JP6163081B2 - ブラシローラ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば半導体電子デバイスウェハ、シリコンウェハ、ハードディスク等のエレクトロニクス部品の製造工程のうち、主に洗浄工程のスクラブ洗浄で用いられるブラシローラに関する。
近年のエレクトロニクス工業では、各種部品の精密度が飛躍的に進み、それに伴って製造環境の清浄性に関する要求も高まっている。特に部品表面の化学的汚染や付着粒子は、製品の歩留まりや動作の信頼性に大きな影響を与えるため、製造工程における洗浄工程の重要性は非常に大きく、様々な洗浄方法が開発、実施されている。
例えば、半導体電子デバイスウェハ、シリコンウェハ、ハードディスク等の被洗浄体の表面(被洗浄面)を洗浄する方法として、例えば、ポリビニルアセタール系多孔質素材によって構成され、回転軸の外周に固着された弾性を有する略円筒状のロール体と、ロール体の外周面上に一体形成された複数の突起と、を有するスポンジローラ(ブラシローラ)によるスクラブ洗浄が知られている。スクラブ洗浄とは、ロール体の外周部分の複数の突起を被洗浄面に接触させて、両者の接触部分に水その他の洗浄液を供給しながら回転軸を介してスポンジローラを回転させることにより、擦り洗いするものである。
特許第3378015号公報
ポリビニルホルマール樹脂系多孔質体からなるブラシローラを用いてスクラブ洗浄を行う場合、繰り返して行われるスクラブ洗浄工程において、被洗浄体との間に継続的に発生する押圧力や、被洗浄体との接触回転によって発生する摩擦力等により、ブラシローラのうち主に被洗浄体と接触する部分(突起)が塑性変形を起こし、ブラシローラ(突起)の弾性力が低下して、被洗浄体に対するブラシローラの押圧力や摩擦力が使用時間の経過に応じて低下してしまう傾向が見受けられる。
このような押圧力や摩擦力の低下は、ブラシローラの洗浄性能が使用時間の経過に応じて低下することを意味し、安定した洗浄性能が得られないばかりでなく、トータルで使用できる時間(ブラシローラの寿命)を短くすることにもつながる。
そこで、本発明は、繰り返して行われるスクラブ洗浄工程において、使用時間の経過に伴うブラシローラの弾性力の低下傾向を軽減して、長時間安定した洗浄性能を得ることが可能なブラシローラの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のブラシローラは、湿潤状態で弾性を有するポリビニルホルマール樹脂系多孔質素材によって構成され、略円筒形状のロール体と複数の突起とを有する。複数の突起は、ロール体の外周面から頂部に向かって一体的に突出する。ロール体は、ロール体の内径部に回転軸を挿通した軸装着状態で回転軸に固定的に支持される。回転軸を中心としてロール体を回転させ、突起を薄肉平板状の被洗浄体の被洗浄面に回転接触させて被洗浄面を洗浄する。
ロール体の内径部に回転軸を挿通した軸装着状態において、回転軸の外周から突起の頂部までの距離であるブラシローラの最大肉厚は、回転軸の回転中心から突起の頂部までの距離であるブラシローラの最大半径の40%以下である。
上記構成では、ブラシローラのうち突起を含む部分の肉厚(最大肉厚)は、その最大半径の40%以下であり、ブラシローラが薄肉化されている。このような薄肉化により、被洗浄体に対するブラシローラの押圧力や摩擦力が使用時間の経過(使用時間の増大)に応じて低下する傾向を抑えることができ、安定した洗浄性能を維持することが可能となる。
また、ブラシローラの肉厚が大きい場合、スクラブ洗浄時の回転数を増大させると、回転中に受ける遠心力と被洗浄体との間の押圧力及び摩擦力との影響によって、弾性を有するブラシローラの回転中の変形(振れ)が起こり易くなる傾向にあり、このような問題もブラシローラの薄肉化によって解決することができる。
また、被洗浄体に対するブラシローラ(突起)の押圧力や摩擦力が使用時間の経過に応じて低下する傾向を抑えるためには、軸装着状態において、ロール体の外周面から突起の頂部までの距離である突起の突出高さを、ブラシローラの最大半径の7%以上20%以下に設定することが好適である。
なお、被洗浄面に対する所望の洗浄効果を確保するため、ロール本体の外周面の回転方向の同一円周上に配置される突起の数は、4個以上40個以下が好適であり、ロール本体の外周面の回転軸方向に沿った同一直線上に配置される突起の数は、2個以上60個以下が好適である。また、突起の形状は、ほぼ円柱状が好適であり、突起の頂部の面積は、1πcm以下が好適である。
また、多孔質素材の気孔径は50μm以上200μm以下が好適であり、多孔質素材の30%圧縮応力は、4kPa以上20kPa以下が好適である。
本発明によれば、繰り返して行われるスクラブ洗浄工程において、使用時間の経過に伴うブラシローラの弾性力の低下傾向を軽減して、洗浄性能を長時間安定させることができる。
本発明の一実施形態に係る1対のブラシローラによって被洗浄体を洗浄する状態を示す斜視図である。 図1のブラシローラの側面図である。 図1のブラシローラを正面から視た模式図である。 図3の突起の拡大図である。 図3の突起の拡大斜視図である。 図2のブラシローラを成形するための型を示す斜視図である。 図2のブラシローラの製造方法を示す断面図である。 回転軸の他の例を示す断面図である。 トルク測定試験装置を模式的に示す図である。 トルクの測定結果を示すグラフである。 図10の一部を拡大したグラフである。 トルクのばらつき及び安定性に関する分析結果を示す表である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図1では突起の図示を省略している。
図1〜図5に示すように、スクラブ洗浄の対象となる被洗浄体10は、薄肉円盤状のウェハであり、第1の被洗浄面11Aと第2の被洗浄面11Bとを表裏に有する。
スクラブ洗浄を行う左右1対のブラシローラ1(第1のブラシローラ1Aと第2のブラシローラ1B)は、略円筒形状のロール体3(第1のロール体3Aと第2のロール体3B)と、ロール体3(3A,3B)の外周面12から略均一な密度で一体的に突出する複数の突起5とを有する。各突起5は、円柱形状であり、突起5は、ロール体3の外周面12上の基端部5bから頂部(先端部)5aに向かって一体的に突出する。各ロール体3には、金属やプラスチックなどの硬質な材料によって形成された略円柱状の回転軸2(第1の回転軸2Aと第2の回転軸2B)がそれぞれ装着される。なお、突起5の形状は、円柱形状に限定されるものではない。
スクラブ洗浄は、左右の回転軸2を所定距離だけ離間させて略平行に配置し、被洗浄体10(被洗浄面11)を回転軸2と略平行に配置した状態で左右のロール体3(第1のロール体3Aの突起5と第2のロール体3Bの突起5)の間に被洗浄体10を挟み、被洗浄面11(第1の被洗浄面11Aと第2の被洗浄面11B)に洗浄液を供給し、左右の回転軸2を相反する方向へそれぞれ回転させる(回転方向を矢印7で示す)とともに、回転軸2と略直交する回転軸6を中心に被洗浄体10(被洗浄面11)を回転させる(回転方向を矢印8で示す)ことにより行われる。回転する第1の被洗浄面11Aに第1のロール体3Aの突起5が回転接触することにより、第1の被洗浄面11Aがスクラブ洗浄され、回転する第2の被洗浄面11Bに第2のロール体3Bの突起5が回転接触することにより、第2の被洗浄面11Bがスクラブ洗浄される。
また、図示を省略しているが、回転軸2には、スクラブ洗浄時にブラシローラ1へ液体を供給するための液供給管路(図示省略)が形成されている。液供給管路は、回転軸2の回転中心Sに沿って延びる主管路と、主管路から分岐して回転軸2の外周2aへ放射状に延びる複数の分岐管路とを有する。液体は、回転軸2の外部から主管路へ流入し、各分岐管路を流通して、ロール体3の内径部へ供給される。
なお、1対のブラシローラ1の配置は、上述のような起立した左右の配置に限定されるものではなく、例えば、1対のブラシローラ1を上下に配置したり、斜め方向に配置するなど、様々な態様で配置することが可能である。また、被洗浄体10の回転軸6は、ブラシローラ1の回転軸2と略直交するように設定すればよく、例えば、1対のブラシローラ1及びその回転軸2を上下に配置した場合には、被洗浄体10の回転軸6を略鉛直方向に設定すればよい。また、第1及び第2の回転軸2A、2Bは、同期するように回転させてもよく、独立に(非同期で)回転させてもよい。
ブラシローラ1(ロール体3及び突起5)は、含水状態で弾性を有するポリビニルアセタール系多孔質素材(PVAt系多孔質素材)から成る。PVAt系多孔質素材は、乾燥状態で硬化し、湿潤状態で軟化する。また、PVAt系多孔質素材は、吸水性及び保水性に優れ、湿潤時に好ましい柔軟性と適度な反発弾性を示し、耐磨耗性にも優れている。回転軸2はロール体3の内径部に挿通され、ロール体3を固定的に支持する。例えば、回転軸2の外周2aとロール体3の内周面とを接着剤によって固着してもよく、また、回転軸2の外径をロール体3の内径よりも大きく形成し、回転軸2をロール体3の内径部に圧入することにより、ロール体3の弾性力によってロール体3を回転軸2に固定的に支持させてもよい。さらには、ロール体3を製造する際に、図6に示す芯棒29の代わりに回転軸2を使用することによって、ロール体3を回転軸2に固着または支持させてもよい。この場合、反応後のブラシローラ1(ロール体3)は、回転軸2を伴った状態のまま型21から取り出され水洗される。このような固定的な支持により、ロール体3は、回転軸2と共に回転する。
2つのブラシローラ1A,1Bは、ほぼ同じ形状を有している。すなわち、第1のロール体3Aと第2のロール体3Bとは略同一形状であり、第1のブラシローラ1Aの突起(第1の突起)5と第2のブラシローラ1Bの突起(第2の突起)5とは略同一の円柱形状である。また、複数の第1の突起5と複数の第2の突起5とは、共通のパターンに従ってロール体3A、3Bの外周面12にそれぞれ配置されている。
スクラブ洗浄中において、第1及び第2の突起5,5は、第1及び第2の被洗浄面11A,11Bにそれぞれ当接して回転方向7の後方へ弾性変形する。このとき、第1の突起5は第1の被洗浄面11Aを押圧し、第2の突起5は第2の被洗浄面11Bを押圧する。
使用時間の経過に伴うブラシローラ1の弾性力の低下傾向を軽減するため、ロール体3の内径部に回転軸2を挿通した軸装着状態において、ブラシローラ1の最大肉厚Dは、ブラシローラ1の最大半径Rbの40%以下に設定され、突起5の突出高さHは、ブラシローラ1の最大半径Rbの7%以上20%以下に設定されている。
ブラシローラ1の最大半径Rbとは、回転軸2の回転中心Sから突起5の頂部5aまでの距離である。ブラシローラ1の最大肉厚Dとは、回転軸2の外周(外周面)2aから突起5の頂部5aまでの距離であり、最大半径Rbから回転軸2の半径(回転軸2の中心Sから外周2aまでの距離)Rrを減算した値である。突起5の突出高さHとは、ロール体3の外周面12(突起5の基端部5b)から突起5の頂部5aまでの距離である。
また、被洗浄面11に対する所望の洗浄効果を確保するため、ロール本体3の外周面12の回転方向の同一円周上(同一の突起配置列上)に配置される突起5の数は、4個以上40個以下が好適であり、ロール本体3の外周面12の軸方向(回転軸2の軸心方向)に沿った同一直線上に配置される突起5の数は、2個以上60個以下が好適である。また、突起5の頂部の面積は、1πcm以下が好適である。
PVAt系多孔質素材から成るブラシローラ1は、例えば平均重合度500〜3000でケン化度80%以上のポリビニルアルコール(原料)を一種又はそれ以上混合して水溶液とし、この水溶液に架橋剤としてアルデヒド類、触媒として鉱酸類、及び気孔形成剤として澱粉等を加え、これらの混合液を、図6及び図7に示すような所定の型21内に注入し、40〜80℃で反応させて型21から取り出した後、水洗により気孔形成剤等を除去することによって得られる。
型21は、外型23と内型25と底板27と芯棒29とキャップ31とを有する。外型23及び内型25は、共に円筒状に形成されている。内型25は、外型23の内径と同一か又はそれよりも僅かに小さい外径を有し、外型23内に挿入される。芯棒29は、内型25のほぼ中心に挿入される。底板27は、外型23及び内型25の下端を塞ぐと共に、芯棒29の下端を支持する。キャップ31は、外型23の上端の内周面に嵌合される。芯棒29は、底板27とキャップ31とによって位置決めされる。
内型25の内周面と芯棒29の外周面との間には、ロール体3を形成するための略円筒状の空間33が区画される。内型25には、突起5を形成するための貫通孔35が複数形成され、各貫通孔35は空間33と連通する。混合液は、外型23とキャップ31との間に挿入された注型ノズル45から空間33へ注入され、空間33から各貫通孔35へ流入する。同時に、貫通孔35内の空気は、空間33へ移動し、空間33の上端から大気へ放出される。これにより、混合液が貫通孔35の末端まで確実に充填される。
また、適正含水状態におけるブラシローラ1の有する30%圧縮応力(物性値)は、4kPa以上20kPa以下のものが好適である。適正含水状態とは、PVAt系多孔質素材が適正な弾力を発揮し得る含水状態をいい、含水率(乾燥状態に対する含水状態の重量%)が、およそ100%〜1500%の範囲で得られる。また、30%圧縮応力とは、適正含水状態のPVAt系多孔質素材を、両端面間の距離(長手方向の高さ)が30mmとなるように切断し、端面全体に荷重がかかるようにデジタル式荷重測定器にセットし、長手方向に30%(9mm)押し潰した時の荷重を計測し、該荷重を端面の面積で割った値として得られる。
また、PVAt系多孔質素材としては、その内部組織の気孔率が80%以上95%以下、平均気孔径が50μm以上200μm以下のものが好適である。
気孔率が80%より小さいと、湿潤時の柔軟性が不十分となり、また、気孔率が95%より大きいと、実用的強度に乏しく、何れも洗浄用途には適さないためである。また、平均気孔径が50μmよりも小さいと、湿潤時の弾性が不足して十分なブラッシング効果が得られず、200μmを超えると、目が粗すぎて精密洗浄には不適当なためである。
上記気孔率とは、乾燥機で十分に乾燥された乾燥状態の直方体のPVAt系多孔質素材を乾式自動密時計にて測定し、直方体の見掛け体積と真体積とから、次式(1)にて算出される値である。
気孔率(%)=(見掛け体積−真体積)/見掛け体積×100…(1)
また、上記平均気孔径は、PVAt系多孔質素材の内部組織に存在する複数の気孔の径の平均値である。本実施形態では、複数の気孔から所定の基準で抽出した所定数の気孔の長径(各気孔の長手方向の距離)の平均値を平均気孔径と定義し、例えば、以下の測定方法によって求めることができる。
ブラシローラ1を所定位置で切断し、その切断面に露出した内部組織を電子顕微鏡で撮影する。次に、撮影写真に所定の測定範囲を設定し、その測定範囲内に存在する複数の気孔の中から長径が大きい順に20個の気孔を抽出する。次に、抽出した20個の気孔の各長径を測定する。最後に、20個の測定値のうち大きい方から数えて11番目から20番目までの測定値の平均を、平均気孔径として算出する。
さらに、PVAt系多孔質素材としては、見掛け密度が0.06g/cm以上であり、保水率が600%以上のものが好適である。
上記見掛け密度は、所定形状(例えば矩形)のPVAt系多孔質素材の乾燥状態での重量(ドライ重量)と適正含水状態での外形寸法とを測定し、外形寸法から体積(ウエット体積)を算出し、ドライ重量をウエット体積で割った値として得られる。
また、保水率は、PVAt系多孔質素材の乾燥状態での重量(乾燥重量)と充分に含水した状態での重量(ウエット重量)とを測定し、次式(2)によって算出される値である。
保水率(%)=(ウエット重量−ドライ重量)/ドライ重量×100…(2)
なお、ロール体3の内径部に装着される回転軸2の外周形状は、円周面が軸方向に連続する形状に限定されず、回転軸2の外周に凹凸が形成された形状であってもよい。外周に凹凸が形成された回転軸50の一例を図8に示す。この回転軸50は、基軸部51と複数の第1壁部52と複数の第2壁部53とを一体的に有する。基軸部51は、細径の円筒形状であり、基軸部51の中心が回転軸50の回転中心Sとなる。第1壁部52は、基軸部51の軸方向(回転中心S)と略直交して回転軸50の軸方向に沿って所定間隔毎に並ぶ中空円板状であり、その内周縁部52bが基軸部51に固定されている。第2壁部53は、隣接する第1壁部52間を連結する矩形板状であり、その基端縁部53bが基軸部51に固定されている。第1壁部52の外周縁部52aと第2壁部53の先端縁部53aとは、回転中心Sからの距離が略等しく設定されて、回転軸50の外周50aを構成する。回転軸50に装着されたブラシローラ1の最大肉厚Dは、回転軸50の外周50a(第1壁部52の外周縁部52a及び第2壁部53の先端縁部53a)から突起5の頂部5aまでの距離となる。
基軸部51の内径部は、スクラブ洗浄時にブラシローラ1へ液体を供給するための液供給管路の主管路54として機能し、第1壁部52及び/又は第2壁部53の内部には、主管路54から分岐して回転軸50の外周50aへ放射状に延びる複数の分岐管路(図示省略)が形成されている。
次に、トルク測定試験について説明する。
トルク測定試験は、図9に示すトルク測定試験装置60を用いて行った。トルク測定試験装置60は、ガラス板61と板支持機構62とブラシ支持機構63とモータ64とトルクセンサ65と給水機構66とを備える。
ブラシ支持機構63は、ブラシローラ1の回転軸2を回転自在に支持する。モータ64は、ブラシローラ1の回転軸2に連結されて回転軸2を回転駆動する。ガラス板61は、その表面に被洗浄面69を有する。板支持機構62は、ガラス板61を、ブラシローラ1の回転軸2と略平行な姿勢でガラス板61を保持しながら、ブラシローラ1(突起5)に対して図中矢印67方向に近接させて、ブラシローラ1(突起5)に押し付ける。トルクセンサ65は、回転軸2とモータ64との間に介在してモータ64のトルク(回転トルク)を連続的に検出する。給水機構66は、回転軸2の液供給管路に図中矢印68方向から水を供給する。
トルク測定試験では、測定対象のブラシローラとして、本実施形態に係る実施例のブラシローラ1及び対応する回転軸2と比較例のブラシローラ及び対応する回転軸とを用意し、双方のブラシローラについて、トルクセンサ65によってそれぞれトルクを測定した。
軸装着状態における実施例のブラシローラ1の最大半径Rb及び最大肉厚D、回転軸2の半径Rr、最大半径Rbに対する最大肉厚Dの割合、突起5の突出高さH、最大半径Rbに対する突出高さHの割合は、以下のとおりである。
最大半径Rb:35.0mm、最大肉厚D:13.5mm、回転軸の半径:21.5mm、最大半径Rbに対する最大肉厚Dの割合:38.6%:、突出高さH:5mm、最大半径Rbに対する突出高さHの割合:14.3%
また、軸装着状態における比較例のブラシローラの最大半径Rb及び最大肉厚D、回転軸の半径Rr、最大半径Rbに対する最大肉厚Dの割合、突起5の突出高さH、最大半径Rbに対する突出高さHの割合は、以下のとおりである。
最大半径Rb:35.0mm、最大肉厚D:18.0mm、回転軸の半径:17.0mm、最大半径Rbに対する最大肉厚Dの割合51.1%:、突出高さH:5mm、最大半径Rbに対する突出高さHの割合:14.3%
なお、実施例と比較例とは、ブラシローラの軸方向の長さが同じであり、また、PVAt系多孔質素材の特性(平均気孔径、平均気孔率、見掛け密度、保水率、30%圧縮応力等)が同じになるように、同じ製造方法(原料や使用した気孔形成剤や反応条件等)によって製造したものである。
トルク測定試験の測定条件は、以下のとおりであり、実施例の測定条件と比較例の測定条件とは同じである。
モータ65による回転軸の回転数:400rpm、給水機構66による給水量:1L(リットル)/分、測定時間:2時間、板支持機構62によるブラシローラへのガラス板61の押し付け量(被洗浄面69に突起が接する位置からガラス板61をブラシローラ側へ移動させる量):1.0mm
図10及び図11は、実施例のトルクの測定値(測定データ)を示すグラフであり、図11は図10の一部(所定時間経過時)を拡大した図である。なお、比較例のトルクの測定データについては、図示を省略する。
図11に示すように、トルクは、回転軸が1回転する間に増減を繰り返す。また、図10に示すように、トルクは、増減を繰り返しながら、時間の経過と共に徐々に低下する。
トルクはブラシローラからの抵抗(反発力)に応じて変動することから、トルクの経時的な低下が小さいブラシローラほど、被洗浄体に対するブラシローラの押圧力や摩擦力の経時的な低下を抑えることができ、安定した洗浄性能を維持することが可能となる。また、1回転内のトルクの変動量が小さいブラシローラほど、ブラシローラの回転位置(被洗浄体と接触する突起の周方向の場所)の相違による洗浄効果のばらつきを少なく抑えることが可能となる。
トルクと洗浄効果との上記関係に基づき、実施例及び比較例のトルクの測定値を分析した結果を図12に示す。
図12に示すブラシ全振れとは、ブラシローラの全て突起について、軸装着状態でのブラシローラの半径(回転軸の回転中心から各突起の頂部までの距離)を測定し、測定した半径の最大値と最小値との差である。実施例のブラシ全振れが0.67mmであり、比較例のブラシ全振れが0.66mmであることから、実施例のブラシ全振れと比較例のブラシ全振れとはほぼ同等であり、実施例のトルクと比較例のトルクとの差(相違)に対してブラシ全振れが及ぼす影響は無視できることが判る。
図12の平均トルクとは、測定時間(2時間)内でのトルクの平均値である。実施例の平均トルクが0.158Nmであり、比較例の平均トルクが0.151Nmmであることから、実施例の平均トルクと比較例の平均トルクとに差があることが判る。
次に、回転軸が1回転する間のトルクのばらつきについて説明する。
図12に示すトルク振幅とは、所定時間経過時(本試験では1時間経過時)に回転軸が1回転する間のトルクの最大値と最小値との差分である(図11参照)。
平均トルクが大きいほどトルク振幅も大きくなることから、実施例のトルク振幅と比較例のトルク振幅とを単純に比較せずに、平均トルクに対するトルク振幅の比率(トルク振幅/平均トルク×100%)を実施例と比較例の両者についてそれぞれ算出して比較した。平均トルクに対するトルク振幅の比率は、実施例では6.3%、比較例では10.6%であった。これにより、実施例の方が比較例よりも1回転内のトルクの変動量が小さく、ブラシローラの回転位置(被洗浄体と接触する突起の周方向の場所)の相違による洗浄効果のばらつきが生じ難いことが確認された。
次に、長時間連続運転時(2時間連続運転時)のトルクの安定性について説明する。
図12に示す最大トルクTmaxとは、測定時間(2時間)内でのトルクの最大値であり、最小トルクTminとは、測定時間内でのトルクの最小値であり、トルク差ΔTとは、最大トルクTmaxと最小トルクTminとの差分(トルクの減少量)である(図10参照)。
トルク差ΔTについても、トルク振幅の場合と同様に平均トルクが大きいほどトルク振幅も大きくなることから、実施例のトルク差ΔTと比較例のトルク差ΔTとを単純に比較せずに、平均トルクに対するトルク差ΔTの比率(トルク差ΔT/平均トルク×100%)を実施例と比較例の両者についてそれぞれ算出して比較した。平均トルクに対するトルク差ΔTの比率は、実施例では24.1%、比較例では40.4%であった。これにより、実施例の方が比較例よりもトルクの経時的な低下が小さく、被洗浄体に対するブラシローラの押圧力や摩擦力の経時的な低下を抑えることができ、安定した洗浄性能を維持することが可能であることが確認された。
以上説明したように、本実施形態によれば、ブラシローラ1のうち突起5を含む部分の肉厚(最大肉厚D)は、その最大半径Rbの40%以下であり、ブラシローラ1が薄肉化されている。このような薄肉化により、被洗浄体10に対するブラシローラ1の押圧力や摩擦力が使用時間(洗浄時間)の経過(使用時間の増大)に応じて低下する傾向を抑えることができ、安定した洗浄性能を維持することが可能となる。
また、ブラシローラ1の肉厚が大きい場合、スクラブ洗浄時の回転数を増大させると、回転中に受ける遠心力と被洗浄体との間の押圧力及び摩擦力との影響によって、弾性を有するブラシローラ1の回転中の変形(振れ)が起こり易くなる傾向にあり、このような問題もブラシローラ1の薄肉化によって解決することができる。
なお、本発明は、一例として説明した上述の実施形態、及びその変形例に限定されることはなく、上述の実施形態等以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
例えば、突起5の形状や基本パターンは上記に限定されず任意である。また、2つのブラシローラ1A,1Bに異なるパターンで突起5を配置してもよく、第1の突起5と第2の突起5とを異なる形状や大きさに設定してもよい。また、第1のロール体2Aと第2のロール体2Bとを異なる大きさに設定してもよい。
また、上記実施形態では、1対のブラシローラ1A,1Bによって被洗浄体の表裏の被洗浄面11A,11Bをスクラブ洗浄する場合について説明したが、1つのブラシローラ1によって被洗浄体10の1つの被洗浄面11をスクラブ洗浄してもよい。
1,1A,1B…ブラシローラ、2,2A,2B…回転軸、3,3A,3B…ロール体、5…突起(第1の突起、第2の突起)、5a…突起の頂部、5b…突起の基端部、10…被洗浄体、11,11A,11B…被洗浄面、12…ロール体の外周面、D…最大肉厚、Rb…最大半径、Rr…回転軸の半径、S…回転軸の回転中心、H…突起の突出高さ

Claims (2)

  1. 湿潤状態で弾性を有するポリビニルホルマール樹脂系多孔質素材によって構成され、略円筒形状のロール体と複数の突起とを有し、前記突起は、前記ロール体の外周面から頂部に向かって一体的に突出し、前記ロール体は、該ロール体の内径部に回転軸を挿通した軸装着状態で該回転軸に固定的に支持され、前記回転軸を中心として前記ロール体を回転させ、前記突起を薄肉平板状の被洗浄体の被洗浄面に回転接触させて該被洗浄面を洗浄するブラシローラであって、
    前記軸装着状態において、前記回転軸の外周から前記突起の頂部までの距離である前記ブラシローラの最大肉厚は、前記回転軸の回転中心から前記突起の頂部までの距離である前記ブラシローラの最大半径の40%以下である
    ことを特徴とするブラシローラ。
  2. 請求項1に記載のブラシローラであって、
    前記軸装着状態において、前記ロール体の外周面から前記突起の頂部までの距離である前記突起の突出高さは、前記最大半径の7%以上20%以下である
    ことを特徴とするブラシローラ。
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