に同じ減速比の歯車を使用して、変速歯車装置48の製造コストの低減を図れる。なお、図16で通常最大減速比よりも高い減速比は、ベルトがプーリ102,98に対し滑っており、プーリ102,98間で動力がほとんど伝達されない状態で実現される。その他の構成及び作用は、上記の実施形態のいずれか1つの構成と同様である。なお、上記の別例の第3例で、ユーザが変速レバー30を操作してR位置に切り替えた場合に、最初に無段変速装置68で通常最大減速比Naが実現されるように第1移動シーブ110を移動させるのではなく、現在の減速比が後進減速比よりも小さい場合に減速比を後進減速比に戻すようにしてもよい。この場合、現在の減速比が後進減速比よりも大きい場合には最小減速比を後進減速比として通常制御を行う。
なお、無段変速装置68の構成は、図3の構成に限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成を採用できる。また、上記では、ブレーキオン時に駆動プーリ102の側でベルト104の挟み込みを解除してベルト104の張力を0とする場合を説明したが、ブレーキオン時に従動プーリ98の側でベルト104の挟み込みを解除してベルト104の張力を0としてもよい。また、駆動プーリ102及び従動プーリ98のうち、一方のプーリをシーブ間距離が変化しない2つの固定シーブでベルト104を挟む構成を採用してもよい。
10 車両、12 車両用無段変速制御システム、14 前輪、16 後輪、18 操作要素群、20 エンジン、21 出力軸、22 動力伝達機構、24 アクセルペダル、26 ブレーキペダル、28 パーキングブレーキレバー、30 変速レバー、32 プロペラ軸、34 エンジン始動部、36 CVT入力軸、38 CVT出力軸、40,42 前車軸、44,46 後車軸、48 変速歯車装置、49 第1変速軸、50 第1動力変換機構、52 第2動力変換機構、54 前側差動歯車装置、55 ケース、56 駆動歯車群、58 第2変速軸、60 従動歯車群、62 後側差動歯車装置、64 操作側センサスイッチ群、66 バッテリ、67 駆動側センサスイッチ群、68 無段変速装置、、70 制御装置、72 アクチュエータドライバ、74 キースイッチ、76 アクセルペダルセンサ、78 ブレーキペダルスイッチ、80 パーキングレバースイッチ、82 制御装置給電リレー、84 第1リレー制御部、86 始動部給電リレー、88 第2リレー制御部、90 CVT入力軸回転センサ、92 ニュートラルスイッチ、94 CVT出力軸回転センサ、96 シーブ位置センサ、98 従動プーリ、100 変速機ケース、102 駆動プーリ、104 ベルト、106 電動アクチュエータ、108 第1固定シーブ、110 第1移動シーブ、112 軸部、114 バネ、116 第2固定シーブ、118 第2移動シーブ、120 軸部、122 バネ、124 段差面、126 電動モータ、128 ボールねじ機構、130 小歯車、132 外側ねじ部材、134 内側ねじ部材、136 ボール、138 軸受、140 円筒スリーブ、141 車速算出部、142 変速制御部、144 判定部、146 ベルト挟み込み解除部、148 坂路、150 トレーラ、152 被牽引部。

Claims (4)

  1. 動力源側の駆動プーリ及び車輪側の従動プーリの間にかけ渡されたベルトと、電動アクチュエータとを含む無段変速装置であって、前記駆動プーリ及び前記従動プーリのうち、少なくとも一方の前記プーリは、固定シーブと、前記固定シーブに対し移動可能に配置された移動シーブとを含み、前記電動アクチュエータは、前記移動シーブの移動によりシーブ間距離を変更する前記無段変速装置と、
    前記電動アクチュエータの駆動を制御する制御装置と、
    制動操作部がユーザによって操作されたことを取得して、車両の制動の指示を表す制動指示信号を前記制御装置に送信する制動指示手段とを備え、
    前記制御装置は、
    前記制動指示手段から前記制動指示信号が入力された場合、または、前記制動指示手段からの制動指示信号の入力と、予め設定された特定条件の成立とがあった場合に、前記動力源の回転速度の低下と前記車輪の減速との間でずれが生じる場合における、前記一方のプーリと前記ベルトとの間の摩擦を抑制するように、前記シーブ間距離を所定量以上に大きくし、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟み込みを解除することを特徴とする車両用無段変速制御システム。
  2. 請求項1に記載の車両用無段変速制御システムにおいて、
    前記従動プーリの出力軸回転速度を検出し、前記制御装置に前記出力軸回転速度の検出値を表す信号を出力する出力軸回転速度検出手段と、
    変速指示部の操作位置を検出し、前記操作位置を表す信号を前記制御装置に送信する変速指示位置検出手段とを備え、
    前記制御装置は、前記制動指示手段からの前記制動指示信号の入力と、前記特定条件として、前記出力軸回転速度の検出値及び前記変速指示部の操作位置の検出値から算出される車速が所定値以下であることの成立とがあった場合に、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟み込みを解除することを特徴とする車両用無段変速制御システム。
  3. 動力源側の駆動プーリ及び車輪側の従動プーリの間にかけ渡されたベルトと、電動アクチュエータとを含む無段変速装置であって、前記駆動プーリ及び前記従動プーリのうち、少なくとも一方の前記プーリは、固定シーブと、前記固定シーブに対し移動可能に配置された移動シーブとを含み、前記電動アクチュエータは、前記移動シーブの移動によりシーブ間距離を変更する前記無段変速装置と、
    前記電動アクチュエータの駆動を制御する制御装置と、
    制動操作部がユーザによって操作されたことを取得して、車両の制動または制動維持の指示を表す制動指示信号を前記制御装置に送信する制動指示手段とを備え、
    前記制御装置は、
    前記制動指示手段から前記制動指示信号が入力された場合、または、前記制動指示手段からの制動指示信号の入力と、予め設定された特定条件の成立とがあった場合に、前記シーブ間距離を所定量以上に大きくし、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟み込みを解除し、
    さらに、ユーザの手動操作に応じてオンとオフとが切り替えられ、オンオフ状態を表す信号を制御装置に送信する始動停止指示部と、
    前記制御装置に電力を供給する電源と、
    前記電源と前記制御装置との間に接続され、前記制御装置からのオン指令信号の維持によりオンが維持され、前記オン指令信号の遮断によりオフされる制御装置給電リレーとを備え、
    前記制御装置は、前記始動停止指示部がオンからオフに切り替えられた場合において、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟み込みが維持された動力伝達状態では、前記制御装置給電リレーへの前記オン指令信号を維持し、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟みこみが解除された動力伝達遮断状態では、前記制御装置給電リレーへの前記オン指令信号を遮断することを特徴とする車両用無段変速制御システム。
  4. 動力源側の駆動プーリ及び車輪側の従動プーリの間にかけ渡されたベルトと、電動アクチュエータとを含む無段変速装置であって、前記駆動プーリ及び前記従動プーリのうち、少なくとも一方の前記プーリは、固定シーブと、前記固定シーブに対し移動可能に配置された移動シーブとを含み、前記電動アクチュエータは、前記移動シーブの移動によりシーブ間距離を変更する前記無段変速装置と、
    前記電動アクチュエータの駆動を制御する制御装置と、
    制動操作部がユーザによって操作されたことを取得して、車両の制動または制動維持の指示を表す制動指示信号を前記制御装置に送信する制動指示手段とを備え、
    前記制御装置は、
    前記制動指示手段から前記制動指示信号が入力された場合、または、前記制動指示手段からの制動指示信号の入力と、予め設定された特定条件の成立とがあった場合に、前記シーブ間距離を所定量以上に大きくし、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟み込みを解除し、
    さらに、
    ユーザの手動操作に応じてオンとオフとが切り替えられ、オンオフ状態を表す信号を前記制御装置に送信する始動停止指示部と、
    前記制御装置に電力を供給する電源と、
    電力供給により前記動力源であるエンジンを始動させるエンジン始動部と、
    前記電源と前記エンジン始動部との間に接続され、前記制御装置からのオン指令信号の遮断によりオフされ、前記制御装置からの前記オン指令信号の入力によりオンされる始動部給電リレーとを備え、
    前記制御装置は、前記始動停止指示部がオフからオンに切り替えられた場合において、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟み込みが維持された動力伝達状態では、前記始動部給電リレーへの前記オン指令信号を遮断し、前記一方のプーリでの前記ベルトの挟みこみが解除された動力伝達遮断状態では、前記始動部給電リレーへ前記オン指令信号を入力することを特徴とする車両用無段変速制御システム。
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