JP6165708B2 - オレフィン系重合体配合有機無機複合体及びその形成用組成物 - Google Patents

オレフィン系重合体配合有機無機複合体及びその形成用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィン系重合体を配合した有機無機複合体及びその形成用組成物に関する。
本願は、2012年 3月2日に出願された日本国特許出願第2012−46143号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
現在、市販品のシラン系コート剤の原料としては、主として3官能シランが用いられており、かかる3官能シランにより、適度な硬さと柔軟性を持つポリシロキサンが形成される。しかしながら、3官能シランの膜ではハードコート性が充分ではない。そこで、3官能シランに、4官能シランやコロイダルシリカを混合することでハードコート性を補っているが、膜を硬くすれば、ヒビ割れやすくなり、密着性が悪くなるという問題がある。
シラン系のコート剤としては、例えば、エポキシ基を有する3官能アルコキシシラン化合物を含有する防汚膜形成用組成物(特許文献1)がある。また、光触媒を含有したシラン系コート剤も提案されており、光酸発生剤、架橋剤、硬化触媒等を使用して、膜を硬化している(例えば、特許文献2,3)。さらに、材料中の金属系化合物の含有率が、材料の表面から深さ方向に連続的に変化する成分傾斜構造を有するシラン系の有機−無機複合傾斜材料も提案されている(例えば、特許文献4)。
本発明者らは、光感応性化合物の存在下に有機ケイ素化合物に紫外線を照射することにより、表面が非常に高い硬度を有すると共に、内部及び裏面側が適当な硬度を有しつつ、かつ基体との密着性に優れた有機無機複合体を提供し(特許文献5)、さらに、ポリシロキサン系の有機無機複合体に紫外線硬化性樹脂であるアクリレート系樹脂を配合することにより、表面が非常に高い硬度を有すると共に、基体との密着性及び耐湿性に優れた有機無機複合体を提供してきた(特許文献6)。
他方、シクロオレフィン基材、PP基材、PE基材等のオレフィン基材は無機膜との密着性が悪く、そのため、良好な密着性を実現するためには、無機膜とオレフィン基材との間にアンカーコート(下地膜)を必要とする。現在、当該アンカーコートは1層では不十分であり、(A)オレフィン基材と密着性の良い層/(B)A及びCの両方と密着性が良い層/(C)無機膜との密着性が良い層の3層構造が必要である。しかしながら、層の数を増やすことにより、高度な積層技術が必要となり製造コストも高くなる。特にシクロオレフィン基材の長所である良好な光学特性を低下させる問題があった。そのため、1層でオレフィン基材と無機膜のアンカーコートとして使用可能なアンカーコート剤が検討されてきたが、上記特許文献5や6に記載の有機無機複合膜でも不十分であった。
特開平10−195417号公報 特開2002−363494号公報 特開2000−169755号公報 特開2000−336281号公報 WO2006/088079号パンフレット WO2008/069217号パンフレット
本発明の課題は、1層で、基材と無機膜のアンカーコートとして使用できる密着性に優れたアンカーコート剤を提供することであり、特にオレフィン基材との密着性に優れるアンカーコート剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題に取り組み、鋭意研究した結果、ポリシロキサン系の有機無機複合体にオレフィン系重合体を配合することにより、1層で、オレフィン基材と無機膜の間のアンカーコートとして使用できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)a)式(I)
SiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1を表し、各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される少なくとも1種であり、
Fedorsの推算法により求められたRの溶解パラメータ(SP1)が、Fedorsの推算法により求められた共役ジエン系重合体の溶解パラメータ(SP2)よりも小さく、かつ、その差が1.6以上のもの(Si1)である有機ケイ素化合物を、350nm以下の波長の光の作用によって表面側の炭素成分を除去することができるチタンの金属キレート化合物または有機酸金属化合物を含むシラノール触媒を使用して縮合した縮合物、
b)光重合開始剤又は熱重合開始剤、
c)共役ジエン系重合体
を含有するアンカーコート用有機無機複合体形成用組成物。
)a)式(I)
SiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1を表し、各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される少なくとも1種であり、
Fedorsの推算法により求められたRの溶解パラメータ(SP1)が、Fedorsの推算法により求められた共役ジエン系重合体の溶解パラメータ(SP2)よりも小さく、かつ、その差が1.6以上のもの(Si1)である有機ケイ素化合物を、350nm以下の波長の光の作用によって表面側の炭素成分を除去することができるチタンの金属キレート化合物または有機酸金属化合物を含むシラノール触媒を使用して縮合した縮合物、
b)光重合開始剤又は熱重合開始剤、
c)共役ジエン系重合体
の硬化物を含有する有機無機複合体からなるアンカーコート、及
(3)(a)オレフィン基材、および、(b)上記(1)に記載の組成物から形成されたアンカーコート層を含む積層体に関する。
有機ケイ素化合物として、Fedorsの推算法により求められたRの溶解パラメータ(SP1)が、Fedorsの推算法により求められたオレフィン系重合体の溶解パラメータ(SP2)よりも小さく、かつ、その差が1.6以上である有機ケイ素化合物を使用し、ポリオレフィン系重合体を配合した有機無機複合体形成用組成物をアンカーコート剤として使用することにより、アンカーコート層が1層で、オレフィン基材と無機膜を積層することができる。
実施例1の有機無機複合薄膜について、ESCAにより測定した膜厚方向における各元素の分布を示す図である。 実施例2の有機無機複合薄膜について、ESCAにより測定した、薄膜の膜厚方向における各元素の分布を示す図である。 実施例3の有機無機複合薄膜について、ESCAにより測定した膜厚方向における各元素の分布を示す図である。 比較例1の有機無機複合薄膜について、ESCAにより測定した膜厚方向における各元素の分布を示す図である。
(有機無機複合体形成用組成物)
本発明のアンカーコート用有機無機複合体形成用組成物は、
a)式(I)
SiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1を表し、各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される少なくとも1種であり、
Fedorsの推算法により求められたRの溶解パラメータ(SP1)が、Fedorsの推算法により求められた共役ジエン系重合体の溶解パラメータ(SP2)よりも小さく、かつ、その差が1.6以上のもの(Si1)である有機ケイ素化合物(以下、単に、有機ケイ素化合物ということがある。)を、350nm以下の波長の光の作用によって表面側の炭素成分を除去することができるチタンの金属キレート化合物または有機酸金属化合物を含むシラノール触媒を使用して縮合した縮合物、
b)光重合開始剤又は熱重合開始剤、
c)共役ジエン系重合体
を含有する。
本発明の有機無機複合体形成用組成物は、通常、上記成分以外に、水及び/又はその他の溶媒を含有する。
本発明の有機無機複合体形成用組成物中の固形分(有機ケイ素成分、オレフィン系重合体等)としては、1〜75質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがより好ましい。
(有機ケイ素化合物)
本発明の有機ケイ素化合物の式(I)中、R及びXは各々次のとおりである。
Rは、Siに炭素原子が直接結合する有機基を表す。かかる有機基としては、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい炭化水素のポリマーからなる基等を挙げることができる。具体的には、置換されていてもよい炭素数1〜30の炭化水素基が挙げられ、置換されていてもよい炭素数1〜30、好ましくは1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基又は置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルケニル基が好ましく、また、芳香環を有する炭化水素基であってもよい。
また、かかる有機基は、酸素原子、窒素原子、又はケイ素原子を含んでいてもよく、ポリシロキサン、ポリビニルシラン、ポリアクリルシラン等のポリマーを含む基でもよい。「置換されていてもよい」の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、メタクリロキシ基等を挙げることができ、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
「炭素数1〜30のアルキル基」としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、イコシル基等が挙げられる。
「炭素数3〜8のシクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
「炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基」とは、いずれか1カ所以上に炭素−炭素二重結合を有する炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基を意味し、例えば、エテニル基、プロパ−1−エン−1−イル基、プロパ−2−エン−1−イル基、プロパ−1−エン−2−イル基、ブタ−1−エン−1−イル基、ブタ−2−エン−1−イル基、ブタ−3−エン−1−イル基、ブタ−1−エン−2−イル基、ブタ−3−エン−2−イル基、ペンタ−1−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、ペンタ−1−エン−2−イル基、ペンタ−4−エン−2−イル基、3−メチル−ブタ−1−エン−1−イル基、ヘキサ−1−エン−1−イル基、ヘキサ−5−エン−1−イル基、ヘプタ−1−エン−1−イル基、ヘプタ−6−エン−1−イル基、オクタ−1−エン−1−イル基、オクタ−7−エン−1−イル基、ブタ−1,3―ジエン−1−イル基等が挙げられる。
「炭素数3〜8のシクロアルケニル基」とは、いずれか1カ所以上に炭素−炭素二重結合を有し、かつ環状部分を有する炭素数3〜8のアルケニル基を意味し、例えば、1−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、1−シクロヘキセン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられる。
「芳香環を有する炭化水素基」としては、例えば、C6−10アリール基、C6−10アリールC1−8アルキル基、C6−10アリールC2−6アルケニル基等が挙げられる。
「C6−10アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
「C6−10アリールC1−8アルキル基」としては、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニル−n−プロピル基、4−フェニル−n−ブチル基、5−フェニル−n−ペンチル基、8−フェニル−n−オクチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
「C6−10アリールC2−6アルケニル基」としては、スチリル基、3−フェニル−プロパ−1−エン−1−イル基、3−フェニル−プロパ−2−エン−1−イル基、4−フェニル−ブタ−1−エン−1−イル基、4−フェニル−ブタ−3−エン−1−イル基、5−フェニル−ペンタ−1−エン−1−イル基、5−フェニル−ペンタ−4−エン−1−イル基、8−フェニル−オクタ−1−エン−1−イル基、8−フェニル−オクタ−7−エン−1−イル基、ナフチルエテニル基等が挙げられる。
「酸素原子を有する基」としては、アルコキシアルキル基;エポキシ基、エポキシアルキル基、グリシドキシプロピル基等のオキシラン環(エポキシ基)を有する基;アクリロキシメチル基、メタクリロキシメチル基などが挙げられる。
「アルコキシアルキル基」としては、通常C1−6アルコキシC1−6アルキル基であり、例えば、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、3−エトキシーn−プロピル基等が挙げられる。
「エポキシアルキル基」としては炭素数3〜10の直鎖又は分岐鎖のエポキシアルキル基が好ましく、例えば
グリシジル基、グリシジルメチル基、2−グリシジルエチル基、3−グリシジルプロピル基、4−グリシジルブチル基、3,4−エポキシブチル基、4,5−エポキシペンチル基、5,6−エポキシヘキシル基等の直鎖状のエポキシ基を含むアルキル基;
β−メチルグリシジル基、β−エチルグリシジル基、β−プロピルグリシジル基、2−グリシジルプロピル基、2−グリシジルブチル基、3−グリシジルブチル基、2−メチル−3−グリシジルプロピル基、3−メチル−2−グリシジルプロピル基、3−メチル−3,4−エポキシブチル基、3−エチル−3,4−エポキシブチル基、4−メチル−4,5−エポキシペンチル基、5−メチル−5,6−エポキシヘキシル基等の枝分かれ状のエポキシ基を含むアルキル基等が挙げられる。
「グリシドキシアルキル基」としては、グリシドキシメチル基、グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
「窒素原子を有する基」としては、−NR’(式中、R’は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、各R’は互いに同一でも異なっていてもよい。)を有する基、又は−N=CR’’(式中、R’’は水素原子又はアルキル基を表し、各R’’は互いに同一でも異なっていてもよい。)を有する基が好ましく、アルキル基としては上記と同じものが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラセン−1−イル基、フェナントレン−1−イル基等が挙げられる。
「−NR’を有する基」としては、―CH−NH基、−C−NH基、−CH−NH−CH基等が挙げられる。「−N=CR’’を有する基」としては、−CH−N=CH−CH基、−CH−N=C(CH基、−C−N=CH−CH基等が挙げられる。
上記のうち、350nm以下の波長の光の照射によって分解される基としては、ビニル基を有する基、オキシラン環を有する基、−NR’(式中、R’は水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、各R’は互いに同一でも異なっていてもよい。)を有する基、又は−N=CR’’(式中、R’’は水素原子又はアルキル基を表し、各R’’は互いに同一でも異なっていてもよい。)を有する基が挙げられる。
ここで、ビニル基を有する基としては、エテニル基(ビニル基)、プロパ−2−エン−1−イル基、ブタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、ヘキサ−5−エン−1−イル基、ヘプタ−6−エン−1−イル基、オクタ−7−エン−1−イル基等のアルケニル基、メタクリルメチル基、アクリロキシメチル基、メタクリロキシメチル基等のビニルカルボニル基を有する基等を有する基が挙げられる。オキシラン環を有する基、−NR’を有する基、−N=CR’’を有する基は、上記のとおりである。
また、有機ケイ素化合物の式(I)中、nは1又は2を表し、n=1のものが特に好ましい。nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよい。また、これらは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
Xは、水酸基又は加水分解性基を表す。式(I)の(4−n)が2以上のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。加水分解性基とは、例えば、無触媒、過剰の水の共存下、25℃〜100℃で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基や、シロキサン縮合物を形成することができる基を意味し、具体的には、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン基、イソシアネート基等を挙げることができ、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜6のアシルオキシ基が好ましい。
ここで、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられ、炭素数1〜6のアシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
また、炭化水素のポリマーからなる基を有する有機ケイ素化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸及び無水マレイン酸などの酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどから選ばれるビニル系化合物を共重合したビニル系ポリマーを式(I)のR成分とするものを挙げることができる。
本発明において使用される有機ケイ素化合物は、Fedorsの推算法により求められたRの溶解パラメータ(SP1)が、Fedorsの推算法により求められたオレフィン系重合体の溶解パラメータ(SP2)よりも小さく、かつ、その差が1.6以上のもの(Si1)である。
本発明において使用される有機ケイ素化合物は、更に、SP1がSP2よりも小さく、かつその差が1.6未満のもの、又はSP1がSP2よりも大きいもの(Si2)を含んでいても良く、Si2が含まれる場合は、(Si1:Si2)が、5:5〜10:0であり、好ましくは、9:1〜10:0である。
ここで、溶解パラメータ(SP値)とは、以下のFedorsの推算法に基づき計算されるものである。
Fedorsの式:SP値(δ)=(E/v)1/2=(ΣΔe/ΣΔv1/2:蒸発エネルギー
v:モル体積
Δe:各成分の原子又は原子団の蒸発エネルギー
Δv:各原子又は原子団のモル体積
上記の式の計算に使用する各原子又は原子団の蒸発エネルギー、モル体積はR. F. Fedors, Polym. Eng. Sci., 14, 147 (1974)を参照することができる。
したがって、本発明において使用される有機ケイ素化合物は、本発明において使用されるオレフィン系重合体の種類に応じて異なる。有機ケイ素化合物のR及びオレフィン系重合体の溶解パラメータ(SP値)はFedorsの推算法に基づき計算することができるから、あらかじめ計算されたSP値を基に、有機ケイ素化合物とオレフィン系重合体の組み合わせを決定することができる。
例えば、オレフィン重合体としてポリブタジエン(SP値8.5)を用いる場合には、オレフィン系重合体のSP値より1.6以上小さい有機ケイ素化合物としては、メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリ(n−ブトキシ)シラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジアミノシラン、ジメチルジアセトキシシラン(これらはいずれもSP値が6.9以下である)が挙げられる
れらは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において用いる有機ケイ素化合物の縮合物は、その平均粒径が、50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。
本発明の有機無機複合体形成用組成物の固形分中の有機ケイ素化合物の縮合物の配合量は、有機ケイ素化合物の縮合物、オレフィン系重合体、及び必要に応じて添加される他の成分の全質量に対して、1〜95質量%、好ましくは1〜50質量%である。
(シラノール縮合触媒)
本発明の有機ケイ素化合物の縮合物は、シラノール触媒を用いて、式(I)の有機ケイ素化合物を縮合反応させることにより得ることができる。
本発明の有機無機複合体形成用組成物には、上記有機ケイ素化合物の縮合反応に使用したシラノール触媒が含有されていてもよい。
シラノール縮合触媒としては、式(I)で表される化合物中の加水分解性基を加水分解し、シラノールを縮合してシロキサン結合とするものであれば特に制限されず、有機金属、有機酸金属塩、金属キレート化合物、それらの加水分解物及びそれらの縮合物、酸、塩基、からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。シラノール縮合触媒は1種単独、又は、2種以上の組合せで使用することができる。
有機金属としては、例えば、テトラメチルチタン、テトラプロピルジルコニウム等のアルキル金属化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコラート等が挙げられる。
有機酸金属塩としては例えば、カルボン酸金属塩、スルフォン酸金属塩、フェノール金属塩等が挙げられる。
金属キレート化合物としては、β−ケトカルボニル化合物、β−ケトエステル化合物、α−ヒドロキシエステル化合物等との金属キレート化合物が挙げられる。
酸としては、有機酸、鉱酸が挙げられ、具体的には例えば、有機酸としては酢酸、ギ酸、シュウ酸、炭酸、フタル酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等、鉱酸としては、塩酸、硝酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等が挙げられる。
ここで、光照射によって酸を発生する光酸発生剤、具体的には、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等も酸に包含される。
塩基としては、テトラメチルグアニジン、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン等の強塩基類;有機アミン類、有機アミンのカルボン酸中和塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。
これ等のうち、特に、350nm以下の波長の光の作用によって表面側の炭素成分を除去することができる光感応性化合物が好ましい。
光感応性化合物とは、そのメカニズムの如何によらず、表面側から照射される350nm以下の波長の光の作用によって、表面側の炭素成分を除去することができる化合物であり、好ましくは、表面から深さ方向2nmにおける表面部の炭素含有量が、炭素量が減少していない部分(膜の場合、例えば、膜裏面から深さ方向10nmにおける裏面部)の炭素含有量の80%以下、より好ましくは2〜60%、さらに好ましくは2〜40%とすることができる化合物であり、特に好ましくは、炭素成分を、その除去量が表面側から漸次減少するように所定深さまで除去することが可能な化合物、すなわち、表面から所定深さまで炭素含有量が漸次増加する層を形成することができる化合物をいう。具体的には、例えば、350nm以下の波長の光を吸収して励起する化合物を挙げることができる。
ここで、350nm以下の波長の光とは、350nm以下のいずれかの波長の光を成分とする光源を用いてなる光、好ましくは、350nm以下のいずれかの波長の光を主成分とする光源を用いてなる光、すなわち、最も成分量の多い波長が350nm以下の光源を用いてなる光を意味する。
光感応性化合物としては、金属のキレート化合物、有機酸金属塩、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物(ただし、金属キレート化合物及び有機酸金属塩を除く)、それらの加水分解物、及びそれらの縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であるのが好ましく、特に加水分解物及び/又は縮合物であることが好ましく、中でも金属キレート化合物の加水分解物及び/又は縮合物が好ましい。かかる光感応性化合物及び/又はその誘導体は、有機ケイ素化合物と化学結合していてもよく、非結合状態で分散していてもよく、その混合状態のものであってもよい。
尚、光感応性化合物の誘導体は、具体的には、金属キレート化合物、有機酸金属塩、または2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物の加水分解物またはそれらの縮合物の更なる加水分解物または縮合物等を例示することができる。
上記金属のキレート化合物としては、水酸基若しくは加水分解性基を有する金属キレート化合物であることが好ましく、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属キレート化合物であることがより好ましい。なお、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有するとは、加水分解性基及び水酸基の合計が2以上であることを意味する。また、前記金属キレート化合物としては、β−ケトカルボニル化合物、β−ケトエステル化合物、及びα−ヒドロキシエステル化合物が好ましく、具体的には、アセト酢酸メチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸t−ブチル等のβ−ケトエステル類;アセチルアセトン、へキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、オクタン−2,4−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、5−メチル−へキサン−2,4−ジオン等のβ−ジケトン類;グリコール酸、乳酸等のヒドロキシカルボン酸等が配位した化合物が挙げられる。
上記有機酸金属塩は、金属イオンと有機酸から得られる塩であり、有機酸としては、酢酸、シュウ酸、酒石酸、安息香酸等のカルボン酸類;スルフォン酸、スルフィン酸等の含硫黄有機酸;フェノール化合物;エノール化合物;オキシム化合物;イミド化合物;芳香族スルフォンアミド;等の酸性を呈する有機化合物が挙げられる。
また、上記2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物は、上記金属キレート化合物及び有機酸金属塩以外のものであり、例えば、金属水酸化物や、金属n−プロポキシド、金属イソプロポキシド、金属n−ブトキシド等の金属アルコラート等を挙げることができる。
上記2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物、上記金属キレート化合物又は上記有機酸金属塩における加水分解性基としては、例えば、アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン基、イソシアネート基が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアシルオキシ基が好ましい。なお、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有するとは、加水分解性基及び水酸基の合計が2以上であることを意味する。
2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物の加水分解物及び/又は縮合物としては、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物1モルに対して、0.5モル以上の水を用いて加水分解したものであることが好ましく、0.5〜2モルの水を用いて加水分解したものであることがより好ましい。
また、金属キレート化合物の加水分解物及び/又は縮合物としては、金属キレート化合物1モルに対して、5〜100モルの水を用いて加水分解したものであることが好ましく、5〜20モルの水を用いて加水分解したものであることがより好ましい。
また、有機酸金属塩の加水分解物及び/又は縮合物としては、有機酸金属塩1モルに対して、5〜100モルの水を用いて加水分解したものであることが好ましく、5〜20モルの水を用いて加水分解したものであることがより好ましい。
本発明において、シラノール縮合触媒を2種以上使用する場合、上記の光感応性を有する化合物を含んでいてもよいし、光感応性を有する化合物を含んでいなくてもよい。また、光感応性を有する化合物と光感応性を有しない化合物を併用することもできる。
また、これら金属化合物、金属キレート化合物又は有機酸金属塩化合物における金属としては、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、スズ(Sn)、タンタル(Ta)、亜鉛(Zn)、タングステン(W)、鉛(Pb)等が挙げられ、これらの中でもチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)が好ましく、特にチタン(Ti)が好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上用いることもできる。
本発明において用いる金属のキレート化合物、有機酸金属塩、2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物等のシラノール縮合触媒は、加水分解物及び/又は縮合物であることが好ましく、特に、金属キレート化合物の加水分解物及び/又は縮合物が好ましく、その平均粒径としては、20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。これにより、有機無機複合体(有機無機複合薄膜)の透明性を向上させることができる。
本発明において使用するシラノール縮合触媒の配合比は、有機ケイ素化合物の縮合物の質量に対して、1:99〜99:1、好ましくは1:99〜50:50である。
(オレフィン系重合体)
本発明のオレフィン系重合体は、炭素数2〜30のオレフィンの1種もしくは2種以上の重合体、及び他の共重合し得るモノマーとの共重合体を包含する。
また、重合体末端の一方又は両方がカルボキシル基、アクリル基、無水マレイン酸、ヒドロキシ基、エポキシ基等で変性されていてもよい。
本発明のオレフィン系重合体は、重合度が2以上のものであれば良く、数平均分子量Mnは50〜100,000が好ましく、50〜10,000がより好ましい。
炭素数2〜30のオレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等のアルケン;
1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,11−ドデカジエン等の非共役ジエン;
1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−t−ブチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−トリシクロデカジエン、ミルセン、クロロプレン等の共役ジエンが挙げられ、特に好ましいのは共役ジエンである。
他の共重合し得るモノマーとしては、(メタ)アクリル酸系モノマー、芳香族ビニル系モノマー等があり、以下のものが例示される。
(メタ)アクリル酸系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸1−エチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(エチレングリコールの単位数は2〜100)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等を例示することができ、これらは1種単独で、あるいは2種以上混合して、用いることができる。
芳香族ビニル系モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、m−t−ブトキシスチレン、p−(1−エトキシエトキシ)スチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルアニリン、ビニル安息香酸、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルキノリン、4−ビニルキノリン、2−ビニルチオフェン、4−ビニルチオフェン等のヘテロアリール化合物等を挙げることができ、これらは1種単独で、あるいは2種以上混合して、用いることができる。
ここで、重合体中のオレフィンモノマーとその他の共重合し得るモノマーとのモル比は、100:0〜50:50、好ましくは100:0〜70:30、より好ましくは100:0〜80:20である。
本発明の有機無機複合体形成用組成物の固形分中のオレフィン系重合体の配合量は、有機ケイ素化合物の縮合物オレフィン系重合体及び必要に応じて配合される他の成分の全質量に対して、2〜99質量%、好ましくは50〜99質量%、より好ましくは60〜99質量%、さらに好ましくは70〜99質量%である。
(オレフィン系重合体の重合開始剤)
オレフィン重合体の重合開始剤としては、光重合開始剤と熱重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤:
本発明の光重合開始剤は、(a)光照射によりカチオン種を発生させる化合物及び(b)光照射により活性ラジカル種を発生させる化合物等を挙げることができる。
光照射によりカチオン種を発生させる化合物としては、例えば、下記式(II)に示す構造を有するオニウム塩を好適例として挙げることができる。
このオニウム塩は、光を受けることによりルイス酸を放出する化合物である。
[R W]+e[MLe+f−e (II)
(式(II)中、カチオンはオニウムイオンであり、Wは、S、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Cl、又はN≡N−であり、R、R、R及びRは同一又は異なる有機基であり、a、b、c、及びdは、それぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。Mは、ハロゲン化物錯体[MLe+f]の中心原子を構成する金属又はメタロイドであり、例えば、B、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co等である。Lは、例えば、F、Cl、Br等のハロゲン原子であり、eは、ハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、fは、Mの原子価である。)
上記式(II)中における陰イオン(MLe+f)の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロロアンチモネート(SbCl )等を挙げることができる。
また、式〔ML(OH)〕に示す陰イオンを有するオニウム塩を用いることもできる。さらに、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CFSO )、フルオロスルフォン酸イオン(FSO )、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸陰イオン、トリニトロトルエンスルフォン酸陰イオン等の他の陰イオンを有するオニウム塩でもよい。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光照射により活性ラジカル種を発生させる化合物としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)等を挙げることができる。
熱重合開始剤:
熱重合開始剤は、加熱によりラジカルを発生する化合物のことを指し、例えば、有機過酸化物、過硫酸塩、アゾ化合物及びレドックス開始剤等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びジクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルペルマレエートのようなパーオキシド;1,6ビス(t−ブチルパーオキシカルボニロキシ)ヘキサン等のパーオキシカーボネート;パーオキシケタール等が挙げられる。
上記過硫酸塩としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
上記アゾ化合物としては、2,2'−アゾビスプロパン、2,2'−ジクロロ−2,2'−アゾビスプロパン、1,1'−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2'−アゾビスイソブタン、2,2'−アゾビスイソブチルアミド、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2'−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2'−ジクロロ−2,2'−アゾビスブタン、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2'−アゾビスイソ酪酸ジメチル、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4'−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等を挙げることができる。
上記レドックス開始剤としては、例えば過酸化水素−鉄(II)塩、有機化酸化物−ジメチルアニリン、セリウム(IV)塩−アルコール等の組み合わせを挙げることができる。
本発明において用いられる重合開始剤の配合量は、オレフィン重合体の固形分に対して、0.01〜20質量%配合することが好ましく、0.1〜10質量%が、さらに好ましい。
(任意成分)
1)金属化合物粒子
本発明においては、金属化合物粒子が配合されていてもよい。
金属化合物粒子の金属としては、ケイ素、タングステン、アンチモン、ジルコニウム、アルミニウム、チタン、マグネシウム、鉄、錫、亜鉛、カドミウム、ニッケル、銅、ベリウム、ルテニウム、トリウム、イットリウム、水銀、セシウム、クロム、ランタンなどが挙げられ、金属化合物としては、シリカ、酸化タングステン、酸化アンチモン、ジルコニア、アルミナ、チタニア、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化イットリウム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化ベリウム、酸化ルテニウム、酸化トリウム、酸化水銀、酸化セリウム、酸化クロム等の金属酸化物やフッ化マグネシウム等が挙げられる。
金属化合物粒子は、シリカと、ジルコニア、アルミナ、チタニアから選ばれる少なくとも1種が好ましく、シリカゾルとジルコニアゾルとの混合ゾルであることがより好ましい。
用いる金属化合物粒子は、2次粒子であっても1次粒子であっても特に制限はないが、1次粒子であるのが好ましい。
金属化合物の粒子径は、特に限定されないが、平均1次粒子径で1nm〜100nmの範囲が好ましく、さらに1nm〜50nmの範囲が好ましい。
また、金属化合物粒子の性状は、ゾルであっても粉体であっても良いが、通常はゾルを用いるのが好ましい。ゾルは、通常、コロイド状の分散液であるので、他の成分と単に混合することで均一な分散液が簡便にでき、また、沈降などにより不均一になる問題も少ない。
また、各金属化合物粒子の表面を、シランカップリング剤等により、表面修飾されたものを用いることができ、具体的には、炭化水素基等で疎水性処理を施されたシリカゾル等を例示することができる。
本発明の有機無機複合体形成用組成物の固形分中の金属化合物粒子の配合量は、有機ケイ素化合物の縮合物、オレフィン系重合体及び金属化合物粒子等の全質量に対して、0.1〜50質量%、好ましくは0.1〜25質量%である。
2)溶媒
本発明に用いる溶媒としては、特に制限されるものではなく、例えば、水;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;メタノール、エタノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール誘導体類;等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
3)その他の含有しうる成分
また、本発明の有機無機複合体形成用組成物には、得られる塗膜の着色、厚膜化、下地への紫外線透過防止、防蝕性の付与、耐熱性などの諸特性を発現させるために、別途、充填材を添加・分散させることも可能である。ただし、酸化物については、上記金属酸化物粒子と重複して記載されるものもある。
この充填材としては、例えば有機顔料、無機顔料などの非水溶性の顔料または顔料以外の粒子状、繊維状もしくは鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。この充填材の具体例としては、粒子状、繊維状もしくは鱗片状の鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーンブラック、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデンなどを挙げることができる。
なお、本発明の有機無機複合体形成用組成物には、その他、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシランなどの公知の脱水剤、各種界面活性剤、前記以外のシランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料、分散剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を添加することもできる。
(有機無機複合体形成用組成物の調製方法)
本発明の有機無機複合体形成用組成物の調製方法としては、有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、シラノール縮合触媒、オレフィン系重合体、重合開始剤、及び必要に応じて溶媒、その他の任意成分を混合する。
具体的には、たとえば、シラノール縮合触媒を溶媒に混合し、所定量の水を加え、(部分)加水分解を行い、続いて、有機ケイ素化合物を添加して(部分)加水分解させる。一方、オレフィン系重合体及び重合開始剤を溶媒に溶解し、両液を混合する。これら成分は、同時に混合することもでき、また、有機ケイ素化合物とシラノール縮合触媒の混合方法については、有機ケイ素化合物とシラノール縮合触媒を混合した後に、水を加えて(部分)加水分解する方法や、有機ケイ素化合物及びシラノール縮合触媒を別々に(部分)加水分解したものを混合する方法を挙げることができる。水や溶媒を加える必要は必ずしもないが、水を加えて(部分)加水分解物としておくことが好ましい。所定量の水の量としては、シラノール縮合触媒の種類にもよるが、例えば、シラノール縮合触媒が2以上の水酸基若しくは加水分解性基を有する金属化合物の場合、金属化合物1モルに対して、0.5モル以上の水を用いることが好ましく、0.5〜2モルの水を用いることがより好ましい。また、シラノール縮合触媒が金属キレート化合物又は金属有機酸塩化合物の場合、金属キレート化合物又は金属有機酸塩化合物1モルに対して、5〜100モルの水を用いることが好ましく、5〜20モルの水を用いることがより好ましい。
(有機無機複合体)
本発明の有機無機複合体からなるアンカーコートは、
a)式(I)
SiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1を表し、各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される少なくとも1種であり、
Fedorsの推算法により求められたRの溶解パラメータ(SP1)が、Fedorsの推算法により求められた共役ジエン系重合体の溶解パラメータ(SP2)よりも小さく、かつ、その差が1.6以上のもの(Si1)である有機ケイ素化合物を、350nm以下の波長の光の作用によって表面側の炭素成分を除去することができるチタンの金属キレート化合物または有機酸金属化合物を含むシラノール触媒を使用して縮合した縮合物、
b)光重合開始剤または熱重合開始剤
c)共役ジエン系重合体
の硬化物を含有する。
本発明の有機無機複合体には、有機ケイ素化合物の縮合物にシラノール縮合触媒(触媒の構造が変化した誘導体も包含する)が非結合状態で分散されてなるものや、有機ケイ素化合物の縮合物にシラノール縮合触媒(触媒の構造が変化した誘導体も包含する)が結合してなるもの(例えば、Si−O−M結合を有するもの(Mはシラノール縮合触媒中の金属原子を表す。))や、その混合状態からなるものが包含される。
(有機無機複合薄膜を有する積層体)
上記本発明の有機無機複合体としては、具体的に、例えば、鋳型に鋳込んで成形された成形体や、基体上に塗布して形成された薄膜が挙げられる。熱重合開始剤を使用する場合には、薄膜を形成する場合、基体上に塗布した後乾燥及び/又は加熱する方法であれば特に制限されるものではない。光重合開始剤を使用する場合には、乾燥後、開始剤に適した光を照射すればよい。350nm以下の波長を含む光を照射することが好ましく、これにより、より高硬度の薄膜(有機無機複合薄膜)を得ることができる。本発明において「350nm以下の波長を含む光」とは、350nm以下の波長のみならず、350nmよりも長い波長の紫外線も有するという意味である。
本発明の薄膜が形成可能な基体としては、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック等が挙げられる。従来、薄膜のプラスチック基体への形成は困難であり、ガラス等の無機基体に限定されていたが、本発明の薄膜は、形成の難しいプラスチック基体であっても、容易に皮膜形成でき、プラスチック製光学部品に対しても適している。かかるプラスチックとしては、例えば、オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリエーテルスルフォンが挙げられるが、特にオレフィン樹脂が好ましく、シクロオレフィン樹脂が特に好ましい。
また、有機無機複合体形成用組成物の塗布方法としては、公知の塗布方法を用いることができ、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、インクジェット法等を挙げることができる。また、形成する膜厚としては、特に制限されるものではなく、例えば、0.05〜200μm程度である。
光重合開始剤を使用した有機無機複合体形成用組成物を塗布して形成した塗膜の乾燥処理としては、例えば、40〜200℃で、1〜120分程度行うことが好ましく、60〜120℃で、10〜60分程度行うことがより好ましい。
また、350nm以下の波長を含む光の照射は、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ等の公知の装置を用いて行うことができ、照射する光としては、150〜350nmの範囲のいずれかの波長の光を主成分とする光であることが好ましく、250〜310nmの範囲のいずれかの波長の光を主成分とする光であることがより好ましい。かかる範囲の波長に感応し、350nm、好ましくは310nmを超える光に反応しないものであれば、太陽光によりほとんど影響を受けることはない。また、照射する光の照射光量としては、例えば、0.1〜100J/cm程度が挙げられ、膜硬化効率(照射エネルギーと膜硬化程度の関係)を考慮すると、0.2〜20J/cm程度であることが好ましく、0.5〜10J/cm程度であることがより好ましい。
なお、350nm以下の波長の光の照射とは、350nm以下のいずれかの波長の光を成分とする光源を用いる照射、好ましくは、350nm以下のいずれかの波長の光を主成分とする光源を用いる照射、すなわち、最も成分量の多い波長が350nm以下の光源を用いる照射をいう。
熱重合開始剤を使用した有機無機複合体形成用組成物を塗布して形成した塗膜の加熱・乾燥処理としては、温度は10〜200℃、好ましくは10〜160℃、より好ましくは10〜130℃、更に好ましくは20〜130℃であり、時間は1分〜3時間である。
本発明の有機無機複合薄膜の深さ方向における元素濃度は、ESCA分析によって測定することができる。
ESCA分析によると、本発明の有機無機複合薄膜は、薄膜表面側に式(I)で表される有機ケイ素化合物の縮合物が濃縮した層を有する。
該濃縮層が形成されている部分の炭素原子の濃度は、基材側から10nmの膜の部分の炭素原子の濃度に比べて40%以上、好ましくは50%以上少ない。
ここで、「炭素原子の濃度」とは、(全金属原子+酸素原子+炭素原子)を100%とした時の炭素原子のモル濃度を意味する。他の元素の濃度も同様である。
また、「有機ケイ素化合物の縮合物が濃縮した層」をESCA分析による炭素原子の濃度で規定しているが、「有機ケイ素化合物の縮合物が濃縮した層」では、ケイ素濃度が高くなっている。
本発明においては、炭素濃度が低いほどケイ素濃度が高くなる関係にある。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、MIBKはメチルイソブチルケトンを意味する。
実施例1
1)有機ケイ素化合物の縮合物の調製
140mLマヨネーズ瓶にメチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社 KBM−13)を17.00g仕込んだ。メチルトリメトキシシランに対してTiO換算で5mol%となるようにジイソプロポキシビスアセチルアセトナートチタン(日本曹達社株式会社、T−50、TiO換算固形分量16.5wt%)を3.02g添加した。次いで、MIBK19.91gを仕込み、攪拌速度100rpmで15分間攪拌した。メチルトリメトキシシランに対し2倍molとなるように蒸留水4.50gを仕込み、攪拌速度100rpmで攪拌しながら2時間加水分解反応を行った。この時、液温は40℃まで上昇した。反応終了後、反応液の液温が25℃になるまで30分間放置し、有機ケイ素化合物の縮合物を調製した。
2)有機無機複合体形成用組成物の調製
ポリブタジエン(日本曹達株式会社製、G−3000、SP値約8.5)/有機ケイ素化合物の縮合物が90wt%/10wt%となるように、ポリブタジエン17.37gと上記有機ケイ素化合物の縮合物9.65gを混合し、MIBK2.29gで希釈した。ついで、ポリブタジエンの固形分に対して4wt%となるように、ジクミルパーオキサイド(熱重合開始剤:日本油脂株式会社製、パークミルD)を0.69g添加し、固形分40wt%の有機無機複合体形成用組成物を調製した。
3)有機無機複合薄膜の作製
上記のとおり調製された有機無機複合体形成用組成物を、ステンレス板上に5μmとなるようにバーコート成膜し、温風循環型乾燥機にて150℃で30分間乾燥して有機無機複合薄膜を作製した。
ESCAにより膜厚方向における各元素の濃度を測定した(図1)。
実施例2
1)有機ケイ素化合物の縮合物の調製
140mLマヨネーズ瓶にメチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社KBM-13 )を17.00g仕込んだ。メチルトリメトキシシランに対してTiO2換算で5mol%となるようにジイソプロポキシビスアセチルアセトナートチタン(日本曹達株式会社、T-50、TiO2換算固形分量:16.5wt%)を3.02g添加した。MIBK 19.91gを仕込み、15分間攪拌(攪拌速度100rpm)した。
メチルトリメトキシシランに対して2倍molとなるように蒸留水 4.50gを仕込み、加水分解反応を行った(2時間、攪拌速度100rpm)。この時液温は40℃まで上昇した。反応終了後、反応液の液温が25℃になるまで30分間放置し、有機ケイ素化合物の縮合物を調製した。
2)有機無機複合体形成用組成物の調製
ポリブタジエン(日本曹達株式会社、EA-3000、SP値8.5)/有機ケイ素化合物の縮合物=90wt%/10wt%となるように、EA-3000 17.37gと有機ケイ素化合物の縮合物9.65gを混合した後、MIBK 22.29gで希釈した。Irgacure907(光重合開始剤:登録商標、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社 重合開始剤)を、EA-3000の固形分に対して4wt%となるように0.69g添加した。固形分40wt%の有機無機複合体形成用組成物を調製した。
3)有機無機複合薄膜の作製
日本ゼオン社製ゼオノアフィルム ZF-16(188μm)上に5μmとなるようにバーコート成膜し、温風循環型乾燥機にて80℃で3分間乾燥した。続いて、集光型高圧水銀灯(365nm、313nm、254nmの波長の光を主成分とするUV光、アイグラフィックス社製、120W/cm、ランプ高9.8cm、コンベア速度5m/分)により、積算照射量400mJ/cmの紫外線を照射して薄膜を得た。
ESCAにより、薄膜の膜厚方向における各元素の濃度を測定した。結果を図2に示す。
実施例3
1)有機ケイ素化合物の縮合物の調製
140mLマヨネーズ瓶にメチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社KBM-13 )を17.00g仕込んだ。メチルトリメトキシシランに対してTiO2換算で5mol%となるようにジイソプロポキシビスアセチルアセトナートチタン(日本曹達株式会社、T-50、TiO2換算固形分量:16.5wt%)を3.02g添加。MIBK 19.91gを仕込み、15分間攪拌(攪拌速度100rpm)した。
メチルトリメトキシシランに対して2倍molとなるように蒸留水 4.50gを仕込み、加水分解反応を行った(2時間、攪拌速度100rpm)。この時液温は40℃まで上昇した。反応終了後、反応液の液温が25℃になるまで30分間放置しし、有機ケイ素化合物の縮合物を調製した。
2)有機無機複合体形成用組成物の調製
G-1000(日本曹達株式会社、ポリブタジエン、SP値約8.3)/有機ケイ素化合物の縮合物=90wt%/10wt%となるように、G-1000 17.37gとポリシロキサン 9.65gを混合した後、MIBK 22.29gで希釈した。ついで、ポリブタジエンの固形分に対して4wt%となるように、ジクミルパーオキサイド(熱重合開始剤:日本油脂株式会社製、パークミルD)を0.69.48g添加し、固形分40wt%の有機無機複合体形成用組成物を調製した。
3)有機無機複合薄膜形成
日本ゼオン社製 ゼオノアフィルム ZF-16(188μm)上に5μmとなるようにバーコート成膜し、温風循環型乾燥機にて130℃で1時間加熱して有機無機複合薄膜を作製した。
ESCAにより膜厚方向における各元素の濃度を測定した(図3)。
比較例1
(ビニルトリメトキシシランは、EA-3000とのSP値の差が1.6未満)
1)有機ケイ素化合物の縮合物の調製
140mLマヨネーズ瓶にビニルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社KBM-1003 )を17.81g仕込んだ。ビニルトリメトキシシランに対してTiO2換算で5mol%となるようにジイソプロポキシビスアセチルアセトナートチタン(日本曹達株式会社、T-50、TiO2換算固形分量:16.5wt%)を2.91g添加。MIBK 26.03gを仕込み、15分間攪拌(攪拌速度100rpm)した。
ビニルトリメトキシシランに対して1.5倍molとなるように蒸留水 3.25gを仕込み、加水分解反応を行った(2時間、攪拌速度100rpm)。この時液温は40℃まで上昇した。反応終了後、反応液の液温が25℃になるまで30分間放置した。
2)有機無機複合体形成用組成物の調製
EA-3000(日本曹達株式会社、ポリブタジエン、SP値8.5)/有機ケイ素化合物の縮合物=90wt%/10wt%となるように、EA-3000 17.37gと有機ケイ素化合物の縮合物9.65gを混合した後、MIBK 22.29gで希釈した。
Irgacure907(登録商標、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社 重合開始剤)を、EA-3000の固形分に対して4wt%となるように0.69g添加した。固形分40wt%のコーティング剤を得た。
3)有機無機複合薄膜の作製
日本ゼオン社製 ゼオノアフィルム ZF-16(188μm)上に5μmとなるようにバーコート成膜し、温風循環型乾燥機にて80℃で3分間乾燥した。続いて、集光型高圧水銀灯(365nm、313nm、254nmの波長の光を主成分とするUV光、アイグラフィックス社製、120W/cm、ランプ高9.8cm、コンベア速度5m/分)により、積算照射量400mJ/cmの紫外線を照射して薄膜を得た。
ESCAにより膜厚方向における各元素の濃度を測定した(図4)。







Claims (3)

  1. a)式(I)
    SiX4−n・・・(I)
    (式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1を表し、各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される少なくとも1種であり、
    Fedorsの推算法により求められたRの溶解パラメータ(SP1)が、Fedorsの推算法により求められた共役ジエン系重合体の溶解パラメータ(SP2)よりも小さく、かつ、その差が1.6以上のもの(Si1)である有機ケイ素化合物を、350nm以下の波長の光の作用によって表面側の炭素成分を除去することができるチタンの金属キレート化合物または有機酸金属化合物を含むシラノール触媒を使用して縮合した縮合物、
    b)光重合開始剤又は熱重合開始剤、
    c)共役ジエン系重合体
    を含有するアンカーコート用有機無機複合体形成用組成物。
  2. a)式(I)
    SiX4−n・・・(I)
    (式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1を表し、各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される少なくとも1種であり、
    Fedorsの推算法により求められたRの溶解パラメータ(SP1)が、Fedorsの推算法により求められた共役ジエン系重合体の溶解パラメータ(SP2)よりも小さく、かつ、その差が1.6以上のもの(Si1)である有機ケイ素化合物を、350nm以下の波長の光の作用によって表面側の炭素成分を除去することができるチタンの金属キレート化合物または有機酸金属化合物を含むシラノール触媒を使用して縮合した縮合物、
    b)光重合開始剤又は熱重合開始剤、
    c)共役ジエン系重合体
    の硬化物を含有する有機無機複合体からなるアンカーコート
  3. (a)オレフィン基材、および、(b)請求項1に記載の組成物から形成されたアンカーコート層を含む積層体。
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