以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
<第1の実施の形態>
〜構成〜
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる油圧ショベル(建設機械)の油圧駆動装置を示す図である。
図1において、本実施の形態の油圧駆動装置は、原動機(例えばディーゼルエンジン)1と、その原動機1によって駆動され、圧油供給路5に圧油を吐出する可変容量型のメインポンプ2(油圧ポンプ)と、原動機1によって駆動され、圧油供給路31aに圧油を吐出する固定容量型のパイロットポンプ30と、メインポンプ2によって吐出される圧油により駆動される複数のアクチュエータ3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3hと、圧油供給路5に接続され、メインポンプ2から複数のアクチュエータ3a〜3hに供給される圧油の流れを制御するコントロールバルブユニット4と、ロードセンシング制御とトルク制御によりメインポンプ2の吐出流量を制御するレギュレータ12(ポンプ制御装置)とを備えている。
コントロールバルブユニット4は、圧油供給路5に接続され、メインポンプ2から複数のアクチュエータ3a〜3hに供給される圧油の流量・流れ方向を制御する複数の流量制御弁6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g,6hと、複数の流量制御弁6a〜6hの前後差圧が目標補償差圧に等しくなるよう複数の流量制御弁6a〜6hの前後差圧をそれぞれ制御し、複数の流量制御弁6a〜6hにより制御される圧油の流量が複数の流量制御弁6a〜6jのメータインの開口面積に比例するよう制御する複数の圧力補償弁7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g,7hと、圧油供給路5に接続され、圧油供給路5の圧力(メインポンプ2の吐出圧)Ppの最大圧力を制限するメインリリーフ弁14と、圧油供給路5に接続され、圧油供給路5の圧力(メインポンプ2の吐出圧)Ppがアクチュエータ3a〜3hの最高負荷圧にアンロード差圧Pun0を加算したセット圧(アンロード圧)よりも高くなると開状態になって圧油供給路5の圧油をタンクに戻すアンロード弁15と、流量制御弁6a〜6hの負荷ポートにトーナメント方式で接続され、アクチュエータ3a〜3hの最高負荷圧Plmaxを検出するシャトル弁9a,9b,9c,9d,9e,9f,9gを有し、最終段のシャトル弁9gの出力ポートに接続された最高負荷圧ライン35に検出した最高負荷圧Plmaxを出力する最高負荷圧検出回路9と、最高負荷圧ライン35に絞り(固定絞り)17を介して接続され、最高負荷圧ライン35の絞り17の下流側に導かれた最高負荷圧Plmaxaの最大圧力をメインリリーフ弁14のセット圧よりも低い圧力に制限する信号圧リリーフ弁16と、メインポンプ2の吐出圧Ppと最高負荷圧ライン35の絞り17の下流側の最高負荷圧Plmaxaとの差圧を絶対圧Plsとして出力する差圧減圧弁11とを備えている。
アクチュエータ3aは、例えば油圧ショベルのブーム104a(図3)を駆動するブームシリンダであり、アクチュエータ3bは、例えば油圧ショベルのアーム104b(図3)を駆動するアームシリンダであり、アクチュエータ3cは、例えば油圧ショベルの上部旋回体109(図3)を駆動する旋回モータであり、アクチュエータ3dは、例えばバケット104c(図3)を駆動するバケットシリンダ、アクチュエータ3eは、例えばスイングポスト103(図3)を駆動するスイングシリンダであり、アクチュエータ3fは、例えば下部走行体の左側履帯101a(図3)を駆動する左走行モータであり、アクチュエータ3gは,例えば油圧ショベルの下部走行体の右側履帯101b(図3)を駆動する右走行モータであり、アクチュエータ3hは、例えばブレード106(図3)を駆動するブレードシリンダである。
また、本実施の形態の油圧駆動装置は、上記の構成に加えて、パイロットポンプ30の圧油供給路31aに接続され、パイロットポンプ30の吐出流量を絶対圧PGRとして検出する原動機回転数検出弁13と、原動機回転数検出弁13の下流側のパイロット圧油供給路31bに接続され、パイロット圧油供給路31bに一定のパイロット圧Ppiを生成するパイロットリリーフ弁32と、パイロット圧油供給路31bに接続され、ゲートロックレバー24により下流側の圧油供給路31cを圧油供給路31bに接続するかタンクに接続するかを切り替えるゲートロック弁100と、ゲートロック弁100の下流側のパイロット圧油供給路31cに接続され、一定のパイロット圧Ppiに基づいて流量制御弁6a〜6hを切り換え操作するための操作パイロット圧a1,a2;b1,b2;c1,c2;d1,d2;e1,e2;f1,f2;g1,g2;h1,h2を生成する1対のパイロットバルブ(減圧弁)をそれぞれ備えた複数のパイロットバルブユニット60a,60b,60c,60d,60e,60f,60g,60hと、パイロットバルブユニット60f,60gの1対のパイロットバルブの出力ラインにトーナメント方式で接続されたシャトル弁70a,70b,70cを備えた走行操作検出回路(特定アクチュエータ操作検出回路)70と、差圧減圧弁11から出力された絶対圧Plsをレギュレータ12のLS制御弁12b(後述)に導く信号圧力ライン53に配置された切換弁80とを備えている。
原動機回転数検出弁13は、パイロットポンプ30の圧油供給路31aとパイロット圧油供給路31bとの間に接続された流量検出弁50と、その流量検出弁50の前後差圧を絶対圧PGRとして出力する差圧減圧弁51とを有している。
流量検出弁50は通過流量(パイロットポンプ30の吐出流量)が増大するにしたがって開口面積を大きくする可変絞り部50aを有している。パイロットポンプ30の吐出油は流量検出弁50の可変絞り部50aを通過してパイロット油路31b側へと流れる。このとき、流量検出弁50の可変絞り部50aには通過流量が増加するにしたがって大きくなる前後差圧が発生し、差圧減圧弁51はその前後差圧を絶対圧PGRとして信号圧力ライン52に出力する。パイロットポンプ30の吐出流量は原動機1の回転数によって変化するため、可変絞り部50aの前後差圧を検出することにより、パイロットポンプ30の吐出流量を検出することができ、原動機1の回転数を検出することができる。
パイロットバルブユニット60a,60b,60c,60d,60e,60f,60g,60hは、それぞれ、ブーム用の操作装置123a、アーム用の操作装置122a、旋回用の操作装置122b、バケット用の操作装置123b、スイング用の操作装置125、左走行用の操作装置124a、右走行用の操作装置124b、ブレード用の操作装置126に備えられ、オペレータが操作レバーを操作することにより動作し、対応する操作パイロット圧a1,a2;b1,b2;c1,c2;d1,d2;e1,e2;f1,f2;g1,g2;h1,h2を生成するようになっている。
シャトル弁70a,70b,70cが接続されるパイロットバルブユニット60f,60gは走行用であり、走行用の操作装置124a,124bが操作されたときに対応する操作パイロット圧(操作パイロット圧f1,f2;g1,g2のうちの最も高い圧力)が走行操作信号圧力Ptpiとしてシャトル弁70a,70b,70cによって検出され、最終段のシャトル弁70cの出力ポートに接続された信号圧力ライン36,36a,36bに検出した走行操作信号圧力Ptpiが出力される。
原動機回転数検出弁13の差圧減圧弁51から出力された絶対圧PGRは目標LS差圧としてレギュレータ12に導かれるとともに、アンロード弁15の閉方向作動側にセット圧Pun0の一部として導かれる。差圧減圧弁11から出力された絶対圧Plsは切換弁80を介してメインポンプ2のレギュレータ12にフィードバックLS差圧として導かれるとともに、圧力補償弁7a〜7hの開方向作動側に目標補償差圧として導かれる。また、原動機回転数検出弁13の差圧減圧弁51から出力された絶対圧PGRは信号圧リリーフ弁16にセット圧PA(後述する)の一部として導かれる。一方、走行操作検出回路70によって検出された走行操作信号圧力Ptpiはメインリリーフ弁14にセット圧PS(後述する)の一部として導かれるとともに、切換弁80にも切換駆動圧力として導かれる。
レギュレータ12は、LS制御弁12bと、LS制御ピストン(容量制御アクチュエータ)12cと、トルク制御(馬力制御)ピストン(容量制御アクチュエータ)12dと、バネ12eとを有している。
LS制御弁12bは、LS制御ピストン12cに一定のパイロット圧Ppiを導く方向に作動する側の端部に受圧部12b1を有し、LS制御ピストン12cの圧油をタンクに放出する方向に作動する側の端部に受圧部12b2を有している。受圧部12b1に差圧減圧弁11から出力され切換弁80を経由した絶対圧Pls(フィードバックLS差圧)が導かれ、受圧部12b2に原動機回転数検出弁13から出力された絶対圧PGR(目標LS差圧)が導かれ、Pls>PGRのときLS制御弁12bは一定のパイロット圧PpiをLS制御ピストン12cに導き、Pls<PGRのときLS制御弁12bはLS制御ピストン12cの圧油をタンクに放出するよう動作する。LS制御ピストン12cは、一定のパイロット圧Ppiが導かれ、圧力が上昇するとメインポンプ2の傾転(容量)を減少させ、圧油がタンクに放出され、圧力が減少するとメインポンプ2の傾転(容量)を増加させるよう動作する。これにより差圧減圧弁11から出力された絶対圧Pls(メインポンプ2の吐出圧Ppと最高負荷圧ライン35の絞り17の下流側の最高負荷圧Plmaxaとの差圧(フィードバックLS差圧)が原動機回転数検出弁13から出力された絶対圧PGR(目標LS差圧)に等しくなるよう制御され、その結果、メインポンプ2の吐出圧がアクチュエータ3a〜3hの最高負荷圧Plmaxaより目標差圧PGRだけ高くなるように制御される。このようにLS制御弁12bとLS制御ピストン12cは、メインポンプ2の吐出圧がアクチュエータ3a〜3hの最高負荷圧Plmaxaより目標差圧PGRだけ高くなるようメインポンプ2の容量を制御するロードセンシング制御部を構成している。
トルク制御ピストン12dは、メインポンプ2の吐出圧が導かれ、その吐出圧の上昇によってメインポンプ2の傾転(容量)を減少させることで、メインポンプ2の吸収トルクが所定トルクを超えないようにトルク制御を行う。バネ12eはそのトルク制御の制限トルクを設定する。これによりトルク制御ピストン12dとバネ12eは、メインポンプ2の吐出圧が高くなるとき、メインポンプ2の吸収トルクが所定の制限トルクを超えないようにメインポンプ2の容量を制御するトルク制御部を構成している。
圧力補償弁7a〜7hは、開方向作動側に差圧減圧弁11から出力された絶対圧Plsが導かれる受圧部7a1,7b1,7c1,7d1,7e1,7f1,7g1,7h1を有し、絶対圧Plsが目標補償差圧として設定される。圧力補償弁7a〜7hは流量制御弁6a〜6hの前後差圧が目標補償差圧に等しくなるように制御する。これにより複数のアクチュエータを同時に駆動する複合操作時に、アクチュエータの負荷圧の大小に係わらず、流量制御弁の開口面積比に応じてメインポンプ2の吐出流量を分配し、良好な複合操作性を確保することができる。また、メインポンプ2の吐出流量が要求流量に満たないサチュレーション状態になった場合は、その供給不足の程度に応じて差圧減圧弁11が出力する絶対圧Plsが低下し、圧力補償弁の目標補償差圧が低下するため、この場合も流量制御弁の開口面積比に応じてメインポンプ2吐出流量を分配し、良好な複合操作性を確保することができる。
アンロード弁15は、閉方向作動側に原動機回転数検出弁13から出力された絶対圧PGR(目標LS差圧)が導かれる受圧部15aを有し、かつ同じ閉方向作動側にバネ15bが配置されている。また、アンロード弁15は、開方向作動側に圧油供給路5の圧力(メインポンプ2の吐出圧)Ppが印加され、閉方向作動側に最高負荷圧検出回路9によって検出された最高負荷圧Plmaxが印加される構成となっている。アンロード弁15のセット圧は、絶対圧PGR(目標LS差圧)とバネ15bの付勢力と最高負荷圧Plmaxとによって規定される。すなわち、アンロード弁15のセット圧は、絶対圧PGR(目標LS差圧)とバネ15bの付勢力の圧力換算値と最高負荷圧Plmaxとを加算した圧力として与えられ、メインポンプ2の吐出圧Ppがアンロード弁15のセット圧よりも高くなるとアンロード弁15は開状態になって圧油供給路5の圧油をタンクに戻すよう動作し、これによりメインポンプ2の吐出圧Ppが目標LS差圧PGRにバネ15bの付勢力の圧力換算値を加算した圧力よりも高くならないように制御される。バネ15bの付勢力の圧力換算値は通常目標LS差圧PGRよりも小さい値である。
メインリリーフ弁14は閉方向作動側にバネ14aと受圧部14b(第1受圧部)とを有し、受圧部14bは信号圧力ライン36aに接続され、走行操作検出回路70によって検出された走行操作信号圧力Ptpiが印加される。走行用の操作装置124a,124bのいずれも操作されておらず、走行操作信号圧力Ptpiがタンク圧であるとき、メインリリーフ弁14のセット圧PSはバネ14aで設定した第1の値PS1である。走行用の操作装置124a,124bの少なくとも1つが操作され、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr1以上となったとき、メインリリーフ弁14のセット圧PSはバネ14aと受圧部14bに印加される走行操作信号圧力Ptpiとにより第1の値PS1から第1の値PS1よりも大きい第2の値PS2に増加する。このようにメインリリーフ弁14は、メインリリーフ弁14はセット圧PSが受圧部14bに印加される走行操作信号圧力Ptpiによって2値PS1,PS2に変化する可変リリーフ弁として構成されている。
信号圧リリーフ弁16は、閉方向作動側にバネ16aを有しかつ開方向作動側に第1受圧部16bを有し、受圧部16bは信号圧力ライン52に接続され、信号圧リリーフ弁16は、セット圧PAが受圧部14bに印加される原動機回転数検出弁13の出力圧(絶対圧)PGRによって変化する可変リリーフ弁として構成されている。以下において、信号圧リリーフ弁16を信号圧可変リリーフ弁という。
ここで、バネ16aは圧力値PS1+α相当のバネ常数を持つように構成されており、信号圧可変リリーフ弁16のセット圧PAはバネ16aと受圧部16bに印加される受圧部16bに印加される絶対圧PGRとにより下式になるように制御される。
PA=PS1+α−PGR
上式を変形すると、
PA=PS1−(PGR−α)
なお、αは0より大きくPGR未満のLS制御調整値である(0<α<PGR)。
すなわち、信号圧リリーフ弁16のセット圧PAは、走行用の操作装置124a,124bのいずれも操作されておらず、走行操作信号圧力Ptpiがタンク圧であるときのメインリリーフ弁14のセット圧PS1よりもPGR−αだけ低い値となるよう制御され。PGR−αは目標LS差圧(ロードセンシング制御の目標差圧)PGRよりも小さい値である。これにより信号圧リリーフ弁16は、絞り17の下流側に導かれた最高負荷圧の最大圧力Plmaxaを走行用の操作装置124a,124bのいずれも操作されていないときのメインリリーフ弁14のセット圧PS1よりも低い圧力に制限する。
切換弁80は、差圧減圧弁11から出力された絶対圧PlsをLS制御弁12bの受圧部12b1に導く方向に作動する側の端部にバネ80aを有し、LS制御弁12bの受圧部12b1にタンク圧を導く方向に作動する側の端部に受圧部80bを有し、受圧部80bに走行操作検出回路70によって検出された走行操作信号圧力Ptpiがバネ80aと対向する向きに導かれている。受圧部80bに導かれた走行操作信号圧力Ptpiがバネ80aで設定した圧力よりも低いとき、切換弁80は図示の中立位置にあって、差圧減圧弁11から出力され絶対圧PlsをLS制御弁12bの受圧部12b1に導き、走行操作信号圧力Ptpiがバネ80aで設定した圧力以上になると、切換弁80は図示の中立位置から切り換わって、LS制御弁12bの受圧部12b1にタンク圧を導く。これにより切換弁80は、走行用の操作装置124a,124bのいずれも操作されておらず、走行操作信号圧力Ptpiがタンク圧であり、メインリリーフ弁14のセット圧PSが第1の値PS1にあるときは、中立位置にあって、LS制御弁12bによるLS制御ピストン(容量制御アクチュエータ)12cの駆動圧力の制御を可能とし、走行用の操作装置124a,124bの少なくとも1つが操作され、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr1以上となり、メインリリーフ弁14のセット圧PSが第1の値PS1から第2の値PS2に増加したときは、中立位置から切り換わって、LS制御弁12bによるLS制御ピストン(容量制御アクチュエータ)12cの駆動圧力の制御を不能とし、メインポンプ2の容量が増加するようLS制御ピストン12cの駆動圧力を制御する。
言い換えれば、切換弁80は、走行用の操作装置124a,124bの少なくとも1つが操作され、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr1以上となり、メインリリーフ弁14のセット圧PSが第1の値PS1から第2の値PS2に増加したときは、LS制御弁12bの制御(ロードセンシング制御)を停止し、メインポンプ2の容量を増加させ、トルク制御部の制限トルクの範囲内でメインポンプ2の容量が最大となるようレギュレータ12(ポンプ制御装置)の制御を切り換える。
ここで、バネ80aで設定される切換弁80の切換圧力は、メインリリーフ弁14のセット圧PSが第1の値PS1から第2の値PS2に増加するときの走行操作信号圧力Ptpiの閾値Ptr1と同じかそれ以下に設定されている。これにより切換弁80は、メインリリーフ弁14のセット圧が第1の値PS1から第2の値PS2に増加するときに確実に中立位置から切り換わり、トルク制御部の制限トルクの範囲内でメインポンプ2の容量が最大となるようLS制御ピストン12cの駆動圧力を制御することができる。
図2は、走行操作信号圧力Ptpiに対するメインリリーフ弁14のセット圧の変化(上段)と、走行操作信号圧力Ptpiに対する切換弁80の2つの開口部P-A及びA-Tのそれぞれの開口面積AP-A,AA-Tの変化(下段)を示す図である。図中、上段、下段とも、横軸が走行操作検出回路70によって検出された走行操作信号圧力Ptpiであり、上段の縦軸はメインリリーフ弁14のセット圧PS、下段の縦軸は開口部P-A及びA-Tの開口面積AP-A,AA-Tである。開口部P-Aは、差圧減圧弁11から出力された絶対圧PlsをLS制御弁12bの受圧部12b1に導くバルブ流路の開口部を意味し、開口部A-Tは、LS制御弁12bの受圧部12b1をタンクに接続するバルブ流路の開口部を意味している。
図2の上段において、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr1よりも低いとき、メインリリーフ弁14のセット圧PSはバネ14aで設定した第1の値PS1であり、
走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr1以上になると、メインリリーフ弁14のセット圧PSはバネ14aと受圧部14bに印加される走行操作信号圧力Ptpiとにより第2の値PS2に増加する。
また、図2の下段において、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr2(<Ptr1)よりも低いとき、切換弁80の開口部P-Aの開口面積AP-Aは最大AP-Amaxであり、開口部A-Tの開口面積AA-Tは0である。走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr3(<Ptr1でかつ>Ptr2)以上になると、切換弁80の開口部P-Aの開口面積AP-Aは0となり、開口部A-Tの開口面積AA-Tは最大AA-Tmaxとなる。ここで、Ptr2<Ptr3<Ptr1であり、Ptr2〜Ptr3は、開口部P-Aが最大からゼロに、開口部A-Tが0から最大に切り換わるのに要する切換変化圧力である。
ここで、走行用の操作装置124a,124bは走行モータ3f、3gの動作を指令する操作装置であり、走行用の操作装置124a,124bが操作されたとき、走行用のパイロットバルブユニット60f,60gは走行用の操作装置124a,124bの操作量に応じた操作パイロット圧f1,f2;g1,g2を生成し、そのうちの最も高い圧力が走行操作信号圧力Ptpiとして検出される。したがって、切換弁80は、走行用の操作装置124a,124bの操作量が所定の閾値を超え、メインリリーフ弁14のセット圧が第1の値PS1から第2の値PS2に増加したとき、当該所定の閾値と同じ操作量か、それよりも小さい操作量で切り換わるように構成されていると言うことができる。
図3は、上述した油圧駆動装置が搭載される油圧ショベルの外観を示す図である。
図3において、作業機械としてよく知られている油圧ショベルは、下部走行体101と、上部旋回体109と、スイング式のフロント作業機104を備え、フロント作業機104は、ブーム104a、アーム104b、バケット104cから構成されている。上部旋回体109は下部走行体101に対して旋回モータ3cによって旋回可能である。上部旋回体109の前部にはスイングポスト103が取り付けられ、このスイングポスト103にフロント作業機104が上下動可能に取り付けられている。スイングポスト103はスイングシリンダ3eの伸縮により上部旋回体109に対して水平方向に回動可能であり、フロント作業機104のブーム104a、アーム104b、バケット104cはブームシリンダ3a,アームシリンダ3b,バケットシリンダ3dの伸縮により上下方向に回動可能である。下部走行体102の中央フレームには、ブレードシリンダ3hの伸縮により上下動作を行うブレード106が取り付けられている。下部走行体101は、走行モータ3f,3gの回転により左右の履帯101a,101bを駆動することによって走行を行う。
上部旋回体109にはキャノピータイプの運転室108が設置され、運転室108内には、運転席121、フロント/旋回用の左右の操作装置122,123(図3では左側のみ図示)、走行用の操作装置124a,124b(図4では左側のみ図示)、スイング用の操作装置125(図1参照)及びブレード用の操作装置126(図1参照)、ゲートロックレバー24等が設けられている。操作装置122,123の操作レバーは中立位置から十字方向を基準とした任意の方向に操作可能であり、左側の操作装置122の操作レバーを前後方向に操作するとき、操作装置122は旋回用の操作装置122b(図1)として機能し、同操作装置122の操作レバーを左右方向に操作するとき、操作装置122はアーム用の操作装置122a(図1)として機能し、右側の操作装置123の操作レバーを前後方向に操作するとき、操作装置123はブーム用の操作装置123a(図1)として機能し、同操作装置123の操作レバーを左右方向に操作するとき、操作装置123はバケット用の操作装置123b(図1)として機能する。
〜比較例〜
図4は、比較例を示す図である。この比較例は、図1に示した本実施の形態の油圧駆動装置において、切換弁80が配置されておらず、差圧減圧弁11から出力された絶対圧Plsが信号圧力ライン53を介してダイレクトにLS制御弁12bの受圧部12b1に導かれるようにしたものである。言い換えれば、特許文献1に記載のように、最高負荷圧ライン35に信号圧可変リリーフ弁16を設けたロードセンシング制御システムの油圧駆動装置において、特許文献2に記載のように、走行操作時にメインリリーフ弁14のセット圧が第1の値PS1から第2の値PS2に増加するようにメインリリーフ弁14を可変リリーフ弁として構成した場合のものである。
図4に示す比較例のそれ以外の構成は図1に示した本実施の形態の油圧駆動装置と同じである。
比較例においては、信号圧可変リリーフ弁16を設けたので、走行用の操作装置124a,124bのいずれも操作されておらず、走行操作信号圧力Ptpiがタンク圧であるときは、信号圧可変リリーフ弁16の働きで、差圧減圧弁11に導かれる最高負荷圧Plmaxaは信号圧可変リリーフ弁16のセット圧PS1−(PGR−α)に制限されるため、ブームシリンダ3aなどシリンダタイプのアクチュエータがストロークエンドに達した場合においても、差圧減圧弁11から出力される絶対圧Plsが0になることがない。このため、その状態で他のアクチュエータを複合操作している場合は、その他のアクチュエータが動作を停止することがない。
しかし、比較例には次のような問題がある。
メインリリーフ弁14は、走行用の操作装置124a,124bの少なくとも1つが操作され、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr以上となったときにのみ、メインリリーフ弁14のセット圧をPS1からPS2に増加させる。その目的は、走行時に走行モータ3f,3gの必要な出力トルクを確保し、走破性を向上するためである。
しかしながら、比較例1の構成では、走行操作時に走行モータ3f,3gが障害物や登坂走行面の傾斜などの影響で回転が停止した場合、ロードセンシング制御の働きで、メインポンプ2の吐出圧Ppはメインリリーフ弁14のセット圧の第2の値PS2よりも低い、信号圧可変リリーフ弁16によって制限された最高負荷圧Plmaxaにロードセンシング制御の目標差圧PGRを加算した圧力までしか上昇できなくなる。その結果、走行モータ3f,3gの負荷圧はメインリリーフ弁14のセット圧の第2の値PS2まで上昇せず、メインリリーフ弁14のセット圧の増加による走行モータ3f,3gの出力トルク確保の効果が得られなくなる。
図5の左側(a)は、図4に示す比較例において、走行以外の操作装置の操作レバーを入力し、メインポンプ2の吐出圧Ppがメインリリーフ弁14のセット圧PS1に達したときの吐出圧Ppと信号圧可変リリーフ弁16によって最大圧力が制限された最高負荷圧Plmaxaとの関係を示す図である。
走行モータ3f,3g以外のアクチュエータ(例えばブームシリンダ3a)がストロークエンドに達した場合、図5の左側(a)に示すように、アクチュエータの負荷圧が上昇し、メインポンプ2の吐出圧Ppはセット圧の第1の値PS1まで上昇する。このとき、最高負荷圧ライン35の絞り17の下流側の最高負荷圧Plmaxaは信号圧可変リリーフ弁16によってPS1−(PGR−α)に制限され、この最高負荷圧Plmaxaが差圧減圧弁11に導かれる。差圧減圧弁11から出力された絶対圧Plsは目標補償差圧として圧力補償弁7a〜7hに導かれる。このとき、目標補償差圧(Pp−Plmaxa)は0より大きくPGR未満の値に保たれるので、圧力補償弁7a〜7hが全閉にならず、この状態で他のアクチュエータを複合動作させることができる。
また、信号圧可変リリーフ弁16の受圧部16bには原動機回転数検出弁13によって出力され目標LS差圧となる絶対圧PGRが導かれる。このため、いかなる原動機回転数の場合でも信号圧可変リリーフ弁16によって最高負荷圧PlmaxaがPS1−(PGR−α)に制限されるので、原動機1の回転数によらず、良好な複合操作性を得ることができる。
一方、走行用の操作装置124a,124bの少なくとも1つが操作され、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr以上となったときには、走行操作信号圧力Ptpiによってメインリリーフ弁14のセット圧が第1の値PS1から第2の値PS2へと増加する。
図5の右側(b)は、図4に示す比較例において、走行用の操作装置124a,124bの少なくとも1つが操作され、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr以上となり、メインポンプ2の吐出圧Ppがメインリリーフ弁14のセット圧PS2に達したときの吐出圧Ppと信号圧可変リリーフ弁16によって最大圧力が制限された最高負荷圧Plmaxaとの関係を示す図である。
走行モータ3f,3gが障害物や登坂走行面の傾斜などの影響で回転が停止した場合、図5の右側(b)に示すように、走行操作レバーの入力に伴い走行モータ3f,3gの負荷圧が上昇し、メインポンプ2の吐出圧PpがPS2まで一旦上昇する。
しかし、一方において、前述のように、信号圧可変リリーフ弁16によって最高負荷圧PlmaxaはPS1−(PGR−α)に制限されるので、差圧減圧弁11から出力される絶対圧Pls(Pp−Plmaxa)はPGR+(PS2−PS1)−αとなる。PS2−PS1=ΔPt1であり、通常、ΔPt1は目標LS差圧であるPGRよりも大きな値に設定される。このため絶対圧Plsは目標LS差圧であるPGRよりも大きくなってしまう。
メインポンプ2レギュレータ12に設けられたLS制御弁12bの図4中左端にPGRが、図4中右端にPlsがそれぞれ導かれているので、Pls>PGRの場合には、LS制御弁12bは図4中で左方向に押されて右側の位置に切り換わり、パイロットリリーフ弁32によって一定の値に保たれたパイロット一次圧がLS制御弁12bを介してLS制御ピストン12cに導かれ、LS制御ピストン12cによってメインポンプ2の傾転を小さくする。メインポンプ2の傾転減少は、PlsがPGRに等しくなるまで継続する。その結果、図5Bに示すように、メインポンプ2の吐出圧PpはPS1+αまで低下し維持される。
つまり、走行モータ3f,3gの負荷圧が走行操作時のメインリリーフ弁14のセット圧であるPS2まで上がらないということになり、メインリリーフ弁14を可変にしているにも係わらず、必要な走行モータ3f,3gの出力トルクが得られないという問題が発生する。
〜動作〜
次に、図1に示した本実施の形態の動作を説明する。
まず、原動機1によって駆動される固定容量型のパイロットポンプ30から吐出された圧油は、圧油供給路31aに供給される。圧油供給路31aには原動機回転数検出弁13が接続されており、原動機回転数検出弁13は流量検出弁50と差圧減圧弁51によりパイロットポンプ30の吐出流量に応じた流量検出弁50の前後差圧を絶対圧PGR(目標LS差圧)として出力する。原動機回転数検出弁13の下流にはパイロットリリーフ弁32が接続されており、パイロット圧油供給路31bに一定の圧力(パイロット一次圧)Ppiを生成している。
(a)全ての操作装置の操作レバーが中立の場合
全ての操作装置の操作レバーが中立の場合、メインリリーフ弁14の受圧部14b及び切換弁80の受圧部80bには、走行操作検出回路70のシャトル弁70a,70b,70c及び信号圧力ライン36を介してタンク圧が導かれる。このとき、図6に示したようにメインリリーフ弁14のセット圧PSはバネで設定された第1の値PS1であり、切換弁80は図示の中立位置にあり、開口部P-Aの開口面積AP-Aは最大AP-Amaxで、開口部A-Tの開口面積AA-Tは0である。
また、全ての操作装置の操作レバーが中立であるので、全ての流量制御弁6a〜6hが中立位置となる。全ての流量制御弁6a〜6hが中立位置なので、最高負荷圧検出回路9は、最高負荷圧Plmaxとしてタンク圧を検出する。この最高負荷圧Plmaxはアンロード弁15に導かれる。
アンロード弁15に最高負荷圧Plmaxとしてタンク圧が導かれるので、タンク圧が0であると仮定すると、アンロード弁15のセット圧は、受圧部15aに印加される原動機回転数検出弁13の出力圧PGR(目標LS差圧)とバネ15bの付勢力の圧力換算値とを加算した値であり、圧油供給路5の圧力Ppは、そのセット圧により、目標LS差圧PGRにバネ15bの付勢力の圧力換算値を加算した圧力に保たれる(Pp>PGR)。
また、最高負荷圧Plmaxは絞り17を介して絞り17の下流側に導かれ、絞り17の下流側の最高負荷圧Plmaxaが差圧減圧弁11と信号圧可変リリーフ弁16に導かれる。前述のように、このときの信号圧可変リリーフ弁16のセット圧はPS1−(PGR−α)であり、タンク圧に保たれているPlmaxよりも遥かに高いので、Plmaxは信号圧可変リリーフ弁16によって制限されずに、Plmaxa=Plmaxとなる。
差圧減圧弁11は圧油供給路5の圧力(メインポンプ2の吐出圧)Ppと最高負荷圧Plmaxa(=Plmax)との差圧(Pp−Plmaxa)を絶対圧Plsとして出力する
全ての操作装置の操作レバーが中立の場合には、前述のようにPlmaxa(=Plmax)はタンク圧であるため、タンク圧が0であると仮定すると、Pls=Pp−Plmaxa=Pp>PGRの関係が成り立っている。
前述したように切換弁80は図示の中立位置にあるので、差圧減圧弁11から出力された絶対圧PlsはフィードバックLS差圧としてレギュレータ12のLS制御弁12bに導かれる。LS制御弁12bは、PlsとPGRを比較し、Pls>PGRであるので、LS制御弁12bは図1で左方向に押されて右側の位置に切り換わり、パイロットリリーフ弁32によって生成される一定のパイロット一次圧PpiをLS制御ピストン12cに導く。LS制御ピストン12cに一定のパイロット一次圧Ppiが導かれるので、メインポンプ2の容量(流量)は最小に保たれる。
(b)走行以外の操作装置の操作レバーを入力した場合
走行以外の操作装置の操作レバーを入力した場合、メインリリーフ弁14の受圧部14b及び信号圧可変リリーフ弁16の受圧部16cには、(a)の場合と同様に、走行操作検出回路70のシャトル弁70a,70b,70c及び信号圧力ライン36を介してタンク圧が導かれる。このとき、図2に示したように、メインリリーフ弁14のセット圧はバネ14aで設定された第1の値PS1であり、切換弁80は図示の中立位置にあり、開口部P-Aの開口面積AP-Aは最大AP-Amaxで、開口部A-Tの開口面積AA-Tは0となる。
走行以外の操作装置の操作レバー、例えばブーム操作レバーを入力した場合を考える。
ブーム操作レバーをブームシリンダ3aが伸長する向き、つまりブーム上げ方向に入力すると、ブーム用のパイロットバルブユニット60aによってブーム上げの操作パイロット圧a1が出力され、流量制御弁6aが図1で右方向に切り換わる。流量制御弁6aが中立位置から切り換わると、ブームシリンダ3aに圧油が供給されるとともに、ブームシリンダ3aの負荷圧が流量制御弁6aの負荷ポートを介してシャトル弁9a,9b,9c,9d,9e,9f,9gを含む最高負荷圧検出回路9によって最高負荷圧Plmaxとして検出され、この最高負荷圧Plmaxがアンロード弁15に導かれるとともに、絞り17の下流側に導かれ、絞り17の下流側において最高負荷圧Plmaxaが差圧減圧弁11に導かれる。
最高負荷圧Plmaxがアンロード弁15に導かれることによって、アンロード弁15のセット圧は、受圧部15aに印加される原動機回転数検出弁13の出力圧PGR(目標LS差圧)とバネ15bの付勢力の圧力換算値と最高負荷圧Plmax(ブームシリンダ3aのボトム側の負荷圧)を加算した圧力(PGR+バネ15bの付勢力の圧力換算値+Plmax)に上昇し、圧油供給路5の圧油をタンクに排出する油路を遮断する。
一方、信号圧可変リリーフ弁16のセット圧は前述のようにPS1−(PGR−α)であり、絞り17の下流側における最高負荷圧Plmaxaの最大圧力はPS1−(PGR−α)に制限される。
差圧減圧弁11は、圧油供給路5の圧力(メインポンプ2の吐出圧)Ppと最高負荷圧Plmaxaとの差圧(Pp−Plmaxa)を絶対圧Plsとして出力する。
前述したように切換弁80は図示の中立位置にあるので、差圧減圧弁11から出力された絶対圧PlsはフィードバックLS差圧としてレギュレータ12のLS制御弁12bに導かれる。LS制御弁12bは、PlsとPGRを比較する。
ブーム上げの操作レバーを入力した直後は、メインポンプ2の吐出圧Ppはブームシリンダ3aの負荷圧に比べて低いため(Pp<Plmax)、差圧減圧弁11から出力される絶対圧PlsはPls=Pp−Plmaxa<PGRとなる。
レギュレータ12のLS制御弁12bは、Pls<PGRであるため、図1で右方向に押されて左側の位置に切り換わり、LS制御ピストン12cの圧油をタンクに放出し、メインポンプ2の傾転(容量)を増加させる。メインポンプ2の傾転増加は、Pls=PGR、すなわちPp=Plmaxa+PGRになるまで継続する。
メインポンプ2から圧油供給路5に吐出された圧油は、圧力補償弁7a、流量制御弁6aを介してブームシリンダ3aのボトム側に供給され、ブームシリンダ3aを伸長させる。ブームシリンダ3aが伸長しストロークエンドに達すると、ブームシリンダ3aの負荷圧及び圧油供給路5の圧力(メインポンプ2の吐出圧)Ppは、メインリリーフ弁14のセット圧PS1まで上昇する。
図6の左側(a)は、走行以外の操作装置の操作レバーを入力し、メインポンプ2の吐出圧Ppがメインリリーフ弁14のセット圧PS1に達したときの吐出圧Ppと信号圧可変リリーフ弁16によって最大圧力が制限された最高負荷圧Plmaxaとの関係を示す図である。
図6の左側(a)に示すように、メインリリーフ弁14のセット圧がPS1であるため、圧油供給路5の圧力(メインポンプ2の吐出圧)PpはPS1まで上昇する。
一方、信号圧可変リリーフ弁16によって、最高負荷圧Plmaxaはそのセット圧PS1−(PGR−α)に制限される。その結果、差圧減圧弁11から出力される絶対圧Plsは、
Pls=Pp−Plmaxa=PS1−(PS1−(PGR−α))=PGR−α
となる。ここで、αは前述のように0より大きくPGR未満の値であるので、
0<Pls<PGR
となる。
これによりブームシリンダ3aがストロークエンドに達してその負荷圧がメインリリーフ弁14のセット圧PS1に達した場合においても、フィードバックLS差圧Plsが0になることがないため、圧力補償弁7a〜7hが全閉にならず、その状態で他のアクチュエータを複合操作している場合でも、他のアクチュエータの動作が停止することがない。
また、信号圧可変リリーフ弁16の受圧部16bには原動機回転数検出弁13によって出力され目標LS差圧となる絶対圧PGRが導かれ、目標LS差圧PGRが小さくなるにしたがって信号圧可変リリーフ弁16のセット圧PAが大きくなり差圧減圧弁11から出力される絶対圧Pls(Pp−Plmaxa)が小さくなる。このため、原動機回転数の変化で目標LS差圧PGRがいかなる値に変化したとしても、信号圧可変リリーフ弁16によって最高負荷圧Plmaxaの最大圧力がPS1−(PGR−α)に制限され、メインポンプ2の吐出圧Ppと絞り17の下流側における最高負荷圧Plmaxaとの差圧Plsは目標LS差圧PGRに応じて変化するので、原動機1の回転数によらず、良好な複合操作性を得ることができる。
(c)走行操作装置の操作レバーを入力した場合
走行用の操作装置124a,124bのいずれか或いは両方の操作レバーを入力した場合、走行操作検出回路70のシャトル弁70a,70b,70cによって高圧選択され、メインリリーフ弁14の受圧部14bと信号圧可変リリーフ弁16の受圧部16cに導かれた走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr以上になると、図2に示したように、メインリリーフ弁14のセット圧は、バネ14aで設定した第1の値PS1に走行操作信号圧力Ptpiに基づく値を加算した第2の値PS2に増加する。また、切換弁80は図示の中立位置から左側の位置に切り換わり、開口部P-Aの開口面積AP-Aは0で、開口部A-Tの開口面積AA-Tは最大AA-Tmaxとなる。
このように切換弁80が図示の中立位置から左側の位置に切り換わると、LS制御弁12bの受圧部12b1の圧油がタンクに放出されるので、LS制御弁12bは受圧部12b2に印加されるPGRにより図示左側の位置に切り換わり、LS制御ピストン12cの圧油がタンクに放出され、メインポンプ2は傾転を増加させる。
つまり、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Pt1r以上になり、切換弁80が図示の中立位置から切り換わると、メインポンプ2の吐出圧Ppと最高負荷圧Plmaxaとの差圧である絶対圧Pls如何に係わらずレギュレータ12のロードセンシング制御部はロードセンシング制御を停止し、メインポンプ2の容量を増加させる制御を行うよう制御を切り換える。これによりメインポンプ2は、レギュレータ12のトルク制御部により、制限トルクの範囲内で最大容量となるよう制御され、制限トルクに対応した最大馬力の範囲内で最大流量を吐出するようになる。
ここで、走行用操作装置124aの左走行パイロットバルブユニット60fの図中左側のパイロットバルブ(減圧弁)が操作された場合を考える。パイロットバルブの操作パイロット圧f1が、流量制御弁6fの図1で左側に導かれるので、流量制御弁6fが右方向に押されて左側の位置に切り換わる。これにより走行モータ3fの図1で左側のポートに圧油が供給されるとともに、左走行モータ3fの負荷圧が流量制御弁6fの負荷ポート、シャトル弁9e,9f,9gを経由して最高負荷圧Plmaxとして検出され、この最高負荷圧Plmaxがアンロード弁15に導かれるとともに、絞り17を介して絞り17の下流側に導かれ、最高負荷圧Plmaxaとして差圧減圧弁11と信号圧可変リリーフ弁16に導かれる。
最高負荷圧Plmaxがアンロード弁15に導かれることによって、アンロード弁15のセット圧は、受圧部15aに印加される原動機回転数検出弁13の出力圧PGR(目標LS差圧)とバネ15bの付勢力の圧力換算値と最高負荷圧Plmax(左走行モータ3fの負荷圧)を加算した圧力(PGR+バネ15bの付勢力の圧力換算値+Plmax)に上昇し、圧油供給路5の圧油をタンクに排出する油路を遮断する。
一方、信号圧可変リリーフ弁16のセット圧は前述のようにPS1−(PGR−α)であり、絞り17の下流側における最高負荷圧Plmaxaの最大圧力がPS1−(PGR−α)に制限される。
差圧減圧弁11は、圧油供給路5の圧力(メインポンプ2の吐出圧)Ppと絞り17の下流側における最高負荷圧Plmaxaとの差圧(Pp−Plmaxa)を絶対圧Plsとして出力し、この絶対圧PlsはフィードバックLS差圧として、切換弁80が配置されレギュレータ12のLS制御弁12bに接続された信号圧力ライン53に導かれる。
ここで、前述したように、切換弁80は図示の中立位置から左側の位置に切り換えられており、レギュレータ12はロードセンシング制御を停止し、メインポンプ2はトルク制御部に設定された制限トルクの範囲内で最大となるよう容量が制御され、最大流量を吐出する。
メインポンプ2から圧油供給路5に吐出された圧油は、圧力補償弁7f、流量制御弁6fを介して左走行モータ3fに供給され、左走行モータ3fを回転させるとともに、余剰になった圧油は、アンロード弁15によりタンクに放出される。
ここで、左走行モータ3fの負荷圧が障害物や登坂走行面の傾斜などにより増加し、回転が停止すると、左走行モータ3fの負荷圧及び圧油供給路5の圧力(メインポンプ2の吐出圧)Ppが上昇し、走行操作検出回路70によって検出された走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr1以上である場合には、図2に示したようにメインリリーフ弁14のセット圧がPS2となるため、圧油供給路5の圧力(メインポンプ2の吐出圧)PpはPS2まで上昇する。
図6の右側(b)は、走行操作装置の操作レバーを入力しかつ走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr以上であり、メインポンプ2の吐出圧Ppがメインリリーフ弁14のセット圧PS2に達したときの吐出圧Ppと信号圧可変リリーフ弁16によって最大圧力が制限された最高負荷圧Plmaxaとの関係を示す図である。
図6の右側(b)に示すように、メインリリーフ弁14のセット圧がPS2であるため、圧油供給路5の圧力(メインポンプ2の吐出圧)PpはPS2まで上昇する。
一方、絞り17の下流側における最高負荷圧Plmaxaは、信号圧可変リリーフ弁16のセット圧がPS1−(PGR−α)であるため、そのセット圧PS1−(PGR−α)に制限される。その結果、差圧減圧弁11から出力される絶対圧Plsは、
Pls=Pp−Plmaxa=PS2−(PS1−(PGR−α))=PGR+(PS2−PS1)−α
となる。ここで、PS2−PS1がPGR以上の値(例えばPGRが1.2MPaである場合にPS2−PS1を1.5MPa)となるようにPS2を設定すれば、αは前述のように0より大きくPGR未満の値であるので、
0<Pls<PGR
となる。
つまり、左走行モータ3fの負荷圧がメインリリーフ弁14のセット圧PS2に達しようとした場合に、ロードセンシング制御を停止し、メインポンプ2がトルク制御の制限トルクの範囲内で最大流量を吐出するので、メインポンプ2の吐出圧(左走行モータ3fの負荷圧)はメインリリーフ弁14のセット圧PS2まで上昇し、比較例のようにメインポンプ2のロードセンシング制御が原因で左走行モータ3fの負荷圧がPS2に達しないようなことはない。
更に、左走行モータ3fの負荷圧がメインリリーフ弁14のセット圧PS2に達した場合に、差圧減圧弁11から目標補償差圧として出力される絶対圧Plsが0にならないので、その状態で他のアクチュエータを複合操作している場合でも、その他のアクチュエータが動作を停止することがない。
また、上記(b)の走行以外の操作装置の操作レバーを入力した場合と同様、信号圧可変リリーフ弁16の受圧部16bには原動機回転数検出弁13によって出力され目標LS差圧となる絶対圧PGRが導かれているため、原動機回転数の変化で目標LS差圧PGRがいかなる値に変化したとしても、信号圧可変リリーフ弁16によって最高負荷圧Plmaxaの最大圧力が目標LS差圧PGRに応じて制限されるので、原動機1の回転数によらず、良好な複合操作性を得ることができる。
〜効果〜
以上のように本実施の形態においては、切換弁80を設け、走行用の操作装置124a,124bの少なくとも1つが操作され、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr以上となってメインリリーフ弁14のセット圧PSが第1の値PS1から第2の値PS2に増加したときに、メインポンプ2の吐出圧Ppと最高負荷圧Plmaxaとの差圧である絶対圧Pls如何に係わらずレギュレータ12(ポンプ制御装置)のロードセンシング制御部がロードセンシング制御を停止し、メインポンプ2の容量を増加させる制御を行うように制御を切り換え、レギュレータ12のトルク制御部が制限トルクの範囲内で最大となるようメインポンプ2の容量を制御することを可能としたため、左走行モータ3fの負荷圧がメインリリーフ弁14のセット圧PS2に達しようとした場合に、図6Bに示すようにロードセンシング制御でメインポンプの吐出圧PpをPS2まで上昇させることができ、走行時に走行モータ3f,3gの必要な出力トルクを確保し、走破性を向上させることができる。
また、左走行モータ3fの負荷圧がメインリリーフ弁14のセット圧の第2の値PS2に達した場合においても、差圧減圧弁11から目標補償差圧として出力される絶対圧Plsが0にならないので、その状態で他のアクチュエータを複合操作している場合でも、その他のアクチュエータが動作を停止することがなく、良好な複合操作性が保たれる。
更に、信号圧可変リリーフ弁16の受圧部16bには原動機回転数検出弁13によって出力され目標LS差圧となる絶対圧PGRが導かれているため、原動機回転数の変化で目標LS差圧PGRがいかなる値に変化したとしても、信号圧可変リリーフ弁16によって最高負荷圧Plmaxaの最大圧力がPS1−(PGR−α)に制限されるので、原動機1の回転数によらず、良好な複合操作性を得ることができる。
<第2の実施の形態>
〜構成〜
図7は、本発明の第2の実施の形態に係わる油圧ショベル(建設機械)の油圧駆動装置を示す図である。
図7において、本実施の形態の油圧駆動装置は、差圧減圧弁11から出力された絶対圧Plsをレギュレータ12のLS制御弁12bに導く信号圧力ライン53に配置された切換弁80に代えて、LS制御弁12bの元圧(一次圧)であるパイロットリリーフ弁32によって生成された一定のパイロット圧PpiをLS制御弁12bに導くパイロット油路32dに配置された切換弁81を備えている。走行操作検出回路70によって検出された走行操作信号圧力Ptpiはメインリリーフ弁14にセット圧PSの一部として導かれるとともに、切換弁81にも切換駆動圧力として導かれる。
切換弁81は、パイロットリリーフ弁32によって生成された一定のパイロット圧PpiをLS制御弁12bのPポート(パイロット一次圧ポート)に導く方向に作動する側の端部にバネ81aを有し、LS制御弁12bのPポートをタンクに接続する方向に作動する側の端部に受圧部81bを有し、受圧部81bに走行操作検出回路70によって検出された走行操作信号圧力Ptpiがバネ81aと対向する向きに導かれている。受圧部81bに導かれた走行操作信号圧力Ptpiがバネ81aで設定した圧力よりも低いとき、切換弁81は図示の中立位置にあって、一定のパイロット圧PpiをLS制御弁12bのPポートに導き、走行操作信号圧力Ptpiがバネ81aで設定した圧力以上になると、切換弁81は図示の中立位置から切り換わって、LS制御弁12bのPポートにタンク圧を導く。これにより切換弁81は、走行用の操作装置124a,124bのいずれも操作されておらず、走行操作信号圧力Ptpiがタンク圧であり、メインリリーフ弁14のセット圧PSが第1の値PS1にあるときは、中立位置にあって、LS制御弁12bによるLS制御ピストン(容量制御アクチュエータ)12cの駆動圧力の制御を可能とし、走行用の操作装置124a,124bの少なくとも1つが操作され、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr1以上となり、メインリリーフ弁14のセット圧PSが第1の値PS1から第2の値PS2に増加したときは、中立位置から切り換わって、LS制御弁12bによるLS制御ピストン(容量制御アクチュエータ)12cの駆動圧力の制御を不能とし、メインポンプ2の容量が増加するようLS制御ピストン12cの駆動圧力を制御する。
言い換えれば、切換弁81は、第1の実施の形態の切換弁80と同様、走行用の操作装置124a,124bの少なくとも1つが操作され、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr1以上となり、メインリリーフ弁14のセット圧PSが第1の値PS1から第2の値PS2に増加したときは、LS制御弁12bの制御(ロードセンシング制御)を停止し、メインポンプ2の容量を増加させ、トルク制御部の制限トルクの範囲内でメインポンプ2の容量が最大となるようレギュレータ12(ポンプ制御装置)の制御を切り換える。
ここで、バネ81aで設定される切換弁81の切換圧力は、メインリリーフ弁14のセット圧PSが第1の値PS1から第2の値PS2に増加するときの走行操作信号圧力Ptpiの閾値Ptr1と同じかそれ以下に設定されている。これにより切換弁81は、メインリリーフ弁14のセット圧が第1の値PS1から第2の値PS2に増加するときに確実に中立位置から切り換わり、トルク制御部の制限トルクの範囲内でメインポンプ2の容量が最大となるようLS制御ピストン12cの駆動圧力を制御することができる。
一定のパイロット圧PpiをLS制御弁12bのPポート(パイロット一次圧ポート)に導く切換弁81の開口部をP-A、LS制御弁12bのPポートをタンクに接続する切換弁81の開口部をA-Tとするとき、走行操作信号圧力Ptpiに対する切換弁81の開口部P-A及び開口部A-Tのそれぞれの開口面積AP-A,AA-Tの変化は、第1の実施の形態における図2の下段に示した切換弁80の開口面積AP-A,AA-Tの変化と同じである。
図2の下段において、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr2(<Ptr1)よりも低いとき、切換弁81の開口部P-Aの開口面積AP-Aは最大AP-Amaxであり、開口部A-Tの開口面積AA-Tは0である。走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr3(<Ptr1でかつ>Ptr2)以上になると、切換弁81の開口部P-Aの開口面積AP-Aは0となり、開口部A-Tの開口面積AA-Tは最大AA-Tmaxとなる。
〜作動〜
第1の実施の形態との違いは、切換弁80の代わりに切換弁81を設けたことであるから、切換弁81の動作を中心に以下詳細に説明する。
全ての操作装置の操作レバーが中立の場合と走行以外の操作装置の操作レバーを入力した場合の動作は、切換弁81は動作しないので、第1の実施の形態と同じである。
走行用の操作装置124a,124bのいずれか或いは両方の操作レバーを入力した場合、走行操作検出回路70のシャトル弁70a,70b,70cによって高圧選択され、メインリリーフ弁14の受圧部14bと信号圧可変リリーフ弁16の受圧部16cに導かれた走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr以上になると、図2に示したように、メインリリーフ弁14のセット圧は、バネ14aで設定した第1の値PS1に走行操作信号圧力Ptpiに基づく値を加算した第2の値PS2に増加する。また、切換弁81は図示の中立位置から上側の位置に切り換わり、開口部P-Aの開口面積AP-Aは0で、開口部A-Tの開口面積AA-Tは最大AA-Tmaxとなる。
このように切換弁81が図示の中立位置から上側の位置に切り換わると、LS制御弁12bのPポートがタンクに接続される。このとき、Pls>PGRの場合は、LS制御弁12bは図示右側の位置にあるため、LS制御弁12bと切換弁81を介してLS制御ピストン12cの圧油がタンクに放出され、メインポンプ2は傾転を増加させる。
一方、Pls<PGRの場合には、比較例や第1の実施の形態と同様に、LS制御弁12bが図示の位置から左側の位置に切り換わり、LS制御弁12bを介してLS制御ピストン12cの圧油がタンクに放出され、メインポンプ2は傾転を増加させる。
つまり、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Pt1r以上になり、切換弁81が切り換わると、メインポンプ2の吐出圧Ppと最高負荷圧Plmaxaとの差圧である絶対圧Plsがいかなる状態であっても、レギュレータ12はロードセンシング制御を停止し、トルク制御の制限トルクの範囲内で最大流量を吐出する。
〜効果〜
したがって、本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同じ効果を得ることができる。
〜その他〜
以上の実施の形態では、建設機械が油圧ショベルであり、メインリリーフ弁14のセット圧を増加させる場合に操作される特定のアクチュエータが走行モータ3f,3gである場合について説明したが、特定のアクチュエータは走行モータ以外のアクチュエータであってもよいし、1つのアクチュエータでも複数のアクチュエータであってもよい。例えば、特定のアクチュエータはブームシリンダ3a、アームシリンダ3b、バケットシリンダ3dの少なくとも1つであってもよく、このようなアクチュエータが操作されたときにメインリリーフ弁14のセット圧を増加させることで、例えば掘削積み荷作業における掘削力や作業速度を増大させることができ、作業効率を向上することができる。
また、メインリリーフ弁14のセット圧を増加させることで駆動力を増大させることが好ましいアクチュエータを備えた建設機械であれば、油圧走行クレーン等、油圧ショベル以外の建設機械に本発明を適用してもよい。
また、上記実施の形態では、切換弁80,81は油圧切換弁とし、走行操作を油圧信号である走行操作信号圧力Ptpiによって検出し、この油圧信号によって切換弁80,81を切り換える構成としたが、走行操作を電気的に検出する手段を備える場合は、切換弁80,81を電磁切換弁とし、電気信号で切り換える構成としてもよい。更に、切換弁80,81はLS制御弁12bからLS制御ピストン12cに導かれる駆動圧力を直接的(切換弁81)或いは間接的(切換弁80)に制御する方式としたが、LS制御ピストン12cに独立した油路を接続し、この油路に開閉弁(切換弁)を配置し、走行操作信号圧力Ptpiが閾値Ptr以上となったとき、開閉弁を開いてLS制御ピストン12cをタンクに接続するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、メインポンプ2の吐出圧と最高負荷圧Plmaxaを絶対圧として出力する差圧減圧弁11を設け、その出力圧Plsを圧力補償弁7a〜7hに導いて目標補償差圧を設定しかつフィードバック差圧としてLS制御弁12bに導いたが、差圧減圧弁11を設けずに、メインポンプ2の吐出圧と最高負荷圧を別々の油路で圧力制御弁7a〜7hやLS制御弁12bに導くようにしてもよい。
更に、上記実施の形態では、目標LS差圧を原動機回転数検出弁13から出力される絶対圧PGRによって、原動機1の回転数に応じて変化する値として設定したが、原動機の回転数に応じて目標LS差圧を変化させる必要がない場合は、目標LS差圧は固定値であっても良い。