JP5322751B2 - 車両の動力伝達制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の動力伝達制御装置に関し、特に、動力源として少なくとも電動機を備えた車両に適用されるものに係わる。
近年、動力源として内燃機関と電動機(電動モータ、電動発電機)とを備えた所謂ハイブリッド車両が開発されてきている(例えば、特許文献1を参照)。ハイブリッド車両では、電動機が、内燃機関と協働又は単独で、車両を駆動する駆動トルクを発生する動力源として、或いは、内燃機関を始動するための動力源として使用される。加えて、電動機が、車両を制動する回生トルクを発生する発電機として、或いは、車両のバッテリに供給・貯留される電気エネルギを発生する発電機として使用される。このように電動機を使用することで、車両全体としての総合的なエネルギ効率(燃費)を良くすることができる。
特開2000−224710号公報
ところで、ハイブリッド車両では、電動機の出力軸と変速機の入力軸との間で動力伝達系統が形成される接続状態(以下、「IN接続状態」と称呼する。)が採用される場合と、電動機の出力軸と変速機の出力軸(従って、駆動輪)との間で変速機を介することなく動力伝達系統が形成される接続状態(以下、「OUT接続状態」と称呼する。)が採用される場合と、がある。
IN接続状態では、変速機の変速段を変更することで、車両速度に対する電動機の出力軸の回転速度を変更することができる。従って、変速機の変速段を調整することで、電動機の出力軸の回転速度をエネルギ変換効率(より具体的には、駆動トルク、回生トルク等の発生効率)が良好となる範囲内に維持し易いというメリットがある。
一方、OUT接続状態では、動力伝達系統が複雑な機構を有する変速機を介さないことから、動力の伝達損失を小さくできるというメリットがある。また、変速機(特に、トルクコンバータを備えない形式の変速機)では、通常、変速作動中(変速段を切り替える作動中)において、変速機の入力軸から出力軸への動力の伝達が一時的に遮断される場合が多い。この結果、車両前後方向の加速度の急激な変化(所謂変速ショック)が発生し易い。このような変速作動中においても、OUT接続状態では、電動機の駆動トルクを変速機の出力軸(従って、駆動輪)へ連続して出力し続けることができ、変速ショックを低減できるというメリットもある。
以上のことに鑑み、本出願人は、特願2007−271556号において、電動機の出力軸の接続状態(以下、単に「電動機接続状態」とも称呼する。)をIN接続状態とOUT接続状態とに切り替え可能な切替機構について既に提案している。この切替機構では、電動機の出力軸と変速機の入力軸との間も電動機の出力軸と変速機の出力軸との間も動力伝達系統が形成されない接続状態(以下、「非接続状態」と称呼する。)も選択され得る。
以下、IN接続状態における変速機の入力軸の回転速度に対する電動機の出力軸の回転速度の割合(「第1減速比」)と変速機の減速比との積を「IN接続減速比」と定義し、OUT接続状態における変速機の出力軸の回転速度に対する電動機の出力軸の回転速度の割合を「OUT接続減速比」と定義する。「IN接続減速比」は、変速機の減速比(以下、「変速機減速比」と呼ぶ。)の変化に伴って変化し得る。一方、「OUT接続減速比」は、変速機減速比によらず一定に維持され得る。
また、電動機の出力軸の回生トルクに基づいて変速機の出力軸に伝達されるトルク(車両減速方向において正)を「電動機回生トルク」と呼び、内燃機関の出力軸の車両減速方向のトルク(所謂エンジンブレーキに相当)に基づいて変速機の出力軸に伝達されるトルク(車両減速方向において正)を「内燃機関減速トルク」と定義する。加えて、電動機回生トルクの最大値を「電動機回生最大トルク」と定義する。具体的には、「電動機回生最大トルク」は、IN接続状態では、「電動機の出力軸が発生し得る回生トルクの最大値」に「IN接続減速比」を乗じた値であり、OUT接続状態では、「電動機の出力軸が発生し得る回生トルクの最大値」に「OUT接続減速比」を乗じた値である。
「電動機の出力軸が発生し得る回生トルクの最大値」は、電動機の出力軸の回転速度に応じて変化する(後述する図3を参照)。また、「IN接続減速比」と「OUT接続減速比」とが異なる場合、IN接続状態とOUT接続状態とでは、車速に対する電動機の出力軸の回転速度が異なる。以上より、「IN接続減速比」と「OUT接続減速比」とが異なる場合、IN接続状態とOUT接続状態とでは、「電動機回生最大トルク」が異なり得る。
ところで、ハイブリッド車両では、内燃機関の駆動トルクを利用することなく電動機の駆動トルクのみを利用して車両が走行し得る。以下、この走行状態を「電動機走行状態」と呼ぶ。電動機走行状態は、IN接続状態でもOUT接続状態でも達成し得る。電動機走行状態において運転者から車両の減速要求(例えば、ブレーキペダルの踏み込み、アクセルペダルの解放)があった場合、この減速要求に応じて電動機回生トルクを調整することで車両が減速され得る。
このように、IN接続状態又はOUT接続状態にて電動機回生トルクを調整することで車両が減速されている場合において、「電動機回生最大トルク」が減速要求に対応する減速トルク(要求減速トルク)に達しない等の要因により電動機回生トルクの不足を示す状態が検出される場合が発生し得る。この場合において、電動機接続状態として、現在の接続状態よりも「電動機回生最大トルク」がより大きくなる接続状態が存在する場合、電動機接続状態を「電動機回生最大トルク」がより大きくなる接続状態に切り替えることが好ましいと考えられる。
本発明の目的は、電動機回生トルクの調整による車両減速中にて電動機回生トルクが不足した場合において電動機接続状態を適切に切り替えることができるものを提供することにある。
本発明による車両の動力伝達制御装置は、動力源として少なくとも電動機を備えた車両に適用される。例えば、この動力伝達制御装置は、動力源として電動機のみを備える車両(所謂、電動車両)、或いは、動力源として電動機と内燃機関とを備える車両(前記ハイブリッド車両)に適用され得る。この動力伝達制御装置は、変速機と、切替機構と、制御手段と、を備える。以下、順に説明していく。
前記変速機は、入力軸と、前記車両の駆動輪との間で動力伝達系統が形成される出力軸とを備えている。変速機は、変速機の出力軸の回転速度に対する変速機の入力軸の回転速度の割合(変速機減速比)を調整可能に構成されている。動力源として内燃機関が備えられる場合、前記変速機の入力軸と前記内燃機関の出力軸との間で動力伝達系統が形成される。
前記変速機は、前記変速機減速比として予め定められた異なる複数の減速比を設定可能な多段変速機であっても、前記変速機減速比として減速比を連続的に(無段階に)調整可能な無段変速機であってもよい。また、前記変速機は、トルクコンバータを備えるとともに車両の走行状態に応じて変速作動が自動的に実行される多段変速機又は無段変速機(所謂オートマチックトランスミッション(AT))であっても、トルクコンバータを備えない多段変速機(所謂マニュアルトランスミッション(MT))であってもよい。MTの場合、運転者によるシフトレバーの操作力により直接的に変速作動が実行される形式であっても、運転者により操作されるシフトレバーの位置を示す信号に基づいてアクチュエータの駆動力により変速作動が実行される形式であっても、運転者によるシフトレバー操作によらず車両の走行状態に応じてアクチュエータの駆動力により変速作動が自動的に実行され得る形式(所謂、オートメイティッド・マニュアル・トランスミッション)であってもよい。
前記切替機構は、前記電動機の出力軸の接続状態を、IN接続状態と、OUT接続状態とに切り替え可能に構成される。また、前記非接続状態に切り替え可能に構成されてもよい。具体的には、前記切替機構として、IN接続状態及びOUT接続状態のみに切り替え可能なもの、並びに、IN接続状態、OUT接続状態、及び非接続状態の何れにも切り替え可能なものが挙げられる。
IN接続状態では、通常、前記「第1減速比」(=変速機の入力軸の回転速度に対する電動機の出力軸の回転速度の割合)が一定(例えば、1)に固定される。また、通常、変速機の入力軸の回転速度に対する内燃機関の出力軸の回転速度の割合(以下、「第2減速比」と呼ぶ。)も一定(例えば、1)とされる。
前記制御手段は、前記車両の走行状態に基づいて、前記電動機、及び前記切替機構を制御する。この制御手段は、前記運転者からの前記車両の減速要求に応じて、前記電動機を制御して電動機回生トルクを調整することで前記車両の減速を行う。
本発明に係る動力伝達制御装置の特徴は、この制御手段が、前記電動機回生トルクの不足を示す状態が検出されたことに基づいて、前記切替機構を制御して前記電動機の出力軸の接続状態を、「電動機回生最大トルク」がより大きくなる接続状態に切り替える切り替え作動を行うように構成されたことにある。この切り替え作動のパターンとしては、IN又はOUT接続状態の一方から他方への切り替えが挙げられる。
これにより、「電動機回生最大トルク」がより大きくなる接続状態が存在する場合、電動機接続状態が、現在の接続状態から、「電動機回生最大トルク」がより大きくなる接続状態に切り替えられる(一方、「電動機回生最大トルク」がより大きくなる接続状態が存在しない場合、電動機接続状態が変更されない。)。この結果、切り替え作動終了後からは、より最大値が大きい電動機回生トルクが利用され得ることで、電動機回生トルクの不足が解消され得る。なお、車両の走行状態に基づいて前記切り替え作動の許可・禁止が判定され、「電動機回生最大トルク」がより大きくなる接続状態が存在し、且つ、前記切り替え作動の許可がなされた場合にのみ、前記切り替え作動が行われてもよい。
一般に、前記切り替え作動中は、電動機回生トルクがゼロに維持される。即ち、前記制御手段は、前記電動機回生トルクの不足を示す状態が検出された後、前記電動機回生トルクをゼロまで減少し、前記電動機回生トルクがゼロに維持されている状態で前記切り替え作動を行い、前記切り替え作動終了後に前記電動機回生トルクを前記要求減速トルクまで増大するように構成される。換言すれば、電動機回生トルクの不足を示す状態であるにもかかわらず、切り替え作動を行うために、電動機回生トルクの不足を示す状態の検出後から切り替え作動の終了までの間において「電動機回生トルクの谷」が不可避的に発生し得る。
これに対し、前記車両が、前記動力源として前記電動機以外に前記車両を減速する減速トルクを発生する減速トルク発生機構を備えている場合、前記制御手段は、前記電動機回生トルクの不足を示す状態の検出後前記切り替え作動の終了までの間、前記減速トルク発生機構を制御して前記減速トルクを発生・調整するように構成されることが好適である。これによれば、「電動機回生トルクの谷」が減速トルク発生機構に基づく減速トルクにより補償され得る。従って、「電動機回生トルクの谷」の発生により運転者が受ける車両減速度の不足感の程度を抑制することができる。
ここにおいて、前記減速トルク発生機構として、内燃機関が使用され得る。この場合、前記内燃機関の出力軸と前記変速機の入力軸との間で動力伝達系統が形成される。この場合、前記制御手段は、前記追加減速トルクとして前記内燃機関減速トルクを使用するように構成される。また、前記減速トルク発生機構として、前記車輪の回転を減速する摩擦制動トルクを発生する摩擦制動トルク発生機構(例えば、ディスクブレーキ機構)が使用され得る。この場合、前記制御手段は、前記追加減速トルクとして前記摩擦制動トルクを使用するように構成される。
上述のように、「電動機回生トルクの谷」が減速トルク発生機構に基づく減速トルクにより補償される場合、前記電動機回生トルクの不足を示す状態の検出後前記切り替え作動の開始までの間、前記減速トルクに基づく前記変速機の出力軸に伝達されるトルクである追加減速トルクと前記電動機回生トルクの和(合計減速トルク)が増大するように前記追加減速トルクが増大され且つ前記電動機回生トルクが減少され得る。
また、前記切り替え作動中では、前記電動機回生トルクがゼロに維持され且つ前記追加減速トルクが増大されるとともに、前記切り替え作動の終了時点にて前記追加減速トルクが前記要求減速トルクに一致するように前記追加減速トルクが調整され得る。加えて、前記切り替え作動の終了後では、前記合計減速トルクが前記要求減速トルクに一致する状態を維持しながら前記電動機回生トルクがゼロから前記要求減速トルクまで増大され且つ前記追加減速トルクが前記要求減速トルクからゼロまで減少され得る。
本発明の実施形態に係る車両の動力伝達制御装置を搭載した車両の概略構成図である。 図1に示した切替機構において切り替え可能な3状態を示した図である。 M/Gにおける、回転速度と発生し得る最大トルクとの関係を示したグラフである。 図1に示した装置が適用される場合において、M/G回生トルクにより車両減速中においてM/G回生トルクの不足が検出された場合の作動の一例を示したタイムチャートである。
以下、本発明による車両の動力伝達制御装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1は、本発明の実施形態に係る動力伝達制御装置(以下、「本装置」と称呼する。)を搭載した車両の概略構成を示している。この車両は、動力源として内燃機関とモータジェネレータとを備え、且つ、トルクコンバータを備えない多段変速機を使用した所謂オートメイティッド・マニュアル・トランスミッションを備えた車両に適用されている。
この車両は、エンジン(E/G)10と、変速機(T/M)20と、クラッチ(C/T)30と、モータジェネレータ(M/G)40と、切替機構50と、制動力制御装置60を備えている。E/G10は、周知の内燃機関の1つであり、例えば、ガソリンを燃料として使用するガソリンエンジン、軽油を燃料として使用するディーゼルエンジンである。E/G10の出力軸A1は、C/T30を介してT/M20の入力軸A2と接続されている。
T/M20は、前進用の複数(例えば、5つ)の変速段、後進用の1つの変速段、及びニュートラル段を有するトルクコンバータを備えない周知の多段変速機の1つである。以下、前進用の変速段及び後進用の変速段を「走行用変速段」と称呼する。走行用変速段では、T/M20の入出力軸A2,A3の間で動力伝達系統が形成される。ニュートラル段では、T/M20の入出力軸A2,A3の間で動力伝達系統が形成されない。走行用変速段において、T/M20は、出力軸A3の回転速度に対する入力軸A2の回転速度の割合である変速機減速比Gtmを複数の段階の何れかに任意に設定可能となっている。T/M20では、変速段の切り替えは、T/Mアクチュエータ21を制御することでのみ実行される。
C/T30は、周知の構成の1つを備えていて、E/G10の出力軸A1とT/M20の入力軸A2との間で動力が伝達されない遮断状態、及び動力が伝達される接合状態に調整可能となっている。以下、説明の便宜上、接合状態において、T/M20の入力軸A2と出力軸A3との回転が一致している状態を「完全接合状態」と呼び、一致していない状態を「半接合状態」と呼ぶ。完全接合状態では、上述の「第2減速比」は「1」である。この車両では、クラッチペダルは設けられていない。C/T30の状態は、C/Tアクチュエータ31によりクラッチストロークを調整することで制御されるようになっている。
M/G40は、周知の構成(例えば、交流同期モータ)の1つを有していて、例えば、ロータ(図示せず)が出力軸A4と一体回転するようになっている。M/G40は、動力源としても発電機としても機能する。
切替機構50は、M/G40の出力軸A4の接続状態を切り替える機構である。切替機構50は、M/G40の出力軸A4と一体回転する連結ピース51と、ギヤg1と一体回転する連結ピース52と、ギヤg3と一体回転する連結ピース53と、スリーブ54と、切替アクチュエータ55とを備える。ギヤg1は、T/M20の入力軸A2と一体回転するギヤg2と常時歯合し、ギヤg3は、T/M20の出力軸A3と一体回転するギヤg4と常時歯合している。
スリーブ54は、M/G40の出力軸A4の軸線方向に同軸的に移動可能に配設されていて、切替アクチュエータ55によりその軸線方向の位置が制御されるようになっている。スリーブ54は、連結ピース51,52,53とスプライン嵌合可能となっている。
スリーブ54が図2(a)に示すIN接続位置に制御される場合、スリーブ54は、連結ピース51,52とスプライン嵌合する。これにより、ギヤg1,g2を介してT/M20の入力軸A2とM/G40の出力軸A4との間で動力伝達系統が形成される。この状態を「IN接続状態」と呼ぶ。
IN接続状態において、T/M20の入力軸A2の回転速度に対するM/G40の出力軸A4の回転速度の割合を「第1減速比G1」と呼び、第1減速比G1と変速機減速比Gtmとの積(G1・Gtm)を「IN接続減速比Gin」と呼ぶ。本例では、G1=(g2の歯数)/(g1の歯数)であるから、Gin=(g2の歯数)/(g1の歯数)・Gtmとなる。即ち、Ginは、T/M20の変速段の変化に応じて変化する。
また、スリーブ54が図2(b)に示すOUT接続位置に制御される場合、スリーブ54は、連結ピース51,53とスプライン嵌合する。これにより、ギヤg3、g4を介してT/M20の出力軸A3とM/G40の出力軸A4との間でT/M20を介することなく動力伝達系統が形成される。この状態を「OUT接続状態」と呼ぶ。
OUT接続状態において、T/M20の出力軸A3の回転速度に対するM/G40の出力軸A4の回転速度の割合を「OUT接続減速比Gout」と呼ぶ。本例では、Goutは、(g4の歯数)/(g3の歯数)で一定となる。即ち、Goutは、T/M20の変速段の変化に応じて変化しない。
また、スリーブ54が図2(c)に示す非接続位置に制御される場合、スリーブ54は、連結ピース51のみとスプライン嵌合する。これにより、T/M20の出力軸A3とM/G40の出力軸A4との間でもT/M20の入力軸A2とM/G40の出力軸A4との間でも動力伝達系統が形成されない。この状態を「ニュートラル状態」と呼ぶ。
以上、切替機構50では、切替アクチュエータ55を制御する(従って、スリーブ54の位置を制御する)ことで、M/G40の出力軸A4の接続状態(以下、「M/G接続状態」とも称呼する。)を、「IN接続状態」、「OUT接続状態」、「ニュートラル状態」の何れかに選択的に切り替え可能となっている。
T/M20の出力軸A3は、作動機構D/Fと連結されていて、作動機構D/Fは、左右一対の駆動輪と連結されている。なお、T/M20の出力軸A3と作動機構D/Fとの間に、所謂最終減速機構が介装されていてもよい。
制動力制御装置60は、複数の電磁弁、液圧ポンプ、電気モータ等を備えた周知の構成を有している。非制御時では、制動力制御装置60は、運転者によるブレーキペダルBPの操作に応じた制動圧力を各車輪のホイールシリンダにそれぞれ供給し、各車輪に対してBPの操作に応じた摩擦制動力(摩擦制動トルク)をそれぞれ与える。
加えて、制動力制御装置60は、ブレーキペダルBPの操作にかかわらず(操作がなされていないときでも)、ホイールシリンダ内の制動圧力を車輪毎に制御し、摩擦制動トルクを車輪毎に調整できるようになっている。なお、摩擦制動トルクの調整は、制動圧力によるものに限らず、電気ブレーキ装置を利用して行うことも可能である。
また、本装置は、駆動輪の車輪速度を検出する車輪速度センサ71と、アクセルペダルAPの操作量を検出するアクセル開度センサ72と、シフトレバーSFの位置を検出するシフト位置センサ73と、ブレーキペダルBPの操作の有無を検出するブレーキセンサ74と、を備えている。
更に、本装置は、電子制御ユニットECU80を備えている。ECU80は、上述のセンサ71〜74、並びにその他のセンサ等からの情報等に基づいて、上述のアクチュエータ21,31,55を制御することで、T/M20の変速段、C/T30の状態、及び切替機構50の状態を制御する。加えて、ECU80は、E/G10、及びM/G40のそれぞれの出力(駆動トルク、回生トルク)、並びに、各車輪の摩擦制動トルクを制御するようになっている。
T/M20の変速段は、車輪速度センサ71から得られる車速Vと、アクセル開度センサ72から得られる運転者によるアクセルペダルAPの操作量に基づいて算出される要求トルクTr(T/M20の出力軸A3についてのトルク)と、シフト位置センサ73から得られるシフトレバーSFの位置に基づいて制御される。シフトレバーSFの位置が「手動モード」に対応する位置にある場合、T/M20の変速段が、シフトレバーSFの操作により運転者により選択された変速段に原則的に設定される。一方、シフトレバーSFの位置が「自動モード」に対応する位置にある場合、T/M20の変速段が、車速Vと要求トルクTrとの組み合わせ等に基づいて、シフトレバーSFが操作されることなく自動的に制御される。以下、T/M20の変速段が変更される際の作動を「変速作動」と称呼する。変速作動の開始は、変速段の変更に関連して移動する部材の移動の開始に対応し、変速作動の終了は、その部材の移動の終了に対応する。
C/T30は、通常、接合状態(特に、完全接合状態)に維持され、T/M20の変速作動中、シフトレバーSFの位置が「ニュートラル」位置にある場合、後述するEV走行状態等において、遮断状態に維持される。また、C/T30は、接合状態(特に、半接合状態)において、C/Tアクチュエータ31により調整されるクラッチストロークに応じて、伝達し得るトルクの最大値(以下、「クラッチトルク」と称呼する。)を調整可能となっている。
E/G10の出力軸A1のトルクそのものよりもクラッチトルクの方がより緻密に調整され得る。従って、E/G10の出力軸A1の駆動(減速)トルクがクラッチトルクよりも大きい状態を維持しつつクラッチトルクを制御することで、E/G10の出力軸A1の駆動(減速)トルクに基づくT/M20の入力軸A2に伝達されるトルクの大きさをクラッチトルクと一致するように緻密に調整できる。
M/G40は、E/G10と協働又は単独で、車両を駆動する駆動トルクを発生する動力源として、或いは、E/G10を始動するための動力源として使用される。また、M/G40は、車両を制動する回生トルクを発生する発電機として、或いは、車両のバッテリ(図示せず)に供給・貯留される電気エネルギを発生する発電機としても使用される。
以下、E/G10の出力軸A1のトルクを「E/Gトルク」と、M/G40の出力軸A4のトルクを「M/Gトルク」と称呼する。E/G10の出力軸A1の回転速度を「E/G回転速度Ne」と、M/G40の出力軸A4の回転速度を「M/G回転速度Nm」と称呼する。また、E/Gトルクに基づくT/M20の出力軸A3に伝達される車両減速方向のトルク(車両減速方向において正)(所謂、エンジンブレーキに基づくトルク)を「E/G減速トルク(−Te)」と称呼し、M/Gトルクに基づくT/M20の出力軸A3に伝達される車両減速方向の回生トルク(車両減速方向において正)を「M/G回生トルク(−Tm)」と称呼する。なお、値Te,Tmそのものは、車両加速(減速)方向において正(負)となる。
E/G減速トルク(−Te)は、(C/T30が完全接合状態にある場合において)E/Gトルクに、変速機減速比Gtm(及び、第2減速比(=1))を乗じた値である。M/G回生トルク(−Tm)は、IN接続状態では、M/GトルクにIN接続減速比Ginを乗じた値であり、OUT接続状態では、M/GトルクにOUT接続減速比Goutを乗じた値である。M/G回生トルク(−Tm)は、M/Gトルクの調整により調整され得、E/G減速トルク(−Te)は、E/Gトルク、或いはクラッチトルクの調整により調整され得る。また、(−Tm)と(−Te)との和を「合計トルク(−Ts)」と呼ぶ。
本装置では、車両減速中において、通常、E/G減速トルク(−Te)とM/G回生トルク(−Tm)の和が、運転者による減速要求に対応するトルク(車両減速方向において正)である要求減速トルク(−Tr)と一致するように、E/G減速トルク(−Te)とM/G回生トルク(−Tm)との配分が車両の走行状態(例えば、車速Vと要求減速トルク(−Tr))に基づいて調整される。ここで、「運転者による減速要求」とは、例えば、ブレーキペダルBPの踏み込み、アクセルペダルAPの解放を指す。
切替機構50では、スリーブ54が移動することで、M/G接続状態が切り替えられる。以下、このスリーブ54の移動を「切り替え作動」と称呼する。切り替え作動の開始は、スリーブ54の移動の開始に対応し、切り替え作動の終了は、スリーブ54の移動の終了に対応する。M/G接続状態の切り替えは、例えば、車速Vと要求トルクTrとの組み合わせに基づいてなされ得る。
(M/G回生最大トルク)
以下、M/G40の出力軸A4のトルクに基づくT/M20の出力軸A3に伝達されるトルクの最大値(即ち、M/G回生トルク(−Tm)の最大値)を「M/G回生最大トルク」と定義する。「M/G回生最大トルク」は、IN接続状態では、「M/G40の出力軸A4が発生し得る回生トルクの最大値」に「IN接続減速比Gin」を乗じた値に一致し、OUT接続状態では、「M/G40の出力軸A4が発生し得る回生トルクの最大値」に「OUT接続減速比Gout」を乗じた値に一致する。ニュートラル状態では、「M/G回生最大トルク」はゼロになる。
IN接続状態とOUT接続状態とで「M/G回生最大トルク」は異なり得る。以下、このことについて説明する。図3に示すように、「M/G40の出力軸A4が発生し得る回生トルクの最大値」は、M/G回転速度に応じて変化する。具体的には、「M/G40の出力軸A4が発生し得る回生トルクの最大値」は、M/G回転速度が或る値以下では一定(最大)であり、或る値を超えると、M/G回転速度の増大に応じて小さくなる。そして、M/G回転速度が許容回転速度を超えると、M/G40は回生トルクを発生しなくなる。
加えて、「IN接続減速比Gin」と「OUT接続減速比Gout」とが異なる場合、IN接続状態とOUT接続状態とでは、車速に対するM/G回転速度が異なる。以上より、「IN接続減速比Gin」と「OUT接続減速比Gout」とが異なる場合、IN接続状態とOUT接続状態とでは、「M/G回生最大トルク」が異なり得る。
(EV走行状態)
本装置では、E/G10の駆動トルクを利用することなくM/G40の駆動トルクのみを利用して車両が走行する状態(以下、「EV走行状態」と呼ぶ。)が達成され得る。EV走行状態は、IN接続状態でもOUT接続状態でも達成され得る。EV走行状態では、C/T30が遮断状態とされ、E/G10が停止(出力軸A1の回転が停止)している。この状態にて、M/Gトルクに基づくT/M20の出力軸A3に伝達される駆動トルクが要求トルクTrと一致するように調整されながら、車両がM/G40の駆動トルクを利用して走行する。
なお、IN接続状態でのEV走行状態では、M/Gトルクを駆動輪に伝達するため、T/M20の変速段が前記走行用変速段(即ち、T/M20の入力軸A2と出力軸A3との間で動力伝達系統が形成される変速段)に設定されている必要がある。一方、OUT接続状態でのEV走行状態では、T/M20の変速段が前記走行用変速段に設定されていてもニュートラル段(即ち、T/M20の入力軸A2と出力軸A3との間で動力伝達系統が形成されない変速段)に設定されていてもよい。
本例では、EV走行状態において運転者から車両の減速要求があった場合、原則的には、M/G回生トルク(−Tm)が前記要求減速トルク(−Tr)と一致するようにM/G回生トルク(−Tm)を調整することで車両が減速される。他方、このようにIN接続状態又はOUT接続状態にてM/G回生トルク(−Tm)を調整することで車両が減速されている場合において、M/G回生トルク(−Tm)の不足を示す状態(以下、「回生トルク不足状態」と呼ぶ。)が検出される場合が発生し得る。
この「回生トルク不足状態」は、例えば、減速要求トルク(−Tr)が「M/G回生最大トルク」を超えた場合、減速要求トルク(−Tr)が「M/G回生最大トルク」に所定割合(<1)を乗じた値を超えた場合、「M/G回生最大トルク」から減速要求トルク(−Tr)を減じた値(>0)が所定値(>0)以下となった場合、減速要求トルク(−Tr)そのものが所定値以上となった場合等に検出され得る。
ここで、「回生トルク不足状態」が検出された場合において、M/G接続状態として、現在の接続状態(即ち、IN接続状態又はOUT接続状態)よりも「M/G回生最大トルク」がより大きくなる接続状態(即ち、OUT接続状態又はIN接続状態)が存在しない場合、本装置では、現在のM/G接続状態を維持しながら、且つ、M/G回生トルク(−Tm)を「M/G回生最大トルク」に維持・調整しながら、M/G回生トルク(−Tm)により車両が減速される。
一方、「回生トルク不足状態」が検出された場合において、現在のM/G接続状態よりも「M/G回生最大トルク」がより大きくなるM/G接続状態が存在する場合、M/G接続状態を「M/G回生最大トルク」がより大きくなる接続状態に切り替えることが好ましい。しかしながら、この切り替え作動が行われる場合、切り替え作動中においてM/G回生トルク(−Tm)がゼロに維持される。即ち、「回生トルク不足状態」であるにもかかわらず、切り替え作動を行うために「M/G回生トルクの谷」が不可避的に発生し得る。
以上のことから、本装置では、「回生トルク不足状態」が検出された場合において、現在のM/G接続状態よりも「M/G回生最大トルク」がより大きくなるM/G接続状態が存在する場合、M/G接続状態の切り替え作動が行われるとともに、前記「M/G回生トルクの谷」がE/G減速トルク(−Te)を利用することで補償される。以下、この場合の作動について、図4に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
図4は、時刻t1以前において、車両が、IN接続状態、且つT/M20の変速段が前記「走行用変速段」のうちの何れかに設定された状態にてEV走行状態にある場合において、時刻t1にて、運転者のブレーキペダルBPの操作により減速要求が開始された場合の作動の一例を示す。この例では、時刻t1以降における減速要求トルク(−Tr)が大きくて、時刻t2にて「回生トルク不足状態」が検出されている。また、この例では、IN接続状態よりもOUT接続状態の方が「M/G回生最大トルク」が大きいものとする。
上述のように、EV走行状態(時刻t1以前)では、E/G10には燃料が供給されていない(所謂、フューエルカット)。また、C/T30が遮断状態(クラッチストローク=0、クラッチトルク=0)となっている。この結果、E/G減速トルク(−Te)がゼロに、且つ、E/G回転速度Neがゼロに維持されている。そして、車両が、M/G40の駆動トルクのみを利用して走行している。
減速要求開始から「回生トルク不足状態」の検出までの間(時刻t1〜t2)では、E/G減速トルク(−Te)がゼロに維持され、且つ、M/G回生トルク(−Tm)が増大されて、M/G回生トルク(−Tm)のみにより車両が減速される。この間、M/G回生トルク(−Tm)が要求減速トルク(−Tr)に達し得ず、この結果、時刻t2にて「回生トルク不足状態」が検出されている。
「回生トルク不足状態」が検出されると(時刻t2)、現在のM/G接続状態であるIN接続状態よりもOUT接続状態の方が「M/G回生最大トルク」が大きいことに基づいて、切り替え作動に関連する作動が開始される。この例では、時刻t2以降、M/G回生トルク(−Tm)がゼロに向けて減少される。一方、C/T30が遮断状態から接合状態(特に、半接合状態)に切り替えられるとともに、クラッチトルクが調整されることで、E/G減速トルク(−Te)がゼロから増大される。この結果、時刻t2以降、合計トルク(−Ts)が増大していく。なお、E/G減速トルク(−Te)は、E/G10の出力軸A1がC/T30を介してT/M20の入力軸A2の動力を受けて回転駆動される際に入力軸A2が車両減速方向の反トルクを受けることで発生する。
M/G回生トルク(−Tm)がゼロに達すると(時刻t3)、IN接続状態からOUT接続状態への切り替え作動そのものが開始される。この切り替え作動は時刻t4にて終了している。切り替え作動中(時刻t3〜t4)では、M/G回生トルク(−Tm)がゼロに維持される。この例では、IN接続減速比GinよりもOUT接続減速比Goutの方が小さい場合が想定されている。従って、この切り替え作動に伴い、M/G回転速度Nmが減少する(時刻t3〜t4)。
他方、切り替え作動中(時刻t3〜t4)も、E/G減速トルク(−Te)が継続して増大され続ける。この結果、切り替え作動中(時刻t3〜t4)も合計トルク(−Ts)が増大していく。加えて、切り替え作動の終了時点(時刻t4)にて、合計トルク(−Ts)(=(−Te))が要求減速トルク(−Tr)と一致している。
切り替え作動が終了すると(時刻t4)、以降、合計トルク(−Ts)が要求減速トルク(−Tr)と等しい値に維持された状態で、M/G回生トルク(−Tm)がゼロから要求減速トルク(−Tr)まで増大され、且つ、E/G減速トルク(−Te)が要求減速トルク(−Tr)からゼロまで減少される。
そして、M/G回生トルク(−Tm)が要求減速トルク(−Tr)に達すると(且つ、E/G減速トルク(−Te)がゼロに達すると)(時刻t5)、以降、M/G回生トルク(−Tm)のみによる車両の減速が再開される。なお、E/G減速トルク(−Te)が利用されている間(時刻t2〜t5)も、時刻t2以前と同様、E/G10には燃料が供給されていない(所謂、フューエルカット)。
以上、本装置によれば、M/G回生トルク(−Tm)による車両減速中において「回生トルク不足状態」が検出され(時刻t2)、且つ、M/G接続状態として現在の接続状態よりも「M/G回生最大トルク」がより大きくなる接続状態が存在する場合、M/G接続状態が、現在の接続状態から「M/G回生最大トルク」がより大きくなる接続状態に切り替えられる(時刻t3〜t4)。これにより、切り替え作動終了後(時刻t4)からは、より最大値が大きいM/G回生トルク(−Tm)が利用され得ることで、「回生トルク不足状態」が解消され得る。
加えて、「回生トルク不足状態」の検出時点から切り替え作動終了の後の時点までの間(時刻t2〜t5)、車両減速のためにE/G減速トルク(−Te)も利用される。これにより、切り替え作動に伴って不可避的に発生する「M/G回生トルクの谷」がE/G減速トルク(−Te)により補償され得る。従って、「M/G回生トルクの谷」の発生により運転者が受ける車両減速度の不足感の程度を抑制することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態(図4に示す例)では、IN接続状態よりもOUT接続状態の方が「M/G回生最大トルク」が大きい場合においてIN接続状態からOUT接続状態への切り替え作動が行われているが、OUT接続状態よりもIN接続状態の方が「M/G回生最大トルク」が大きい場合においてOUT接続状態からIN接続状態への切り替え作動が行われてもよい。
また、上記実施形態(図4に示す例)では、時刻t2〜t5に亘って、「M/G回生トルクの谷」を補償するためにE/G減速トルク(−Te)が利用されているが、制動力制御装置60を制御して発生する摩擦制動トルクが利用されてもよい。この場合、時刻t2〜t5に亘る摩擦制動トルクの付与パターンを図4に示すE/G減速トルク(−Te)の付与パターンと同じとすることが好ましい。
また、上記実施形態において、「回生トルク不足状態」が検出され、且つ、M/G接続状態として現在の接続状態よりも「M/G回生最大トルク」がより大きくなる接続状態が存在しない場合も、(現在のM/G接続状態での)M/G回生トルク(−Tm)のみならず、E/G減速トルク(−Te)又は摩擦制動トルクをも利用して車両を減速してもよい。これにより、「回生トルク不足状態」が解消され得る。
また、上記実施形態では、切替機構50として、IN接続状態、OUT接続状態、及びニュートラル状態の何れにも切り替え可能なものが使用されているが、切替機構50として、IN接続状態及びOUT状態のみに切り替え可能なものが使用されてもよい。
加えて、上記実施形態では、変速機としてトルクコンバータを備えない多段変速機を使用した所謂オートメイティッド・マニュアル・トランスミッションが使用されているが、変速機として、トルクコンバータを備えるとともに車両の走行状態に応じて変速作動が自動的に実行される多段変速機又は無段変速機(所謂オートマチックトランスミッション(AT))が使用されてもよい。
10…エンジン、20…変速機、30…クラッチ、40…モータジェネレータ、50…切替機構、60…制動力制御装置、71…車輪速度センサ、72…アクセル開度センサ、73…シフト位置センサ、74…ブレーキセンサ、80…ECU、AP…アクセルペダル、BP…アクセルペダル、SF…シフトレバー

Claims (8)

  1. 動力源として少なくとも電動機を備えた車両に適用される車両の動力伝達制御装置であって、
    入力軸と、前記車両の駆動輪との間で動力伝達系統が形成される出力軸とを備え、前記出力軸の回転速度に対する前記入力軸の回転速度の割合である変速機減速比を調整可能な変速機と、
    前記電動機の出力軸の接続状態を、前記電動機の出力軸と前記変速機の入力軸との間で動力伝達系統が形成される入力側接続状態と、前記電動機の出力軸と前記変速機の出力軸との間で前記変速機を介することなく動力伝達系統が形成される出力側接続状態と、に切り替え可能な切替機構と、
    前記車両の走行状態に基づいて、前記電動機、及び前記切替機構を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記運転者からの前記車両の減速要求に応じて前記電動機を制御して前記電動機の出力軸の回生トルクに基づく前記変速機の出力軸に伝達されるトルクである電動機回生トルクを調整することで前記車両の減速を行う場合において、現在の車両速度において前記電動機の出力軸に発生し得る最大の回生トルクに基づいて前記変速機の出力軸に伝達されるトルクを電動機回生最大トルクと定義したとき、前記電動機の出力軸の現在の接続状態における前記電動機回生最大トルクと前記減速要求に対応する要求減速トルクとの比較結果から前記電動機回生トルクの不足を示す状態が検出されたことに基づいて、前記電動機の出力軸の接続状態について現在の接続状態より前記電動機回生最大トルクが大きくなる他の接続状態が存在する場合には前記切替機構を制御して前記電動機の出力軸の接続状態を現在の接続状態から前記他の接続状態に切り替える切り替え作動を行い、前記他の接続状態が存在しない場合には前記電動機の出力軸の接続状態を現在の接続状態に維持するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の動力伝達制御装置であって、
    前記車両は、前記動力源として、前記電動機以外に前記車両を減速する減速トルクを発生する減速トルク発生機構を備えていて、
    前記制御手段は、
    前記電動機回生トルクの不足を示す状態が検出された後、前記電動機回生トルクをゼロまで減少し、前記電動機回生トルクがゼロに維持されている状態で前記切り替え作動を行い、前記切り替え作動終了後に前記電動機回生トルクを前記減速要求に対応する要求減速トルクまで増大するように構成されていて、
    前記制御手段は、
    前記電動機回生トルクの不足を示す状態の検出後前記切り替え作動の終了までの間、前記減速トルク発生機構を制御して前記減速トルクを発生・調整するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記電動機回生トルクの不足を示す状態の検出後前記切り替え作動の開始までの間、前記減速トルクに基づく前記変速機の出力軸に伝達されるトルクである追加減速トルクと前記電動機回生トルクの和である合計減速トルクが増大するように前記追加減速トルクを増大し且つ前記電動機回生トルクを減少するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記切り替え作動中に亘って、前記電動機回生トルクをゼロに維持し且つ前記追加減速トルクを増大するとともに、前記切り替え作動の終了時点にて前記追加減速トルクが前記要求減速トルクに一致するように前記追加減速トルクを調整するよう構成された車両の動力伝達制御装置。
  5. 請求項4に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記切り替え作動の終了後、前記合計減速トルクが前記要求減速トルクに一致する状態を維持しながら前記電動機回生トルクをゼロから前記要求減速トルクまで増大し且つ前記追加減速トルクを前記要求減速トルクからゼロまで減少するよう構成された車両の動力伝達制御装置。
  6. 請求項2乃至請求項5の何れか一項に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記減速トルク発生機構は、前記車輪の回転を減速する摩擦制動トルクを発生する摩擦制動トルク発生機構であり、
    前記制御手段は、前記追加減速トルクとして前記摩擦制動トルクを使用するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  7. 請求項2乃至請求項5の何れか一項に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記減速トルク発生機構は、内燃機関であり、前記内燃機関の出力軸と前記変速機の入力軸との間で動力伝達系統が形成されていて、
    前記制御手段は、前記追加減速トルクとして、前記内燃機関の出力軸の前記車両減速方向のトルクに基づく前記変速機の出力軸に伝達されるトルクである内燃機関減速トルクを使用するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  8. 請求項7に記載の車両の動力伝達制御装置であって、
    前記内燃機関の出力軸と前記変速機の入力軸との間に、前記内燃機関の出力軸と前記変速機の入力軸との間の動力伝達系統を遮断・接続するクラッチ機構を備え、
    前記変速機は、
    トルクコンバータを備えておらず、且つ、前記変速機減速比として予め定められた異なる複数の減速比を設定可能な多段変速機である、車両の動力伝達制御装置。
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